JP3774333B2 - 磁気ヘッド及びその製造方法、ならびに前記磁気ヘッドの製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばハードディスク装置などに搭載されるスライダを備えた磁気ヘッドに係り、特にスライダバーが形成された段階で、スライダの記録媒体との対向面の側縁部となる部分に、容易にしかも適性な面取り加工を施すことができ、記録媒体が受ける損傷を低減させることが可能な磁気ヘッド及びその製造方法、ならびに前記磁気ヘッドの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、ハードディスク装置などに搭載される従来の磁気ヘッドを記録媒体との対向面を上向きにして示した斜視図である。
【0003】
この磁気ヘッドでは、記録媒体の移動方向に対して上流側Aがリーディング側と呼ばれ、下流側Bが、トレーリング側と呼ばれている。
【0004】
図11に示す符号1はセラミック材料などにより形成されたスライダであり、前記スライダ1のトレーリング側端面Bには、磁気記録及び/又は再生用の薄膜素子部6が設けられている。
【0005】
図11に示すように、前記スライダ1の記録媒体との対向面には、エアグルーブ2が形成され、前記エアグルーブ2を囲むようにしてABS面3が形成されている。このABS面3はクラウン形成されている。
【0006】
図11に示す磁気ヘッドの製造方法は、まずスライダ1の母材となる円形状の基板上に、複数の薄膜素子部6を形成した後、前記基板を直方形状に切断し、いわゆるスライダバーを形成する。このスライダバーのトレーリング側端面には、一列に並んで複数の薄膜素子部6が形成された状態となっている。
【0007】
そして、前記スライダバーの記録媒体との対向面に、前記薄膜素子部6と同じ数だけのエアグルーブ2及びABS面3を形成する。その後に、各薄膜素子部6間から前記スライダバーを切断すると、図11に示すような個々の磁気ヘッドの形成が完成する。
【0008】
図11に示す磁気ヘッドは、ロードビーム(図示しない)の先端に固定されたフレキシャ(図示しない)に支持され、板ばねにより形成されたロードビームの弾性力により、記録媒体に付勢されている。
【0009】
この磁気ヘッドは、いわゆるCSS(コンタクト・スタート・ストップ)方式、あるいはランプロード方式のハードディスク装置などに使用される。
【0010】
磁気ヘッドの浮上姿勢では、リーディング側Aがトレーリング側Bよりも記録媒体上に高く持ち上がる傾斜した浮上姿勢となる。この浮上姿勢にて、図11に示す薄膜素子部6により記録媒体に記録信号が書込まれたり、あるいは記録媒体からの磁気信号が検出される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで図11に示す従来の磁気ヘッドでは、スライダ1の記録媒体との対向面における角部及び側縁部1aが角張っており、磁気ヘッドが記録媒体に接触した際などに、前記記録媒体が損傷を受け易いといった問題があった。このため、従来では図11に示すスライダ1を製造後、前記スライダ1の角部及び側縁部1aを例えば機械加工などによって面取りしていた。
【0012】
しかしながらスライダ1を製造した後に、個々のスライダ1に対して面取り加工を施さなければならないとすると、チップ化されたスライダ1に面取り加工を施すのは非常に困難であり、よって加工作業が非常に煩雑化し、スライダ1の製造効率を低下させる原因となる。
【0013】
そこで、複数のスライダ1が一体になって形成された状態、つまりスライダバーの状態のときに、前記面取り加工を行うようにすることも可能である。
【0014】
図12は、スライダバーの状態を示す部分斜視図である。
図12に示すように、前記スライダバー7のトレーリング側端面Bには、複数の薄膜素子部6が形成されている。そして前記スライダバー7の記録媒体との対向面8には、図11に示すようなエアグルーブ2及びABS面3の加工が施されており、さらに各薄膜素子部6間には、一定の深さを有する溝部9が形成されている。
【0015】
従来では、例えば各溝部9の両側縁部9aを除いて、スライダバー7の各対向面8を所定の大きさのマスクで覆い、その後砥粒を噴きつけて、各側縁部9aを削るブラスト方式などによって、面取り加工を施していた。
【0016】
しかしながら、この方法によると、砥粒の噴き付けによって、前記側縁部9aに占める結晶粒子が脱粒しやすくなり、特に記録媒体上に、磁気ヘッドを走行させている際に、粒子が脱粒すると、この粒子が記録媒体上に落下し、これによって、前記記録媒体を傷つけてしまうといった問題があった。またこのブラスト方式では、高価な設備が必要になるといった問題もあった。
【0017】
さらに、前記面取り加工では、対向面8の四方の角部が鋭角のままとなったり、あるいはこの角部にバリが残るなどし、この角部により記録媒体に損傷を与えやすいものとなる。
【0018】
またスライダバー7の状態で各側縁部9aを、ダイサを使用して研削し面取り加工をする方法もあるが、研削加工の際にスライダバーのセッティング精度が、そのまま加工精度になってしまい、セッティング精度や寸法のばらつきを十分に吸収できず、すべての側縁部9aに均一な面取り加工を施すことが困難である。
【0019】
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、特にスライダバーの状態にて、各スライダの側縁部に容易にしかも均一な面取り加工を施すことができ、さらには対向面の角部をR形状に形成できるようにして、記録媒体に与える損傷を低減させることが可能な磁気ヘッド及びその製造方法、ならびに前記磁気ヘッドの製造装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スライダと、このスライダのトレーリング側に設けられた磁気記録用、あるいは、再生用、又は前記磁気記録用及び前記再生用の素子部とを有する磁気ヘッドにおいて、
前記スライダの記録媒体との対向面には段差が形成され、前記段差を介して前記対向面側において最も高い位置にあり、記録媒体上の空気流からの浮上力を受けるABS面が形成され、前記ABS面は、前記トレーリング側であって、前記スライダの幅方向の中央部分に形成され、前記ABS面からは前記素子部のギャップ部が現れており、前記ABS面の前記スライダの幅方向の両側には、前記ABS面よりも高さの低いエアグルーブが形成され、
前記スライダの前記対向面の側縁部には、少なくともトレーリング側に向けて前記側縁部から徐々に離れる湾曲面が設けられており、
前記湾曲面は、前記ABS面にまで及ばないように前記エアグルーブ内に形成されていることを特徴とするものである。
【0021】
本発明では、上記のように、スライダの記録媒体との対向面の側縁部に、トレーリング側に向けて前記側縁部から徐々に離れるように沿って形成された湾曲面を設けることで、前記対向面の角部及び側縁部の角張った部分が除去され、記録媒体への損傷を抑制することができる。
記録媒体との対向面に形成されるABS面上の面積及び形状等は、磁気ヘッドの記録媒体上での浮上特性に大きな影響を与えるものであり、従って、前記ABS面が、湾曲面の形成によって削り取られ面積が変化すると、記録媒体と磁気ヘッドとの間に流れる空気抵抗が変化し、記録媒体上での前記磁気ヘッドの浮上特性が悪化するといった問題が発生する。
そこで本発明では、スライダの側縁部に形成されるべき湾曲面を、記録媒体との対向面上に形成されたABS面にまで及ばない領域内で形成することにより、ABS面の面積及び形状が、湾曲面の形成前・形成後で変化しないようにし、浮上特性の安定化を図ることができる。
また本発明では、前記湾曲面は、少なくともトレーリング側に向けて形成されている。リーディング側に比べトレーリング側の方が、記録媒体に接触しやすから、前記トレーリング側に湾曲面を形成することで、記録媒体への損傷を効果的に抑制することができる。特にランプロード方式の磁気ヘッドには最適な構造となる。
【0027】
上記構成は、本発明における一実施形態の磁気ヘッドの構造を表しており、上記構成では、記録媒体との対向面に形成されるABS面は、スライダの幅方向の中央部分に形成されている。
【0028】
このようにABS面が、幅方向の中央部分に形成されることで、前記ABS面の両側から、スライダの側縁部までには、比較的広い間隔が空いているので、前記湾曲面を、前記ABS面の幅方向の両側で且つ前記ABS面の形成されていない領域に、容易にしかも適性な形状で形成することが可能である。
【0030】
さらに発明では、前記湾曲面は、前記素子部に達しない深さに形成されていることが好ましい。また前記記録媒体との対向面のトレーリング側、あるいはリーディング側、又は前記トレーリング側及び前記リーディング側の角部には、前記湾曲面と連続するR面が形成されていることが好ましい。
【0031】
また本発明は、スライダと、このスライダのトレーリング側端面に設けられた磁気記録用、あるいは、再生用、又は前記磁気記録用及び前記再生用の素子部とを有する磁気ヘッドの製造方法において、
トレーリング側端面に複数の素子部が形成されたスライダバーを形成し、各素子部間であって前記スライダバーの記録媒体との対向面に、溝部を形成する第1工程と、
前記溝部の幅寸法よりも大きい径を有するワイヤを、一定の張力によって張り、前記スライダバーの溝部の両側縁部に、ワイヤを押し付ける際に、前記スライダバーの溝部とワイヤとの相対位置を傾けて、少なくとも前記スライダバーのトレーリング側の溝部の両側角部に、前記ワイヤを押し付ける第2工程と、
前記溝部の形成方向に沿って、前記ワイヤと前記溝部とを摺動させ、前記溝部の両側縁部に、前記トレーリング側にかけて徐々に削り量が多くなる湾曲面を形成する第3工程と、
前記スライダバーを、前記溝部で切断する第4工程と、
を有し、
前記第1工程と第2工程の間に、前記溝部間の各記録媒体との対向面に、段差を介して前記対向面側において最も高い位置にあり、記録媒体上の空気流からの浮上力を受けるABS面を、前記トレーリング側であって、各対向面の幅方向の中央部分に形成し、このとき前記ABS面から前記素子部のギャップ部が現れる工程を含み、
前記第3工程にて、前記湾曲面を、前記ABS面にまで及ばないように、前記ABS面の幅方向の両側に形成された前記ABS面よりも高さの低いエアグルーブ内に形成することを特徴とするものである。
【0032】
あるいは、上記第2工程に代えて、
前記溝部の幅寸法よりも大きい径を有するワイヤを、一定の張力によって張り、前記スライダバーに形成された溝部の両側縁部を前記ワイヤに押し付け、前記ワイヤを前記溝部から離れる方向へ山なりに撓ませる工程と、
さらに上記第3工程に代えて、
前記溝部の形成方向に沿って、前記ワイヤと前記溝部とを摺動させ、前記溝部の両側縁部に、トレーリング側およびリーディング側にかけて徐々に削り量が多くなる湾曲面を形成する工程と、
を有していてもよい。
【0035】
なお上記において、前記ワイヤは、周囲にダイヤモンド砥粒がコーティングされたものを使用することが好ましい。
【0036】
また本発明では、前記ワイヤを前記溝部の両側縁部に当接させた状態を前記ワイヤの断面で見たときに、前記ワイヤの中心から前記両側縁部との当接点へ延びる線と、前記ワイヤの中心から前記溝部内に延びる垂線と、が成す角度が30〜50度の範囲となるように、前記ワイヤの直径が選択されることが好ましい。
【0037】
さらに本発明における磁気ヘッドの製造装置は、
トレーリング側端面に形成された複数の素子部と、各素子部間であって記録媒体との対向面に形成された溝部とを有するスライダバーを保持する保持部材と、
前記溝部の幅寸法よりも大きな径を有するワイヤが、前記溝部の間隔の整数倍の間隔で複数条が平行となるように張られているワイヤガイド部材と、
前記複数条のワイヤがそれぞれ前記スライダバーの溝部に押し付けられた状態で、前記保持部材と前記ワイヤガイド部材の少なくとも一方を前記溝部の形成方向に沿って往復移動させて、前記溝部の両側縁部に面取り加工を施して湾曲面を形成する駆動手段と、
前記保持部材と前記ワイヤガイド部材の少なくとも一方を前記溝部の並び方向へ移動させて、前記ワイヤにより面取り加工する溝部を更新していく送り手段とが設けられており、
前記保持部材を駆動して前記溝部の両側縁部を前記ワイヤに押し付け、このとき前記スライダバーの溝部とワイヤとの相対位置を傾けて、少なくとも前記スライダバーのトレーリング側の溝部の両側角部に、前記ワイヤを押し付け、
前記駆動手段により、前記溝部間の各記録媒体との対向面の前記トレーリング側であって、各対向面の幅方向の中央部分に位置し、さらに前記素子部のギャップ部が現れるABS面にまで前記湾曲面が及ばないように、前記湾曲面を、前記ABS面の両側に形成された前記ABS面よりも高さの低いエアグルーブ内に形成することを特徴とするものである。
【0038】
本発明者は、スライダバーの状態で、各スライダの記録媒体との対向面の側縁部に対し、容易にしかも均一な面取り加工を施すことが可能な方法を見出したのである。従来においてもスライダバーの状態で、例えばダイサを用いて面取り加工を施す方法があったが、この場合、セッティング精度や寸法のばらつきを十分に吸収できず、各側縁部に対し均一な面取り加工を施すことができないといった問題があった。
【0039】
本発明では、まず複数の薄膜素子部が形成されたスライダバーの記録媒体との対向面に、各薄膜素子部間に複数の溝部を形成する。
【0040】
次に、前記溝部の幅よりも大きい径を有するワイヤを用意し、このワイヤを一定の張力によって張り、前記スライダバーの溝部の記録媒体との対向面の両側縁部を、前記ワイヤに押し付けるのである。これにより例えば前記ワイヤは、前記溝部から離れる方向へ山なりに撓み、この状態で、例えばスライダバーをワイヤ上で往復摺動させる。ワイヤとの摩擦により、前記スライダバーに形成された溝部の両側角部が優先的に削り取られ、徐々に前記溝部の中央方向にかけて両側縁部が削り取られていく。このように本発明では、最も記録媒体と接触しやすい角部が優先的に削り取られていくことで、前記溝部の記録媒体との対向面の側縁部のうち、その中心よりもトレーリング側端面及びリーディング側端面にかけて削り量は多くなり、前記側縁部には湾曲面が形成されることになる。
【0041】
本発明によれば、製品化されたスライダの記録媒体との対向面の角部は、より多く削りとられてR形状で形成されており、これにより記録媒体と接触した場合に、特に前記記録媒体を損傷させやすかった前記角部が、記録媒体に接触しても、前記記録媒体は従来に比べて損傷を受け得ない状態にすることが可能である。
【0042】
以上のように本発明では、ワイヤを使用し、前記ワイヤとの摩擦を利用して、スライダバーの状態で面取り加工を行うことができるものであるから、従来に比べて面取り加工の形成時間を短縮、加工工程を簡略化でき、さらにダイサによる面取り加工に比べて均一な面取り加工を施すことができ、しかも面取り加工の装置を安価に製造できる。さらに面取り加工時における加工ストレスも小さいことから、従来におけるブラスト方式の場合のように、面取り加工面から粒子の脱粒が起こることが無く、前記面取り加工面における損傷の発生も従来に比べて低減させることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
図1は、ハードディスクなどに搭載される磁気ヘッド(参考例)を記録媒体との対向面を上向きにして示した斜視図である。
【0044】
図1に示した磁気ヘッドのスライダ10は、アルミナ・チタンカーバイト、またはAl2O3(アルミナ)などのセラミック材料や金属膜により形成されており、記録媒体との対向面11にエアグルーブ(溝部)12が形成され、さらに前記エアグルーブ12を囲むようにしてレール部(段差部)13が形成されている。前記レール部13の表面13aは、対向面11側において、最も高い位置に形成された面であり、この表面13aは、ABS面と呼ばれ、クラウン形成されていることが好ましい。
【0045】
前記ABS面13aは、記録媒体(図示しない)が回転したときに、スライダ10と記録媒体との間の空気流により浮上力を受ける部分であり、エアグルーブ12は、スライダ10に対して負圧を与える部分である。
【0046】
図1に示すように、スライダ1のトレーリング側端面B(端部)には、薄膜素子部14が設けられている。この薄膜素子部14は例えばアルミナ(Al2O3)などのセラミック材料による保護膜24で覆われている。
【0047】
前記薄膜素子部14は、再生用ヘッドとしてのMRヘッドおよび/または記録用ヘッドとしてのインダクティブヘッドとで形成された薄膜磁気素子15と、この薄膜磁気素子15内に形成されているコイル層あるいは電極層と導通接続される電極部16とで構成されている。
【0048】
図1に示すように、薄膜磁気素子15が形成されている対向面11上にはABS面13aが形成されており、このABS面13aから、前記薄膜磁気素子15のギャップ部Gが現れている。
【0049】
次に、スライダ10の側面形状について以下に説明する。
【0050】
図1に示すように、記録媒体との対向面11の側縁部17には面取り加工が施され湾曲面19が形成されている。前記湾曲面19は、点線で示す部分(右側の側縁部17参照)、すなわち面取り加工前のスライダ10側縁部からリーディング側端面A及びトレーリング側端面Bに向けて前記側縁部から徐々に離れるように沿って形成されている。
【0051】
前記側縁部17は、後に詳述する方法により削り取られ、その削り量は、点線で示すように、その中心部分Cから、リーディング側端面A及びトレーリング側端面Bに向けて徐々に多くなっており、これにより前記側縁部17には、湾曲面19が形成されている。また前記側縁部17が湾曲面19で形成されることから、記録媒体との対向面11の4つの角部18には、前記湾曲面19と連続するR面が形成される。
【0052】
前述したように、スライダ10のトレーリング側端面Bには、薄膜素子部14が形成されているが、本発明では、前記湾曲面19がトレーリング側端面Bまで延びて形成される場合、前記湾曲面19は、前記薄膜素子部14に達しないように形成されている必要がある。
【0053】
前記トレーリング側端面Bにおける削り量を多くすることは、側縁部17に湾曲面19を形成でき、よって対向面11における角部18をR形状にできるので、記録媒体への損傷を低減できる観点からすれば好ましいが、トレーリング側端面Bにて薄膜素子部14までもが削れて湾曲面19が形成されると、前記薄膜素子部14が破壊されてしまうので、前記トレーリング側端面Bにおける削り量を、薄膜素子部14にまで達しない程度に調整する必要性がある。
【0054】
また図1に示すように、スライダ10の側面20には、段差部34が形成されているが、この段差部34は後述する製造方法で説明するように、スライダバーから各スライダ10を切断することにより形成されるものである。なお、この段差部34が形成されないようにすることも可能である。
【0055】
また図1に示すスライダ10では、側縁部17に形成される湾曲面19が、リーディング側端面A及びトレーリング側端面Bにかけて形成されているが、前記湾曲面19は、リーディング側端面Aあるいはトレーリング側端面Bのどちらか一方にかけて形成されるようにしてもよい。
【0056】
また特に磁気ヘッドがランプロード方式で使用される場合には、前記湾曲面19は、少なくともトレーリング側Bにのみ形成されていることが好ましい。
【0057】
図2は、本発明の実施形態の磁気ヘッドを記録媒体との対向面を上向きにして示した斜視図である。
【0058】
図1に示す磁気ヘッドのスライダ10と、図2に示す磁気ヘッドのスライダ10とを比較すると、記録媒体との対向面11の形状と湾曲面19の形成位置が異なっている。
【0059】
図2に示すスライダ10では、記録媒体との対向面11に、例えばABS面13aが四角形状にされた3つの段差部13が部分的に形成されている。
【0060】
そしてこの段差部13の回りを取り囲むようにしてエアグルーブ(溝部)12が形成されている。
【0061】
図2に示すように、記録媒体との対向面11上に形成された3つのABS面13aのうち、1つのABS面13aは、スライダ10の幅方向の中央部分に形成され、しかもトレーリング側端面B寄りに形成されている。そして残りの2つのABS面13aは、リーディング側端面A寄りに形成され、しかも前記2つのABS面13aは、互いにスライダ10の側縁部17側に寄って形成されている。
【0062】
このため図2に示すように、トレーリング側端面Bの中央部分に形成されたABS面13aの両側から、スライダ10の両側縁部17までには、比較的広い間隔T4が空いている。これに対し、リーディング側端面A寄りに形成された2つのABS面13aとスライダ10の側縁部17までには、前記間隔T4に比べて狭い間隔T3しか空いていない。
【0063】
ところで、上述したように、前記ABS面13aは、記録媒体(図示しない)が回転したときに、スライダ10と記録媒体との間の空気流により浮上力を受ける部分であり、前記ABS面13aの面積や形状等により、記録媒体上でのスライダ10の浮上距離および浮上姿勢が制御される。
【0064】
このためABS面13aの面積や形状は、予め設計の段階で決められているが、仮にスライダ10の側縁部17に形成される湾曲面19が、前記ABS面13aにまで及んで形成され、前記ABS面13aの一部が削り取られると、前記ABS面13aの面積及び形状が変化し、スライダ10の浮上特性に影響を与えることになる。
【0065】
従って本発明では、スライダ10の記録媒体との対向面11に形成されるABS面13aにまで及ばない領域内、すなわち前記ABS面13aの回りを取り囲むエアグルーブ(溝部)12の領域内で湾曲面19が形成されるようにすることが好ましい。これによりスライダ10の浮上特性の安定化を図ることができる。
【0066】
図2に示す実施例では、前述したように、スライダ10のリーディング側端面Aには、スライダ10の側縁部17側寄りに2つのABS面13aが形成されており、前記ABS面13aからスライダ10の側縁部17までには、僅かな間隔T3しか空いていない。
【0067】
このため、前記スライダ10の側縁部17に対し、リーディング側端面Aに向けて湾曲面19を形成すると、前記間隔T3の部分のエアグルーブ(溝部)12のみならず、さらにABS面13aまでが、前記湾曲面19の形成によって削られる可能性が高く、従って図2に示す実施例では、スライダ10の側縁部17に形成される湾曲面19は、リーディング側端面Aにかけて形成されていない。
【0068】
また前記リーディング側端面Aの角部18,18と、前記リーディング側端面A寄りに形成された2つのABS面13aとの間にも、僅かな間隔しか空いていないので、仮に記録媒体上で前記スライダ10が傾いたとしても、前記角部18は記録媒体に接触しにくく、よって前記角部18がそのまま鋭角状のまま残されたとしても、記録媒体への損傷が増大することはほとんどない。
【0069】
一方、トレーリング側端面B寄りには、スライダ10の幅方向の中央部分にABS面13aが形成されているので、前記ABS面13aとスライダ10の側縁部17との間には、比較的広い間隔T4が空いており、従ってスライダ10の側縁部17に対し、トレーリング側端面Bに向けて湾曲面19を形成しても、前記湾曲面19の形成によって、スライダ10の中央部分に形成されたABS面13aが削られる可能性は低い。
【0070】
よって本発明では図2に示すように、湾曲面19をトレーリング側Bに向けてのみ形成しており、図2に示す実施例では、湾曲面19の形成によってABS面13aが削られておらず、浮上特性の安定した磁気ヘッドを製造することが可能である。
【0071】
また図2に示すように、スライダ10のトレーリング側端面Bには、薄膜素子部14が形成されており、この薄膜素子部14は、例えばアルミナなどの金属膜等よりなる保護膜24で覆われている。
【0072】
前記薄膜素子部14は、MRヘッドおよび/または記録用のインダクティブヘッドとで形成された薄膜磁気素子15と、この薄膜磁気素子15と導通接続される電極部16とで構成されており、図2に示すように、前記薄膜磁気素子15は、トレーリング側端面Bのほぼ中心付近に形成されている。
【0073】
前記薄膜磁気素子15上の対向面11には、前述したスライダ10の幅方向の中央部分に形成されたABS面13aが位置しており、前記薄膜磁気素子15のギャップ部Gが、前記ABS面13aから現れている。
【0074】
なおこの実施例においても図1に示すスライダ10と同様に、スライダ10の側縁部17に形成された前記湾曲面19は、前記スライダ10のトレーリング側端面Bにおいて、前記薄膜素子部14にまで達しない深さに形成されていることが好ましく、また前記湾曲面19の形成により、前記記録媒体との対向面11の角部18には、前記湾曲面19と連続するR面が形成されていることが好ましい。
【0075】
なお図2に示す実施例では、スライダ10の幅方向の中央部分であって、トレーリング側端面B寄りにABS面13aを形成し、前記ABS面13aの幅方向の両側で且つ前記ABS面13aが形成されていない領域に湾曲面19を形成しているが、このような形状は、磁気ヘッドがランプロード方式で使用される場合に、特に最適な設計となっている。
【0076】
ランプロード方式の場合、磁気ヘッドは、ロード/アンロード時にトレーリング側Bから記録媒体に接近し、リーディング側端面Aから離れるように設計されるため、リーディング側端面Aの角部18等が記録媒体に接触する確率は、極めて低いのに比べ、トレーリング側端面Bの角部18等が、記録媒体に接触する確率は、高くなっている。
【0077】
このため図2に示すように、スライダ10の記録媒体との対向面11に対し、トレーリング側端面B寄りのスライダ幅方向の中央部分にABS面13aを形成し、前記ABS面13aの幅方向の両側に位置する側縁部17に、前記ABS面13aにまで及ばない領域内で、湾曲面19を形成することにより、記録媒体への損傷をより低減させることが可能になっている。
【0078】
ただし本発明では、図2に示すスライダ10の形状に限定するものではない。すなわちスライダ10の幅方向の中央部分であり、且つリーディング側端面A寄りに、ABS面13aを形成し、前記ABS面13aの幅方向の両側に位置する側縁部17に湾曲面19を形成してよいし、あるいはスライダ10の幅方向の中央部分であって、リーディング側端面A及びトレーリング側端面Bの双方に、ABS面13aを形成し、前記リーディング側端面A及びトレーリング側端面Bに向けて、スライダ10の側縁部17に湾曲面19を形成してもよい。
【0079】
またABS面13aの形状についても、図2に示すように四角形状でなくてよく、どのような形状であってもかまわない。
【0080】
さらに図1(参考例)または図2に示す実施例では、対向面11上に、浮上力を与えるABS面13aと、負圧を与えるエアグルーブ12とが形成されているが、さらに前記ABS面13aの高さ位置と、エアグルーブ12の高さ位置との間の高さ位置を有する段差部が形成されていてもかまわない。
【0081】
この場合、前記段差部にまで、スライダ10の側縁部17に形成される湾曲面19が形成されていてもかまわないし、あるいは前記段差部にまで及ばないように、エアグルーブ12の部分にのみ前記湾曲面19が形成されていてもかまわない。
【0082】
以上のように本発明では、スライダ10の記録媒体との対向面11の側縁部17には、その中心からリーディング側端面Aおよび/またはトレーリング側端面Bにかけて徐々に削り量が多くなるようにして形成された湾曲面19が設けられている。
【0083】
この湾曲面19の形成により、スライダ10と記録媒体とが接触した際における記録媒体への損傷を適正に防止でき、特に本発明にあっては、スライダ10の記録媒体との対向面11の角部18をR形状に形成できるので、従来最も記録媒体へ損傷を与え易かった角部18が記録媒体へ接触しても、前記記録媒体の損傷を従来に比べて低減させることが可能である。
【0084】
また本発明では、記録媒体との対向面11上に形成されたABS面13aにまで及ばない対向面11の領域内で、湾曲面19を形成することが好ましく、これにより、浮上特性の安定化を図ることができる。
【0085】
次に本発明におけるスライダ10の製造方法について以下に図3ないし図6を参照しながら説明する。
【0086】
まず図3に示すように、複数のスライダ10が一列に一体となって形成されたスライダバー21を形成し、このスライダバー21のトレーリング側端面Bに設けられた各薄膜素子部14間であって、記録媒体との対向面11に、溝部22を形成する。この溝部22の形成によって形成された側縁部22aが、各スライダ10の側縁部となる部分である。
【0087】
次に前記溝部22の幅寸法よりも大きい径を有するワイヤを用意する。このワイヤは例えばピアノ線であり、本発明では前記ワイヤの周囲全体にダイヤモンド砥粒がコーティングされていることが好ましい。
【0088】
図4に示すようにダイヤモンド砥粒がコーティングされたワイヤ23は、その径T2が、溝部22の幅寸法T1よりも大きくなっているが、さらに本発明では、図4に示すように、前記ワイヤ23を前記溝部22の記録媒体との対向面11の両側縁部22aに当接させた際、前記ワイヤ23の断面で見たときに、前記ワイヤ23の中心Dから前記両側縁部22aとの当接点へ延びる線と、前記ワイヤの中心Dから前記溝部22内に延びる垂線と、が成す角度が30〜50度の範囲となるように、前記ワイヤ23の直径が選択されることが好ましい。最も好ましいのは、前記角度θが45度となるような径T2を有するワイヤ23を選択することである。
【0089】
前記角度θが30度から50度の範囲内にならない径T2を有するワイヤ23を選択した場合、すなわち前記角度θが30度よりも小さい、あるいは50度よりも大きい場合には、後述する工程で説明するように、前記ワイヤ23との摩擦によって削れる前記側縁部22aの部分のうち、記録媒体との対向面11側における削り量と、側面20側における削り量とが大きく異なってしまい、製品化されたスライダ10の側縁部17に、図1に示すような適切な形状の湾曲面19を形成できない虞があるからである。
【0090】
本発明では前記ワイヤ23を一定の張力によって張った後、図5に示すように、スライダバー21に形成された溝部22の両側縁部22aを、ワイヤ23に押し付ける。これによって前記ワイヤ23は、前記溝部22から離れる方向へ山なりに撓む。
【0091】
このようにワイヤ23に、スライダバー21の溝部22の部分を押し付けた状態で、本発明では図5に示すように、溝部22の形成方向(X方向)に沿って、スライダバー21あるいはワイヤ23を往復摺動させる。この摺動により、ワイヤ23との摩擦で、前記スライダバー21の溝部22の側縁部22aが削られる。
【0092】
本発明では、前記ワイヤ23がスライダバー21に押し付けられ、図5に示すように撓んだ状態で面取り加工が施されるので、スライダバー21の各側縁部22aのうち、前記ワイヤ23と必ず接触した状態にある角部から削れていき、徐々に前記角部から前記側縁部22aの中心にかけて削れていく。逆に言えば、前記側縁部22aの中心から角部にかけて削り量が多くなり、図6に示すように、スライダバー21の各側縁部22aには、湾曲面19が形成される。
【0093】
そして本発明では、図6に示すようにスライダバー21を、各溝部22から一点鎖線で示すように切断すると、図1に示すような磁気ヘッドを複数個同時に得ることが可能である。
【0094】
なお図6に示すように、最も図示左側におけるスライダ10には、そのトレーリング側端面Bに、薄膜素子部14が形成されていないが、これは、前記スライダ10の左側縁部21aを、図5に示すワイヤ23によって面取り加工できないので、前記スライダ10は製品化されることはなく、したがって前記スライダ10に薄膜素子部14が形成されていないのである。
【0095】
また図6に示す溝部22から切断した際に、図1に示す製品化されたスライダ10の側面20には段差部34が形成されるが、例えばスライダ10が記録媒体上で浮上あるいは摺動している際に、強い衝撃を受けて傾いたとしても、前記段差部34は、記録媒体との対向面11から離れた位置にあるので、記録媒体と接触しにくく、記録媒体への損傷を増大させる原因となることはない。なお、前記段差部34が形成されないように、各溝部22からの切断を行ってもよい。
【0096】
次に図7及び図8を参照しながら、本発明における他のスライダ10の製造方法について説明する。
【0097】
まず図3に示す各薄膜素子部14間に溝部22が形成された細長形状のスライダバー21を形成し、例えばピアノ線にダイヤモンドがコーティングされたワイヤ23を用意する。
【0098】
なお前記ワイヤ23を、前記溝部22の記録媒体との対向面11の両側縁部22aに当接させた際、前記ワイヤ23の断面で見たときに、前記ワイヤ23の中心Dから前記両側縁部22aとの当接点へ延びる線と、前記ワイヤの中心Dから前記溝部22内に延びる垂線と、が成す角度が30〜50度の範囲となるように、前記ワイヤ23の直径が選択されることが好ましい(図4参照)。最も好ましいのは、前記角度θが45度となるような径T2を有するワイヤ23を選択することである。
【0099】
次に前記ワイヤ23を一定の張力で張った後、図7に示すように、例えば前記ワイヤ23を、溝部22の形成方向に対して傾けて、スライダバー21に形成された溝部22の、例えばトレーリング側端面Bの両側縁部22aにのみ、前記ワイヤ23を押し付ける。
【0100】
これにより、トレーリング側の両側縁部22aの角部にのみ、ワイヤ23が押し付けられた状態になり、この状態で前記スライダバー21あるいはワイヤ23を、溝部22の形成方向(X方向)に沿って、往復摺動させる。この摺動により、前記ワイヤ23との摩擦で、前記トレーリング側端面Bにおける両側縁部22aの角部から優先的に削られていき、徐々に前記角部から前記側縁部22aの中心にかけて削られていく。
【0101】
そして図8に示すように、スライダバー21のトレーリング側端面Bの両側縁部22aにのみ湾曲面19が形成された状態となっている。
【0102】
なお、図7に示す工程の際に、スライダバー21のリーディング側端面Aの両側縁部22aにのみワイヤ23を押し付けて、前記リーディング側端面Aの両側縁部22aにのみ湾曲面19が形成されるようにしてもかまわない。
【0103】
そして図8に示すようにスライダバー21を、各溝部22から一点鎖線で示すように切断すると、図2に示すような磁気ヘッドを複数個同時に得ることが可能である。
【0104】
図7及び図8に示す製造方法によれば、ワイヤ23と溝部22との相対角度、ワイヤ23の押し込み量、さらには前記ワイヤ23の張力等を変更することで、部分的に所定形状の湾曲面19を形成でき、また部分的に大きな形状の湾曲面19を形成することが可能である。
【0105】
なお記録媒体との対向面11に形成されるABS面13a(図1,2参照)は、イオンミリング等によって形成されるものであり、本発明では、前記ABS面13aの形成を、どの工程の時に行うかは自由である。
【0106】
例えば図3に示すスライダバー21を形成後、前記スライダバー21の側縁部22aに湾曲面19を形成する前に、ABS面13aの形成を行ってもよいし、あるいは、スライダバー21の側縁部22aに湾曲面19を形成した後に、ABS面13aを形成してもよい。あるいは、前記スライダバー21から複数のスライダ10に切断された後、個々のスライダ10に対してABS面13aの形成を行ってもかまわない。
【0107】
またABS面13aの形状は、どのような形状であってもかまわない。ただし本発明では、前記湾曲面19を、ABS面13aに及ばない領域に形成することが好ましい。
【0108】
また前記ABS面13aを、スライダの幅方向の中央部分に形成した場合には、前記ABS面13aの両側に位置する側縁部22aに湾曲面19を形成することが好ましい。
【0109】
以上のように本発明によれば、複数のスライダが一体形成されたスライダバー21の状態で、各スライダの側縁部となる溝部22の複数の側縁部22aに対し、同時に面取り加工を施すことができるので、従来のように、各スライダごとに面取り加工を施す場合に比べ、面取り加工の工程を簡略化でき、また面取り加工の時間を短縮できる。
【0110】
さらに本発明では、面取り加工を、ダイヤモンド砥粒のコーティングされたワイヤを使用し、このワイヤとの摩擦によって行う比較的簡単なものであるので、面取り加工を容易に行うことができ、また面取り加工に用いる装置も安価に製造可能である。また前記ワイヤとの摩擦によって面取り加工を施すので、面取り加工の施される側縁部22aにおける加工ストレスを小さくでき、図6に示す湾曲面19に外傷などは発生しにくい。さらに前記ワイヤのスライダバー21に対する押し込み量や、前記ワイヤとスライダバー21との相対位置、またはワイヤの張力等を変えることで、スライダバー21の側縁部22aに形成される湾曲面19を所定の形状に形成でき、しかも前記湾曲面19の形状を容易に変更することが可能である。
【0111】
また面取り加工は、ダイヤモンド砥粒のコーティングされたワイヤを使用する以外に、例えば砥粒を含んだスラリーを、ピアノ線のみで構成されるワイヤと、スライダバーの側縁部22aとの間に流し込み、前記ワイヤとの摩擦で行う方法などで行ってもよい。ただし、この場合であると、後にスライダバーに付着したスラリーを洗浄する必要性があるなど、面取り工程に時間がかかり、ダイヤモンド砥粒のコーティングされたワイヤを使用する場合に比べると好ましくないと考えられる。
【0112】
次に本発明における磁気ヘッドの製造装置について説明する。
【0113】
図9は本発明における製造装置の部分平面図、図10は、図9に示す製造装置の部分正面図である。
【0114】
図9に示す製造装置25は、図3に示すスライダバー21に形成された溝部22の側縁部22aに対し、図6あるいは図8に示すような湾曲面19を形成する工程に用いられるものである。
【0115】
前記製造装置25には、ワイヤガイド板29,30が並列に設けられており、このワイヤガイド板29,30上には、複数個の円形状のピン31が設置されている。ワイヤ27の一端は、ワイヤガイド板30上で固定部材28によって固定されており、ワイヤ27が複数のピン31の外周に沿って架け渡され、前記ワイヤ27の他端が、ワイヤガイド板30上で固定部材32によって固定されている。前記ワイヤ27は、ダイヤモンド砥粒がコーティングされたものであり、しかも前記ワイヤ27の径は、スライダバー21に形成された溝部22の幅寸法よりも大きいものである。
【0116】
前記ワイヤ27を架け渡した状態で、例えばワイヤガイド板29を図示X1方向(図示左方向)に動かし、これによって、前記ワイヤ27には一定の張力がかかった状態になる。
【0117】
このように前記ワイヤ27が、ワイヤガイド板29上に形成された複数のピン31に架け渡されたことにより、ワイヤガイド板29,30間においては、複数条のワイヤ27a〜27hがそれぞれ平行に張られた状態になっている。
【0118】
また、スライダバー21の記録媒体との対向面11には、図2に示すように、複数の溝部22が形成されているが、前記ワイヤガイド板29,30間に張られた各ワイヤ27a〜27hの間隔は、前記溝部22の間隔の整数倍となっている。
【0119】
前記スライダバー21は、記録媒体との対向面11に形成された溝部22側が、ワイヤ27a〜27hに対向するように、保持部材33によって保持される。
【0120】
また前記保持部材33には、駆動手段(図示しない)が設けられており、この駆動手段によって、前記保持部材33が図10に示すようにZ方向に駆動し、前記保持部材33に設置されたスライダバー21の溝部22の側縁部22aの部分が、ワイヤ27a〜27hに押し付けられる。
【0121】
この場合、図1に示すようにスライダ10のリーディング側端面A及びトレーリング側端面Bの双方に向けて湾曲面19を形成したい場合には、スライダバー21に形成された溝部と、ワイヤ27a〜27hとの相対位置を平行にしておき、また図2に示すように、スライダ10のリーディング側端面Aあるいはトレーリング側端面Bのどちらか一方にのみ向けて湾曲面19を形成したい場合には、例えば保持部材33を斜めに傾けて、スライダバー21の溝部とワイヤ27a〜27hとの相対位置を傾けておく。
【0122】
スライダバー21の溝部22の部分がワイヤ27a〜27hに押し付けられると、前記ワイヤ27a〜27hは、前記溝部22から離れる方向に撓む。
【0123】
そして図9に示すように、前記溝部22の形成方向(X1−X2)に沿って、保持部材33と共にスライダバー21が往復摺動させられ、これによって、ワイヤ27a〜27hに押し付けられた部分の溝部22の側縁部22aには、湾曲面19の形成による面取り加工が施される。
【0124】
さらに前述したように、各ワイヤ27a〜27hの間隔は、溝部22の間隔の整数倍ごとに張られた状態にあるので、本発明における製造装置25には、未だ面取り加工の施されていないスライダバー21の溝部22を面取り加工するために、スライダバー21をワイヤ27a〜27hから離した状態で図示Y方向に一溝部22分だけスライドさせて、面取り加工の施されていない溝部22をワイヤ27a〜27h上に対向させる送り手段(図示しない)が設けられている。
【0125】
送り手段によって送られた後は、再び前述した駆動手段を駆動させて、前記スライダバー21をワイヤ27a〜27hに押し付けて面取り加工を施す。このように送り手段及び駆動手段を繰返し動作させることによって、スライダバー21に形成された全ての溝部22に対し面取り加工を施す。前記繰返し動作は、1回でもよいし、また複数回往復させることによって行なわれてもよい。
【0126】
本発明における製造装置25は、比較的簡単な機構部を設けることにより製造できるものであり、従来のようにブラスト方式による面取り加工装置などに比べ安価に製造可能である。
【0127】
また前述したように、前記製造装置25では、スライダバー21に形成された溝部22の数分だけワイヤ27a〜27hを設けるものではなく、一定の溝部22間ごとにワイヤ27a〜27hを張り、送り手段によってスライダバー21をスライドさせることにより、前記スライダバー21に形成された全ての溝部を面取り加工できるものである。なおスライダバー21に形成される溝部22と同数のワイヤを張ってもかまわない。さらに、ワイヤガイド板29,30側を摺動させて面取り加工を施してもよい。
【0128】
なお実施例における磁気ヘッドは、スライダの側縁部に薄膜素子部が設けられたものであるが、本発明では、バルクタイプの素子部がスライダに設けられた磁気ヘッドについても適用可能である。
【0129】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、スライダの記録媒体との対向面の側縁部に、その中心からトレーリング側端面および/またはーディング側端面にかけて削り量が多くなるように湾曲面を形成でき、また特に記録媒体と接触しやすかった記録媒体との対向面の角部をR形成できるので、従来に比べて記録媒体への損傷を低減させることが可能である。
【0130】
また前記湾曲面を、少なくともトレーリング側に形成することで、特にランプロード方式の磁気ヘッドの場合には、記録媒体への損傷を効果的に低減させることができる。
【0131】
またスライダの記録媒体との対向面にはABS面が形成されており、本発明では、前記スライダの側縁部に形成される湾曲面を、前記ABS面にまで及ばない対向面の領域内で形成することにより、浮上特性の安定化を図ることができる。
【0132】
また本発明における製造方法では、複数のスライダが一体形成されたスライダバーの状態で、面取り加工を施すことができるので、従来のように、各スライダごとに面取り加工を施す場合に比べ、面取り加工の工程を簡略化でき、また面取り加工の時間を短縮できる。
【0133】
さらに本発明では、面取り加工を、ダイヤモンド砥粒のコーティングされたワイヤを使用し、このワイヤとの摩擦によって行う比較的簡単なものであるので、面取り加工を容易に行うことができ、また従来のようにダイサを用いる場合に比べ、均一な面取り加工を施すことができ、さらに面取り加工に用いる装置も安価に製造可能である。また前記ワイヤとの摩擦によって面取り加工を施すので、面取り加工の施される部分(側縁部)における加工ストレスを小さくでき、形成される湾曲面に外傷などが発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハードディスクなどに搭載される磁気ヘッド(参考例)を記録媒体との対向面を上向きにして示した斜視図、
【図2】ハードディスクなどに搭載される本発明の実施形態の磁気ヘッドを記録媒体との対向面を上向きにして示した斜視図、
【図3】本発明における磁気ヘッドの製造工程を示すスライダバーの部分斜視図、
【図4】図3に示す製造工程の次の工程であり、スライダー及びワイヤの部分正面図、
【図5】図4に示す製造工程の次の工程であり、スライダバーに形成された溝部にワイヤを当接させた際の部分拡大斜視図、
【図6】図5に示す製造工程の次の工程であり、面取り加工が施された状態を示すスライダバーの部分斜視図、
【図7】本発明における磁気ヘッドの他の製造工程を示すスライダバーの部分斜視図、
【図8】図7に示す製造工程の次の工程であり、面取り加工が施された状態のスライダバーの部分斜視図、
【図9】本発明における磁気ヘッドの製造装置の部分平面図、
【図10】本発明における磁気ヘッドの製造装置の部分正面図、
【図11】ハードディスクなどに搭載される従来の磁気ヘッドを記録媒体との対向面を上向きにして示した斜視図、
【図12】面取り加工を施す際のスライダーの部分斜視図、
【符号の説明】
10 スライダ
11 記録媒体との対向面
13 レール部(段差部)
13a ABS面
14 薄膜素子部
17 (スライダの)側縁部
18 (記録媒体との対向面の)角部
19 湾曲面
21 スライダバー
22 溝部
22a (溝部の)側縁部
23、27、27a〜27h ワイヤ
25 製造装置
33 保持部材
Claims (8)
- スライダと、このスライダのトレーリング側に設けられた磁気記録用、あるいは、再生用、又は前記磁気記録用及び前記再生用の素子部とを有する磁気ヘッドにおいて、
前記スライダの記録媒体との対向面には段差が形成され、前記段差を介して前記対向面側において最も高い位置にあり、記録媒体上の空気流からの浮上力を受けるABS面が形成され、前記ABS面は、前記トレーリング側であって、前記スライダの幅方向の中央部分に形成され、前記ABS面からは前記素子部のギャップ部が現れており、前記ABS面の前記スライダの幅方向の両側には、前記ABS面よりも高さの低いエアグルーブが形成され、
前記スライダの前記対向面の側縁部には、少なくともトレーリング側に向けて前記側縁部から徐々に離れる湾曲面が設けられており、
前記湾曲面は、前記ABS面にまで及ばないように前記エアグルーブ内に形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。 - 前記湾曲面は、前記素子部に達しない深さに形成されている請求項1記載の磁気ヘッド。
- 前記記録媒体との対向面のトレーリング側、あるいはリーディング側、又は前記トレーリング側及び前記リーディング側の角部には、前記湾曲面と連続するR面が形成されている請求項1または2に記載の磁気ヘッド。
- スライダと、このスライダのトレーリング側端面に設けられた磁気記録用、あるいは、再生用、又は前記磁気記録用及び前記再生用の素子部とを有する磁気ヘッドの製造方法において、
トレーリング側端面に複数の素子部が形成されたスライダバーを形成し、各素子部間であって前記スライダバーの記録媒体との対向面に、溝部を形成する第1工程と、
前記溝部の幅寸法よりも大きい径を有するワイヤを、一定の張力によって張り、前記スライダバーの溝部の両側縁部に、ワイヤを押し付ける際に、前記スライダバーの溝部とワイヤとの相対位置を傾けて、少なくとも前記スライダバーのトレーリング側の溝部の両側角部に、前記ワイヤを押し付ける第2工程と、
前記溝部の形成方向に沿って、前記ワイヤと前記溝部とを摺動させ、前記溝部の両側縁部に、前記トレーリング側にかけて徐々に削り量が多くなる湾曲面を形成する第3工程と、
前記スライダバーを、前記溝部で切断する第4工程と、
を有し、
前記第1工程と第2工程の間に、前記溝部間の各記録媒体との対向面に、段差を介して前記対向面側において最も高い位置にあり、記録媒体上の空気流からの浮上力を受けるABS面を、前記トレーリング側であって、各対向面の幅方向の中央部分に形成し、このとき前記ABS面から前記素子部のギャップ部が現れる工程を含み、
前記第3工程にて、前記湾曲面を、前記ABS面にまで及ばないように、前記ABS面の幅方向の両側に形成された前記ABS面よりも高さの低いエアグルーブ内に形成することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。 - 上記第2工程に代えて、
前記溝部の幅寸法よりも大きい径を有するワイヤを、一定の張力によって張り、前記スライダバーに形成された溝部の両側縁部を前記ワイヤに押し付け、前記ワイヤを前記溝部から離れる方向へ山なりに撓ませる工程と、
さらに上記第3工程に代えて、
前記溝部の形成方向に沿って、前記ワイヤと前記溝部とを摺動させ、前記溝部の両側縁部に、トレーリング側およびリーディング側にかけて徐々に削り量が多くなる湾曲面を形成する工程と、
を有する請求項4記載の磁気ヘッドの製造方法。 - 前記ワイヤは、周囲にダイヤモンド砥粒がコーティングされたものを使用する請求項4又は5に記載の磁気ヘッドの製造方法。
- 前記ワイヤを前記溝部の両側縁部に当接させた状態を前記ワイヤの断面で見たときに、前記ワイヤの中心から前記両側縁部との当接点へ延びる線と、前記ワイヤの中心から前記溝部内に延びる垂線と、が成す角度が30〜50度の範囲となるように、前記ワイヤの直径が選択される請求項4ないし6のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造方法。
- トレーリング側端面に形成された複数の素子部と、各素子部間であって記録媒体との対向面に形成された溝部とを有するスライダバーを保持する保持部材と、
前記溝部の幅寸法よりも大きな径を有するワイヤが、前記溝部の間隔の整数倍の間隔で複数条が平行となるように張られているワイヤガイド部材と、
前記複数条のワイヤがそれぞれ前記スライダバーの溝部に押し付けられた状態で、前記保持部材と前記ワイヤガイド部材の少なくとも一方を前記溝部の形成方向に沿って往復移動させて、前記溝部の両側縁部に面取り加工を施して湾曲面を形成する駆動手段と、
前記保持部材と前記ワイヤガイド部材の少なくとも一方を前記溝部の並び方向へ移動させて、前記ワイヤにより面取り加工する溝部を更新していく送り手段とが設けられており、
前記保持部材を駆動して前記溝部の両側縁部を前記ワイヤに押し付け、このとき前記スライダバーの溝部とワイヤとの相対位置を傾けて、少なくとも前記スライダバーのトレーリング側の溝部の両側角部に、前記ワイヤを押し付け、
前記駆動手段により、前記溝部間の各記録媒体との対向面の前記トレーリング側であって、各対向面の幅方向の中央部分に位置し、さらに前記素子部のギャップ部が現れるABS面にまで前記湾曲面が及ばないように、前記湾曲面を、前記ABS面の両側に形成された前記ABS面よりも高さの低いエアグルーブ内に形成することを特徴とする磁気ヘッドの製造装置。
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