JP3764715B2 - 高強度冷間成形ばね用鋼線とその製造方法 - Google Patents

高強度冷間成形ばね用鋼線とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の懸架ばねに使用される高強度冷間成形ばね用鋼線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車や産業機械の高性能化、軽量化に伴い、自動車用懸架ばねに対する性能向上が常に求められている。このため、懸架ばねには疲労特性、へたり特性の向上が強く要求されている。
【0003】
自動車用懸架ばねには主に冷間成形ばねが用いられている。現在、冷間懸架ばね用鋼として広く使用されている鋼種はJIS SUP7、SUP12やSAE9254等の鋼種、及びこれらの類似鋼種である。冷間成形ばねは上記鋼種の圧延材を所定の線径まで引抜き加工を行い、その後オイルテンパー処理を行って鋼線とし(いわゆるオイルテンパー線)、その後冷間においてばね加工を行うことによって製造されている。
【0004】
これらの従来鋼種を用いて製造される懸架ばねの疲労特性、へたり特性を向上するためには、オイルテンパー線の引張強さを高くすることが必要である。オイルテンパー線の引張強さはオイルテンパー処理時の焼戻し温度を低く設定することによって高くすることができる。しかしながら、このような手段でオイルテンパー線の引張強さを高くすると、逆に延性、靭性、遅れ破壊特性、腐食疲労特性といった特性が顕著に低下し、自動車用懸架ばねとしての使用に耐えないものになる。特に懸架ばねの高強度化を阻害している要因は遅れ破壊特性の低下である。
【0005】
遅れ破壊は主に腐食環境から侵入する水素が鋼を脆化させることによって生じ、引張強さの上昇に伴って顕著に低下する傾向がある。焼入れ・焼戻しによって造られるばねやボルトの遅れ破壊特性には材料強度が非常に大きく影響し、合金元素の影響は小さいため、遅れ破壊特性を向上することは難しい。しかし、最近では、例えば高強度ボルト用鋼のように、特定の合金元素の添加によって焼戻し温度を600℃程度に大幅に高め、高温焼戻しによる組織の改善、合金炭化物の水素トラップ効果によって遅れ破壊特性を向上する、引張強さ1200〜1500MPa を有する高強度ボルト用鋼が開発されている。しかし、高強度ボルトよりもさらに高い引張強さが必要な高強度懸架ばねの場合、ボルトのような大幅な高温焼戻しを指向することはほぼ不可能である。従って、高強度懸架ばねの遅れ破壊特性を向上するには、ボルトの場合とは別の、新たな方策をとる必要がある。
【0006】
すなわち、疲労特性、へたり特性を向上するためにオイルテンパー線を高強度化しても、その他の必要特性(特に遅れ破壊特性)が逆に劣化するため、高強度懸架ばねを提供することができず、これらの特性を両立させる実現性のある技術は現状では見当たらない。
【0007】
高強度化と延性、靭性の向上を両立する代表的な手段は結晶粒の微細化である。また、遅れ破壊は一般に旧オーステナイト粒界割れを呈するため、旧オーステナイト結晶粒径、及び焼戻し時に結晶粒界に析出する炭化物の形態との関連が深く、遅れ破壊特性についても旧オーステナイト結晶粒の微細化による特性改善が期待できる。加えて、結晶粒微細化による降伏比(0.2%耐力/引張強さ)の向上効果により、へたり特性、疲労特性の向上にも有効である。
【0008】
以上の観点から、旧オーステナイト結晶粒径やマルテンサイトの構成組織を微細化し、各種特性の向上を図ることを意図したばね用鋼線が提案されている。例えば特許文献1では、マルテンサイト結晶内の炭化物形状(アスペクト比、長径)を規定し、また焼入れ後の旧オーステナイト結晶粒径を1.0〜18.0μm(結晶粒度番号に換算すると17.3〜9.0番)に規定することによって耐疲労性、耐腐食疲労性を得られることを開示している。この特許文献1は、焼入れ及び焼戻し時の昇温速度を従来よりも非常に大きくし、保持時間を短時間化することによって上記の効果が得られるとしているが、そこに開示された手段によって細粒化する場合は、細粒化するに従って焼入れ加熱時にマトリックス中に溶解できなかった炭化物、いわゆる未溶解炭化物が増加するというデメリットを生ずる。そのため、未溶解炭化物に関する規制がないため、仮に細粒化は達成できたとしても、未溶解炭化物の悪影響により延性、靭性、遅れ破壊特性が劣化し、実際には高強度懸架ばねとして使用することができない。
【0009】
また、例えば、特許文献2では、未溶解炭化物の残存量を規制し、かつ結晶子サイズを規定することによって高強度、高靭性が得られることを開示している。しかしながら、この特許文献2に記載の手段によっても十分な遅れ破壊特性の向上効果は得られない。その理由は、遅れ破壊は旧オーステナイト粒界割れを呈するため、結晶子とは直接の関係はないからである。また、遅れ破壊特性には未固溶炭化物のみならず焼戻し時に析出する炭化物の形態も影響するが、この炭化物の形態制御に関しても結晶子の効果は小さい。この理由は、焼戻し時に析出する炭化物の析出サイトとして最も大きな働きをするのは旧オーステナイト粒界、及び旧オーステナイト粒内を分割しているマルテンサイトブロック境界であり、結晶子サイズの影響はほとんどないからである。なお、旧オーステナイト粒径とマルテンサイトブロックの間には対応関係があるが、旧オーステナイト結晶粒径と結晶子の間に対応関係はない。従って、未溶解炭化物や結晶子サイズを規定したとしても遅れ破壊特性の向上はできないため、高強度懸架ばねに供するためには不充分であり、更なる改善が必要である。
【0010】
以上述べたように延性、靭性、遅れ破壊特性、腐食疲労特性を損なうことなく高強度化を達成し、疲労特性、へたり特性を向上した高強度冷間成形懸架ばね用鋼線は現状では見当たらない。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−194496号公報
【特許文献2】
特開2002−180195号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような課題を解決し、懸架ばねに供する高強度冷間成形ばね用鋼線を提供することを目的とする。特に、引張強さ1800〜2200MPa の高強度においても、延性靭性、遅れ破壊特性を損なうことなく高強度化を達成し得る高強度冷間成形ばね用鋼線を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためなされたもので、その要旨は以下の通りである。
【0014】
(1)質量%で、
C:0.30〜0.60%、
Si:0.5〜3.0%、
Mn:0.10〜2.0%、
を含有し、
P:0.015%以下(0%を含む)、S:0.015%以下(0%を含む)に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、旧オーステナイト粒の結晶粒度番号が12番以上であり、100μm2 の面積中に存在する円相当直径0.1μm以上の未溶解炭化物が50個以下であることを特徴とする高強度冷間成形ばね用鋼線。
【0015】
(2)質量%で、更に、Cr:0.10〜1.50%、Mo:0.10〜1.00%、W:0.10〜1.00%の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)記載の高強度冷間成形ばね用鋼線。
【0016】
(3)質量%で、更に、Ni:0.05〜1.00%、Cu:0.05〜0.50%の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)記載の高強度冷間成形ばね用鋼線。
【0017】
(4)質量%で、更に、Nb:0.010〜0.100%、Ti:0.010〜0.100%の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの項に記載の高強度冷間成形ばね用鋼線。
【0018】
(5)質量%で、更に、Ti:3.5×〔N%〕〜0.100%、B:0.0010〜0.0100%を含有し、N:0.0070%以下(0%を含む)に制限したことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの項に記載の高強度冷間成形ばね用鋼線。
【0019】
(6)(1)〜(5)のいずれかの項に記載の成分組成を有する鋼を、線材形状に熱間圧延した後オーステナイト温度域から冷却し、パーライトの組織分率を30%以下、かつマルテンサイト及びベイナイトからなる組織分率を70%以上とし、その後、減面率10%以上の冷間引抜きを行い、続いて焼入れ・焼戻しを行い、旧オーステナイト粒の結晶粒度番号が12番以上であり、100μm2 の面積中に存在する直径0.1μm以上の未溶解炭化物が50個以下となるようにすることを特徴とする高強度冷間成形ばね用鋼線の製造方法。
【0020】
(7)前記減面率10%以上の冷間引抜きは、Ac1 以下の温度で焼鈍を行った後に行うことを特徴とする(6)記載の高強度冷間成形ばね用鋼線の製造方法。
【0021】
(8)前記冷間引抜き後の焼入れ・焼戻しは、加熱を昇温速度50℃/s以上で行い、焼入れ加熱時間を90秒以下、焼戻し加熱時間を60秒以下に制限することを特徴とする(6)または(7)記載の高強度冷間成形ばね用鋼線の製造方法。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、冷間成形懸架ばねの高強度化と延性、靭性、遅れ破壊特性の両立する方策について鋭意検討し、以下の知見を見出した。すなわち、
1)旧オーステナイト結晶粒を従来よりも大幅に微細化することによって高強度化による延性、靭性、遅れ破壊特性の低下を防止することができる。
【0023】
2)マルテンサイト及びベイナイトを主体とした組織からなる鋼材に特定の条件で冷間加工を施し、その後焼入れ加熱を行うことによって旧オーステナイト結晶粒を大幅に微細化することができる。これはマルテンサイトやベイナイト組織を加熱したときのオーステナイト粒の核生成サイトは主に結晶粒界であるが、これらの組織に冷間加工を施すことによって微細な下部組織が核生成サイトとして働くようになり、核生成サイトが大幅に増加するためである。
【0024】
3)2)の手段によって微細化した結晶粒を焼入れ加熱中に成長させず、焼入れ冷却時まで微細に保つためには、焼入れ加熱温度の低温化、昇温の高速化、加熱時間の短時間化が必要である。しかしながら焼入れ加熱温度の低温化、昇温の高速化、加熱時間の短時間化を行うと、不可避的に未溶解炭化物の増加を生じる。未溶解炭化物が増加すると延性、靭性、遅れ破壊特性等の特性が顕著に低下するため、その量を制限する必要がある。
【0025】
4)焼入れ前の組織を制御することによって未溶解炭化物量を減少させることができる。すなわち、焼入れ前の組織をマルテンサイト及びベイナイトを主体とする組織にすることによって焼入れ加熱前の状態で炭化物が微細化し、焼入れ加熱時に炭化物の溶体化が容易になり、未溶解炭化物量を減少させることができる。パーライト内に層状に存在する炭化物(セメンタイト)のサイズはマルテンサイト又はベイナイト組織内に存在している炭化物よりも大きく、また密集して存在しているため焼入れ加熱時に溶体化し難い。従ってパーライトの組織分率をある量以下に規制することが必要である。これにより、未溶解炭化物を増加することなく焼入れ加熱温度の低温化、昇温の高速化、加熱時間の短時間化を行うことができ、大幅な細粒化と未溶解炭化物による悪影響回避を両立することができる。
【0026】
5)結晶粒の微細化に伴ってマルテンサイトブロックのサイズも微細化する。これにより焼戻し時に析出する炭化物の析出サイト(結晶粒界、ブロック境界)が増加し、炭化物の均一・微細分散化を図ることができる。
【0027】
6)炭化物を均一・微細分散化することによって鋼組織の均質性が改善され、遅れ破壊特性が大幅に向上する。
【0028】
7)焼戻し時の昇温の高速化、加熱時間の短時間化によって焼戻し時に析出する炭化物を更に微細化することができ、遅れ破壊特性が更に向上する。
【0029】
以上のような新規な知見から、高強度化と延性、靭性、遅れ破壊特性の向上という相反する特性を両立し得る技術を見出した。
【0030】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0031】
C:Cは強度を得るために必要な元素であるため0.30%以上添加するが、0.60%を超えて添加すると靭性が低下し、また未溶解炭化物も増加する傾向にあるので、0.30〜0.60%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.40〜0.55%である。
【0032】
Si:Siは鋼の強度やへたり特性を高めるために有効な元素であるので0.5%以上添加するが、3.0%を超えて添加すると圧延や熱処理時の脱炭を助長するので0.50〜3.0%の範囲にする必要がある。好適範囲は1.0〜2.0%である。
【0033】
Mn:Mnは焼入れ性を向上するのに有効な元素であるとともに鋼中のSをMnSとして固定することによって熱間脆性を防止する効果があるため0.10%を超えて添加するが、2.00%を超えて添加すると線材の中心偏析を助長し、靭性が低下するので0.10〜2.00%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.10〜2.00%である。
【0034】
Cr:Crは焼入れ性を向上するのに有効な元素であり、かつ鋼に焼戻し軟化抵抗を付与する効果があるため0.10%以上添加するが、1.50%を超えて添加すると未溶解炭化物が増加する傾向にあるので0.10〜1.50%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.15〜0.50%である。なお、特に未溶解炭化物を減らしたい場合は0.4%未満(0%を含む)とすることが好ましい。
【0035】
Mo:Moは焼入れ性を向上するのに有効な元素であり、かつ焼戻し時に微細な炭化物として析出することによって鋼に強度を付与する効果があるため0.10%以上添加するが、1.00%を超えて添加してもその効果は飽和するため0.10〜1.00%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.15〜0.50%である。
【0036】
W:WはMoと同様の効果があるため0.10%以上添加するが、1.00%を超えて添加してもその効果は飽和するため0.10〜1.00%の範囲にする必要がある。好適範囲0.15〜0.50%である。
【0037】
Ni:Niは焼入れ性を向上するのに有効な元素であり、かつばねの靭性や耐食性を向上する効果があるため0.05%以上添加するが、1.00%を超えて添加すると残留オーステナイト量が増加し、鋼の強度が低下するため0.05〜1.00%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.10〜0.30%である。
【0038】
Cu:Cuはばねの耐食性を向上する効果があるため0.05%以上添加するが、0.50%を超えて添加すると熱間延性が低下し、熱間圧延時の割れ、キズ等の発生を助長し、鋼の製造性を損なうので0.05〜0.50%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.10〜0.30%である。
【0039】
Nb:Nbは結晶粒の微細化に有効な元素であるため0.010%以上添加するが、0.100%を超えて添加してもその効果は飽和するため0.010〜0.100%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.015〜0.040%である。
【0040】
P:Pは旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を脆化させ、耐遅れ破壊特性を顕著に低下させる効果があるので少なくとも0.015%以下に制限する必要があり、極力低減すべきである。好適範囲は0.010%以下である。
【0041】
S:Sは旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を脆化させ、耐遅れ破壊特性を顕著に低下させる効果があるので少なくとも0.015%以下に制限する必要があり、極力低減すべきである。好適範囲は0.010%以下である。
【0042】
Ti:Tiの添加量はB無添加鋼とB添加鋼の場合で異なる。B無添加鋼の場合は結晶粒の微細化に有効な元素であるため0.010%以上添加するが、0.100%を超えて添加してもその効果は飽和するのみならず、TiN及びTi(CN)の粗大化によって靭性が低下するため0.010〜0.100%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.015〜0.040%である。B添加鋼の場合は上記の結晶粒微細化効果が得られるだけでなく、鋼中のNをTiNの形で固定し、BNの生成を防止することによってBの焼入れ性向上効果を得るのに必須な元素である。鋼中のNはTiの添加量が3.5×〔N%〕%以上であれば全て固定できるので少なくとも3.5×〔N%〕%以上添加するが、0.100%を超えて添加してもその効果は飽和するのみならず、TiN及びTi(CN)の粗大化によって靭性が低下するため3.5×〔N%〕〜0.100%の範囲にする必要がある。好適範囲は5.0×〔N%〕〜0.040%である。
【0043】
B:Bは微量の添加で鋼の焼入れ性を向上するのに有効な元素であり、かつ旧オーステナイト粒界に偏析して結晶粒界を強化することによって遅れ破壊特性を向上する効果があるため0.0010%以上添加するが、0.0100%を超えて添加してもその効果は飽和するため0.0010〜0.0100%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.0015〜0.0030%である。なお、上記のBの効果を得るためには鋼中のNを化合物の形で固定し、BNの生成を防止する必要があるため、Bを添加する場合にはNの量を制限するとともにTiを添加してNをTiNとして固定する必要がある。
【0044】
N:NはB添加鋼の場合はBNを形成してBによる焼入れ性向上効果、粒界強化効果を阻害する元素であり、またTi添加によってNを固定する場合にもTiNの粗大化によって靭性が低下するため、Ti、B添加鋼の場合は0.0070%以下に制限する必要がある。好適範囲は0.0050%以下である。
【0045】
本発明ではAlの量を規定していないが、Alは鋼の脱酸に必要な元素であるとともに、窒化物を形成して旧オーステナイト粒を微細化する効果があるので通常量(0.010〜0.100%)含有し得る。特にアルミナ系の介在物を減らしたい場合はAlレスとしても良い。
【0046】
次に本発明によるばね用鋼線の組織について説明する。
【0047】
旧オーステナイト粒の結晶粒度番号:旧オーステナイト粒の微細化によって延性、靭性、遅れ破壊特性が向上する。また結晶粒の微細化に伴ってマルテンサイトブロックのサイズも微細化する。これにより焼戻し時に析出する炭化物の析出サイト(結晶粒界、ブロック境界)が増加し、炭化物の均一・微細分散化を図ることができ、これによって鋼組織の均質性が改善され、遅れ破壊特性が大幅に向上する。これらの効果は結晶粒度番号を12番以上にすることによって特に大きくなるので12番以上にする必要がある。好適範囲は13番以上である。図1に遅れ破壊特性(遅れ破壊強度比:大きいほど遅れ破壊特性良好)と旧オーステナイト結晶粒度の関係を示す。旧オーステナイト結晶粒度番号が大きいほど遅れ破壊特性が向上することが分かる。
【0048】
未溶解炭化物量:未溶解炭化物が増加すると延性、靭性、遅れ破壊特性等の特性が顕著に低下するため、その量を制限する必要がある。未溶解炭化物量は少ないほど好ましいが、100μm2 の面積中に存在する円相当直径0.1μm以上の未溶解炭化物を50個以下に制限すれば実質的に悪影響を及ぼさないため、上記の量以下に制限する必要がある。好適範囲は20個以下である。ここで未溶解炭化物とは、焼入れ加熱時にオーステナイト域加熱したとき、オーステナイト中に固溶できずに組織中に溶け残ったFe炭化物(セメンタイト)、Cr、Mo、W等の合金炭化物、あるいはこれらの複合した析出物であり、焼入れまま材を観察することによって測定することができる。図2に遅れ破壊特性と未溶解炭化物の関係を示す。未溶解炭化物数が少ないほど遅れ破壊特性が向上することが分かる。また図1から、旧オーステナイト結晶粒を微細化したとしても、未溶解炭化物が多く残存している場合は遅れ破壊特性が低下することが分かる。
【0049】
焼入れ・焼戻し前の鋼組織と加工条件:マルテンサイト及びベイナイトを主体とした組織からなる鋼材に減面率10%以上の冷間加工を施し、その後焼入れ加熱を行うことによって旧オーステナイト結晶粒を大幅に微細化することができるため、鋼材を線材形状に圧延した後にオーステナイト域から冷却してマルテンサイト及びベイナイトからなる組織の分率を70%以上とし、その後減面率10%以上の冷間引き抜きを行う必要がある。減面率の好適範囲は15%以上である。
【0050】
図3、図4に冷間引き抜き減面率と旧オーステナイト結晶粒度の関係を示す。引き抜き減面率が10%以上で結晶粒が顕著に微細化すること、顕著な微細化効果を得るためにはマルテンサイト+ベイナイト組織分率を70%にする必要があることが分かる。
【0051】
また、マルテンサイト及びベイナイト主体の組織中におけるパーライトの組織分率が大きいと未溶解炭化物が増加するため、パーライトの組織分率を30%以下に制限する必要がある。好適範囲は20%以下である。なお、線材の組織が上記範囲内であれば、マルテンサイト、ベイナイト、パーライト以外にフェライトが含まれていても良い。マルテンサイト及びベイナイト主体の組織を得る手段として圧延後に直接オンラインで冷却する方法や、圧延後にオフラインでオーステナイト域に再加熱を行ってから冷却する方法があるが、いずれの方法でも良い。また、冷間引き抜き前の線材強度が高く、冷間引き抜きを行うのに不適である場合は、必要に応じてAc1 以下の温度で焼鈍を行ってから冷間引き抜きを行っても良い。焼鈍温度が低いほど炭化物の成長が抑制され、焼入れ加熱時の未溶解炭化物量の増加を防止することができるため、焼鈍温度は低いほど望ましい。好適温度は200〜500℃である。図5にマルテンサイト+ベイナイト組織分率と未溶解炭化物数の関係を示す。マルテンサイト+ベイナイト組織分率が低下し、パーライト分率が増加するに従って未溶解炭化物の数が増加することが分かる。
【0052】
冷間引抜き後の焼入れ・焼戻し条件:焼入れ加熱初期に微細なオーステナイト粒が得られたとしてもその後の加熱中にオーステナイト粒が成長するため、微細粒を焼入れ冷却時まで保つためには加熱時の昇温速度を50℃/s以上、加熱時間を90秒以下に制限する必要がある。この加熱時間は、高周波誘導加熱を施すことにより達成することができる。好適範囲はそれぞれ70℃/s以上、30秒以下である。また、焼戻し加熱時の昇温が遅く、加熱時間が長いと焼戻し時に析出する炭化物を均一・微細分散させることができず、旧オーステナイト粒界に存在する炭化物が優先的に成長することによって鋼組織の均質性を損ない、遅れ破壊特性が低下する、このため焼戻し加熱時の昇温速度を50℃/s以上、加熱時間を60秒以下に制限する必要がある。この加熱時間は、高周波誘導加熱を施すことにより達成することができる。好適範囲はそれぞれ70℃/s以上、25秒以下である。なお、焼入れ加熱温度の好適範囲は880〜980℃、焼戻し加熱温度の好適範囲は400〜550℃である。
【0053】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をさらに説明する。
【0054】
表1に示す組成の転炉溶製鋼を連続鋳造し、必要に応じて均熱拡散処理工程、分塊圧延工程を経て162mm角の圧延素材とした。続いて熱間圧延によって直径12mmの線材形状とし、続いて圧延設備の後方に設けた冷却槽に投入することによってマルテンサイト及びベイナイト主体の組織を有する線材とした。一部の水準については冷却槽への投入を行わず、冷却速度を調整することによって組織を造り分けた。次に必要に応じて焼鈍を行った後、冷間引き抜きを行った。一部の水準については冷間引き抜きを行わなかった。次に種々の条件で焼入れ・焼戻しを行い、冷間成形懸架ばね用線材とした。焼入れ・焼戻し時の冷却は水冷とした。上記の鋼線の製造条件を表2にまとめて示す。
【0055】
焼入れ加熱時の未溶解炭化物を観察するため、焼戻しを行わないもの(焼入れまま材)を採取した。焼入れまま材の切断面を研磨し、鏡面仕上げを行った後、定電位電解エッチングを行った。定電位電解エッチングはSPEED法(日本金属学会誌第43巻第11号1068−1077頁参照)を用いた。エッチング後のサンプルについてSEM観察を行い、未溶解炭化物の数を測定した。任意の20視野について10000倍の写真を撮影し、視野内に存在する直径0.1μm以上の未溶解炭化物の数を数え、100μm2 の面積あたりの数に換算した。
【0056】
焼入れ・焼戻しによって製作した鋼線からJIS2号引張試験片を採取し、機械的特性を調査した。また、旧オーステナイト結晶粒の観察を行った。遅れ破壊特性を調査するため、鋼線から環状切り欠きノッチ付きの遅れ破壊試験片(平行部の直径8mm、ノッチ部の直径6mm)を機械加工によって製作し、遅れ破壊試験に供した。遅れ破壊試験はpH3.0の希硫酸(液温30℃)中で試験片に電流密度1.0mA/cm2 の水素チャージを行い、定荷重を負荷して破断までの時間を測定した。試験時間は最大200時間とし、200時間破断しない最大の負荷応力を測定した。200時間破断しない最大の負荷応力を大気中での破断応力で割った値を「遅れ破壊強度比」と定義し、遅れ破壊特性の指標とした。
【0057】
上記で測定した鋼線の特性を表3にまとめて示す。記号A−4、B−3はマルテンサイト及びベイナイトの組織分率が本発明の範囲を満たしていないので旧オーステナイト粒の微細化、及び未溶解炭化物の減少を図ることができず、遅れ破壊特性が悪い。記号B−4、G−3は引き抜き減面率が本発明の範囲を満たしていないので旧オーステナイト粒の微細化を図ることができず、遅れ破壊特性が悪い。記号C−6、D−3は焼入れ加熱時の昇温速度、加熱条件が本発明の範囲を満たしていないので旧オーステナイト粒の微細化を図ることができず、遅れ破壊特性が悪い。記号E−3、F−3は焼戻し加熱時の昇温速度、加熱条件が本発明の範囲を満たしていないので焼戻し時に析出する炭化物を均一・微細分散させることができず、遅れ破壊特性が悪い。これに対して、本発明の範囲を全て満たす記号A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、C−1、C−2、C−3、C−4、C−5、D−1、D−2、E−1、E−2、F−1、F−2、G−1は前記の比較例と比べて優れた遅れ破壊特性を示す。
【0058】
【表1】
Figure 0003764715
【0059】
【表2】
Figure 0003764715
【0060】
【表3】
Figure 0003764715
【0061】
【発明の効果】
本発明による高強度冷間成形ばね用鋼線を用いることにより、延性、靭性、遅れ破壊特性、腐食疲労特性を損なうことなく高強度化を達成し、疲労特性、へたり特性を向上した高強度ばねを提供することが可能となり、その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】遅れ破壊特性と旧オーステナイト結晶粒度の関係を示す図である。
【図2】遅れ破壊特性と未溶解炭化物の関係を示す図である。
【図3】引き抜き減面率と旧オーステナイト結晶粒度の関係を示す図である。
【図4】マルテンサイト及びベイナイトの組織分率と旧オーステナイト結晶粒度の関係を示す図である。
【図5】マルテンサイト及びベイナイトの組織分率と未溶解炭化物数の関係を示す図である。

Claims (8)

  1. 質量%で、
    C:0.30〜0.60%、
    Si:0.5〜3.0%、
    Mn:0.10〜2.0%、
    を含有し、
    P:0.015%以下(0%を含む)、S:0.015%以下(0%を含む)に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、旧オーステナイト粒の結晶粒度番号が12番以上であり、100μm2 の面積中に存在する円相当直径0.1μm以上の未溶解炭化物が50個以下であることを特徴とする高強度冷間成形ばね用鋼線。
  2. 質量%で、更に、Cr:0.10〜1.50%、Mo:0.10〜1.00%、W:0.10〜1.00%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の高強度冷間成形ばね用鋼線。
  3. 質量%で、更に、Ni:0.05〜1.00%、Cu:0.05〜0.50%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2記載の高強度冷間成形ばね用鋼線。
  4. 質量%で、更に、Nb:0.010〜0.100%、Ti:0.010〜0.100%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の高強度冷間成形ばね用鋼線。
  5. 質量%で、更に、Ti:3.5×〔N%〕〜0.100%、B:0.0010〜0.0100%を含有し、N:0.0070%以下(0%を含む)に制限したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の高強度冷間成形ばね用鋼線。
  6. 請求項1〜5のいずれかの項に記載の成分組成を有する鋼を、線材形状に熱間圧延した後オーステナイト温度域から冷却し、パーライトの組織分率を30%以下、かつマルテンサイト及びベイナイトからなる組織分率を70%以上とし、その後、減面率10%以上の冷間引抜きを行い、続いて焼入れ・焼戻しを行い、旧オーステナイト粒の結晶粒度番号が12番以上であり、100μm2 の面積中に存在する直径0.1μm以上の未溶解炭化物が50個以下となるようにすることを特徴とする高強度冷間成形ばね用鋼線の製造方法。
  7. 前記減面率10%以上の冷間引抜きは、Ac1 以下の温度で焼鈍を行った後に行うことを特徴とする請求項6記載の高強度冷間成形ばね用鋼線の製造方法。
  8. 前記冷間引抜き後の焼入れ・焼戻しは、加熱を昇温速度50℃/s以上で行い、焼入れ加熱時間を90秒以下、焼戻し加熱時間を60秒以下に制限することを特徴とする請求項6または7記載の高強度冷間成形ばね用鋼線の製造方法。
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