JP3857835B2 - 高強度ボルト用鋼及び高強度ボルトの製造方法 - Google Patents

高強度ボルト用鋼及び高強度ボルトの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼及び高強度ボルトの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車や産業機械の高性能化、軽量化、また建築構造物の大型化に伴い、高強度ボルト用鋼の開発が要求されてきている。
【0003】
現在一般に高強度ボルト用鋼として使用されている鋼種はJISに規定されているSCM435、SCR435等の低合金構造用鋼であり、焼入れ、焼もどし処理を施すことによって製造されている。しかし、これらの鋼種は、引張強さが1200MPaを超えると耐遅れ破壊特性が急激に低下し、ボルトの使用中に遅れ破壊による破断を生じる危険が増大するため、このレベル以上の高強度化は実用上不可能であった。
【0004】
耐遅れ破壊特性の改善を目的とした高強度ボルト用鋼は、各社から提案されている。例えば、特開平5−148576号公報や特開平5−148580号公報には、ボルトの熱処理中に生じる軽浸炭、粒界酸化を防止すること、Moを増量して焼もどし軟化抵抗の向上を図ることによって耐遅れ破壊特性を向上する技術が記載されているが、1500MPaクラス以上の高強度ボルトに適用した場合、耐遅れ破壊特性が不十分となり、実用化は困難である。また、焼もどし温度の最適範囲も示されていないし、同公報の実施例に記載されている引張強さの最大値も147.0kgf/mm2止まりである。
【0005】
また例えば、特許第2739713号公報には、Mo、Vを複合添加してFe3Cの生成を極力防止することによって1400MPaクラスのボルトの耐遅れ破壊特性を向上する技術が記載されているが、1600MPaクラス以上の高強度ボルトに適用した場合、耐遅れ破壊特性が十分とは言えなくなり、実用化は困難である。また、焼もどし温度の最適範囲も示されていないし、同公報の実施例に記載されている引張強さの最大値も158.7kgf/mm2止まりである。
【0006】
建築構造物や機械部品の軽量化、高性能化の観点からは、ボルトの強度レベルは高ければ高いほど好ましいが、さらに1500MPa、1600MPaクラスにまで高強度化が必要な場合は上記のような従来技術では対応できず、耐遅れ破壊特性が低下するため、1500MPa以上の強度レベルの高強度ボルトは実用化されていない。
【0007】
以上述べた通り、1500MPa以上の強度レベルを有し、かつ耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルトは現状では見あたらない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような課題を解決し、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼及び高強度ボルトの製造方法を提供することを目的とする。詳細には、高強度においても現在1000MPa級のボルトとして多く使われているSCM435よりも耐遅れ破壊特性に優れた、引張強さ1500MPa以上の高強度ボルト用鋼及び高強度ボルトの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、以下の(1)〜(7)の通りである。
【0010】
(1) 質量%で、
C:0.39〜0.50%、
Mn:0.40超〜1.50%、
Mo:1.85〜3.00%、
Al:0.010〜0.100%
を含有し、
Si:0.10%以下、
P:0.012%以下、
S:0.012%以下
に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
【0011】
(2) 質量%で、
C:0.39〜0.50%、
Mn:0.40超〜1.50%、
Mo:1.85〜3.00%、
Al:0.010〜0.100%
を含有し、さらに、
Cr:0.10〜1.50%、
V:0.01〜0.40%
のうちの1種または2種を含有し、
Si:0.10%以下、
P:0.012%以下、
S:0.012%以下
に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
【0012】
(3) 質量%で、
C:0.39〜0.50%、
Mn:0.40超〜1.50%、
Mo:1.85〜3.00%、
Al:0.010〜0.100%
を含有し、さらに、
Nb:0.005〜0.100%、
Ti:0.005〜0.100%
のうちの1種または2種を含有し、
Si:0.10%以下、
P:0.012%以下、
S:0.012%以下
に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
【0013】
(4) 質量%で、
C:0.39〜0.50%、
Mn:0.40超〜1.50%、
Mo:1.85〜3.00%、
Al:0.010〜0.100%
を含有し、さらに、
Cr:0.10〜1.50%、
V:0.01〜0.40%
のうちの1種または2種を含有し、さらに、
Nb:0.005〜0.100%、
Ti:0.005〜0.100%
のうちの1種または2種を含有し、
Si:0.10%以下、
P:0.012%以下、
S:0.012%以下
に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
【0014】
(5) 質量%で、
C:0.39〜0.50%、
Mn:0.40超〜1.50%、
Mo:1.85〜3.00%、
Al:0.010〜0.100%
を含有し、さらに、
Nb:0.005〜0.100%、
Ti:0.005〜0.100%
のうちの1種または2種を含有し、さらに、
B:0.0005〜0.0050%
を含有し、
Si:0.10%以下、
P:0.012%以下、
S:0.012%以下
に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
【0015】
(6) 質量%で、
C:0.39〜0.50%、
Mn:0.40超〜1.50%、
Mo:1.85〜3.00%、
Al:0.010〜0.100%
を含有し、さらに、
Cr:0.10〜1.50%、
V:0.01〜0.40%
のうちの1種または2種を含有し、さらに、
Nb:0.005〜0.100%、
Ti:0.005〜0.100%
のうちの1種または2種を含有し、さらに、
B:0.0005〜0.0050%
を含有し、
Si:0.10%以下、
P:0.012%以下、
S:0.012%以下
に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
【0016】
(7) 前記(1)〜(6)のいずれかの高強度ボルト用鋼を所望の形状に成形後、AC3以上の温度に加熱した後に焼入れ処理を行い、550℃〜AC1の温度範囲で焼きもどすことを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルトの製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、遅れ破壊特性に及ぼす各種因子について鋭意検討し、以下の知見を見出した。すなわち、(1)高強度鋼の遅れ破壊特性には焼もどし温度の影響が大きく、同一の引張強さを有する鋼材の耐遅れ破壊特性を比較すると、焼もどし温度が高いほど耐遅れ破壊特性が向上する傾向が大きい。これは、焼もどし温度が高いほど旧オーステナイト粒界に析出するセメンタイトの形態が球状化して粒界の結合力が増加することと、マトリックスの転位等の欠陥の密度が減少し、水素に対する脆化感受性が低下することのためである。(2)1500MPaクラス以上の高強度鋼の耐遅れ破壊特性を、現在広く実用化されているSCM435の1000MPaクラスの耐遅れ破壊特性と同等程度にするためには、焼もどし温度を少なくとも550℃以上に設定する必要がある。(3)焼もどし温度を上記温度範囲に設定し、かつ1500MPaクラス以上の高強度を得るためには、Mo単独またはMo+Wをある範囲で多量添加し、焼もどし時に析出するMo炭化物、W炭化物による析出強化を利用することが有効である。(4)粒界に偏析する不純物であるP、S量をある量以下に規制することによって旧オーステナイト粒界の強化が図られ、耐遅れ破壊特性が向上する。
【0018】
さらに、フェライトの固溶強化元素であるSiを極力低減するとともに、Mn、Cr等の合金元素の添加量を最低限に抑えることによってMoの多量添加による冷間鍛造性の低下を補い、ボルトの冷間鍛造性を損なうことなく高強度化を図ることができることを見出した。
【0019】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0020】
C:Cは強度を得るために有効な元素であるため0.39%以上添加するが、0.50%を超えて添加すると冷間鍛造性、靭性が低下するので、0.39〜0.50%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.39〜0.45%である。
【0021】
Mn:Mnは焼入れ性を向上するのに有効な元素であるとともに鋼中のSをMnSとして固定することによって熱間脆性を防止する効果があるため0.40%を超えて添加するが、1.50%を超えて添加すると耐遅れ破壊特性、冷間鍛造性が低下するので、0.40超〜1.50%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.45〜0.65%である。
【0022】
Mo:Moは焼もどし時に微細なMo炭化物の析出によって顕著な二次硬化を生じ、高温焼もどしを可能とすることによって耐遅れ破壊特性を顕著に向上させる元素である。また、高温焼もどしによって強度−延性バランスを向上することができる。550℃以上の焼もどし温度範囲において、Mo炭窒化物の析出硬化によって1500MPaクラスの高強度を得るためにはMoを1.85%以上添加する必要があるが、3.00%を超えて添加すると冷間鍛造性が低下するとともに、焼入れ加熱時に合金炭化物がマトリックスに固溶し難くなり、粗大な未溶解炭化物の量が多くなることによって延性が低下するので、1.85〜3.00%の範囲にする必要がある。好適範囲は1.85〜2.20%である。
【0023】
Al:Alは鋼の脱酸に必要な元素であるとともに、窒化物を形成して旧オーステナイト粒を微細化する効果があるので0.010%以上添加するが、0.100%を超えて添加すると効果が飽和するのみならずアルミナ系介在物が増加し、靭性が低下するので、0.010〜0.100%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.020〜0.050%である。
【0024】
Cr:Crは焼入れ性を向上するのに有効な元素であり、かつ鋼に焼もどし軟化抵抗を付与する効果があるため0.10%以上添加するが、1.50%を超えて添加すると冷間鍛造性が低下するので、0.10〜1.50%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.15〜0.50%である。
【0025】
V:Vは旧オーステナイト結晶粒を微細化する効果があるとともに、焼もどし時に顕著な二次硬化を起こし、高温焼もどしを可能とすることによって耐遅れ破壊特性を向上させる元素である。さらに、焼もどし時にマトリックス中に微細に析出するV炭窒化物が水素の粒内トラップサイトとなり、粒界に集積する水素の量を低減し、耐遅れ破壊特性を向上させる元素であるので0.01%を超えて添加するが、0.40%を超えて添加すると冷間鍛造性が低下するとともに、焼入れ加熱時に合金炭化物がマトリックスに固溶し難くなり、粗大な未溶解炭化物の量が多くなることによって延性が低下するので、0.01〜0.40%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.05〜0.15%である。
【0026】
Nb:NbはAl、Ti、Vと同様に、結晶粒を微細化する効果があるとともに、耐遅れ破壊特性を向上する効果があるので0.005%以上添加するが、0.100%を超えて添加すると効果が飽和するのみならず冷間鍛造性が低下するので、0.005〜0.100%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.010〜0.050%である。
【0027】
Ti:TiはAl、Nb、Vと同様に、結晶粒を微細化する効果があるとともに、鋼中の固溶Nを窒化物として固定し、耐遅れ破壊特性を向上する効果があるので0.005%以上添加するが、0.100%を超えて添加すると効果が飽和するのみならず冷間鍛造性が低下するので、0.005〜0.100%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.010〜0.050%である。
【0028】
B:Bは少量の添加で焼入れ性を向上する効果があるとともに、旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を強化し、耐遅れ破壊特性を向上する効果があるので0.0005%以上添加するが、0.0050%を超えて添加すると効果が飽和するので、0.0005〜0.0050%の範囲にする必要がある。好適範囲は0.0010〜0.0030%である。
【0029】
Si:Siは鋼の脱酸に必要な元素であるが、0.10%を超えて添加すると冷間鍛造性が顕著に低下するので0.10%以下に制限する必要がある。好適範囲は0.08%以下である。
【0030】
P:Pは旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を脆化させ、耐遅れ破壊特性を顕著に低下させる効果があるので少なくとも0.012%以下に制限する必要があり、極力低減すべきである。好適範囲は0.010%以下である。
【0031】
S:Sは旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を脆化させ、耐遅れ破壊特性を顕著に低下させる効果があるので少なくとも0.012%以下に制限する必要があり、極力低減すべきである。好適範囲は0.010%以下である。
【0032】
本発明はN含有量を特に規定していないが、鋼中の固溶Nは耐遅れ破壊特性を低下させる元素であるため、できるだけ低減する方が好ましい。好適範囲は0.0080%以下である。
【0033】
本発明は二次加工工程を特に規定していないが、製造工程中に冷間鍛造工程が入るものについては冷間鍛造性を向上させるため、熱間圧延後の素材に焼鈍、または球状化焼鈍処理を施しても良い。また、素材の寸法精度が必要なボルトの場合は、冷間鍛造の前に伸線を行なうのが一般的である。
【0034】
上記した成分のボルト用鋼が最も効果を発揮するのは、以下に説明するボルトの製造方法においてである。
【0035】
上記した成分のボルト用鋼を鍛造、切削等によって所望のボルト形状に成形した後、鋼に強度を付与するため、AC3点以上の温度に加熱した後、水冷、または油冷によって焼入れ処理を行う。加熱温度が低すぎるとMo、Vの炭化物の溶体化が不十分となり、所望の特性を得ることができない。他方、加熱温度が高すぎると結晶粒の粗大化を招き、靭性及び耐遅れ破壊特性の劣化を招く。また、操業面からは熱処理炉の炉体、及び付属部品の損傷が顕著になり、製造コストが上昇するため、あまり高い温度に加熱するのは好ましくない。本発明の成分範囲では、焼入れ加熱温度を900〜1000℃とするのが好適である。
【0036】
鋼に所定の強度および靱性、延性を付与するために焼入れ後に焼もどしを行う必要がある。焼もどしは、一般に150℃〜AC1点の温度範囲で行われるが、本発明では550℃〜AC1の温度範囲に限定する必要がある。その理由は、550℃以下では粒界に析出するセメンタイトの形態を球状化して粒界の結合力を増加することができず、耐遅れ破壊特性をSCM435の1000MPaクラスと同等以上とすることができないためと、焼もどし時に析出するMo炭化物による析出強化が550℃以上で顕著に発現するためである。一方、焼もどし温度がAC1を超えると所望の強度を得ることが困難となる。好適範囲は575〜675℃である。
【0037】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をさらに説明する。
【0038】
表1に示す組成を有する転炉溶製鋼を連続鋳造し、必要に応じて均熱拡散処理工程、分塊圧延工程を経て162mm角の圧延素材とした。続いて熱間圧延によって線材形状とした。
【0039】
【表1】
Figure 0003857835
【0040】
次にこれらの材料の遅れ破壊特性を調査するため、ボルトを製作した。圧延材に必要により焼鈍または球状化焼鈍を施し、冷間鍛造によってボルト形状に成形した。その後所定の条件で加熱し、油槽中に焼入れ、表2の条件で焼もどしを行った。上記の工程で製作したボルトから、直径8mmの引張試験片、及び環状切り欠きノッチ付きの遅れ破壊試験片(平行部の直径8mm、ノッチ部の直径6mm)を機械加工によって製作し、機械的性質、及び遅れ破壊特性を調査した。
【0041】
遅れ破壊試験はpH3.0の希硫酸(液温30℃)中で試験片に電流密度1.0mA/cm2の水素チャージを行い、定荷重を負荷して破断までの時間を測定した。試験時間は最大200時間とし、200時間破断しない最大の負荷応力を測定した。200時間破断しない最大の負荷応力を大気中での破断応力で割った値を「遅れ破壊強度比」と定義し、遅れ破壊特性の指標とした。引張強さが1000MPa級のボルトとして一般に多く使われているSCM435の遅れ破壊強度比が0.5程度であることから、遅れ破壊強度比が0.5未満のものは耐遅れ破壊特性に劣ると判断した。これらの各種試験結果も表2にまとめて示した。
【0042】
【表2】
Figure 0003857835
【0043】
2に示した遅れ破壊強度比と引張強さの関係を図1に整理して示す。本発明例は、比較例に比べて良好な遅れ破壊特性を示すことが分かる。
【0044】
これらから明らかなように、本発明例は比較例に比べて高強度であり、耐遅れ破壊特性に優れている。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、引張強さ1617MPa以上の高強度であり、遅れ破壊特性に優れたボルトを提供することが可能となり、ボルトの締結軸力の増加、サイズダウンによる軽量化等を通じて構造物、機械部品の軽量化、高性能化に大きく寄与することができるため、その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】遅れ破壊強度比と引張強さの関係を示す図である。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    C:0.39〜0.50%、
    Mn:0.40超〜1.50%、
    Mo:1.85〜3.00%、
    Al:0.010〜0.100%
    を含有し、
    Si:0.10%以下、
    P:0.012%以下、
    S:0.012%以下
    に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
  2. 質量%で、
    C:0.39〜0.50%、
    Mn:0.40超〜1.50%、
    Mo:1.85〜3.00%、
    Al:0.010〜0.100%
    を含有し、さらに、
    Cr:0.10〜1.50%、
    V:0.01〜0.40%
    のうちの1種または2種を含有し、
    Si:0.10%以下、
    P:0.012%以下、
    S:0.012%以下
    に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
  3. 質量%で、
    C:0.39〜0.50%、
    Mn:0.40超〜1.50%、
    Mo:1.85〜3.00%、
    Al:0.010〜0.100%
    を含有し、さらに、
    Nb:0.005〜0.100%、
    Ti:0.005〜0.100%
    のうちの1種または2種を含有し、
    Si:0.10%以下、
    P:0.012%以下、
    S:0.012%以下
    に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
  4. 質量%で、
    C:0.39〜0.50%、
    Mn:0.40超〜1.50%、
    Mo:1.85〜3.00%、
    Al:0.010〜0.100%
    を含有し、さらに、
    Cr:0.10〜1.50%、
    V:0.01〜0.40%
    のうちの1種または2種を含有し、さらに、
    Nb:0.005〜0.100%、
    Ti:0.005〜0.100%
    のうちの1種または2種を含有し、
    Si:0.10%以下、
    P:0.012%以下、
    S:0.012%以下
    に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
  5. 質量%で、
    C:0.39〜0.50%、
    Mn:0.40超〜1.50%、
    Mo:1.85〜3.00%、
    Al:0.010〜0.100%
    を含有し、さらに、
    Nb:0.005〜0.100%、
    Ti:0.005〜0.100%
    のうちの1種または2種を含有し、さらに、
    B:0.0005〜0.0050%
    を含有し、
    Si:0.10%以下、
    P:0.012%以下、
    S:0.012%以下
    に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
  6. 質量%で、
    C:0.39〜0.50%、
    Mn:0.40超〜1.50%、
    Mo:1.85〜3.00%、
    Al:0.010〜0.100%
    を含有し、さらに、
    Cr:0.10〜1.50%、
    V:0.01〜0.40%
    のうちの1種または2種を含有し、さらに、
    Nb:0.005〜0.100%、
    Ti:0.005〜0.100%
    のうちの1種または2種を含有し、さらに、
    B:0.0005〜0.0050%
    を含有し、
    Si:0.10%以下、
    P:0.012%以下、
    S:0.012%以下
    に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、AC3以上の温度に加熱後に焼入れ処理し、550℃〜AC1の温度範囲で焼戻した後の引張強さが1617MPa以上であることを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の高強度ボルト用鋼を所望の形状に成形後、AC3以上の温度に加熱した後に焼入れ処理を行い、550℃〜AC1の温度範囲で焼きもどすことを特徴とする、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルトの製造方法。
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