JP3764651B2 - カーボンナノチューブ接合体の製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブ接合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンナノチューブ接合体およびカーボンナノチューブ接合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
直径が数nm程度のカーボンナノチューブは、水素吸蔵機能を有する材料として、あるいは電解放出型ディスプレイに用いられるエミッタ材料などの電極材料として近年大きく注目されている。
【0003】
例えばエミッタ材料としてカーボンナノチューブを使用した場合、一定面積のエミッタ形成部に複数のカーボンナノチューブを配置る。カーボンナノチューブはその直径が極めて小さいために、その先端に電が集中しやすく効率よく電子を放出することが可能である。
【0004】
従来、カーボンナノチューブを基板表面に形成する場合、Ni粒子などの触媒粒子からカーボンナノチューブを成長し、このカーボンナノチューブを一度回収してペースト化した後基板の上にペーストを印刷する方法、または、Niなどの触媒粒子を含有する基板を用い、直流プラズマCVDにより直接この基板から垂直方向に成長させる方法等がとられている。
【0005】
しかしながら、ペースト状にする方法では、カーボンナノチューブが電界方向に対してランダムに配置されてしまうため、電子線の放出効率が悪いという問題があった。また、基板表面に配置されるカーボンナノチューブの密度を高めることが困難であるという問題があった。
【0006】
また、直流プラズマCVDを用いる方法においては、高密度に成長されたカーボンナノチューブの方向を揃えることが可能であるが、この方法で得られるカーボンナノチューブは最先端部に触媒であるNi粒子が存在するため、電子線の放出効率が悪いという問題があった。
【0007】
さらに、プラズマCVDによって成長されたカーボンナノチューブは基板上に堆積されているのみであることから、基板に対する密着性が悪く、製造過程におけるハンドリングや、長時間の安定性が悪いという問題もあった。
【0008】
これらの理由により、従来の技術では、高効率で、長時間にわたって安定して電子線を放出し続ける構造が作れないという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、基板上にカーボンナノチューブを配置した場合、基板に対する密着性が低いという問題があった。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、基板に対し密着性が高く支持されたカーボンナノチューブ接合体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のカーボンナノチューブ接合体の製造方法は、カーボンナノチューブの成長作用を持つ金属触媒を含有する成長用基板と接合面を有する支持基板とを対向配置し、前記成長用基板および前記支持基板間に電界を印加しながら前記成長用基板および前記支持基板間に前記カーボンナノチューブの原料ガスを導入して前記成長用基板表面から前記カーボンナノチューブを前記支持基板に接触するまで成長させることで、前記カーボンナノチューブを前記支持基板に接合し、前記成長用基板を除去することを特徴とする。
【0012】
前記成長用基板および前記支持基板の少なくとも一方に所定の電位を供給して前記電界を形成することも可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に本発明のカーボンナノチューブ接合体の概略図を、図2にその製造工程を示す。
【0015】
本発明のカーボンナノチューブ接合体は、Ag−Cu層などの平坦な接合面3を表面に有する支持基板1の任意の領域に無数のカーボンナノチューブ2が接合面から垂直方向に向かって形成されてカーボンナノチューブ層5が形成されている。
【0016】
カーボンナノチューブは、それぞれNiなどのカーボンナノチューブ成長作用を有する金属元素からなる触媒粒子(以下、触媒粒子と呼ぶ)4を一端に有しており、この触媒粒子を介して接合面に接合されている。また、無数のカーボンナノチューブの他端は、支持基板1から等距離の位置まで成長されており、他端によって平坦な面が形成されている。
【0017】
このようなカーボンナノチューブ接合体の製造工程の一例を図2を参照して説明する。
【0018】
密閉容器11を備える装置10内には、Ag−Cu合金層表面を持つ支持基板1と、平坦なNi表面層を持つ成長用基板12とが1μm〜100μm程度の間隙をもって対向配置されている。また、装置10内は、支持基板1および成長用基板12間に電界が形成されるように、直流電源14が接続された一対の対向電極13が配置されている。密閉容器としては、石英などの化学的に安定で反応性の低い材料のものを使用すればよい。(図2(a))。
【0019】
密閉容器11内を500℃〜900℃程度の温度範囲に加熱した状態で、この密閉容器11内にメタンガスなどのカーボンナノチューブ原料ガスを導入すると、Niを触媒粒子4として原料ガスが分解されカーボンナノチューブ2を成長させる。この時カーボンナノチューブ2は、触媒粒子4を押し上げる形で、成長用基板12と触媒粒子4との間に成長する。また、触媒粒子は電界方向に移動するため、各カーボンナノチューブ2は略均一速度で平行に成長する(図2(b))。
【0020】
さらに、燃料ガスを導入しつづけると、カーボンナノチューブ2は成長し続け、やがてカーボンナノチューブ2の先端にある触媒粒子4は支持基板1に接触する。支持基板表面のAg−Cu合金はカーボンナノチューブを成長させるための加熱により溶融しているため、この触媒粒子4はAg−Cu合金によって支持基板1表面にろう付け、すなわち接合される(図2(c))。
【0021】
この触媒粒子4が支持基板1に接触した後に原料ガスの導入を停止し、支持基板1および成長用基板12を密閉容器11から取り出し、両者を離間させると、図1に示すように支持基板1表面に触媒粒子4を介してカーボンナノチューブ2が接合された接合体が得られる。
【0022】
なお、カーボンナノチューブおよび触媒粒子4間は接合力が強く、また触媒粒子4は支持基板にろう付けされているため、カーボンナノチューブと支持基板との接合力を得ることができている。一方、カーボンナノチューブ2は、成長用基板12表面には単に堆積しているに過ぎず両者間の接合力は極めて小さい。そのため、カーボンナノチューブ2を挟んで対向配置されている支持基板1および成長用基板12を離間すると、成長用基板12表面に成長したカーボンナノチューブ2は支持基板へと転写され、その結果図1に示すようなカーボンナノチューブ接合体が得られる。
【0023】
成長用触媒表面に成長したカーボンナノチューブは、比較的均一な長さに成長するものの、各カーボンナノチューブの長さを厳密に均一にすることは極めて困難であり、少なくとも20%程度の長さのばらつきが生じる。そのため、成長用基板表面に成長したカーボンナノチューブ膜をそのまま表示用電子管などのエミッタ材料として使用すると、陽極と各カーボンナノチューブの先端部の位置にばらつきが生じるため、素子毎の電子放出特性にばらつきが生じる。しかしながら、上述した方法で得られたカーボンナノチューブ接合体は、カーボンナノチューブの先端部が接合用基板表面に準じた位置となるので、支持基板表面から各カーボンナノチューブの先端部までの距離はより均一なものとなり、エミッタ材として使用した際の素子毎の電子放出特性を均一にすることができる。
【0024】
本発明に係る支持基板は表面に接合面を有するものであり、基体表面に接合層を形成した基板、あるいは接合性の良好な材料で形成された基板を使用することができる。
【0025】
接合面は、カーボンナノチューブの合成温度域において溶融し、あるいはカーボンナノチューブの合成温度域において触媒粒子と反応して溶融し、室温まで冷却した際に固体化することで触媒粒子を基板に接合できるものであれば特に限定されるものではない。たとえば金属やガラスなどを使用することができるが、接合体を電極などとして使用することを考えると、接合面は導電性を有する金属を使用することが好ましい。例えばCu、Ag、Au、Al、Mgなどは比較的融点が低く接合面に使用する材料として適しているが、より、接合性を高めることを考慮すると、Ag−Cu系合金、あるいはAl−Si系合金など、いわゆるろう材として使用される合金を用いることが好ましい。
【0026】
接合層を支持する基体を用いる場合、基体材料はカーボンナノチューブの合成温度にえられる耐熱性を有するものであれば、特に限定されることなく、例えばSiO、Al、MgOやガラス材など所望の材料を選択することができる。また、基体表面に接合層を形成する方法は、物理的蒸着法、化学的蒸着法、ペースト法や、金属粒子の液相からの沈殿法など、特に制限されることなく採用できる。
【0027】
本発明に係る成長用基板は、カーボンナノチューブを成長させる作用を持つ元素を含有するものを使用する。
【0028】
カーボンナノチューブを成長させる作用を持つ触媒としては、例えばNi、FeあるいはCoなど既知の金属元素が挙げられる。
【0029】
成長用基板は少なくともその表面に、これらの金属あるいはこれらの金属を含む合金が存在するものである。これらの金属あるいは合金は、基板表面全面に存在していても良いし、粒子状物で基体表面に担持した基板を使用しても良い。また、初期状態では前述した金属元素の酸化物であり、密閉容器中で還元された結果、基板表面に金属触媒粒子を析出させても良い。また基板表面に金属触媒層を形成して金属触媒粒子に代えることもできる。この場合、カーボンナノチューブが成長しやすくなるために凸状の成長部位を加工形成しておくことが望ましい。
【0030】
基体上に触媒を層形成、あるいは担持させる方法としては,例えば物理的、あるいは化学的な蒸着方法、ペースト法、液相からの沈殿法などを挙げることができる。
【0031】
カーボンナノチューブ接合体を電界放射型ディスプレイなどのエミッタとして使用する場合、エミッタが形成されるべき領域のみにカーボンナノチューブ膜を形成する必要がある。このような場合、例えば、基体表面に触媒によって形成される膜をマスク材などを使用して所望のエミッタ形状に形成することで、触媒の形状と同形状のカーボンナノチューブ膜とすることができる。
【0032】
また、支持基板あるいは成長用基板としてメッシュ形状のものを使用することができる。例えば、基体としてメッシュ形状のものを使用し、このメッシュ状の基体表面に接合層や、触媒元素を含有する層を形成したものを使用することができる。メッシュを形成する繊維密度を調整することで、基板表面に形成されるカーボンナノチューブの密度を調整することができる。
【0033】
支持基板と成長用基板との両基板間の間隔は、基本的に得られるカーボンナノチューブ層の膜厚となる。したがってカーボンナノチューブ接合体の使用用途に応じて基板間の間隔を設定すればよい。
【0034】
ただし、その間隔は1μm〜100μm程度に設定することが望ましい。間隔が1μmよりも小さいと、基板間隔を所望の値に保持することが困難である。一方、100μmよりも長いカーボンナノチューブを製造することが技術的に困難なため、基板間隔が100μmよりも大きいとカーボンナノチューブが支持基板に接触せず、カーボンナノチューブ接合体が得られなくなる恐れがある。また、カーボンナノチューブ接合体をエミッタとして使用する際には、基板間隔を1μm〜50μm程度とし、1μm〜50μm程度のカーボンナノチューブ層を形成すればよい。
【0035】
本発明に係るカーボンナノチューブは、前述した触媒に原料ガスを接触させることで成長する。
【0036】
カーボンナノチューブは、グラファイトのc面で構成された円筒形状をした炭素材料であり、その直径が通常数nm〜数百nm程度のものを指す。
【0037】
原料ガスとしては、通常メタンガスなどの炭化水素ガスや、一酸化炭素ガスなどの炭素含有ガスが使用される。また、必要に応じこの炭素含有ガスと水素ガスとの混合ガスとして使用しても良い。
【0038】
この原料ガスを前述の触媒と接触させることで、触媒表面で原料ガスの分解が起こり炭素を析出してカーボンナノチューブを成長させる。この分解反応は通常加熱雰囲気下で生じ、例えば、500℃〜900℃の加熱雰囲気下で成長させることが好ましい。加熱温度が900℃よりも高いと、炭素の熱分解が激しくなり、カーボンナノチューブの径が粗大化したり、場合によってはチューブ状のカーボンが析出しなくなる恐れがある。加熱温度が500℃よりも低いと触媒によって原料ガスを分解できなくなる恐れが有り、ひいてはカーボンナノチューブを析出できなくなる恐れがある。さらに、加熱温度が500℃よりも低いと、支持基板表面の接合面が溶融せず、触媒粒子と支持基板との接合が不十分になる恐れがある。
【0039】
また、支持基板と成長用基板との間にプラズマを形成し、炭素の析出速度を制御することも可能である。
【0040】
したがって、前述の密閉容器を有する装置としては、いわゆる熱CVD装置、あるいはプラズマCVD装置を使用すればよい。
【0041】
原料ガスの導入量は、原料ガスの種類によって多少異なるが、通常10ml/min〜1000ml/min程度で導入すればよい。導入量が10ml/minよりも少ないと、カーボンナノチューブの成長速度が遅くなり量産性が低下する。導入量が1000ml/minよりも多くても、得られるカーボンナノチューブの成長量は殆ど変わらず、原料ガスに対するカーボンナノチューブの成長効率が低下する。
【0042】
基板間の間隔の制御は、例えば、基板間に所望の間隔と同粒径の適当な粒子を挟み、これをスペーサーとすることで、簡単に制御することができる。
【0043】
また、基板間に形成される電界強度としては、500V/m〜1kV/m程度とすれば、通常成長する各カーボンナノファイバーが基板面と垂直方向に成長すると共に、均一長さに成長する。
【0044】
図3は、カーボンナノチューブ接合体の製造装置の変形例を示す一例である。
【0045】
図3に示す装置はプラズマCVD装置であり、直流電源4に、交流電源31およびマッチングボックス32とを直列に接続し、密閉容器11内をプラズマ状態にすることができるようになっている。
【0046】
また、図1の装置においては一対の対向電極間に支持基板1および成長用基板を配置したが、図3の装置においては成長用基板12に直接電源を接続して、成長用基板12を電極として使用し、成長用基板12と対向電極13とによって電界を形成している。成長用基板12が導電性材料である場合このように支持基板を電極として使用できるし、また同様に支持基板1が導電性材料の場合支持基板1を電極として使用することも可能である。
【0047】
【実施例】
実施例1
図3に示すようなプラズマCVD装置を用い、以下のようにしてカーボンナノチューブ接合体を作製した。
【0048】
膜厚1mmのガラス基体表面に1μm厚のNi薄膜を形成し、成長用基板を作製した。また50μmピッチのメッシュ状のCu基板からなる支持基板を準備した。成長用基板と支持基板との間にスペーサーとしての直径5μmのアルミナ製微粒子を挟み、5μmの間隙を設けて両基板を平行に固定した。
【0049】
このようにして重ねられた両基板を密閉容器中に配置した。なお支持基板は直流電源と接続し、負極として兼用した。また、支持基板は正極に対して平行で、正極と支持基板との間が10μmとなるように、支持基板および成長用基板とを配置した。
【0050】
密閉容器内を減圧した後、メタンガスと窒素ガスの混合ガス(モル比で1:1)を50ml/minで導入し、さらに容器内に20mA/cm2のプラズマを発生させると共に、正極および支持基板(負極)間に200Vの電圧をかけることで、成長用基板表面からカーボンナノチューブを成長させた。なお、成長中の支持基板の温度が800℃となるように、支持基板にヒーターを配置して加熱を行った。
【0051】
カーボンナノチューブを成長させ始めてから30分経過後に交流、直流電源を切り、また原料ガスの導入を止め、カーボンナノチューブの成長を終了した。
【0052】
密閉容器から支持基板および成長用基板を取り出し視認したところ、カーボンナノチューブは支持基板に接するまで成長していた。
【0053】
さらに支持基板および成長用基板を離間したところ、カーボンナノチューブは成長用基板から剥離し、支持基板に転写された。すなわち、支持基板表面にカーボンナノチューブを接合した接合体を得た。
【0054】
得られた接合体を陰極とし、接合体のカーボンナノチューブ層が形成された側に接合体と平行に間隙を空けて陽極を配置した。
【0055】
接合体と陽極との間に電圧を印加し、電子線の放出特性を評価したところ、1mA/cm2のエミッション電流が、4.5V/μmの電界で得られた。この条件で10時間連続して電子を放出しつづけることができた。
【0056】
また、カーボンナノチューブが接合された支持基板を水中に浸漬し、超音波の振動を加え、カーボンナノチューブと支持基板との接合性を調べたがカーボンナノチューブの支持基板からの剥離は認められなかった。
【0057】
比較例1
支持基板を使用しないことを除き、実施例1と同様にして成長用基板表面にカーボンナノチューブを成長させた。
【0058】
カーボンナノチューブが形成された成長用基板を陰極として用いたことを除き、実施例1と同様にして電子放出特性を評価したところ、1mA/cm2のエミッション電流が、7V/μmの電界で得られた。この条件で5時間以上連続して電子を放出しつづけることはできなかった。
【0059】
また、実施例1と同様にして、カーボンナノチューブと成長用基板との接合性を調べたところ、成長用基板から剥離したカーボンナノチューブが飛散してしまった。
【0060】
実施例2
図2に示すような熱CVD装置を用い、以下のようにしてカーボンナノチューブ接合体を作製した。
【0061】
膜厚1mmのガラス基体表面に1μm厚のNi薄膜を形成し、成長用基板を作製した。膜厚1mmのMo製の基体表面に1μm厚のAg−Cu薄膜を形成し、成長用基板を作製した。成長用基板と支持基板との間にスペーサーとしての直径5μmのアルミナ製微粒子を挟み、5μmの間隙を設けて両基板を平行に固定した。
このようにして重ねられた両基板を密閉容器中に配置した。なお、熱CVD装置の正極と負極とは5mmの間隔を空けて平行に配置されており、両基板も正極および負極と平行に配置した。
【0062】
密閉容器内を10-3torr台まで減圧した後、メタンガスと水素ガスとの混合ガス(モル比で1:1)を500ml/min導入し、また、密閉容器の周囲にヒーターを配置し、密閉容器内の温度が800℃となるように、加熱した。さらに正極および負極との間に100Vの電圧を印加し、成長用基板表面にカーボンナノチューブを成長させた。
【0063】
カーボンナノチューブを成長させ始めてから15分経過後に、ヒーターでの加熱を停止すると共に、原料ガスの導入を止め、カーボンナノチューブの成長を終了した。
【0064】
密閉容器から支持基板および成長用基板を取り出し視認したところ、カーボンナノチューブは支持基板に接するまで成長していた。
【0065】
さらに支持基板および成長用基板を離間したところ、カーボンナノチューブは成長用基板から剥離し、支持基板に転写された。すなわち、支持基板表面にカーボンナノチューブを接合した接合体を得た。
【0066】
以降、実施例1と同様にして電子放出特性を調べたところ、1mA/cm2のエミッション電流が、4V/μmの電界で得られた。この条件で10時間以上連続して電子を放出しつづけることができた。
【0067】
また、実施例1と同様にしてカーボンナノチューブと支持基板との接合性を調べたが、カーボンナノチューブの剥離は観察されなかった。
【0068】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、基板に対し密着性高く支持されたカーボンナノチューブ接合体を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカーボンナノチューブ接合体の概略断面図。
【図2】 カーボンナノチューブ接合体の製造方法の一例を示す図。
【図3】 カーボンナノチューブ接合体の製造装置を示す図。
【符号の説明】
1…支持基板
2…カーボンナノチューブ接合体
3…接合層
4…触媒粒子
5…カーボンナノチューブ層
10…カーボンナノチューブ接合体の製造装置
11…密閉容器
12…成長用基板
13…対向電極
14…直流電源
31…交流電源
32…マッチングボックス

Claims (2)

  1. カーボンナノチューブの成長作用を持つ金属触媒を含有する成長用基板と接合面を有する支持基板とを対向配置し、
    前記成長用基板および前記支持基板間に電界を印加しながら前記成長用基板および前記支持基板間に前記カーボンナノチューブの原料ガスを導入して前記成長用基板表面から前記カーボンナノチューブを前記支持基板に接触するまで成長させることで、前記カーボンナノチューブを前記支持基板に接合し、
    前記成長用基板を除去することを特徴とするカーボンナノチューブ接合体の製造方法。
  2. 前記成長用基板および前記支持基板の少なくとも一方に所定の電位を供給して前記電界を形成することを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブ接合体の製造方法。
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