JP3762756B2 - 容器入り殻付銀杏の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温での長期保存が可能な水煮状態の銀杏又は味付け状態の銀杏の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀杏は殻付の状態だと長期に保存できるが、殻が硬く剥き難いため食べるのに手間がかかる。
逆に殻や薄皮を剥いたむき銀杏(むき銀杏、以下殻や薄皮を剥いた状態の銀杏を「胚乳部」という)は殻を剥く手間が省略でき便利な反面、長期保存が難しく風味に欠ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、銀杏の殻を剥き易い状態に加工して殻を残すことにより、銀杏本来の風味を保ちながら長期保存を可能にし、しかも剥く手間を大幅に簡略化した銀杏を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
割れ目の入った銀杏を酸性水溶液に浸漬する浸漬工程と、
浸漬後の銀杏を液切りする液切り工程と、
液切れした銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする。
【0005】
請求項2の発明は、銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
割れ目の入った銀杏をPH調整剤を入れた酸性水溶液で茹でる第一茹で工程と、
茹でた銀杏を冷却する冷却工程と、
冷却した銀杏を再度茹でる第二茹で工程と、
再度茹でた銀杏を液切りする液切り工程と、
液切れした銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする。
【0006】
請求項3の発明は、銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
割れ目の入った銀杏をPH調整剤を入れた酸性水溶液に浸漬する浸漬工程と、
浸漬後の銀杏を水溶液から取り出し蒸す第一蒸し工程と、
蒸した銀杏をPH調整剤を入れた酸性水溶液に浸漬し冷却する冷却工程と、
冷却した銀杏を酸性水溶液から取り出し再度蒸す第二蒸し工程と、
再度蒸した銀杏を液切りする液切り工程と、
液切れした銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする。
【0007】
請求項4の発明は、銀杏を殻付のまま焼く焼き工程と、
銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
殻に割れ目の入った銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする。
【0008】
前記請求項1〜3の発明の酸性水溶液に調味料を添加してもよい。
また、請求項1〜3の発明の液切り工程を、液切り後に銀杏を160〜230℃で焼くこと、あるいは液切り後に銀杏を食用油で揚げることにするとよい。
さらには、請求項1〜4の発明の包装工程を、ガスバリア性と耐熱性を併せ持つ容器内に入れ、容器内の空気を不活性ガスで置換して開口部を密封するものとし、加熱工程を多段昇温で行うとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態を以下説明する。
先ず、収穫し果肉部分を除去した状態の殻付銀杏に衝撃を与え、殻に割れ目を入れる(割れ目形成工程)。
殻に割れ目を入れるには、例えば、ペンチのような器具を使用して手作業で行うとよい。あるいは、所定の間隔をおいて対峙する一対のローラを回転させ、このローラ間を通過させてもよい。
【0010】
次に、殻に割れ目の入った銀杏を、クエン酸などのPH調整剤が入った酸性水溶液(PH2.3〜3.0)に30〜60分浸漬する。
この後、酸性水溶液の温度を約90℃に上げて、銀杏を10〜20分茹でる。その後、冷却し、前記銀杏を酸性水溶液に浸漬した状態のままで5℃で10時間程度冷蔵する。
次に、銀杏が浸漬している酸性水溶液の温度を約90℃に上げて、銀杏を再度10〜20分茹でる。
以上を浸漬工程という。
【0011】
次に、銀杏を笊に入れたり、遠心脱水機で脱水するなどの液切りをし、その後オーブンに入れ160〜230℃で3〜5分焼く(液切り工程)。
そして、焼いた後の殻付銀杏をガスバリア性と耐熱性を併せ持つ容器(例えばレトルトパウチ)内に入れ、容器内の空気を不活性ガス(窒素ガス,二酸化炭素ガスなど)で置換して開口部を密封する(包装工程)。
この容器に詰めた銀杏を殺菌槽内に収容し、100℃で5分、この後110℃で20分の殺菌を行う(加熱工程)。そして、加熱工程後、容器の温度を取り出しやすい温度まで下げる。
【0012】
前記PH調整剤が入った酸性水溶液に長時間浸漬することにより、銀杏が殺菌される。よって、前記加熱工程での殺菌のために高温にする時間が短くてすみ、銀杏の胚乳部が硬くかつ脆くなり、食感が低下するという高温に長時間さらすことに起因する品質低下を解消できる。
また、薄皮に水溶液を充分しみ込ませた後に茹でることにより、胚乳部と薄皮とが分離する。さらに液切り工程にて、薄皮の水分が脱水されるので、胚乳部と薄皮とがさらに分離すると共に、この分離状態が維持される。
茹で工程を2工程に分けてその間に冷蔵するのは、長時間茹でることにより生じる銀杏の食味低下を極力避けると共に、PH調整剤が入った酸性水溶液を薄皮に充分に浸透させるためである。
さらに、不活性ガスで置換した容器内に入れ、開口部を密封することにより、銀杏が酸化されず風味が保持される。
また、予めPH調整剤が入った酸性水溶液に浸漬して殺菌していること、及び殺菌工程で二段昇温(三段以上の多段昇温であってもよい)することとが相俟って長時間高温にさらすことなく充分な殺菌ができ、風味が損なわれない。
なお、前記PH調整剤が入った酸性水溶液に食塩などの調味料を加えることにより、前記水煮状態の銀杏ではなく、味付け状態の銀杏にすることも可能である。また、条件を選び二段昇温でなく一段で加熱殺菌してもよい。
【0013】
次に第2実施形態につき説明する。
先ず、前記実施の形態と同様に銀杏に衝撃を与え、殻に割れ目を入れる(割れ目形成工程)。
次にPH調整剤が入った酸性水溶液(PH2.3〜3.0)に30〜60分浸漬する。
この後、酸性水溶液を排出し、殻付銀杏を約90℃の蒸気で10〜20分蒸す。
その後、冷却し、前記銀杏を酸性水溶液に浸漬した状態のままで10時間程度冷蔵する。
次に、PH調整剤が入った酸性水溶液を排出し、銀杏を約90℃の蒸気で10〜20分蒸す。(以上 浸漬工程)
その後、銀杏を液切りをし、オーブンに入れ160〜230℃で3〜5分焼く(液切り工程)。
以下、前記第1実施形態と同様包装工程、加熱工程を経て製品となる。
上記のようにすると、PH調整剤が入った酸性水溶液の供給、排出を繰り返すので、前記実施形態より容器入り殻付銀杏の製造が煩雑になる。
【0014】
前記第1,2実施形態の液切り工程を、銀杏を液切り後に殻付銀杏を約160〜180℃の食用油で15〜60秒揚げる方法にしてもよい。
オーブンに入れる前記第1,2実施形態よりも短時間で処理できるという利点はあるが、銀杏の薄皮及び胚乳部に食用油が付着する。
さらに、焼く形式のオーブンではなく、マイクロウェーブを照射する形式のオーブン(電子レンジのような装置)に入れて30秒程度加熱する方法にしてもよい。製造時間がオーブンで焼いたり、油で揚げたりする場合より短縮する。
【0015】
次に第3実施形態につき説明する。
先ず、銀杏を殻付のまま焼く(焼き工程)。
次に、前記各実施の形態と同様に銀杏に衝撃を与え、殻に割れ目を入れる(割れ目形成工程)。
この後、前記各実施形態と同様の包装工程,加熱工程を経て製品にする。
【0016】
なお、前記各実施形態では割れ目形成工程前の工程がないが、古くなって胚乳部が萎んだ殻付銀杏を除去する工程を加えてもよい。
すなわち、殻付銀杏を水に入れ、浮いたものを除去した後、乾燥しこの後割れ目形成工程に移行する。割れ目形成工程前に乾燥するのは、濡れたままだと殻が割れ難いためである。
さらに、割れ目形成工程で殻に入れる割れ目を大きくして殻内部の銀杏の状態を目視できるようにし、状態の悪い銀杏を除去すると、品質が一層向上する。
また、前記第1,2実施形態では、茹でと蒸しとを併存させていないが、いずれか一方を茹で、もう一方を蒸しにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】
これを要するに請求項1の発明では、銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、割れ目の入った銀杏を酸性水溶液に浸漬する浸漬工程と、浸漬後の銀杏を液切りする液切り工程とを有する。
よって、薄皮に水溶液を充分しみ込ませた後に液切り(脱水)するので、胚乳部と薄皮とが分離すると共に、この分離状態が維持される。
請求項2,3の発明でも、薄皮に水溶液を充分しみ込ませた後に液切り(脱水)するので、胚乳部と薄皮とが分離すると共に、この分離状態が維持される。
また、請求項4の発明では、銀杏を殻付のまま焼く焼き工程と、銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、殻に割れ目の入った銀杏を包装する包装工程と、包装した銀杏を加熱する加熱工程とを有する。
よって、前記した請求項1〜3の発明の効果と同様に焼かれた際に胚乳部と薄皮とが分離すると共に、包装されることによりこの分離状態が維持される。
銀杏は殻付のままであるので、殻付銀杏の持つ風味保持や長期保存できるという特徴が保持される。また、殻に割れ目が入り、さらに胚乳部と薄皮とが分離しているので、殻や薄皮が剥き易い。
また、PH調整剤を入れ酸性にした水溶液に浸漬することにより、銀杏が殺菌される。よって、加熱工程での殺菌のための加熱時間が短くてすみ、高温に長時間さらすことに起因する、銀杏の胚乳部が硬くかつ脆くなり、食感が低下するという品質低下を解消できる。
さらに、請求項8の発明では、加熱工程で多段昇温にするので、高温にさらされる時間を一層短縮でき銀杏の風味などの品質が低下しない。また、銀杏をガスバリア性と耐熱性を併せ持つ容器内に入れ、容器内の空気を不活性ガスで置換して開口部を密封するので、品質が低下せず常温での長期保存が可能になる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温での長期保存が可能な水煮状態の銀杏又は味付け状態の銀杏の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀杏は殻付の状態だと長期に保存できるが、殻が硬く剥き難いため食べるのに手間がかかる。
逆に殻や薄皮を剥いたむき銀杏(むき銀杏、以下殻や薄皮を剥いた状態の銀杏を「胚乳部」という)は殻を剥く手間が省略でき便利な反面、長期保存が難しく風味に欠ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、銀杏の殻を剥き易い状態に加工して殻を残すことにより、銀杏本来の風味を保ちながら長期保存を可能にし、しかも剥く手間を大幅に簡略化した銀杏を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
割れ目の入った銀杏を酸性水溶液に浸漬する浸漬工程と、
浸漬後の銀杏を液切りする液切り工程と、
液切れした銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする。
【0005】
請求項2の発明は、銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
割れ目の入った銀杏をPH調整剤を入れた酸性水溶液で茹でる第一茹で工程と、
茹でた銀杏を冷却する冷却工程と、
冷却した銀杏を再度茹でる第二茹で工程と、
再度茹でた銀杏を液切りする液切り工程と、
液切れした銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする。
【0006】
請求項3の発明は、銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
割れ目の入った銀杏をPH調整剤を入れた酸性水溶液に浸漬する浸漬工程と、
浸漬後の銀杏を水溶液から取り出し蒸す第一蒸し工程と、
蒸した銀杏をPH調整剤を入れた酸性水溶液に浸漬し冷却する冷却工程と、
冷却した銀杏を酸性水溶液から取り出し再度蒸す第二蒸し工程と、
再度蒸した銀杏を液切りする液切り工程と、
液切れした銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする。
【0007】
請求項4の発明は、銀杏を殻付のまま焼く焼き工程と、
銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
殻に割れ目の入った銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする。
【0008】
前記請求項1〜3の発明の酸性水溶液に調味料を添加してもよい。
また、請求項1〜3の発明の液切り工程を、液切り後に銀杏を160〜230℃で焼くこと、あるいは液切り後に銀杏を食用油で揚げることにするとよい。
さらには、請求項1〜4の発明の包装工程を、ガスバリア性と耐熱性を併せ持つ容器内に入れ、容器内の空気を不活性ガスで置換して開口部を密封するものとし、加熱工程を多段昇温で行うとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態を以下説明する。
先ず、収穫し果肉部分を除去した状態の殻付銀杏に衝撃を与え、殻に割れ目を入れる(割れ目形成工程)。
殻に割れ目を入れるには、例えば、ペンチのような器具を使用して手作業で行うとよい。あるいは、所定の間隔をおいて対峙する一対のローラを回転させ、このローラ間を通過させてもよい。
【0010】
次に、殻に割れ目の入った銀杏を、クエン酸などのPH調整剤が入った酸性水溶液(PH2.3〜3.0)に30〜60分浸漬する。
この後、酸性水溶液の温度を約90℃に上げて、銀杏を10〜20分茹でる。その後、冷却し、前記銀杏を酸性水溶液に浸漬した状態のままで5℃で10時間程度冷蔵する。
次に、銀杏が浸漬している酸性水溶液の温度を約90℃に上げて、銀杏を再度10〜20分茹でる。
以上を浸漬工程という。
【0011】
次に、銀杏を笊に入れたり、遠心脱水機で脱水するなどの液切りをし、その後オーブンに入れ160〜230℃で3〜5分焼く(液切り工程)。
そして、焼いた後の殻付銀杏をガスバリア性と耐熱性を併せ持つ容器(例えばレトルトパウチ)内に入れ、容器内の空気を不活性ガス(窒素ガス,二酸化炭素ガスなど)で置換して開口部を密封する(包装工程)。
この容器に詰めた銀杏を殺菌槽内に収容し、100℃で5分、この後110℃で20分の殺菌を行う(加熱工程)。そして、加熱工程後、容器の温度を取り出しやすい温度まで下げる。
【0012】
前記PH調整剤が入った酸性水溶液に長時間浸漬することにより、銀杏が殺菌される。よって、前記加熱工程での殺菌のために高温にする時間が短くてすみ、銀杏の胚乳部が硬くかつ脆くなり、食感が低下するという高温に長時間さらすことに起因する品質低下を解消できる。
また、薄皮に水溶液を充分しみ込ませた後に茹でることにより、胚乳部と薄皮とが分離する。さらに液切り工程にて、薄皮の水分が脱水されるので、胚乳部と薄皮とがさらに分離すると共に、この分離状態が維持される。
茹で工程を2工程に分けてその間に冷蔵するのは、長時間茹でることにより生じる銀杏の食味低下を極力避けると共に、PH調整剤が入った酸性水溶液を薄皮に充分に浸透させるためである。
さらに、不活性ガスで置換した容器内に入れ、開口部を密封することにより、銀杏が酸化されず風味が保持される。
また、予めPH調整剤が入った酸性水溶液に浸漬して殺菌していること、及び殺菌工程で二段昇温(三段以上の多段昇温であってもよい)することとが相俟って長時間高温にさらすことなく充分な殺菌ができ、風味が損なわれない。
なお、前記PH調整剤が入った酸性水溶液に食塩などの調味料を加えることにより、前記水煮状態の銀杏ではなく、味付け状態の銀杏にすることも可能である。また、条件を選び二段昇温でなく一段で加熱殺菌してもよい。
【0013】
次に第2実施形態につき説明する。
先ず、前記実施の形態と同様に銀杏に衝撃を与え、殻に割れ目を入れる(割れ目形成工程)。
次にPH調整剤が入った酸性水溶液(PH2.3〜3.0)に30〜60分浸漬する。
この後、酸性水溶液を排出し、殻付銀杏を約90℃の蒸気で10〜20分蒸す。
その後、冷却し、前記銀杏を酸性水溶液に浸漬した状態のままで10時間程度冷蔵する。
次に、PH調整剤が入った酸性水溶液を排出し、銀杏を約90℃の蒸気で10〜20分蒸す。(以上 浸漬工程)
その後、銀杏を液切りをし、オーブンに入れ160〜230℃で3〜5分焼く(液切り工程)。
以下、前記第1実施形態と同様包装工程、加熱工程を経て製品となる。
上記のようにすると、PH調整剤が入った酸性水溶液の供給、排出を繰り返すので、前記実施形態より容器入り殻付銀杏の製造が煩雑になる。
【0014】
前記第1,2実施形態の液切り工程を、銀杏を液切り後に殻付銀杏を約160〜180℃の食用油で15〜60秒揚げる方法にしてもよい。
オーブンに入れる前記第1,2実施形態よりも短時間で処理できるという利点はあるが、銀杏の薄皮及び胚乳部に食用油が付着する。
さらに、焼く形式のオーブンではなく、マイクロウェーブを照射する形式のオーブン(電子レンジのような装置)に入れて30秒程度加熱する方法にしてもよい。製造時間がオーブンで焼いたり、油で揚げたりする場合より短縮する。
【0015】
次に第3実施形態につき説明する。
先ず、銀杏を殻付のまま焼く(焼き工程)。
次に、前記各実施の形態と同様に銀杏に衝撃を与え、殻に割れ目を入れる(割れ目形成工程)。
この後、前記各実施形態と同様の包装工程,加熱工程を経て製品にする。
【0016】
なお、前記各実施形態では割れ目形成工程前の工程がないが、古くなって胚乳部が萎んだ殻付銀杏を除去する工程を加えてもよい。
すなわち、殻付銀杏を水に入れ、浮いたものを除去した後、乾燥しこの後割れ目形成工程に移行する。割れ目形成工程前に乾燥するのは、濡れたままだと殻が割れ難いためである。
さらに、割れ目形成工程で殻に入れる割れ目を大きくして殻内部の銀杏の状態を目視できるようにし、状態の悪い銀杏を除去すると、品質が一層向上する。
また、前記第1,2実施形態では、茹でと蒸しとを併存させていないが、いずれか一方を茹で、もう一方を蒸しにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】
これを要するに請求項1の発明では、銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、割れ目の入った銀杏を酸性水溶液に浸漬する浸漬工程と、浸漬後の銀杏を液切りする液切り工程とを有する。
よって、薄皮に水溶液を充分しみ込ませた後に液切り(脱水)するので、胚乳部と薄皮とが分離すると共に、この分離状態が維持される。
請求項2,3の発明でも、薄皮に水溶液を充分しみ込ませた後に液切り(脱水)するので、胚乳部と薄皮とが分離すると共に、この分離状態が維持される。
また、請求項4の発明では、銀杏を殻付のまま焼く焼き工程と、銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、殻に割れ目の入った銀杏を包装する包装工程と、包装した銀杏を加熱する加熱工程とを有する。
よって、前記した請求項1〜3の発明の効果と同様に焼かれた際に胚乳部と薄皮とが分離すると共に、包装されることによりこの分離状態が維持される。
銀杏は殻付のままであるので、殻付銀杏の持つ風味保持や長期保存できるという特徴が保持される。また、殻に割れ目が入り、さらに胚乳部と薄皮とが分離しているので、殻や薄皮が剥き易い。
また、PH調整剤を入れ酸性にした水溶液に浸漬することにより、銀杏が殺菌される。よって、加熱工程での殺菌のための加熱時間が短くてすみ、高温に長時間さらすことに起因する、銀杏の胚乳部が硬くかつ脆くなり、食感が低下するという品質低下を解消できる。
さらに、請求項8の発明では、加熱工程で多段昇温にするので、高温にさらされる時間を一層短縮でき銀杏の風味などの品質が低下しない。また、銀杏をガスバリア性と耐熱性を併せ持つ容器内に入れ、容器内の空気を不活性ガスで置換して開口部を密封するので、品質が低下せず常温での長期保存が可能になる。
Claims (8)
- 銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
割れ目の入った銀杏を酸性水溶液に浸漬する浸漬工程と、
浸漬後の銀杏を液切りする液切り工程と、
液切れした銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする容器入り殻付銀杏の製造方法。 - 銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
割れ目の入った銀杏をPH調整剤を入れた酸性水溶液で茹でる第一茹で工程と、
茹でた銀杏を冷却する冷却工程と、
冷却した銀杏を再度茹でる第二茹で工程と、
再度茹でた銀杏を液切りする液切り工程と、
液切れした銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする容器入り殻付銀杏の製造方法。 - 銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
割れ目の入った銀杏をPH調整剤を入れた酸性水溶液に浸漬する浸漬工程と、
浸漬後の銀杏を水溶液から取り出し蒸す第一蒸し工程と、
蒸した銀杏をPH調整剤を入れた酸性水溶液に浸漬し冷却する冷却工程と、
冷却した銀杏を酸性水溶液から取り出し再度蒸す第二蒸し工程と、
再度蒸した銀杏を液切りする液切り工程と、
液切れした銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする容器入り殻付銀杏の製造方法。 - 銀杏を殻付のまま焼く焼き工程と、
銀杏の殻に割れ目を入れる割れ目形成工程と、
殻に割れ目の入った銀杏を包装する包装工程と、
包装した銀杏を加熱する加熱工程と、
からなり、上記工程順で行うことを特徴とする容器入り殻付銀杏の製造方法。 - 前記酸性水溶液に調味料を添加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の容器入り殻付銀杏の製造方法。
- 前記液切り工程を、液切り後に銀杏を160〜230℃で焼くこととする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の容器入り殻付銀杏の製造方法。
- 前記液切り工程を、液切り後に銀杏を食用油で揚げることとする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の容器入り殻付銀杏の製造方法。
- 前記包装工程を、ガスバリア性と耐熱性を併せ持つ容器内に入れ、容器内の空気を不活性ガスで置換して開口部を密封するものとし、
前記加熱工程を多段昇温で行うこととする1乃至4のいずれか1項に記載の容器入り殻付銀杏の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003117156A JP3762756B2 (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | 容器入り殻付銀杏の製造方法 |
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JP2003117156A JP3762756B2 (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | 容器入り殻付銀杏の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004321026A JP2004321026A (ja) | 2004-11-18 |
JP3762756B2 true JP3762756B2 (ja) | 2006-04-05 |
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KR101709664B1 (ko) * | 2013-10-21 | 2017-02-23 | 한국식품연구원 | 습열 처리를 이용한 은행 외과피의 혐오취 저감 방법 |
CN113017054A (zh) * | 2021-03-08 | 2021-06-25 | 北京大有升萃生物科技有限公司 | 一种白果整果脱毒遮苦处理方法 |
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2003
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