JP3761936B2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧用コンパクト容器に関し、詳しくは、粉末化粧品を収納するための化粧用コンパクト容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧用コンパクト容器として粉末化粧品を収納するものがあり、これ等は容器本体に設けた収納凹部に粉末化粧品を充填させるドラムを嵌合させている。またこのドラムは上端開口をメッシュで被覆して化粧品の飛散を防止するとともに、使用時にはメッシュから浮き出た化粧品をパフ表面に付着させることにより化粧品粒子の均一化を図り、更に、一度に多量の化粧品がパフに付着することを防止している。
【0003】
初期にはこのメッシュを網皿状に形成してドラム内に充填されたパウダーの上面に載置し、更にこの網皿の上にパフを載置しておき、使用時にパフを取り出してメッシュ上面に押し付けて使用していた。しかし網皿は単にパウダーの上に載置されているだけであるため、容器の運搬中の振動等により網皿自体がパウダー中に埋没してしまい、極めて使い難いという不都合が生じていた。
その様な点を考慮して、実開昭57‐161908 号公報或いは実公昭62‐14973号公報に記載された容器が提案されている。
【0004】
前者は、外周に厚手縁部を有する網目体(メッシュ)を有し、この厚手縁部をドラムと容器本体の間に挟持させた嵌着部と伸縮体を介して結合させ、網目体上方よりパフを押し当てることにより、伸縮体が伸びて網目体が下方へ移動可能に構成したものである。従って、非使用時にはパウダー上方に網目体を位置させておくことができて上記の様な不都合を解消できるものである。
【0005】
また、後者は、容器本体内に環状の枠体を上下動可能に挿入させ、枠体の周縁部に網皿(メッシュ)を保持するとともに、その周縁下部の複数箇所に下方へ略ハ字状に突出する可撓性突片からなる弾性脚を一体に取り付けたものである。
この容器も同様に上記不都合を解消できるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの容器にはいまだ種々改良の余地を残している。
例えば、前者に於いては、網目体を押し下げた際にドラム上面に位置する伸縮部分が局部的に伸び、また、網目体の押圧を解除すると伸縮部が縮んで元の状態に戻すため、また、この伸縮部はドラム上端縁の角で直角に曲げられて擦られながら伸ばされるため伸縮部に掛かる負担が大き過ぎて耐久性に劣るという欠点がある。
【0007】
また、後者は、枠体がハ字状の弾性脚で支持されているため、網皿の押圧により各弾性脚を広げて網皿を押し下げる際に、押圧により掛かる力の方向が各脚の接触面と垂直方向に近い方向へ掛かるため脚が広がり難く、また、ドラムが円形の場合には各脚下端が回動しながら広がらなければならず、いずれにしろ押し下げに円滑さを欠く。
【0008】
また、網皿の押し下げの際に各弾性脚が絡み合う虞がありこの点に於いても作動の円滑さに欠ける。この場合、各一対の開脚角度を小さいものとすれば絡み合いは防止できるが、反面上記した脚の広がりが極めて行い難くなる。
【0009】
本発明は上記した従来容器の欠点を解消したもので、従来容器の如くメッシュがパウダー中に埋没するという不都合がなく、しかも、メッシュの押し下げ,復帰操作を円滑に行え、また、耐久性にも優れた容器を提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の容器は上記課題を解決するため、ドラム収納凹部5を設けてなる容器本体2と、該本体後部に後部を回動可能に連結して容器本体上面を開閉可能に設けた蓋体3と、上記収納凹部に収納嵌合させるとともに、粉末化粧品を充填させるドラム4とを備えた化粧用コンパクト容器に於いて、上記ドラム4を、上面周縁部に環状の係止壁18を突設してなる皿状の底板部材13と、上記係止壁18外周に下端縁部を嵌合させて上方へ垂壁部20を起立させるとともに、該垂壁部20上端縁より内方へ水平波板状部21を延設し、且つ、柔軟で弾力性に富む材質で形成した弾性支持部材14と、該支持部材14内周縁部に外周縁部を固定させて張設したメッシュ15と、上記底板部材13周縁部に嵌着固定させるとともに、その下端縁部と上記係止壁18間に上記垂壁部20下端縁を挟持固定させた筒状の枠体16とから構成してなることを特徴とする化粧用コンパクト容器として構成した。
【0011】
また、請求項2発明の容器は、上記メッシュ15上面に圧接して閉塞する押圧板10を蓋体3の裏面より突設してなる請求項1記載の化粧用コンパクト容器として構成した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明の化粧用コンパクト容器1は、容器本体2と、蓋体3と、ドラム4とを備えている。
【0013】
容器本体2は、ドラム4を収納させるためのドラム収納凹部5を有しており、図1及び図2に示す容器では、左方に平面視円形のドラム収納凹部5を、右方に平面視四角形のパフ収納凹部6を各々穿設し、それぞれ、ドラム4を嵌着固定させるとともに、パフ7を取り出し可能に収納させている。また、前面中央部に穿設した凹部内に係合突起8を突設するとともに、該凹部内に押し釦9を揺動可能に枢着させている。
【0014】
また、蓋体3は容器本体後部に後部を回動可能に連結して容器本体上面を開閉可能に設けたもので、その裏面左方にはドラム4の上面を圧接する押圧板10を突設し、裏面右方には鏡11を固定している。また、前部中央下面より垂設させたフック12を閉蓋の際に上記係合突起8と係合可能に構成し、閉塞状態を維持可能に構成するとともに、押し釦9の押し込みによりフック12を押し上げて係合の解除を可能に構成している。
【0015】
ドラム4は、底板部材13と、弾性支持部材14と、メッシュ15と、枠体16とから構成している。
【0016】
底板部材13は、底壁17周縁部より弾性支持部材挟持用の環状の係止壁18を立設し、該係止壁外周下部に係止突条19を周設して構成している。尚、底板部材13の底壁17中央部に粉末化粧品充填用の窓孔を穿設しても良く、その場合に窓孔は、例えば化粧品充填後シール材等で閉塞する。
【0017】
弾性支持部材14は、エラストマー等の柔軟で弾力性に富んだ材質で一体に形成したもので、上記係止突条19上方の係止壁18外周に下端を嵌合させて上方へ垂壁部20を起立させるとともに、該垂壁部20上端縁より内方へ水平波板状部21延設して構成している。
【0018】
メッシュ15は、例えばナイロン繊維を編む等して形成したもので、弾性支持部材14の内周縁部に外周縁部を固定させて張設している。
【0019】
図示例では、メッシュ15周縁部下面に、リング板22を接着等の適宜固着手段により固定し、一方弾性支持部材14の水平波板状部21内周縁部に肉厚の連結部を設け、この連結部に上記リング板及びメッシュの厚さ分だけ下方へ陥没させた嵌合部23を設け、この嵌合部23上面とリング板下面とをインサート成形等の方法で融着固定させている。従って、メッシュ15の上面は上記水平波板状部21外周の肉厚部上面と略面一に位置させている。
【0020】
枠体16は、周壁24上端縁より内方へフランジ25を延設した断面逆L字状をなす筒状で、その周壁24内面下部に下向き段部26を形成して、その下方周壁を縮径し、また、縮径部分内面下部に係合突条27を突周設している。そして、上記下向き段部26を弾性支持部材14の垂壁部20下端外周に突周設した突条28上面に圧接させるとともに、上記係合突条27を上記係止突条19下面に乗り越え係合させて弾性支持部材14下端縁を係止壁18との間に挟持固定している。
【0021】
尚、上記底板部材13及び枠体16は弾性支持部材14と比較して剛性を有し、保形性を有する合成樹脂等により形成すると良い。この場合ドラム4の組み付けの際は、底板部材13にメッシュ15付きの弾性支持部材14を嵌合させ、次いで上方から枠体16を押し下げ嵌合させれば簡単に組み付けすることができ、しかも組み付けられた底板部材及び枠体は、弾性支持部材14の弾力性によりしっかりと確実に固定される。
【0022】
また、図示例の容器では蓋体3を閉じた際に、上記押圧板10の下面がメッシュ15上面に圧接してメッシュ15を閉塞する如く構成している。
【0023】
上記の如く構成した容器1は、例えば、開蓋後パフ7をメッシュ15上方より押圧すると、収納粉末化粧品の残量に応じて、主として水平波板状部21と垂壁部20との連結縁部が屈曲する如く弾性変形してメッシュ15が下降し、メッシュ15を介してパフ7に化粧品が付着する。また、パフ7の押圧を解除すると、支持部材14の弾性復元力でメッシュ15は元の状態に戻る。尚、収納化粧品の残量が少なくなると、垂壁部20も弾性変形するとともに、水平波板状部21も伸長する如く弾性変形が可能である。
【0024】
図3は他の実施例を示し、本実施例では、上記係止壁18外側の外周縁部に係止壁より丈の高い支持壁29を立設して底板部材13を構成している。
【0025】
また、弾性支持部材14は、その垂壁部20下端縁を、フランジを介して二重筒状部30に形成し、その二重筒状部30を上記係止壁18と支持壁29下部との間に嵌合させる如く構成している。
【0026】
更に、枠体16は、周壁23上端縁より外方へフランジ31を延設し、そのフランジ31下面を上記支持壁29上面へ延設し、また、その下部外周に下向き段部32を形成してその下方を縮径し、縮径部分を上記二重筒状部30内に押圧嵌合させる如く構成している。
その他の構成は上記実施例と同様である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明容器は、ドラムを、上面周縁部に環状の係止壁を突設してなる皿状の底板部材と、上記係止壁外周に下端縁部を嵌合させて上方へ垂壁部を起立させるとともに、該垂壁部上端縁より内方へ水平波板状部を延設し、且つ、柔軟で弾力性に富む材質で形成した弾性支持部材と、該支持部材内周縁部に外周縁部を固定させて張設させたメッシュと、上記底板部材周縁部に嵌着固定させるとともに、その下端縁部と上記係止壁間に上記垂壁部下端縁を挟持固定させた筒状の枠体とから構成したので、常時はメッシュが化粧品上方に位置するとともに、必要に応じてメッシュを押圧すれば、主として上記弾性支持部材の垂壁部と水平波板状部との連結縁部が屈曲する如く弾性変形してメッシュを簡単に押し下げることができ、また、押圧を解除すれば支持部材の弾性復元力によりメッシュは元の状態に容易に復帰する。従って、収納化粧品の使用を極めて容易に行える。
【0028】
また、従来の局部的に伸縮する部分を有するものと比較して度重なる使用にあっても損傷等の不都合を生じ難く、耐久性に優れたものであるとともに、その押し下げ操作を円滑に行える効果を併せ持つ。
【0029】
また、支持部材の垂壁部の弾性変形が可能であり、また、水平波板状部の波板を伸ばす方向への弾性変形も可能であるため、メッシュの押し下げに余裕があり、収納化粧品の量が少なくなっても略残らず化粧品を使用することができる。
【0030】
また、メッシュ上面に圧接してメッシュを閉塞する押圧板を蓋体裏面より突設したものにあっては、非使用時の持ち運び等の際に容器に振動等が生じても、化粧品がメッシュ上部に漏出する等の不都合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す開蓋状態の斜視図である。
【図2】 同実施例の要部縦断面図である。
【図3】 本発明の他の実施例の要部縦断面図である。
【符号の説明】
2…容器本体,3…蓋体,4…ドラム,5…ドラム収納凹部,10…押圧板,
13…底板部材,14…弾性支持部材,15…メッシュ,16…枠体,18…係止壁,
20…垂壁部,21…水平波板状部,
Claims (2)
- ドラム収納凹部5を設けてなる容器本体2と、該本体後部に後部を回動可能に連結して容器本体上面を開閉可能に設けた蓋体3と、上記収納凹部に収納嵌合させるとともに、粉末化粧品を充填させるドラム4とを備えた化粧用コンパクト容器に於いて、上記ドラム4を、上面周縁部に環状の係止壁18を突設してなる皿状の底板部材13と、上記係止壁18外周に下端縁部を嵌合させて上方へ垂壁部20を起立させるとともに、該垂壁部20上端縁より内方へ水平波板状部21を延設し、且つ、柔軟で弾力性に富む材質で形成した弾性支持部材14と、該支持部材14内周縁部に外周縁部を固定させて張設したメッシュ15と、上記底板部材13周縁部に嵌着固定させるとともに、その下端縁部と上記係止壁18間に上記垂壁部20下端縁を挟持固定させた筒状の枠体16とから構成してなることを特徴とする化粧用コンパクト容器。
- 上記メッシュ15上面に圧接して閉塞する押圧板10を蓋体3の裏面より突設してなる請求項1記載の化粧用コンパクト容器。
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JP23782795A JP3761936B2 (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 化粧用コンパクト容器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23782795A JP3761936B2 (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 化粧用コンパクト容器 |
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JPH0956458A JPH0956458A (ja) | 1997-03-04 |
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23782795A Expired - Lifetime JP3761936B2 (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 化粧用コンパクト容器 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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JP3347273B2 (ja) * | 1997-06-10 | 2002-11-20 | カネボウ株式会社 | 化粧料容器 |
JP2017023635A (ja) * | 2015-07-28 | 2017-02-02 | ロレアル | 配合物コンテナおよびそれを備えた用具 |
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1995
- 1995-08-22 JP JP23782795A patent/JP3761936B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0956458A (ja) | 1997-03-04 |
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