JPH068814Y2 - 化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は化粧料容器に関するもので、より具体的には容
器本体に凹部を設け、この凹部に化粧料等を充填した中
皿を収納してなる化粧料容器に関するものである。

《従来の技術》 従来、上記のような化粧料容器においては容器本体の凹
部に中皿を固定するには容器本体と凹部内面と中皿外面
との間にペト・ダブルフェース等の接着剤を介在させる
ことにより、中皿を凹部に接着して固定してあり、中皿
を交換する際には、中皿を凹部より剥がして取り出して
いた。

《考案が解決しようとする課題》 しかし、上記のような構成によると、中皿を交換する際
に、接着剤により手を汚したり、あるいは衣服に接着剤
が付いたりする恐れがある。また、接着強度が高すぎる
と、中皿を剥がしにくく、中皿の交換の際には不便な点
が多い。

さらに、この化粧料容器を誤って落した場合、落下の衝
撃によって中皿に充填された化粧料が割れてしまうとい
う欠点がある。

本考案は上記のような問題点に鑑みてなされ、その目的
は衣服や手を汚さずに、かつ簡単に容器本体の凹部より
中皿を取り出すことができ、さらに誤って容器を落した
場合にも中皿に充填された化粧料が割れないような化粧
料容器を提供することにある。

《課題を解決するための手段》 上記の目的を達成するため本考案では、容器本体に凹部
を設け、該凹部に化粧料等を充填した中皿を収納してな
る化粧料容器において、該中皿と該凹部の間に可撓性及
び弾性を有する吸盤を介在させ、該吸盤を該凹部と該中
皿のいずれか一方に固定するとともに相対向する他方に
密着させ、該凹部と該中皿との間には空隙部を設けて該
吸盤を介して該中皿を緩衝保持してなるのである。

《実施例》 以下に本考案に係る好適な実施例について添附図面を参
照にして説明する。

第１図〜第３図は第１実施例に係る化粧料容器を示し、
図中の符号１は容器本体を示し、容器本体１の後端部に
はヒンジを介して蓋体２が一体的に形成され、蓋体２は
容器本体１に対して開閉自在となっている。

蓋体２の前端中央からは爪片３が一体的に垂設されると
ともに爪片３の後面には第１の係合突起４が形成されて
いる。これに対応して容器本体の前端面上方の中央には
第２の係合突起５が形成されており、蓋体２を閉じると
第１の係合突起４と第２の係合突起５が係合して閉止位
置を占めるようになっている。

また、容器本体１には凹部６が設けられていて、ここに
は化粧料を充填した中皿７が収納されるようになってお
り、凹部６は中皿７に対応した形状、即ちこの実施例に
おいては矩形に形成され、また中皿７が凹部６に収納さ
れている時、若干の上下方向への揺動および移動が可能
なように少し余裕をもった大きさとなっている。

この凹部６の底面の中央には浅い凹陥部８が設けられる
とともに、この凹陥部８の中央には、上端が拡大した取
付用突軸９が設けられている。また凹部６の底面の端に
近い側部には上方へごくわずかに突出する突片１０が環
状あるいは相対向するように設けられ、さらに突片１０
と凹陥部８の間であって突片１０に近接した箇所には容
器本体１の下面に貫通し、ヘアーピン等の細い棒状物が
通る程度の大きさを有する貫通孔１１が形成されてい
る。

そして、この凹部６の底面には中央部を中心として、可
撓性および弾性を有する合成樹脂等より形成された吸盤
１２が配設されている。吸盤１２は前記凹陥部８に対応
して形成された略環状の固定部１３とこの固定部１２の
上面より外方へ延出する幅広で肉薄な吸着部１４より成
り、吸着部１４は上方へ若干弯曲して形成されている。
そして、吸盤１２はその固定部１３が凹陥部８に嵌着さ
れるとともに突軸９の周囲に固着され、突軸９の上端に
掛止されて上に引き抜けないように固定され、吸着部１
４はその周囲の凹部６の底面上に位置されている。

この状態より、中皿７を凹部６に収納して下方に押す
と、第２図と第３図に示されるように中皿７によって吸
盤１２の吸着部１４が下方に屈曲変形されるとともに、
この吸着部１４の上面に中皿７の下面が密着されるよう
になる。

この時、中皿７と凹部６の底面との間には空隙部があ
り、中皿７の下面が凹部６に設けられている突片１０の
上端より若干上に位置するように保持され、中皿７に密
着されている吸盤１２の吸着部１４は屈曲変形可能とな
っている。

この状態から中皿７あるいは容器本体１に外部から力を
加えると吸盤１２の吸着部１４が屈曲し、これによって
中皿７が揺動および上下動するようになる。また、吸着
部１４が最大限に屈曲した場合にも中皿７の下面端部が
突片１０によって支えられ、中皿７の下面と凹部６の底
面の間には空隙部および吸盤１２が介在するような構成
となっており、この際にも中皿に外部より加わる力は、
吸盤１２の弾性力により吸収されるようになっている。

なお、凹部６の底面に設けられている突片１０によって
形成される空隙部は、化粧料を使用する際に問題のない
程度のものとなっている。

そして、この容器の中皿７を交換するには貫通孔１１よ
りヘアーピン等の棒状物を差し込んで中皿の下面を押し
上げ、吸盤の吸着部より中皿を外してから凹部より取り
出し、次に新しい中皿を凹部に収納してこれを上方より
押して吸盤に密着させる。

第４図は第２実施例に係る化粧料容器を示し、凹部６ａ
の底面には端部を残して浅い凹陥部８ａが設けられ、こ
の凹陥部８ａには吸盤１２ａが嵌着されている。吸盤１
２ａの上面の端には、前記実施例と同様の突片１０ａが
吸盤１２ａと一体的に形成されており、この突片１０ａ
の近くには前記実施例と同様の貫通孔１１ａが吸盤１２
ａの上面より穿設されている。

また、凹陥部８ａには略等間隔で、３ヶ所に突軸９ａが
設けられ、これに対応して吸盤１２ａの上面より一体的
に固定部１３ａが設けられ、突軸９ａの周囲に固着され
ている。さらに固定部１３ａは突軸９ａに対応する３ヶ
所とこの間に２ヶ所設けられ、合計で５ヶ所に固定部１
３ａが設けられており、この上面にそれぞれ外方へ延出
するとともに若干上方へ変曲する幅広肉薄な吸着部１４
ａが一体的に設けられている。

他は前記第１実施例と同様の構成であって吸盤１２ａの
吸着部１４ａの上面に中皿７の下面が密着されて前記実
施例と同様に中皿７と凹部６ａの底面に空隙部を有する
ように、中皿７が保持され、吸盤１２ａの吸着部１４ａ
が変形することにより中皿７が揺動および上下動するよ
うになっている。

この実施例では吸盤１２ａの吸着部１４ａの面積が前記
実施例と比較して広く、また中皿を平均して保持するよ
うになっているため、中皿が凹部においてより安定して
収納され、また突片が吸盤に一体的に形成されているた
め、中皿の下面端部が突片に当った時も吸盤１２ａの弾
性により中皿に衝撃は伝わらない。

第５図は第３実施例に係る化粧料容器を示し、この実施
例では凹部６ｂの中央は若干下方に陥没形成されてお
り、これに対して中皿７ｂの底壁中央には開口部１６が
設けられるとともに、この開口部１６の周縁を挾持する
ようにして吸盤１２ｂの肉厚固定部１３ｂが取付けられ
ている。の肉厚固定部１３ｂの下面には、肉薄で下方に
弯曲している吸着部１４ｂが一体的に設けられており、
吸着部１４ｂは凹部６ｂの底面中央部に密着され、これ
によって中皿７ｂは凹部６ｂに固定的に収納される。こ
の時、第１実施例と同様に中皿７ｂは凹部６ｂの底面と
の間に空隙部をおいて保持され、この空隙部があること
によって吸盤１２ｂが屈曲変形可能となっており、ま
た、これを介して中皿７ｂも揺動および上下動が可能と
なっている。

この実施例の場合、中皿７ｂの交換の際には第１実施例
と異なり、吸盤１２ｂの吸着部１４ｂの下面を凹部６ｂ
の底面より外して中皿７ｂを吸盤１２ｂとともに取り出
すようになっている。

第６図および第７図は第４実施例に係る化粧料容器を示
している。この実施例では容器本体１ｃと蓋体２ｃと容
器本体１ｃに設けられている凹部６ｃおよびこれに収納
される中皿７ｃは平面円形状となっている。そして凹部
６ｃには環状に溝１７が設けられ、さらにこの溝１７の
中央には環状に突軸９ｃが設けられていて、この溝１７
には環状に吸盤１２ｃが嵌着されるとともに突軸９ｃの
周囲に上方に引き抜けないように固着されている。ま
た、吸盤１２ｃの上端には肉薄で幅広く、若干上方に弯
曲して形成され、ここに環状の吸着部１４ｃが設けられ
ている。

この吸着部１４ｃに中皿７ｃが密着され、第１実施例と
同じように中皿７ｃと凹部６ｃの間が空隙部となるよう
に保持され、また吸盤１２ｃの吸着部１４ｃが屈曲変形
可能となっている。

この実施例においては前記第１実施例と比較して中皿が
環状に吸盤に密着されるため凹部により安定した状態で
保持されるようになる。

《効果》 以上にように本考案に係る化粧料容器によれば、容器本
体に凹部を設け、この凹部に中皿を収納してなる容器に
おいて、中皿と凹部の間に吸盤を介在させ、吸盤を凹部
と中皿のいずれか一方に固定するとともに相対向する他
方に密着させてあるため、中皿を交換する際、手や衣服
を汚さず、かつ簡単に容器本体の凹部より中皿を取り出
すことができ、また凹部と中皿の間に空隙部を設けて吸
盤を屈曲させることにより、中皿を緩衝保持してなるた
め、凹部あるいは中皿に外部より加わった力は吸盤を介
して中皿を揺動させる力となり、落下の衝撃で中皿の化
粧料が割れるようなことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の第１実施例に係る化粧料容器
を示し、第１図は蓋体を開放した状態を示す斜視図、第
２図は蓋体を閉めた状態を示す断面図、第３図は第２図
の要部拡大断面図、第４図および第５図は第２および第
３実施例に係る化粧料容器の断面図、第６図および第７
図は第４実施例に係る化粧料容器を示し、第６図は蓋体
を開放して示す上面図、第７図は蓋体を閉じた状態を示
す断面図である。 １……容器本体、６……凹部 １２……吸盤

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体に凹部を設け、該凹部に化粧料等
   を充填した中皿を収納してなる化粧料容器において、該
   中皿と該凹部の間に可撓性及び弾性を有する吸盤を介在
   させ、該吸盤を該凹部と該中皿のいずれか一方に固定す
   るとともに相対向する他方に密着させ、該凹部と該中皿
   との間には空隙部を設けて該吸盤を介して該中皿を緩衝
   保持してなることを特徴とする化粧料容器。