JP3693717B2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧用コンパクト容器に関し、詳しくは、粉末化粧品を収納するための化粧用コンパクト容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧用コンパクト容器として粉末化粧品を収納するものがあり、これ等は容器本体に設けた収納凹部に粉末化粧品を充填させるドラムを嵌合させている。またこのドラムは上端開口をメッシュで被覆して化粧品の飛散を防止するとともに、使用時にはメッシュから浮き出た化粧品をパフ表面に付着させることにより化粧品粒子の均一化を図り、更に、一度に多量の化粧品がパフに付着することを防止している。
【0003】
初期にはこのメッシュを網皿状に形成してドラム内に充填されたパウダーの上面に載置し、更にこの網皿の上にパフを載置しておき、使用時にパフを取り出してメッシュ上面に押し付けて使用していた。しかし網皿は単にパウダーの上に載置されているだけであるため、容器の運搬中の振動等により網皿自体がパウダー中に埋没してしまい、極めて使い難いという不都合が生じていた。
その様な点を考慮して、実開昭57‐161908 号公報或いは実公昭62‐14973号公報に記載された容器が提案されている。
【0004】
前者は、外周に厚手縁部を有する網目体(メッシュ)を有し、この厚手縁部をドラムと容器本体の間に挟持させた嵌着部と伸縮体を介して結合させ、網目体上方よりパフを押し当てることにより、伸縮体が伸びて網目体が下方へ移動可能に構成したものである。従って、非使用時にはパウダー上方に網目体を位置させておくことができて上記の様な不都合を解消できるものである。
【0005】
また、後者は、容器本体内に環状の枠体を上下動可能に挿入させ、枠体の周縁部に網皿(メッシュ)を保持するとともに、その周縁下部の複数箇所に下方へ略ハ字状に突出する可撓性突片からなる弾性脚を一体に取り付けたものである。
この容器も同様に上記不都合を解消できるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの容器にはいまだ種々改良の余地を残している。
例えば、前者に於いては、網目体を押し下げた際にドラム上面に位置する伸縮部分が局部的に伸び、また、網目体の押圧を解除すると伸縮部が縮んで元の状態に戻すため、また、この伸縮部はドラム上端縁の角で直角に曲げられて擦られながら伸ばされるため伸縮部に掛かる負担が大き過ぎて耐久性に劣るという欠点がある。
【0007】
また、後者は、枠体がハ字状の弾性脚で支持されているため、網皿の押圧により各弾性脚を広げて網皿を押し下げる際に、押圧により掛かる力の方向が各脚の接触面と垂直方向に近い方向へ掛かるため脚が広がり難く、また、ドラムが円形の場合には各脚下端が回動しながら広がらなければならず、いずれにしろ押し下げに円滑さを欠く。
【0008】
また、網皿の押し下げの際に各弾性脚が絡み合う虞がありこの点に於いても作動の円滑さに欠ける。この場合、各一対の開脚角度を小さいものとすれば絡み合いは防止できるが、反面上記した脚の広がりが極めて行い難くなる。
【0009】
本発明は上記した従来容器の欠点を解消したもので、従来容器の如くメッシュがパウダー中に埋没するという不都合がなく、しかも、メッシュの押し下げ,復帰操作を円滑に行え、また、耐久性にも優れた容器を提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、ドラム収納凹部5を設けてなる容器本体2と、該本体後部に後部を回動可能に連結して容器本体上面を開閉可能に設けた蓋体3と、上記収納凹部に収納嵌合させるとともに、粉末化粧品を充填させるドラム4とを備えた化粧用コンパクト容器に於いて、上記ドラム4を、ドラム収納凹部内周に嵌合させた周壁18上端縁より内方へフランジ19を延設した外枠13と、該外枠中央に載置させた底板14と、該底板周縁部に下端縁部を連結するとともに、上方へ広がりつつ起立し、且つ、柔軟で弾力性に富む材質で形成した環状支持壁15と、該支持壁上端縁に固定させて上記外枠のフランジ下面に係止させ且つ押し下げ可能に設けた固定枠16と、該固定枠に外周縁を固定して張設したメッシュ17とから構成し、上記ドラム収納凹部5の底壁上面周縁部に環状突条24を突設するとともに、メッシュの押し下げ時に支持壁15が上記環状突条24を支点として屈曲して底板14を上方移行させる如く構成した。
【0011】
第2の手段として、前記第1の手段に於いて、上記メッシュ17上面に圧接して閉塞する押圧板10を蓋体3裏面より突設した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明の化粧用コンパクト容器1は、容器本体2と、蓋体3と、ドラム4とを備えている。
【0013】
容器本体2は、ドラム4を収納させるためのドラム収納凹部5を有しており、図1及び図2に示す容器では、左方に平面視円形のドラム収納凹部5を、右方に平面視四角形のパフ収納凹部6を各々穿設し、それぞれ、ドラム4を嵌着固定させるとともに、パフ7を取り出し可能に収納させている。また、前面中央部に穿設した凹部内に係合突起8を突設するとともに、該凹部内に押し釦9を揺動可能に枢着させている。
【0014】
また、蓋体3は容器本体後部に後部を回動可能に連結して容器本体上面を開閉可能に設けたもので、その裏面左方にはドラム4の上面を圧接する押圧板10を突設し、裏面右方には鏡11を固定している。また、前部中央下面より垂設させたフック12を閉蓋の際に上記係合突起8と係合可能に構成し、閉塞状態を維持可能に構成するとともに、押し釦9の押し込みによりフック12を押し上げて係合の解除を可能に構成している。
【0015】
ドラム4は、筒状の外枠13と、底板14と、環状支持壁15と、固定枠16と、メッシュ17とから構成している。
外枠13は、ドラム収納凹部5内周に嵌合させた周壁18上端縁より内方へフランジ19を延設した筒状をなす。
【0016】
底板14は、外枠13内中央部に載置させた円板状をなし、その中央部に粉末化粧品充填用の窓孔20を穿設しており、その下面をシール材21等により閉塞させる。尚、シール材21での閉塞は化粧品の充填後行う。
【0017】
環状支持壁15は、エラストマー等の柔軟で弾力性に富んだ材質で形成したもので、底板14外周縁に下端縁を連結するとともに、上方へ広がりつつ起立させている。
【0018】
図示例では、下端の水平連結部15a より、下方へ突出する湾曲面状に上昇し、次いで上方へ突出する湾曲面状に上昇し、上端縁に垂直嵌合部15b を延設している。そして、上記水平連結部15a の内周縁部には、下面を上方へ凹ませた環状凹部を形成し、一方底板14外周縁部には上面を下方へ凹ませた環状凹部を形成し、各環状凹部相互を嵌着させるとともに、その当接面を凹凸嵌合手段を介して固定している。尚、この部分には接着,融着等を併用すると良い。
【0019】
固定枠16は、上記支持壁15上端縁に嵌着固定させた環状をなし、上記外枠13のフランジ19下面に上面を係止させている。
【0020】
図示例では、上記垂直嵌合部15b 両側に嵌着して、突条相互の乗り越え係合手段により固定させた一対の嵌合筒16a ,16b を、頂板16c 下面外側より垂設し、頂板16c の外側上面を上記フランジ19下面に係止させ、また、フランジ19内方へ突出した部分の頂板を肉厚に形成し、その内周縁上面を下方へ凹ませた環状凹部22を形成している。
【0021】
メッシュ17は、例えばナイロン繊維を編む等して形成したもので、固定枠16内周縁部に外周縁部を固定させて張設している。
【0022】
図示例では、メッシュ17周縁部下面に、リング板23を接着等の適宜固着手段により固定し、また、上記嵌状凹部22は、上記リング板及びメッシュの厚さ分だけ下方へ陥没させ、該嵌合状部22内にリング板23を嵌合させるとともに、嵌状凹部22上面とリング板23下面とを凹凸嵌合手段を介して嵌着固定させている。尚、この部分の固定をより強固にするために接着剤等を併用すると良い。また、上記底板14及び固定枠16は支持壁15と比較して剛性を有し、保形性を有する合成樹脂等により形成すると良い。
【0023】
上記ドラム収納凹部5の底壁上面周縁部には環状突条24を突設している。そして、メッシュの押し下げ時に支持壁15がこの環状突条24を支点として屈曲して底板14を上方へ移行させる如く構成している。図示例ではこの環状突条24外方のドラム収納凹部5の底壁を、その内側部分より下方へ凹ませて形成し、上記底板14の上方移行をより行い易く構成している。
【0024】
また、図示例の容器では、蓋体3を閉じた際に、上記押圧板10の下面がメッシュ17上面に圧接してメッシュを閉塞する如く構成している。
【0025】
上記の如く構成した容器1は、例えば、開蓋の後パフ7をメッシュ17上方より押圧すると、収納粉末化粧品の残量に応じて、支持壁15が弾性変形してメッシュ17が下降し、メッシュを介してパフに化粧品が付着する。また、パフの押圧を解除すると、支持壁の弾性復元力でメッシュは元の状態に戻る。
【0026】
尚、収納化粧品の量が減ってくると、支持壁15外面が上記環状突条24を支点として底板14を上方へ移行させる。そして、固定枠16がドラム収納凹部5の底壁上まで下がりきった場合には、図2の2点鎖線が示す如く、底板14はメッシュ17の直下まで上昇する如く構成している。
【0027】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明容器は、ドラムを、ドラム収納凹部内周に嵌合させた周壁上端縁より内方へフランジを延設した外枠と、該外枠中央に載置させた底板と、該底板周縁部に下端縁部を連結するとともに、上方へ広がりつつ起立し、且つ、柔軟で弾力性に富む材質で形成した環状支持壁と、該支持壁上端縁に固定させて上記外枠のフランジ下面に係止させた固定枠と、該固定枠に外周縁を固定して張設したメッシュとから構成したので、上記支持壁の弾性変形によりメッシュ部分を簡単に押し下げることができる。
【0028】
また、従来の局部的に伸縮する部分を有するものと比較して度重なる使用にあっても損傷等の不都合を生じ難く、耐久性に優れたものであるとともに、その押し下げ操作を円滑に行える効果を併せ持つ。
【0029】
更に、上記ドラム収納凹部の底壁上面周縁部に環状突条を突設するとともに、メッシュの押し下げ時に支持壁が上記環状突条を支点として屈曲して底板を上方移行する如く構成したので、収納粉末化粧品の量が減少しても最後まで略残らず使用することが出来る利点がある。
【0030】
また、メッシュ上面に圧接してメッシュを閉塞する押圧板を蓋体裏面より突設したものにあっては、非使用時の持ち運び等の際に容器に振動等が生じても、化粧品がメッシュ上部に漏出する等の不都合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す開蓋状態の斜視図である。
【図2】 同実施例の要部縦断面図である。
【符号の説明】
2…容器本体,3…蓋体,4…ドラム,5…ドラム収納凹部,10…押圧板,
13…外枠,14…底板,15…環状支持壁,16…固定枠,17…メッシュ,
18…周壁,19…フランジ,24…環状突条
Claims (2)
- ドラム収納凹部5を設けてなる容器本体2と、該本体後部に後部を回動可能に連結して容器本体上面を開閉可能に設けた蓋体3と、上記収納凹部に収納嵌合させるとともに、粉末化粧品を充填させるドラム4とを備えた化粧用コンパクト容器に於いて、上記ドラム4を、ドラム収納凹部内周に嵌合させた周壁18上端縁より内方へフランジ19を延設した外枠13と、該外枠中央に載置させた底板14と、該底板周縁部に下端縁部を連結するとともに、上方へ広がりつつ起立し、且つ、柔軟で弾力性に富む材質で形成した環状支持壁15と、該支持壁上端縁に固定させて上記外枠のフランジ下面に係止させ且つ押し下げ可能に設けた固定枠16と、該固定枠に外周縁を固定して張設したメッシュ17とから構成し、上記ドラム収納凹部5の底壁上面周縁部に環状突条24を突設するとともに、メッシュの押し下げ時に支持壁15が上記環状突条24を支点として屈曲して底板14を上方移行させる如く構成してなることを特徴とする化粧用コンパクト容器。
- 上記メッシュ17上面に圧接して閉塞する押圧板10を蓋体3裏面より突設してなる請求項1記載の化粧用コンパクト容器。
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JP23603895A JP3693717B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 化粧用コンパクト容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23603895A JP3693717B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 化粧用コンパクト容器 |
Publications (2)
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JPH0956457A JPH0956457A (ja) | 1997-03-04 |
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Family Applications (1)
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Families Citing this family (2)
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1995
- 1995-08-21 JP JP23603895A patent/JP3693717B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0956457A (ja) | 1997-03-04 |
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