JP3760006B2 - 車両用複層ガラス窓の構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用複層ガラス窓の構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来から、新幹線車両のように高速走行する車両の固定窓には、安全、防音、断熱等の観点から複層ガラス構造が採用されている。又、車両窓の取付には、取付作業を容易にするために、窓ガラスと窓枠とが一体化された窓ユニットを窓開口部に取り付ける方式が採用されている。
【0003】
このような、複層ガラスの窓ユニット100は、図3に示すように外側ガラス101と内側ガラス102とを空気層103を6mmの幅をもたせて窓ガラス取付用枠104,押え枠105に接着材等で一体に固定して窓ユニット100を組み立ている。こうして組み立てられた窓ユニット100は取付金具等でシール材を介して車体窓枠106に固定される(実開平7−6023号公報)。
【0004】
このような窓ユニツトを備えた新幹線は高速走行中に外側の窓ガラスが傷ついたりひび割れを起こしたする。
こうして、ひび割れた窓ガラスを取り替える場合、窓ユニットを一体で入れ替えるため内側ガラスが無駄になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、割れたガラスを取り替える際に内側ガラスを再び使用して、無駄にしないことを目的とする車両用複層ガラス窓の構造を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発明の効果】
本発明は、2枚合わせの外側ガラスと、1枚の内側ガラスと、の間を所定の間隔の空気層を開けて窓枠に組み込んである車両用複層ガラス窓の構造において、前記窓枠は、それぞれガラス側にガラス受け溝が形成された外部ガラス押え枠および内部ガラス押え枠に分かれていて、前記外部ガラス押え枠のガラス受け溝には、前記外側ガラスの縁部が嵌め込まれた状態で固定されており、前記内部ガラス押え枠のガラス受け溝には、前記内側ガラスの縁部が嵌め込まれた状態で固定されており、前記外部ガラス押え枠と前記内部ガラス押え枠とをねじ止めすることによって前記窓枠が分解可能に組み立てられていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、外部ガラス押え枠と内部ガラス押え枠とに分けることができる。外側ガラスにひび割れが生じた際に、工場で外部ガラス押え枠と内部ガラス押え枠を外し、外部ガラス押え枠と内部ガラス押え枠とを分離して、外側ガラスをセットしてある別の外部ガラス押え枠と上記内部ガラス押え枠とを組み立てて再び使用できる。従って、内側ガラスを捨てないでそのまま使用できるから内側ガラスを無駄にしないで済む。
【0008】
又、請求項1記載の車両用複層ガラス窓の構造において、前記外部ガラス押え枠と前記内部ガラス押え枠の一方に張り出し部を設け、他方にその張り出し部を挟む挟持部を設けると共に、前記挟持部と前記張り出し部を貫通するようにねじ止めすることによって前記分解可能に組み立てるとよい。
【0009】
こうすると、一方に張り出し部と他方の挟持部によって入り込み構造をしているから外部の音がガラス間の内部に直接に入り難いから音が小さくなる。又、外部ガラス押え枠と内部ガラス押え枠をネジを外して分割したり、ネジで止めて組み付けができるから便利である。
【0010】
さらに、請求項2記載の車両用複層ガラス窓の構造において、前記張り出し部に設けるネジの貫通孔にネジが窓の内外方向に相対移動できるような遊びを設けるとよい。
【0011】
こうすると、張り出し部に遊びを設けたネジの貫通孔があるため車両がトンネル通過時等に生ずる空気圧差により、外側ガラスが外側に引っ張られても、外側ガラス押え枠が全体的に外側にずれてくれるから、外部ガラスを外側に大きく膨らますことが避けられる。だから、傷の付いた外側ガラスにひび割れを発生させたり、ひび割れしている外側ガラスのひび割れをさらに広げてしまうようなことがない。
また、請求項1から3のいずれかに記載の車両用複層ガラス窓の構造において、前記外部ガラス押え枠と前記内部ガラス押え枠の間に防音緩衝材を詰めるとよい。
こうすると、シール性がよくなり外部ガラス押え枠と内部ガラス押え枠の間の音がさらに小さくなるし、乾燥材を中に入れておけば内外の温度差が生じても窓ガラスが曇ったりしない。
【0012】
そして、請求項1から4のいずれかに記載の車両用複層ガラス窓の構造において、前記外側ガラスと前記内側ガラスとの間の前記空気層の幅を20〜50mmとするとよい。
こうすると、請求項1から4のいずれかの作用効果の他に、空気層の幅を広げたことによりさらに音が小さくなる。尚、空気層の幅を20mm以上にすると音が小さくなるし、50mm以上にすると車体内壁から内側に窓枠が飛び出てしまい邪魔になるからである。
【0013】
【実施例】
本発明の実施例を図に基づいて説明する。
実施例の車両用複層ガラス窓の構造1は図1に示すように、外ガラス2aと内ガラス2bとからなる2枚合わせの外側ガラス2と1枚の内側ガラス3との間に20〜50mm間隔の空気層4を開けてアルミ製の窓枠5に組み込ませている。
【0014】
窓枠5は、図2の分解図に示すように、外部ガラス押え枠10と、内部ガラス押え枠20とに分かれていてネジ40で分割したり組み立てたりできるようにしてある。
外部ガラス押え枠10は、ガラス側に形成された外側ガラス受け溝11と、内部ガラス押え枠20側に形成された張り出し部12とを備える。又、内部ガラス押え枠20は、ガラス側に形成された内側ガラス受け溝21と、外部ガラス押え枠10側に形成された張り出し部12を挟む挟持部22とを備えている。又、張り出し部12と挟持部21を組立てた際に、接続するためのネジ40を挿入するための貫通孔13を張り出し部12に設けると共に、挟持部22にはネジ孔23を設けてある。
【0015】
尚、張り出し部12に設けてある貫通孔13は、外部ガラス押え枠10が矢印方向に僅かに移動できるように、窓の内外方向に向けて伸びる細長い貫通孔とし、ネジ40の径より長くして、図1に示すように、紙面左右方向に遊び13aをもたせて設けてある。
【0016】
図2において、25は、乾燥剤の収納スペースである。
このような車両用複層ガラス窓の構造1は、先ず、外部ガラス押え枠10のガラス受け溝11内にゴム等の緩衝材6を添えて外ガラス2a及び内ガラス2bを合わせて外側ガラス2を固定すると共に、内部ガラス押え枠20のガラス受け溝21内に同様にゴム等の緩衝材6を添えて内側ガラス3を固定する。
【0017】
このように固定された外部ガラス押え枠10と内部ガラス押え枠20は次のようにして組み立てられる。
外部ガラス押え枠10の張り出し部12を内部ガラス押え枠20の挟持部21に差し込み、外部ガラス押え枠10と内部ガラス押え枠20との間に隙間を設け、この隙間にゴム材,合成樹脂,発泡材,合成繊維,ガラス繊維,フェルト等のいずれかの防音緩衝材8を介在させて隙間を埋めてやる。そして、貫通孔13及びネジ孔23にネジ40をねじ込み両者を固定して窓枠5がセットされる。
【0018】
セットされた窓枠5は、図1に示すように、車体外枠35と窓枠5の間にパッキン7a,7b,7cを介して取り付け、最後に押え板9で車体外枠35にネジ止めして固定する。
30は、車体外枠35と外側ガラス2との間をシールするための公知のシール材であり、31も、車体外枠35と窓枠5との間をシールするためのシール材である。
【0019】
32は、乾燥剤の収納スペース25に備えられた、外側ガラス2と内側ガラス3の曇るのを防止するための乾燥剤である。
33は、内装材34と内側ガラス3の間に備えたゴム製の緩衝材である。
このように構成してあるから、ひび割れた窓ガラスを取り替える場合は、工場内で車体外枠35から窓枠5を取り外し、窓枠5のネジ40を外して、外部ガラス押え枠10と内部ガラス押え枠20とを分離する。既に外側ガラス2をセットしてある新しい外部ガラス押え枠10と取り外した内部ガラス押え枠20を組み立てて再び使用する。だから、内側ガラスを捨てないでそのまま使用できるから内側ガラスを無駄にしないで済む。このように、ネジ止めで組み付けができるから簡単でしかも便利である。又、張り出し部12と挟持部22とを入り込み構造にしたり、防音緩衝材8を隙間に詰めたからシール性がよくなり外部の音が空気層4内に入り込み難い。
【0020】
さらに、張り出し部12の貫通孔13に遊び13aを設けると共に、車体枠35と外部ガラス押え枠10との間に緩衝材7aがあるから、トンネル内に車両が差しかかって外側ガラス2が外側に引っ張られても、外部ガラス押え枠10が車体枠35側に全体的にスライドするから外側ガラス2が大きく膨らむことがない。従って、傷の付いた外側ガラス2に曲げ応力がかからないから、ひび割れを発生させたり、ひび割れしている外側ガラス2のひび割れをさらに広げてしまうようなことがない。
【0021】
そして、空気層の幅を20〜50mmとしたから、空気層の幅を広げた分だけ音が小さくなる。尚、空気層の幅を20mm以上にすると6mm程度の隙間しかなかった従来品に比べ十分に音が小さくなる。一方、50mm以上にすると車体内壁から内側に窓枠が飛び出てしまい邪魔になる。これらの、事情から、本実施例では空気層の幅を20〜50mmとしているのである。
【0022】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の趣旨の範囲を越えない限り種々の実施ができる。例えば、外部ガラス押え枠に設けてある張り出し部を内部ガラス押え枠に設けると共に、挟持部を外部ガラス押え枠に実施例と反対になるように設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車両用複層ガラス窓の構造の要部を表す断面図。
【図2】 車両用複層ガラス窓の構造の要部を表す分解断面図。
【図3】 従来例の車両用複層ガラス窓の取付構造を表す断面図。
【符号の説明】
1…車両用複層ガラス窓の構造、2…外側ガラス、3…内側ガラス、4…空気層、5…窓枠、8…防音緩衝材、10…外部ガラス押え枠、12…張り出し部、13…ネジ孔、13a…遊び、20…内部ガラス押え枠、21…挟持部、23…貫通孔、40…ネジ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用複層ガラス窓の構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来から、新幹線車両のように高速走行する車両の固定窓には、安全、防音、断熱等の観点から複層ガラス構造が採用されている。又、車両窓の取付には、取付作業を容易にするために、窓ガラスと窓枠とが一体化された窓ユニットを窓開口部に取り付ける方式が採用されている。
【0003】
このような、複層ガラスの窓ユニット100は、図3に示すように外側ガラス101と内側ガラス102とを空気層103を6mmの幅をもたせて窓ガラス取付用枠104,押え枠105に接着材等で一体に固定して窓ユニット100を組み立ている。こうして組み立てられた窓ユニット100は取付金具等でシール材を介して車体窓枠106に固定される(実開平7−6023号公報)。
【0004】
このような窓ユニツトを備えた新幹線は高速走行中に外側の窓ガラスが傷ついたりひび割れを起こしたする。
こうして、ひび割れた窓ガラスを取り替える場合、窓ユニットを一体で入れ替えるため内側ガラスが無駄になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、割れたガラスを取り替える際に内側ガラスを再び使用して、無駄にしないことを目的とする車両用複層ガラス窓の構造を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発明の効果】
本発明は、2枚合わせの外側ガラスと、1枚の内側ガラスと、の間を所定の間隔の空気層を開けて窓枠に組み込んである車両用複層ガラス窓の構造において、前記窓枠は、それぞれガラス側にガラス受け溝が形成された外部ガラス押え枠および内部ガラス押え枠に分かれていて、前記外部ガラス押え枠のガラス受け溝には、前記外側ガラスの縁部が嵌め込まれた状態で固定されており、前記内部ガラス押え枠のガラス受け溝には、前記内側ガラスの縁部が嵌め込まれた状態で固定されており、前記外部ガラス押え枠と前記内部ガラス押え枠とをねじ止めすることによって前記窓枠が分解可能に組み立てられていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、外部ガラス押え枠と内部ガラス押え枠とに分けることができる。外側ガラスにひび割れが生じた際に、工場で外部ガラス押え枠と内部ガラス押え枠を外し、外部ガラス押え枠と内部ガラス押え枠とを分離して、外側ガラスをセットしてある別の外部ガラス押え枠と上記内部ガラス押え枠とを組み立てて再び使用できる。従って、内側ガラスを捨てないでそのまま使用できるから内側ガラスを無駄にしないで済む。
【0008】
又、請求項1記載の車両用複層ガラス窓の構造において、前記外部ガラス押え枠と前記内部ガラス押え枠の一方に張り出し部を設け、他方にその張り出し部を挟む挟持部を設けると共に、前記挟持部と前記張り出し部を貫通するようにねじ止めすることによって前記分解可能に組み立てるとよい。
【0009】
こうすると、一方に張り出し部と他方の挟持部によって入り込み構造をしているから外部の音がガラス間の内部に直接に入り難いから音が小さくなる。又、外部ガラス押え枠と内部ガラス押え枠をネジを外して分割したり、ネジで止めて組み付けができるから便利である。
【0010】
さらに、請求項2記載の車両用複層ガラス窓の構造において、前記張り出し部に設けるネジの貫通孔にネジが窓の内外方向に相対移動できるような遊びを設けるとよい。
【0011】
こうすると、張り出し部に遊びを設けたネジの貫通孔があるため車両がトンネル通過時等に生ずる空気圧差により、外側ガラスが外側に引っ張られても、外側ガラス押え枠が全体的に外側にずれてくれるから、外部ガラスを外側に大きく膨らますことが避けられる。だから、傷の付いた外側ガラスにひび割れを発生させたり、ひび割れしている外側ガラスのひび割れをさらに広げてしまうようなことがない。
また、請求項1から3のいずれかに記載の車両用複層ガラス窓の構造において、前記外部ガラス押え枠と前記内部ガラス押え枠の間に防音緩衝材を詰めるとよい。
こうすると、シール性がよくなり外部ガラス押え枠と内部ガラス押え枠の間の音がさらに小さくなるし、乾燥材を中に入れておけば内外の温度差が生じても窓ガラスが曇ったりしない。
【0012】
そして、請求項1から4のいずれかに記載の車両用複層ガラス窓の構造において、前記外側ガラスと前記内側ガラスとの間の前記空気層の幅を20〜50mmとするとよい。
こうすると、請求項1から4のいずれかの作用効果の他に、空気層の幅を広げたことによりさらに音が小さくなる。尚、空気層の幅を20mm以上にすると音が小さくなるし、50mm以上にすると車体内壁から内側に窓枠が飛び出てしまい邪魔になるからである。
【0013】
【実施例】
本発明の実施例を図に基づいて説明する。
実施例の車両用複層ガラス窓の構造1は図1に示すように、外ガラス2aと内ガラス2bとからなる2枚合わせの外側ガラス2と1枚の内側ガラス3との間に20〜50mm間隔の空気層4を開けてアルミ製の窓枠5に組み込ませている。
【0014】
窓枠5は、図2の分解図に示すように、外部ガラス押え枠10と、内部ガラス押え枠20とに分かれていてネジ40で分割したり組み立てたりできるようにしてある。
外部ガラス押え枠10は、ガラス側に形成された外側ガラス受け溝11と、内部ガラス押え枠20側に形成された張り出し部12とを備える。又、内部ガラス押え枠20は、ガラス側に形成された内側ガラス受け溝21と、外部ガラス押え枠10側に形成された張り出し部12を挟む挟持部22とを備えている。又、張り出し部12と挟持部21を組立てた際に、接続するためのネジ40を挿入するための貫通孔13を張り出し部12に設けると共に、挟持部22にはネジ孔23を設けてある。
【0015】
尚、張り出し部12に設けてある貫通孔13は、外部ガラス押え枠10が矢印方向に僅かに移動できるように、窓の内外方向に向けて伸びる細長い貫通孔とし、ネジ40の径より長くして、図1に示すように、紙面左右方向に遊び13aをもたせて設けてある。
【0016】
図2において、25は、乾燥剤の収納スペースである。
このような車両用複層ガラス窓の構造1は、先ず、外部ガラス押え枠10のガラス受け溝11内にゴム等の緩衝材6を添えて外ガラス2a及び内ガラス2bを合わせて外側ガラス2を固定すると共に、内部ガラス押え枠20のガラス受け溝21内に同様にゴム等の緩衝材6を添えて内側ガラス3を固定する。
【0017】
このように固定された外部ガラス押え枠10と内部ガラス押え枠20は次のようにして組み立てられる。
外部ガラス押え枠10の張り出し部12を内部ガラス押え枠20の挟持部21に差し込み、外部ガラス押え枠10と内部ガラス押え枠20との間に隙間を設け、この隙間にゴム材,合成樹脂,発泡材,合成繊維,ガラス繊維,フェルト等のいずれかの防音緩衝材8を介在させて隙間を埋めてやる。そして、貫通孔13及びネジ孔23にネジ40をねじ込み両者を固定して窓枠5がセットされる。
【0018】
セットされた窓枠5は、図1に示すように、車体外枠35と窓枠5の間にパッキン7a,7b,7cを介して取り付け、最後に押え板9で車体外枠35にネジ止めして固定する。
30は、車体外枠35と外側ガラス2との間をシールするための公知のシール材であり、31も、車体外枠35と窓枠5との間をシールするためのシール材である。
【0019】
32は、乾燥剤の収納スペース25に備えられた、外側ガラス2と内側ガラス3の曇るのを防止するための乾燥剤である。
33は、内装材34と内側ガラス3の間に備えたゴム製の緩衝材である。
このように構成してあるから、ひび割れた窓ガラスを取り替える場合は、工場内で車体外枠35から窓枠5を取り外し、窓枠5のネジ40を外して、外部ガラス押え枠10と内部ガラス押え枠20とを分離する。既に外側ガラス2をセットしてある新しい外部ガラス押え枠10と取り外した内部ガラス押え枠20を組み立てて再び使用する。だから、内側ガラスを捨てないでそのまま使用できるから内側ガラスを無駄にしないで済む。このように、ネジ止めで組み付けができるから簡単でしかも便利である。又、張り出し部12と挟持部22とを入り込み構造にしたり、防音緩衝材8を隙間に詰めたからシール性がよくなり外部の音が空気層4内に入り込み難い。
【0020】
さらに、張り出し部12の貫通孔13に遊び13aを設けると共に、車体枠35と外部ガラス押え枠10との間に緩衝材7aがあるから、トンネル内に車両が差しかかって外側ガラス2が外側に引っ張られても、外部ガラス押え枠10が車体枠35側に全体的にスライドするから外側ガラス2が大きく膨らむことがない。従って、傷の付いた外側ガラス2に曲げ応力がかからないから、ひび割れを発生させたり、ひび割れしている外側ガラス2のひび割れをさらに広げてしまうようなことがない。
【0021】
そして、空気層の幅を20〜50mmとしたから、空気層の幅を広げた分だけ音が小さくなる。尚、空気層の幅を20mm以上にすると6mm程度の隙間しかなかった従来品に比べ十分に音が小さくなる。一方、50mm以上にすると車体内壁から内側に窓枠が飛び出てしまい邪魔になる。これらの、事情から、本実施例では空気層の幅を20〜50mmとしているのである。
【0022】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の趣旨の範囲を越えない限り種々の実施ができる。例えば、外部ガラス押え枠に設けてある張り出し部を内部ガラス押え枠に設けると共に、挟持部を外部ガラス押え枠に実施例と反対になるように設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車両用複層ガラス窓の構造の要部を表す断面図。
【図2】 車両用複層ガラス窓の構造の要部を表す分解断面図。
【図3】 従来例の車両用複層ガラス窓の取付構造を表す断面図。
【符号の説明】
1…車両用複層ガラス窓の構造、2…外側ガラス、3…内側ガラス、4…空気層、5…窓枠、8…防音緩衝材、10…外部ガラス押え枠、12…張り出し部、13…ネジ孔、13a…遊び、20…内部ガラス押え枠、21…挟持部、23…貫通孔、40…ネジ。
Claims (5)
- 2枚合わせの外側ガラスと、1枚の内側ガラスと、の間を所定の間隔の空気層を開けて窓枠に組み込んである車両用複層ガラス窓の構造において、
前記窓枠は、それぞれガラス側にガラス受け溝が形成された外部ガラス押え枠および内部ガラス押え枠に分かれていて、前記外部ガラス押え枠のガラス受け溝には、前記外側ガラスの縁部が嵌め込まれた状態で固定されており、前記内部ガラス押え枠のガラス受け溝には、前記内側ガラスの縁部が嵌め込まれた状態で固定されており、
前記外部ガラス押え枠と前記内部ガラス押え枠とをねじ止めすることによって前記窓枠が分解可能に組み立てられている
ことを特徴とする車両用複層ガラス窓の構造。 - 請求項1に記載の車両用複層ガラス窓の構造において、
前記外部ガラス押え枠と前記内部ガラス押え枠の一方に張り出し部を設け、他方にその張り出し部を挟む挟持部を設けると共に、
前記挟持部と前記張り出し部を貫通するようにねじ止めすることによって前記分解可能な組み立てをした
ことを特徴とする車両用複層ガラス窓の構造。 - 請求項2に記載の車両用複層ガラス窓の構造において、
前記張り出し部に設けるネジの貫通孔に、ネジが窓の内外方向に相対移動できるような遊びを設けた
ことを特徴とする車両用複層ガラス窓の構造。 - 請求項1から3のいずれかに記載の車両用複層ガラス窓の構造において、
前記外部ガラス押え枠と前記内部ガラス押え枠の間に防音緩衝材を詰めた
ことを特徴とする車両用複層ガラス窓の構造。 - 請求項1から4のいずれかに記載の車両用複層ガラス窓の構造において、
前記外側ガラスと前記内側ガラスとの間の前記空気層の幅を20〜50mmとした
ことを特徴とする車両用複層ガラス窓の構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28987896A JP3760006B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 車両用複層ガラス窓の構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28987896A JP3760006B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 車両用複層ガラス窓の構造 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10129475A JPH10129475A (ja) | 1998-05-19 |
JP3760006B2 true JP3760006B2 (ja) | 2006-03-29 |
Family
ID=17748948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28987896A Expired - Fee Related JP3760006B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 車両用複層ガラス窓の構造 |
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CN106494440A (zh) * | 2016-11-04 | 2017-03-15 | 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 | 列车车窗结构及具有其的列车 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2543156Y2 (ja) * | 1991-03-22 | 1997-08-06 | アルナ工機 株式会社 | 車両用固定窓取付装置 |
JPH0678145U (ja) * | 1993-04-14 | 1994-11-01 | 日本板硝子株式会社 | 窓板及びそれを用いた窓構造 |
JPH06312660A (ja) * | 1993-04-28 | 1994-11-08 | Kinki Sharyo Co Ltd | 車両用の平滑ユニット窓装置 |
JP2546515Y2 (ja) * | 1993-06-29 | 1997-09-03 | 川崎重工業株式会社 | 車両用窓の取付構造 |
JP3240041B2 (ja) * | 1995-12-20 | 2001-12-17 | 株式会社日立製作所 | 鉄道車両の窓構造 |
-
1996
- 1996-10-31 JP JP28987896A patent/JP3760006B2/ja not_active Expired - Fee Related
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