JP4780883B2 - 制振窓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の壁に形成された窓用開口に設置される制振窓に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば木造の建物においては、耐震性を向上させるための制振構造は、建物の壁体の内部にオイルダンパー等の制振装置を設置して建物の変位やエネルギーを吸収するようにしたものが一般的である。
【0003】
しかしながら、従来の制振構造によれば、制振装置を内部に設置するために壁体を特別の構造とする必要を生じたり、制振装置を筋交等と共存させて設置しなければならなくなるため、施工コストが増大すると共に、その取り付けが困難になる。また、壁体に設ける窓等の開口部の大きさや配設位置が制約されることになって、建物の設計の自由度が制限されることになる。
【0004】
一方、建物における耐震性とデザイン性や居住性とを満足させる制振構造として、強化ガラス等の窓用透明面材の力学特性に着目して、外壁面に存在する外装サッシを耐震部材として用いた制振構造が、特開2001−193357に記載されている。特開2001−193357に記載の制振構造によれば、サッシ枠材の内周に沿った溝内に粘性体を収容し、窓用透明面材の外周部をサッシ枠材の溝内の粘性体に、サッシ枠材に対して透明面材が面内方向に相対移動可能となるように取り付けたものであるが、開口部を覆うフィックスタイプの窓としてしか適用することができず、引き違い窓や、その他の開閉可能な窓として適用することが困難だった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、建物に一般に設けられる窓を利用して、建物の設計の自由度を減じることなく、且つ壁体の構造を大きく変化させることなく効果的な制振構造を容易に得ることができると共に、開閉可能な窓としても容易に適用することのできる制振窓を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、建物の壁に形成された窓用開口に設置される、前記窓用開口の周囲に設けられた窓台、まぐさ等の窓用下地構造材に固定される駆体側枠材と、該駆体側枠材との間に粘弾性体を介在させて該駆体側枠材に取り付けられる建具側枠材と、該建具側枠材に固定される窓用サッシとからなる制振窓であって、前記駆体側枠材は、中空箱形断面を有する成形品であって、矩形枠状となるように接合一体化され、前記窓用下地構造材により画定される矩形形状の窓用開口に沿った形状をその外周面が備えていて、前記窓用下地構造材による窓用開口の内周面に沿って固定されており、前記建具側枠材は、中空箱形断面を有する成形品であって、矩形枠状となるように接合一体化され、前記窓用開口と略相似な形状をその外周面が備えることにより、前記窓用開口の内周面との間に隙間を全周に亘って保持できるようになっており、前記建具側枠材は、外壁と平行な背面側の面を、外壁と平行な前記駆体側枠材の表面側の面に粘弾性体を介在させて接合することにより、前記駆体側枠材との相対変位を吸収可能な状態で当該駆体側枠材に取り付けられており、前記駆体側枠材と前記建具側枠材との間に介在する粘弾性体は、帯板状の可撓性部材であって、外壁と平行な面である前記駆体側枠材の表面側の面及び前記建具側枠材の裏面側の面に沿って、これらの全周に亘って矩形環状に取り付けられていることを特徴とする制振窓を提供することにより、上記目的を達成したものである(請求項1記載の発明)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態に係る制振窓10は、一例として外壁仕上材を取り付ける前の状態を示す正面図である図1、及び外壁仕上材を取り付けた後の状態を示す断面図である図2に示すように、建物の外壁11に形成された窓用開口12に設置される制振窓10であって、窓用開口12の周囲を囲んで矩形形状に設置された窓用下地構造材としての、窓用開口12の下辺部に配置された窓台13、窓用開口12の上辺部に配置されたまぐさ14、及び窓用開口12の左右一対の側辺部に各々配置された間柱15に固定される駆体側枠材16と、この駆体側枠材16との間に粘弾性体17を介在させて当該駆体側枠材16に取り付けられる建具側枠材18と、この建具側枠材18に固定される窓用サッシ19とによって構成されている。
【0012】
そして、窓用下地構造材13,14,15を介して制振窓10を窓用開口12に取り付けた後、外壁11の表面には、サイディング材等からなる外壁仕上材20が施工されると共に、窓用開口12の内側には、膳板21や窓用仕上材22等が施工されることになる(図2参照)。
【0013】
本実施形態の制振窓10を構成する駆体側枠材16は、例えば縦60mm程度、横35mm程度の矩形形状の中空箱形断面を有する例えばアルミ製の押し出し成形品であって、溶着接合等によって矩形枠状となるように接合一体化され、窓用下地構造材13,14,15により画定される矩形形状の窓用開口12に沿った形状をその外周面が備えている。駆体側枠材16は、窓台13、まぐさ14、及び間柱15に向けて例えばボルト等を打ち込むことにより、窓用下地構造材13,14,15による窓用開口12の内周面に沿って強固に固定される。
【0014】
本実施形態の制振窓10を構成する建具側枠材18は、例えば縦50mm程度、横65mm程度の矩形形状の内側角部を全体が略L形となるように窪み部23として窪ませた中空箱形断面を有する例えばアルミ製の押し出し成形品であって、溶着接合等によって矩形枠状に接合一体化され、窓用開口12と略相似な形状をその外周面が備えることにより、窓用開口12の内周面との間に10mm程度の隙間を全周に亘って保持できるようになっている。建具側枠材18は、外壁11と平行な背面側の面を、外壁11と平行な駆体側枠材16の表面側の面に粘弾性体17を介在させて接合することにより、駆体側枠材16との相対変位を吸収可能な状態で当該駆体側枠材16に取り付けられている。
【0015】
駆体側枠材16と建具側枠材18との間に介在する粘弾性体17としては、粘弾性体として知られる種々の材料を特に制限なく用いることができるが、具体的には例えば商品名「スコッチダンプ」(住友スリーエム社製)を用いることができる。粘弾性体17は、厚さ2mm程度、幅30mm程度の断面形状を有する帯板状の可撓性部材であって、外壁11と平行な面である駆体側枠材16の表面側の面及び建具側枠材18の裏面側の面に沿って、これらの全周に亘って矩形環状に取り付けられる。粘弾性体17は、例えば接着剤を介して駆体側枠材16及び建具側枠材18に各々強固に接合されていることにより、駆体側枠材16と建具側枠材18との間の相対変位を吸収できるようになっている。
【0016】
建具側枠材18に固定される窓用サッシ19は、一般の住宅用サッシ等として用いられる種々のサッシを特別な構成を加えることなく用いることができる。窓用サッシ19は、建具側枠材18の内側角部の窪み部23を介して位置決めしつつ、建具側枠材18に向けて例えばビス等を打ち込むことにより、建具側枠材18に強固に固定される。また窓用サッシ19の内側には、開閉可能な引き違い窓24が装着されている。
【0017】
そして、本実施形態の制振窓10によれば、窓用開口12を囲む窓用下地構造材13,14,15に固定される駆体側枠材16と、駆体側枠材16に取り付けられる建具側枠材18との間に粘弾性体17が介在しているので、建物が地震力を受けて、窓用下地構造材13,14,15及び駆体側枠材16が例えば平行四辺形状にせん断変形し、矩形形状を保持しようとする建具側枠材18との間で相対変位が生じても、この相対変位は粘弾性体17によって吸収されると共に、地震力によるエネルギーをも吸収され、これらによって制振性能を効果的に発揮することが可能になる。なお、本実施形態によれば、粘弾性体17は外壁11と平行な面に沿って取り付けられているので、特に外壁11の面方向に生じる変形や地震エネルギーに対して効率良く制振性能を発揮することが可能になる。
【0018】
したがって、本実施形態の制振窓10によれば、建物に一般に設けられる大きさの窓を利用して、建物の設計の自由度を減じることなく、且つ外壁11の構造を大きく変化させることなく効果的な制振構造を容易に得ることが可能になると共に、開閉可能な窓としても容易に適用することが可能になる。
【0019】
なお、本発明は上記実施形態 に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明の制振窓は、外壁に限定されることなく、室内の壁に設けることもできる。
【0020】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の制振窓によれば、建物に一般に設けられる大きさの窓を利用して、建物の設計の自由度を減じることなく、且つ壁体の構造を大きく変化させることなく効果的な制振構造を容易に得ることができると共に、開閉可能な窓としても容易に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る制振窓が設置される窓用下地構造材を説明する、外壁に外壁仕上材を取り付ける前の状態を示す略示正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る制振窓を示す、外壁仕上材を取り付けた後の図1のA−Aに沿った断面図である。
【符号の説明】
10 制振窓
11 外壁
12 窓用開口
13 窓台(窓用下地構造材)
14 まぐさ(窓用下地構造材)
15 間柱(窓用下地構造材)
16 駆体側枠材
17 粘弾性体
18 建具側枠材
19 窓用サッシ
Claims (1)
- 建物の壁に形成された窓用開口に設置される、前記窓用開口の周囲に設けられた窓台、まぐさ等の窓用下地構造材に固定される駆体側枠材と、該駆体側枠材との間に粘弾性体を介在させて該駆体側枠材に取り付けられる建具側枠材と、該建具側枠材に固定される窓用サッシとからなる制振窓であって、
前記駆体側枠材は、中空箱形断面を有する成形品であって、矩形枠状となるように接合一体化され、前記窓用下地構造材により画定される矩形形状の窓用開口に沿った形状をその外周面が備えていて、前記窓用下地構造材による窓用開口の内周面に沿って固定されており、
前記建具側枠材は、中空箱形断面を有する成形品であって、矩形枠状となるように接合一体化され、前記窓用開口と略相似な形状をその外周面が備えることにより、前記窓用開口の内周面との間に隙間を全周に亘って保持できるようになっており、
前記建具側枠材は、外壁と平行な背面側の面を、外壁と平行な前記駆体側枠材の表面側の面に粘弾性体を介在させて接合することにより、前記駆体側枠材との相対変位を吸収可能な状態で当該駆体側枠材に取り付けられており、
前記駆体側枠材と前記建具側枠材との間に介在する粘弾性体は、帯板状の可撓性部材であって、外壁と平行な面である前記駆体側枠材の表面側の面及び前記建具側枠材の裏面側の面に沿って、これらの全周に亘って矩形環状に取り付けられていることを特徴とする制振窓。
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