JP3739671B2 - 枠へ嵌め込まれる面板の固定構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般住宅やその他の建物に於いて使用されるドア・窓等の枠に嵌め込まれる面板の固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般住宅やその他の建物に一般的に使用されるドア・窓等の枠に嵌め込まれるガラス板等の面板の固定は、従来次のように行われている。
【0003】
その一つは、図5に示すように、枠10の内周側に形成されたくぼみ15にガラス板等の面板20の端縁部分が嵌め込まれ、その面板20の端縁部分が嵌め込まれたくぼみ15の残り部分を埋めるように面縁30が嵌め込まれ、その面縁30が枠10へ木ネジDで固定されることによって、面板20が枠10と面縁30とによって形成される溝M内に保持、固定されるよう構成されている。
【0004】
そのため、面板20が破損・汚損した場合、それを固定する木ネジD、面縁30の取り外しだけで面板20を容易に交換可能である。しかしながら、図に示すように、面板20と枠10,面縁30との間には隙間が生じ、面板20ががたつくという問題点がある。
【0005】
次は、上記従来例の構成に加えて、図6に示すように、面板20と枠10、面縁30との隙間にコーキングCが施されたものであって、面板20固定の強度が増し、がたつきが解消されるという点では効果はあるが、コーキングCは除去が困難なため、面板20の交換が困難になるだけでなく、コーキングCに伴う種々の問題点、例えばかなりの養生時間が必要あること、その際の有機溶剤の蒸発に伴う作業者の健康障害、それのはみ出し等による外観悪化等がある。
【0006】
3番目は、コーキングに替えて、図7に示すように、前記隙間に、ゴム又はプラスチック製の線状パッキンPが充填されたものであって、上記コーキング使用の問題点は解消されるが、それに伴うパッキンPの面板20の端縁部分への粘着テープ(図示省略)の貼り付け作業が煩瑣であり、面板20の板厚の変化に応じて厚みの異なるパッキンが必要であるという問題点がある。その他、面板20の端縁部分への直接ゴム状緩衝材の塗布によるがたつき防止も考えられるが、それには専用の塗布装置が必要である。
【0007】
4番目は、実開昭56−91886号に記載のものであって、図示は省略するが、ガラスである面板がその端縁に嵌着されたコ字状のグレージングチャンネル(シール部材)と共に凹溝に挿入され、さらに両者の間に水切り用凹条・凸条が設けられている。
しかしながら、これは本発明とは目的も異なり、構造が複雑であって、それだけ高価で脱着も煩瑣であると推察される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的とするところは、上記従来例の欠点を解消した、面板の脱着が容易で、そのがたつきも少ない、枠に嵌め込まれる面板の固定構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達するために、請求項1の発明の枠に嵌め込まれる面板の固定構造は、面板(20)が、その一辺に嵌着された緩衝部材(50)と共に、枠(10)に設けられた凹溝(M)に嵌め込まれ、緩衝部材(50)が凹溝(M)の内面に弾接することによって凹溝(M)と面板(20)との隙間を埋めるように構成されたものであって、
前記緩衝部材(50)は、弾性変形容易な軟質のゴム又はプラスチック製で、かつ断面略C字状のチューブ材であり、しかも前記面板(20)の一辺を受け入れる開口(51)は、刃物で切り裂いて形成されるもので、面板(20)の厚さより幅が狭くかつ面板(20)の一辺の受け入れ時に弾性で拡開し、面板(20)の一辺を受け入れると面板(20)の表裏を挟み包むように構成されているとともに、前記緩衝部材(50)は面板(20)と共に容易に取り外し可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
なお、括弧内の記号は後述する発明の実施の形態及び図面に記載された記号に対応する。
【0011】
本発明によれば、緩衝部材の形状は単純で、弾性変形容易であるため、面板に嵌着容易である。よって、予め緩衝部材を嵌着した後、面板を凹溝に容易に嵌め込むことができる。また、その弾性変形容易な緩衝部材によって面板の表面及び凹溝の内面との隙間が埋められるため面板のがたつきが生じない。
【0012】
しかも、緩衝部材は面板と共に容易に取り外し可能であるため、面板の交換も極めて容易である。さらに面板の一辺を受け入れる開口は、面板の厚さより幅が狭くかつ面板の一辺の受け入れ時に弾性で拡開するように柔軟性を有しているため、緩衝部材を多種類準備する必要はなく、1種類でも可能である。
【0013】
そのうえ、上述のように形状が極めて単純であるので、製作容易でコストが低い。なお、特別に準備する必要がなく、適当なサイズの市販の軟質チューブさえあれば、刃物で縦に切り裂き開口を形成することによって、容易に対応可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態例について、図面を参照して説明すると、図1はドアの枠の溝に嵌め込まれた面板の固定構造の一部を示す断面図、図2は面板に緩衝部材が嵌着された状態の一部を示す斜視図、図3は緩衝部材の別の実施態様を示す斜視図である。
【0015】
本発明の枠に嵌め込まれる面板の固定構造は、緩衝部材50が介在していることを除けば、基本的には、従来例同様であって、先ず枠10の内周側にガラス板等の面板20の端縁部分が嵌め込まれる、くぼみ15が形成されている。そのくぼみ15に前記面板20の端縁部分が嵌め込まれた後のくぼみ15の残り部分には面縁30が嵌め込まれ、さらに、その面縁30が枠10へ木ネジDで固定されることによって、面板20が枠10と面縁30とによって形成される凹溝M内に保持、固定される。
【0016】
面板20と共に凹溝Mに嵌め込まれる緩衝部材50について説明すると、軟質のゴム又はプラスチック製であって、弾性変形容易であり、且つ断面略C字状になるよう、長手方向に延びたチューブ材からなる。面板20の一辺を受け入れる開口51は、面板20の厚さより幅が狭く形成され、その開口51から前記面板20の一部を受け入れると、開口51が弾性により拡開するようになっている。面板20の一辺を受け入れると、緩衝部材50は面板20の表裏を挟み、包む(嵌着される)ように構成されている。
【0017】
なお、緩衝部材の別の実施態様としては、図3に示すように、断面略コ字状で、その開口151の幅が基部のそれよりも小さくなったものでもよい。
【0018】
作用について説明すると、面板20の少なくとも一辺が、その一辺に上述のように予め嵌着された緩衝部材50と共に、枠10のくぼみ15に嵌め込まれ、さらに、くぼみ15の残り部分には面縁30が嵌め込まれたうえ、その面縁30が枠10へ木ネジDで固定されることによって、面板20は緩衝部材50と共に枠10と面縁30とによって形成される凹溝M内に保持、固定される。しかも、緩衝部材50は、面板20と共に枠10の凹溝Mへの嵌め込まれた状態で、容易に弾性変形し、面板20の表面及び凹溝Mの内面と弾接・密着するため、面板20のがたつきが生じない。
【0019】
次に第2の実施の形態例について図4により説明すると、枠110を構成する上框112に面板20を挿通可能なスリットSが設けられると共に、縦框111、下框113にそれぞれ面板20の嵌め込み可能な凹溝Mが設けられており、面板20が、各辺に予め嵌着された緩衝部材50と共に、スリットSを経て、各凹溝Mに嵌め込まれることが可能に構成されている。
【0020】
以上のように構成されることによって、第1の実施の形態例の作用効果に加えて、緩衝部材が弾性変形容易であるため、それが予め嵌着された面板のスリットS及び凹溝Mへの嵌め込みが容易である。それによって面縁や木ネジが不要となり、面縁のずれや木ネジの頭部の露出もなく、外観が著しく向上する。さらに、面板20の交換も、上框112のスリットSを通じて行われるため、木ネジ、面縁の取り外しも不要となり、交換のための作業が著しく簡略化される。
【0021】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、面板の凹溝への嵌め込みが著しく容易であり、しかもがたつきを生じない。また、面板の交換も極めて容易である。さらに、面板の板厚の変化に応じて開口幅は柔軟に伸縮するため、多種類準備する必要はなく、1種類でよい。
そのうえ、上述のように形状が極めて単純であるので、製作容易でコストが低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例の一部を示す断面図である。
【図2】図1の面板に緩衝部材が嵌着された状態の一部を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態例の緩衝部材の別の態様を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態例の一部を示す断面図である。
【図5】従来例の一部を示す断面図である。
【図6】2番目の従来例の一部を示す断面図である。
【図7】3番目の従来例の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
10 枠
15 くぼみ
20 面板
30 面縁
50 緩衝部材
51 開口
110 枠
111 縦框
112 上框
113 下框
150 緩衝部材
151 開口
C コーキング
D 木ネジ
M 凹溝
P パッキン
S スリット

Claims (1)

  1. 面板が、その一辺に嵌着された緩衝部材と共に、枠に設けられた凹溝に嵌め込まれ、前記緩衝部材が凹溝の内面に弾接することによって凹溝と面板との隙間を埋めるように構成された枠に嵌め込まれる面板の固定構造であって、
    前記緩衝部材は、弾性変形容易な軟質のゴム又はプラスチック製で、かつ断面略C字状のチューブ材であり、しかも前記面板の一辺を受け入れる開口は、刃物で切り裂いて形成されるもので、面板の厚さより幅が狭くかつ面板の一辺の受け入れ時に弾性で拡開し、面板の一辺を受け入れると面板の表裏を挟み包むように構成されているとともに、前記緩衝部材は面板と共に容易に取り外し可能に構成されていることを特徴とする枠に嵌め込まれる面板の固定構造。
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