JP3759250B2 - 排紙積載装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷装置や複写装置等の画像形成装置から排出される画像形成済みの排紙等を排出し積載する排紙装置に関し、さらに詳しくは排紙の側縁部を案内し排紙台上に揃えるための排紙積載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
簡便な印刷装置として感熱デジタル製版式の孔版印刷装置が良く知られている。この孔版印刷装置では、熱可塑性樹脂フィルム(厚みは、大体1〜3μm程度のものが一般に用いられる)に、多孔質の支持体として和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したもの等を貼り合わせたラミネート構造のマスタを用いて、このマスタのフィルム面をサーマルヘッドの発熱素子に接触させ、サーマルヘッドを主走査方向に作動させながら選択的にマスタを熱溶融穿孔して画像情報に基づいた穿孔画像を形成し、搬送手段のプラテンローラ等でマスタを副走査方向に移動させながら、その穿孔製版された製版済みのマスタを、多孔性の支持円筒体にその外周を覆う樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンが複数巻装されて構成された回転自在な版胴に自動的に巻装させ、版胴内部のインキ供給手段よりインキを供給し、プレスローラ等の押圧手段で製版済みのマスタを介して給送された印刷用紙を版胴に連続的に押し付けることにより、版胴の開孔部分、さらにマスタの穿孔部分よりインキを滲み出させ、このインキを印刷用紙に転移させて印刷を行うようになっている。上記のようにして印刷されインキが転移した印刷済みの印刷用紙(以下、単に「排紙」と総称するときがある)は、剥離爪等で版胴から剥離されながら吸着排紙搬送装置等によって搬送され、吸着排紙搬送装置上部に設けられた印刷用紙の側縁部を隆起させるジャンプ板等によって、その排紙の略中央部がその両排紙側縁部に対して下方に撓んだU字形の湾曲が形成されて排紙トレイに排出され排紙積載面上に積載される。
【0003】
一般に孔版印刷装置では、印刷用紙の表面に転移したインキがその後速やかに繊維等で構成されている印刷用紙内部に浸透して印刷用紙表面上のインキが減少するように水分を多く含むインキが使用されており、放置しておいても蒸発しないようにするためにオイルの中に水を分散させたW/O形のエマルジョンインキが一般に用いられる。印刷用紙の表面に転移したインキの水分は、印刷用紙の繊維部分に浸透して印刷用紙の繊維を膨潤させるために、インキの転移した印刷用紙の表面側である印刷面側(一般には印刷用紙の上面側)が伸びて、印刷用紙の中央部がその両側縁部に対して印刷面側(印刷面が上面側である場合には上方)が逆U字形に湾曲して変形しようとする。そこで、吸着排紙搬送装置に設けられた上記ジャンプ板で、排紙の印刷面側の逆U字形の湾曲を打ち消して強制的にU字形の湾曲を形成して、みかけの腰を強化するためにそのU字形の湾曲形状を保った状態のまま排紙トレイに排出するようにしている。
【0004】
ところが、図13に示すように、例えば印刷面側を上面側とした印刷済みの印刷用紙25a、すなわち排紙25aが、排紙積載面21b上に落下する間に、上述したインキ中の水分による印刷用紙の繊維の膨潤によって、印刷面側の上面側に形成されたU字形の湾曲形状からこれと反対のかまぼこ形の逆U字形の湾曲形状に変形してしまうため、排紙25aの下面の空気の逃げが不安定になり、排紙積載面21bに接地するまでに排紙幅方向Yの左右に暴れて排紙揃えが悪化してしまうという不具合があった。そのため、印刷終了後に仕分け・区分けをする場合や後処理装置(例えばコレータとかソータ等)を使用する場合等においては、排紙25aをきれいに揃え直す作業が必要となり非常に面倒なものとなっていた。また、排紙25aが落下時に暴れてしまうと、排紙積載面21b上に前に積載されている排紙25aと次に積載される排紙25aとの間で擦れが発生し、前の印刷画像のインキが次の排紙25aの下面に転移してしまう裏移りとか、印刷画像面を擦って汚してしまう等の不具合も発生してしまう。特にベタ画像の多い印刷を行ったとき等には転移するインキが多くなり、上記した不具合が発生しやすかった。
【0005】
そこで、上記不具合の発生を防ぐために、例えば特開平6−329327号公報に開示されているように、略「へ」字形の可動部材をサイドフェンスの内側に突出するように設けて、排紙の両排紙側縁部を可動部材のその突出部に当接させることにより、排紙の落下時における上記両排紙側縁部の接地を中央部分よりも遅らせるように作用させることによって、排紙をU字形に湾曲した状態で落下させるようにして積載時における排紙の整合を向上した技術が提案されている。
【0006】
また、上記不具合の発生を防ぐために、特開平7−137918号公報記載の技術も提案されている。この技術は、球形や円筒形の誘導部材をアームを介してサイドフェンスの上部から揺動可能に吊り下げ支持し、球形や円筒形の誘導部材の一部をサイドフェンスの内側に突出するように設けて、排紙の両排紙側縁部を可動部材のその突出部に当接させることにより、排紙をU字形に湾曲した状態で落下させることで積載時における排紙の整合を向上したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の技術においては、排紙トレイから排紙を取り出すときに、排紙の両排紙側縁部が可動部材の突出部に干渉して邪魔になるために、可動部材の突出部をサイドフェンス内側から外側へ退避させる操作が必要であったり、可動部材が邪魔しないようにサイドフェンスを外側に開くようにして排紙を取り出す操作が必要であったりするというように、排紙取り出し時における操作上の面倒がある。また、これらの操作上の面倒を解消するためにサイドフェンス内側から外側へ退避させるガイドレールをサイドフェンスに形成したものにあっては、構造が複雑になるという問題点がある。
【0008】
後者の技術においては、排紙の両排紙側縁部と誘導部材との当接後から元の突出部を形成する位置である突出位置に復帰するまでの揺動復帰動作にかなりの時間を要することにより、前の排紙の降下が遅れて次に排出される排紙と衝突したり、あるいは突出位置への復帰が遅れてU字形の湾曲形成が不安定になったりする問題点がある。また、同公報の図7に記載された技術にあっては、誘導部材46が側板45の固定された位置において窪部47により回転自在に嵌合・支持されている構造のため、窪部47に対する誘導部材46の回転時の接触負荷の調整が難しいものとなったり、その信頼性の確保に問題がある。
【0009】
したがって、本発明の目的はかかる問題点を解決するために、排紙揃えがよく、排紙取り出し時における操作上の面倒がないとともに、前の排紙の降下が遅れて次に排出される排紙と衝突したり、あるいは突出位置や退避位置への復帰が遅れてU字形の湾曲形成が不安定になったりすることのない安価な排紙積載装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、排紙を積載する排紙積載面を備えた排紙台と、この排紙台上に起立可能に設けられ、上記排紙の排紙側縁部を案内し排紙方向と直交する排紙幅方向の排紙揃えを行うための少なくとも一つのサイドフェンスとを具備する排紙積載装置において、上記排紙側縁部が接触する上記サイドフェンスの内面壁から上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突出位置から外側に向けて退避した退避位置との間で移動自在であり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な略円周面状の摺接面を備えた少なくとも一つの摺接可動部材と、上記突出位置と上記退避位置との間に上記摺接可動部材を移動自在に案内する案内手段と、上記摺接可動部材をして上記突出位置を占める向きに付勢する付勢手段とを有し、上記摺接可動部材の少なくとも一部を磁性体で形成するとともに、上記摺接可動部材の上記磁性体部分に対して吸着する磁石を上記案内手段の上部に設け、上記摺接可動部材は、上記摺接面が落下してくる上記排紙側縁部に摺接した直後に上記退避位置を占め、上記摺接面が上記排紙側縁部との摺接状態から開放された直後に上記突出位置を占め、かつ、排紙台に積載された上記排紙を上方向に取り出すときに上記摺接面が上記退避位置を占めるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、排紙を積載する排紙積載面を備えた排紙台と、この排紙台上に起立可能に設けられ、上記排紙の排紙側縁部を案内し排紙方向と直交する排紙幅方向の排紙揃えを行うための少なくとも一つのサイドフェンスとを具備する排紙積載装置において、上記排紙側縁部が接触する上記サイドフェンスの内面壁から上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突出位置から外側に向けて退避した退避位置との間で移動自在であり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な略円周面状の摺接面を備えた回動可能な少なくとも一つの摺接可動部材と、上記突出位置と上記退避位置との間に上記摺接可動部材を移動自在に案内する案内手段とを有し、上記摺接可動部材の少なくとも一部が着磁されており、上記摺接可動部材の着磁部分に対して吸着する第1の磁石を上記案内手段の上部に設けるとともに、上記摺接可動部材の着磁部分に対して反発する第2の磁石を上記案内手段における上記退避位置近傍に設け、上記摺接可動部材は、上記摺接面が落下してくる上記排紙側縁部に摺接した直後に上記退避位置を占め、上記摺接面が上記排紙側縁部との摺接状態から開放された直後に上記突出位置を占め、かつ、排紙台に積載された上記排紙を上方向に取り出すときに上記摺接面が上記退避位置を占めるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の排紙積載装置において、上記サイドフェンスは、上記内面壁が互いに平行となるべく対をなして上記排紙台上に設けられていて、上記摺接可動部材は、上記各サイドフェンスに対をなして複数設けられていることを特徴とする。
【0014】
ここで、「略円周面状」の摺接面とは、一定幅の帯状をなす円周面を指す他、円周面の一部が凹部状に凹んだ摺接面をも含む。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、排紙積載装置に係る参考例、参考変形例および本発明の排紙積載装置に係る実施例を含む発明の実施の形態について詳述する。なお、各図において、図面の簡明化を図るため各構成部品を適宜省略する。また、図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。構成部品の形状およびその配置位置を説明する際において、排紙方向の下流側を「前」とその上流側を「後」というときがあり、また排紙方向から見て排紙幅方向の紙面の手前側を「左」と、紙面の奥側を「右」というときがある。以下説明する参考例、参考変形例および各発明の実施の形態等に亘り、同一の形状および機能を有する構成部品等については同一の符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。
【0016】
(参考例1)
図1ないし4を参照して、排紙積載装置に係る第1の参考例(以下、単に「参考例1」という)を説明する。
図1は、参考例1を適用した印刷装置の全体構成を模式的に示す。この印刷装置は、穿孔製版されたマスタを用いて印刷を行う孔版印刷装置であり、まず、この孔版印刷装置の全体構成について簡単に説明する。
【0017】
図1において、左上部には孔版印刷装置を構成する周知の製版部が配設されている。上記製版部は、ホルダ手段(図示せず)、プラテンローラ11、サーマルヘッド10、搬送ローラ対12、カッタ13およびマスタガイド板14から主に構成されていて、マスタ搬送方向の上流側から下流側に亘りこの順に上記各構成部品が配置されている。
【0018】
マスタ9は、ロール芯9bの周りにロール状に巻き付けられてマスタロール9aが形成されている。マスタロール9aは、ロール芯9bがホルダ手段(図示せず)により回転可能に支持されていることにより、回転自在となっている。マスタ9は、図示しない製版部側板に回転自在に支持されたプラテンローラ11に、多数の発熱素子を有するサーマルヘッド10によって押圧される。プラテンローラ11に連結されたステッピングモータ(図示せず)の回転駆動により、プラテンローラ11が時計回りに回転されることで、マスタ9がマスタロール9aからマスタ搬送方向へ繰り出されるようになっている。サーマルヘッド10は、バネ部材(図示せず)によりマスタ9を介してプラテンローラ11に付勢されている。搬送ローラ対12は、互いに押圧した状態で上記製版部側板に回転自在に支持されている。搬送ローラ対12は、プラテンローラ11の搬送速度よりもわずかに速い周速度で回転するように設定されていて、マスタ9の搬送時においてマスタ9との間で滑りながらマスタ9に適度な張力が付与されるようになっている。カッタ13は、製版された製版済みのマスタ9を設定された長さに切断するギロチンタイプの上下刃を有するものが用いられている。なお、上記のように上下刃を有するカッタ13に限らず、回転刃移動タイプ等のカッタであっても勿論よい。カッタ13におけるマスタ搬送下流側には、上記製版部側板間に固設されていて、マスタ9の先端を案内するマスタガイド板14が設けられている。
【0019】
上記製版部の右下方には、周知の印刷部が配設されている。上記印刷部は、版胴1、インキ供給手段、押圧手段としてのプレスローラ15から主に構成される。上記インキ供給手段は、インキパイプ5、インキローラ2およびドクタローラ3から主に構成される。
【0020】
版胴1は、多孔性支持円筒体とその外周を覆う樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーン(図示せず)とが複数層巻装されて構成されており、このようにして構成された版胴1の外周面にはマスタ9が巻装される。版胴1の両端部には、一対のフランジ(図示せず)が固設されている。版胴1は、上記フランジ対が、この孔版印刷装置の筐体側板(図示せず)に着脱自在に支持されたインキパイプ5を支軸として回転自在に支持されており、図示しない駆動モータによって駆動力を伝達されて時計回りおよび反時計回りの両方向に回転される。上記インキ供給手段は、版胴の内部に配設されている。インキパイプ5には図示しない側板対が固設されていて、インキローラ2は、上記側板対に回転自在に支持されたインキローラ軸2aが、ギヤあるいはベルト等の駆動伝達手段により版胴1と同期して同方向に回転される。ドクタローラ3は、インキローラ2の外周面とわずかに隙間を設けて配設され、インキローラ2とドクタローラ3との間の楔状空間に形成されるインキ溜り4のインキをインキローラ2の外表面に供給する。インキ溜り4のインキは、インキ供給装置(図示せず)によって版胴1の外部に配置されたインキパック等からインキポンプ等(図示せず)を介して吸引され、インキパイプ5に形成された供給孔5aよりインキ溜り4に供給されて混練される。
【0021】
版胴1の非開孔部表面には、版胴1の一つの母線に沿って、磁性体でできたステージ6が設けられている。版胴1上にはステージ6と平行にクランパ軸7aが回動可能に支持されており、このクランパ軸7aにはステージ6と平行に開閉可能なクランパ7が一体的に設けられている。クランパ7には、ゴム磁石板が固定されている。クランパ7は、版胴1が所定位置に停止されたときに、上記筐体側板の所定位置近傍に設けられた開閉装置(図示せず)の駆動力がクランパ軸7aに伝達されることにより開閉される。版胴1は、上記インキ供給手段とともにドラムユニットを構成していて、上記筐体側板に支持されているインキパイプ5を介してインキパイプ5の軸線方向に上記ドラムユニットごと着脱自在となっている。
【0022】
プレスローラ15は、版胴1の下方に版胴1の外周面に対して接離自在に設けられている。プレスローラ15は、図示しないカム等により版胴1の外周面に対して接離可能に昇降自在となっており、付勢スプリング等(図示せず)により版胴1に向けて付勢されていて、印刷用紙25の通紙時以外は係止手段(図示せず)によって版胴1から離間した位置に保持されている。
【0023】
版胴1およびプレスローラ15の右側には、周知の給紙部が配設されている。この給紙部は、給紙トレイ(図示せず)、分離給紙装置(図示せず)およびレジストローラ対16から主に構成される。
【0024】
上記給紙トレイは印刷用紙25を積載するものであり、上記分離給紙装置は、上記給紙トレイの上方に配設されており、上記給紙トレイ上の印刷用紙25を1枚ずつ分離して用紙搬送方向の下流側へ給送する周知の給紙ローラおよび分離ユニット(共に図示せず)からなる。レジストローラ対16は、上記分離給紙装置から給送されてくる印刷用紙25をプレスローラ15と版胴1との間にタイミングをとって挿入する周知の機能を有し、互いに当接した状態で回転自在に上記筐体側板に支持されている。
【0025】
版胴1を挟んで上記製版部に対向する図において右斜め上方には、版胴1の外周面に巻装された使用済みのマスタ9を剥離して搬送し、その使用済みのマスタ9を図示しない排版ボックスに廃棄・排版するための排版装置等を具備する周知の排版部(共に図示せず)が配設されるようになっている。
【0026】
版胴1およびプレスローラ15を挟んで上記給紙部に対向する図において左側には、特徴のある排紙部が配設されている。この排紙部は、ジャンプ板20等を備えた周知の吸着排紙搬送装置と、周知の剥離爪8と、排紙トレイ21および一対のサイドフェンス左・右としてのサイドプレート左・右22a,22b等を具備する排紙積載装置28とから主に構成されている。
【0027】
上記吸着排紙搬送装置は、上記筐体側板に回転自在に支持された排紙ローラ後17および排紙ローラ前18と、排紙ローラ後17および排紙ローラ前18に張設された排紙ベルト19と、排紙ベルト19の下方に配置された吸引ファン(図示せず)とからなる。排紙ベルト19は、図示しない駆動手段により排紙ローラ前18が回転されることにより、版胴1の周速度よりも若干速い周速度で排紙方向Xに駆動される。上記吸引ファンは、剥離爪8により剥離され排紙ベルト19上に排出された排紙25aを排紙ベルト19上に吸着する。ジャンプ板20は、略山形状に形成されており、排紙ベルト19上方近傍の排紙ローラ前18側にその頂上部を臨ませて排紙方向Xの左右に一対設けられている。ジャンプ板対20は、排紙25aの両排紙側縁部を隆起させて、排紙25aの中央部がその両排紙側縁部に対して下方にU字形に撓んで湾曲するように腰付けする周知の機能を有する。図1において、符号Xaで示す矢印仮想線は、排紙25aの中央部における排紙飛翔ラインを示す。この排紙飛翔ラインXaは、ジャンプ板対20によってU字形に湾曲形成された排紙25aが、ジャンプ板対20の上面から排紙トレイ21上の一対のサイドプレート左22aおよびサイドプレート右22b上端近傍に排出されるに至る排紙通路を表している。
【0028】
剥離爪8は、上記吸着排紙搬送装置の上方であって版胴1の外周面に近接自在に配設されている。剥離爪8は、上記筐体側板に回動自在に支持された剥離爪軸8aに一体的に固設されていて、版胴1の外周面に選択的に接近して印刷済みの印刷用紙25aを版胴1の外周面より剥離する機能を有する。図において一番左側には、排出された排紙25aを積載する排紙積載面21bを備えた排紙台としての排紙トレイ21が上記筐体側板に保持されている。
【0029】
図3にのみ示すように、排紙トレイ21における排紙幅方向Yの左右両側には、断面矩形状に切り欠かれたトレイ窓21aがそれぞれ形成されていて、これらトレイ窓21aは排紙幅方向Yの中央近傍部に至るまで延在して形成されている。左右両側のトレイ窓21aの両内側下縁部には、図1ないし図3に示すように、ステーを兼ねた支持板24が排紙幅方向Yに延在してそれぞれ設けられている。各支持板24は、排紙幅方向Yと直交する面から見て下向きに開口した略チャンネル状をなしていて、各支持板24の各上面が排紙トレイ21の排紙積載面21bと同一面に形成されている。各支持板24は、排紙幅方向Yの中央近傍部における排紙トレイ21に延在し連結・固定されている。
【0030】
左右両側の各支持板24の上面には、その基部22eが略L形をなす一対のサイドプレート左22aおよびサイドプレート右22bが排紙積載面21bに対して起倒可能に載置されている。これらサイドプレート左22aおよびサイドプレート右22bの各内面壁22gは、互いに平行となるべく対をなして排紙トレイ21上に起立可能に設けられていて、排紙25aの両排紙側縁部25b(図5参照)が接触可能となっている。
【0031】
以下、サイドプレート左22a側廻りおよびサイドプレート右22b側廻りの構造は、左右対称に同様に構成されているので、図1ないし図5を参照して、その片側であるサイドプレート左22a側廻りについてのみ述べる。サイドプレート左22aの基部22eは、その外側が略L形に厚く形成されている。サイドプレート左22aの基部22eの前後両端部は、プレート支点軸22cおよび加圧板26を配置させるための切欠き22hが形成されている。サイドプレート左22aの基部22eには、プレート支点軸22cを緩く挿通する貫通孔22fが形成されていて、サイドプレート左22aは、プレート支点軸22cの周りに排紙積載面21b側、すなわちサイドプレート左22aの内側に起倒自在となっている。サイドプレート左22aの基部22eに近接した、プレート支点軸22cの排紙方向Xにおける前後両端には、上向きに開口した略チャンネル状をなす加圧板26が配設されている。加圧板26の各フランジ面は、「コ」の字形に切り欠かれており、このように「コ」の字形に切り欠かれた加圧板26の各フランジ面が、支持板24の各フランジ面を挟む形で係合している。上下方向Zにおける支持板24と加圧板26との間には、その図示を省略した圧縮バネが設けられており、サイドプレート左22aを支持板24に押圧するようになっている。
【0032】
上記した構造のとおり、各サイドプレート左・右22a,22bは、トレイ窓21aに沿って各加圧板26と一体的に支持板24上を摺動してそれぞれ移動自在になっており、印刷用紙25の用紙幅でもある排紙幅に応じて移動されるようになっているとともに、各サイドプレート左・右22a,22bは、各プレート支点軸22cを中心として、排紙25aが積載される排紙積載面21b側でもある内側に起倒可能となっていて、かつ、その逆の外側にも所定角度回動可能になっている。それ故に、排紙トレイ21の孔版印刷装置の本体側への収納時には、各サイドプレート左・右22a,22bを排紙トレイ21の内側にそれぞれ折り畳んで排紙トレイ21ごと収納されるような周知の構成となっている。
【0033】
排紙方向Xの最下流側における排紙トレイ21上には、図1にのみ示すように、排紙25aの先端を受け止めて排紙25aの先端の位置決めを行うための、排紙方向Xの前後に移動自在な周知のエンドプレート23が起立して設けられている。排紙トレイ21の排紙積載面21bは、上記した一対のサイドプレート左・右22a,22bとエンドプレート23とで矩形状に区切られた範囲となっている。
【0034】
サイドプレート左22aの中央部よりも後側寄りの部位には、ガイド部31がそれぞれ一体的に形成されている。サイドプレート左22aおよびガイド部31は、例えば軽量素材のABS樹脂で一体成形されている。なお、サイドプレート左22aおよびガイド部31は、上記の合成樹脂に限らず、アクリル樹脂、ポリアセタール(POM)等の合成樹脂、あるいはアルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属で一体的にあるいは別体的に形成されたものであってもよい。ガイド部31は、サイドプレート左22aの外面壁側に突出するとともに、排紙積載面21bに対して略垂直に縦長に成形されている。ガイド部31には、サイドプレート左22aの内面壁22gに開口したガイド溝31aが上下方向Zに亘り4箇所成形されている。各ガイド溝31aは、各ガイド部31における前後の両側壁31eおよび外壁に囲まれて成形されている。各ガイド溝31aは、サイドプレート左22aの外面壁から内面壁22gに向けて下方に傾斜した所定の勾配を持ってそれぞれ形成されている。各ガイド溝31aの開口下部には、図4に詳しく示されているように、上方に盛り上がった係止突起31bがそれぞれ形成されている。ガイド溝31aは、後述するように、突出位置と退避位置との間に回転コロ30を移動自在に案内する案内手段としての機能を有する。
【0035】
各ガイド溝31a内には、排紙25aの排紙側縁部25bに摺接可能な円周面状の摺接面30aを備えた摺接可動部材としての回転コロ30がそれぞれ嵌入されている。回転コロ30は、ポリアセタール(POM)からなる合成樹脂で薄形円板状に成形されていて、軽量化が図られている。なお、回転コロ30は、上記の合成樹脂に限らず、軽量素材のABS樹脂、アクリル樹脂もしくはポリアセタール(POM)等の合成樹脂とか、あるいはアルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属で成形されたものであってもよい。
【0036】
各回転コロ30は、各ガイド溝31aの下面上に転動可能に配設されていて、排紙側縁部25bが接触するサイドプレート左22aの内面壁22gから排紙積載面21b側に突出した突出位置(図2および図4に示す位置)とこの突出位置から外側に向けて退避した退避位置(図5に示されているガイド部31の一番上に示されている回転コロ30の位置)との間で移動自在に配設されている。すなわち、各回転コロ30は、非印刷時等において排紙揃えが行なわれないときにはその自重により各ガイド溝31aの係止突起31bの部位で係止保持されるようになっている。一方、印刷時等において排紙揃えが行われるときには、各サイドプレート左22aおよびサイドプレート右22bの内面壁22gに沿って飛翔降下してくる排紙25aの自重によって排紙25aの排紙側縁部25bが回転コロ30の摺接面30aに摺接することにより、回転コロ30は、突出位置からガイド溝31aの勾配に抗しながら転動しつつ退避位置へと移動されることとなる。
【0037】
回転コロ30とガイド溝31aとの両部材の接触部分、より詳しく言えば回転コロ30の摺接面30aとガイド溝31aの下面とガイド溝31aの開口近傍の上面とには、低摩擦部材としてのテフロン(登録商標:ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂を含む。以下、同様。)膜層が形成されている。これにより、回転コロ30とガイド溝31aとの接触部分の摩擦抵抗が低減されて回転コロ30移動時の接触負荷が低減されることによって、突出位置から退避位置へのあるいは退避位置から突出位置への移動復帰動作が素早く行われるようになるとともに、回転コロ30とガイド溝31aとの接触部分の摩耗によって上記移動復帰動作が不安定になってしまうことも低減される。
【0038】
ガイド溝31aの上記所定の勾配は、突出位置から退避位置への回転コロ30の移動が遅れてしまい、前の排紙25aの抵抗となって排紙25aの降下が遅れ、次に排出される排紙25aの先端と衝突したり、退避位置から突出位置に復帰する回転コロ30の移動が遅れてしまってU字形の湾曲形成が不安定になったりしないような回転コロ30の適度な移動力となるように設定されている。
【0039】
上記の構造のとおり、サイドプレート左22aおよびサイドプレート右22bは、各内面壁22gが互いに平行となるべく対をなして排紙トレイ21上に起立可能に設けられており、左右の各ガイド部31において各ガイド溝31aに嵌入された各回転コロ30は、左右対称位置であって上下方向Zに対をなして複数(この参考例1では4個ずつ)設けられている。それ故に、排紙25aは、その両排紙側縁部25bが左右両側で対をなす回転コロ30の各摺接面30aに摺接しながら降下するときに、下方に隣る回転コロ30の摺接面30aに順次連続的に摺接しつつU字形の湾曲形状を保ったまま排紙トレイ21の排紙積載面21b上に整然と積載されて排紙25aの両排紙側縁部25bの排紙揃えがなされる。
【0040】
したがって、上記の各構成により、回転コロ30は、一つの回転コロ30に注目して見た場合、その摺接面30aが落下してくる排紙25aの排紙側縁部25bに摺接した直後に上記退避位置を占め、回転コロ30の摺接面30aが排紙側縁部25bとの摺接状態から開放された直後に突出位置を占め、かつ、排紙トレイ21に積載された排紙25aを上向きに取り出すときに、回転コロ30の摺接面30aが退避位置を占めるように構成されている。
【0041】
次に、動作を説明する。
まず、上記給紙トレイに積載された印刷用紙25の載置位置に合わせて、排紙トレイ21上の各サイドプレート左・右22a,22bおよびエンドプレート23を移動して所定の位置にそれぞれ設定する。このとき、各サイドプレート左・右22a,22bの排紙幅方向Yにおける設定幅は、印刷用紙25の用紙幅に合わせて位置決めされる。こうして、各サイドプレート左・右22a,22bおよびエンドプレート23の位置決めが行われた後に、図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、スタートボタン(図示せず)を押下することにより、スタート信号が送信される。このスタート信号が送信されると、上記駆動モータが回転駆動されることで版胴1が反時計回りに回転され、上記排版部における上記排版装置の駆動によって使用済みのマスタ9が版胴1の外周面から剥離されて上記排版ボックスに廃棄・排版される。
【0042】
使用済みのマスタ9が版胴1の外周面から剥離されて廃棄されると、版胴1は、クランパ7が図において略真上位置になる位置まで回転されて停止する。版胴1が停止すると、上記開閉装置によってクランパ軸7aが回転されることで、クランパ7が開放され給版待機状態となる。上記原稿が上記原稿読取部に搬送され原稿の画像情報が、原稿読取部のCCD(電荷結合素子等からなる画像センサ)で電気信号に変換され、A/D(アナログ/デジタル)変換器および製版制御装置(共に図示せず)等を経由してデジタル画像信号に処理される。上記原稿のデジタル画像信号が、サーマルヘッド10の発熱素子にパルス状に通電され、上記画像情報に応じてサーマルヘッド10が主走査方向に作動されることにより、マスタ9に対して加熱穿孔製版が開始される。これと同時に、上記ステッピングモータが回転駆動することにより、プラテンローラ11および搬送ローラ対12が回転されて、マスタ9が副走査方向に搬送されながらマスタ9の感熱合成樹脂フィルム部分が加熱穿孔されつつ製版が行われる。こうして製版された製版済みのマスタ9の先端が、マスタガイド板14により案内されながらさらに搬送され、ステージ6と拡開したクランパ7との間に案内され、上記ステッピングモータのステップ数によりマスタ9の先端がクランパ7に届いたと判断されると、クランパ軸7aが回転されてクランパ7が閉じられ、マスタ9の先端がクランパ7とステージ6との間に挾持される。これと略同時に、版胴1がマスタ搬送速度と略同じ周速度で図中矢印で示す時計回りに回転されつつ、製版済みのマスタ9が版胴1の外周面に巻き付けられていく。
【0043】
そして、上記ステッピングモータのステップ数により製版が完了したと判断されると、カッタ13が作動して製版済みのマスタ9の後端部が切断されるとともに、プラテンローラ11および搬送ローラ対12の回転が停止され、切断された製版済みのマスタ9の後端が版胴1の回転によって引き出されて版胴1の外周面への巻装が完了する。
【0044】
版胴1の外周面への製版済みのマスタ9の巻装が完了すると同時に、駆動モータが回転駆動されることにより版胴1が時計回りに回転され、上記給紙部の上記分離給紙装置により上記給紙トレイ上に積載された最上位の印刷用紙25が1枚分離・給送され、レジストローラ対16でタイミングをとられて、版胴1とプレスローラ15との間に向けて搬送される。そして、レジストローラ対16とプレスローラ15との間の用紙搬送路上に配置された図示しない用紙検出センサによって印刷用紙25の給送が検知されることにより、上記係止手段によるプレスローラ15の保持状態が解除されて上記付勢スプリングの付勢力によって、プレスローラ15が版胴1の外周面に向けて上昇し、版胴1とプレスローラ15との間に挿入された印刷用紙25を版胴1に連続的に押圧する。そして、印刷用紙25がプレスローラ15で製版済みのマスタ9を介して版胴1に押圧されることにより、版胴1の表面の開孔部分から製版済みのマスタ9の穿孔部分を通過したインキが印刷用紙25の表面に転移されて印刷が行われる。なお、このとき、インキローラ2も版胴1の回転方向と同一方向に回転し、インキを版胴1の内周面に供給する。
【0045】
印刷された印刷済みの印刷用紙25aの先端は、版胴1に選択的に近接する剥離爪8により版胴1の外周面から剥離され、さらに上記吸着排紙搬送装置で排紙方向Xの下流側へと搬送される。このとき、上記吸着排紙搬送装置のジャンプ板対20によって、印刷済みの印刷用紙25a、すなわち排紙25aが、略U字形に腰付けされ排紙飛翔ラインXaを通って排紙トレイ21に向けて排出される。このとき、排紙25aの両排紙側縁部25bは各サイドプレート左・右22a,22bの上部の内面壁22gに沿って案内されつつ、排紙25aの先端が、エンドプレート23の面に一度衝突して跳ね返る。こうしてエンドプレート23の面との衝突によって排紙25aが有する運動エネルギーを殆ど失った排紙25aは、各サイドプレート左・右22a,22bの内面壁22gに両排紙側縁部25bを案内され規制されながらその自重により降下して、両排紙側縁部25bが左右両側の各回転コロ30の摺接面30aに摺接し、順次下方の左右両側の各回転コロ30の摺接面30aに連続的に摺接しながら落下しつつ、排紙トレイ21の排紙積載面21bに整然と積載される。
【0046】
このとき図5に示すように、エンドプレート23の面との衝突によって排紙25aが有する運動エネルギーを殆ど失った排紙25aの降下に伴って、先ず、排紙25aの両排紙側縁部25bが左右両側の最上段における各回転コロ30の摺接面30aに摺接しながら落下するときに、排紙25aの自重が回転コロ30の自重およびガイド溝31aの勾配による抵抗に打ち勝つことによって、左右両側の回転コロ30が、ガイド溝31aの係止突起31b部に係止保持されている突出位置からガイド溝31aの下面上を転動して退避位置に移動することとなる。
【0047】
このようにして、排紙25aは、順に下方における左右両側の回転コロ30の各摺接面30aに連続的に摺接しながら降下するとともに、排紙25aの略中央部が下方に撓んだU字形の湾曲状態を保ったまま降下し、排紙積載面21bに近接した位置で各回転コロ30との摺接状態から開放されて排紙トレイ21の排紙積載面21b上に整然と積載されて排紙25aの両排紙側縁部25bの整合、すなわち排紙揃えがなされる。
【0048】
そして、上記印刷動作によりマスタ9にインキを充填する、いわゆる版付けあるいは試し刷りが行われるとともに、プレスローラ15が版胴1から離間した初期位置に復帰し印刷待機状態となり、この後に、指定された枚数の印刷が、上記した給紙、印刷、排紙の各工程で連続的に繰り返されて行われる。
【0049】
指定された枚数の印刷が終了した後で、排紙25aの両排紙側縁部25b等の排紙揃えがなされた排紙25aの束を、排紙トレイ21から上方向に取り出すときには、上記のように整然と排紙揃えがなされた排紙25aの左右両側の各排紙側縁部25bが、今度は、各サイドプレート左・右22a,22bの一番下方に配置されている左右両側の各回転コロ30の摺接面30aと上記したと反対の順に連続的に摺接しつつ、左右両側の各回転コロ30が退避位置を上記したと反対の順に占めることとなって、排紙25aの束の取り出しが各回転コロ30の突出部等になんらの損傷を与えることなくスムーズに行われる。
【0050】
なお、排紙25aが各サイドプレート左・右22a,22bの最上方まで積載されている場合にあっては、各回転コロ30は退避位置を占めていることとなり、排紙25aの束の取り出しには何ら支障を与えることがない。
【0051】
(参考変形例1)
図6に参考例1の参考変形例1を示す。同図において、符号30Aは、参考変形例1の回転コロを示す。この参考変形例1は、参考例1の回転コロ30に代えて、回転コロ30Aを有することのみ相違する。回転コロ30Aは、回転コロ30に対して、ボタン孔状の軽量孔30Aaを複数有していて、複数箇所くり抜かれて軽量化が図られていることのみ相違する。
【0052】
(参考変形例2)
図7に参考例1の参考変形例2を示す。同図において、符号30Bは、参考変形例2の回転コロを示す。この参考変形例2は、参考例1の回転コロ30に代えて、回転コロ30Bを有することのみ相違する。回転コロ30Bは、円板状の回転コロ30に対して、ドーナツ状にその内部がくり抜かれて軽量化が図られていることのみ相違する。
【0053】
したがって、上記参考変形例1および2によれば、回転コロ30よりも軽量化が図られた各回転コロ30A,30Bを有するので、上記参考例1の回転コロ30を用いた場合に比べて、材料の節減がなされるとともに、排紙25aの排紙側縁部25bが回転コロ30の摺接面30aに摺接したときにおける転動移動の応答性をよくすることができる。
【0054】
(参考変形例3)
図8に参考例1の参考変形例3を示す。同図において、符号30Cは、参考変形例3の回転コロを示す。この参考変形例3は、参考例1の回転コロ30に代えて、回転コロ30Cを有すること、および回転コロ30を転動移動可能に案内するガイド溝31aに代えて回転コロ30Cを回動可能に支持しながら移動可能に案内する長孔31cを有することが主に相違する。
【0055】
回転コロ30Cは、回転コロ30に対して、回転コロ30Cの前後側壁の中央から突出して一体成形された軸部30bを有することのみ相違する。一方、ガイド部31の前後の側壁31e(図8では後の側壁31eのみ示されている)には、軸部30bを嵌入して転動移動可能に案内する長孔31cがそれぞれ形成されている。各長孔31cは、各ガイド部31の外面壁から内面壁22gに向けて下方に傾斜した所定の勾配を持ってそれぞれ形成されている。各長孔31cは、サイドプレート左22aの内面壁22gに開口していて、各長孔31cの上記開口部寄りの下面部には上方に盛り上がった係止突起31dがそれぞれ形成されている。長孔31cは、突出位置と退避位置との間にガイド溝31aおよび軸部30bを介して回転コロ30Cを移動自在に案内する案内手段としての機能を有する。
【0056】
回転コロ30Cは、前後の軸部30bが前後の両長孔31cに転動可能に配設されていて、かつ、回転コロ30Cの摺接面30aがガイド溝31aの下面上から浮いた状態で摩擦抵抗負荷を低減するように、排紙側縁部25bが接触するサイドプレート左22aの内面壁22gから排紙積載面21b側に突出した突出位置(図8に示す位置)とこの突出位置から外側に向けて退避した退避位置(図示せず)との間で移動自在に配設されている。
【0057】
長孔31cの上記所定の勾配は、参考例1のガイド溝31aの所定の勾配と同様に、突出位置から退避位置への回転コロ30Cの移動が遅れてしまい、前の排紙25aの抵抗となって排紙25aの降下が遅れ、次に排出される排紙25aの先端と衝突したり、退避位置から突出位置に復帰する回転コロ30Cの移動が遅れてしまってU字形の湾曲形成が不安定になったりしないような回転コロ30Cの適度な移動力となるように設定されている。
【0058】
回転コロ30Cの軸部30bと長孔31cとの両部材の各接触部分には、低摩擦部材としてのテフロン(登録商標)膜層が形成されている。これにより、回転コロ30Cの軸部30bと長孔31cとの接触部分の摩擦抵抗が軽減されて回転コロ30C移動時の抵抗負荷が低減されることによって、回転コロ30Cにおける突出位置から退避位置へのあるいは退避位置から突出位置への移動復帰動作が素早く行われるようになるとともに、回転コロ30Cの軸部30bと長孔31cとの接触部分の摩耗によって上記移動復帰動作が不安定になってしまうことも低減される。
【0059】
各回転コロ30Cは、非印刷時等において排紙揃えが行なわれないときには、その自重により各長孔31cの係止突起31dの部位で係止保持されるようになっている。一方、印刷時等において排紙揃えが行われるときには、各サイドプレート左22aおよびサイドプレート22bの内面壁22gに沿って飛翔降下してくる排紙25aの自重によって、排紙25aの排紙側縁部25bが回転コロ30Cの摺接面30aに摺接することにより、回転コロ30Cは、突出位置から、軸部30bが長孔31cの勾配に抗しながら転動されることによって、回転コロ30Cの摺接面30aがガイド溝31aの上下面に対して非接触状態を保ちつつ退避位置へと素早く移動されることとなる。
【0060】
したがって、上記参考変形例3の排紙積載装置によれば、上記参考例1の回転コロ30を用いた場合に比べて、ガイド溝31aよりも接触部分の小さい長孔31cで軸部30bを回動自在に支持し移動するように構成されていることにより、回転コロ30Cが突出位置ないし退避位置に亘り移動するとき、摺接面30aがガイド溝31aに非接触状態で移動するので、その摩擦抵抗負荷を低減してよりスムーズで素早い移動が実現できる。
【0061】
(参考変形例4)
図9に参考例1の参考変形例4を示す。この参考変形例4は、参考例1に対して、ガイド溝31aに代えてガイド溝31a’を有すること、および回転コロ30をして突出位置を占める向きに付勢する付勢手段としての板バネ33を付設したことのみ相違する。
【0062】
ガイド溝31a’は、所定の勾配を有するガイド溝31aに対して、水平に形成されていること、係止突起31bに代えて係止突起31b’がガイド溝31a’の開口上下部にそれぞれ形成されていること、および回転コロ30と接触するガイド溝31a’の接触部分に参考例1と同様のテフロン(登録商標)膜層が形成されていることのみ相違する。
【0063】
板バネ33は、ガイド溝31a’の上面から排紙幅方向Yの内側における斜め下方に傾斜して設けられていて、その先端が回転コロ30の摺接面30aに常時接触するように配置されている。板バネ33の付勢力は、図9に示すように、回転コロ30の摺接面30aの一部が内面壁22gから突出した状態であって、回転コロ30が係止突起31b’に係止保持される突出位置を占めるように設定されているとともに、印刷時等において排紙揃えが行われるときに、排紙25aの排紙側縁部25bが回転コロ30の摺接面30aに摺接することに伴う回転コロ30の転動で、回転コロ30が退避位置を占めることを許容する程度に設定されている。換言すれば、板バネ33の付勢力は、突出位置から退避位置への回転コロ30の移動が遅れてしまい、前の排紙25aの抵抗となって排紙25aの降下が遅れ、次に排出される排紙25aの先端と衝突したり、退避位置から突出位置に復帰する回転コロ30の移動が遅れてしまってU字形の湾曲形成が不安定になったりしないような回転コロ30の適度な移動力となるように設定されている。
【0064】
(参考変形例5)
図10に参考変形例3の別の参考変形例5を示す。この参考変形例5は、参考変形例3に対して、ガイド溝31aに代えてガイド溝31a’を有すること、長孔31cに代えて長孔31c’および回転コロ30Cをして突出位置を占める向きに付勢する付勢手段としての板バネ33を付設したことのみ相違する。
【0065】
長孔31c’は、上記所定の勾配を持って形成された長孔31cに対して、水平に形成されている点のみ相違する。各長孔31c’は、サイドプレート左22aの内面壁22gに開口していて、各長孔31c’の上記開口部寄りの下面部には上方に盛り上がった係止突起31d’がそれぞれ形成されている。長孔31c’は、突出位置と退避位置との間にガイド溝31a’および軸部30bを介して回転コロ30Cを移動自在に案内する案内手段としての機能を有する。
【0066】
回転コロ30Cは、前後の軸部30bが前後の両長孔31c’に転動可能に配設されていて、かつ、回転コロ30Cの摺接面30aがガイド溝31aの下面上から浮いた状態で摩擦抵抗負荷を低減するように、排紙側縁部25bが接触するサイドプレート左22aの内面壁22gから排紙積載面21b側に突出した突出位置(図10に示す位置)とこの突出位置から外側に向けて退避した退避位置(図示せず)との間で移動自在に配設されている。
【0067】
板バネ33は、ガイド溝31a’の上面から排紙幅方向Yの内側における斜め下方に傾斜して設けられていて、その先端が回転コロ30の軸部30b周面に常時接触するように配置されている。板バネ33の付勢力は、図10に示すように、回転コロ30Cの摺接面30aの一部が内面壁22gから突出した状態であって、回転コロ30Cの軸部30bが係止突起31d’に係止保持される位置で回転コロ30Cが突出位置を占めるように設定されているとともに、印刷時等において排紙揃えが行われるときに、排紙25aの排紙側縁部25bが回転コロ30Cの摺接面30aに摺接することに伴っての、回転コロ30Cの軸部30bが長孔31c’内を転動移動することで回転コロ30Cが退避位置を占めることを許容する程度に設定されている。
回転コロ30Cの軸部30bと長孔31c’との両部材の各接触部分には、参考変形例3と同様のテフロン(登録商標)膜層が形成されている。
【0068】
(実施の形態1)
図11に、本発明の排紙積載装置に係る実施の形態1を示す。この実施の形態1は、参考変形例4に対して、回転コロ30に代えて、少なくともその一部が強磁性体で形成された回転コロ30Dを有すること、および回転コロ30Dの上記強磁性体部分に対して吸着する第1の磁石としての磁石34を有することが主に相違する。
【0069】
回転コロ30Dは、例えばステンレススチール等の強磁性体部材がその摺接面30aに巻着されている。磁石34は、板状をなしていて、フェライトまたは希土類の永久磁石が用いられている。磁石34は、ガイド溝31a’の上面部分に取付けられている。板バネ33は、強磁性体で形成された回転コロ30Dとの接触によって着磁される可能性があるので、非磁性体材料であるポリアセタール(POM)等の合成樹脂で形成することが望ましい。なお、回転コロ30Dは、強磁性体部材を摺接面30aに巻着することに限らず、ポリアセタール(POM)等の合成樹脂で形成した部分と強磁性体部材で形成した部分とのサンドイッチ構造で形成したもの等であってもよい。回転コロ30Dの摺接面30aと接触するガイド溝31a’の係止突起31b’の接触部分には、低摩擦部材としてのテフロン(登録商標)膜層を形成することが望ましい。
【0070】
実施の形態1では、上記構成により、回転コロ30Dは、各ガイド溝31a’の上部に設けられた磁石34で常時吸着されていてガイド溝31a’の下面から浮いた状態にあって、排紙側縁部25bが接触するサイドプレート左22aの内面壁22gから排紙積載面21b側に突出した突出位置(図11に示す位置)とこの突出位置から外側に向けて退避した退避位置(図示せず)との間で移動自在に配設されている。すなわち、回転コロ30Dは、非印刷時等において排紙揃えが行なわれないときには板バネ33の付勢力によってガイド溝31a’の開口上下部にそれぞれ形成された係止突起31b’の部位で係止保持されるようになっている。一方、印刷時等において排紙揃えが行われるときには、排紙25aの排紙側縁部25bが回転コロ30Dの摺接面30aに摺接することにより、回転コロ30Dは、板バネ33の付勢力に抗しながら、突出位置からガイド溝31a’を介して磁石34における排紙幅方向Yに沿って転動して退避位置へと移動されることとなる。
【0071】
したがって、実施の形態1によれば、参考変形例4に比べて、突出位置ないし退避位置に亘る回転コロ30D移動時における接触負荷等をさらに低減することができる利点がある。
【0072】
(実施の形態2)
図12に、本発明の排紙積載装置に係る実施の形態2を示す。この実施の形態2は、実施の形態1に対して、回転コロ30Dに代えて、少なくともその一部が着磁された回転コロ30Eを有すること、および板バネ33を除去し、これに代えて回転コロ30Eの着磁部分に対して反発する第2の磁石としての磁石35を有することが主に相違する。
【0073】
回転コロ30Eの形状は、参考変形例2における回転コロ30Bと略同じようにドーナツ状にその内部がくり抜かれて形成されている。回転コロ30Eは、摺接面30aを含む外周部30Eaと内周部30Ebとからなる。回転コロ30Eは、例えば着磁材を分散させて成形したプラスチックマグネット等の着磁材料でできている。回転コロ30Eは、着磁装置により、摺接面30aを含む全外周部30EaがN極となるように着磁され、回転コロ30Eの内周部30EbがS極となるように着磁されている。一方、磁石35は、直方体状をなし、フェライトまたは希土類の永久磁石が用いられている。磁石35は、ガイド部31におけるガイド溝31a’の内面壁側、すなわち回転コロ30Eの退避位置近傍に取付けられている。そして、第1の磁石としての磁石34は、その下部側がS極となるようにガイド溝31a’の上面に取付けられている。
【0074】
実施の形態2では、上記構成により、回転コロ30Eは、各ガイド溝31a’の上部に設けられた磁石34で常時吸着されていて、ガイド溝31a’の下面から浮いた状態にあって、排紙側縁部25bが接触するサイドプレート左22aの内面壁22gから排紙積載面21b側に突出した突出位置(図12に示す位置)とこの突出位置から外側に向けて退避した退避位置(図示せず)との間で移動自在に配設されている。すなわち、回転コロ30Eは、非印刷時等において排紙揃えが行なわれないときにはガイド溝31a’の退避位置近傍に設けられた磁石35で常時反発付勢力を受けていて、その反発付勢力によってガイド溝31a’の係止突起31b’の部位で係止保持されるようになっている。一方、印刷時等において排紙揃えが行われるときには、排紙25aの排紙側縁部25bが回転コロ30Eの摺接面30aに摺接することにより、回転コロ30Eは、磁石35の反発付勢力に抗しながら突出位置からガイド溝31a’を介して磁石34に沿って転動して退避位置へと移動されることとなる。
【0075】
したがって、実施の形態2によれば、実施の形態1と比べて、回転コロ30Eに対して磁石35による反発付勢力が非接触状態で付与されているので、突出位置ないし退避位置に亘る回転コロ30Eの移動時における接触負荷等や摩耗をさらに一層低減することができる。
【0076】
本発明の実施の形態は、上記実施の形態1および2等に限定されず、摺接可動部材は、サイドフェンスに直接的に配設されている必要はなく、請求項1ないし4記載の各発明における構成・構造を具備していれば、サイドフェンスに対して別体的に配設されていてもよい。
【0077】
また、サイドフェンスの配設数は、上記参考例1、参考変形例1ないし5、上記実施の形態1および2等に限定されず、上記参考例1、参考変形例1ないし5、実施の形態1および2等の利点を望まないのであれば、一つのサイドフェンスを用紙幅方向Yに移動自在あるいは固定して配設してもよい。
【0078】
また、摺接可動部材の配設数は、上記参考例1、参考変形例1ないし5、実施の形態1および2等に限定されず、上記参考例1、参考変形例1ないし5、実施の形態1および2等の利点を望まないのであれば、極言すれば1個のみであってもよい。勿論、摺接可動部材は、上記参考例1、参考変形例1ないし5、実施の形態1および2等のように対をなすサイドフェンスを有する場合にあっては、各摺接可動部材の突出部が、落下してくる排紙の各排紙側縁部に摺接し、排紙の略中央部がU字形に湾曲した形状を確実に保ったまま排紙トレイの排紙積載面上に排出・積載されるので、サイドフェンスが片側のみの場合に比べて排紙揃えが向上するため、各サイドフェンスに同数、かつ、対称である同一位置に上記のように対向して対に設けられていることが好ましい。
【0079】
また、摺接可動部材の配置は、上記参考例1、参考変形例1ないし5、実施の形態1および2等に限定されず、排紙方向Xの上流・下流のどの位置にあってもよく、また上記参考例1、参考変形例1ないし5、実施の形態1および2等のような各回転コロ30,30A,30B,30C,30D,30E群の配置位置が、排紙方向Xに対して前後してもよく、さらには各回転コロ30,30A,30B,30C,30D,30E群が複数列あってもよく、さらにまた排紙25aのサイドフェンスの下方への落下に伴いU字形の湾曲形状が戻ってしまうのでそれを補うために、サイドフェンスの下方にいくにしたがって、内面壁22gからの各回転コロ30,30A,30B,30C,30D,30Eの突出部の突出寸法が徐々に大きくなるようにしてもよい。
【0080】
また、本発明の実施の形態は、上記参考例1、参考変形例1ないし5、実施の形態1および2等における、ジャンプ板対20等の排紙腰付け手段によりU字形の湾曲が形成された排紙25aに限らず、複写機等の排紙装置から通常そのまま排出される排紙における各排紙側縁部の整合・排紙揃えをも良好になし得るものであって、それらの装置に適用できることはいうまでもない。これに加えて、本発明に用いられる用紙は、孔版印刷用の印刷用紙25に限らず、PPC用紙、あるいはプラスチックシート等であっても勿論よい。
【0081】
以上述べたとおり、本発明を特定の実施の形態やこれらに包含されている実施例等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施の形態1および2等に限定されるものではなく、これらを適宜組合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性及び用途等に応じて種々の発明の実施の形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、摺接可動部材の少なくとも一部を磁性体で形成するとともに摺接可動部材の磁性体部分に対して吸着する磁石を案内手段の上部に設けたことにより、摺接可動部材は、摺接可動部材の突出部が、落下してくる排紙の排紙側縁部に摺接した直後に排紙の自重によって、摺接可動部材の磁性体部分が案内手段の上部に設けられた磁石で吸着された状態で、かつ、案内手段の下面から浮いた状態で、磁石に沿って案内手段に案内されつつ付勢手段の付勢力に抗して移動して退避位置を占め、摺接可動部材の突出部が排紙側縁部との摺接状態から開放された直後に、付勢手段の付勢力によって案内手段に案内されつつ磁石に沿って移動して突出位置を占めるように構成されていることにより、排紙の略中央部がU字形に湾曲した形状を保ったまま排紙トレイの排紙積載面上に排出・積載されるので、排紙揃えがよくなる。排紙台に積載された排紙を上向きに取り出すときに、摺接可動部材の突出部が、磁石に沿って案内手段に案内されつつ付勢手段の付勢力に抗して移動して退避位置を占めるように構成されていることにより、摺接可動部材の突出部が排紙側縁部と接触しても、排紙の取り出しに支障とならない退避位置に変位するので摺接可動部材が何ら邪魔せず、排紙取り出し時における操作上の面倒がなくなる。また、従来のように、排紙を無理に取り出した場合等に、摺接可動部材を逆方向に曲げて壊してしまうことも生じないとともに、摺接可動部材は、摺接可動部材の磁性体部分が案内手段の上部に設けられた磁石で吸着された状態で、かつ、案内手段の下面から浮いた状態で、磁石に沿って案内手段に案内されつつ突出位置ないし退避位置に亘り移動することができることによって、摺接可動部材の移動時における接触負荷が低減され、突出位置や退避位置への摺接可動部材の移動復帰動作が素早く行われるようになるので、前の排紙の降下が遅れて次に排出される排紙と衝突したり、あるいは突出位置への摺接可動部材の復帰が遅れてU字形の湾曲形成が不安定になったりすることのない排紙積載の安定した安価な排紙積載装置を提供することができる。
【0083】
請求項2記載の発明によれば、摺接可動部材の少なくとも一部が着磁されており、摺接可動部材の着磁部分に対して吸着する第1の磁石を案内手段の上部に設け、摺接可動部材の着磁部分に対して反発する第2の磁石を案内手段における退避位置近傍に設けたことにより、摺接可動部材は、摺接可動部材の突出部が、落下してくる排紙の排紙側縁部に摺接した直後に排紙の自重によって、摺接可動部材の着磁部分が案内手段の上部に設けられた第1の磁石で吸着された状態で、かつ、案内手段の下面から浮いた状態で、第1の磁石に沿って案内手段に案内されつつ第2の磁石の反発付勢力に抗して移動して退避位置を占め、摺接可動部材の突出部が排紙側縁部との摺接状態から開放された直後に、第2の磁石の反発付勢力によって案内手段に案内されつつ第1の磁石に沿って移動して突出位置を占めるように構成されていることにより、排紙の略中央部がU字形に湾曲した形状を保ったまま排紙トレイの排紙積載面上に排出・積載されるので、排紙揃えがよくなる。排紙台に積載された排紙を上向きに取り出すときに、摺接可動部材の突出部が、第1の磁石に沿って案内手段に案内されつつ第2の磁石の反発付勢力に抗して移動して退避位置を占めるように構成されていることにより、摺接可動部材の突出部が排紙側縁部と接触しても、排紙の取り出しに支障とならない退避位置に変位するので摺接可動部材が何ら邪魔せず、排紙取り出し時における操作上の面倒がなくなる。また、従来のように、排紙を無理に取り出した場合等に、摺接可動部材を逆方向に曲げて壊してしまうことも生じない安価な排紙積載装置を提供することができる。また、摺接可動部材に対する付勢が反発付勢力によって非接触状態で行われるので、摺接可動部材の移動時における接触負荷が低減されて突出位置や退避位置への摺接可動部材の移動復帰動作が素早く行われるようになるとともに、摺接可動部材に対する摩耗が低減されるので、前の排紙の降下が遅れて次に排出される排紙と衝突したり、あるいは突出位置への復帰が遅れてU字形の湾曲形成が不安定になったりすることのない排紙積載の安定した排紙積載装置を提供することができる。
【0084】
請求項3記載の発明によれば、サイドフェンスは、その内面壁が互いに平行となるべく対をなして排紙台上に設けられていて、摺接可動部材が各サイドフェンスに対をなして複数設けられていることにより、飛翔落下してくる排紙の各排紙側縁部が、略同じ位置においてサイドフェンス対における各摺接可動部材の突出部に摺接しながら降下するようになり、排紙の略中央部がU字形に湾曲した形状を確実に保ったまま排紙台の排紙積載面上に排出・積載されるので、上記各発明の効果に加えて、さらに排紙揃えがよくなるとともに、排紙積載の安定した排紙積載装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 排紙積載装置に係る参考例1を適用した孔版印刷装置の要部構成図である。
【図2】 上記参考例1における排紙積載装置の要部を示す部分正断面図である。
【図3】 図2の左側断面図である。
【図4】 参考例1における排紙積載装置の回転コロの部分拡大斜視図である。
【図5】 参考例1における排紙積載装置の動作を示す正断面図である。
【図6】 参考例1の参考変形例1を示す回転コロの要部の部分正断面図である。
【図7】 参考例1の参考変形例2を示す回転コロの要部の部分正断面図である。
【図8】 参考例1の参考変形例3を示す回転コロの要部の部分正断面図である。
【図9】 参考例1の参考変形例4を示す回転コロの要部の部分正断面図である。
【図10】 参考変形例3の別の参考変形例5を示す回転コロの要部の部分正断面図である。
【図11】 本発明の排紙積載装置に係る実施の形態1を示す回転コロの要部の部分正断面図である。
【図12】 本発明の排紙積載装置に係る実施の形態2を示す回転コロの要部の部分正断面図である。
【図13】 排紙トレイ上における従来の排紙揃えの不具合状態を表す説明図である。
【符号の説明】
21 排紙台としての排紙トレイ
21b 排紙積載面
22a,22b 一対のサイドフェンスとしてのサイドプレート左・右
22g 内面壁
25 印刷用紙
25a 排紙(印刷済みの印刷用紙)
25b 排紙側縁部
28 排紙積載装置
30D,30E 摺接可動部材としての回転コロ
30a 摺接面
30b 回転コロの軸部
31 ガイド部
31a,31a’ 案内手段としてのガイド溝
33 付勢手段としての板バネ
34 第1の磁石
35 第2の磁石
X 排紙方向
Y 排紙幅方向
Z 上下方向

Claims (3)

  1. 排紙を積載する排紙積載面を備えた排紙台と、この排紙台上に起立可能に設けられ、上記排紙の排紙側縁部を案内し排紙方向と直交する排紙幅方向の排紙揃えを行うための少なくとも一つのサイドフェンスとを具備する排紙積載装置において、
    上記排紙側縁部が接触する上記サイドフェンスの内面壁から上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突出位置から外側に向けて退避した退避位置との間で移動自在であり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な略円周面状の摺接面を備えた少なくとも一つの摺接可動部材と、
    上記突出位置と上記退避位置との間に上記摺接可動部材を移動自在に案内する案内手段と、
    上記摺接可動部材をして上記突出位置を占める向きに付勢する付勢手段とを有し、
    上記摺接可動部材の少なくとも一部を磁性体で形成するとともに、上記摺接可動部材の上記磁性体部分に対して吸着する磁石を上記案内手段の上部に設け、
    上記摺接可動部材は、上記摺接面が落下してくる上記排紙側縁部に摺接した直後に上記退避位置を占め、上記摺接面が上記排紙側縁部との摺接状態から開放された直後に上記突出位置を占め、かつ、排紙台に積載された上記排紙を上方向に取り出すときに上記摺接面が上記退避位置を占めるように構成されていることを特徴とする排紙積載装置。
  2. 排紙を積載する排紙積載面を備えた排紙台と、この排紙台上に起立可能に設けられ、上記排紙の排紙側縁部を案内し排紙方向と直交する排紙幅方向の排紙揃えを行うための少なくとも一つのサイドフェンスとを具備する排紙積載装置において、
    上記排紙側縁部が接触する上記サイドフェンスの内面壁から上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突出位置から外側に向けて退避した退避位置との間で移動自在であり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な略円周面状の摺接面を備えた回動可能な少なくとも一つの摺接可動部材と、
    上記突出位置と上記退避位置との間に上記摺接可動部材を移動自在に案内する案内手段とを有し、
    上記摺接可動部材の少なくとも一部が着磁されており、上記摺接可動部材の着磁部分に対して吸着する第1の磁石を上記案内手段の上部に設けるとともに、上記摺接可動部材の着磁部分に対して反発する第2の磁石を上記案内手段における上記退避位置近傍に設け、
    上記摺接可動部材は、上記摺接面が落下してくる上記排紙側縁部に摺接した直後に上記退避位置を占め、上記摺接面が上記排紙側縁部との摺接状態から開放された直後に上記突出位置を占め、かつ、排紙台に積載された上記排紙を上方向に取り出すときに上記摺接面が上記退避位置を占めるように構成されていることを特徴とする排紙積載装置。
  3. 請求項1または2記載の排紙積載装置において、
    上記サイドフェンスは、上記内面壁が互いに平行となるべく対をなして上記排紙台上に設けられていて、上記摺接可動部材は、上記各サイドフェンスに対をなして複数設けられていることを特徴とする排紙積載装置。
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