JP3708630B2 - 排紙積載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷装置や複写装置等の画像形成装置から排出される画像形成済みの排紙等を排出し積載する排紙装置に関し、さらに詳しくは排紙の側縁部を案内し排紙台上に揃えるための排紙積載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
簡便な印刷装置として感熱デジタル製版式の孔版印刷装置が良く知られている。この孔版印刷装置では、熱可塑性樹脂フィルム(厚みは、大体1〜3μm程度のものが一般に用いられる)に、多孔質の支持体として和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したもの等を貼り合わせたラミネート構造のマスタを用いて、このマスタのフィルム面をサーマルヘッドの発熱素子に接触させ、サーマルヘッドを主走査方向に作動させながら選択的にマスタを熱溶融穿孔して画像情報に基づいた穿孔画像を形成し、搬送手段のプラテンローラ等でマスタを副走査方向に移動させながら、その穿孔製版された製版済みのマスタを、多孔性の支持円筒体にその外周を覆う樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンが複数巻装されて構成された回転自在な版胴に自動的に巻装させ、版胴内部のインキ供給手段よりインキを供給し、プレスローラ等の押圧手段で製版済みのマスタを介して給送された印刷用紙を版胴に連続的に押し付けることにより、版胴の開孔部分、さらにマスタの穿孔部分よりインキを滲み出させ、このインキを印刷用紙に転移させて印刷を行うようになっている。上記のようにして印刷されインキが転移した印刷済みの印刷用紙(以下、単に「排紙」と総称するときがある)は、剥離爪等で版胴から剥離されながら吸着排紙搬送装置等によって搬送され、吸着排紙搬送装置上部に設けられた印刷用紙の側縁部を隆起させるジャンプ板等によって、その排紙の略中央部がその両排紙側縁部に対して下方に撓んだU字形の湾曲が形成されて排紙トレイに排出され排紙積載面上に積載される。
【0003】
一般に孔版印刷装置では、印刷用紙の表面に転移したインキがその後速やかに印刷用紙内部(繊維等で構成される)に浸透して印刷用紙表面上のインキが減少するように水分を多く含むインキが使用されており、放置しておいても蒸発しないようにするためにオイルの中に水を分散させたW/O形のエマルジョンインキが一般に用いられる。印刷用紙の表面に転移したインキの水分は、印刷用紙の繊維部分に浸透して印刷用紙の繊維を膨潤させるために、インキの転移した印刷用紙の表面側である印刷面側(一般には印刷用紙の上面側)が伸びて、印刷用紙の中央部がその両側縁部に対して印刷面側(印刷面が上面側である場合には上方)が逆U字形に湾曲して変形しようとする。そこで、吸着搬送装置に設けられた上記ジャンプ板で、排紙の印刷面側の逆U字形の湾曲を打ち消して強制的にU字形の湾曲を形成して、みかけの腰を強化するためにそのU字形の湾曲形状を保った状態のまま排紙トレイに排出するようにしている。
【0004】
ところが、図8に示すように、例えば印刷面側を上面側とした印刷済みの印刷用紙25a、すなわち排紙25aが、排紙積載面21b上に落下する間に、上述したインキ中の水分による印刷用紙の繊維の膨潤によって、印刷面側の上面側に形成されたU字形の湾曲形状からこれと反対のかまぼこ形の逆U字形の湾曲形状に変形してしまうため、排紙25aの下面の空気の逃げが不安定になり、排紙積載面21bに接地するまでに排紙幅方向Yの左右に暴れて排紙揃えが悪化してしまうという不具合があった。そのため、印刷終了後に仕分け・区分けをする場合や後処理装置(例えばコレータとかソータ等)を使用する場合等においては、排紙25aをきれいに揃え直す作業が必要となり非常に面倒なものとなっていた。また、落下時に排紙25aが暴れてしまうと、排紙積載面21b上に前に積載されている排紙25aと次に積載される排紙25aとの間で擦れが発生し、前の印刷画像のインキが次の排紙25aの下面に転移してしまう裏移りとか、印刷画像面を擦って汚してしまう等の不具合も発生してしまう。特にベタ画像の多い印刷を行ったとき等には転移するインキが多くなり、上記した不具合が発生しやすかった。
【0005】
そこで、上記不具合の発生を防ぐために、例えば特開平6−329327号公報に開示されているように、略「へ」字形の可動部材をサイドプレートの内側に突出するように設けて、排紙の両排紙側縁部を可動部材のその突出部に当接させることにより、排紙の落下時における上記両排紙側縁部の接地を中央部分よりも遅らせるように作用させることにより、排紙をU字形に湾曲した状態で落下させるようにして積載時における排紙の整合を向上した技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、排紙トレイから排紙を取り出すときに、排紙の両排紙側縁部が可動部材の突出部に干渉して邪魔になるために、可動部材の突出部をサイドプレート内側から外側へ退避させる操作が必要であったり、可動部材が邪魔しないようにサイドプレートを外側に開くようにして排紙を取り出す操作が必要であったりするというように、排紙取り出し時における操作上の面倒があった。また、これらの操作上の面倒を解消するためにサイドプレート内側から外側へ退避させるガイドレールをサイドプレートに形成したものにあっては、構造が複雑になるという問題点がある。
【0007】
したがって、本発明の目的はかかる問題点を解決するために、排紙揃えがよく、排紙取り出し時における操作上の面倒がなくて、安価な排紙積載装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、排紙を積載する排紙積載面を備えた排紙台と、上記排紙の排紙側縁部を案内し上記排紙積載面上に揃えるための上記排紙台に起立した少なくとも一つのサイドプレートとを有する排紙積載装置において、上記排紙側縁部が接触する上記サイドプレートの内面壁から上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突出位置から外側に向けて退避した退避位置との間で変位自在であり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な突出部を備えた変位可動部材を少なくとも一つ有し、上記変位可動部材は、該変位可動部材の下部において上記サイドプレートに軸支されており、上記変位可動部材は、上記突出部が落下してくる上記排紙側縁部に摺接した直後に上記退避位置を占め、上記突出部が上記排紙側縁部との摺接状態から開放された直後に上記突出位置を占め、かつ、排紙台に積載された上記排紙を上方向に取り出すときに上記突出部が上記退避位置を占めるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の排紙積載装置において、上記サイドプレートは、上記内面壁が互いに平行となるべく対をなして上記排紙台上に設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の排紙積載装置において、上記変位可動部材は、上記突出部が上記内面壁側から上記排紙積載面側に突出した横向きの略山形形状をなしていて、その山形形状における下ふもと部が軸支され、上ふもと部が排紙方向と直交する面で見てその軸の周りに時計回り及び反時計回りに揺動自在に構成されており、上記変位可動部材の上記突出部を、上記突出位置を占める向きに付勢する変位付勢手段を有することを特徴とする。
【0011】
ここで、「略山形形状」とは、三角形の山形形状を示す他、その突出している頂上部が丸みを帯びているものや、突出している山形形状の斜面が凹凸状あるいは鋸刃状をなしているものを含む。また上記三角形とは、その突出している頂上部が鈍角をなすもの、あるいはその突出している頂上部が丸みを帯びていて90度よりも若干小さめの角度をもった三角形状をも含む。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の排紙積載装置において、上記サイドプレートには上記変位可動部材が上下方向に複数配設されていて、上記各変位可動部材の相隣る上記突出部同士が、排紙方向と直交する面で見て上記上下方向に重合して配置されていることを特徴とする。
【0013】
【実施例】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について詳述する。なお、各図において、図面の簡明化を図るため各構成部品を適宜省略する。また、図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。構成部品の形状及びその配置位置を説明する際において、排紙方向の下流側を「前」とその上流側を「後」というときがあり、また排紙方向から見て排紙幅方向の紙面の手前側を「左」と、紙面の奥側を「右」というときがある。従来の技術で説明した構成及び以下説明する各実施例及び変形例等に亘り、同一の形状及び機能を有する構成部品等については同一の符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。
【0014】
(実施例1)
図1乃至図5を参照して、本発明の第1の実施例(以下、「実施例1」という)について説明する。
図1は、本発明の実施例1を適用した孔版印刷装置の全体構成を示しており、まず、この全体構成について簡単に説明する。
図1において、左上部には孔版印刷装置を構成する周知の製版部が配設されている。上記製版部は、ホルダ手段(図示せず)、プラテンローラ11、サーマルヘッド10、搬送ローラ対12、カッタ13及びマスタガイド板14から主に構成されていて、マスタ搬送方向の上流側から下流側に亘りこの順に上記各構成部品が配置されている。
【0015】
マスタ9は、ロール芯9bの周りにロール状に巻き付けられてマスタロール9aが形成されている。マスタロール9aは、ロール芯9bがホルダ手段(図示せず)により回転可能に支持されていることにより、回転自在となっている。マスタ9は、図示しない製版部側板に回転自在に支持されたプラテンローラ11に、多数の発熱素子を有するサーマルヘッド10によって押圧される。プラテンローラ11に連結されたステッピングモータ(図示せず)の回転駆動により、プラテンローラ11が時計回りに回転されることで、マスタ9がマスタロール9aからマスタ搬送方向へ繰り出されるようになっている。サーマルヘッド10は、バネ部材(図示せず)によりマスタ9を介してプラテンローラ11に付勢されている。搬送ローラ対12は、互いに押圧した状態で上記製版部側板に回転自在に支持されている。搬送ローラ対12は、プラテンローラ11の搬送速度よりもわずかに速い周速度で回転するように設定されていて、マスタ9の搬送時においてマスタ9との間で滑りながらマスタ9に適度な張力が付与されるようになっている。カッタ13は、製版された製版済みのマスタ9を設定された長さに切断するギロチンタイプの上下刃を有するものが用いられている。なお、上記のように上下刃を有するカッタ13に限らず、回転刃移動タイプ等のカッタであっても勿論よい。カッタ13におけるマスタ搬送下流側には、上記製版部側板間に固設されていて、マスタ9の先端を案内するマスタガイド板14が設けられている。
【0016】
上記製版部の右下方には、周知の印刷部が配設されている。上記印刷部は、版胴1、インキ供給手段(符号不図示)及び押圧手段としてのプレスローラ15から主に構成される。上記インキ供給手段は、インキパイプ5、インキローラ2及びドクタローラ3から主に構成される。
【0017】
版胴1は、多孔性支持円筒体とその外周を覆う樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーン(図示せず)とが複数層巻装されて構成されており、このようにして構成された版胴1の外周面にはマスタ9が巻装される。版胴1の両端部には、一対のフランジ(図示せず)が固設されている。版胴1は、上記フランジ対が、この孔版印刷装置の筐体側板(図示せず)に着脱自在に支持されたインキパイプ5を支軸として回転自在に支持されており、図示しない駆動モータによって駆動力を伝達されて時計回り及び反時計周りの両方向に回転される。上記インキ供給手段は、版胴の内部に配設されている。インキパイプ5には図示しない側板対が固設されていて、インキローラ2は、上記側板対に回転自在に支持されたインキローラ軸2aが、ギヤあるいはベルト等の駆動伝達手段により版胴1と同期して同方向に回転される。ドクタローラ3は、インキローラ2の外周面とわずかに隙間を設けて設けられ、インキローラ2とドクタローラ3との間の楔状空間に形成されるインキ溜り4のインキをインキローラ2の外表面に供給する。インキ溜り4のインキは、インキ供給装置(図示せず)によって版胴1の外部に配置されたインキパック等からインキポンプ等(図示せず)を介して吸引され、インキパイプ5に形成された供給孔5aよりインキ溜り4に供給される。
【0018】
版胴1の非開孔部表面には、版胴1の一つの母線に沿って、磁性体でできたステージ6が設けられている。版胴1上にはステージ6と平行にクランパ軸7aが回動可能に支持されており、このクランパ軸7aにはステージ6と平行に開閉可能なクランパ7が一体的に設けられている。クランパ7には、ゴム磁石板が固定されている。クランパ7は、版胴1が所定位置に停止されたときに、上記筐体側板の所定位置近傍に設けられた開閉装置(図示せず)の駆動力がクランパ軸7aに伝達されることにより開閉される。版胴1は上記インキ供給手段と共にドラムユニットを構成していて、上記筐体側板に支持されているインキパイプ5を介してインキパイプ5の軸線方向に上記ドラムユニットごと着脱自在となっている。
【0019】
プレスローラ15は、版胴1の下方に版胴1の外周面に対して接離自在に設けられている。プレスローラ15は、図示しないカム等により版胴1の外周面に対して接離可能に昇降自在となっており、付勢スプリング等(図示せず)により版胴1に向けて付勢されていて、印刷用紙25の通紙時以外は係止手段(図示せず)によって版胴1から離間した位置に保持されている。
【0020】
版胴1及びプレスローラ15の右側には、周知の給紙部が配設されている。この給紙部は、給紙トレイ(図示せず)、分離給紙装置(図示せず)及びレジストローラ対16から主に構成される。
【0021】
上記給紙トレイは印刷用紙25を積載するものであり、上記分離給紙装置は、上記給紙トレイの上方に配設されており、上記給紙トレイ上の印刷用紙25を1枚ずつ分離して用紙搬送方向の下流側へ給送する周知の給紙ローラ及び分離ユニット(共に図示せず)からなる。レジストローラ対16は、上記分離給紙装置から給送されてくる印刷用紙25をプレスローラ15と版胴1との間にタイミングをとって挿入する周知の機能を有し、互いに当接した状態で回転自在に上記筐体側板に支持されている。
【0022】
版胴1を挟んで上記製版部に対向する図において右斜め上方には、版胴1の外周面に巻装された使用済みのマスタ9を剥離して搬送し、その使用済みのマスタ9を図示しない排版ボックスに廃棄・排版するための排版装置等を具備する周知の排版部(共に図示せず)が配設されるようになっている。
【0023】
版胴1及びプレスローラ15を挟んで上記給紙部に対向する図において左側には、特徴のある排紙部が配設されている。この排紙部は、ジャンプ板20等を備えた周知の吸着搬送装置(符号不図示)と、周知の剥離爪8と、排紙トレイ21及び一対のサイドプレート左・右22a,22b等を具備する排紙積載装置29とから主に構成されている。
【0024】
上記吸着搬送装置は、上記筐体側板に回転自在に支持された排紙ローラ後17及び排紙ローラ前18と、排紙ローラ後17及び排紙ローラ前18に張設された排紙ベルト19と、排紙ベルト19の下方に配置された吸引ファン(図示せず)とからなる。排紙ベルト19は、図示しない駆動手段により排紙ローラ前18が回転されることにより、版胴1の周速度よりも若干速い周速度で排紙方向Xに駆動される。上記吸引ファンは、剥離爪8により剥離され排紙ベルト19上に排出された排紙25aを吸引し押圧する。ジャンプ板20は、略山形状に形成されており、排紙ベルト19上方近傍の排紙ローラ前18側にその頂上部を臨ませて排紙方向Xの左右に一対設けられている。ジャンプ板対20は、排紙25aの両排紙側縁部を隆起させて、排紙25aの中央部がその両排紙側縁部に対して下方にU字形に撓んで湾曲するように腰付けする周知の機能を有する。図1において、符号Xaで示す矢印仮想線は排紙飛翔ラインを示す。この排紙飛翔ラインXaは、ジャンプ板対20によってU字形に湾曲形成された排紙25aが、ジャンプ板対20の上面から排紙トレイ21上の一対のサイドプレート左22a及びサイドプレート右22b上端近傍に至る排紙通路を表している。
【0025】
剥離爪8は、上記吸着搬送装置の上方であって版胴1の外周面に近接自在に配設されている。剥離爪8は、上記筐体側板に回動自在に支持された剥離爪軸8aに一体的に固設されていて、版胴1の外周面に選択的に接近して印刷済みの印刷用紙25aを版胴1の外周面より剥離する機能を有する。図において一番左側には、排出された排紙25aを積載する排紙積載面21bを備えた排紙台としての排紙トレイ21が上記筐体側板に保持されている。
【0026】
図3にのみ示すように、排紙トレイ21における排紙幅方向Yの左右両側には、断面矩形状に切り欠かれたトレイ窓21aがそれぞれ形成されていて、これらトレイ窓21aは排紙幅方向Yの中央近傍部に至るまで延在して形成されている。左右両側のトレイ窓21aの両内側下縁部には、図1乃至図3に示すように、ステーを兼ねた支持板24が排紙幅方向Yに延在してそれぞれ設けられている。各支持板24は、排紙幅方向Yと直交する面から見て下向きに開口した略チャンネル状をなしていて、各支持板24の各上面が排紙トレイ21の排紙積載面21bと同一面に形成されいる。各支持板24は、排紙幅方向Yの中央近傍部における排紙トレイ21に延在し連結・固定されている。
【0027】
左右両側の各支持板14の上面には、その基部22eが略L形をなす一対のサイドプレート左22a及びサイドプレート右22bが排紙積載面21bに対して起倒可能に載置されている。これらサイドプレート左22a及びサイドプレート右22bの各内面壁22gは、互いに平行となるべく対をなして排紙トレイ21上に起立して設けられていて、排紙25aの両排紙側縁部が接触可能となっている。
【0028】
以下、サイドプレート左22a側廻り及びサイドプレート右22b側廻りの構造は、左右対称に同様に形成されているので、図2及び図3を参照して、その片側であるサイドプレート左22a側廻りについてのみ述べる。サイドプレート左22aの基部22eは、その外側が略L形に厚く形成されている。サイドプレート左22aの基部22eには、プレート支点軸22cを緩く挿通する貫通孔22fが形成されていて、サイドプレート左22aは、プレート支点軸22cの周りに排紙積載面21b側、すなわちサイドプレート左22aの内側に起倒自在となっている。サイドプレート左22aの略L形をなす基部22eに近接した、プレート支点軸22cの排紙方向Xにおける前後両端には、上向きに開口した略チャンネル状をなす加圧板26が配設されている。加圧板26の各フランジ面は、「コ」の字形に切り欠かれており、このように「コ」の字形に切り欠かれた加圧板26の各フランジ面が、支持板24の各フランジ面を挟む形で係合している。上下方向Zにおける支持板24と加圧板26との間には、その図示を省略した圧縮バネが設けられており、サイドプレート左22aを支持板24に押圧するようになっている。
【0029】
上記の構造のとおり、各サイドプレート左・右22a,22bは、各加圧板26と一体的に支持板24上を摺動してそれぞれ移動自在になっており、排紙幅に応じて移動されるようになっていると共に、各サイドプレート左・右22a,22bは、各プレート支点軸22cを中心として、排紙25aが積載される排紙積載面21b側(内側でもある)に起倒可能となっている。それ故に、排紙トレイ21の孔版印刷装置の本体側への収納時には、各サイドプレート左・右22a,22bを排紙トレイ21の内側にそれぞれ折り畳んで排紙トレイごと収納されるような周知の構成となっている。
【0030】
排紙方向Xの最下流側における排紙トレイ21上には、図1にのみ示すように、排紙25aの先端を受け止めて排紙25aの先端の位置決めを行うための、排紙方向Xの前後に移動自在な周知のエンドプレート23が起立して設けられている。排紙トレイ21の排紙積載面21bは、上記した一対のサイドプレート左・右22a,22bとエンドプレート23とで矩形状に区切られた範囲となっている。
【0031】
図1乃至図5に示すように、各サイドプレート左22a及びサイドプレート右22bには、複数の窓部22dが各々左右対称位置にそれぞれ開けられている(本実施例1では各3個ずつ開けられている)。これら複数の窓部22dは、排紙方向Xと直交する面で見て上下方向Zに重合して各サイドプレート左22a及びサイドプレート右22bにそれぞれ配置されている。各窓部22d内には、排紙25aの排紙側縁部25bに摺接可能な突出部30eを備えた変位可動部材としての揺動板30がそれぞれ嵌入され揺動自在に軸支されている。各揺動板30は、各サイドプレート左22a及びサイドプレート右22bの各窓部22d内に各々左右対称位置にそれぞれ配置されている。そして、各サイドプレート左・右22a,22bにおいて、各揺動板30の相隣る突出部30e同士は、排紙方向Xと直交する面で見て上下方向Zに重合してそれぞれ配置されている。
【0032】
揺動板30は、ポリアセタール(POM)からなる合成樹脂で一体成形されていて軽量にできている。なお、揺動板30は、上記の合成樹脂に限らず、ABS樹脂やアクリル樹脂等の合成樹脂、あるいはアルミニウム合金等の金属で一体的にあるいは別体的に形成されたものであってもよい。揺動板30の突出部30eは、各サイドプレート左・右22a,22bの内面壁22g側から排紙積載面21b側に突出した横向きの略山形形状をなしている。揺動板30は、略山形形状をなす突出部30eの下ふもと部の下端部に形成された揺動板軸30aで各窓部22d下方側壁部に軸支され、突出部30eの上ふもと部の上端部が排紙方向Xと直交する面で見て揺動板軸30aの周りに時計回り及び反時計回りに揺動自在に構成されている。突出部30eには、排紙方向Xと直交する面で見て逆「ハ」字状に傾斜した摺接傾斜面上30c、換言すると排紙積載面21b側に向けて斜め下方に傾斜した摺接傾斜面上30c及び「ハ」字状に傾斜した摺接傾斜面下30dがそれぞれ形成されている。
【0033】
なお、突出部30eにおける摺接傾斜面上30cと摺接傾斜面下30dとのなす角度は、各サイドプレート左・右22a,22bの内面壁22gから排紙積載面21b側に突出する突出部30eの突出量が規制されていない場合にあっては、排紙25aの各排紙側縁部25bが揺動板30の各突出部30eにおける各摺接傾斜面上30cに摺接するときに働く回転モーメントの関係において、鈍角であることが望ましい。
【0034】
各揺動板軸30aには、その図示を省略した変位付勢手段としてのねじりコイルバネがそれぞれ巻着されていて、このねじりコイルバネの付勢力によって揺動板30の突出部30eが突出位置を占める向きに常に付勢されている。上記ねじりコイルバネの付勢力は、揺動板30の揺動力が所定の値になるように設定されている。一方、突出部30eの上ふもと部の上端部における揺動板30の背面側には、窓部22dの近傍における各サイドプレート左・右22a,22bの外面壁に当接して、各サイドプレート左・右22a,22bの内面壁22gから排紙積載面21b側に突出する突出部30eの突出量を規制する揺動板ストッパ30bが一体形成されている。
【0035】
上記の構造のとおり、各揺動板30は、その突出部30eが、排紙25aの排紙側縁部25bが接触する各内面壁22gから排紙積載面21b側に突出した突出位置(図2等に示す位置)と、この突出位置から各サイドプレート左・右22a,22bの外側に向けて退避した退避位置(図5における左右両側の最上段に示す揺動部材30の位置)との間で変位・揺動自在となっている。
【0036】
また、揺動板30が、上記のとおり構成されているので、排紙幅方向Yにおける摺接傾斜面上30cの各部位と揺動板軸30aとの距離が必ず確保されていることとなり、排紙25aの排紙側縁部25bが落下・降下するときに摺接傾斜面上30cに働く排紙25aの自重成分によって、揺動板軸30a周りの回転モーメントが生じ、上記ねじりコイルバネの付勢力に抗して突出部30eが揺動板軸30aを支点として揺動変位して上記退避位置を占めることになる。
【0037】
図5に示すように、排紙25aが落下・降下してきて、排紙25aの両排紙側縁部25bが各サイドプレート左・右22a,22b最上段の揺動板30の各突出部30eにおける左右両側の摺接傾斜面上30cに摺接しながら降下するときに、各上記ねじりコイルバネの付勢力によって左右両側の各揺動板30の突出部30eをして突出位置を占める向きに付勢していることにより、排紙25aの各排紙側縁部25bが、各上記ねじりコイルバネの付勢力に打ち勝って各突出部30eの摺接傾斜面上30cを揺動板軸30aを支点として揺動させて各窓部22dの側壁内から外側へ向かって変位させるように働く。これと同時に、左右両側の揺動板30の突出部30eにおける各摺接傾斜面下30dが揺動して内面壁22gに接近するが、各上記ねじりコイルバネの付勢力が常に働いていて、左右両側の排紙側縁部25bにおける側端面が摺接傾斜面下30dに摺接しながら降下していくこととなって、左右両側の各排紙側縁部25bは左右両側の各揺動板30の突出部30eから離間しないようになっている。それ故に、揺動板30の突出部30eは、上記突出位置と上記退避位置との間で変位自在となっている。
【0038】
また、各サイドプレート左・右22a,22bにおいて、各揺動板30の相隣る突出部30e同士が、排紙方向Xと直交する面で見て上下方向Zに重合して、すなわちオーバーラップする位置に配置されていることにより、排紙25aは、その両排紙側縁部25bが両揺動板30の各突出部30eに摺接しながら降下するときに、各揺動板30の隣る下方の突出部30eに順次連続的に摺接しつつU字形の湾曲形状を保ったまま排紙トレイ21の排紙積載面21b上に整然と積載されて排紙25aの両排紙側縁部25bの排紙揃えがなされる。
【0039】
したがって、上記の各構成により、揺動板30は、突出部30eが落下してくる排紙25aの排紙側縁部25bに摺接した直後に上記退避位置を占め、突出部30eが排紙側縁部25bとの摺接状態から開放された直後に上記突出位置を占め、かつ、排紙トレイ21に積載された排紙25aを上向きに取り出すときに、突出部30eが上記退避位置を占めるように構成されている。
【0040】
次に、動作を説明する。
まず、上記給紙トレイに積載された印刷用紙25の位置に合わせて、排紙トレイ21上の各サイドプレート左・右22a,22b及びエンドプレート23を移動して所定の位置にそれぞれ設定する。このとき、各サイドプレート左・右22a,22bの排紙幅方向Yにおける設定幅は、印刷用紙25の用紙幅に合わせて位置決めされる。こうして、各サイドプレート左・右22a,22b及びエンドプレート23の位置決めが行われた後に、図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、スタートボタン(図示せず)を押下することによりスタート信号が送信される。このスタート信号が送信されると、上記駆動モータが回転駆動されることで版胴1が反時計回りに回転され、上記排版部の上記排版装置の駆動によって使用済みのマスタ9が版胴1の外周面から剥離されて上記排版ボックスに廃棄・排版される。
【0041】
使用済みのマスタ9が版胴1の外周面から剥離されて廃棄されると、版胴1は、クランパ7が図において略真上位置になる位置まで回転されて停止する。版胴1が停止すると、上記開閉装置によってクランパ軸7aが回転されることで、クランパ7が開放され給版待機状態となる。上記原稿が上記原稿読取部に搬送され原稿の画像情報が、原稿読取部のCCD(電荷結合素子等からなる画像センサ)で電気信号に変換され、A/D(アナログ/デジタル)変換器及び製版制御装置(共に図示せず)等を経由してデジタル画像信号に処理される。上記原稿のデジタル画像信号が、サーマルヘッド10の発熱素子にパルス状に通電され、上記画像情報に応じてサーマルヘッド10が主走査方向に作動されることにより、マスタ9に対して加熱穿孔製版が開始される。これと同時に、上記ステッピングモータが回転駆動することにより、プラテンローラ11及び搬送ローラ対12が回転されて、マスタ9が副走査方向に搬送されながらマスタ9の感熱合成樹脂フィルム部分が加熱穿孔されつつ製版が行われる。こうして、製版された製版済みのマスタ9の先端が、マスタガイド板14により案内されながらさらに搬送され、ステージ6と拡開したクランパ7との間に案内され、上記ステッピングモータのステップ数によりマスタ9の先端がクランパ7に届いたと判断されると、クランパ軸7aが回転されてクランパ7が閉じられ、マスタ9の先端がクランパ7とステージ6との間に挾持される。これと略同時に、版胴1がマスタ搬送速度と略同じ周速度で図中矢印で示す時計回りに回転されつつ、製版済みのマスタ9が版胴1の外周面に巻き付けられていく。
【0042】
そして、上記ステッピングモータのステップ数により製版が完了したと判断されると、カッタ13が作動して製版済みのマスタ9の後端部が切断されると共に、プラテンローラ11及び搬送ローラ対12の回転が停止され、切断された製版済みのマスタ9の後端が版胴1の回転によって引き出されて版胴1の外周面への巻装が完了する。
【0043】
版胴1の外周面への製版済みのマスタ9の巻装が完了すると同時に、駆動モータが回転駆動されることにより版胴1が時計回りに回転され、上記給紙部の上記分離給紙装置により上記給紙トレイ上に積載された最上位の印刷用紙25が1枚分離・給送され、レジストローラ対16でタイミングをとられて、版胴1とプレスローラ15との間に向けて搬送される。そして、レジストローラ対16とプレスローラ15との間の用紙搬送路上に配置された図示しない用紙検出センサによって印刷用紙25の給送が検知されることにより、上記係止手段によるプレスローラ15の保持状態が解除されて上記付勢スプリングの付勢力によって、プレスローラ15が版胴1の外周面に向けて上昇し、版胴1とプレスローラ15との間に挿入された印刷用紙25を版胴1に連続的に押圧する。そして、印刷用紙25がプレスローラ15で製版済みのマスタ9を介して版胴1に押圧されることにより、版胴1の表面の開孔部分から製版済みのマスタ9の穿孔部分を通過したインキが印刷用紙25の表面に転移されて印刷が行われる。なお、このとき、インキローラ2も版胴1の回転方向と同一方向に回転し、インキを版胴1の内周面に供給する。
【0044】
印刷された印刷済みの印刷用紙25aの先端は、版胴1に選択的に近接する剥離爪8により版胴1の外周面から剥離され、さらに上記吸着搬送装置で排紙方向Xの下流側へと搬送される。このとき、上記吸着搬送装置のジャンプ板対20によって、印刷済みの印刷用紙25a、すなわち排紙25aが、略U字形に腰付けされ排紙飛翔ラインXaを通って排紙トレイ21に向けて排出される。このとき、排紙25aの先端がエンドプレート23の面に一度衝突して跳ね返り、このエンドプレート23の面との衝突によって排紙25aが有する運動エネルギーを殆ど失った排紙25aは、各サイドプレート左・右22a,22bの内面壁22gに両排紙側縁部25bを案内され規制されながら降下して、両排紙側縁部25bが両揺動板30の各突出部30eに摺接し、順次下方の両揺動板30の各突出部30eに連続的に摺接しながら落下しつつ、排紙トレイ21の排紙積載面21bに整然と積載される。
【0045】
このとき、図5に示すように、エンドプレート23の面との衝突によって排紙25aが有する運動エネルギーを殆ど失った排紙25aの降下に伴って、先ず、排紙25aの両排紙側縁部25bが左右両側の最上段の各揺動板30における各摺接傾斜面上30cに摺接しながら落下するときに、排紙25aの自重が上記ねじりコイルバネの付勢力に打ち勝つことによって、左右両側の各摺接傾斜面上30c側が、揺動板軸30aを支点として時計回り及び反時計回りにそれぞれ揺動して各窓部22dの側壁内から外側へ向かってそれぞれ揺動・変位される。換言すれば、左右両側の揺動板30の突出部30eは、排紙25aの降下に伴って各摺接傾斜面上30cが排紙25aの各排紙側縁部25bを滑りながら揺動板軸30aを支点として時計回り及び反時計回りにそれぞれ揺動することにより、各窓部22dの側壁内から外側へ向かってそれぞれ揺動・変位される。これと同時に、左右両側の揺動板30の突出部30eにおける各摺接傾斜面下30dが、同様に排紙方向Xと直交する面で見て時計回り及び反時計回りにそれぞれ揺動して内面壁22gに接近し、各排紙側縁部25bが各摺接傾斜面下30dに摺接しながら降下していくこととなる。このようにして、排紙25aは、順に左右両側の複数の下方の揺動板30における各摺接傾斜面上30c及び各摺接傾斜面下30dに連続的に摺接しながら降下すると共に、排紙25aの略中央部が下方に撓んだU字形の湾曲状態を保ったまま降下し、排紙積載面21bに近接した位置で各揺動板30との摺接状態から開放されて排紙トレイ21の排紙積載面21b上に整然と積載されて排紙25aの両排紙側縁部25bの整合、すなわち排紙揃えがなされる。
【0046】
そして、上記印刷動作によりマスタ9にインキを充填する、いわゆる版付けあるいは試し刷りが行われると共に、プレスローラ15が版胴1から離間した初期位置に復帰し印刷待機状態となり、この後に、指定された枚数の印刷が、上記した給紙、印刷、排紙の各工程で連続的に繰り返されて行われる。
【0047】
指定された枚数の印刷が終了した後で、排紙25aの両排紙側縁部25b等の排紙揃えがなされた排紙25aの束を、排紙トレイ21から上方向に取り出すときには、上記のように整然と排紙揃えがなされた排紙25aの左右両側の各排紙側縁部25bが、今度は、左右両側の各揺動板30における各摺接傾斜面下30dから各摺接傾斜面上30cへと上記したと反対の順に連続的に摺接しつつ、各突出部30eが退避位置を上記したと反対の順に占めることとなって、排紙25aの束の取り出しが各揺動板30の突出部30e等になんらの損傷を与えることなくスムーズに行われる。
【0048】
(変形例1)
図6に実施例1の変形例1を示す。同図において、符号30Aは、変形例1の揺動板を示す。この変形例1は、実施例1の揺動板30に代えて、揺動板30Aを有することのみ相違する。
【0049】
揺動板30Aの突出部30Aeは、揺動板30の突出部30eに対して、逆「ハ」字状に傾斜した摺接傾斜面上30cに代えて、突出部30Aeにおける頂上部の内面壁22gからの突出寸法を小さくし、かつ、突出部30Aeにおける頂上部周辺の形状変化部を丸みを有する摺接丸み面30Acで形成して揺動板ストッパ30bへと略水平面状に接続形成したこと、及び「ハ」字状に傾斜した摺接傾斜面下30dに代えて、突出部30Aeにおける頂上部の内面壁22gからの突出寸法を小さくして、これにつながる「ハ」字状の傾斜面をさらに急勾配にした摺接傾斜面下30Adを有することのみ相違する。
【0050】
突出部30Aeにおける、揺動板ストッパ30bから略水平面状に接続された摺接丸み面30Acと摺接傾斜面下30Adとのなす角度は、各サイドプレート左・右22a,22bの内面壁22gから排紙積載面21b側に突出する突出部30Aeの突出量がこの変形例1のように規制されていて相対的に小さい場合にあっては、90度よりも小さい鋭角状であってもよい。
【0051】
揺動板30Aの突出部30Aeは、実施例1と同様に、排紙25aの各排紙側縁部25bが接触する各サイドプレート左・右22a,22bの内面壁22gから排紙積載面21b側に突出した突出位置と、この突出位置から各サイドプレート左・右22a,22bの外側に向けて退避した退避位置との間で変位自在となっている。
【0052】
この変形例1の動作について実施例1と相違する点のみ簡単に述べる。
揺動板30Aの突出部30Aeを、突出部30Aeにおける頂上部の突出寸法を小さくし、かつ、突出部30Aeにおける頂上部周辺の形状変化部を丸みを有する摺接丸み面30Acで形成して揺動板ストッパ30bへと略水平面状に接続形成したので、排紙25aの降下に伴って、先ず、排紙25aの左右両側の各排紙側縁部25bが、左右両側の最上段の各揺動板30Aにおける摺接丸み面30Acで摺接しながら落下し、以下実施例1と同様にして動作する。また、排紙トレイ21から排紙25aの束を上方向に取り出すときには、実施例1に準じてなんらの支障もなく行われることはいうまでもない。
【0053】
(変形例2)
図7に実施例1の別の変形例2を示す。同図において、符号30Bは、変形例2の揺動板を示す。この変形例2は、実施例1の揺動板30に代えて、揺動板30Bを有することのみ相違する。
【0054】
揺動板30Bの突出部30Beは、揺動板30の突出部30eにおける「ハ」字状に傾斜した摺接傾斜面下30dに代えて、鋸刃状の面が形成されていて「ハ」字状に傾斜した摺接傾斜面下30Bdを有することのみ相違する。
【0055】
揺動板30Bの突出部30Beは、実施例1と同様に、排紙25aの各排紙側縁部25bが接触する各サイドプレート左・右22a,22bの内面壁22gから排紙積載面21b側に突出した突出位置と、この突出位置から各サイドプレート左・右22a,22bの外側に向けて退避した退避位置との間で変位自在となっている。
【0056】
この変形例2の動作について実施例1と相違する点を中心に簡単に述べる。
排紙25aの降下に伴って、先ず、排紙25aの両排紙側縁部25bが左右両側の最上段の各揺動板30Bにおける各摺接傾斜面上30cに摺接しながら落下するときに、排紙25aの自重が上記ねじりコイルバネの付勢力に打ち勝つことによって、左右両側の各摺接傾斜面上30c側が、実施例1と同様にして揺動板軸30aを支点として時計回り及び反時計回りにそれぞれ揺動して各窓部22dの側壁内から外側へ向かってそれぞれ揺動・変位される。これと同時に、左右両側の揺動板30Bにおける各摺接傾斜面下30Bdが、同様に排紙方向Xと直交する面で見て時計回り及び反時計回りにそれぞれ揺動して内面壁22gに接近し、両排紙側縁部25bが左右両側の各摺接傾斜面下30Bdの鋸刃状の面の一つ一つに順に摺接しながら降下していくこととなる。このようにして、排紙25aは、順に左右両側の複数の下方の揺動板30Bにおける各摺接傾斜面上30c及び各摺接傾斜面下30Bdに連続的に摺接しながら降下すると共に、排紙25の略中央部が下方に撓んだU字形の湾曲状態を保ったまま降下し、排紙トレイ21に近接した位置で各揺動板30Bとの摺接状態から開放されて排紙トレイ21の排紙積載面21b上に整然と積載されて排紙25aの両排紙側縁部25bの排紙揃えがなされる。また、排紙トレイ21から排紙25aの束を上方向に取り出すときには、実施例1に準じてなんらの支障もなく行われることはいうまでもない。
【0057】
なお、変位可動部材は、上記実施例1及び各変形例等における揺動板30,30A,30Bの取付け構造に限らず、次のようなものであってもよい。
例えば図2に示すような揺動板30にあっては、揺動板30の下端部を揺動板軸30aで軸支する構造に代えて、揺動板30の上端部を揺動板軸30aで軸支すると共に、上記ねじりコイルバネを、揺動板30の下端部が突出位置を占める向きに付勢するように設けたものであってもよいし、あるいは揺動板30の上下の略山形形状を逆にした状態で揺動板30の上端部を揺動板軸30aで軸支すると共に、上記ねじりコイルバネを、揺動板30の下端部が突出位置を占める向きに付勢するように設けたものであってもよい。
【0058】
また、図6に示すような揺動板30Aにあっては、上下の略山形形状を逆にした状態で揺動板30Aの上端部を揺動板軸30aで軸支すると共に、上記ねじりコイルバネを、揺動板30Aの下端部が突出位置を占める向きに付勢するように設けたものであってもよい。同様に、図7に示すような揺動板30Bにあっては、上下の略山形形状を逆にした状態で揺動板30Bの上端部を揺動板軸30aで軸支すると共に、上記ねじりコイルバネを、揺動板30Bの下端部が突出位置を占める向きに付勢するように設けたものであってもよい。
【0059】
また、本発明の実施例は、上記実施例1及び各変形例等に限定されず、変位可動部材は、サイドプレートに直接的に軸支されている必要はなく、請求項1記載の発明における構成・構造を具備していれば、サイドプレートに対して別体的に配設されていてもよい。
【0060】
また、サイドプレートの配設数は、上記実施例1及び各変形例等に限定されず、上記実施例1及び各変形例等の利点を望まないのであれば、一つのサイドプレートを用紙幅方向Yに移動自在あるいは固定して配設してもよい。
【0061】
また、変位可動部材の配設数は、上記実施例1及び各変形例等に限定されず、上記実施例1及び各変形例等の利点を望まないのであれば、極言すれば1個のみであってもよい。勿論、変位可動部材は、上記実施例1及び各変形例等のように対をなすサイドプレートを有する場合にあっては、各変位可動部材の突出部が、落下してくる排紙の各排紙側縁部に摺接し、排紙の略中央部がU字形に湾曲した形状を確実に保ったまま排紙トレイの排紙積載面上に排出・積載されるので、サイドプレートが片側のみの場合に比べて排紙揃えが向上するため、各サイドプレートに同数、かつ、対称である同一位置に上記のように重合して設けられていることが好ましい。
【0062】
また、変位可動部材の配置は、上記実施例1及び各変形例等に限定されず、排紙方向Xの上流・下流のどの位置にあってもよく、また上記実施例1及び各変形例等のような揺動板30群の重合位置が、排紙方向Xに対して前後してもよく、さらには揺動板30群が複数列あってもよく、さらにまた排紙25aのサイドプレートの下方への落下に伴いU字形の湾曲形状が戻ってしまうのでそれを補うために、サイドプレートの下方にいくにしたがって、その略山形形状が徐々に大きくなるようにしてもよい。
【0063】
要するに、変位可動部材は、排紙25aを上向きに取り出すときに引っ掛からない略山形形状を形成した上で、言い替えれば請求項1記載の発明における構成・構造を具備した上で、変位可動部材の突出部が内面壁22g側から排紙積載面21b側に突出した横向きの略山形形状をなしていて、その山形形状における上下両ふもと部の何れか一方が軸支され、上下両ふもと部の何れか他方が排紙方向Xと直交する面で見てその軸の周りに時計回り及び反時計回りに揺動自在になされていて、かつ、変位可動部材の突出部を、突出位置を占める向きに付勢する変位付勢手段を有する構成であればよい(請求項3記載の発明参照)。
【0064】
また、本発明の実施例は、上記実施例1及び各変形例等における、ジャンプ板対20等の排紙腰付け手段によりU字形の湾曲が形成された排紙25aに限らず、複写機等の排紙装置から通常そのまま排出される排紙における各排紙側縁部の整合・排紙揃えをも良好になし得るものであって、それらの装置に適用できることはいうまでもない。これに加えて、本発明に用いられる用紙は、孔版印刷用の印刷用紙25に限らず、PPC用紙、あるいはプラスチックシート等であっても勿論よい。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、変位可動部材は、変位可動部材の突出部が落下してくる排紙の排紙側縁部に摺接した直後に退避位置を占め、上記突出部が排紙側縁部との摺接状態から開放された直後に突出位置を占めるように構成されていることにより、排紙の略中央部がU字形に湾曲した形状を保ったまま排紙トレイの排紙積載面上に排出・積載されるので、排紙揃えがよくなる。また、変位可動部材は、該変位可動部材の下部においてサイドプレートに軸支されており、排紙台に積載された排紙を上向きに取り出すときに上記突出部が退避位置を占めるように構成されていることにより、変位可動部材の突出部が排紙側縁部と接触しても、排紙の取り出しに支障とならない退避位置に変位するので変位可動部材が何ら邪魔せず、排紙取り出し時における操作上の面倒がなくなる。また従来のように、排紙を無理に取り出した場合等に、変位可動部材を逆方向に曲げて壊してしまうことも生じない、安価な排紙積載装置を提供することができる。
【0066】
請求項2記載の発明によれば、サイドプレートは、その内面壁が互いに平行となるべく対をなして排紙台上に設けられていることにより、サイドプレート対の各変位可動部材の突出部が、落下してくる排紙の各排紙側縁部に摺接し、排紙の略中央部がU字形に湾曲した形状を確実に保ったまま排紙トレイの排紙積載面上に排出・積載されるので、さらに排紙揃えがよくなる。
【0067】
請求項3記載の発明によれば、上記構成により、変位可動部材における略山形形状をなす突出部が落下してくる排紙の排紙側縁部に摺接するとき、略山形形状をなす突出部は、排紙の自重が変位付勢手段の付勢力に打ち勝つことでその軸の周りに揺動・変位して退避位置を占め、略山形形状をなす突出部が排紙側縁部との摺接状態から開放された直後に変位付勢手段の付勢力によってその軸の周りに揺動・変位して突出位置を占めることにより、排紙の略中央部がU字形に湾曲した形状を保ったまま排紙トレイの排紙積載面上に排出・積載されるので、排紙揃えがよくなる。また、排紙台に積載された排紙を上向きに取り出すとき、略山形形状をなす突出部は、排紙取り出し時の操作力が変位付勢手段の付勢力に打ち勝つことでその軸の周りに揺動・変位して退避位置を占めることにより、変位可動部材の突出部が排紙側縁部と接触しても、排紙の取り出しに支障とならない退避位置に変位するので変位可動部材が何ら邪魔せず、排紙取り出し時における操作上の面倒がなくなる。また従来のように、排紙を無理に取り出した場合等に、変位可動部材を逆方向に曲げて壊してしまうことも生じない、安価な排紙積載装置を提供することができる。
【0068】
請求項4記載の発明によれば、サイドプレートには、変位可動部材が上下方向に複数配設されていて、各変位可動部材の相隣る突出部同士が排紙方向と直交する面で見て上下方向に重合して配置されていることにより、排紙の排紙側縁部が、各変位可動部材の相隣る突出部に連続的に摺接しながら降下するので、U字形に湾曲した形状が形成された排紙が変位可動部材の途切れている降下位置で元の形状にもどってしまい、排紙積載が不安定となって排紙揃えが悪化するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用した孔版印刷装置の要部構成図である。
【図2】上記実施例1における排紙積載装置の要部の部分正断面図である。
【図3】図2の右側断面図である。
【図4】実施例1における排紙積載装置の揺動板の部分拡大斜視図である。
【図5】実施例1における排紙積載装置の動作を示す正断面図である。
【図6】実施例1の変形例1を示す排紙積載装置の要部の部分正断面図である。
【図7】実施例1の別の変形例2を示す排紙積載装置の要部の部分正断面図である。
【図8】排紙トレイ上における排紙揃えの不具合状態を表す説明図である。
【符号の説明】
21 排紙台としての排紙トレイ
21b 排紙積載面
22a,22b サイドプレート左・右
22g 内面壁
25a 排紙(印刷済みの印刷用紙)
25b 排紙側縁部
29 排紙積載装置
30,30A,30B 変位可動部材としての揺動板
30c,30d 略山形形状をなす摺接傾斜面上・下
30e,30Ae,30Be 突出部
30a 変位可動部材の軸としての揺動板軸
X 排紙方向
Y 排紙幅方向
Z 上下方向
Claims (4)
- 排紙を積載する排紙積載面を備えた排紙台と、上記排紙の排紙側縁部を案内し上記排紙積載面上に揃えるための上記排紙台に起立した少なくとも一つのサイドプレートとを有する排紙積載装置において、
上記排紙側縁部が接触する上記サイドプレートの内面壁から上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突出位置から外側に向けて退避した退避位置との間で変位自在であり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な突出部を備えた変位可動部材を少なくとも一つ有し、
上記変位可動部材は、該変位可動部材の下部において上記サイドプレートに軸支されており、
上記変位可動部材は、上記突出部が落下してくる上記排紙側縁部に摺接した直後に上記退避位置を占め、上記突出部が上記排紙側縁部との摺接状態から開放された直後に上記突出位置を占め、かつ、排紙台に積載された上記排紙を上方向に取り出すときに上記突出部が上記退避位置を占めるように構成されていることを特徴とする排紙積載装置。 - 上記サイドプレートは、上記内面壁が互いに平行となるべく対をなして上記排紙台上に設けられていることを特徴とする請求項1記載の排紙積載装置。
- 上記変位可動部材は、上記突出部が上記内面壁側から上記排紙積載面側に突出した横向きの略山形形状をなしていて、その山形形状における下ふもと部が軸支され、上ふもと部が排紙方向と直交する面で見てその軸の周りに時計回り及び反時計回りに揺動自在に構成されており、
上記変位可動部材の上記突出部を、上記突出位置を占める向きに付勢する変位付勢手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の排紙積載装置。 - 上記サイドプレートには上記変位可動部材が上下方向に複数配設されていて、上記各変位可動部材の相隣る上記突出部同士が、排紙方向と直交する面で見て上記上下方向に重合して配置されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の排紙積載装置。
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