JPH1081441A - 排紙積載装置 - Google Patents

排紙積載装置

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JPH1081441A
JPH1081441A JP23519396A JP23519396A JPH1081441A JP H1081441 A JPH1081441 A JP H1081441A JP 23519396 A JP23519396 A JP 23519396A JP 23519396 A JP23519396 A JP 23519396A JP H1081441 A JPH1081441 A JP H1081441A
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一喜 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排紙揃えがよく、排紙取り出し時における操
作上の面倒がないとともに、前の排紙の降下が遅れて次
に排出される排紙と衝突したり、あるいは突出位置への
復帰が遅れてU字形の湾曲形成が不安定になったりする
ことのない安価な排紙積載装置を提供することにある。 【解決手段】 排紙トレイ21と、サイドフェンス左・
右22a,22bとを具備し、排紙側縁部25bが接触
するサイドフェンス左・右22a,22bの内面壁22
gから排紙積載面21b側に突出した突出位置とこの突
出位置から外側に向けて退避した退避位置との間で移動
自在であり、かつ、排紙側縁部25bに摺接可能な略円
周面状の摺接面30aを備えた回転コロ30を複数有
し、回転コロ30は、自身の自重によって突出位置を占
め、飛翔落下してくる排紙25aの自重によってガイド
溝31aを転動・移動して退避位置を占める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷装置や複
写装置等の画像形成装置から排出される画像形成済みの
排紙等を排出し積載する排紙装置に関し、さらに詳しく
は排紙の側縁部を案内し排紙台上に揃えるための排紙積
載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】簡便な印刷装置として感熱デジタル製版
式の孔版印刷装置が良く知られている。この孔版印刷装
置では、熱可塑性樹脂フィルム(厚みは、大体1〜3μ
m程度のものが一般に用いられる)に、多孔質の支持体
として和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊
維とを混抄したもの等を貼り合わせたラミネート構造の
マスタを用いて、このマスタのフィルム面をサーマルヘ
ッドの発熱素子に接触させ、サーマルヘッドを主走査方
向に作動させながら選択的にマスタを熱溶融穿孔して画
像情報に基づいた穿孔画像を形成し、搬送手段のプラテ
ンローラ等でマスタを副走査方向に移動させながら、そ
の穿孔製版された製版済みのマスタを、多孔性の支持円
筒体にその外周を覆う樹脂あるいは金属網体のメッシュ
スクリーンが複数巻装されて構成された回転自在な版胴
に自動的に巻装させ、版胴内部のインキ供給手段よりイ
ンキを供給し、プレスローラ等の押圧手段で製版済みの
マスタを介して給送された印刷用紙を版胴に連続的に押
し付けることにより、版胴の開孔部分、さらにマスタの
穿孔部分よりインキを滲み出させ、このインキを印刷用
紙に転移させて印刷を行うようになっている。上記のよ
うにして印刷されインキが転移した印刷済みの印刷用紙
(以下、単に「排紙」と総称するときがある)は、剥離
爪等で版胴から剥離されながら吸着排紙搬送装置等によ
って搬送され、吸着排紙搬送装置上部に設けられた印刷
用紙の側縁部を隆起させるジャンプ板等によって、その
排紙の略中央部がその両排紙側縁部に対して下方に撓ん
だU字形の湾曲が形成されて排紙トレイに排出され排紙
積載面上に積載される。
【0003】一般に孔版印刷装置では、印刷用紙の表面
に転移したインキがその後速やかに繊維等で構成されて
いる印刷用紙内部に浸透して印刷用紙表面上のインキが
減少するように水分を多く含むインキが使用されてお
り、放置しておいても蒸発しないようにするためにオイ
ルの中に水を分散させたW/O形のエマルジョンインキ
が一般に用いられる。印刷用紙の表面に転移したインキ
の水分は、印刷用紙の繊維部分に浸透して印刷用紙の繊
維を膨潤させるために、インキの転移した印刷用紙の表
面側である印刷面側(一般には印刷用紙の上面側)が伸
びて、印刷用紙の中央部がその両側縁部に対して印刷面
側(印刷面が上面側である場合には上方)が逆U字形に
湾曲して変形しようとする。そこで、吸着排紙搬送装置
に設けられた上記ジャンプ板で、排紙の印刷面側の逆U
字形の湾曲を打ち消して強制的にU字形の湾曲を形成し
て、みかけの腰を強化するためにそのU字形の湾曲形状
を保った状態のまま排紙トレイに排出するようにしてい
る。
【0004】ところが、図13に示すように、例えば印
刷面側を上面側とした印刷済みの印刷用紙25a、すな
わち排紙25aが、排紙積載面21b上に落下する間
に、上述したインキ中の水分による印刷用紙の繊維の膨
潤によって、印刷面側の上面側に形成されたU字形の湾
曲形状からこれと反対のかまぼこ形の逆U字形の湾曲形
状に変形してしまうため、排紙25aの下面の空気の逃
げが不安定になり、排紙積載面21bに接地するまでに
排紙幅方向Yの左右に暴れて排紙揃えが悪化してしまう
という不具合があった。そのため、印刷終了後に仕分け
・区分けをする場合や後処理装置(例えばコレータとか
ソータ等)を使用する場合等においては、排紙25aを
きれいに揃え直す作業が必要となり非常に面倒なものと
なっていた。また、排紙25aが落下時に暴れてしまう
と、排紙積載面21b上に前に積載されている排紙25
aと次に積載される排紙25aとの間で擦れが発生し、
前の印刷画像のインキが次の排紙25aの下面に転移し
てしまう裏移りとか、印刷画像面を擦って汚してしまう
等の不具合も発生してしまう。特にベタ画像の多い印刷
を行ったとき等には転移するインキが多くなり、上記し
た不具合が発生しやすかった。
【0005】そこで、上記不具合の発生を防ぐために、
例えば特開平6−329327号公報に開示されている
ように、略「へ」字形の可動部材をサイドフェンスの内
側に突出するように設けて、排紙の両排紙側縁部を可動
部材のその突出部に当接させることにより、排紙の落下
時における上記両排紙側縁部の接地を中央部分よりも遅
らせるように作用させることによって、排紙をU字形に
湾曲した状態で落下させるようにして積載時における排
紙の整合を向上した技術が提案されている。
【0006】また、上記不具合の発生を防ぐために、特
開平7−137918号公報記載の技術も提案されてい
る。この技術は、球形や円筒形の誘導部材をアームを介
してサイドフェンスの上部から揺動可能に吊り下げ支持
し、球形や円筒形の誘導部材の一部をサイドフェンスの
内側に突出するように設けて、排紙の両排紙側縁部を可
動部材のその突出部に当接させることにより、排紙をU
字形に湾曲した状態で落下させることで積載時における
排紙の整合を向上したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
技術においては、排紙トレイから排紙を取り出すとき
に、排紙の両排紙側縁部が可動部材の突出部に干渉して
邪魔になるために、可動部材の突出部をサイドフェンス
内側から外側へ退避させる操作が必要であったり、可動
部材が邪魔しないようにサイドフェンスを外側に開くよ
うにして排紙を取り出す操作が必要であったりするとい
うように、排紙取り出し時における操作上の面倒があ
る。また、これらの操作上の面倒を解消するためにサイ
ドフェンス内側から外側へ退避させるガイドレールをサ
イドフェンスに形成したものにあっては、構造が複雑に
なるという問題点がある。
【0008】後者の技術においては、排紙の両排紙側縁
部と誘導部材との当接後から元の突出部を形成する位置
である突出位置に復帰するまでの揺動復帰動作にかなり
の時間を要することにより、前の排紙の降下が遅れて次
に排出される排紙と衝突したり、あるいは突出位置への
復帰が遅れてU字形の湾曲形成が不安定になったりする
問題点がある。また、同公報の図7に記載された技術に
あっては、誘導部材46が側板45の固定された位置に
おいて窪部47により回転自在に嵌合・支持されている
構造のため、窪部47に対する誘導部材46の回転時の
接触負荷の調整が難しいものとなったり、その信頼性の
確保に問題がある。
【0009】したがって、本発明の目的はかかる問題点
を解決するために、排紙揃えがよく、排紙取り出し時に
おける操作上の面倒がないとともに、前の排紙の降下が
遅れて次に排出される排紙と衝突したり、あるいは突出
位置や退避位置への復帰が遅れてU字形の湾曲形成が不
安定になったりすることのない安価な排紙積載装置を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明は、排紙を積載する排紙積
載面を備えた排紙台と、この排紙台上に起立可能に設け
られ、上記排紙の排紙側縁部を案内し排紙方向と直交す
る排紙幅方向の排紙揃えを行うための少なくとも一つの
サイドフェンスとを具備する排紙積載装置において、上
記排紙側縁部が接触する上記サイドフェンスの内面壁か
ら上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突出位置
から外側に向けて退避した退避位置との間で移動自在で
あり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な略円周面状の
摺接面を備えた少なくとも一つの摺接可動部材と、上記
突出位置と上記退避位置との間に上記摺接可動部材を移
動自在に案内する案内手段と、上記摺接可動部材をして
上記突出位置を占める向きに付勢する付勢手段とを有
し、上記摺接可動部材は、上記摺接面が落下してくる上
記排紙側縁部に摺接した直後に上記退避位置を占め、上
記摺接面が上記排紙側縁部との摺接状態から開放された
直後に上記突出位置を占め、かつ、排紙台に積載された
上記排紙を上方向に取り出すときに上記摺接面が上記退
避位置を占めるように構成されていることを特徴とす
る。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の排
紙積載装置において、上記摺接可動部材の少なくとも一
部を磁性体で形成するとともに上記摺接可動部材の上記
磁性体部分に対して吸着する磁石を上記案内手段の上部
に設けたことを特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の排紙積載装置において、上記サイドフェンスは、
上記内面壁が互いに平行となるべく対をなして上記排紙
台上に設けられていて、上記摺接可動部材は、各上記サ
イドフェンスに対をなして複数設けられていることを特
徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は、排紙を積載する排
紙積載面を備えた排紙台と、この排紙台上に起立可能に
設けられ、上記排紙の排紙側縁部を案内し排紙方向と直
交する排紙幅方向の排紙揃えを行うための少なくとも一
つのサイドフェンスとを具備する排紙積載装置におい
て、上記排紙側縁部が接触する上記サイドフェンスの内
面壁から上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突
出位置から外側に向けて退避した退避位置との間で移動
自在であり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な略円周
面状の摺接面を備えた回動可能な少なくとも一つの摺接
可動部材と、上記突出位置と上記退避位置との間に上記
摺接可動部材を移動自在に案内する案内手段とを有し、
上記摺接可動部材は、その自重により上記突出位置を占
めるように構成されており、かつ、上記摺接面が落下し
てくる上記排紙側縁部に摺接した直後に上記退避位置を
占め、上記摺接面が上記排紙側縁部との摺接状態から開
放された直後に上記突出位置を占め、かつ、排紙台に積
載された上記排紙を上方向に取り出すときに上記摺接面
が上記退避位置を占めるように構成されていることを特
徴とする。
【0014】請求項5記載の発明は、排紙を積載する排
紙積載面を備えた排紙台と、この排紙台上に起立可能に
設けられ、上記排紙の排紙側縁部を案内し排紙方向と直
交する排紙幅方向の排紙揃えを行うための少なくとも一
つのサイドフェンスとを具備する排紙積載装置におい
て、上記排紙側縁部が接触する上記サイドフェンスの内
面壁から上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突
出位置から外側に向けて退避した退避位置との間で移動
自在であり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な略円周
面状の摺接面を備えた回動可能な少なくとも一つの摺接
可動部材と、上記突出位置と上記退避位置との間に上記
摺接可動部材を移動自在に案内する案内手段とを有し、
上記摺接可動部材の少なくとも一部が着磁されており、
上記摺接可動部材の着磁部分に対して吸着する第1の磁
石を上記案内手段の上部に設けるとともに、上記摺接可
動部材の着磁部分に対して反発する第2の磁石を上記案
内手段における上記退避位置近傍に設け、上記摺接可動
部材は、上記摺接面が落下してくる上記排紙側縁部に摺
接した直後に上記退避位置を占め、上記摺接面が上記排
紙側縁部との摺接状態から開放された直後に上記突出位
置を占め、かつ、排紙台に積載された上記排紙を上方向
に取り出すときに上記摺接面が上記退避位置を占めるよ
うに構成されていることを特徴とする。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項4または5
記載の排紙積載装置において、上記サイドフェンスは、
上記内面壁が互いに平行となるべく対をなして上記排紙
台上に設けられていて、上記摺接可動部材は、各上記サ
イドフェンスに対をなして複数設けられていることを特
徴とする。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
の何れか一つに記載の排紙積載装置において、上記摺接
可動部材と上記案内手段との接触部分の少なくとも一方
を低摩擦部材で形成したことを特徴とする。
【0017】ここで、「略円周面状」の摺接面とは、一
定幅の帯状をなす円周面を指す他、円周面の一部が凹部
状に凹んだ摺接面をも含む。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の排紙積載装置に係る実施例を含む発明の実施の形態に
ついて詳述する。なお、各図において、図面の簡明化を
図るため各構成部品を適宜省略する。また、図において
一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がな
い構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を
適宜記載することでその説明に代えるものとする。構成
部品の形状およびその配置位置を説明する際において、
排紙方向の下流側を「前」とその上流側を「後」という
ときがあり、また排紙方向から見て排紙幅方向の紙面の
手前側を「左」と、紙面の奥側を「右」というときがあ
る。以下説明する各発明の実施の形態および変形例等に
亘り、同一の形状および機能を有する構成部品等につい
ては同一の符号を付すことによりその説明をできるだけ
省略する。
【0019】(実施の形態1)図1ないし4を参照し
て、本発明の排紙積載装置に係る第1の発明の実施の形
態(以下、単に「実施の形態1」という)を説明する。
図1は、実施の形態1を適用した印刷装置の全体構成を
模式的に示す。この印刷装置は、穿孔製版されたマスタ
を用いて印刷を行う孔版印刷装置であり、まず、この孔
版印刷装置の全体構成について簡単に説明する。
【0020】図1において、左上部には孔版印刷装置を
構成する周知の製版部が配設されている。上記製版部
は、ホルダ手段(図示せず)、プラテンローラ11、サ
ーマルヘッド10、搬送ローラ対12、カッタ13およ
びマスタガイド板14から主に構成されていて、マスタ
搬送方向の上流側から下流側に亘りこの順に上記各構成
部品が配置されている。
【0021】マスタ9は、ロール芯9bの周りにロール
状に巻き付けられてマスタロール9aが形成されてい
る。マスタロール9aは、ロール芯9bがホルダ手段
(図示せず)により回転可能に支持されていることによ
り、回転自在となっている。マスタ9は、図示しない製
版部側板に回転自在に支持されたプラテンローラ11
に、多数の発熱素子を有するサーマルヘッド10によっ
て押圧される。プラテンローラ11に連結されたステッ
ピングモータ(図示せず)の回転駆動により、プラテン
ローラ11が時計回りに回転されることで、マスタ9が
マスタロール9aからマスタ搬送方向へ繰り出されるよ
うになっている。サーマルヘッド10は、バネ部材(図
示せず)によりマスタ9を介してプラテンローラ11に
付勢されている。搬送ローラ対12は、互いに押圧した
状態で上記製版部側板に回転自在に支持されている。搬
送ローラ対12は、プラテンローラ11の搬送速度より
もわずかに速い周速度で回転するように設定されてい
て、マスタ9の搬送時においてマスタ9との間で滑りな
がらマスタ9に適度な張力が付与されるようになってい
る。カッタ13は、製版された製版済みのマスタ9を設
定された長さに切断するギロチンタイプの上下刃を有す
るものが用いられている。なお、上記のように上下刃を
有するカッタ13に限らず、回転刃移動タイプ等のカッ
タであっても勿論よい。カッタ13におけるマスタ搬送
下流側には、上記製版部側板間に固設されていて、マス
タ9の先端を案内するマスタガイド板14が設けられて
いる。
【0022】上記製版部の右下方には、周知の印刷部が
配設されている。上記印刷部は、版胴1、インキ供給手
段、押圧手段としてのプレスローラ15から主に構成さ
れる。上記インキ供給手段は、インキパイプ5、インキ
ローラ2およびドクタローラ3から主に構成される。
【0023】版胴1は、多孔性支持円筒体とその外周を
覆う樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーン(図示
せず)とが複数層巻装されて構成されており、このよう
にして構成された版胴1の外周面にはマスタ9が巻装さ
れる。版胴1の両端部には、一対のフランジ(図示せ
ず)が固設されている。版胴1は、上記フランジ対が、
この孔版印刷装置の筐体側板(図示せず)に着脱自在に
支持されたインキパイプ5を支軸として回転自在に支持
されており、図示しない駆動モータによって駆動力を伝
達されて時計回りおよび反時計回りの両方向に回転され
る。上記インキ供給手段は、版胴の内部に配設されてい
る。インキパイプ5には図示しない側板対が固設されて
いて、インキローラ2は、上記側板対に回転自在に支持
されたインキローラ軸2aが、ギヤあるいはベルト等の
駆動伝達手段により版胴1と同期して同方向に回転され
る。ドクタローラ3は、インキローラ2の外周面とわず
かに隙間を設けて配設され、インキローラ2とドクタロ
ーラ3との間の楔状空間に形成されるインキ溜り4のイ
ンキをインキローラ2の外表面に供給する。インキ溜り
4のインキは、インキ供給装置(図示せず)によって版
胴1の外部に配置されたインキパック等からインキポン
プ等(図示せず)を介して吸引され、インキパイプ5に
形成された供給孔5aよりインキ溜り4に供給されて混
練される。
【0024】版胴1の非開孔部表面には、版胴1の一つ
の母線に沿って、磁性体でできたステージ6が設けられ
ている。版胴1上にはステージ6と平行にクランパ軸7
aが回動可能に支持されており、このクランパ軸7aに
はステージ6と平行に開閉可能なクランパ7が一体的に
設けられている。クランパ7には、ゴム磁石板が固定さ
れている。クランパ7は、版胴1が所定位置に停止され
たときに、上記筐体側板の所定位置近傍に設けられた開
閉装置(図示せず)の駆動力がクランパ軸7aに伝達さ
れることにより開閉される。版胴1は、上記インキ供給
手段とともにドラムユニットを構成していて、上記筐体
側板に支持されているインキパイプ5を介してインキパ
イプ5の軸線方向に上記ドラムユニットごと着脱自在と
なっている。
【0025】プレスローラ15は、版胴1の下方に版胴
1の外周面に対して接離自在に設けられている。プレス
ローラ15は、図示しないカム等により版胴1の外周面
に対して接離可能に昇降自在となっており、付勢スプリ
ング等(図示せず)により版胴1に向けて付勢されてい
て、印刷用紙25の通紙時以外は係止手段(図示せず)
によって版胴1から離間した位置に保持されている。
【0026】版胴1およびプレスローラ15の右側に
は、周知の給紙部が配設されている。この給紙部は、給
紙トレイ(図示せず)、分離給紙装置(図示せず)およ
びレジストローラ対16から主に構成される。
【0027】上記給紙トレイは印刷用紙25を積載する
ものであり、上記分離給紙装置は、上記給紙トレイの上
方に配設されており、上記給紙トレイ上の印刷用紙25
を1枚ずつ分離して用紙搬送方向の下流側へ給送する周
知の給紙ローラおよび分離ユニット(共に図示せず)か
らなる。レジストローラ対16は、上記分離給紙装置か
ら給送されてくる印刷用紙25をプレスローラ15と版
胴1との間にタイミングをとって挿入する周知の機能を
有し、互いに当接した状態で回転自在に上記筐体側板に
支持されている。
【0028】版胴1を挟んで上記製版部に対向する図に
おいて右斜め上方には、版胴1の外周面に巻装された使
用済みのマスタ9を剥離して搬送し、その使用済みのマ
スタ9を図示しない排版ボックスに廃棄・排版するため
の排版装置等を具備する周知の排版部(共に図示せず)
が配設されるようになっている。
【0029】版胴1およびプレスローラ15を挟んで上
記給紙部に対向する図において左側には、特徴のある排
紙部が配設されている。この排紙部は、ジャンプ板20
等を備えた周知の吸着排紙搬送装置と、周知の剥離爪8
と、排紙トレイ21および一対のサイドフェンス左・右
としてのサイドプレート左・右22a,22b等を具備
する排紙積載装置28とから主に構成されている。
【0030】上記吸着排紙搬送装置は、上記筐体側板に
回転自在に支持された排紙ローラ後17および排紙ロー
ラ前18と、排紙ローラ後17および排紙ローラ前18
に張設された排紙ベルト19と、排紙ベルト19の下方
に配置された吸引ファン(図示せず)とからなる。排紙
ベルト19は、図示しない駆動手段により排紙ローラ前
18が回転されることにより、版胴1の周速度よりも若
干速い周速度で排紙方向Xに駆動される。上記吸引ファ
ンは、剥離爪8により剥離され排紙ベルト19上に排出
された排紙25aを排紙ベルト19上に吸着する。ジャ
ンプ板20は、略山形状に形成されており、排紙ベルト
19上方近傍の排紙ローラ前18側にその頂上部を臨ま
せて排紙方向Xの左右に一対設けられている。ジャンプ
板対20は、排紙25aの両排紙側縁部を隆起させて、
排紙25aの中央部がその両排紙側縁部に対して下方に
U字形に撓んで湾曲するように腰付けする周知の機能を
有する。図1において、符号Xaで示す矢印仮想線は、
排紙25aの中央部における排紙飛翔ラインを示す。こ
の排紙飛翔ラインXaは、ジャンプ板対20によってU
字形に湾曲形成された排紙25aが、ジャンプ板対20
の上面から排紙トレイ21上の一対のサイドプレート左
22aおよびサイドプレート右22b上端近傍に排出さ
れるに至る排紙通路を表している。
【0031】剥離爪8は、上記吸着排紙搬送装置の上方
であって版胴1の外周面に近接自在に配設されている。
剥離爪8は、上記筐体側板に回動自在に支持された剥離
爪軸8aに一体的に固設されていて、版胴1の外周面に
選択的に接近して印刷済みの印刷用紙25aを版胴1の
外周面より剥離する機能を有する。図において一番左側
には、排出された排紙25aを積載する排紙積載面21
bを備えた排紙台としての排紙トレイ21が上記筐体側
板に保持されている。
【0032】図3にのみ示すように、排紙トレイ21に
おける排紙幅方向Yの左右両側には、断面矩形状に切り
欠かれたトレイ窓21aがそれぞれ形成されていて、こ
れらトレイ窓21aは排紙幅方向Yの中央近傍部に至る
まで延在して形成されている。左右両側のトレイ窓21
aの両内側下縁部には、図1ないし図3に示すように、
ステーを兼ねた支持板24が排紙幅方向Yに延在してそ
れぞれ設けられている。各支持板24は、排紙幅方向Y
と直交する面から見て下向きに開口した略チャンネル状
をなしていて、各支持板24の各上面が排紙トレイ21
の排紙積載面21bと同一面に形成されている。各支持
板24は、排紙幅方向Yの中央近傍部における排紙トレ
イ21に延在し連結・固定されている。
【0033】左右両側の各支持板24の上面には、その
基部22eが略L形をなす一対のサイドプレート左22
aおよびサイドプレート右22bが排紙積載面21bに
対して起倒可能に載置されている。これらサイドプレー
ト左22aおよびサイドプレート右22bの各内面壁2
2gは、互いに平行となるべく対をなして排紙トレイ2
1上に起立可能に設けられていて、排紙25aの両排紙
側縁部25b(図5参照)が接触可能となっている。
【0034】以下、サイドプレート左22a側廻りおよ
びサイドプレート右22b側廻りの構造は、左右対称に
同様に構成されているので、図1ないし図5を参照し
て、その片側であるサイドプレート左22a側廻りにつ
いてのみ述べる。サイドプレート左22aの基部22e
は、その外側が略L形に厚く形成されている。サイドプ
レート左22aの基部22eの前後両端部は、プレート
支点軸22cおよび加圧板26を配置させるための切欠
き22hが形成されている。サイドプレート左22aの
基部22eには、プレート支点軸22cを緩く挿通する
貫通孔22fが形成されていて、サイドプレート左22
aは、プレート支点軸22cの周りに排紙積載面21b
側、すなわちサイドプレート左22aの内側に起倒自在
となっている。サイドプレート左22aの基部22eに
近接した、プレート支点軸22cの排紙方向Xにおける
前後両端には、上向きに開口した略チャンネル状をなす
加圧板26が配設されている。加圧板26の各フランジ
面は、「コ」の字形に切り欠かれており、このように
「コ」の字形に切り欠かれた加圧板26の各フランジ面
が、支持板24の各フランジ面を挟む形で係合してい
る。上下方向Zにおける支持板24と加圧板26との間
には、その図示を省略した圧縮バネが設けられており、
サイドプレート左22aを支持板24に押圧するように
なっている。
【0035】上記した構造のとおり、各サイドプレート
左・右22a,22bは、トレイ窓21aに沿って各加
圧板26と一体的に支持板24上を摺動してそれぞれ移
動自在になっており、印刷用紙25の用紙幅でもある排
紙幅に応じて移動されるようになっているとともに、各
サイドプレート左・右22a,22bは、各プレート支
点軸22cを中心として、排紙25aが積載される排紙
積載面21b側でもある内側に起倒可能となっていて、
かつ、その逆の外側にも所定角度回動可能になってい
る。それ故に、排紙トレイ21の孔版印刷装置の本体側
への収納時には、各サイドプレート左・右22a,22
bを排紙トレイ21の内側にそれぞれ折り畳んで排紙ト
レイ21ごと収納されるような周知の構成となってい
る。
【0036】排紙方向Xの最下流側における排紙トレイ
21上には、図1にのみ示すように、排紙25aの先端
を受け止めて排紙25aの先端の位置決めを行うため
の、排紙方向Xの前後に移動自在な周知のエンドプレー
ト23が起立して設けられている。排紙トレイ21の排
紙積載面21bは、上記した一対のサイドプレート左・
右22a,22bとエンドプレート23とで矩形状に区
切られた範囲となっている。
【0037】サイドプレート左22aの中央部よりも後
側寄りの部位には、ガイド部31がそれぞれ一体的に形
成されている。サイドプレート左22aおよびガイド部
31は、例えば軽量素材のABS樹脂で一体成形されて
いる。なお、サイドプレート左22aおよびガイド部3
1は、上記の合成樹脂に限らず、アクリル樹脂、ポリア
セタール(POM)等の合成樹脂、あるいはアルミニウ
ム合金やマグネシウム合金等の金属で一体的にあるいは
別体的に形成されたものであってもよい。ガイド部31
は、サイドプレート左22aの外面壁側に突出するとと
もに、排紙積載面21bに対して略垂直に縦長に成形さ
れている。ガイド部31には、サイドプレート左22a
の内面壁22gに開口したガイド溝31aが上下方向Z
に亘り4箇所成形されている。各ガイド溝31aは、各
ガイド部31における前後の両側壁31eおよび外壁に
囲まれて成形されている。各ガイド溝31aは、サイド
プレート左22aの外面壁から内面壁22gに向けて下
方に傾斜した所定の勾配を持ってそれぞれ形成されてい
る。各ガイド溝31aの開口下部には、図4に詳しく示
されているように、上方に盛り上がった係止突起31b
がそれぞれ形成されている。ガイド溝31aは、後述す
るように、突出位置と退避位置との間に回転コロ30を
移動自在に案内する案内手段としての機能を有する。
【0038】各ガイド溝31a内には、排紙25aの排
紙側縁部25bに摺接可能な円周面状の摺接面30aを
備えた摺接可動部材としての回転コロ30がそれぞれ嵌
入されている。回転コロ30は、ポリアセタール(PO
M)からなる合成樹脂で薄形円板状に成形されていて、
軽量化が図られている。なお、回転コロ30は、上記の
合成樹脂に限らず、軽量素材のABS樹脂、アクリル樹
脂もしくはポリアセタール(POM)等の合成樹脂と
か、あるいはアルミニウム合金やマグネシウム合金等の
金属で成形されたものであってもよい。
【0039】各回転コロ30は、各ガイド溝31aの下
面上に転動可能に配設されていて、排紙側縁部25bが
接触するサイドプレート左22aの内面壁22gから排
紙積載面21b側に突出した突出位置(図2および図4
に示す位置)とこの突出位置から外側に向けて退避した
退避位置(図5に示されているガイド部31の一番上に
示されている回転コロ30の位置)との間で移動自在に
配設されている。すなわち、各回転コロ30は、非印刷
時等において排紙揃えが行なわれないときにはその自重
により各ガイド溝31aの係止突起31bの部位で係止
保持されるようになっている。一方、印刷時等において
排紙揃えが行われるときには、各サイドプレート左22
aおよびサイドプレート右22bの内面壁22gに沿っ
て飛翔降下してくる排紙25aの自重によって排紙25
aの排紙側縁部25bが回転コロ30の摺接面30aに
摺接することにより、回転コロ30は、突出位置からガ
イド溝31aの勾配に抗しながら転動しつつ退避位置へ
と移動されることとなる。
【0040】回転コロ30とガイド溝31aとの両部材
の接触部分、より詳しく言えば回転コロ30の摺接面3
0aとガイド溝31aの下面とガイド溝31aの開口近
傍の上面とには、低摩擦部材としてのテフロン(商品
名:ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂を含
む)膜層が形成されている。これにより、回転コロ30
とガイド溝31aとの接触部分の摩擦抵抗が低減されて
回転コロ30移動時の接触負荷が低減されることによっ
て、突出位置から退避位置へのあるいは退避位置から突
出位置への移動復帰動作が素早く行われるようになると
ともに、回転コロ30とガイド溝31aとの接触部分の
摩耗によって上記移動復帰動作が不安定になってしまう
ことも低減される。
【0041】ガイド溝31aの上記所定の勾配は、突出
位置から退避位置への回転コロ30の移動が遅れてしま
い、前の排紙25aの抵抗となって排紙25aの降下が
遅れ、次に排出される排紙25aの先端と衝突したり、
退避位置から突出位置に復帰する回転コロ30の移動が
遅れてしまってU字形の湾曲形成が不安定になったりし
ないような回転コロ30の適度な移動力となるように設
定されている。
【0042】上記の構造のとおり、サイドプレート左2
2aおよびサイドプレート右22bは、各内面壁22g
が互いに平行となるべく対をなして排紙トレイ21上に
起立可能に設けられており、左右の各ガイド部31にお
いて各ガイド溝31aに嵌入された各回転コロ30は、
左右対称位置であって上下方向Zに対をなして複数(こ
の実施の形態1における実施例では4個ずつ)設けられ
ている。それ故に、排紙25aは、その両排紙側縁部2
5bが左右両側で対をなす回転コロ30の各摺接面30
aに摺接しながら降下するときに、下方に隣る回転コロ
30の摺接面30aに順次連続的に摺接しつつU字形の
湾曲形状を保ったまま排紙トレイ21の排紙積載面21
b上に整然と積載されて排紙25aの両排紙側縁部25
bの排紙揃えがなされる。
【0043】したがって、上記の各構成により、回転コ
ロ30は、一つの回転コロ30に注目して見た場合、そ
の摺接面30aが落下してくる排紙25aの排紙側縁部
25bに摺接した直後に上記退避位置を占め、回転コロ
30の摺接面30aが排紙側縁部25bとの摺接状態か
ら開放された直後に突出位置を占め、かつ、排紙トレイ
21に積載された排紙25aを上向きに取り出すとき
に、回転コロ30の摺接面30aが退避位置を占めるよ
うに構成されている。
【0044】次に、動作を説明する。まず、上記給紙ト
レイに積載された印刷用紙25の載置位置に合わせて、
排紙トレイ21上の各サイドプレート左・右22a,2
2bおよびエンドプレート23を移動して所定の位置に
それぞれ設定する。このとき、各サイドプレート左・右
22a,22bの排紙幅方向Yにおける設定幅は、印刷
用紙25の用紙幅に合わせて位置決めされる。こうし
て、各サイドプレート左・右22a,22bおよびエン
ドプレート23の位置決めが行われた後に、図示しない
原稿読取部に原稿がセットされ、スタートボタン(図示
せず)を押下することにより、スタート信号が送信され
る。このスタート信号が送信されると、上記駆動モータ
が回転駆動されることで版胴1が反時計回りに回転さ
れ、上記排版部における上記排版装置の駆動によって使
用済みのマスタ9が版胴1の外周面から剥離されて上記
排版ボックスに廃棄・排版される。
【0045】使用済みのマスタ9が版胴1の外周面から
剥離されて廃棄されると、版胴1は、クランパ7が図に
おいて略真上位置になる位置まで回転されて停止する。
版胴1が停止すると、上記開閉装置によってクランパ軸
7aが回転されることで、クランパ7が開放され給版待
機状態となる。上記原稿が上記原稿読取部に搬送され原
稿の画像情報が、原稿読取部のCCD(電荷結合素子等
からなる画像センサ)で電気信号に変換され、A/D
(アナログ/デジタル)変換器および製版制御装置(共
に図示せず)等を経由してデジタル画像信号に処理され
る。上記原稿のデジタル画像信号が、サーマルヘッド1
0の発熱素子にパルス状に通電され、上記画像情報に応
じてサーマルヘッド10が主走査方向に作動されること
により、マスタ9に対して加熱穿孔製版が開始される。
これと同時に、上記ステッピングモータが回転駆動する
ことにより、プラテンローラ11および搬送ローラ対1
2が回転されて、マスタ9が副走査方向に搬送されなが
らマスタ9の感熱合成樹脂フィルム部分が加熱穿孔され
つつ製版が行われる。こうして製版された製版済みのマ
スタ9の先端が、マスタガイド板14により案内されな
がらさらに搬送され、ステージ6と拡開したクランパ7
との間に案内され、上記ステッピングモータのステップ
数によりマスタ9の先端がクランパ7に届いたと判断さ
れると、クランパ軸7aが回転されてクランパ7が閉じ
られ、マスタ9の先端がクランパ7とステージ6との間
に挾持される。これと略同時に、版胴1がマスタ搬送速
度と略同じ周速度で図中矢印で示す時計回りに回転され
つつ、製版済みのマスタ9が版胴1の外周面に巻き付け
られていく。
【0046】そして、上記ステッピングモータのステッ
プ数により製版が完了したと判断されると、カッタ13
が作動して製版済みのマスタ9の後端部が切断されると
ともに、プラテンローラ11および搬送ローラ対12の
回転が停止され、切断された製版済みのマスタ9の後端
が版胴1の回転によって引き出されて版胴1の外周面へ
の巻装が完了する。
【0047】版胴1の外周面への製版済みのマスタ9の
巻装が完了すると同時に、駆動モータが回転駆動される
ことにより版胴1が時計回りに回転され、上記給紙部の
上記分離給紙装置により上記給紙トレイ上に積載された
最上位の印刷用紙25が1枚分離・給送され、レジスト
ローラ対16でタイミングをとられて、版胴1とプレス
ローラ15との間に向けて搬送される。そして、レジス
トローラ対16とプレスローラ15との間の用紙搬送路
上に配置された図示しない用紙検出センサによって印刷
用紙25の給送が検知されることにより、上記係止手段
によるプレスローラ15の保持状態が解除されて上記付
勢スプリングの付勢力によって、プレスローラ15が版
胴1の外周面に向けて上昇し、版胴1とプレスローラ1
5との間に挿入された印刷用紙25を版胴1に連続的に
押圧する。そして、印刷用紙25がプレスローラ15で
製版済みのマスタ9を介して版胴1に押圧されることに
より、版胴1の表面の開孔部分から製版済みのマスタ9
の穿孔部分を通過したインキが印刷用紙25の表面に転
移されて印刷が行われる。なお、このとき、インキロー
ラ2も版胴1の回転方向と同一方向に回転し、インキを
版胴1の内周面に供給する。
【0048】印刷された印刷済みの印刷用紙25aの先
端は、版胴1に選択的に近接する剥離爪8により版胴1
の外周面から剥離され、さらに上記吸着排紙搬送装置で
排紙方向Xの下流側へと搬送される。このとき、上記吸
着排紙搬送装置のジャンプ板対20によって、印刷済み
の印刷用紙25a、すなわち排紙25aが、略U字形に
腰付けされ排紙飛翔ラインXaを通って排紙トレイ21
に向けて排出される。このとき、排紙25aの両排紙側
縁部25bは各サイドプレート左・右22a,22bの
上部の内面壁22gに沿って案内されつつ、排紙25a
の先端が、エンドプレート23の面に一度衝突して跳ね
返る。こうしてエンドプレート23の面との衝突によっ
て排紙25aが有する運動エネルギーを殆ど失った排紙
25aは、各サイドプレート左・右22a,22bの内
面壁22gに両排紙側縁部25bを案内され規制されな
がらその自重により降下して、両排紙側縁部25bが左
右両側の各回転コロ30の摺接面30aに摺接し、順次
下方の左右両側の各回転コロ30の摺接面30aに連続
的に摺接しながら落下しつつ、排紙トレイ21の排紙積
載面21bに整然と積載される。
【0049】このとき図5に示すように、エンドプレー
ト23の面との衝突によって排紙25aが有する運動エ
ネルギーを殆ど失った排紙25aの降下に伴って、先
ず、排紙25aの両排紙側縁部25bが左右両側の最上
段における各回転コロ30の摺接面30aに摺接しなが
ら落下するときに、排紙25aの自重が回転コロ30の
自重およびガイド溝31aの勾配による抵抗に打ち勝つ
ことによって、左右両側の回転コロ30が、ガイド溝3
1aの係止突起31b部に係止保持されている突出位置
からガイド溝31aの下面上を転動して退避位置に移動
することとなる。
【0050】このようにして、排紙25aは、順に下方
における左右両側の回転コロ30の各摺接面30aに連
続的に摺接しながら降下するとともに、排紙25aの略
中央部が下方に撓んだU字形の湾曲状態を保ったまま降
下し、排紙積載面21bに近接した位置で各回転コロ3
0との摺接状態から開放されて排紙トレイ21の排紙積
載面21b上に整然と積載されて排紙25aの両排紙側
縁部25bの整合、すなわち排紙揃えがなされる。
【0051】そして、上記印刷動作によりマスタ9にイ
ンキを充填する、いわゆる版付けあるいは試し刷りが行
われるとともに、プレスローラ15が版胴1から離間し
た初期位置に復帰し印刷待機状態となり、この後に、指
定された枚数の印刷が、上記した給紙、印刷、排紙の各
工程で連続的に繰り返されて行われる。
【0052】指定された枚数の印刷が終了した後で、排
紙25aの両排紙側縁部25b等の排紙揃えがなされた
排紙25aの束を、排紙トレイ21から上方向に取り出
すときには、上記のように整然と排紙揃えがなされた排
紙25aの左右両側の各排紙側縁部25bが、今度は、
各サイドプレート左・右22a,22bの一番下方に配
置されている左右両側の各回転コロ30の摺接面30a
と上記したと反対の順に連続的に摺接しつつ、左右両側
の各回転コロ30が退避位置を上記したと反対の順に占
めることとなって、排紙25aの束の取り出しが各回転
コロ30の突出部等になんらの損傷を与えることなくス
ムーズに行われる。
【0053】なお、排紙25aが各サイドプレート左・
右22a,22bの最上方まで積載されている場合にあ
っては、各回転コロ30は退避位置を占めていることと
なり、排紙25aの束の取り出しには何ら支障を与える
ことがない。
【0054】(変形例1)図6に実施の形態1の変形例
1を示す。同図において、符号30Aは、変形例1の回
転コロを示す。この変形例1は、実施の形態1の回転コ
ロ30に代えて、回転コロ30Aを有することのみ相違
する。回転コロ30Aは、回転コロ30に対して、ボタ
ン孔状の軽量孔30Aaを複数有していて、複数箇所く
り抜かれて軽量化が図られていることのみ相違する。
【0055】(変形例2)図7に実施の形態1の変形例
2を示す。同図において、符号30Bは、変形例2の回
転コロを示す。この変形例2は、実施の形態1の回転コ
ロ30に代えて、回転コロ30Bを有することのみ相違
する。回転コロ30Bは、円板状の回転コロ30に対し
て、ドーナツ状にその内部がくり抜かれて軽量化が図ら
れていることのみ相違する。
【0056】したがって、上記変形例1および2によれ
ば、回転コロ30よりも軽量化が図られた各回転コロ3
0A,30Bを有するので、上記実施の形態1の回転コ
ロ30を用いた場合に比べて、材料の節減がなされると
ともに、排紙25aの排紙側縁部25bが回転コロ30
の摺接面30aに摺接したときにおける転動移動の応答
性をよくすることができる。
【0057】(変形例3)図8に実施の形態1の変形例
3を示す。同図において、符号30Cは、変形例3の回
転コロを示す。この変形例3は、実施の形態1の回転コ
ロ30に代えて、回転コロ30Cを有すること、および
回転コロ30を転動移動可能に案内するガイド溝31a
に代えて回転コロ30Cを回動可能に支持しながら移動
可能に案内する長孔31cを有することが主に相違す
る。
【0058】回転コロ30Cは、回転コロ30に対し
て、回転コロ30Cの前後側壁の中央から突出して一体
成形された軸部30bを有することのみ相違する。一
方、ガイド部31の前後の側壁31e(図8では後の側
壁31eのみ示されている)には、軸部30bを嵌入し
て転動移動可能に案内する長孔31cがそれぞれ形成さ
れている。各長孔31cは、各ガイド部31の外面壁か
ら内面壁22gに向けて下方に傾斜した所定の勾配を持
ってそれぞれ形成されている。各長孔31cは、サイド
プレート左22aの内面壁22gに開口していて、各長
孔31cの上記開口部寄りの下面部には上方に盛り上が
った係止突起31dがそれぞれ形成されている。長孔3
1cは、突出位置と退避位置との間にガイド溝31aお
よび軸部30bを介して回転コロ30Cを移動自在に案
内する案内手段としての機能を有する。
【0059】回転コロ30Cは、前後の軸部30bが前
後の両長孔31cに転動可能に配設されていて、かつ、
回転コロ30Cの摺接面30aがガイド溝31aの下面
上から浮いた状態で摩擦抵抗負荷を低減するように、排
紙側縁部25bが接触するサイドプレート左22aの内
面壁22gから排紙積載面21b側に突出した突出位置
(図8に示す位置)とこの突出位置から外側に向けて退
避した退避位置(図示せず)との間で移動自在に配設さ
れている。
【0060】長孔31cの上記所定の勾配は、実施の形
態1のガイド溝31aの所定の勾配と同様に、突出位置
から退避位置への回転コロ30Cの移動が遅れてしま
い、前の排紙25aの抵抗となって排紙25aの降下が
遅れ、次に排出される排紙25aの先端と衝突したり、
退避位置から突出位置に復帰する回転コロ30Cの移動
が遅れてしまってU字形の湾曲形成が不安定になったり
しないような回転コロ30Cの適度な移動力となるよう
に設定されている。
【0061】回転コロ30Cの軸部30bと長孔31c
との両部材の各接触部分には、低摩擦部材としてのテフ
ロン(商品名:ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素
樹脂含む)膜層が形成されている。これにより、回転コ
ロ30Cの軸部30bと長孔31cとの接触部分の摩擦
抵抗が軽減されて回転コロ30C移動時の抵抗負荷が低
減されることによって、回転コロ30Cにおける突出位
置から退避位置へのあるいは退避位置から突出位置への
移動復帰動作が素早く行われるようになるとともに、回
転コロ30Cの軸部30bと長孔31cとの接触部分の
摩耗によって上記移動復帰動作が不安定になってしまう
ことも低減される。
【0062】各回転コロ30Cは、非印刷時等において
排紙揃えが行なわれないときには、その自重により各長
孔31cの係止突起31dの部位で係止保持されるよう
になっている。一方、印刷時等において排紙揃えが行わ
れるときには、各サイドプレート左22aおよびサイド
プレート22bの内面壁22gに沿って飛翔降下してく
る排紙25aの自重によって、排紙25aの排紙側縁部
25bが回転コロ30Cの摺接面30aに摺接すること
により、回転コロ30Cは、突出位置から、軸部30b
が長孔31cの勾配に抗しながら転動されることによっ
て、回転コロ30Cの摺接面30aがガイド溝31aの
上下面に対して非接触状態を保ちつつ退避位置へと素早
く移動されることとなる。
【0063】したがって、上記変形例3の排紙積載装置
によれば、上記実施の形態1の回転コロ30を用いた場
合に比べて、ガイド溝31aよりも接触部分の小さい長
孔31cで軸部30bを回動自在に支持し移動するよう
に構成されていることにより、回転コロ30Cが突出位
置ないし退避位置に亘り移動するとき、摺接面30aが
ガイド溝31aに非接触状態で移動するので、その摩擦
抵抗負荷を低減してよりスムーズで素早い移動が実現で
きる。
【0064】(変形例4)図9に実施の形態1の変形例
4を示す。この変形例4は、実施の形態1に対して、ガ
イド溝31aに代えてガイド溝31a’を有すること、
および回転コロ30をして突出位置を占める向きに付勢
する付勢手段としての板バネ33を付設したことのみ相
違する。
【0065】ガイド溝31a’は、所定の勾配を有する
ガイド溝31aに対して、水平に形成されていること、
係止突起31bに代えて係止突起31b’がガイド溝3
1a’の開口上下部にそれぞれ形成されていること、お
よび回転コロ30と接触するガイド溝31a’の接触部
分に実施の形態1と同様のテフロン膜層が形成されてい
ることのみ相違する。
【0066】板バネ33は、ガイド溝31a’の上面か
ら排紙幅方向Yの内側における斜め下方に傾斜して設け
られていて、その先端が回転コロ30の摺接面30aに
常時接触するように配置されている。板バネ33の付勢
力は、図9に示すように、回転コロ30の摺接面30a
の一部が内面壁22gから突出した状態であって、回転
コロ30が係止突起31b’に係止保持される突出位置
を占めるように設定されているとともに、印刷時等にお
いて排紙揃えが行われるときに、排紙25aの排紙側縁
部25bが回転コロ30の摺接面30aに摺接すること
に伴う回転コロ30の転動で、回転コロ30が退避位置
を占めることを許容する程度に設定されている。換言す
れば、板バネ33の付勢力は、突出位置から退避位置へ
の回転コロ30の移動が遅れてしまい、前の排紙25a
の抵抗となって排紙25aの降下が遅れ、次に排出され
る排紙25aの先端と衝突したり、退避位置から突出位
置に復帰する回転コロ30の移動が遅れてしまってU字
形の湾曲形成が不安定になったりしないような回転コロ
30の適度な移動力となるように設定されている。
【0067】(変形例5)図10に変形例3の別の変形
例5を示す。この変形例5は、変形例3に対して、ガイ
ド溝31aに代えてガイド溝31a’を有すること、長
孔31cに代えて長孔31c’および回転コロ30Cを
して突出位置を占める向きに付勢する付勢手段としての
板バネ33を付設したことのみ相違する。
【0068】長孔31c’は、上記所定の勾配を持って
形成された長孔31cに対して、水平に形成されている
点のみ相違する。各長孔31c’は、サイドプレート左
22aの内面壁22gに開口していて、各長孔31c’
の上記開口部寄りの下面部には上方に盛り上がった係止
突起31d’がそれぞれ形成されている。長孔31c’
は、突出位置と退避位置との間にガイド溝31a’およ
び軸部30bを介して回転コロ30Cを移動自在に案内
する案内手段としての機能を有する。
【0069】回転コロ30Cは、前後の軸部30bが前
後の両長孔31c’に転動可能に配設されていて、か
つ、回転コロ30Cの摺接面30aがガイド溝31aの
下面上から浮いた状態で摩擦抵抗負荷を低減するよう
に、排紙側縁部25bが接触するサイドプレート左22
aの内面壁22gから排紙積載面21b側に突出した突
出位置(図10に示す位置)とこの突出位置から外側に
向けて退避した退避位置(図示せず)との間で移動自在
に配設されている。
【0070】板バネ33は、ガイド溝31a’の上面か
ら排紙幅方向Yの内側における斜め下方に傾斜して設け
られていて、その先端が回転コロ30の軸部30b周面
に常時接触するように配置されている。板バネ33の付
勢力は、図10に示すように、回転コロ30Cの摺接面
30aの一部が内面壁22gから突出した状態であっ
て、回転コロ30Cの軸部30bが係止突起31d’に
係止保持される位置で回転コロ30Cが突出位置を占め
るように設定されているとともに、印刷時等において排
紙揃えが行われるときに、排紙25aの排紙側縁部25
bが回転コロ30Cの摺接面30aに摺接することに伴
っての、回転コロ30Cの軸部30bが長孔31c’内
を転動移動することで回転コロ30Cが退避位置を占め
ることを許容する程度に設定されている。回転コロ30
Cの軸部30bと長孔31c’との両部材の各接触部分
には、変形例3と同様のテフロン膜層が形成されてい
る。
【0071】(変形例6)図11に変形例4の別の変形
例6を示す。この変形例6は、変形例4に対して、回転
コロ30に代えて、少なくともその一部が強磁性体で形
成された回転コロ30Dを有すること、および回転コロ
30Dの上記強磁性体部分に対して吸着する第1の磁石
としての磁石34を有することが主に相違する。
【0072】回転コロ30Dは、例えばステンレススチ
ール等の強磁性体部材がその摺接面30aに巻着されて
いる。磁石34は、板状をなしていて、フェライトまた
は希土類の永久磁石が用いられている。磁石34は、ガ
イド溝31a’の上面部分に取付けられている。板バネ
33は、強磁性体で形成された回転コロ30Dとの接触
によって着磁される可能性があるので、非磁性体材料で
あるポリアセタール(POM)等の合成樹脂で形成する
ことが望ましい。なお、回転コロ30Dは、強磁性体部
材を摺接面30aに巻着することに限らず、ポリアセタ
ール(POM)等の合成樹脂で形成した部分と強磁性体
部材で形成した部分とのサンドイッチ構造で形成したも
の等であってもよい。回転コロ30Dの摺接面30aと
接触するガイド溝31a’の係止突起31b’の接触部
分には、低摩擦部材としてのテフロン膜層を形成するこ
とが望ましい。
【0073】変形例6では、上記構成により、回転コロ
30Dは、各ガイド溝31a’の上部に設けられた磁石
34で常時吸着されていてガイド溝31a’の下面から
浮いた状態にあって、排紙側縁部25bが接触するサイ
ドプレート左22aの内面壁22gから排紙積載面21
b側に突出した突出位置(図11に示す位置)とこの突
出位置から外側に向けて退避した退避位置(図示せず)
との間で移動自在に配設されている。すなわち、回転コ
ロ30Dは、非印刷時等において排紙揃えが行なわれな
いときには板バネ33の付勢力によってガイド溝31
a’の開口上下部にそれぞれ形成された係止突起31
b’の部位で係止保持されるようになっている。一方、
印刷時等において排紙揃えが行われるときには、排紙2
5aの排紙側縁部25bが回転コロ30Dの摺接面30
aに摺接することにより、回転コロ30Dは、板バネ3
3の付勢力に抗しながら、突出位置からガイド溝31
a’を介して磁石34における排紙幅方向Yに沿って転
動して退避位置へと移動されることとなる。
【0074】したがって、変形例6によれば、変形例4
に比べて、突出位置ないし退避位置に亘る回転コロ30
D移動時における接触負荷等をさらに低減することがで
きる利点がある。
【0075】(変形例7)図12に変形例6の別の変形
例7を示す。この変形例7は、変形例6に対して、回転
コロ30Dに代えて、少なくともその一部が着磁された
回転コロ30Eを有すること、および板バネ33を除去
し、これに代えて回転コロ30Eの着磁部分に対して反
発する第2の磁石としての磁石35を有することが主に
相違する。
【0076】回転コロ30Eの形状は、変形例2におけ
る回転コロ30Bと略同じようにドーナツ状にその内部
がくり抜かれて形成されている。回転コロ30Eは、摺
接面30aを含む外周部30Eaと内周部30Ebとか
らなる。回転コロ30Eは、例えば着磁材を分散させて
成形したプラスチックマグネット等の着磁材料でできて
いる。回転コロ30Eは、着磁装置により、摺接面30
aを含む全外周部30EaがN極となるように着磁さ
れ、回転コロ30Eの内周部30EbがS極となるよう
に着磁されている。一方、磁石35は、直方体状をな
し、フェライトまたは希土類の永久磁石が用いられてい
る。磁石35は、ガイド部31におけるガイド溝31
a’の内面壁側、すなわち回転コロ30Eの退避位置近
傍に取付けられている。そして、第1の磁石としての磁
石34は、その下部側がS極となるようにガイド溝31
a’の上面に取付けられている。
【0077】変形例7では、上記構成により、回転コロ
30Eは、各ガイド溝31a’の上部に設けられた磁石
34で常時吸着されていて、ガイド溝31a’の下面か
ら浮いた状態にあって、排紙側縁部25bが接触するサ
イドプレート左22aの内面壁22gから排紙積載面2
1b側に突出した突出位置(図12に示す位置)とこの
突出位置から外側に向けて退避した退避位置(図示せ
ず)との間で移動自在に配設されている。すなわち、回
転コロ30Eは、非印刷時等において排紙揃えが行なわ
れないときにはガイド溝31a’の退避位置近傍に設け
られた磁石35で常時反発付勢力を受けていて、その反
発付勢力によってガイド溝31a’の係止突起31b’
の部位で係止保持されるようになっている。一方、印刷
時等において排紙揃えが行われるときには、排紙25a
の排紙側縁部25bが回転コロ30Eの摺接面30aに
摺接することにより、回転コロ30Eは、磁石35の反
発付勢力に抗しながら突出位置からガイド溝31a’を
介して磁石34に沿って転動して退避位置へと移動され
ることとなる。
【0078】したがって、変形例7によれば、変形例6
と比べて、回転コロ30Eに対して磁石35による反発
付勢力が非接触状態で付与されているので、突出位置な
いし退避位置に亘る回転コロ30Eの移動時における接
触負荷等や摩耗をさらに一層低減することができる。
【0079】本発明の実施の形態は、上記実施の形態1
および変形例1ないし7等に限定されず、摺接可動部材
は、サイドフェンスに直接的に配設されている必要はな
く、請求項1ないし7記載の各発明における構成・構造
を具備していれば、サイドフェンスに対して別体的に配
設されていてもよい。
【0080】また、サイドフェンスの配設数は、上記実
施の形態1および変形例1ないし7等に限定されず、上
記実施の形態1および変形例1ないし7等の利点を望ま
ないのであれば、一つのサイドフェンスを用紙幅方向Y
に移動自在あるいは固定して配設してもよい。
【0081】また、摺接可動部材の配設数は、上記実施
の形態1および各変形例等に限定されず、上記実施の形
態1および各変形例等の利点を望まないのであれば、極
言すれば1個のみであってもよい。勿論、摺接可動部材
は、上記実施の形態1および各変形例等のように対をな
すサイドフェンスを有する場合にあっては、各摺接可動
部材の突出部が、落下してくる排紙の各排紙側縁部に摺
接し、排紙の略中央部がU字形に湾曲した形状を確実に
保ったまま排紙トレイの排紙積載面上に排出・積載され
るので、サイドフェンスが片側のみの場合に比べて排紙
揃えが向上するため、各サイドフェンスに同数、かつ、
対称である同一位置に上記のように対向して対に設けら
れていることが好ましい。
【0082】また、摺接可動部材の配置は、上記実施の
形態1および各変形例等に限定されず、排紙方向Xの上
流・下流のどの位置にあってもよく、また上記実施の形
態1および各変形例等のような各回転コロ30,30
A,30B,30C,30D,30E群の配置位置が、
排紙方向Xに対して前後してもよく、さらには各回転コ
ロ30,30A,30B,30C,30D,30E群が
複数列あってもよく、さらにまた排紙25aのサイドフ
ェンスの下方への落下に伴いU字形の湾曲形状が戻って
しまうのでそれを補うために、サイドフェンスの下方に
いくにしたがって、内面壁22gからの各回転コロ3
0,30A,30B,30C,30D,30Eの突出部
の突出寸法が徐々に大きくなるようにしてもよい。
【0083】また、本発明の実施の形態は、上記実施の
形態1および各変形例等における、ジャンプ板対20等
の排紙腰付け手段によりU字形の湾曲が形成された排紙
25aに限らず、複写機等の排紙装置から通常そのまま
排出される排紙における各排紙側縁部の整合・排紙揃え
をも良好になし得るものであって、それらの装置に適用
できることはいうまでもない。これに加えて、本発明に
用いられる用紙は、孔版印刷用の印刷用紙25に限ら
ず、PPC用紙、あるいはプラスチックシート等であっ
ても勿論よい。
【0084】以上述べたとおり、本発明を特定の発明の
実施の形態や変形例あるいはこれらに包含されている実
施例等について説明したが、本発明の構成は、上述した
実施の形態1および変形例1ないし7等に限定されるも
のではなく、これらを適宜組合わせて構成してもよく、
本発明の範囲内において、その必要性及び用途等に応じ
て種々の発明の実施の形態や実施例を構成し得ることは
当業者ならば明らかである。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、上記構成により、摺接可動部材は、摺接可
動部材の突出部が、落下してくる排紙の排紙側縁部に摺
接した直後に排紙の自重によって、案内手段に案内され
つつ付勢手段の付勢力に抗して移動して退避位置を占
め、摺接可動部材の突出部が排紙側縁部との摺接状態か
ら開放された直後に、付勢手段の付勢力によって案内手
段に案内されつつ移動して突出位置を占めるように構成
されていることにより、排紙の略中央部がU字形に湾曲
した形状を保ったまま排紙トレイの排紙積載面上に排出
・積載されるので、排紙揃えがよくなる。排紙台に積載
された排紙を上向きに取り出すときに、摺接可動部材の
突出部が、案内手段に案内されつつ付勢手段の付勢力に
抗して移動して退避位置を占めるように構成されている
ことにより、摺接可動部材の突出部が排紙側縁部と接触
しても、排紙の取り出しに支障とならない退避位置に変
位するので摺接可動部材が何ら邪魔せず、排紙取り出し
時における操作上の面倒がなくなる。また、従来のよう
に、排紙を無理に取り出した場合等に、摺接可動部材を
逆方向に曲げて壊してしまうことも生じないとともに、
前の排紙の降下が遅れて次に排出される排紙と衝突した
り、あるいは突出位置への摺接可動部材の復帰が遅れて
U字形の湾曲形成が不安定になったりすることのない排
紙積載の安定した安価な排紙積載装置を提供することが
できる。
【0086】請求項2記載の発明によれば、摺接可動部
材の少なくとも一部を磁性体で形成するとともに摺接可
動部材の磁性体部分に対して吸着する磁石を案内手段の
上部に設けたことにより、摺接可動部材は、摺接可動部
材の磁性体部分が案内手段の上部に設けられた磁石で吸
着された状態で、かつ、案内手段の下面から浮いた状態
で、磁石に沿って案内手段に案内されつつ突出位置ない
し退避位置に亘り移動することができる。したがって、
請求項1記載の発明の効果に加えて、さらに、摺接可動
部材の移動時における接触負荷が低減され、突出位置や
退避位置への摺接可動部材の移動復帰動作が素早く行わ
れるようになるので、前の排紙の降下が遅れて次に排出
される排紙と衝突したり、あるいは突出位置への摺接可
動部材の復帰が遅れてU字形の湾曲形成が不安定になっ
たりすることのない排紙積載の安定した排紙積載装置を
提供することができる。
【0087】請求項3および6記載の発明によれば、サ
イドフェンスは、その内面壁が互いに平行となるべく対
をなして排紙台上に設けられていて、摺接可動部材が各
サイドフェンスに対をなして複数設けられていることに
より、飛翔落下してくる排紙の各排紙側縁部が、略同じ
位置においてサイドフェンス対における各摺接可動部材
の突出部に摺接しながら降下するようになり、排紙の略
中央部がU字形に湾曲した形状を確実に保ったまま排紙
台の排紙積載面上に排出・積載されるので、上記各発明
の効果に加えて、さらに排紙揃えがよくなるとともに、
排紙積載の安定した排紙積載装置を提供することができ
る。
【0088】請求項4記載の発明によれば、上記構成に
より、摺接可動部材は、摺接可動部材の突出部が、落下
してくる排紙の排紙側縁部に摺接した直後に排紙の自重
によって、案内手段に案内されつつ自身の自重に抗して
移動して退避位置を占め、上記突出部が排紙側縁部との
摺接状態から開放された直後に、自身の自重によって案
内手段に案内されつつ移動して突出位置を占めるように
構成されていることにより、排紙の略中央部がU字形に
湾曲した形状を保ったまま排紙トレイの排紙積載面上に
排出・積載されるので、排紙揃えがよくなる。排紙台に
積載された排紙を上向きに取り出すときには、摺接可動
部材の突出部が、案内手段に案内されつつ自身の自重に
抗して移動して退避位置を占めるように構成されている
ことにより、摺接可動部材の突出部が排紙側縁部と接触
しても、排紙の取り出しに支障とならない退避位置に変
位するので摺接可動部材が何ら邪魔せず、排紙取り出し
時における操作上の面倒がなくなる。また、従来のよう
に、排紙を無理に取り出した場合等に、摺接可動部材を
逆方向に曲げて壊してしまうことも生じないとともに、
前の排紙の降下が遅れて次に排出される排紙と衝突した
り、あるいは突出位置への復帰が遅れてU字形の湾曲形
成が不安定になったりすることのない排紙積載の安定し
た排紙積載装置を提供することができる。加えて、付勢
手段等の構成部品を不要としていることにより、部品点
数を減らすことができて、さらに安価な排紙積載装置を
提供することができる。
【0089】請求項5記載の発明によれば、摺接可動部
材の少なくとも一部が着磁されており、摺接可動部材の
着磁部分に対して吸着する第1の磁石を案内手段の上部
に設け、摺接可動部材の着磁部分に対して反発する第2
の磁石を案内手段における退避位置近傍に設けたことに
より、摺接可動部材は、摺接可動部材の突出部が、落下
してくる排紙の排紙側縁部に摺接した直後に排紙の自重
によって、摺接可動部材の着磁部分が案内手段の上部に
設けられた第1の磁石で吸着された状態で、かつ、案内
手段の下面から浮いた状態で、第1の磁石に沿って案内
手段に案内されつつ第2の磁石の反発付勢力に抗して移
動して退避位置を占め、摺接可動部材の突出部が排紙側
縁部との摺接状態から開放された直後に、第2の磁石の
反発付勢力によって案内手段に案内されつつ第1の磁石
に沿って移動して突出位置を占めるように構成されてい
ることにより、排紙の略中央部がU字形に湾曲した形状
を保ったまま排紙トレイの排紙積載面上に排出・積載さ
れるので、排紙揃えがよくなる。排紙台に積載された排
紙を上向きに取り出すときに、摺接可動部材の突出部
が、第1の磁石に沿って案内手段に案内されつつ第2の
磁石の反発付勢力に抗して移動して退避位置を占めるよ
うに構成されていることにより、摺接可動部材の突出部
が排紙側縁部と接触しても、排紙の取り出しに支障とな
らない退避位置に変位するので摺接可動部材が何ら邪魔
せず、排紙取り出し時における操作上の面倒がなくな
る。また、従来のように、排紙を無理に取り出した場合
等に、摺接可動部材を逆方向に曲げて壊してしまうこと
も生じない安価な排紙積載装置を提供することができ
る。また、摺接可動部材に対する付勢が反発付勢力によ
って非接触状態で行われるので、摺接可動部材の移動時
における接触負荷が低減されて突出位置や退避位置への
摺接可動部材の移動復帰動作が素早く行われるようにな
るとともに、摺接可動部材に対する摩耗が低減されるの
で、前の排紙の降下が遅れて次に排出される排紙と衝突
したり、あるいは突出位置への復帰が遅れてU字形の湾
曲形成が不安定になったりすることのない排紙積載の安
定した排紙積載装置を提供することができる。
【0090】請求項7記載の発明によれば、摺接可動部
材と案内手段との接触部分の少なくとも一方を低摩擦部
材で形成したことにより、摺接可動部材の移動時におけ
る接触負荷が低減されて、突出位置や退避位置への摺接
可動部材の移動復帰動作が素早く行われるようになるの
で、さらに、排紙積載の安定した排紙積載装置を提供す
ることができる。また、摺接可動部材と案内手段との接
触部分の摩耗が低減されるので、この摩耗の影響によっ
て摺接可動部材の移動復帰動作が不安定になってしまう
こと等も低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態1の排紙積載装置を適
用した孔版印刷装置の要部構成図である。
【図2】上記実施の形態1における排紙積載装置の要部
を示す部分正断面図である。
【図3】図2の左側断面図である。
【図4】実施の形態1における排紙積載装置の回転コロ
の部分拡大斜視図である。
【図5】実施の形態1における排紙積載装置の動作を示
す正断面図である。
【図6】実施の形態1の変形例1を示す回転コロの要部
の部分正断面図である。
【図7】実施の形態1の変形例2を示す回転コロの要部
の部分正断面図である。
【図8】実施の形態1の変形例3を示す回転コロの要部
の部分正断面図である。
【図9】実施の形態1の変形例4を示す回転コロの要部
の部分正断面図である。
【図10】変形例3の別の変形例5を示す回転コロの要
部の部分正断面図である。
【図11】変形例4の別の変形例6を示す回転コロの要
部の部分正断面図である。
【図12】変形例6の別の変形例7を示す回転コロの要
部の部分正断面図である。
【図13】排紙トレイ上における従来の排紙揃えの不具
合状態を表す説明図である。
【符号の説明】
21 排紙台としての排紙トレイ 21b 排紙積載面 22a,22b 一対のサイドフェンスとしてのサイ
ドプレート左・右 22g 内面壁 25 印刷用紙 25a 排紙(印刷済みの印刷用紙) 25b 排紙側縁部 28 排紙積載装置 30,30A,30B,30C,30D,30E 摺接
可動部材としての回転コロ 30a 摺接面 30b 回転コロの軸部 31 ガイド部 31a,31a’ 案内手段としてのガイド溝 31c,31c’ 案内手段としての長孔 33 付勢手段としての板バネ 34 第1の磁石 35 第2の磁石 X 排紙方向 Y 排紙幅方向 Z 上下方向

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排紙を積載する排紙積載面を備えた排紙台
    と、この排紙台上に起立可能に設けられ、上記排紙の排
    紙側縁部を案内し排紙方向と直交する排紙幅方向の排紙
    揃えを行うための少なくとも一つのサイドフェンスとを
    具備する排紙積載装置において、 上記排紙側縁部が接触する上記サイドフェンスの内面壁
    から上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突出位
    置から外側に向けて退避した退避位置との間で移動自在
    であり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な略円周面状
    の摺接面を備えた少なくとも一つの摺接可動部材と、 上記突出位置と上記退避位置との間に上記摺接可動部材
    を移動自在に案内する案内手段と、 上記摺接可動部材をして上記突出位置を占める向きに付
    勢する付勢手段とを有し、 上記摺接可動部材は、上記摺接面が落下してくる上記排
    紙側縁部に摺接した直後に上記退避位置を占め、上記摺
    接面が上記排紙側縁部との摺接状態から開放された直後
    に上記突出位置を占め、かつ、排紙台に積載された上記
    排紙を上方向に取り出すときに上記摺接面が上記退避位
    置を占めるように構成されていることを特徴とする排紙
    積載装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の排紙積載装置において、 上記摺接可動部材の少なくとも一部を磁性体で形成する
    とともに、上記摺接可動部材の上記磁性体部分に対して
    吸着する磁石を上記案内手段の上部に設けたことを特徴
    とする排紙積載装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の排紙積載装置にお
    いて、 上記サイドフェンスは、上記内面壁が互いに平行となる
    べく対をなして上記排紙台上に設けられていて、上記摺
    接可動部材は、各上記サイドフェンスに対をなして複数
    設けられていることを特徴とする排紙積載装置。
  4. 【請求項4】排紙を積載する排紙積載面を備えた排紙台
    と、この排紙台上に起立可能に設けられ、上記排紙の排
    紙側縁部を案内し排紙方向と直交する排紙幅方向の排紙
    揃えを行うための少なくとも一つのサイドフェンスとを
    具備する排紙積載装置において、 上記排紙側縁部が接触する上記サイドフェンスの内面壁
    から上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突出位
    置から外側に向けて退避した退避位置との間で移動自在
    であり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な略円周面状
    の摺接面を備えた回動可能な少なくとも一つの摺接可動
    部材と、 上記突出位置と上記退避位置との間に上記摺接可動部材
    を移動自在に案内する案内手段とを有し、 上記摺接可動部材は、その自重により上記突出位置を占
    めるように構成されており、かつ、上記摺接面が落下し
    てくる上記排紙側縁部に摺接した直後に上記退避位置を
    占め、上記摺接面が上記排紙側縁部との摺接状態から開
    放された直後に上記突出位置を占め、かつ、排紙台に積
    載された上記排紙を上方向に取り出すときに上記摺接面
    が上記退避位置を占めるように構成されていることを特
    徴とする排紙積載装置。
  5. 【請求項5】排紙を積載する排紙積載面を備えた排紙台
    と、この排紙台上に起立可能に設けられ、上記排紙の排
    紙側縁部を案内し排紙方向と直交する排紙幅方向の排紙
    揃えを行うための少なくとも一つのサイドフェンスとを
    具備する排紙積載装置において、 上記排紙側縁部が接触する上記サイドフェンスの内面壁
    から上記排紙積載面側に突出した突出位置とこの突出位
    置から外側に向けて退避した退避位置との間で移動自在
    であり、かつ、上記排紙側縁部に摺接可能な略円周面状
    の摺接面を備えた回動可能な少なくとも一つの摺接可動
    部材と、 上記突出位置と上記退避位置との間に上記摺接可動部材
    を移動自在に案内する案内手段とを有し、 上記摺接可動部材の少なくとも一部が着磁されており、
    上記摺接可動部材の着磁部分に対して吸着する第1の磁
    石を上記案内手段の上部に設けるとともに、上記摺接可
    動部材の着磁部分に対して反発する第2の磁石を上記案
    内手段における上記退避位置近傍に設け、 上記摺接可動部材は、上記摺接面が落下してくる上記排
    紙側縁部に摺接した直後に上記退避位置を占め、上記摺
    接面が上記排紙側縁部との摺接状態から開放された直後
    に上記突出位置を占め、かつ、排紙台に積載された上記
    排紙を上方向に取り出すときに上記摺接面が上記退避位
    置を占めるように構成されていることを特徴とする排紙
    積載装置。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の排紙積載装置にお
    いて、 上記サイドフェンスは、上記内面壁が互いに平行となる
    べく対をなして上記排紙台上に設けられていて、上記摺
    接可動部材は、各上記サイドフェンスに対をなして複数
    設けられていることを特徴とする排紙積載装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6の何れか一つに記載の排
    紙積載装置において、 上記摺接可動部材と上記案内手段との接触部分の少なく
    とも一方を低摩擦部材で形成したことを特徴とする排紙
    積載装置。
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JP2015101474A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 株式会社リコー 用紙後処理装置、及びこれを備えた画像形成システム

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