JP3758517B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭において使用される加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に従来構成の加熱調理器について図11を用いて説明する。図11は従来構成の加熱調理器のブロック図である。図において、1は商用電源、2は負荷鍋、3は加熱手段で、整流器31、加熱コイル32、スイッチング素子33、およびインバータ回路34を備えている。4は温度センサで負荷鍋2の温度を検知する。5はトッププレートで、負荷鍋2と温度センサ4との間に存在する。6は通電制御手段で加熱手段3を通電制御する。9は電源プラグで商用電源1と機器を電気的に接続する。
【0003】
以上のように構成された加熱調理器について、その動作を説明する。通電制御手段6は、温度センサ4で検知する温度データと制御温度との関係に基づき加熱手段3の出力目標値を決定し、スイッチング素子33を数十KHzでオンオフして加熱手段3の出力が前記出力目標値となるように加熱コイル32への印加電流を制御して、鍋底が平坦な負荷鍋2内に例えば油を入れて揚げ物調理を行ったときに前記油を揚げ物調理に最適な温度に維持するように制御している。
【0004】
ところが、前記構成では、鍋底が反った負荷鍋2を使用し、鍋内に油を入れて揚げ物調理を行うと、温度センサ4は負荷鍋2の温度を正確に検知することができず、温度センサ4で検知する温度と負荷鍋2内の油との温度差が大きくなって負荷鍋2内の油の温度がその分過度に上昇してしまう。
【0005】
これを解決する構成として、特開平6−89780号公報に示すように、負荷鍋2内の油の量が影響しない比較的低温領域にて温度センサ4で検知する温度上昇勾配に基づき負荷鍋2の鍋底の反り量を検知し、前記鍋底の反り量に基づき前記制御温度を変更して、鍋底の平坦な負荷鍋2で揚げ物調理を行ったときに負荷鍋2内の油を揚げ物調理に最適な温度に維持しつつ、鍋底の反った負荷鍋2で揚げ物調理を行ったときでも負荷鍋2内の油の温度を抑制するものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、室温近傍の比較的低温領域においては、負荷鍋2自身と負荷鍋2内の油が有する熱量に対して加熱手段3の通電による熱量が十分大きく、かつ負荷鍋2内の油は低温状態では粘性が高く、加熱開始直後は対流しないので、負荷鍋2の鍋底の反り量を負荷鍋2内の油の量に影響なく精度良く検知できるが、70℃以上の比較的高温領域においては、負荷鍋2自身と負荷鍋2内の油が有する熱量に対し加熱手段3の通電による熱量が小さく、かつ負荷鍋2内の油は高温状態で粘性が低く、加熱開始するとすぐに対流し始めるので、負荷鍋2の鍋底の反り量の大小による温度センサ4で検知する温度上昇勾配の差が小さくなって、鍋底の平坦な鍋を鍋底が反った鍋と誤検知してしまい、負荷鍋2内の油を調理に最適な温度に維持できなくなってしまうという課題があった。
【0007】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、低温状態にて加熱開始したときは油量に関係なく負荷鍋2の反り量を検知して負荷鍋2内の油の温度を抑制するとともに、プラグ抜けなどにより高温状態にて加熱を再開させたときは負荷鍋2の反り量を検知する動作を行わないようにして、鍋底が平坦な鍋を使用したときの調理性能を確保することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、温度センサで検知する温度と制御温度との関係に基づき加熱手段を通電制御する入力手段と表示手段を接続した通電制御手段を備えた構成において、前記通電制御手段は、前記加熱手段を通電開始するときに、前記温度センサで検知する温度が第1の温度未満ならば、前記温度センサで検知する温度に基づき前記負荷鍋の鍋底の反り量を検知して前記鍋底の反り量に基づき前記制御温度を変更し、前記温度センサで検知する温度が前記第1の温度以上ならば、前記負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行わずに前記負荷鍋の鍋底が平坦である場合の前記制御温度で前記加熱手段を制御する。
【0009】
これにより、低温状態にて加熱開始したときは油量に関係なく負荷鍋の反り量を検知して負荷鍋内の液体の温度を抑制するとともに、プラグ抜けなどにより再度高温状態にて加熱を再開させたときは負荷鍋の反り量を検知する動作を行わないようにして鍋底が平坦な鍋を使用したときの調理性能を確保できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、整流器、加熱コイル、スイッチング素子およびインバータ回路を備えた加熱手段と、トッププレートに載置した前記負荷鍋の温度を前記トッププレートを介在させて検知する温度センサと、前記温度センサで検知する温度と制御温度との関係に基づき前記加熱手段を通電制御する入力手段と表示手段を接続した通電制御手段を備えた構成において、前記通電制御手段は、前記加熱手段を通電開始するときに、前記温度センサで検知する温度が第1の温度未満ならば、前記温度センサで検知する温度に基づき前記負荷鍋の鍋底の反り量を検知して前記鍋底の反り量に基づき前記制御温度を変更し、前記温度センサで検知する温度が前記第1の温度以上ならば、前記負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行わずに前記負荷鍋の鍋底が平坦である場合の前記制御温度で前記加熱手段を制御し、低温状態にて加熱開始したときは、通電制御手段が、温度センサで検知する温度が第1の温度未満であることを検知し、油量に関係なく負荷鍋の鍋底の反り量を検知して前記鍋底の反り量に基づき制御温度を変更するので、鍋底の平坦な負荷鍋では前記負荷鍋内の液体を調理に最適な温度に維持しつつ、鍋底が反った負荷鍋では前記負荷鍋内の液体の温度を低く抑えることができる。
【0011】
また、例えば揚げ物調理途中に機器への電源通電がオフして通電制御手段がリセットし、その後再度機器への電源通電をオンして加熱を再開させたときは、通電制御手段が、温度センサで検知する温度が第1の温度以上であることを検知して、負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行わずに制御温度を所定値とするので、鍋底が平坦な負荷鍋では前記負荷鍋内の液体の温度を所定の温度に維持し調理性能を確保できる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成と制御に加えて、通電制御手段は、負荷鍋の鍋底の反り量が所定値以上であることを検知して加熱手段を通電停止し、その後に再度加熱手段を通電開始させるときは、前記温度センサで検知する温度に関係なく負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行う構成とし、鍋底の反り量が大きすぎて揚げ物調理に不適切なものを前記負荷鍋として使用したときには、通電制御手段は、負荷鍋の鍋底の反り量が所定値以上であることを検知して早期に加熱手段の通電を停止し負荷鍋の交換を促すことができる。
【0013】
そして、その後、負荷鍋を交換して再度加熱を開始させた場合は、通電制御手段は、温度センサで検知する温度に関係なく負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行って、負荷鍋の鍋底の反り量に基づき制御温度を変更するので、交換後の負荷鍋の鍋底の反り量に対応した制御温度にて加熱手段の制御を行うことができる。
【0014】
また、負荷鍋を交換せずに再度加熱を開始した場合は、通電制御手段は、温度センサで検知する温度に関係なく負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行うので、負荷鍋の鍋底の反り量が所定値以上であることを再度検知して加熱手段の通電を停止し負荷鍋の交換を促すことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1の構成と制御に加えて、通電制御手段は、動作モードとして、温度センサで検知する温度と制御温度との関係に基づき加熱手段を通電制御する揚げ物モードと、加熱手段を通電停止する初期モードを備えて、初めて揚げ物モードで動作するときに、温度センサで検知する温度が第1の温度未満ならば、前記温度センサで検知する温度に基づき前記負荷鍋の鍋底の反り量を検知し、その後に初期モードに移行し、さらにその後再度揚げ物モードで動作するときは、前記温度センサで検知する温度に関係なく、負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行わずに、前の揚げ物モード動作のときに検知した前記負荷鍋の鍋底の反り量に基づき動作する構成として、例えば、入力手段を備えて、前記入力手段の操作により揚げ物モードと初期モードを切り替える構成の場合、揚げ物モードで揚げ物調理を行った直後に前記入力手段を操作して動作モードを初期モードに変更し揚げ物調理を中断する。そして、数分後に前記入力手段を操作して動作モードを揚げ物モードに変更し再度揚げ物調理を再開させても、通電制御手段は、前の揚げ物モードのときに検知した負荷鍋の鍋底の反り量に基づき動作するので、負荷鍋の鍋底の反り量に対応した制御温度で加熱手段の制御を継続し、引き続き、鍋底の平坦な負荷鍋では負荷鍋内の液体を調理に最適な温度に維持し、鍋底が反った負荷鍋では負荷鍋内の液体の温度を低く抑えることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成と制御に加えて、通電制御手段は、揚げ物モードで動作し、その後に初期モードに移行し、さらにその後再度揚げ物モードで動作するときに、前記温度センサで検知する温度が第1の温度未満ならば、負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行い、前記温度センサで検知する温度が第1の温度以上ならば、負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行わずに、前の揚げ物モード動作のときに検知した負荷鍋の鍋底の反り量に基づき動作する構成として、例えば、入力手段を備えて、前記入力手段の操作により揚げ物モードと初期モードを切り替える構成の場合、数分後といった比較的短時間で前記入力手段を操作し、温度センサで検知する温度が高温状態のまま動作モードを揚げ物モード→初期モード→揚げ物モードと変更したときは、通電制御手段は、温度センサで検知する温度が第1の温度以上であることを検知して、負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行わずに、前の揚げ物モード動作のときに検知した負荷鍋の鍋底の反り量に基づき動作するので、負荷鍋の鍋底の反り量に対応した制御温度で加熱手段の制御を継続し、引き続き、鍋底の平坦な負荷鍋では負荷鍋内の液体を調理に最適な温度に維持し、鍋底が反った負荷鍋では負荷鍋内の液体の温度を低く抑えることができる。
【0017】
また、揚げ物モードで揚げ物調理を行った後に前記入力手段を操作し動作モードを初期モードに変更して揚げ物調理を終了し、後日、別の鍋を負荷鍋として使用し、前記入力手段を操作し動作モードを揚げ物モードに変更して揚げ物調理を行うときは、通電制御手段は、前記温度センサで検知する温度が第1の温度未満であることを検知して、負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行うので、前記別の鍋の鍋底の反り量に対応した制御温度で加熱手段の制御を行うことができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1の構成と制御に加えて、通電制御手段は、動作モードとして、温度センサで検知する温度と制御温度との関係に基づき加熱手段を通電制御する揚げ物モードと、加熱手段の出力が所定値になるように通電制御する加熱モードを備えて、加熱モードで動作し、その後に揚げ物モードで動作するときは、前記温度センサで検知する温度に関係なく負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行う構成として、例えば、鍋底の反ったものを負荷鍋として使用し、まず動作モードを加熱モードに設定して加熱手段を所定の出力にて通電させて負荷鍋内の液体を加熱し、その後、動作モードを揚げ物モードに変更しても、通電制御手段は前記温度センサで検知する温度に関係なく負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行って鍋底が反った鍋と検知するので、前記負荷鍋内の液体の温度を低く抑えることができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図1〜10を参照しながら説明する。
【0020】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における加熱調理器のブロック図を示したものである。なお、本実施例において、図11に示す従来例と同じ機能を有するものは同一の符号を付し説明を省略する。
【0021】
本実施例の特徴的構成は、まず、通電制御手段6が、加熱手段3を制御する動作モードとして、加熱手段3を通電停止する初期モード、加熱手段3の出力が所定の出力設定値になるように通電制御する加熱モード、および温度センサ4で検知する温度と制御温度との関係に基づき加熱手段3を通電制御する揚げ物モードの3種類を備え、入力手段7からの入力信号に基づき動作モードを初期モード、加熱モード、および揚げ物モードの3つの中から選択し、表示手段8を制御して動作モードを表示する。また、通電制御手段6は、動作モードが揚げ物モードのときには、揚げ物モードに移行したときの状況により、温度センサ4で検知する温度の上昇勾配に基づき負荷鍋2の鍋底の反り量を反りランク=1〜3の3段階で検知する反り鍋検知動作を行い、反りランク=1〜3で各々異なる制御温度を保持する。そして、通電制御手段6は、入力手段7からの入力信号に基づき動作モードを初期モードから揚げ物モードに変更すると、温度センサ4で検知する温度<70℃ならば前記反り鍋検知動作を行って反りランク=1〜3で各々異なる制御温度に変更し、温度センサ4で検知する温度≧70℃ならば前記反り鍋検知動作を行わずに一律反りランク=1の制御温度で加熱手段3の制御を行うようにしたことである。
【0022】
なお、加熱モードの設定出力として、弱、1、2、3、4、5、強の7種類、揚げ物モードの設定温度として、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃の7種類が設定してある。
【0023】
また、入力手段7は、動作モードを初期モードから加熱モードに変更する「加熱」キー、動作モードを初期モードから揚げ物モードに変更する「揚げ物」キー、動作モードを加熱モード、または揚げ物モードから初期モードに変更する「切」キー、加熱モードの設定出力または揚げ物モードの設定温度を1ランク上げる「アップ」キー、および加熱モードの設定出力または揚げ物モードの設定温度を1ランク下げる「ダウン」キーの5つのキーより構成されている。
【0024】
以上のように構成された加熱調理器について、図2〜5を参照してその動作を説明する。図2は通電制御手段6の動作を示すフローチャート、図3は反り鍋検知動作を示す図、図4は表示手段8の全部の表示要素を示す図、図5は揚げ物モード180℃設定での表示を示す図である。
【0025】
まず、筐体が室温(本実施例では25℃)に馴染んだ状態にて負荷鍋2内に所定量の油を注いでトッププレート5上に載置し、「揚げ物」キーを操作して揚げ物モードを選択し揚げ物調理を行った場合の動作について説明する。
【0026】
この場合、筐体が室温に馴染んだ状態にて機器に電源プラグ9を挿入して商用電源1を印加すると、通電制御手段6は、リセットされてステップ1にて動作モード=初期モードにする。このとき、表示手段8の表示要素は全部消灯状態である。
【0027】
そして、通電制御手段6は、ステップ18にて「揚げ物」キーを受け付けると、ステップ19にて動作モードを初期モード→揚げ物モードの180℃設定に変更し、ステップ20にてSQ=0にした後に、ステップ21にて温度センサ4で検知する温度<70℃よりステップ22〜23を行わずにSQ=0のままなので、ステップ8〜15に示す一連の動作を行う。なお、このときの表示手段8での表示は図5である。
【0028】
まず、ステップ8にてSQ=0よりステップ9に分岐し、温度センサ4で検知する温度が1℃以上上昇しない時間が15秒以上継続するまで待機する温度上昇終了検知動作を行う。この動作は、例えば、他の熱源で予熱した負荷鍋2をトッププレート5上に設置してすぐに揚げ物モードを開始すると、温度センサ4で検知する温度の上昇勾配は加熱手段3による加熱よりも負荷鍋2の熱量に依存してしまい、温度センサ4で検知する温度の上昇勾配に基づく負荷鍋2の鍋底の反り量検知が正確に行えなくなるのを防ぐためである。
【0029】
そして、通電制御手段6は、ステップ9にて温度上昇終了検知動作を終了するとSQ=1に変更し、ステップ10にてSQ=1よりステップ11に分岐し、加熱手段3の出力を980Wにて40秒継続し、この40秒間での温度センサ4で検知する温度の上昇勾配に基づき鍋底の反り量を反りランク=1〜3の3段階にて検知する反り鍋検知動作を行う。
【0030】
ここで、反り鍋検知動作について、図3を参照し更に詳しく説明する。通電制御手段6は、加熱手段3を40秒通電する間に温度センサ4で検知する温度の二次微分値にて負荷鍋2の鍋底の反り量を検知している。すなわち、図3に示すように、加熱手段3を通電開始直後から10秒間の温度センサ4で検知する温度の上昇値=Δθaと、加熱手段3を通電開始30秒後から10秒間の温度センサ4で検知する温度の上昇値=Δθbを測定し、d2t=Δθb−Δθaに基づき反りランク=1〜3に確定する。
【0031】
すなわち、鍋底の平坦な負荷鍋2の場合は、d2t(1)=Δθ2−Δθ1となり、鍋底の反った負荷鍋2の場合は、d2t(2)=Δθ3−Δθ1となって、d2t(1)>d2t(2)より鍋底の反り量を検知している。
【0032】
そして、通電制御手段6は、ステップ11にて反り鍋検知動作を終了するとSQ=2に変更し、ステップ12にてSQ=2よりステップ13に分岐し、温度センサ4で検知する温度が、反りランクに応じて設定温度毎に各々異なる制御温度に到達するように加熱手段3の通電制御を行う立ち上げ動作を行う。その後、ステップ13の立ち上げ動作にて温度センサ4で検知する温度が前記制御温度に到達するとSQ=3に変更し、ステップ14にてSQ=3よりステップ15に分岐し、温度センサ4で検知する温度が前記制御温度にて安定するように加熱手段3の通電制御を行う安定動作を行う。
【0033】
なお、各設定温度における反りランク=1〜3での制御温度を(表1)に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003758517
【0035】
以上の構成により、筐体が室温に馴染んだ状態にて負荷鍋2内に所定量の油を注いでトッププレート5上に載置し、「揚げ物」キーを操作して揚げ物モードを選択し揚げ物調理を行った場合には、通電制御手段6は、揚げ物モードの180℃設定で動作し、反り鍋検知動作を行って負荷鍋2の鍋底の反り量に応じて制御温度を変更し、鍋底の平坦な負荷鍋2のときは反りランク=1の制御温度=172℃で加熱手段3を通電制御して負荷鍋2内の油を設定温度の180℃近傍に維持しつつ、鍋底が反った負荷鍋2のときには反りランク=3の制御温度=159℃で加熱手段3を通電制御し負荷鍋2内の油の温度を低く抑えることができる。
【0036】
なお、設定温度の180℃設定は、ステップ6〜7にて、「アップ」キーまたは「ダウン」キーを操作し140℃〜200℃の任意の設定温度に変更することができる。
【0037】
つぎに、揚げ物調理中に誤って電源プラグ9が抜け、その後電源プラグ9を挿入し直して「揚げ物」キーを操作して揚げ物モードを選択し揚げ物調理を再開させた場合の動作について説明する。
【0038】
この場合、通電制御手段6は、揚げ物モードに移行するときにステップ19にて動作モード=揚げ物モードに設定され、揚げ物調理中は動作モード=揚げ物モードにて保持されるが、電源プラグ9が抜け、その後電源プラグ9を挿入し直すと、リセットされてステップ1にて動作モード=初期モードとなる。
【0039】
そして、通電制御手段6は、ステップ18にて「揚げ物」キーを受け付けると、ステップ19にて動作モードを初期モード→揚げ物モードの180℃設定に変更し、ステップ20にてSQ=0にするが、ステップ21にて温度センサ4で検知する温度≧70℃より、ステップ22にて反りランク=1にし、ステップ23にてSQ=2にして、ステップ11の反り鍋検知動作を行わずに、ステップ12〜14にて反りランク=1の制御温度=172℃にて加熱手段3を通電制御する。
【0040】
そして、ステップ6〜7にて、「アップ」キーまたは「ダウン」キーを操作し、電源プラグ9が抜ける前の設定温度に戻すことも可能である。
【0041】
以上の構成により、揚げ物調理中に誤って電源プラグ9が抜け、その後電源プラグ9を挿入し直して「揚げ物」キーを操作して揚げ物モードを選択し揚げ物調理を再開させた場合には、通電制御手段6は、反りランク=1の制御温度にて加熱手段3を通電制御し、負荷鍋2内の油の温度を設定温度近傍に維持して調理性能を確保することができる。
【0042】
(実施例2)
図1は本発明の実施例2における加熱調理器のブロック図を示したものであり、実施例1と同一の構成要素である。
【0043】
本実施例の実施例1と異なる点は、まず、通電制御手段6が、反り鍋検知動作にて温度センサ4で検知する温度の上昇勾配に基づき鍋底の反り量を反りランク=1〜4の4段階にて検知し、動作モードを、初期モード、加熱モード、揚げ物モードに加えて、揚げ物モードのときに反り鍋検知動作にて反りランク=4と検知すると加熱手段3への通電を停止し、表示手段8にて負荷鍋2が揚げ物調理に不適切である旨の表示を行う反り鍋表示モードを備えた4種類とする。
【0044】
そして、通電制御手段6は、反り鍋表示モードにて、入力手段7の「切」キーより信号を入力すると動作モードを初期モードに変更し、さらに、その後「揚げ物」キーより信号を入力して動作モードを揚げ物モードに変更したときは、温度センサ4で検知する温度に関係なく反り鍋検知動作を行うようにしたことである。
【0045】
以上のように構成された加熱調理器について、図6〜7を参照してその動作を説明する。図6は本発明の実施例2における通電制御手段6の動作を示すフローチャート、図7は本発明の実施例2における反り鍋表示モードでの表示を示す図である。
【0046】
まず、筐体が室温に馴染んだ状態にて鍋底の反り量が所定値以上の負荷鍋2をトッププレート5上に載置し、「揚げ物」キーを操作して揚げ物モードを選択し揚げ物調理を行った場合の動作について説明する。
【0047】
この場合、機器に電源プラグ9を挿入して商用電源1を印加すると、通電制御手段6は、リセットされてステップ26にて前回モード=初期モードにし、ステップ1にて動作モード=初期モードになる。そして、ステップ18にて「揚げ物」キーを受け付けると、ステップ19にて動作モード=揚げ物モードにし、ステップ20にてSQ=0にした後に、ステップ30にて前回モード=初期モードなのでステップ21に分岐し、ステップ21にて温度センサ4で検知する温度<70℃よりステップ22〜23を行わずにSQ=0のままなので、実施例1で述べたように、ステップ9の温度上昇終了検知動作の後にステップ11の反り鍋検知動作を行う。
【0048】
そして、ステップ11の反り鍋検知動作にて反りランク=4と検知し動作モード=反り鍋表示モードに変更すると、ステップ28〜29にて加熱手段3の通電を停止し、表示手段8にて図7に示すように負荷鍋2が揚げ物調理に不適切である旨の表示を行う。
【0049】
以上の構成により、鍋底の反り量が所定量以上で揚げ物調理に不適切な鍋を使用し、「揚げ物」キーを操作して揚げ物モードを選択し揚げ物調理をした場合には、通電制御手段6は加熱手段3の通電を停止して負荷鍋2内の油の温度が過度に上昇するのを防ぐとともに、表示手段8にて機器を使用する者に現在使用の負荷鍋2が揚げ物調理に不適切であることを知らせることができる。
【0050】
つぎに、揚げ物調理に不適切な負荷鍋2を使用して反り鍋表示モードになり、その後負荷鍋2を変更または負荷鍋2をそのままにして「切」キーおよび「揚げ物」キーを操作し再度揚げ物調理を開始した場合について説明する。
【0051】
この場合、通電制御手段6は、反り鍋表示モード中にステップ3にて「切」キーを受け付けると、前回モード=反り鍋表示モードとした後にステップ1にて動作モード=初期モードに変更する。その後、ステップ18にて「揚げ物」キーを受け付けると、ステップ19にて動作モード=揚げ物モードに変更し、ステップ20にてSQ=0にした後に、ステップ30にて前回モード=反り鍋表示モードよりステップ21〜23を行わずにSQ=0のままなので、温度センサ4で検知する温度に関係なくステップ11の反り鍋検知動作を行う。
【0052】
以上の構成により、揚げ物調理に不適切な負荷鍋2を使用して反り鍋表示モードになり、その後負荷鍋2を変更して「切」キーおよび「揚げ物」キーを操作し再度揚げ物調理を開始した場合には、通電制御手段6は、変更後の負荷鍋2の鍋底の反り量を検知し、反りランク=1〜3ならば反りランクに応じて加熱手段3の通電制御を行い、反りランク=4ならば動作モードを反り鍋表示モードに変更して加熱手段3の通電を停止することができる。
【0053】
また、揚げ物調理に不適切な負荷鍋2を使用して反り鍋表示モードになり、その後負荷鍋2をそのままにして「切」キーおよび「揚げ物」キーを操作して再度揚げ物調理を開始した場合には、通電制御手段6は、温度センサ4で検知する温度に関係なく反り鍋検知動作を行って再度反りランク=4と検知し、動作モードを再度反り鍋表示モードに変更して、引き続き、加熱手段3の通電を停止し機器を使用する者に現在使用の負荷鍋2が揚げ物調理に不適切であることを知らせることができる。
【0054】
(実施例3)
図1は本発明の実施例3における加熱調理器のブロック図を示したものであり、実施例1と同一の構成要素である。
【0055】
本実施例の実施例1と異なる点は、通電制御手段6が、動作モードを揚げ物モード→初期モード→揚げ物モードと変更すると、温度センサ4で検知する温度に関係なく、反りランクが確定していなければ反り鍋検知動作を行い、反りランクが確定していれば反り鍋検知動作を行わずに前の揚げ物モードでの反りランクにて加熱手段3の制御を行うようにしたことである。
【0056】
以上のように構成された加熱調理器について、図8を参照してその動作を説明する。図8は本発明の実施例3における通電制御手段6の動作を示すフローチャートである。
【0057】
まず、揚げ物調理中に「切」キーを操作して揚げ物調理を中断し、再度「揚げ物」キーを操作して揚げ物調理を再開した場合の動作について説明する。
【0058】
この場合、機器に電源プラグ9を接続して商用電源1を印加すると、通電制御手段6は、リセットされてステップ26にて前回モード=初期モードにし、ステップ1にて動作モード=初期モードになる。そして、ステップ18にて「揚げ物」キーを受け付けると、ステップ19にて動作モード=揚げ物モードにし、ステップ20にてSQ=0にした後に、ステップ31、21にて前回モード=初期モードかつ温度センサ4で検知する温度<70℃よりステップ22〜23を行わずSQ=0のままなので、ステップ11にて反り鍋検知動作を行う。
【0059】
そして、ステップ11の反り鍋検知動作にて、負荷鍋2の鍋底の反り量を反りランクとして検知し、反りランク=1〜3ならばステップ12〜15にて表1に示した反りランクに対応する制御温度にて加熱手段3の通電制御を行う。
【0060】
このとき、ステップ3にて「切」キーを受け付けると、ステップ27にて前回モード=揚げ物モードとした後に、ステップ1にて動作モードを揚げ物モード→初期モードに変更する。
【0061】
そして、ステップ18にて再度「揚げ物」キーを受け付けると、ステップ19にて動作モード=初期モード→揚げ物モードに変更し、ステップ20にてSQ=0にするが、ステップ31にて前回モード=揚げ物モードよりステップ32に分岐し、ステップ32にて反りランク=1〜3で確定なのでステップ23へ分岐してSQ=2に変更し、ステップ11の反り鍋検知動作を行わずに、ステップ12〜15にて表1に示した反りランクに対応する制御温度にて加熱手段3の通電制御を行う。
【0062】
なお、揚げ物モードにてステップ9の温度上昇検知動作またはステップ11の反り鍋検知動作の最中にステップ3にて「切」キーを受け付けた場合は、反りランクがまだ確定していない。この場合は、ステップ20にてSQ=0にし、ステップ31にて前回モード=揚げ物モードよりステップ32に分岐するが、ステップ32にて反りランク未確定よりステップ23を行わずにSQ=0のままなので、ステップ11の反り鍋検知動作を行うことができる。
【0063】
以上の構成により、揚げ物調理中に「切」キーを操作して揚げ物調理を中断し、再度「揚げ物」キーを操作して揚げ物調理を再開させた場合には、通電制御手段6は前の反りランクを継続し、引き続き、鍋底の平坦な負荷鍋2では負荷鍋2内の油を設定温度近傍に維持し、かつ鍋底が反った負荷鍋2では負荷鍋2内の油の温度を低く抑えることができる。
【0064】
(実施例4)
図1は本発明の実施例4における加熱調理器のブロック図を示したものであり、実施例1と同一の構成要素である。
【0065】
本実施例の実施例1と異なる点は、通電制御手段6が、動作モードを揚げ物モード→初期モード→揚げ物モードと変更すると、温度センサ4で検知する温度≧70℃でかつ反りランクが確定していれば反り鍋検知動作を行わずに前の揚げ物モードでの反りランクにて加熱手段3の制御を行い、温度センサ4で検知する温度<70℃、または温度センサ4で検知する温度≧70℃でかつ反りランクが確定していなければ反り鍋検知動作を行うようにしたことである。
【0066】
以上のように構成された加熱調理器について、図9を参照してその動作を説明する。図9は本発明の実施例4における通電制御手段6の動作を示すフローチャートである。
【0067】
まず、揚げ物調理中に「切」キーを操作して揚げ物調理を中断し、すぐに「揚げ物」キーを操作して再度揚げ物調理を再開させた場合の動作について説明する。
【0068】
この場合、機器に電源プラグ9を接続して商用電源1を印加すると、通電制御手段6は、リセットされてステップ26にて前回モード=初期モードにし、ステップ1にて動作モード=初期モードになる。そして、ステップ18にて「揚げ物」キーを受け付けると、ステップ19にて動作モード=揚げ物モードにし、ステップ20にてSQ=0にした後に、ステップ21にて温度センサ4で検知する温度<70℃よりステップ22〜23を行わずにSQ=0のままなので、ステップ11にて反り鍋検知動作を行う。
【0069】
そして、ステップ11の反り鍋検知動作にて、負荷鍋2の鍋底の反り量を反りランクとして検知し、反りランク=1〜3ならばステップ12〜15にて表1に示した反りランクに対応する制御温度にて加熱手段3の通電制御を行う。
【0070】
このとき、ステップ3にて「切」キーを受け付けると、ステップ27にて前回モード=揚げ物モードとした後に、ステップ1にて動作モードを揚げ物モード→初期モードに変更する。
【0071】
そして、その比較的短時間の後に、ステップ18にて再度「揚げ物」キーを受け付けると、ステップ19にて動作モード=初期モード→揚げ物モードに変更し、ステップ20にてSQ=0にするが、ステップ21にて前の揚げ物調理にて温度センサ4で検知する温度≧70℃よりステップ33へ分岐し、ステップ33にて前回モード=揚げ物モードよりステップ34へ分岐し、ステップ34にて反りランク=1〜3で確定なのでステップ23へ分岐してSQ=2に変更するので、ステップ11の反り鍋検知動作を行わずに、ステップ12〜15にて表1に示した反りランクに対応する制御温度にて加熱手段3の通電制御を行う。
【0072】
なお、揚げ物モードにてステップ9の温度上昇検知動作またはステップ11の反り鍋検知動作の最中にステップ3にて「切」キーを受け付けた場合は、反りランクがまだ確定していない。この場合は、ステップ20にてSQ=0にし、ステップ33にて前回モード=揚げ物モードよりステップ34に分岐するが、ステップ34にて反りランク未確定よりステップ23を行わずにSQ=0のままなので、ステップ11の反り鍋検知動作を行うことができる。
【0073】
以上の構成により、揚げ物調理中に「切」キーを操作して揚げ物調理を中断し、すぐに「揚げ物」キーを操作して再度揚げ物調理を再開させた場合には、通電制御手段6は前の反りランクを継続し、引き続き、鍋底の平坦な負荷鍋2では負荷鍋2内の油を設定温度近傍に維持し、かつ鍋底が反った負荷鍋2では負荷鍋2内の油の温度を低く抑えることができる。
【0074】
つぎに、揚げ物調理中に「切」キーを操作して揚げ物調理を終了し、電源プラグ9を挿入したまま数日後に別の負荷鍋2をトッププレート5上に設置して「揚げ物」キーを操作し揚げ物調理を開始した場合の動作について説明する。
【0075】
この場合、通電制御手段6は、ステップ3にて「切」キーを受け付けて、ステップ27にて前回モード=揚げ物モードとした後に、ステップ1にて動作モードを揚げ物モード→初期モードに変更する。そして、数日後にステップ18にて「揚げ物」キーを受け付けると、ステップ19にて動作モードを初期モード→揚げ物モードに変更し、ステップ20にてSQ=0にした後に、ステップ21にてトッププレート5の温度はほぼ室温まで低下し温度センサ4で検知する温度<70℃なので、ステップ22〜23を行わずにSQ=0のままなので、ステップ11にて再度反り鍋検知動作を行う。
【0076】
以上の構成により、揚げ物調理中に「切」キーを操作して揚げ物調理を終了し、電源プラグ9を挿入したまま数日後に別の負荷鍋2をトッププレート5上に載置して「揚げ物」キーを操作し揚げ物調理を開始した場合には、通電制御手段6は再度反り鍋検知動作を行って、前記別の負荷鍋2の鍋底の反り量を検知し、その結果、反りランク=1〜3ならば反りランクに応じた制御温度にて加熱手段3の通電を制御し、反りランク=4ならば動作モードを反り鍋表示モードに変更して加熱手段3の通電を停止し表示手段8にて負荷鍋2が揚げ物調理に不適切である旨の表示を行うことができる。
【0077】
(実施例5)
図1は本発明の実施例5における加熱調理器のブロック図を示したものであり、実施例1と同一の構成要素である。
【0078】
本実施例の実施例1と異なる点は、通電制御手段6が、動作モードを加熱モード→初期モード→揚げ物モードと変更すると、温度センサ4で検知する温度に関係なく反り鍋検知動作を行うようにしたことである。
【0079】
以上のように構成された加熱調理器について、図10を参照してその動作を説明する。図10は本発明の実施例5における通電制御手段6の動作を示すフローチャートである。
【0080】
例えば、鍋底の反った負荷鍋2を使用し、まず動作モードを加熱モードにして負荷鍋2内の油を加熱し、その後、動作モードを揚げ物モードに変更して揚げ物調理を開始した場合について説明する。
【0081】
この場合、通電制御手段6は、動作モード=加熱モードの状態にてステップ3にて「切」キーを受け付けると、ステップ27にて前回モード=加熱モードにした後、ステップ1にて動作モードを加熱モード→初期モードに変更する。そして、ステップ18にて「揚げ物」キーを受け付けると、ステップ19にて動作モードを初期モード→揚げ物モードに変更し、ステップ20にてSQ=0にした後に、ステップ35にて前回モード=加熱モードよりステップ21〜23を行わず、温度センサ4で検知する温度に関係なくSQ=0のままなので、ステップ11の反り鍋検知動作を行う。
【0082】
以上の構成により、鍋底の反った負荷鍋2を使用し、まず動作モードを加熱モードにして負荷鍋2内の油を加熱し、その後、動作モードを揚げ物モードに変更して揚げ物調理を開始した場合には、通電制御手段6は温度センサ4で検知する温度に関係なく負荷鍋2の鍋底の反り量を検知する動作を行って鍋底が反った鍋と検知するので、負荷鍋2内の油の温度を低く抑えることができる。
【0083】
なお、実施例1〜5において、反り鍋検知動作にて、負荷鍋2の鍋底の反り量を温度センサ4で検知する温度の二次微分に基づき検知しているが、特開平6−89780号公報に示すような、温度センサ4で検知する温度の一次微分などの方法を用いることも可能である。
【0084】
また、通電制御手段6が、ステップ13の立ち上げ動作にて、温度センサ4で検知する温度が制御温度に到達するように加熱手段3の通電制御を行うための具体的な方法を詳細に記載していないが、温度センサ4で検知する温度が制御温度に到達するまで一定の出力にて加熱手段3を通電する方法の他に、ニューラルネットワークやファジィ推論を用いて加熱手段3の出力をきめ細かく制御する方法も採用可能である。
【0085】
また、通電制御手段6が、ステップ15の安定動作にて、温度センサ4で検知する温度と制御温度の関係に基づき加熱手段3の通電制御を行うための具体的な方法を詳細に記載していないが、温度センサ4で検知する温度と制御温度の大小関係により加熱手段3をオンオフ制御する方法の他に、ニューラルネットワークやファジィ推論を用いて加熱手段3の出力をきめ細かく制御する方法も採用可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、低温状態にて調理開始したときは、鍋底の平坦な負荷鍋では負荷鍋内の液体を調理に最適な温度に維持し、かつ鍋底が反った負荷鍋では負荷鍋内の油の温度を低く抑制でき、さらに調理中に誤って機器への電源通電をオフし、その後再度電源通電をオンして調理を再開させたときに鍋底が平坦な負荷鍋と同じ調理性能を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1〜5における加熱調理器のブロック図
【図2】 本発明の実施例1における通電制御手段の動作を示すフローチャート
【図3】 本発明の実施例1における反り鍋検知動作を示す図
【図4】 本発明の実施例1における表示手段の全部の表示要素を示す図
【図5】 本発明の実施例1における揚げ物モード180℃設定での表示を示す図
【図6】 本発明の実施例2における通電制御手段の動作を示すフローチャート
【図7】 本発明の実施例2における反り鍋表示モードでの表示を示す図
【図8】 本発明の実施例3における通電制御手段の動作を示すフローチャート
【図9】 本発明の実施例4における通電制御手段の動作を示すフローチャート
【図10】 本発明の実施例5における通電制御手段の動作を示すフローチャート
【図11】 従来の加熱調理器のブロック図
【符号の説明】
2 負荷鍋
3 加熱手段
4 温度センサ
6 通電制御手段
7 入力手段
8 表示手段

Claims (5)

  1. 整流器、加熱コイル、スイッチング素子およびインバータ回路を備えた加熱手段と、トッププレートに載置した前記負荷鍋の温度を前記トッププレートを介在させて検知する温度センサと、前記温度センサで検知する温度と制御温度との関係に基づき前記加熱手段を通電制御する入力手段と表示手段を接続した通電制御手段を備えた構成において、前記通電制御手段は、前記加熱手段を通電開始するときに、前記温度センサで検知する温度が第1の温度未満ならば、前記温度センサで検知する温度に基づき前記負荷鍋の鍋底の反り量を検知して前記鍋底の反り量に基づき前記制御温度を変更し、前記温度センサで検知する温度が前記第1の温度以上ならば、前記負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行わずに前記負荷鍋の鍋底が平坦である場合の前記制御温度で前記加熱手段を制御する加熱調理器。
  2. 通電制御手段は、負荷鍋の鍋底の反り量が所定値以上であることを検知して加熱手段を通電停止し、その後に再度加熱手段を通電開始するときは、前記温度センサで検知する温度に関係なく負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行う構成とした請求項1記載の加熱調理器。
  3. 通電制御手段は、動作モードとして、温度センサで検知する温度と制御温度との関係に基づき加熱手段を通電制御する揚げ物モードと、加熱手段を通電停止する初期モードを備えて、初めて揚げ物モードで動作するときに、温度センサで検知する温度が第1の温度未満ならば、前記温度センサで検知する温度に基づき前記負荷鍋の鍋底の反り量を検知し、その後に初期モードに移行し、さらにその後再度揚げ物モードで動作するときは、前記温度センサで検知する温度に関係なく、負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行わずに、前の揚げ物モード動作のときに検知した前記負荷鍋の鍋底の反り量に基づき動作する構成とした請求項1記載の加熱調理器。
  4. 通電制御手段は、揚げ物モードで動作し、その後に初期モードに移行し、さらにその後再度揚げ物モードで動作するときに、前記温度センサで検知する温度が第1の温度未満ならば、負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行い、前記温度センサで検知する温度が第1の温度以上ならば、負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行わずに、前の揚げ物モード動作のときに検知した負荷鍋の鍋底の反り量に基づき動作する構成とした請求項3記載の加熱調理器。
  5. 通電制御手段は、動作モードとして、温度センサで検知する温度と制御温度との関係に基づき加熱手段を通電制御する揚げ物モードと、加熱手段の出力が所定値になるように通電制御する加熱モードを備えて、加熱モードで動作し、その後に揚げ物モードで動作するときは、前記温度センサで検知する温度に関係なく負荷鍋の鍋底の反り量を検知する動作を行う構成とした請求項1記載の加熱調理器。
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