JP3756613B2 - 冊子媒体取扱装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀行、その他の金融機関等の店舗に設置され、顧客の操作に基づき入出金等の取引を行うATM(Autmatic Tellers Machine)、記帳機、出金取引を行うCD(Cash Dispencer)等の内部に設けたプリンタ装置のように、取引通帳やその他の冊子媒体(例えば、冊子式伝票)を取り扱うと共に、前記冊子媒体に対し、中紙の捲り処理と情報の印字処理を行う冊子媒体取扱装置に関する。
【0002】
特に、本発明の冊子媒体取扱装置は、冊子媒体の中紙捲りの際に、現在捲ろうとしている頁が表紙であるか裏表紙であるか否かの判定や、表紙、或いは裏表紙を捲ってしまったか否かの判定を行うことで、中紙の捲り動作中に異常を検知した場合、該当印字頁へ正しく捲り直してエラーとしない制御を行うことができるようにしたものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、銀行等の金融機関等の店舗に設置され、顧客の操作に基づき入出金等の取引を行うATM、出金取引を行うCD、或いは記帳機(又は自動記帳機)等には、顧客の取引通帳(以下、単に「通帳」と記す)やその他の冊子媒体(例えば、冊子式伝票)に取引情報を印字するためのプリンタ装置が設けられていた。
【0004】
以下、前記プリンタ装置等の冊子媒体取扱装置の例について説明する。なお、以下の説明では磁気ストライプを「MS」、磁気ストライプデータを「MSデータ」、MSデータフォーマットを「MSフォーマット」と記す。また、通帳やその他の冊子媒体を含めて「冊子媒体」、或いは「媒体」とも記す。
【0005】
§1:従来例1の説明・・・特開昭58−50069号公報参照
従来、冊子媒体を取り扱うと共に、該冊子媒体に情報を印字する冊子媒体取扱装置を含む装置の1例として、特開昭58−50069号公報に記載された通帳取扱装置が知られていた。この通帳取扱装置は、印字装置(プリンタ装置)で通帳に印字している途中で、通帳印字が満杯となった場合、係員を介在することなく、自動的に表紙に必要な口座情報を印字した新通帳を発行することができるものであり、通帳印字満杯時の無人処理を可能にした装置である。
【0006】
このため前記通帳取扱装置には、通帳印字時その印字面に印字スペースが無くなったことを判別する手段と、通帳印字時その印字面が最終頁であるか否かを判別する手段と、これら各手段で印字スペースが無くなったこと、および最終頁であることが判別されたとき動作し、表紙に必要な口座情報を印字した新しい通帳を再発行する通帳発行装置が設けてある。
【0007】
そしてこの通帳取扱装置では、印字中に通帳印字が満杯となった場合係員を介在することなく、自動的に表紙に必要な口座情報を印字した新通帳を発行することができ、通帳印字満杯時の無人処理を可能にする。
【0008】
§2:従来例2の説明・・・実公平7−36782号公報参照
前記従来例1のような通帳取扱装置で通帳の開頁(頁捲り)を行う装置の1例として、実公平7−36782号公報に記載された通帳開頁装置が知られていた。この通帳開頁装置は、通帳の開頁を行うために、通帳の開頁状態を検出する状態検出手段と、前記状態検出手段により開頁状態の検出された通帳の面に接触し、回転により該通帳を開頁させるターニングローラと、通帳の面をターニングローラへ押圧する押圧部材と、前記押圧部材のターニングローラ方向への押圧を、該押圧部材に対して常時加圧付勢するばねと、上記検出手段の検出情報により上記通帳の表紙または中紙の開頁に応じ得るよう上記ばねのばね付勢力を変化させる電磁石とからなる加圧手段とを備えている。
【0009】
そして、上記電磁石を動作状態、または非動作状態にさせることにより、上記ばね付勢力による押圧部材への加圧力を、表紙の開頁では大、中紙の開頁では小、となるようにした。このようにして安定した状態の押圧力を与えることができるので、表紙または中紙に対して信頼性よく開頁させ得ることが可能になる。
【0010】
§3:従来例3の説明・・・図17〜図19参照
前記従来例1のような通帳取扱装置において、表紙と複数枚の中紙と裏表紙とを有する通帳に対し、中紙の捲り処理と情報の印字処理を行う通帳プリンタ装置が知られていた。以下、この通帳プリンタ装置を図17〜図19に基づいて説明する。
【0011】
(1) :通帳プリンタ装置の機構部の説明・・・図17参照
図17は従来例3の通帳プリンタ装置説明図である。以下、図17に基づいて通帳プリンタ装置の機構部を説明する。
【0012】
▲1▼:機構部全体の概要説明
通帳プリンタ装置1には通帳を挿入するための挿入口2が設けてあり、この挿入口2から通帳を挿入できるようになっている。また、前記挿入口2の周辺部にはセットセンサ(図示省略)が設けてあり、挿入口2から挿入された通帳が所定の位置にセットされたことを検出できるようになっている。
【0013】
前記挿入口2に続いて通帳の搬送路3が設けてあり、この搬送路3に沿って複数の搬送用のローラ(図示省略)が設けてあり、この搬送用のローラを回転駆動することにより、挿入された通帳を内部に吸引して搬送するようになっている。また、搬送路3に沿って、MSヘッド5、イメージセンサ7、印字ヘッド8、媒体一時退避部9、媒体取り込み部10等が設けてある。更に、このプリンタ装置1には、通帳捲り機構部6、複数の発行カセット12を有する通帳発行部11、プリンタ機構制御ファーム部4等が設けてある。
【0014】
前記イメージセンサ7は通帳の頁や印字行等の情報を光学的に検出するためのものである。前記印字ヘッド8は通帳に取引情報等の印字を行うものである。前記MSヘッド5は通帳のMSから取引情報(口座番号等)を読み取ったり、前記MSに取引情報を書き込んだりするものである。前記媒体取り込み部10は顧客の取り忘れ通帳を取り込むための機構である。前記媒体一時退避部9は媒体を一時退避させておく機構部である。
【0015】
前記通帳捲り機構部6は通帳を捲るものである。前記通帳発行部11は新規に通帳を発行するものである。この場合、各発行カセット12から通帳を発行する。前記プリンタ機構制御ファーム部4は前記各メカ部等の制御を行うものである。
【0016】
▲2▼:動作の概要説明
前記通帳プリンタ装置1の動作概要は次の通りである。挿入口2より挿入された通帳は、プリンタ機構制御ファーム部4の制御により搬送路3上のローラで搬送し、イメージセンサ7の読み取り位置まで搬送してイメージセンサ7により通帳の情報(頁、行の情報)を光学的に読み取ることで頁数を確認し、更に通帳を印字位置まで搬送し、印字位置で停止し、印字ヘッド8により印字データが印字される。
【0017】
そして、通帳の印字頁の最終行まで印字してもまだ残りの印字データ(未印字データ)がある場合は、プリンタ機構制御ファーム部4の制御により搬送路3を切り替えて通帳捲り機構部6まで通帳を搬送し、通帳捲り機構部6で通帳の次頁に改頁する。
【0018】
その後、プリンタ機構制御ファーム部4の制御により、通帳捲り機構部6から通帳を排出し、イメージセンサ7の読み取り位置まで搬送し、イメージセンサ7により通帳の情報(頁、行の情報)を光学的に読み取ることで頁数を確認し、更に通帳を印字位置まで搬送して、印字ヘッド8により通帳に残りの印字データを印字する。そして、MSヘッド5の位置まで通帳を搬送し、MSヘッド5により通帳のMSのMSデータを更新する。その後、通帳を挿入口2まで搬送して排出し顧客に通帳を返却する。
【0019】
▲3▼:通帳の頁捲り動作の一般的な説明
前記のように、通帳に取引情報を印字している途中において、未印字データが残っている状態で印字中の頁の全行を印字した場合、顧客に通帳を返却して改頁を促すことなく、自動的に改頁を実行し、残りの未印字データを次頁の先頭より印字する。この動作を正方向1枚捲りという。また、顧客が印字に該当する頁とは異なった頁を開いて装置に挿入した場合、印字に該当する頁まで複数枚捲る動作をする。
【0020】
この場合、印字に該当する頁が、顧客が開いて挿入した頁に対して後の場合は、正方向に複数枚捲る。これを正方向複数枚捲りという。また、印字に該当する頁が前の頁になっている場合は逆方向に複数枚捲る。これを逆方向複数枚捲りという。また、1頁だけ前の頁が印字に該当する場合は1枚だけ逆方向に捲る。これを逆方向1枚捲りという。
【0021】
頁捲りの処理を行うのは、前記状態の場合の他に、通帳が普通預金と定期預金等の情報を一括で記録する総合通帳の場合に、普通預金と定期預金の両方に未印字データがある場合にも行うことがある。
【0022】
(2) :通帳捲り動作の具体例による説明・・・図18、図19参照
図18は従来例3の通帳捲り動作説明図(その1)、図19は従来例3の通帳捲り動作説明図(その2)である。以下、図18、図19に基づいて、従来例3の通帳捲り動作を説明する。
【0023】
通帳の捲り動作を行うため、図18のAに示したように、中紙を開いた状態の通帳15(開き通帳)が通帳捲り機構部6へ搬送されると、ここで、通帳15が搬送路3上の捲り位置にセットされる。この初期位置を図18のBに示す。次に、プリンタ機構制御ファーム部4の制御により、連動している可動パネル16と捲りローラ17を図18のCに示したように傾けて、捲りローラ17と通帳15の中紙が接するようにする。
【0024】
その後、図18のDに示したように捲りローラ17を図示矢印方向に回転させることで、頁を膨らませる。この時、プリンタ機構制御ファーム部4が頁の膨らみを検知したら、図19のEに示したように、可動パネル16と捲りローラ17を初期位置へ戻す。更に、図19のFに示したように、捲りローラ17を図示矢印方向に回転して捲りローラ17上に頁を撥ね上げる。最後に、図19のGに示したように、頁が完全に捲れるまで通帳を図示矢印方向へ搬送して捲り返しを実施し、捲り処理完了となる。
【0025】
以上は、正方向1枚捲りの場合の処理であるが、逆方向1枚捲りの場合は、捲り位置セットの際の初期状態が、捲り頁に相当する位置へ搬送され、可動パネル16と捲りローラ17の傾き、及び捲り頁の回転が逆になり、頁撥ね上げ後の搬送方向が逆になる。また、複数枚捲りについては、正方向逆方向共に、撥ね上げの動作まで完了した時点で、再度可動パネル16と捲りローラ17を傾け頁の膨らまし処理、撥ね上げ処理を実行して、捲りたい頁分の撥ね上げが完了した後に捲り返しを実施する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来のものにおいては、次のような課題があった。
(1) :前記従来例の装置では、通帳やその他の冊子媒体の中捲りを行う場合、表紙や裏表紙まで捲りそうな状態か否かのチェックや、表紙や裏表紙まで捲ってしまったか否かのチェックを実施していなかった。その為、表紙や裏表紙まで捲ってしまった場合でも、通常の中紙を捲ったと判断して、光学センスをしながら印字位置へ行セットしようとするが、通帳が閉じているためセットできず、エラー(異常状態)となってしまう。このため、装置の休止率が高くなっていた。
【0027】
(2) :前記従来例の装置では、裏表紙まで捲ってしまった場合、通帳の綴じ目と反対の方向が次の搬送方向となる為、印字部の印字プラテン等でジャムを発生させる可能性があった。
【0028】
(3) :前記従来例の装置では、通帳やその他の冊子媒体の捲り動作が異常終了となると、通帳を顧客へ返却して、顧客による頁捲りを促すこととなり、装置の処理時間についての品質が低下する、という課題があった。
【0029】
本発明は、このような従来の課題を解決し、冊子媒体の中紙捲りの際に、現在捲ろうとしている頁が表紙であるか裏表紙であるかの判定や、表紙、或いは裏表紙を捲ってしまったか否かの判定を行うことで、中紙捲り動作中に異常を検知した場合、該当印字頁へ正しく捲り直してエラーとしない制御が行えるようにすることを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理説明図である。本発明は前記の目的を達成するため、次のように構成した。
(1) :機構部と制御部を備え、表紙と複数枚の中紙と裏表紙とを有する冊子媒体(例えば、冊子式の通帳15)を扱うと共に、前記冊子媒体に対し、中紙の捲り処理を行い、中紙の捲りが完了したことを確認したのち、情報の印字処理を行う冊子媒体取扱装置において、前記機構部には、媒体の捲り動作中に頁の撥ね上げを検知した時点で、媒体の有り、無しを判定することができる媒体検出機構を設け、前記制御部には頁の撥ね上げが完了した時点で前記媒体検出機構からの情報をチェックし、媒体検出機構の情報が媒体無しとなっていた場合には、正方向捲りでは裏表紙まで捲りそうな状態であると判定する機能を有し、この機能により、中紙の正方向捲り処理中に、裏表紙まで捲りそうになっているか否かを判定する裏表紙誤捲り予測判定手段(制御部25の一部)と、裏表紙誤捲り予測判定手段が裏表紙まで捲りそうになっていると判定した場合、処理を中断し、裏表紙まで捲らずに、印字該当頁まで捲り直してエラーとしないように制御する第1の捲り直し制御手段(制御部25の一部)を備えている。
【0031】
(2) :前記(1) の冊子媒体取扱装置において、中紙の正方向捲り処理中に、前記媒体検出機構からの情報により、裏表紙まで捲ってしまったか否かを判定する裏表紙誤捲り判定手段(制御部25の一部)を備えると共に、前記裏表紙誤捲り判定手段が裏表紙捲りをしてしまったと判定した場合、捲ってしまった裏表紙を再度捲り返し、印字該当の頁まで捲り直してエラーとしないように制御する第1の捲り返し制御手段(制御部25の一部)を備えている。
【0032】
(3) :機構部と制御部を備え、表紙と複数枚の中紙と裏表紙とを有する冊子媒体を扱うと共に、前記冊子媒体に対し、中紙の捲り処理を行い、中紙の捲りが完了したことを確認したのち、情報の印字処理を行う冊子媒体取扱装置において、前記機構部には、媒体の捲り動作中に頁の撥ね上げを検知した時点で、媒体の有り、無しを判定することができる媒体検出機構を設け、前記制御部には頁の撥ね上げが完了した時点で前記媒体検出機構からの情報をチェックし、媒体検出機構の情報が媒体無しとなっていた場合には、逆方向捲りでは表紙まで捲りそうな状態であると判定する機能を有し、この機能により、前記中紙の逆方向捲り処理中に、表紙まで捲りそうになっているか否かを判定する表紙誤捲り予測判定手段(制御部25の一部)と、表紙誤捲り予測判定手段が表紙まで捲りそうになっていると判定した場合、処理を中断し、表紙まで捲らずに、印字該当頁まで捲り直してエラーとしないように制御する第2の捲り直し制御手段(制御部25の一部)を備えている。
【0033】
(4) :前記(3) の冊子媒体取扱装置において、中紙の逆方向捲り処理中に、前記媒体検出機構からの情報により、表紙まで捲ってしまったか否かを判定する表紙誤捲り判定手段(制御部25の一部)を備えると共に、前記表紙誤捲り判定手段が表紙捲りをしてしまったと判断した場合、捲ってしまった表紙を再度捲り返し、印字該当の頁まで捲り直してエラーとしないように制御する第2の捲り返し制御手段(制御部25の一部)を備えている。
【0034】
(作用)
前記構成に基づく本発明の作用を、図1に基づいて説明する。
(a) :前記(1) 、(3) の作用
冊子媒体(例えば、通帳15)の正方向、逆方向の捲りと共に、基本的な捲り方法は従来例3と同じである。この場合、機構部26には、媒体の捲り動作中に頁の撥ね上げを検知した時点で、媒体の有り、無しを判定することができるような媒体検出機構(例えば、光源59、フォトセンサ遮蔽板60、フォトセンサ受光部61を含む光学的媒体検出機構)が設けてある。
【0035】
そこで、図1のA、Bに示したように、制御部25は頁の撥ね上げが完了した時点で前記媒体検出機構からの情報をチェックし、媒体検出機構の情報が媒体無しとなっていた場合(図1のBの状態)には、正方向捲りでは裏表紙まで捲りそうな状態、逆方向捲りでは表紙まで捲りそうな状態であると判定する。
【0036】
このようにすれば、裏表紙を捲る前に処理を中断することが可能となるため、印字位置へ媒体をセットしてから頁マーク読み取り異常等のエラーとなることを防ぐことが可能になる。従って、装置の休止率の低下が実現される。
【0037】
また、制御部25は前記媒体検出機構からの情報をチェックし、図1のBに示したように、表紙、或いは裏表紙が捲りそうな状態であると判定した場合は、図1のCに示したように、一旦捲りローラ17上に跳ね上げ完了となった頁を、捲りローラ17から下ろす方向(正方向捲りの場合は印字ヘッド方向、逆方向捲りの場合は、印字ヘッドと逆方向)へ媒体を搬送する。
【0038】
その後、光学センスをして、媒体の頁マークや行情報から残頁がなくなっていると判定したら、媒体を返却して顧客に媒体の再発行についてのガイダンスを行ったり、新媒体の発行機能がついていれば、新規の媒体を発行して未印字データを印字する。
【0039】
このように、頁を該当の頁まで捲る処理を装置内で実施できるため、媒体を装置の外に排出し人手により捲ってもらう必要がなくなる。そのため、装置の処理速度の向上が可能となり、利便性が向上する。
【0040】
(b) :前記(2) 、(4) の作用
媒体の捲り動作中に、制御部25が万一表紙や裏表紙まで捲ってしまったことを検知できなかった場合は、例えば、光学センスをしながら搬送路のセンサにより媒体長を測定する。この媒体長測定により、媒体が閉じられている状態であると判定した場合には、光学センスの異常があっても光学異常としない。
【0041】
そして制御部25は、捲りの種別が正方向捲りであった場合には裏表紙捲りを実行し、逆方向捲りの場合には表紙捲りを実行する。その後の光学センスをしてからは、表紙、裏表紙まで捲らずに済んだ場合と同様の処理を行う。
【0042】
前記のように、媒体の正方向捲り、逆方向捲りの際に何らかの不具合により、表紙、裏表紙まで捲ってしまった場合には、光学センスや媒体長の異常というエラーではなく、媒体に残頁、或いは残行がある場合に行う次の処理を実行することが可能となる。
【0043】
このように、制御部25が裏表紙、或いは表紙を捲ったと判定しても、表紙捲り、或いは裏表紙捲りを実施し、印字該当の頁まで捲り戻すことで、頁マーク読み取り異常等のエラーとなることを防ぐことができる。従って、装置の休止率の低下が実現できる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下に説明する実施の形態は、従来例で説明したATM、CD、或いは記帳機等の通帳プリンタ装置に適用した例である。なお、図17に示した従来例3の通帳プリンタ装置は本実施の形態でも同じなので、同図も援用して説明する。また、通帳を「媒体」とも記す。
【0045】
§1:プリンタ機構制御ファーム部の説明・・・図2参照
図2はプリンタ機構制御ファーム部の説明図である。前記通帳プリンタ装置1(図18参照)に設けたプリンタ機構制御ファーム部4は、該通帳プリンタ装置1のプリンタ機構部39(搬送モータ、媒体検出機構、センサ、イメージセンサ、印字ヘッド等を含むメカ部)を制御するものである。
【0046】
このプリンタ機構制御ファーム部4には、CPU31と、メモリ32と、前記CPU31及びメモリ32に接続された搬送モータ制御部33、センサ変化検出処理制御部34、光学センス処理部35、通帳捲り機構制御部36、MSデータ制御部37、インターフェース制御部38等が設けてある。前記各部の機能等は次の通りである。
【0047】
(1) :CPU31は上位装置からのコマンドに基づいて、プリンタ機構制御ファーム部4の各種制御を行うものである。
(2) :メモリ32は搬送モータ制御部33、センサ変化検出処理制御部34、光学センス処理部35、通帳捲り機構制御部36、MSデータ制御部37等がアクセスし、ワーク用として使用するものである。例えばこのメモリ32には、媒体搬送機構に設けたステッピングモータの励磁時間のスルーイングテーブル、搬送路上に設けた各種センサの切り替わり情報、搬送モータに対するモータ搬送ステップ数のカウントアップ割り込みに対する処理の内容等が格納される。
【0048】
(3) :搬送モータ制御部33はCPU31により起動され、搬送モータの起動、停止制御を行うものである。また、この搬送モータ制御部33は搬送モータに対する媒体搬送ステップのカウントアップの管理等を行うものである。なお、搬送モータ制御部33はプログラムで構成される。
【0049】
(4) :センサ変化検出処理制御部34はCPU31により起動され、搬送路上に設置された各種センサに変化が発生した際のチャタリング処理や、センサの出力変化によるソフト的な変化割り込みの要因をクリアするなどの制御を行うものである。また、このセンサ変化検出処理制御部34は、媒体検出機構からの信号を取り込んで、媒体捲り位置での搬送路上に媒体が有るか無いかを判定する。なお、センサ変化検出処理制御部34はプログラムで構成される。
【0050】
(5) :光学センス処理部35はCPU31により起動され、搬送モータ制御部33からランプオン/リードスタート等の指示を受信して、通帳の頁マークや行情報を編集するものである。なお、光学センス処理部35はプログラムで構成される。
【0051】
(6) :通帳捲り機構制御部36はCPU31により起動され、通帳捲り機構部6の制御を行うものである。なお、通帳捲り機構制御部36はプログラムで構成される。
【0052】
(7) :MSデータ制御部37はCPU31により起動され、MSヘッド5を制御して、通帳のMSからMSデータを読み出したり、或いは通帳のMSにMSデータを書き込んだりするものである。なお、MSデータ制御部37はプログラムで構成される。
【0053】
(8) :インターフェース制御部38はプリンタ機構部39とのインターフェース制御を行うものである。
§2:通帳捲り機構部の説明・・・図3、図4参照
図3は通帳捲り機構部の説明図である。図4は媒体検出機構の説明図であり、Aは媒体無し状態、Bは媒体有り状態を示す。以下、図3、図4に基づいて媒体捲り機構部を説明する。
【0054】
通帳捲り機構部6は通帳を捲る機構であり、該通帳捲り機構部6には、TPMモータ41、PCMモータ42、MBSセンサ43、PGESセンサ44、PSPSセンサ45、PGSNセンサ46、PGSBセンサ47、可動パネル16、捲りローラ17、捲りガイド50、Pパネル(逆捲り用)51、Pパネル(正捲り用)52、媒体検出機構56(設置位置のみ図示)等が設けてある。前記各部の機能等は次の通りである。
【0055】
(1) :TPMモータ41は捲りローラ17を回転させるための駆動モータである。
(2) :PCMモータ42は通帳を湾曲させ頁捲りを行う可動パネル16の駆動モータである。
【0056】
(3) :MBSセンサ43は通帳捲り位置セット時の基準センサである。このMBSセンサ43は光源と受光部とが搬送路を挟んで設置されたフォトセンサであり、搬送路上に媒体が無ければ、前記光源からの光が受光部へ入射し、搬送路上に媒体があれば前記光源からの光が媒体により遮蔽されるので受光部へ入射しない。従って、受光部の出力信号を検出することで、搬送路上に媒体が有るか否かを検出できるセンサである。
【0057】
(4) :PGESセンサ44は可動パネル16のホームポジション位置確認センサである。
(5) :PSPSセンサ45は可動パネル16のホームポジション位置検知センサである。
【0058】
(6) :PGSNセンサ46は正方向、及び表紙捲り時の膨らみを検知するセンサである。
(7) :PGSBセンサ47は逆方向捲り時の膨らみを検知するセンサである。
【0059】
(8) :可動パネル16は通帳を湾曲させ頁を捲り易くさせるためのパネルである。
(9) :捲りローラ17は頁を膨らませたり、頁捲りを行うためのローラである。
【0060】
(10):捲りガイド50は頁捲り返し時、頁が捲りローラ17に巻き込れないようにガイドするものである。
(11):Pパネル(逆捲り用)51は逆捲りを行う場合、膨らんだ頁に持ち上げられ、PGSBセンサ47を遮蔽する遮蔽板を持つパネルである。また、通帳の吸入、排出時の用紙ガイドの役目をするものである。
【0061】
(12):Pパネル(正捲り用)52は正捲りを行う場合、膨らんだ頁に持ち上げられ、PGSNセンサ46を遮蔽する遮蔽板を持つパネルである。また、通帳の吸入、排出時の用紙ガイドの役目をするものである。
【0062】
(13):前記媒体検出機構56は図4のように構成されている。すなわち、前記通帳捲り機構部6には、通帳の捲り動作中に頁の撥ね上げを検知した時点で、通帳の有り、無しを判定することができるような媒体検出機構56(図3参照)が設けてある。この媒体検出機構56は、光源59と、フォトセンサ遮蔽板60と、フォトセンサ受光部61と、フォトセンサ遮蔽板60を常時媒体搬送路方向へ押し上げるためのバネ65と、フォトセンサ遮蔽板60に設けた長穴64と、前記長穴64に遊嵌合する軸66と、前記軸66を固定した軸受63等で構成され、通帳捲り位置のフレーム58に固定されている。
【0063】
この媒体検出機構56では、フォトセンサ遮蔽板60が光源59とフォトセンサ受光部61との間に出入りできるようになっており、フォトセンサ遮蔽板60が光源59とフォトセンサ受光部61との間に入った場合は光源59からの光がフォトセンサ受光部61に入射せず、フォトセンサ遮蔽板60が光源59とフォトセンサ受光部61との間に入っていない時は、光源59からの光がフォトセンサ受光部61に入射するように構成されている。
【0064】
前記フォトセンサ遮蔽板60は、常時、通帳捲り位置で搬送路の上方向へバネ65により付勢されている。そして図4のAに示したように、通帳捲り位置での搬送路上に媒体が存在しなければ、フォトセンサ遮蔽板60は搬送路3(フレーム58の上側)上へ飛び出しており、フォトセンサ遮蔽板60が光源59とフォトセンサ受光部61との間に入っていない。従って、この状態では光源59からの光がフォトセンサ遮蔽板60により遮蔽されないため、そのままフォトセンサ受光部61へ入射している。
【0065】
また図4のBに示したように、通帳捲り位置での搬送路3上に媒体(通帳15)が有れば、フォトセンサ遮蔽板60は媒体により搬送路の下側へ押し込まれている。この状態ではフォトセンサ遮蔽板60が光源59とフォトセンサ受光部61との間に入っており、光源59からの光がフォトセンサ遮蔽板60で遮蔽され、フォトセンサ受光部61へ入射していない。
【0066】
従って、通帳捲り位置での搬送路上に媒体が有る場合と無い場合とでフォトセンサ受光部61の出力が変化するため、この出力の変化をプリンタ機構制御ファーム部4へ取り込むことで、前記通帳の状態を判定することが可能になる。そこで、フォトセンサ受光部61の出力をプリンタ機構制御ファーム部4へ送り、CPU31を介してセンサ変化検出処理制御部34が検出する。
【0067】
このようにすれば、正方向捲りの場合、正常な中紙捲りが行われていれば、通帳捲り位置で搬送路3上に媒体があるので、フォトセンサ受光部61へ光が入射しない。しかし、正方向捲り動作で通帳の裏表紙まで捲ってしまった場合は、通帳捲り位置での搬送路3上に媒体が無くなり、光源59からの光がフォトセンサ遮蔽板60により遮蔽されないため、そのままフォトセンサ受光部61へ入射する。
【0068】
従って、通帳の捲り動作中に頁の撥ね上げを検知した時点で前記のようなセンサ出力変化を検出することで、プリンタ機構制御ファーム部4において、裏表紙、或いは表紙まで捲られようとしているか否かを判定することが可能になる。
【0069】
§3:通帳の捲り処理概要の説明・・・図2〜図4参照
以下、図2〜図4を参照しながら、通帳捲り機構部6での通帳(冊子式通帳)の捲り処理概要を説明する。なお、通帳捲り機構部6はプリンタ機構制御ファーム部4の制御により通帳の捲り処理を行う。
【0070】
(1) :通帳の正方向、逆方向の捲りと共に基本的な捲り方法としては従来例3と同じ方法で実施する。プリンタ機構制御ファーム部4は、通帳の捲り動作により頁の撥ね上げが完了した時点で前記媒体検出機構56の状態をチェックし、媒体検出機構56の情報が通帳無しとなっていた場合には、正方向捲りでは裏表紙捲り、逆方向捲りでは表紙捲りと判定する。
【0071】
(2) :前記媒体検出機構56の状態チェックにより、表紙、或いは裏表紙捲りと判定した場合には、プリンタ機構制御ファーム部4の制御により、一旦捲りローラ17上に跳ね上げ完了となった頁を捲りローラ17から下ろす方向(正方向捲りの場合は印字ヘッド方向、逆方向捲りの場合は、印字ヘッドと逆方向)へ通帳を搬送する。
【0072】
その後、光学センスをして、頁マークや行情報から残頁がなくなっているような場合であれば、通帳を返却して顧客に通帳の再発行についてのガイダンスを行ったり、新通帳の発行機能がついていれば、新規の通帳を発行して未印字データを印字する。また、複数頁を一括で捲ってしまい、表紙、或いは裏表紙捲りとなってしまったような場合は、イメージセンサ7による光学センスを実施することで、印字該当頁までの捲り方向と枚数を算出して印字該当頁になるまで捲り返すことにより、エラーを救済する。
【0073】
(3) :通帳の捲り動作中に、万一表紙や裏表紙を捲ったことを検知できなかった場合は、イメージセンサ7による光学センスをしながら搬送路のセンサにより、通帳長(媒体長)を測定する。この通帳長測定により、通帳が閉じられている状態であると判定した場合には、光学センスの異常があっても光学異常としないで、捲りの種別が正方向捲りであった場合には、裏表紙捲りを実行し、逆方向捲りの場合には、表紙捲りを実行する。その後の光学センスをしてからは、表紙、裏表紙まで捲らずに済んだ場合と同様の処理を行う。
【0074】
(4) :前記のように、通帳の正方向捲り、逆方向捲りの際に、何らかの不具合により、表紙、裏表紙を捲ってしまうような場合に、光学センスや通帳長の異常というエラーではなく、通帳の残頁或いは残行によった次の処理を実行する。
【0075】
§4:通帳捲り機構部による通帳捲り動作の説明・・・図5参照
図5は通帳捲り動作フローチャートである。以下、図5に基づいて通帳捲り機構部による通帳捲り動作を説明する。なお、S1〜S11は各処理ステップを示す。
【0076】
通帳の正方向、逆方向、及び表紙捲り動作は次の順序で行う。通帳が開いた状態で通帳捲り機構部6まで搬送されると、先ず、開いた状態の通帳を通帳捲り位置にセットし(S1)、通帳押し付けを行う(S2)。次に、通帳の頁膨らましを行い(S3)、その後、通帳への押し付けを解除し(S4)、通帳の撥ね上げを行う(S5)。
【0077】
続いて、通帳の連れ戻しを行い(S6)、通帳の搬送準備を行う(S7)。次に、頁立上げを行い(S8)、頁捲り返しを行う(S9)。その後、逆方向捲り(表紙捲り時のみ)を行い(S10)、通帳を印字位置へ搬送する(S11)。以上のようにして、通帳捲り動作を終了する。以下、通帳捲り動作を詳細に説明する。
【0078】
§5:通帳捲り動作の説明・・・図6〜図11参照
図6〜図11は通帳捲り動作説明図(その1)〜(その6)である。以下、図6〜図11に基づいて前記通帳捲り動作を詳細に説明する。なお、以下のS1〜S11の各ステップは図4の各処理ステップと対応している。
【0079】
(S1):通帳捲り位置セット・・・図6のA、B、図7のC参照
通帳15を正、逆方向捲り、及び表紙捲りの各位置へのセットは次のようにして行う。図6のA、B、図7のCに示したように、通帳捲り機構部6の搬送路上にはMBSセンサ43が設置されている。このMBSセンサ43は光源と受光部とが搬送路を挟んで対向設置されたフォトセンサであり、搬送路上に媒体が無ければ、前記光源からの光が受光部へ入射し(透過状態)、搬送路上に媒体があれば前記光源からの光が媒体により遮蔽されるので受光部へ入射しない(遮蔽状態)。従って、前記受光部の出力信号を検出することで、搬送路上に媒体が有るか否かを検出できる。
【0080】
そこで、通帳15を正、逆方向捲り、及び表紙捲りの各位置へセットする場合、前記MBSセンサ43を利用して次のようにセットする。通帳捲りを行う場合、通帳15は開いた状態で図6のAに示した矢印方向(図の右下から左上方向)へ搬送される。このようにして通帳が搬送される途中で、MBSセンサ43により通帳15が検出される。
【0081】
正方向捲りの時は、図6のAに示したように、図示矢印方向へ通帳15が搬送される時、通帳15の下端(搬送方向の先端部分)がMBSセンサ43を通過してから、搬送モータ(ステッピングモータ)により所定ステップ数だけ搬送して停止させる。この停止した時点で通帳15は正方向捲り位置セット状態となる。この時、通帳15のセンターホールド位置57で通帳15は所定の機構部によりホールドされる。
【0082】
また、逆方向捲り時は図6のBに示したように、通帳15の上端(搬送方向の後端部)がMBSセンサ43を通過してから、搬送モータ(ステッピングモータ)により所定ステップ数だけ搬送して停止させる。この停止した時点で通帳15は逆方向捲り位置セット状態となる。この時、通帳15のセンターホールド位置57で通帳15は所定の機構部によりホールドされる。
【0083】
更に、表紙捲り時は図7のCに示したように、通帳15の上端(搬送方向の後端部)がMBSセンサ43を通過してから、搬送モータ(ステッピングモータ)により所定ステップ数だけ搬送して停止させる。この停止した時点で通帳15は表紙捲り位置セット状態となる。この時、通帳15のセンターホールド位置57で通帳15は所定の機構部によりホールドされる。
【0084】
(S2):通帳押し付け・・・図7のD参照
通帳押し付けは図7のDに示したように、可動パネル16を図示矢印方向に回動し、通帳15を湾曲させることにより、重なっている各頁をずらし、捲り易くする。
【0085】
(S3):頁膨らまし・・・図8のE参照
頁膨らまし時には捲りローラ17を図示矢印方向に回転させ、図8のEに示したように、上側頁を膨らませる。この場合、正方向捲り及び表紙捲り時は、捲り上げられた頁がPパネル52を持ち上げ、該Pパネル52がPGSNセンサ46を遮蔽するまで膨らませる。また、逆方向捲り時は、捲り上げられた頁がPパネル51を持ち上げ、該Pパネル51がPGSBセンサ47を遮蔽するまで膨らませる。前記のようにして頁膨らましが終了したら捲りローラ47の回転を停止させる。
【0086】
(S4):通帳押し付け解除・・・図8のF参照
通帳押しつけ解除を行う場合は、捲りローラ47を回転停止させた状態で、次の撥ね上げ動作で捲りローラ47と接触している頁1枚を撥ね上げるよう、可動パネル16を図示矢印方向に回動する。正方向、表紙捲り時は、Pパネル52がPGSNセンサ46を遮蔽しなくなる(センサの透過状態)まで回動し、逆方向捲り時は、Pパネル51がPGSBセンサ47を遮蔽しなくなる(センサの透過状態)まで回動する。
【0087】
(S5):撥ね上げ・・・図9のG参照
通帳の撥ね上げは次のようにして行う。先ず、捲りローラ17を図示矢印方向へ回転させ、膨らんだ上側頁を1枚だけ捲り、該頁を捲りローラ17上に撥ね上げる。この時、正方向捲り及び表紙捲り時であれば、撥ね上げられた頁(又は表紙)により上方向へ持ち上げれていたPパネル52は、上方向へ持ち上げる力が働かなくなるので、搬送路方向へ回動する。すなわち、Pパネル52は図示点線位置から図示実線位置へ回動する。
【0088】
この時、Pパネル52はPGSNセンサ46を遮蔽しない位置から遮蔽する位置へ移動し、その後再び遮蔽しない位置へ移動する(Pパネル52がPGSNセンサ46の中を通過する)。従って、正方向、表紙捲り時は、PGSNセンサ46の遮蔽時の切り換わりを検知することで頁(又は表紙)の撥ね上げが行われたことを検知する。
【0089】
また、逆方向捲り時であれば、撥ね上げられた頁により上方向へ持ち上げれていたPパネル51は、上方向へ持ち上げる力が働かなくなるので、前記と同様に搬送路方向へ回動する。この時、Pパネル51はPGSBセンサ47を遮蔽しない位置から遮蔽する位置へ移動し、その後再び遮蔽しない位置へ移動する(Pパネル51がPGSBセンサ47の中を通過する)。従って、逆方向捲り時は、PGSBセンサ47の遮蔽時の切り換わりを検知することで頁の撥ね上げが行われたことを検知する。
【0090】
(S6):連れ戻し・・・図9のH参照
連れ戻しを行う場合は、図9のHに示したように可動パネル16をホームポジション方向へ搬送し、捲りローラ17を回転させ、撥ね上げ動作により連れ膨らんだ頁を戻す。
【0091】
(S7):搬送準備・・・図9のI参照
搬送準備動作では、図10のIに示したように可動パネル16を前記ホームポジションへ引き込む。
【0092】
(S8):頁立ち上げ・・・図10のJ参照
頁立ち上げ動作を行う場合は、図10のJに示したように捲りローラ17上に撥ね上げられた頁を捲り返す前に立ち上げる。この時、捲りローラ17は撥ね上げられた頁を巻き込まないように、頁が垂直に立つ位置まで立ち上げ方向と同一方向に回転させる(通帳搬送方向と逆方向)。
【0093】
(S9):頁捲り返し・・・図11参照
図11は頁捲り返し動作を示した図であり、図11のKは頁捲り返し中、図11のLは頁捲り終了を示す。頁捲り返し動作では、通帳を搬送することにより、立ち上げた頁を捲り終える。この時、捲りローラ17は通帳搬送方向と同一方向に回転させる。
【0094】
(S10):逆方向捲り(表紙捲り時のみ)
逆方向捲り(表紙捲り時のみ)では、2枚捲り防止のため逆方向捲りを行う。逆方向捲りにより、頁膨らみを検知しなくなるまで捲る。
【0095】
(S11):通帳印字位置へ搬送
前記のようにして通帳の捲り動作が終了したら、通帳を印字位置まで搬送する。
【0096】
§6:通帳正方向捲り動作の説明・・・図12参照
図12は通帳正方向捲り動作説明図であり、Aは正常な撥ね上げ状態、Bは裏表紙を撥ね上げた状態、Cは裏表紙を捲りローラから落とした状態を示す。なお、図12は前記図3に示した通帳捲り機構部の動作を説明するための説明図(詳細な機構図は図3と同じ)であり、図3の反対側から見た図である。従って、図12の各部の機構は図3と同じである。
【0097】
前記のように通帳捲り機構部6には、通帳の捲り動作中に頁の撥ね上げ(図12のA、或いはBの状態)を検知した時点で、通帳の有り、無しを判定することができるような媒体検出機構56が設けてある。この媒体検出機構56は光源59と、フォトセンサ遮蔽板60と、フォトセンサ受光部61等を含んで構成され、フォトセンサ遮蔽板60が光源59とフォトセンサ受光部61との間に出入りできるようになっている。
【0098】
そして、フォトセンサ遮蔽板60が光源59とフォトセンサ受光部61との間に入った場合は光源59からの光がフォトセンサ受光部61に入射せず、フォトセンサ遮蔽板60が光源59とフォトセンサ受光部61との間に入っていない時は、光源59からの光がフォトセンサ受光部61に入射する。
【0099】
そこで、フォトセンサ受光部61の出力をプリンタ機構制御ファーム部4へ送り、CPU31を介してセンサ変化検出処理制御部34が検出する。例えば、正方向捲りの場合、正常な中紙捲りが行われていれば、通帳捲り位置で搬送路3上に媒体があるので、フォトセンサ受光部61へ光が入射しない。
【0100】
しかし、正方向捲り動作で通帳の裏表紙まで捲ってしまった場合は通帳捲り位置での搬送路3上に媒体が無くなり、光源59からの光がフォトセンサ遮蔽板60により遮蔽されないため、そのままフォトセンサ受光部61へ入射する。このような変化を検出することで、プリンタ機構制御ファーム部4において、裏表紙、或いは表紙まで捲られようとしているか否かを判定することが可能になる。
【0101】
そこで、通帳正方向捲り動作は次のようにして行う。先ず、プリンタ機構制御ファーム部4の制御により通帳15を通帳捲り機構部6へ搬送し正方向捲り位置にセットする。次に連動している可動パネル16と捲りローラ17を傾けて、捲りローラ17と通帳15の中紙が接するようにする。その後、捲りローラ17を回転し通帳の頁を膨らませる。頁の膨らみを検知したら、可動パネル16と捲りローラ17を初期位置へ戻し、更に、捲りローラ17を回転して捲りローラ17上の頁を撥ね上げる(ここまでの動作は従来例3と同じ)ことで、図12のAの状態となる。
【0102】
前記のようにして撥ね上げが完了となった時点で、プリンタ機構制御ファーム部4は、媒体検出機構56を利用して通帳15の有無をチェックする。この場合、図12のAの状態では通帳捲り位置での搬送路3上に通帳15が存在するので、通帳15によりフォトセンサ遮蔽板60が搬送路3の下側へ押されており、光源59からの光はフォトセンサ受光部61へ入射していない。
【0103】
従ってプリンタ機構制御ファーム部4では、フォトセンサ受光部61の出力を調べることで、通帳捲り位置での搬送路3上に通帳15が有り、裏表紙まで捲っていないと判定する。つまり、プリンタ機構制御ファーム部4では、図12のAの状態は正常な状態の撥ね上げであると判定し、その後の捲り動作は従来例と同じ処理とする。
【0104】
ところが、図12のBに示したように裏表紙まで撥ね上げた時点で、媒体検出機構56を利用して通帳15の有無をチェックすると、通帳捲り位置での搬送路3上に通帳15が存在しないので、フォトセンサ遮蔽板60が搬送路3の上側へ飛び出しており、光源59からの光がそのままフォトセンサ受光部61へ入射している。
【0105】
従って、プリンタ機構制御ファーム部4ではフォトセンサ受光部61の出力を調べることで、通帳捲り位置での搬送路3上に通帳15が無い状態であると判定する。つまり、プリンタ機構制御ファーム部4では、図12のBの状態は裏表紙を撥ね上げた状態、すなわち、裏表紙まで捲ろうとしている状態であると判定する。
【0106】
このように、裏表紙まで捲ろうとしている状態であると判定した場合は、その後の通常の捲り動作を実施しないで、図12のCに示したように、通帳15を図示矢印方向へ搬送して、撥ね上がった裏表紙を捲りローラ17上から落とす。その後、光学センスを実行し、頁情報や行情報に応じて、逆方向捲りや新通帳の発行、及び通帳返却等の処理とする。
【0107】
§7:逆方向捲り、その他の説明・・・図12参照
以下、通帳の逆方向捲り、その他の処理について説明する。通帳の逆方向捲り処理の場合の表紙捲りチェック方法については、前記のようにして撥ね上げが完了となった時点で、前記媒体検出機構56により通帳捲り位置での搬送上の通帳有無をチェックする。また、万一、前記の方法で表紙や裏表紙捲りがチェックできなかった場合については、捲り処理終了後に光学センスをしながら、通帳を印字位置へ搬送する時に、搬送路にあるセンサで通帳の長さをチェックする(この処理については後述する)。
【0108】
通帳の長さチェックは、通帳がセンサを通過してから透過するまでの間のステッピングモータのステップ数をカウントする方法で実施可能である。この長さチェックで通帳が閉じている状態であると判定される長さであった場合は、捲り処理が正方向捲りであれば、裏表紙まで捲れてしまったと判定する。また、捲り処理が逆方向捲りであれば、表紙まで捲ったと判定する。
【0109】
この通帳長さチェックで正逆方向捲りが正常に実施されなかったと判断された場合、光学センスの処理を中断し、印字ヘッド8の位置へ行セットしないで再度通帳捲り機構部6へ通帳を搬送する。その後、表紙開きや裏表紙の開き処理を実施して、正逆方向捲りにより印字該当頁まで頁を捲る処理を行う。
【0110】
§8:通帳、及び通帳長検出処理の説明・・・図13、図14参照
図13は通帳の説明図である。図14は通帳長さ検出処理説明図である。以下、図13、図14に基づいて通帳、及び通帳長さ検出処理を説明する。図13に示したように、通帳15は複数枚の用紙を綴じて1冊とした冊子式通帳(冊子媒体)である。この通帳は表紙、及び裏表紙と、複数枚の中紙とからなり、通帳の綴じ目を中心として用紙が両側に開くようになっており、中紙を開いた状態が図13に示してある。
【0111】
すなわち、通帳15は表側に表紙があり、その後に複数枚の中紙があり、その裏側に裏表紙がある。そして、各中紙には頁マークや行情報(印字済み行等の情報)が記録されており、この頁マーク等を利用して取引情報を印字するようになっている。この場合、頁マークや行情報等はイメージセンサ7により光学センスされる。
【0112】
通帳の長さチェック(媒体長チェック)は、通帳がセンサを通過してから透過するまでの間のステッピングモータのステップ数をカウントする方法で実施可能である。例えば、図13に示したように、搬送路3上にセンサ62を設置しておき、このセンサ62を利用して通帳の長さを測定する。前記センサ62は、例えば搬送路3の上側に設置された光源と、前記光源と対向する搬送路3の下側位置に設置された受光部からなるフォトセンサを使用し、このセンサ62をプリンタ機構制御ファーム部4のセンサ変化検出処理制御部34へ接続する。
【0113】
図14に示したように、搬送路3上を開いた通帳15が印字部方向(印字ヘッド8の方向)に向かって搬送されているとする。この時、図14のAに示したように、通帳15の先端部がセンサ62を通過した時点から、図14のBに示したように、通帳15の後端部が通過し終えるまでのステッピングモータのステップ数をセンサ変化検出処理制御部34がカウントすることで、通帳15の長さを測定する。
【0114】
この場合、開いた通帳の搬送方向の長さをL(1例として、L=175mm)、ステッピングモータのステップ数から測定した通帳の長さをMとした場合、M=Lならば通帳は正常に開いている状態であり、M=L/2であれば、表紙、或いは裏表紙まで捲ってしまって通帳が閉じている状態であると判定する。
【0115】
§9:フローチャートによる処理1の説明・・・図15参照
図15は処理1のフローチャートである。処理1は前記媒体検出機構56を利用した通帳の裏表紙捲り検出、或いは表紙捲り検出をしながら、正方向、或いは逆方向通帳捲りを行う場合の処理である。以下、図15に基づいて処理1を説明する。なお、S21〜S36は各処理ステップを示す。また、以下に説明する処理は、プリンタ機構制御ファーム部4の制御により行う処理である。
【0116】
先ず、通帳が通帳捲り機構部6内まで搬送されると、通帳を通帳捲り位置にセットし(S21)、捲りローラ17及び可動パネル16の傾斜処理を行うことで通帳の押し付けを行い通帳を湾曲させる(S22)。次に、捲りローラ17を回転させることにより、通帳の上側頁を膨らす(S23)。その後、捲りローラ17、及び可動パネル16の傾斜を基に戻し、通帳への押し付けを解除し(S24)、通帳の撥ね上げ処理を行う(S25)。
【0117】
このようにして通帳の上側頁の撥ね上げが完了した時点で、プリンタ機構制御ファーム部4は媒体検出機構56の出力(フォトセンサ出力)状態から、通帳捲り位置での搬送路上に通帳が有るか否かを判定する(S26)。その結果、通帳が有ると判定した場合は、正常な状態の撥ね上げであるから、通帳の捲り返し処理を行い(S27)、該当印字頁を開く。
【0118】
その後、プリンタ機構制御ファーム部4の制御により、通帳を光学的読取位置にセットし(S28)、イメージセンサ7で通帳の情報(頁、行情報)を光学的に読み取る。次に、通帳を印字位置まで搬送し、印字ヘッド8により通帳に未印字データを印字して(S29)、処理を終了する。
【0119】
一方、前記S26の処理において、通帳が無いと判定した場合は、通帳の裏表紙、或いは表紙まで捲ろうとしている状態であるから、プリンタ機構制御ファーム部4の制御により、通帳抜き処理を行う(S30)。すなわち、一旦捲りローラ17上に撥ね上がった頁を捲りローラ17から下ろす方向へ通帳を搬送する。その後、通帳を搬送し、光学的読取位置にセットする(S31)。そして、イメージセンサ7により通帳の情報(頁、行情報)を光学的に読み取り、該当頁か否かを判定する(S32)。
【0120】
その結果、該当頁でなければ前記S21の処理から繰り返して行うが、該当頁であれば、未印字の残り行数が有るか否かを判断する(S33)。その結果、残行数が有れば、前記S29の処理を行う。また、残行数が無ければ、最終頁か否かを判断する(S34)。その結果、最終頁でなければ前記S21の処理から繰り返して行う。しかし、最終頁であれば、通帳を退避部へ一時退避させておき(S35)、新通帳を発行し(S36)、前記S29の処理を行う。
【0121】
§10:フローチャートによる処理2の説明・・・図16参照
図16は処理2のフローチャートである。処理2は前記処理1での正方向通帳捲り或いは逆方向捲り中に、万一、裏表紙或いは表紙まで捲ったことを検出できなかった場合に必要な処理である。以下、図16に基づいて処理2を説明する。なお、S41〜S57は各処理ステップを示す。また、以下に説明する処理は、プリンタ機構制御ファーム部4の制御で行う処理である。
【0122】
前記処理1と同様に、通帳が通帳捲り機構部6内まで搬送されると、通帳を通帳捲り位置にセットし(S41)、捲りローラ17及び可動パネル16の傾斜処理を行うことで通帳の押し付けを行い通帳を湾曲させる(S42)。次に、捲りローラ17を回転させることにより、通帳の上側頁を膨らす(S43)。その後、捲りローラ17、及び可動パネル16の傾斜を基に戻し、通帳への押し付けを解除し(S44)、通帳の撥ね上げ処理を行う(S45)。
【0123】
その後、通帳の捲り返し処理を行い(S46)、該当印字頁を開く。次に、通帳を搬送して通帳を光学的読取位置にセットし、イメージセンサ7で通帳の情報(頁、行情報)を光学的に読み取る(S47)。このようにして、通帳捲り機構部6から光学的読取位置まで通帳を搬送する途中で、図14に示したセンサ62を使用して通帳の長さ測定を行う。
【0124】
その結果、通帳長が正常(測定した通帳長=開いた状態での通帳長L)ならば(S48)、該通帳を搬送して印字位置へセットし、通帳の該当頁に未印字データを印字する(S57)。しかし、前記S48の処理で、通帳の長さが正常でない(測定した通帳長=開いた状態での通帳長Lの半分)と判定した場合は、裏表紙、或いは表紙まで捲ってしまい、通帳が閉じていると判定する。
【0125】
従ってこの場合には、光学センスに異常があっても光学異常としないで、再び通帳を通帳捲り機構部6まで搬送して捲り処理を行い、通帳の裏表紙又は表紙を開く(S49)。そして再び通帳を搬送して光学的読取位置へセットし、イメージセンサ7で通帳の情報を読み取る(S50)。次に、プリンタ機構制御ファーム部4は開いた頁が印字該当頁か否か否かを判定し(S51)、該当頁でなければ、再び通帳を通帳捲り機構部6まで搬送して逆頁捲り処理を行い(S56)、前記S50の処理から繰り返して行う。
【0126】
このようにして印字該当頁まで捲り返し、印字該当頁になったら、残り行数が有るか否かを判断する(S52)。その結果、残行数が有れば、前記S57の処理を行う。また、残行数が無ければ、最終頁か否かを判断する(S53)。その結果、最終頁でなければ前記S41の処理から繰り返して行う。しかし、最終頁であれば、通帳を退避部へ一時退避させておき(S54)、新通帳を発行し(S55)、前記S57の処理を行う。
【0127】
§11:通帳プリンタ内のプログラムの説明
プリンタ機構制御ファーム部4は、▲1▼:通帳の中紙を正方向捲り処理中に、裏表紙まで捲りそうになっているか否かを判定する。▲2▼:通帳の中紙を正方向捲り処理中に、通帳の裏表紙まで捲ってしまったか否かを判定する。▲3▼:通帳の中紙の逆方向捲り処理中に、表紙まで捲りそうになっているか否かを判定する。▲4▼:通帳の中紙の逆方向捲り処理中に、表紙まで捲ってしまったか否かを判定する、等の処理を行う。
【0128】
前記▲1▼〜▲4▼の各処理は、CPU31によるプログラムの実行により実現する処理である。このようなCPU31の行う各処理は、それぞれプログラムの実行により次のようにして実現する。例えば、上位コンピュータに接続、或いは内蔵したハードディスク装置の記憶媒体に前記CPU31の処理を実現するためのプログラムを格納しておく。
【0129】
そして、処理開始時に前記コンピュータの制御により、ハードディスク装置の記憶媒体に記憶してある前記プログラムを通帳プリンタ装置1へ転送し、該通帳プリンタ装置1内に取り込んで、一旦内部のメモリに格納する。その後、CPU31がメモリに格納してあるプログラムの内、必要なプログラムから順次読み出して実行することにより、前記処理を行う。なお、前記ハードディスク装置の記憶媒体に格納するプログラムは、次のようにして格納(記憶)する。
【0130】
▲1▼:フレキシブルディスク(フロッピィディスク)に格納されているプログラム(他の装置で作成したプログラムデータ)を、前記コンピュータ本体に設けたドライブ装置により読み取り、ハードディスク装置の記憶媒体に格納する。
【0131】
▲2▼:光磁気ディスク、或いはCD−ROM等の記憶媒体に格納されているデータを、前記コンピュータ本体に設けたドライブ装置により読み取り、ハードディスク装置の記憶媒体に格納する。
【0132】
▲3▼:LAN等の通信回線を介して他の装置から伝送されたデータを前記コンピュータ本体で受信し、そのデータをハードディスク装置の記憶媒体に格納する。
(他の実施の形態)
以上実施の形態について説明したが、本発明は次のようにしても実施可能である。
【0133】
(1) :前記のような金融機関で使用する通帳プリンタに限らず、他の同様な装置にも適用可能である。例えば、流通業界で使用する冊子媒体(例えば、冊子式伝票)用のプリンタ装置等にも適用可能である。
【0134】
(2) :冊子媒体は通帳に限らず、伝票、その他の任意の冊子媒体に適用可能である。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。
(1) :冊子媒体の中紙捲りの際に、現在捲ろうとしている頁が表紙であるか裏表紙であるかを判定することで、中紙の捲り動作中に異常を検知した場合、該当印字頁へ正しく捲り直してエラーとしない制御が行える。従って、エラーが少なくなり処理効率が向上すると共に、装置の利用効率や信頼性も向上する。
【0136】
(2) :冊子媒体の中紙捲り処理において、表紙や裏表紙まで捲ってしまった場合でもエラーとせず、その状態を検出して該当頁まで捲り返し、必要な印字処理を行うことができる。従来では、表紙や裏表紙まで捲ってしまった場合、印字部等でジャムを発生させる可能性もあったが、本発明ではこのような事態は回避できる。また、前記のように表紙や裏表紙まで捲ってしまった場合でもエラーとしないため、処理効率が向上すると共に、装置の利用効率や信頼性も向上する。
【0137】
前記効果の外、各請求項に対応して次のような効果がある。
(3) :請求項1、では、頁の撥ね上げが完了した時点で媒体検出機構56からの情報をチェックし、媒体検出機構56の情報が媒体無しとなっていた場合には、正方向捲りでは裏表紙まで捲りそうな状態、逆方向捲りでは表紙まで捲りそうな状態であると判定する。
【0138】
このようにすれば、裏表紙を捲る前に処理を中断することが可能となるため、印字位置へ媒体をセットしてから頁マーク読み取り異常等のエラーとなることを防ぐことができる。従って、装置の休止率の低下が実現される。
【0139】
また、媒体検出機構56からの情報をチェックし、表紙、或いは裏表紙が捲りそうな状態であると判定した場合は、一旦捲りローラ上に跳ね上げ完了となった頁を、捲りローラから下ろす方向(正方向捲りの場合は印字ヘッド方向、逆方向捲りの場合は、印字ヘッドと逆方向)へ媒体を搬送する。
【0140】
その後光学センスをして、頁マークや行情報から残頁がなくなっているような場合であれば、媒体を返却して顧客に媒体の再発行についてのガイダンスを行ったり、新媒体の発行機能がついていれば、新規の媒体を発行して未印字データを印字する。
【0141】
このように、頁を該当の頁まで捲る処理を装置内で自動的に実施できるため、一旦、媒体を外部まで排出し、人手により該当頁まで捲ってもらう必要がなくなる。そのため、装置の処理速度の向上が可能となり、利便性が向上する。
【0142】
(4) :請求項2、4では、媒体の捲り動作中に万一表紙や裏表紙まで捲ってしまったことを検知できなかった場合は、光学センスをしながら搬送路のセンサにより媒体長を測定する。この媒体長測定により、媒体が閉じられている状態であると判定した場合には、光学センスの異常があっても光学異常としない。この場合、捲りの種別が正方向捲りであった場合には裏表紙捲りを実行し、逆方向捲りの場合には表紙捲りを実行する。
【0143】
前記のように、媒体の正方向捲り、逆方向捲りの際に何らかの不具合により、表紙、裏表紙まで捲ってしまった場合には、光学センスや媒体長の異常というエラーではなく、媒体に残頁、或いは残行がある場合に行う次の処理を実行することが可能となる。
【0144】
このように、裏表紙、或いは表紙を捲ったと判定しても、表紙捲り、或いは裏表紙捲りを実施し、印字該当の頁まで捲り戻すことで、頁マーク読み取り異常等のエラーとなることを防ぐことが可能となる。従って、装置の休止率の低下が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】実施の形態におけるプリンタ機構制御ファーム部の説明図である。
【図3】実施の形態における通帳捲り機構部の説明図である。
【図4】実施の形態における媒体検出機構の説明図である。
【図5】実施の形態における通帳捲り動作フローチャートである。
【図6】実施の形態における通帳捲り動作説明図(その1)である。
【図7】実施の形態における通帳捲り動作説明図(その2)である。
【図8】実施の形態における通帳捲り動作説明図(その3)である。
【図9】実施の形態における通帳捲り動作説明図(その4)である。
【図10】実施の形態における通帳捲り動作説明図(その5)である。
【図11】実施の形態における通帳捲り動作説明図(その6)である。
【図12】実施の形態における通帳正方向捲り説明図である。
【図13】実施の形態における通帳の説明図である。
【図14】実施の形態における通帳長さ検出処理説明図である。
【図15】実施の形態における処理1のフローチャートである。
【図16】実施の形態における処理2のフローチャートである。
【図17】従来例3の通帳プリンタ装置説明図である。
【図18】従来例3の通帳捲り動作説明図(その1)である。
【図19】従来例3の通帳捲り動作説明図(その2)である。
【符号の説明】
1 通帳プリンタ装置
4 プリンタ機構制御ファーム部
6 通帳捲り機構部
7 イメージセンサ
15 通帳
16 可動パネル
17 捲りローラ
25 制御部
26 機構部
31 CPU
32 メモリ
33 搬送モータ制御部
34 センサ変化検出処理制御部
35 光学センス処理部
36 通帳捲り機構制御部
37 MSデータ制御部
39 プリンタ機構部
56 媒体検出機構
57 センターホールド位置
59 光源
60 フォトセンサ遮蔽板
61 フォトセンサ受光部
62 センサ

Claims (4)

  1. 機構部と制御部を備え、表紙と複数枚の中紙と裏表紙とを有する冊子媒体を扱うと共に、前記冊子媒体に対し、中紙の捲り処理を行い、中紙の捲りが完了したことを確認したのち、情報の印字処理を行う冊子媒体取扱装置において、
    前記機構部には、媒体の捲り動作中に頁の撥ね上げを検知した時点で、媒体の有り、無しを判定することができる媒体検出機構を設け、前記制御部には頁の撥ね上げが完了した時点で前記媒体検出機構からの情報をチェックし、媒体検出機構の情報が媒体無しとなっていた場合には、正方向捲りでは裏表紙まで捲りそうな状態であると判定する機能を有し、この機能により、前記中紙の正方向捲り処理中に、裏表紙まで捲りそうになっているか否かを判定する裏表紙誤捲り予測判定手段と、
    前記裏表紙誤捲り予測判定手段が裏表紙まで捲りそうになっていると判定した場合、処理を中断し、裏表紙まで捲らずに、印字該当頁まで捲り直してエラーとしないように制御する第1の捲り直し制御手段を備えていることを特徴とした冊子媒体取扱装置。
  2. 前記中紙の正方向捲り処理中に、前記媒体検出機構からの情報により、裏表紙まで捲ってしまったか否かを判定する裏表紙誤捲り判定手段を備えると共に、前記裏表紙誤捲り判定手段が裏表紙捲りをしてしまったと判定した場合、捲ってしまった裏表紙を再度捲り返し、印字該当の頁まで捲り直してエラーとしないように制御する第1の捲り返し制御手段を備えていることを特徴とした請求項1記載の冊子媒体取扱装置。
  3. 機構部と制御部を備え、表紙と複数枚の中紙と裏表紙とを有する冊子媒体を扱うと共に、前記冊子媒体に対し、中紙の捲り処理を行い、中紙の捲りが完了したことを確認したのち、情報の印字処理を行う冊子媒体取扱装置において、
    前記機構部には、媒体の捲り動作中に頁の撥ね上げを検知した時点で、媒体の有り、無しを判定することができる媒体検出機構を設け、前記制御部には頁の撥ね上げが完了した時点で前記媒体検出機構からの情報をチェックし、媒体検出機構の情報が媒体無しとなっていた場合には、逆方向捲りでは表紙まで捲りそうな状態であると判定する機能を有し、この機能により、前記中紙の逆方向捲り処理中に、表紙まで捲りそうになっているか否かを判定する表紙誤捲り予測判定手段と、
    前記表紙誤捲り予測判定手段が表紙まで捲りそうになっていると判定した場合、処理を中断し、表紙まで捲らずに、印字該当頁まで捲り直してエラーとしないように制御する第2の捲り直し制御手段を備えていることを特徴とした冊子媒体取扱装置。
  4. 前記中紙の逆方向捲り処理中に、前記媒体検出機構からの情報により、表紙まで捲ってしまったか否かを判定する表紙誤捲り判定手段を備えると共に、前記表紙誤捲り判定手段が表紙捲りをしてしまったと判断した場合、捲ってしまった表紙を再度捲り返し、印字該当の頁まで捲り直してエラーとしないように制御する第2の捲り返し制御手段を備えていることを特徴とした請求項3記載の冊子媒体取扱装置。
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