JP3754945B2 - 美肌用の皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、美肌用の化粧料に好適な皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
若々しく、張りがあり、輝く美しい肌は誰しも求めてやまないものである。この様な肌を具現化し、長年にわたって維持することが化粧料の使用目的の一つであると言っても過言ではない。この対極の肌としては、くすんで、張りがないものが挙げられ、美しい肌がこの様な肌にならないようにするための種々の化粧料が開発されている。例えば、くすみであれば、美白化粧料を使用したり、張りであれば保湿化粧料を使用する等の手段が例示できる。しかしながら、肌の変化は総合的なものであり、くすんで張りが消失した皮膚に美白化粧料を処置しても、色は白くなるが、もとの美しい肌のイメージとはかけ離れたものであるし、保湿化粧料で張りの消失に対応した場合も同様である。美白化粧料と保湿化粧料を組み合わせてもやはり、回復しきれないものが少なくない。これは、ひとえに、蓄積紫外線照射モデルに代表されるように、美しい肌から、張りのないくすんだ肌に移行する原因が、肌の受けたダメージが回復されず、形態的にも複合的に蓄積されることに存するためと思われる。即ち、紫外線などから受けたダメージを速やかに修復し、ダメージの集積が起こらないように予防する手段の開発が望まれていた。
【0003】
一方、グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体は、生体に効率よく吸収され、生体内に於いてアスコルビン酸を遊離させ、かかるアスコルビン酸によって著しい美白効果を示すことは既に知られている(特開平11−286497)。又、前記グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体の内、直鎖の構造のアシル基のものと種々の生薬の抽出物を組み合わせて、著しい美白作用を獲得する手段も既に知られている(特開2001−163755)。しかしながら、紫外線などから受けたダメージを速やかに修復し、ダメージの集積が起こらないように予防する作用については全く知られていない。又、トリテルペン及びその誘導体は有効成分として、種々の生薬植物に含有されていることは既に知られているが、その有効性としては、循環器の改善作用、美白作用或いは抗炎症作用等が知られているが、紫外線などから受けたダメージを速やかに修復し、ダメージの集積が起こらないように予防する作用は全く知られていない。更に、1)グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体から選択される1種乃至は2種以上と、2)特定のトリテルペン及びその誘導体から選択される1種乃至は2種以上とを含有する皮膚外用剤であって、3)前記グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体に於けるアシル基が炭素数8〜20の分岐の脂肪族アシル基である構成の皮膚外用剤も全く知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、紫外線などから受けたダメージを速やかに修復し、ダメージの集積が起こらないように予防する技術を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、紫外線などから受けたダメージを速やかに修復し、ダメージの集積が起こらないように予防する技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体から選択される1種乃至は2種以上と2)特定のトリテルペン及びその誘導体から選択される1種乃至は2種以上とを含有する皮膚外用剤であって、3)前記グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体に於けるアシル基が炭素数8〜20の分岐の脂肪族アシル基である構成をとる皮膚外用剤にその様な特性を見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)1)グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体から選択される1種又は2種以上と、2)アクチニド酸(Actinidic acid;化合物1)、アミリン酸(Amirinic acid;化合物2)、3−エピミクロメール酸(3−epi−Micromeric acid;化合物3)、イレクジノールB(IrekudinolB;化合物4)、1−β−ヒドロキシ−2−オキソポモル酸(1−β−Hydroxy−2−oxopomolic acid;化合物5)、エリプト酸(Elliptic acid;化合物6)、カマルデュレンス酸(Camaldulensic acid;化合物7)、カマルデュール酸(Camaldulic acid;化合物8)、2−オキソアジア酸(2−Oxoasitic acid;化合物9)、3−エピイレックスゲニンA(3−Epiilexgenin A;化合物10)、4−エピ−ピンフェンス酸(4−epi−Pinfaensic acid;化合物11)、モリノウルソール酸B(Morinoursolic acidB;化合物12)又はウルソール酸(化合物13)から選択されるトリテルペン及びその誘導体の1種又は2種以上とを含有する皮膚外用剤であって、3)前記グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体に於けるアシル基が炭素数8〜20の分岐の脂肪族アシル基であることを特徴とする、皮膚外用剤。
(2)トリテルペンの誘導体が、エステル又は配糖体である、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体における、アシル基の構造が、次に示す一般式(I)に表されるものであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体が、2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−プロピルペンタノイル)−L−アスコルビン酸(化合物A)、6−O−(2−ブチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸(化合物B)又は2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−ペンチルヘプタノイル)−L−アスコルビン酸(化合物C)であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)美肌用の化粧料であることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
以下、本発明について更に詳細に説明を加える。
【0007】
【化15】
一般式(I)
(但し、式中mは2〜8の整数を表す。)
【0008】
【化16】
アクチニド酸
【0009】
【化17】
アミリン酸
【0010】
【化18】
3−エピミクロメール酸
【0011】
【化19】
イレクジノールB
【0012】
【化20】
1−β−ヒドロキシ−2−オキソポモル酸
【0013】
【化21】
エリプト酸
【0014】
【化22】
カマルデュレンス酸
【0015】
【化23】
カマルデュール酸
【0016】
【化24】
2−オキソアジア酸
【0017】
【化25】
3−エピイレックスゲニンA
【0018】
【化26】
4−エピ−ピンフェンス酸
【0019】
【化27】
モリノウルソール酸B
【0020】
【化28】
ウルソール酸
【0021】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるトリテルペン化合物
本発明の皮膚外用剤は、上記アクチニド酸(Actinidic acid;化合物1)、アミリン酸(Amirinic acid;化合物2)、3−エピミクロメール酸(3−epi−Micromeric acid;化合物3)、イレクジノールB(IrekudinolB;化合物4)、1−β−ヒドロキシ−2−オキソポモル酸(1−β−Hydroxy−2−oxopomolic acid;化合物5)、エリプト酸(Elliptic acid;化合物6)、カマルデュレンス酸(Camaldulensic acid;化合物7)、カマルデュール酸(Camaldulic acid;化合物8)、2−オキソアジア酸(2−Oxoasitic acid;化合物9)、3−エピイレックスゲニンA(3−Epiilexgenin A;化合物10)、4−エピ−ピンフェンス酸(4−epi−Pinfaensic acid;化合物11)、モリノウルソール酸B(Morinoursolic acidB;化合物12)又はウルソール酸(化合物13)から選択されるトリテルペン及びその誘導体から選択される1種乃至は2種以上を含有することを特徴とする。
【0022】
この様なトリテルペン化合物は、多くの植物生薬より抽出、精製することができる。この様な植物生薬としては、例えばツツジ科ウワウルシ、モチノキ科クチョウチャ、モクセイ科ネズミモチ、オリーブ、バラ科リンゴ、ビワ、バラ、ワレモコウ、カリン、シソ科ローズマリー、ウツボグサ、シソ、イラクサ科イラクサ、ヤドリギ科ヤドリギ、フトモモ科ユーカリノキ、クロウメモドキ科ナツメ、グミ科ナワシログミ、クワ科ホップ等が好ましく例示できる。使用する部位としては、葉、花、果皮、全草、芽、茎などが好ましく例示できる。これらの植物生薬より、トリテルペン化合物を得る方法としては、植物体乃至はその加工物に1〜10倍量の極性溶剤を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬して抽出し、溶剤を減圧濃縮などによって除去した後、アルカリ条件下、酢酸エチルと水で液液抽出し、含アルコール水溶液層を取り、酸を加えて液性を中性に戻した後、再度酢酸エチルを加えて液液抽出し、酢酸エチル層を取り、濃縮することによって分画することができる。これを更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製することもできる。この様な製造法によれば、トリテルペン化合物のフリー体(カルボン酸体)を得ることができる。本発明の皮膚外用剤に於いては、前記トリテルペン化合物、その塩乃至はその誘導体が存在していれば、後記アスコルビン酸誘導体との相互作用は得られるので、抽出物を分画、精製することなく、これが必要量含まれるような量だけ、生薬抽出物を組成物に含有させることもできる。更に、これらのトリテルペン化合物には既に市販されているものも存在し、この様な市販品を購入して使用することもできる。
【0023】
前記トリテルペン化合物の塩としては、生理的に許容されるものであれば特段の限定無く適用することができ、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。
【0024】
トリテルペン化合物の誘導体としては、エステルが特に好ましく例示できる。トリテルペン化合物は、カルボキシル基と水酸基を有するため、水酸基をアシル化したエステルとトリテルペン化合物のカルボキシル基とアルコールの水酸基との脱水縮合で生じたエステルとの二種類のエステルが可能であるが、本発明の皮膚外用剤に於いては後者が特に好ましい。かかる誘導体は、トリテルペン化合物を常法に従って処理することにより誘導することができる。例えば、水酸基のアシル化であれば、トリエチルアミンなどの塩基の存在下アシルクロリドを反応させることにより誘導することができるし、カルボキシル基とアルコールのエステルであれば、トリテルペン化合物の水酸基をメトキシ基等で保護した後、塩化チオニルなどを用いてカルボキシル基をアシルクロリドに導き、対応するソジウムアルコラートと反応させることにより製造することができる。この様なエステルの、アシル基の炭化水素部分或いはアルコールの炭化水素部分としては、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜30の直鎖、分岐又は環状構造を有するアルキル基乃至は炭素数12〜30の直鎖アルケニル基が好ましく例示できる。炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が好ましく例示でき、炭素数1〜30の直鎖、分岐又は環状構造を有するアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソオクチル基、シクロヘキシルメチル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等が好ましく例示でき、炭素数12〜30の直鎖アルケニル基としては、例えば、オレイル基が好ましく例示できる。以下に、本発明に係るトリテルペンとその誘導体の製造例を示す。
【0025】
<製造例1>
ジメトキシメタン100mlにウルソール酸1gを溶解し、攪拌下徐々に五酸化リン3gを加え、室温にて24時間攪拌を続けた。これに酢酸エチル100mlと飽和重炭酸ソーダ水100mlを加え、液液抽出して有機溶媒層を得た。これを減圧濃縮し、クロロホルムを30ml加え、更に塩化チオニル10mlを加えて、室温で20分攪拌し、減圧濃縮した後、クロロホルム50mlを加えて溶かし、氷冷下、これにクロロホルム50mlに溶解したナトリウムメトキシド1gを滴下し、徐々に温度を室温に戻し、室温で24時間攪拌し、減圧濃縮した。これに含水メタノールにトシル酸を溶かしたものを加え、液性が酸性であることを確認した後、24時間室温で攪拌した。これを減圧濃縮し、100mlの水と100mlの酢酸エチルで液液抽出し、酢酸エチル層を取り、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)てウルソール酸メチル(化合物14)を340mg得た。
【0026】
<製造例2>
製造例1のナトリウムメトキシドを、シクロヘキサノールとソジュムハイドライドから誘導した、ナトリウムシクロヘキシルオキシドに代え、ウルソール酸シクロヘキシル(化合物15)157mgを得た。
【0027】
<製造例3>
製造例1のナトリウムメトキシドを、イソオクタノールとソジュムハイドライドから誘導した、ナトリウムイソオクチルオキシドに代え、ウルソール酸イソオクチル(化合物16)219mgを得た。
【0028】
<製造例4>
製造例1のナトリウムメトキシドを、ステアリルアルコールとソジュムハイドライドから誘導した、ナトリウムステアリルオキシドに代え、ウルソール酸ステアリル(化合物17)433mgを得た。
【0029】
<製造例5>
製造例1のナトリウムメトキシドを、ベンジルアルコールとソジュムハイドライドから誘導した、ナトリウムベンジルオキシドに代え、ウルソール酸ベンジル(化合物18)671mgを得た。
【0030】
<製造例6>
製造例1のナトリウムメトキシドを、オレイルアルコールとソジュムハイドライドから誘導した、ナトリウムオレイルオキシドに代え、ウルソール酸オレイル(化合物19)228mgを得た。
【0031】
<製造例7>
ツツジ科ウワウルシの葉200gに1lの50%エタノール水溶液を加え、2時間還溜し、溶剤を減圧除去した後、酢酸エチル100mlと炭酸水素ナトリウム飽和溶液100mlとで液液抽出を行い、炭酸水素ナトリウム飽和溶液を取り、これに塩酸を加えて液性を弱酸性に戻し、酢酸エチル100mlを加えて再度液液抽出を行い、酢酸エチル層を取り、減圧濃縮して680mgのアモルファス1を得た。このものをHPLC(ODSカラム、移動相:30%アセトニトリルの0.1mMテトラブチルアンモニウムブロミド含有0.1mMリン酸緩衝液溶液(pH7.0)、カラム温度40℃、流速0.1ml/分、検知:RI)で分析したところ、46重量%のウルソール酸を含有していた。
【0032】
<製造例8>
ツツジ科ウワウルシをモクセイ科オリーブの葉に代え、製造例7と同様に処理し、540mgのアモルファス2を得た。このものをHPLC(ODSカラム、移動相:30%アセトニトリルの0.1mMテトラブチルアンモニウムブロミド含有0.1mMリン酸緩衝液溶液(pH7.0)、カラム温度40℃、流速0.1ml/分、検知:RI)で分析したところ、63重量%のウルソール酸を含有していた。
【0033】
<製造例9>
ツツジ科ウワウルシをモクセイ科ネズミモチの葉200gに代え、製造例7と同様に処理し317mgのアモルファス3を得た。このものをHPLC(ODSカラム、移動相:30%アセトニトリルの0.1mMテトラブチルアンモニウムブロミド含有0.1mMリン酸緩衝液溶液(pH7.0)、カラム温度40℃、流速0.1ml/分、検知:RI)で分析したところ、46重量%のウルソール酸を含有していた。
【0034】
<製造例10>
ツツジ科ウワウルシをバラ科ワレモコウの全草200gに代え、製造例7と同様に処理し429mgのアモルファス4を得た。このものをHPLC(ODSカラム、移動相:30%アセトニトリルの0.1mMテトラブチルアンモニウムブロミド含有0.1mMリン酸緩衝液溶液(pH7.0)、カラム温度40℃、流速0.1ml/分、検知:RI)で分析したところ、33重量%のウルソール酸を含有していた。
【0035】
<製造例11>
ツツジ科ウワウルシをクワ科ホップの花穂100gに代え、製造例7と同様に処理し317mgのアモルファス5を得た。このものをHPLC(ODSカラム、移動相:30%アセトニトリルの0.1mMテトラブチルアンモニウムブロミド含有0.1mMリン酸緩衝液溶液(pH7.0)、カラム温度40℃、流速0.1ml/分、検知:RI)で分析したところ、46重量%のウルソール酸を含有していた。
【0036】
<製造例12>
モクセイ科クチョウチャの葉2kgに10lの50%エタノール水溶液を加え、2時間還溜し、溶剤を減圧除去した後、酢酸エチル1000mlと炭酸水素ナトリウム飽和溶液1000mlとで液液抽出を行い、炭酸水素ナトリウム飽和溶液を取り、これに塩酸を加えて液性を弱酸性に戻し、酢酸エチル1000mlを加えて再度液液抽出を行い、酢酸エチル層を取り、減圧濃縮して14.2gのアモルファスを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)て、化合物2を10mg、化合物3を13mg、化合物4を273mg、化合物10を97mg、化合物12を26mg、化合物13を5143mg得た。
【0037】
<製造例13>
シソ科ウツボグサの全草2kgに10lの50%エタノール水溶液を加え、2時間還溜し、溶剤を減圧除去した後、酢酸エチル1000mlと炭酸水素ナトリウム飽和溶液1000mlとで液液抽出を行い、炭酸水素ナトリウム飽和溶液を取り、これに塩酸を加えて液性を弱酸性に戻し、酢酸エチル1000mlを加えて再度液液抽出を行い、酢酸エチル層を取り、減圧濃縮して26.8gのアモルファスを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)て、化合物1を5mg、化合物6を3mg、化合物9を21mg、化合物11を9mg、化合物13を14516mg得た。
【0038】
<製造例14>
フトモモ科ユーカリノキの葉2kgに10lの50%エタノール水溶液を加え、2時間還溜し、溶剤を減圧除去した後、酢酸エチル1000mlと炭酸水素ナトリウム飽和溶液1000mlとで液液抽出を行い、炭酸水素ナトリウム飽和溶液を取り、これに塩酸を加えて液性を弱酸性に戻し、酢酸エチル1000mlを加えて再度液液抽出を行い、酢酸エチル層を取り、減圧濃縮して19.5gのアモルファスを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)て、化合物5を6mg、化合物7を5mg、化合物11を24mg、化合物12を159mg、化合物13を6582mg得た。
【0039】
かくして得られた、本発明に係るトリテルペン及び/又はその誘導体は、皮膚外用剤形において、後記するグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体と相乗的に働き、美肌を守る作用を発揮する。この様な作用を発揮するためには、前記トリテルペン及び/又はその誘導体は唯一種を含有させることもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。本発明の皮膚外用剤に於ける、前記トリテルペン及び/又はその誘導体の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは、0.05〜5重量%である。
【0040】
(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体
本発明の皮膚外用剤の必須成分である、グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体は、前記アシル基が炭素数8〜20の分岐の脂肪族アシル基であることを特徴とする。かかるアシル基としては、例えば、イソオクタノイル基、イソパルミトイル基、イソステアロイル基、2−プロピルペンタノイル基、2−ブチルヘキサノイル基、2−ペンチルへプタノイル基などが好適に例示でき、これらの中では、上記一般式(I)の構造を有するアシル基が特に好ましく、具体的には、2−プロピルペンタノイル基、2−ブチルヘキサノイル基、2−ペンチルへプタノイル基が特に好ましく例示できる。かかるグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体は、諸種の方法により調製することができる。例えば、グリコシル−L−アスコルビン酸に適宜のアシル化剤を反応させれば、所望のアシル化誘導体が得られる。このとき、必要とあれば、反応系内に触媒を共存させてもよく、その触媒はリパーゼなどの酵素であってもよい。原料となるグリコシル−L−アスコルビン酸は、例えば、特開平3−139288号公報、特開平3−135992号公報及び特開平3−183492号公報に記載されているように、シクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラーゼなどの糖転移酵素の存在下でL−アスコルビン酸にシクロマルトデキストリンや澱粉加水分解物などのα−グルコシル化合物を反応させるか、あるいは、特開平6−228183号公報及び特開平6−263790号公報に記載されているように、β−ガラクトシダーゼの存在下で5,6−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸にラクトースなどのβ−ガラクトシル化合物を反応させることによって得ることができる。ちなみに、2−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸の市販品としては、例えば、『AA−2G』(固形分重量当りの2−O−α−D−モノグルコピラノシル−L−アスコルビン酸含量98%以上、株式会社林原商事販売)が挙げられる。用途にもよるが、この発明においては、グリコシル−L−アスコルビン酸は必ずしも高度に精製されておらずともよく、調製方法に特有な類縁体や他の成分との未分離組成物であっても、実質的なアシル化を妨げない他の成分との混合物であってもよい。
【0041】
化学反応による場合には、ヒドロキシル基を有する化合物をアシル化するための通常一般の方法を適用すればよく、個々の方法としては、例えば、酸又は酸ハライド、酸無水物若しくは酸エステルなどのアシル化剤を用いる方法が挙げられる。アシル化剤としては、2−エチルヘキサン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、2−プロピルペンタン酸、2−ブチルヘキサン酸、2−ペンチルへプタン酸などのカルボン酸、酸ハライド、酸無水物或いはカルボン酸エステルが好ましく例示できる。
【0042】
反応は、通常、反応系への水の侵入を遮断した非水系で行なわれ、例えば、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤中、必要に応じて、p−トルエンスルホン酸などの触媒を共存させて、グリコシル−L−アスコルビン酸にカルボン酸無水物を反応させるか、あるいは、濃硫酸などの触媒の存在下、グリコシル−L−アスコルビン酸にカルボン酸そのものを反応させる。反応条件としては、L−アスコルビン酸のアシル化に通常用いられる反応がそのまま適用できるが、グリコシル−L−アスコルビン酸1モルに対して、アシル化剤を3モル以下、望ましくは、2モル以下反応させるときには、反応がほぼ特異的に進行し、グリコシル−L−アスコルビン酸におけるL−アスコルビン酸残基の特定の部位にアシル基を導入することができる。例えば、2−O−α−D−モノグルコピラノシル−L−アスコルビン酸の場合、2モル以下のアシル化剤を反応させると、実質的に、L−アスコルビン酸残基における6位の位置のヒドロキシル基だけをアシル化することができる。また、公知の方法によってL−アスコルビン酸における6位のヒドロキシル基だけをアシル化した後、適宜有機溶剤又は有機溶剤と水との適宜混液中、例えば、シクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラーゼなどの糖転移酵素の存在下でそのアシル化されたL−アスコルビン酸にシクロマルトデキストリンや澱粉部分加水分解物などのα−グルコシル化合物を反応させるときには、L−アスコルビン酸残基における6位のヒドロキシル基だけがアシル化された2−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸のモノアシル化誘導体を得ることができる。好ましいグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体としては、例えば、2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−プロピルペンタノイル)−L−アスコルビン酸 (化合物A)、6−O−(2−ブチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸(化合物B)又は2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−ペンチルヘプタノイル)−L−アスコルビン酸(化合物C)が例示できる。
【0043】
酵素反応による場合には、グリコシル−L−アスコルビン酸及びアシル化剤を基質とし、通常、これらの基質と酵素に応じた適宜有機溶剤が用いられ、場合によっては、適宜分配率の水及び有機溶剤からなる二成分系が用いられる。酵素としてはリパーゼが一般的であり、酵素剤は固定化されていてもよい。有機溶剤として、例えば、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、ピリジンなどの親水性有機溶剤が用いられる。反応条件は、酵素法によるL−アスコルビン酸のアシル化の場合と同様に設定すればよく、酵素の種類にも特に制限がない。なお、グリコシル−L−アスコルビン酸、とりわけ、2−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸は水溶液における安定性が著しく高いので、L−アスコルビン酸のアシル化の場合とは違って、複雑な条件設定の必要がない。
【0044】
斯くして得られるアシル化誘導体は、L−アスコルビン酸の脂肪酸エステルを精製するための通常の方法を適用することにより精製することができる。個々の精製方法としては、例えば、塩析、透析、濾過、濃縮、分別沈澱、分液抽出、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、親和クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、等電点電気泳動、結晶化などが挙げられ、これらは、反応条件並びに所望するアシル化誘導体の種類及び純度に応じて適宜組合せて適用される。この様な製造例を以下に示す。
【0045】
<製造例2−1>
〈2−エチルヘキサン酸誘導体(6−O−(2−エチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸;化合物D)の調製〉
室温下、反応容器に2−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸(商品名『AA−2G』、固形分重量当りの2−O−α−D−モノグルコピラノシル−L−アスコルビン酸含量98%以上、株式会社林原商事販売)を2.71g(8.0mmol)とり、アルゴン気流下、ピリジンを350ml加え、溶解するまで撹拌した。次に、ピリジン50mlに溶解した2−エチルヘキサン酸無水物(9.6mmol)をアルゴン気流下、2分間かけて反応容器内に滴々加えた後、室温下で135分間反応させた。その後、反応容器内にメタノールを加え、濃縮し、乾固して反応を停止させた。
【0046】
得られた反応混合物の固状物をカラムクロマトグラフィー用シリカゲル(商品名『ワコーゲル』、和光純薬工業株式会社製造)139.5gのカラムに負荷し、酢酸エチル500ml、酢酸エチル/メタノール混液(容量比9:1)500ml、酢酸エチル/メタノール混液(容量比8:2)500ml及び酢酸エチル/メタノール混液(容量比7:3)500mlをこの順序でそれぞれ通液する一方、溶出液を100mlずつ採取した。各溶出画分の一部をそれぞれとり、これを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルプレート(商品名『シリカゲル60 F254』、メルク製造)に少量滴下し、乾燥させた後、酢酸エチル/メタノール混液(容量比6:4)を用いて展開し、メイン・スポットを掻き取り、酢酸エチルとエタノールの等量混合液100mlで2回抽出し、濾過、乾固し表記誘導体を分取した。構造は1H−NMRと13C−NMRにより確認した。
【0047】
<製造例2−2>
〈イソパルミチン酸誘導体(6−O−イソパルミトイル−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸;化合物E)の調製〉
製造例1と同様の手技で、酸無水物をイソパルミチン酸無水物に変えて表記化合物を得た。
【0048】
<製造例2−3>
〈イソステアリン酸誘導体(6−O−イソステアロイル−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸;化合物F)の調製〉
製造例1と同様の手技で、酸無水物をイソステアリン酸無水物に変えて表記化合物を得た。
【0049】
<製造例2−4>
〈2−プロピルペンタン酸誘導体(2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−プロピルペンタノイル)−L−アスコルビン酸;化合物A)の調製〉
製造例1と同様の手技で、酸無水物を2−プロピルペンタン酸無水物に変えて表記化合物を得た。
【0050】
<製造例2−5>
〈2−ブチルヘキサン酸誘導体(6−O−(2−ブチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸;化合物B)の調製〉
製造例1と同様の手技で、酸無水物を2−ブチルヘキサン酸無水物に変えて表記化合物を得た。
【0051】
<製造例2−6>
〈2−ペンチルヘプタン酸誘導体(2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−ペンチルヘプタノイル)−L−アスコルビン酸;化合物C)の調製〉
製造例1と同様の手技で、酸無水物を2−ペンチルヘプタン酸無水物に変えて表記化合物を得た。
【0052】
かくして得られたグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体は前記トリテルペン及び/又はその誘導体と相乗的に働き、美肌維持作用を発揮する。即ち、紫外線などの照射によって生じた損傷を速やかに回復させ、前記損傷が累積的に残存し、美肌を損なうことを阻害する作用を発揮する。本発明の皮膚外用剤に於いては、前記グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体は唯一種を含有させることもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。本発明の皮膚外用剤に於ける、前記グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体の好ましい含有量は、総量で皮膚外用剤全量に対して、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.5〜5重量%である。
【0053】
(3)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、上記必須成分を含有することを特徴とする。本発明に言う、皮膚外用剤とは、皮膚外用に適用されるものの総称を意味し、例えば、化粧料や皮膚外用医薬などが好ましく例示できる。特に好ましいものは、化粧料であり、本発明の効果より、美肌用の化粧料に適用することが特に好ましい。本発明の皮膚外用剤に於いては、上記の必須成分以外に、通常この様な組成物で使用される任意成分を含有することができる。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス,オレイン酸オクチルドデシル等のエステル類、オリーブ油、牛脂、椰子油等のトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、リチノレイン酸等の脂肪酸、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を例示することができる。これらの内、特に好ましい任意成分としては、保湿剤としてグリセリン、増粘剤としてカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩が例示できる。グリセリンの好ましい含有量は1〜10重量%であり、更に好ましくは2〜5重量%である。これは、この量範囲に於いてトラブル発生抑制作用が著しく得られるからである。又、カルボキシビニルポリマーの塩としてはアルカリ金属塩と有機アミン塩が好ましく例示でき、中でもカリウム塩とナトリウム塩が安定性への寄与の面で特に好ましい。カルボキシビニルポリマー及びその塩は総量で0.1〜1重量%含有するのが安定化と安全性のバランスから好ましい。これらの任意成分と必須成分とを常法に従って処理することにより、本発明の皮膚外用剤は製造することができる。
【0054】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0055】
<実施例1>
下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤であるローション化粧料を作成した。即ち、イ、ロの成分を75℃に加熱し、攪拌、可溶化し、イに徐々にロを加え、中和した後、攪拌冷却し、ローション化粧料1を得た。
イ
1,3−ブタンジオール 5 重量部
グリセリン 3 重量部
1,2−ペンタンジオール 3 重量部
化合物18 0.1重量部
ショ糖モノラウレート 0.5重量部
デカグリセリンモノオレート 0.1重量部
化合物C 0.1重量部
カルボキシビニルポリマー 0.2重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
水 50 重量部
ロ
10%水酸化カリウム水溶液 1 重量部
水 36.7重量部
【0056】
<実施例2>
実施例1のローション化粧料1のin vivoでの光損傷からの回復促進効果を調べた。即ち、ハートレー系白色種モルモット(雄性、300〜350g)1群3匹の背部を剃毛し、右半側を用いて予め紫外線(光源;SEランプ)に対する最少紅斑量(MED)を測定した。この時左半側は覆いをして紫外線が当たらないようにした。その3日後左半側にMEDの2/3量の紫外線を照射し、その後ローション化粧料1を0.1ml塗布して処置し、塗布後10分に動物を屠殺し、照射部位の皮膚を切り出し直ちに凍結切片を作成した。凍結切片を蛍光顕微鏡下観察した。無処置群としては剃毛の処置のもの、光対照群としては、剃毛して紫外線照射し皮膚外用剤の処理を行わないものを用いた。比較例1としてはローション化粧料1の化合物Cをアスコルビン酸に置換したものを、比較例2としては2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸に置換したものを、比較例3としては化合物18をモノテルペンであるL−メントールに置換したものを用いた。又、対照例1としては化合物Cを水に置換したものを、対照例2としては、化合物18を水に置換したものを用いた。評価は顕微鏡像を画像として取り込み、3例の画像をモフィーングにより平均化し、平均画像を作成し、この群の平均画像同士を次の基準で検知可能な蛍光点の出現程度を比較し、スコアを判定した。紫外線照射による損傷が大きいほど、蛍光顕微鏡像には蛍光点の出現が増える。基準は、無処置群の平均画像と同程度の蛍光点の出現をスコア1、光対照群と同程度の蛍光点の出現をスコア5とした。この間を等尺に配分し、スコア1〜5を設定した。結果を表1に示す。これより本発明の皮膚外用剤は、in vivoにおける光損傷を回復させる作用に優れることがわかる。これは、本発明の必須成分である、化合物Cの生体内への吸収が良いことも一因であると考えられる。
【0057】
【表1】
【0058】
<実施例3>
上記ローション化粧料1、対照例1及び対照例2を用いて、ヘアレスマウス長期間の累積光照射皮膚損傷モデルで、本発明の皮膚外用剤の効果を確認した。即ち、ヘアレスマウスは1群10匹で、5群50匹を用いた。1群は、ローション化粧水1投与群、1群は対照例1投与群、1群は対照例2投与群、1群は無処置群、残る1群は光対照群とした。各動物は最初の処置の前にTEWL(経皮散逸水分量;単位:g/m 2 /h)を測定し、1日1回背部に70mJ/cm 2 の紫外線(光源;SEランプ)を照射した後、速やかに検体を0.05mlを照射部位に塗布した。無処置群は何の処置もせず、光対照群は検体を投与せず光照射のみを行った。この作業を1日1回、1週間で5回連続して8週間行った。最後の検体投与の24時間後、再度TEWLを測定し、皮膚の表面の張りを肉眼で観察し、しかる後、屠殺し、皮膚凍結標本を作製し、真皮コラーゲン線維束の状態を電子顕微鏡下観察した。観察の基準は、何れも無処置群の平均を評点1とし、光対照群の平均を評点5とした場合の等尺スケールにおける評点とした。結果を平均として、表2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤が損傷からの回復促進作用に優れること、これ故に美肌を維持する作用に優れることがわかる。又、実施例2の結果とも良く適合していることもわかる。
【0059】
【表2】
【0060】
<実施例4>
ローション化粧料1の化合物18を種々代えて化粧料を作成し、実施例2の手技に基づいて評価した。結果を表3に示す。これより、本発明の皮膚外用剤は何れも優れた損傷回復促進作用を有することがわかる。
イ
1,3−ブタンジオール 5 重量部
グリセリン 3 重量部
1,2−ペンタンジオール 3 重量部
化合物* 0.1重量部
ショ糖モノラウレート 0.5重量部
デカグリセリンモノオレート 0.1重量部
化合物C 0.1重量部
カルボキシビニルポリマー 0.2重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
水 50 重量部
ロ
10%水酸化カリウム水溶液 1 重量部
水 36.7重量部
*詳細は表3に記す。
【0061】
【表3】
【0062】
<実施例5>
実施例4と同様に、ローション化粧料1の化合物Cを種々代えて、同様の検討を行った。結果を表4に示す。
イ
1,3−ブタンジオール 5 重量部
グリセリン 3 重量部
1,2−ペンタンジオール 3 重量部
化合物18 0.1重量部
ショ糖モノラウレート 0.5重量部
デカグリセリンモノオレート 0.1重量部
化合物** 0.1重量部
カルボキシビニルポリマー 0.2重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
水 50 重量部
ロ
10%水酸化カリウム水溶液 1 重量部
水 36.7重量部
**詳細は表4に記す。
【0063】
【表4】
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、紫外線などから受けたダメージを速やかに修復し、ダメージの集積が起こらないように予防する技術を提供することができる。
Claims (5)
- 1)グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体から選択される1種又は2種以上と2)アクチニド酸(Actinidic acid;化合物1)、アミリン酸(Amirinic acid;化合物2)、3−エピミクロメール酸(3−epi−Micromeric acid;化合物3)、イレクジノールB(IrekudinolB;化合物4)、1−β−ヒドロキシ−2−オキソポモル酸(1−β−Hydroxy−2−oxopomolic acid;化合物5)、エリプト酸(Elliptic acid;化合物6)、カマルデュレンス酸(Camaldulensic acid;化合物7)、カマルデュール酸(Camaldulic acid;化合物8)、2−オキソアジア酸(2−Oxoasitic acid;化合物9)、3−エピイレックスゲニンA(3−Epiilexgenin A;化合物10)、4−エピ−ピンフェンス酸(4−epi−Pinfaensic acid;化合物11)、モリノウルソール酸B(Morinoursolic acidB;化合物12)又はウルソール酸(化合物13)から選択されるトリテルペン及びその誘導体1種又は2種以上とを含有する皮膚外用剤であって、3)前記グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体に於けるアシル基が炭素数8〜20の分岐の脂肪族アシル基であることを特徴とする、皮膚外用剤。
- トリテルペンの誘導体が、エステル又は配糖体である、請求項1に記載の皮膚外用剤。
- グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体が、2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−プロピルペンタノイル)−L−アスコルビン酸 (化合物A)、6−O−(2−ブチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸(化合物B)又は2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−ペンチルヘプタノイル)−L−アスコルビン酸(化合物C)であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 美肌用の化粧料であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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