JP3878095B2 - 日焼け予防用の皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、日焼け防止用の化粧料に好適な皮膚外用剤に関する。
【0002】
紫外線の生体に及ぼす影響は、決して生体にとって好ましいものではなく、避けるべきものであると言われて久しい。即ち、紫外線照射によって誘起される影響としては、遺伝子レベルの損傷に留まらず、皮膚生体組織の損傷、損傷によって引き起こされる炎症、炎症によって誘起されるサイトカイン類の暴走、サイトカイン類の暴走による生体の二次的損傷等が例示でき、これらを一瞥しただけでも、紫外線照射が生体にとって避けるべきものであることは直ちに理解できる。近年においてはオゾンホールの拡大によって、そのニーズはますます増大していると言われる。通常、この様な紫外線から人体、特に露出している皮膚を守る手段としては、二酸化チタンや酸化亜鉛などの隠蔽性粉体やベンゾフェノン類或いは桂皮酸誘導体等の紫外部に大きな吸収極大を有する、所謂、紫外線吸収剤を配合した化粧料を塗布し、紫外線の皮膚への到達を阻害する手段が適用されている。しかしながら、隠蔽性粉体においては、紫外線吸収後、吸収エネルギーをラジカルとして放出するため、このラジカルによる生体損傷の問題が問いただされているし、紫外線吸収剤では、カットしきれない部分が残り、この影響が懸念されている。即ち、生体に於いて、紫外線の影響をより少ないものにする技術の開発が望まれていた。
【0003】
一方、グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体はグルコシル−L−アスコルビン酸に比べ、生体内への取り込みが高く、生体利用性が高いことが知られているが、当該アシル化誘導体に於いて、アシル基に分岐のものを用いることも、グルコシル−L−アスコルビン酸の分岐のアシル化誘導体が直鎖のアシル化誘導体に比べて、更に優れた生体利用性を有することも全く知られていないし、これらのグルコシル−L−アスコルビン酸の分岐のアシル化誘導体と紫外線吸収剤とを組み合わせて化粧料などの皮膚外用剤に含有させる技術も、この様な皮膚外用剤が生体を紫外線の影響から守る作用に優れることも全く知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、生体に於いて、紫外線の影響をより少ないものにする技術を提供することを課題とする。
【0005】
【課題解決するための手段】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、生体に於いて、紫外線の影響をより少ないものにする技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体と2)紫外線吸収剤とを含有する皮膚外用剤であって、3)前記グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体に於けるアシル基が炭素数8〜20の分岐の脂肪族アシル基であることを特徴とする、皮膚外用剤が、その様な特性を備えていることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)1)グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体と2)紫外線吸収剤とを含有する皮膚外用剤であって、3)前記グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体に於けるアシル基が炭素数8〜20の分岐の脂肪族アシル基であることを特徴とする、皮膚外用剤。
(2)グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体における、アシル基の構造が、次に示す一般式(I)に表されるものであることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体が、2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−プロピルペンタノイル)−L−アスコルビン酸(化合物1)、6−O−(2−ブチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸(化合物2)又は2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−ペンチルヘプタノイル)−L−アスコルビン酸(化合物3)であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)紫外線吸収剤が、パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、イソフェルラ酸及びその塩、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン、パラメトキシ桂皮酸イソプロピル、2,4−ジイソプロピル桂皮酸エチル、オキシベンゾン、スリソベンゾン及びその塩並びにパラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルから選択されるものであることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)化粧料であることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(6)日焼け防止用であることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
以下、本発明について更に詳細に説明を加える。
【0006】
【化2】
Figure 0003878095
一般式(I)
(但し、式中mは2〜8の整数を表す。)
【0007】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体
本発明の皮膚外用剤の必須成分である、グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体は、前記アシル基が炭素数8〜20の分岐の脂肪族アシル基であることを特徴とする。かかるアシル基としては、例えば、イソオクタノイル基、イソパルミトイル基、イソステアロイル基、2−プロピルペンタノイル基、2−ブチルヘキサノイル基、2−ペンチルへプタノイル基などが好適に例示でき、これらの中では、上記一般式(I)の構造を有するアシル基が特に好ましく、具体的には、2−プロピルペンタノイル基、2−ブチルヘキサノイル基、2−ペンチルへプタノイル基が特に好ましく例示できる。かかるグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体は、諸種の方法により調製することができる。例えば、グリコシル−L−アスコルビン酸に適宜のアシル化剤を反応させれば、所望のアシル化誘導体が得られる。このとき、必要とあれば、反応系内に触媒を共存させてもよく、その触媒はリパーゼなどの酵素であってもよい。原料となるグリコシル−L−アスコルビン酸は、例えば、特開平3−139288号公報、特開平3−135992号公報及び特開平3−183492号公報に記載されているように、シクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラーゼなどの糖転移酵素の存在下でL−アスコルビン酸にシクロマルトデキストリンや澱粉加水分解物などのα−グルコシル化合物を反応させるか、あるいは、特開平6−228183号公報及び特開平6−263790号公報に記載されているように、β−ガラクトシダーゼの存在下で5,6−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸にラクトースなどのβ−ガラクトシル化合物を反応させることによって得ることができる。ちなみに、2−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸の市販品としては、例えば、『AA−2G』(固形分重量当りの2−O−α−D−モノグルコピラノシル−L−アスコルビン酸含量98%以上、株式会社林原商事販売)が挙げられる。用途にもよるれども、この発明においては、グリコシル−L−アスコルビン酸は必ずしも高度に精製されておらずともよく、調製方法に特有な類縁体や他の成分との未分離組成物であっても、実質的なアシル化を妨げない他の成分との混合物であってもよい。
【0008】
化学反応による場合には、ヒドロキシル基を有する化合物をアシル化するための通常一般の方法を適用すればよく、個々の方法としては、例えば、酸又は酸ハライド、酸無水物若しくは酸エステルなどのアシル化剤を用いる方法が挙げられる。アシル化剤としては、2−エチルヘキサン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、2−プロピルペンタン酸、2−ブチルヘキサン酸、2−ペンチルへプタン酸などのカルボン酸、酸ハライド、酸無水物或いはカルボン酸エステルが好ましく例示できる。
【0009】
反応は、通常、反応系への水の侵入を遮断した非水系で行なわれ、例えば、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤中、必要に応じて、p−トルエンスルホン酸などの触媒を共存させて、グリコシル−L−アスコルビン酸にカルボン酸無水物を反応させるか、あるいは、濃硫酸などの触媒の存在下、グリコシル−L−アスコルビン酸にカルボン酸そのものを反応させる。反応条件としては、L−アスコルビン酸のアシル化に通常用いられる反応がそのまま適用できるが、グリコシル−L−アスコルビン酸1モルに対して、アシル化剤を3モル以下、望ましくは、2モル以下反応させるときには、反応がほぼ特異的に進行し、グリコシル−L−アスコルビン酸におけるL−アスコルビン酸残基の特定の部位にアシル基を導入することができる。例えば、2−O−α−D−モノグルコピラノシル−L−アスコルビン酸の場合、2モル以下のアシル化剤を反応させると、実質的に、L−アスコルビン酸残基における6位の位置のヒドロキシル基だけをアシル化することができる。また、公知の方法によってL−アスコルビン酸における6位のヒドロキシル基だけをアシル化した後、適宜有機溶剤又は有機溶剤と水との適宜混液中、例えば、シクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラーゼなどの糖転移酵素の存在下でそのアシル化されたL−アスコルビン酸にシクロマルトデキストリンや澱粉部分加水分解物などのα−グルコシル化合物を反応させるときには、L−アスコルビン酸残基における6位のヒドロキシル基だけがアシル化された2−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸のモノアシル化誘導体を得ることができる。好ましいグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体としては、例えば、2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−プロピルペンタノイル)−L−アスコルビン酸 (化合物1)、6−O−(2−ブチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸(化合物2)又は2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−ペンチルヘプタノイル)−L−アスコルビン酸(化合物3)が例示できる。
【0010】
酵素反応による場合には、グリコシル−L−アスコルビン酸及びアシル化剤を基質とし、通常、これらの基質と酵素に応じた適宜有機溶剤が用いられ、場合によっては、適宜分配率の水及び有機溶剤からなる二成分系が用いられる。酵素としてはリパーゼが一般的であり、酵素剤は固定化されていてもよい。有機溶剤として、例えば、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、ピリジンなどの親水性有機溶剤が用いられる。反応条件は、酵素法によるL−アスコルビン酸のアシル化の場合と同様に設定すればよく、酵素の種類にも特に制限がない。なお、グリコシル−L−アスコルビン酸、とりわけ、2−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸は水溶液における安定性が著しく高いので、L−アスコルビン酸のアシル化の場合とは違って、複雑な条件設定の必要がない。
【0011】
斯くして得られるアシル化誘導体は、L−アスコルビン酸の脂肪酸エステルを精製するための通常の方法を適用することにより精製することができる。個々の精製方法としては、例えば、塩析、透析、濾過、濃縮、分別沈澱、分液抽出、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、親和クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、等電点電気泳動、結晶化などが挙げられ、これらは、反応条件並びに所望するアシル化誘導体の種類及び純度に応じて適宜組合せて適用される。この様な製造例を以下に示す。
【0012】
<製造例1>
〈2−エチルヘキサン酸誘導体(6−O−(2−エチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸;化合物4)の調製〉
室温下、反応容器に2−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸(商品名『AA−2G』、固形分重量当りの2−O−α−D−モノグルコピラノシル−L−アスコルビン酸含量98%以上、株式会社林原商事販売)を2.71g(8.0mmol)とり、アルゴン気流下、ピリジンを350ml加え、溶解するまで撹拌した。次に、ピリジン50mlに溶解した2−エチルヘキサン酸無水物(9.6mmol)をアルゴン気流下、2分間かけて反応容器内に滴々加えた後、室温下で135分間反応させた。その後、反応容器内にメタノールを加え、濃縮し、乾固して反応を停止させた。
【0013】
得られた反応混合物の固状物をカラムクロマトグラフィー用シリカゲル(商品名『ワコーゲル』、和光純薬工業株式会社製造)139.5gのカラムに負荷し、酢酸エチル500ml、酢酸エチル/メタノール混液(容量比9:1)500ml、酢酸エチル/メタノール混液(容量比8:2)500ml及び酢酸エチル/メタノール混液(容量比7:3)500mlをこの順序でそれぞれ通液する一方、溶出液を100mlずつ採取した。各溶出画分の一部をそれぞれとり、これを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルプレート(商品名『シリカゲル60 F254』、メルク製造)に少量滴下し、乾燥させた後、酢酸エチル/メタノール混液(容量比6:4)を用いて展開し、メイン・スポットを掻き取り、酢酸エチルとエタノールの等量混合液100mlで2回抽出し、濾過、乾固し表記誘導体を分取した。構造はH−NMRと13C−NMRにより確認した。
【0014】
<製造例2>
〈イソパルミチン酸誘導体(6−O−イソパルミトイル−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸;化合物5)の調製〉
製造例1と同様の手技で、酸無水物をイソパルミチン酸無水物に変えて表記化合物を得た。
【0015】
<製造例3>
〈イソステアリン酸誘導体(6−O−イソステアロイル−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸;化合物6)の調製〉
製造例1と同様の手技で、酸無水物をイソステアリン酸無水物に変えて表記化合物を得た。
【0016】
<製造例4>
〈2−プロピルペンタン酸誘導体(2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−プロピルペンタノイル)−L−アスコルビン酸;化合物1)の調製〉
製造例1と同様の手技で、酸無水物を2−プロピルペンタン酸無水物に変えて表記化合物を得た。
【0017】
<製造例5>
〈2−ブチルヘキサン酸誘導体(6−O−(2−ブチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸;化合物2)の調製〉
製造例1と同様の手技で、酸無水物を2−ブチヘキサン酸無水物に変えて表記化合物を得た。
【0018】
<製造例6>
〈2−ペンチルヘプタン酸誘導体(2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−ペンチルヘプタノイル)−L−アスコルビン酸;化合物3)の調製〉
製造例1と同様の手技で、酸無水物を2−ペンチルヘプタン酸無水物に変えて表記化合物を得た。
【0019】
(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分である紫外線吸収剤
本発明の皮膚外用剤は必須成分として、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする。紫外線吸収剤としては、通常化粧料で使用されているものであれば特段の限定を受けず使用することができ、例えば、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジパラメトキシケイ皮酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、メトキシケイ皮酸オクチル、ジイソプロピルケイ皮酸メチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸ブチル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸アミル等の安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸アミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチル酸カリウム等のサリチル酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−メトキシジベンゾイルメタン、4−t−ブチル−4’−ヒドロキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、メンチル−O−アミノベンゾエート、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メンチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤等が例示でき、これらの中では、パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、イソフェルラ酸及びその塩、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン、パラメトキシ桂皮酸イソプロピル、2,4−ジイソプロピル桂皮酸エチル、オキシベンゾン、スリソベンゾン及びその塩並びにパラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル等が効果の面から好ましい。
【0020】
(3)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、上記必須成分である1)アシル基が炭素数8〜20の分岐の脂肪族アシル基であるグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体と2)紫外線吸収剤を含有することを特徴とする。前記アシル基が炭素数8〜20の分岐の脂肪族アシル基であるグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体は、唯一種を含有させることもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。かかるアシル基が炭素数8〜20の分岐の脂肪族アシル基であるグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体の本発明の皮膚外用剤に於ける、好ましい含有量は、総量で皮膚外用剤全量に対して、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは、0.05〜5重量%である。又、紫外線吸収剤は唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有することもできる。本発明の皮膚外用剤に於ける紫外線吸収剤の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、総量で0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜5重量%である。
【0021】
本発明の皮膚外用の組成物に於いては、上記の必須成分以外に、通常この様な組成物で使用される任意成分を含有することができる。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス,オレイン酸オクチルドデシル等のエステル類、オリーブ油、牛脂、椰子油等のトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、リチノレイン酸等の脂肪酸、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、色剤、防腐剤、粉体等を例示することができる。これらの内、特に好ましい任意成分としては、保湿剤としてグリセリン、増粘剤としてカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩が例示できる。グリセリンの好ましい含有量は1〜10重量%であり、更に好ましくは2〜5重量%である。これは、この量範囲に於いてトラブル発生抑制作用が著しく得られるからである。又、カルボキシビニルポリマーの塩としてはアルカリ金属塩と有機アミン塩が好ましく例示でき、中でもカリウム塩とナトリウム塩が安定性への寄与の面で特に好ましい。カルボキシビニルポリマー及びその塩は総量で0.1〜1重量%含有するのが安定化と安全性のバランスから好ましい。これらの任意成分と必須成分とを常法に従って処理することにより、本発明の組成物は製造することができる。かくして得られた皮膚外用剤は紫外線照射によって誘起される影響としては、遺伝子レベルの損傷に留まらず、皮膚生体組織の損傷、損傷によって引き起こされる炎症、炎症によって誘起されるサイトカイン類の暴走、サイトカイン類の暴走による生体の二次的損傷等の生体への影響を抑制する作用に優れる。本発明の皮膚外用剤は、皮膚外用に投与するものであれば特段の限定無く適用でき、例えば、化粧料、皮膚外用医薬などが好適に例示できる。特に好ましいものは化粧料である。これは、本発明の皮膚外用剤が安全性に特に優れるためである。
【0022】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0023】
<実施例1>
下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤であるローション化粧料を作成した。即ち、イ、ロの成分を75℃に加熱し、攪拌、可溶化し、イに徐々にロを加え、中和した後、攪拌冷却し、ローション化粧料1を得た。

1,3−ブタンジオール 5 重量部
グリセリン 3 重量部
1,2−ペンタンジオール 3 重量部
ショ糖モノラウレート 0.5重量部
デカグリセリンモノオレート 0.1重量部
化合物3 0.1重量部
カルボキシビニルポリマー 0.2重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル 0.5重量部
水 50 重量部

10%水酸化カリウム水溶液 1 重量部
水 36.3重量部
【0024】
<実施例2>
実施例1のローション化粧料について、モルモットをもちいて、紫外線の生体への影響に対する防護効果を調べた。即ち、ハートレー系白色種モルモット(雄性、300〜350g)1群6匹の背部を剃毛し、左側で予め紫外線に対する最少紅斑量(MED)を求め、しかる後に、右側に検体を0.05ml投与し、右側のみにMEDの4倍量の紫外線を照射した。照射後18時間に皮膚を採取し、凍結切片を切り出し、HE染色を行い顕微鏡下観察して、炎症の程度を判定した。炎症の判定基準は、−:炎症は認められない、±:微弱な炎症、+:軽度の炎症、++:明瞭な炎症像、+++:著しい炎症の基準を用いた。同時に、ローション1の化合物3を水に置換した比較例1、パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルを水に置換した比較例2、化合物3を2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−2−ラウロイル−L−アスコルビン酸に置換した比較例3も作成し、同様に評価した。結果を出現例数として、表1に示す。これより、本発明の皮膚外用剤は、紫外線から生体を守る作用に優れることがわかる。
【0025】
【表1】
Figure 0003878095
【0026】
<実施例3〜7>
化合物3を他の2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−分岐アシル)−L−アスコルビン酸に置換して、その作用を調べた。結果を表2に示す。これより、他の分岐アシル化物も化合物3と同様な効果を有していることがわかる。

1,3−ブタンジオール 5 重量部
グリセリン 3 重量部
1,2−ペンタンジオール 3 重量部
ショ糖モノラウレート 0.5重量部
デカグリセリンモノオレート 0.1重量部
グルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体* 0.1重量部
カルボキシビニルポリマー 0.2重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル 0.5重量部
水 50 重量部

10%水酸化カリウム水溶液 1 重量部
水 36.3重量部
*詳細は表2に記す。
【0027】
【表2】
Figure 0003878095
【0028】
<実施例8>
実施例1のパラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルを他の紫外線吸収剤に置換して、その作用を調べた。結果を表3に示す。これより、他の紫外線吸収剤もパラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルと同様な効果を有していることがわかる。

1,3−ブタンジオール 5 重量部
グリセリン 3 重量部
1,2−ペンタンジオール 3 重量部
ショ糖モノラウレート 0.5重量部
デカグリセリンモノオレート 0.1重量部
化合物3 0.1重量部
カルボキシビニルポリマー 0.2重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
紫外線吸収剤** 0.5重量部
水 50 重量部

10%水酸化カリウム水溶液 1 重量部
水 36.3重量部
**詳細は表3に示す。
【0029】
【表3】
Figure 0003878095
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、生体に於いて、紫外線の影響をより少ないものにする技術を提供することができる。

Claims (8)

  1. 1)下記一般式(I)で表される2位で分岐した炭素数8〜20の分岐アシル基を有するグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体と
    2)パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、パラメトキシ桂皮酸イソプロピル、2,4−ジイソプロピル桂皮酸エチル、イソフェルラ酸及びその塩、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン、オキシベンゾン、スリソベンゾン、及びパラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルから選択される紫外線吸収剤とを含有する皮膚外用剤
    Figure 0003878095
    一般式(I)
    (但し、式中mは2〜8の整数を表す。)
  2. 前記アシル化誘導体が、2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−プロピルペンタノイル)−L−アスコルビン酸6−O−(2−ブチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸又は2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−ペンチルヘプタノイル)−L−アスコルビン酸であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 紫外線吸収剤が、2,4−ジイソプロピル桂皮酸エチル、イソフェルラ酸及びその塩、及びパラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルから選択されるものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 化粧料であることを特徴とする請求項1〜何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. 日焼け防止用であることを特徴とする請求項1〜何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  6. さらに1,2−ペンタンジオールを含有することを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  7. 下記一般式(I)で表される2位で分岐した炭素数8〜20の分岐アシル基を有するグルコシル−L−アスコルビン酸のアシル化誘導体と、パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、パラメトキシ桂皮酸−イソプロピル、2,4−ジイソプロピル桂皮酸エチル、イソフェルラ酸及びその塩、4−tert−ブチル−4 ' −メトキシベンゾイルメタン、オキシベンゾン、スリソベンゾン、及びパラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルから選択される紫外線吸収剤と、カルボキシビニルポリマーと、水を混合し、該混合物に水酸化カリウム水溶液を添加することを特徴とする皮膚外用剤の製造方法。
    Figure 0003878095
    一般式(I)
    (但し、式中mは2〜8の整数を表す。)
  8. 前記アシル化誘導体が、2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−プロピルペンタノイル)−L−アスコルビン酸、6−O−(2−ブチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−モノグルコシル−6−O−(2−ペンチルヘプタノイル)−L−アスコルビン酸、6−O−(2−エチルヘキサノイル)−2−O−α−D−モノグルコシル−L−アスコルビン酸であることを特徴とする請求項7に記載の皮膚外用剤の製法方法。
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