JP3750558B2 - 内燃機関の負圧制御装置及び内燃機関の制御方法 - Google Patents

内燃機関の負圧制御装置及び内燃機関の制御方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の負圧制御装置及び内燃機関の制御方法に係り、特に、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置及び内燃機関の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平8−164840号に開示される如く、ブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置が知られている。このブレーキブースタは、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅する。すなわち、ブレーキブースタは、吸気通路から供給される負圧が不足している場合、ブレーキ踏力を適正に増幅することができなくなる。
【0003】
そこで、上記従来の装置は、ブレーキブースタに作用する負圧を検出し、その負圧が所望の値に到達していない場合にスロットル弁を所定量だけ閉弁する。この場合、スロットル弁の下流の吸気通路に大きな負圧が発生することで、ブレーキブースタに作用する負圧が増大する。従って、上記従来の装置によれば、ブレーキブースタに十分に大きな負圧を確保することができ、ブレーキ踏力を適正に増幅させることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内燃機関において、冷間始動時に触媒等の暖機の促進を図るべく、点火時期が最適点火時期から遅角される場合がある。点火時期が遅角されると、排気ガスが昇温し易くなる一方で、内燃機関の出力が低下してしまう。内燃機関の出力は、内燃機関に吸入される空気の量、及び、噴射される燃料の量の増大に伴って増大する。従って、内燃機関の出力の低下を防止しつつ暖機の促進を図るうえでは、点火時期を遅角させると共に、その際、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を大きくすることが考えられる。
【0005】
しかしながら、冷間始動時にスロットル弁の開度が速やかに大きくなると、スロットル弁の下流側の吸気通路に大きな負圧が発生せず、ブレーキブースタに作用する負圧を所望の値に到達させることができなくなる。上記従来の装置では、ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に到達していない場合、その負圧を増大すべくスロットル弁が閉弁されることとなるが、ブレーキブースタに作用する負圧が不足する毎に直ちにスロットル弁が閉弁されると、内燃機関に吸入される空気量が減少し、内燃機関の出力の増大を図ることができない場合がある。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の運転に支障をきたすことなく、ブレーキブースタに十分な負圧を確保することが可能な内燃機関の負圧制御装置及び内燃機関の制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置であって、
内燃機関の始動が開始された際、前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達していない場合には、内燃機関の回転数がファーストアイドル時に定常運転するファーストアイドル回転数よりも高い第1の回転数に達した後、該内燃機関が前記ファーストアイドル回転数で運転する定常運転モードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を、前記ファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持するスロットル弁制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置により達成される。
【0008】
請求項1記載の発明において、ブレーキブースタは、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧(以下、インマニ負圧と称す)を動力源としてブレーキ踏力を増幅する。内燃機関が高回転に吹き上がってからファーストアイドル時に定常運転する定常運転モードに移行するまでは、内燃機関は、空気量が少なくても回転することができる。このため、かかる期間中は、スロットル弁を、その定常運転モードにおけるファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持することとしても、内燃機関の運転に支障をきたすことはほとんどない。
【0009】
そこで、本発明において、内燃機関の始動が開始された際、ブレーキブースタに作用する負圧(以下、ブレーキ負圧と称す)が所望の値に達していない場合には、内燃機関の回転数がファーストアイドル時に定常運転するファーストアイドル回転数よりも高い第1の回転数に達した後に内燃機関が上記の定常運転モードに移行するまでの期間中に、スロットル弁がそのファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持される。かかる構成においては、上記した期間中スロットル弁の下流側の吸気通路に大きなインマニ負圧が発生することで、ブレーキ負圧が増大される。従って、本発明によれば、内燃機関の運転に支障をきたすことなく、ブレーキブースタに十分に大きな負圧を確保することができる。
【0010】
尚、本発明において、「ファーストアイドル」とは、触媒暖機時や冷間始動時等において内燃機関が通常のアイドル状態よりも高回転で運転する状態をいう。
【0011】
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載の内燃機関の負圧制御装置において、
前記スロットル弁制御手段は、内燃機関の回転数が前記第1の回転数に達した後、該内燃機関が定常運転モードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を全閉状態に維持することとしてもよい。
【0012】
また、請求項3に記載する如く、請求項1記載の内燃機関の負圧制御装置において、
前記スロットル弁制御手段は、内燃機関の回転数が前記第1の回転数に達した後、該内燃機関が前記定常運転モードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を、前記ファーストアイドル回転数よりも低回転で運転する通常のアイドル状態における開度にほぼ等しい開度に維持することとしてもよい。
【0013】
また、上記の目的は、請求項5に記載する如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置であって、
内燃機関の始動が開始された際、前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達していない場合には、内燃機関がファーストアイドル時に定常運転する定常運転モードに移行する前、内燃機関の回転数が前記定常運転モードにおけるファーストアイドル回転数よりも高い第1の回転数に達した後に、前記スロットル弁を、前記ファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持するスロットル弁制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置により達成される。
【0014】
請求項5記載の発明において、内燃機関の始動が開始された際にブレーキ負圧が所望の値に達していない場合には、内燃機関がファーストアイドル時に定常運転する定常運転モードに移行する前、内燃機関の回転数がその定常運転モードにおけるファーストアイドル回転数よりも高い第1の回転数に達した後に、スロットル弁がそのファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持される。かかる構成においては、内燃機関が第1の回転数で運転してから上記の定常運転モードに移行する間はスロットル弁の下流側に大きなインマニ負圧が発生するので、ブレーキ負圧が増大される。従って、本発明によれば、内燃機関の運転に支障をきたすことなく、ブレーキブースタに十分に大きな負圧を確保することができる。
【0017】
ところで、ブレーキ負圧の現実の値と所望の値との差圧が小さい場合は、吸気通路に大きな負圧を発生させる期間が短くても、ブレーキ負圧を所望の値に到達させることは可能である。一方、上記の差圧が大きい場合は、吸気通路に大きな負圧を発生させる期間が長くなければ、ブレーキ負圧を所望の値に到達させることはできない。
【0018】
従って、請求項4に記載する如く、請求項1記載の内燃機関の負圧制御装置において、
前記ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値との差圧に応じて、前記スロットル弁を前記ファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持する時間を変更する期間変更手段を備えることとすれば、上記した差圧の大きさにかかわらず確実にブレーキブースタに十分に大きな負圧を導くことができる。
【0019】
また、スロットル弁が全閉状態にある状況下では、内燃機関の吹き上がり回転数が高いほど、吸気通路に負圧が生じ易くなる。
【0020】
従って、請求項6に記載する如く、請求項1又は5記載の内燃機関の負圧制御装置において、
前記ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値との差圧に応じて前記第1の回転数を変更する所定回転数変更手段を備えることとすれば、上記した差圧の大きさにかかわらず確実にブレーキブースタに十分に大きな負圧を導くことができる。
【0021】
また、上記の目的は、請求項に記載する如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタと、ファーストアイドル時に点火時期が所定の時期まで遅角される点火遅角制御を実行する点火時期制御手段と、前記点火遅角制御により点火時期が遅角されるほど前記スロットル弁の開度を増大するスロットル開度制御手段と、を備える内燃機関の負圧制御装置であって、
前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達していない場合には、前記点火遅角制御により点火時期が前記所定の時期まで遅角される少なくとも一部の過程で、該点火時期を、前記ブレーキブースタに作用する負圧が前記所望の値に達している場合に比して進角側で変化させる点火時期変更手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置により達成される。
【0022】
請求項9記載の発明において、内燃機関では、ファーストアイドル時に点火時期が遅角される点火遅角制御が実行される。また、点火遅角制御により点火時期が遅角される際、その遅角量に応じてスロットル弁の開度が増大される。すなわち、点火時期が遅角されるほどスロットル弁の開度が増大される。スロットル弁の開度が増大されると、大きなインマニ負圧が発生し難くなる。
【0023】
本発明において、ブレーキ負圧が所望の値に達していない場合には、点火遅角制御により点火時期が所定の時期まで遅角される過程で、点火時期は、ブレーキ負圧が所望の値に達している場合に比して進角側で変化する。かかる構成においては、点火時期が所定の時期まで遅角される過程で、ブレーキ負圧が所望の値に達していない場合は、所望の値に達している場合に比して、点火時期が進角側に設定されている時間が長く、スロットル弁の開度が小さくなっている時間が長くなる。このため、ブレーキ負圧が所望の値に達していない場合は、スロットル弁の下流側の吸気通路に、所望の値に達している場合に比して大きなインマニ負圧が発生するので、ブレーキ負圧が速やかに増大される。従って、本発明によれば、点火遅角制御が実行される際にも、ブレーキブースタに十分に大きな負圧を確保することが可能となる。
【0024】
この場合、請求項に記載する如く、請求項記載の内燃機関の負圧制御装置において、
前記点火時期変更手段は、前記ブレーキブースタに作用する負圧が前記所望の値に達していない場合、前記点火時期制御手段による前記点火遅角制御の実行を点火時期が前記所定の時期に達する前に中断することにより、点火時期を前記ブレーキブースタに作用する負圧が前記所望の値に達している場合に比して進角側で変化させることとしてもよい。
【0025】
また、請求項に記載する如く、請求項記載の内燃機関の負圧制御装置において、
前記ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値との差圧に応じて、前記点火時期制御手段による前記点火遅角制御の実行を中断する時期を変更する中断時期変更手段を備えることとすれば、上記した差圧の大きさにかかわらずブレーキブースタに確実に十分に大きな負圧を導くことができる。
【0026】
また、上記の目的は、請求項10に記載する如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタと、ファーストアイドル時に点火時期が所定の時期まで遅角される点火遅角制御を実行する点火時期制御手段と、前記点火遅角制御により点火時期が遅角されるほど前記スロットル弁の開度を増大するスロットル開度制御手段と、を備える内燃機関の負圧制御装置であって、
前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達していない場合には、前記点火遅角制御により点火時期を前記所定の時期に到達させるまでの時間を、前記ブレーキブースタに作用する負圧が前記所望の値に達している場合に比して長くする点火時期変更手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置により達成される。
【0027】
請求項12記載の発明において、ブレーキ負圧が所望の値に達していない場合には、点火遅角制御により点火時期を所定の時期に到達させるまでの時間が、ブレーキ負圧が所望の値に達している場合に比して長くなる。かかる構成においては、点火時期が所定の時期まで遅角される過程で、ブレーキ負圧が所望の値に達していない場合は、所望の値に達している場合に比して、点火時期が進角側に設定されている時間が長く、スロットル弁の開度が小さくなっている時間が長くなる。従って、本発明によれば、点火遅角制御が実行される際にも、ブレーキブースタに十分に大きな負圧を確保することが可能となる。
【0028】
ところで、ブレーキ負圧の現実の値と所望の値との差圧が小さい場合は、吸気通路に大きな負圧が発生する期間が短くても、ブレーキ負圧を所望の値に到達させることは可能である。一方、上記の差圧が大きい場合は、吸気通路に大きな負圧が発生する期間が長くなければ、ブレーキ負圧を所望の値に到達させることはできない。
【0029】
従って、請求項11に記載する如く、請求項10記載の内燃機関の負圧制御装置において、
前記点火時期変更手段は、前記ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値との差圧に応じて前記時間を変更することとすれば、上記した差圧の大きさにかかわらずブレーキブースタに確実に十分に大きな負圧を導くことができる。
【0030】
また、上記の目的は、請求項12に記載する如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置であって、
内燃機関の始動が開始された際、該内燃機関の始動中又は始動後に点火時期遅角及びスロットル開度増加を伴う触媒暖機運転を行う触媒暖機制御の実行条件が成立する場合には、内燃機関の回転数がファーストアイドル時に定常運転するファーストアイドル回転数よりも高い所定の回転数に達した後、該内燃機関が前記ファーストアイドル回転数で運転する定常運転モードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を、前記ファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持するスロットル弁制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置により達成される。
【0031】
請求項12記載の発明において、内燃機関の始動が開始された際、点火時期遅角及びスロットル開度増加を伴う触媒暖制御の実行条件が成立する場合には、内燃機関の回転数がファーストアイドル時に定常運転するファーストアイドル回転数よりも高い所定の回転数に達した後に内燃機関がそのファーストアイドル回転数で運転する定常運転モードに移行するまでの期間中に、スロットル弁がそのファーストアイドル回転数に対応する開度によりも小さい開度に維持される。かかる構成においては、上記した期間中スロットル弁の下流側の吸気通路に大きなインマニ負圧が発生することで、ブレーキ負圧が増大される。従って、本発明によれば、内燃機関の運転に支障をきたすことなく、ブレーキブースタに十分に大きな負圧を確保することができる。
【0032】
更に、上記の目的は、請求項13に記載する如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタを備える内燃機関の制御方法であって、
内燃機関の始動が開始された際、前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達していない場合には、内燃機関を、ファーストアイドル時に定常運転する定常運転モードへの移行前に、前記定常運転モードにおけるファーストアイドル回転数よりも高く設定された第1の回転数まで回転させる第1のステップと、
内燃機関の回転数が前記第1の回転数に達した後、該内燃機関が前記定常運転モードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を、前記ファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持する第2のステップと、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御方法により達成される。
【0033】
請求項13記載の発明において、内燃機関の始動が開始された際、ブレーキ負圧が所望の値に達していない場合には、内燃機関を、ファーストアイドル時に定常運転する定常運転モードへの移行前に、その定常運転モードにおけるファーストアイドル回転数よりも高く設定された第1の回転数まで回転させる。そして、内燃機関の回転数が第1の回転数に達した後、内燃機関が上記の定常運転モードに移行するまでの期間中に、スロットル弁を、そのファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持する。かかる構成においては、上記した期間中スロットル弁の下流側の吸気通路に大きなインマニ負圧が発生することで、ブレーキ負圧が増大される。従って、本発明によれば、内燃機関の運転に支障をきたすことなく、ブレーキブースタに十分に大きな負圧を確保することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施例である内燃機関10の負圧制御装置のシステム構成図を示す。本実施例のシステムは、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)12を備えており、ECU12により制御される。
【0035】
図1に示す如く、本実施例のシステムは、ブレーキペダル14を備えている。ブレーキペダル14には、作動軸16を介してブレーキブースタ18が連結されている。ブレーキブースタ18は、その内部にダイヤフラム20により隔成された負圧室22及び変圧室24を備えている。負圧室22には、負圧供給配管26を介して内燃機関10のサージタンク28が接続されている。
【0036】
負圧供給配管26の途中には、逆止弁30が設けられている。逆止弁30は、負圧室22側からサージタンク28側へ向かう空気の流れのみを許容する一方向弁であり、負圧室22の内圧がサージタンク28の内圧に比して高圧である場合に開弁する。逆止弁30の負圧室22側には、負圧蓄積タンク32が設けられている。負圧蓄積タンク32は、サージタンク28に生じた負圧を蓄積する機能を有している。
【0037】
サージタンク28上流側の吸気通路34には、その通路の有効面積を可変するスロットル弁36が設けられている。スロットル弁36は、ECU12に接続されたスロットルアクチュエータ37に連結されている。スロットル弁36は、スロットルアクチュエータ37がECU12から供給される駆動信号に応じて駆動することにより、その駆動状態に応じた開度に開弁される。以下、スロットル弁36の開度をスロットル開度θと称す。
【0038】
内燃機関10が運転状態にあると、スロットル弁36の下流側の吸気通路34、すなわち、サージタンク28には負圧(以下、インマニ負圧と称す)が発生する。サージタンク28で発生したインマニ負圧は、負圧供給配管26及び負圧蓄積タンク32を介してブレーキブースタ18の負圧室22に導かれる。従って、内燃機関10の運転中、ブレーキブースタ18の負圧室22には、サージタンク28で発生するインマニ負圧が供給される。
【0039】
ブレーキペダル14が踏み込まれていない場合は、ブレーキブースタ18の変圧室24には負圧室22に作用している負圧(以下、ブレーキ負圧BVACと称す)が導かれる。この場合、変圧室24と負圧室22との間に差圧は生じない。一方、ブレーキペダル14が踏み込まれている場合は、変圧室24にそのブレーキ踏力に応じた分の大気が導入される。このため、内燃機関10の運転中にブレーキペダル14が踏み込まれると、変圧室24と負圧室22との間に、ブレーキ踏力に応じた差圧が発生する。この差圧は、ブレーキ踏力に対して所定の倍力比を有する助勢力として作用する。従って、ブレーキブースタ18は、内燃機関10の運転中、ブレーキペダル14が踏み込まれることにより、サージタンク28で発生するインマニ負圧を動力源として、そのブレーキ踏力に対して所定の倍力比を有する助勢力を発生する。
【0040】
負圧蓄積タンク32には、圧力センサ38が配設されている。圧力センサ38は、負圧蓄積タンク32の内圧、すなわち、ブレーキブースタ18の負圧室22に作用している内圧(ブレーキ負圧BVAC)に応じた信号を出力する。圧力センサ38の出力信号は、ECU12に供給されている。ECU12は、圧力センサ38の出力信号に基づいてブレーキ負圧BVACを検出する。
【0041】
ブレーキブースタ18には、内部に液圧室40を備えたマスタシリンダ42が連結されている。マスタシリンダ42の液圧室40には、ブレーキ踏力と助勢力との合力に応じたマスタシリンダ圧が発生する。マスタシリンダ42には、ホイルシリンダ44が接続されている。ホイルシリンダ44は、マスタシリンダ圧に応じた制動力を車輪に対して付与する。
【0042】
内燃機関10は、吸気通路34の燃焼室50側の端部近傍に配設されたインジェクタ52、及び、先端部が燃焼室50に露出するように配設された点火プラグ54を備えている。インジェクタ52は、ECU12に電気的に接続されており、ECU12から駆動信号が供給された場合に、燃料タンクから汲み上げられた燃料を吸気通路34へ向けて噴射する。点火プラグ54は、ECU12に電気的に接続されており、ECU12から高圧の点火信号が供給された場合に、燃焼室50の内部で火花を発生させる。
【0043】
ECU12には、内燃機関10の回転数(以下、機関回転数NEと称す)に応じた信号を出力するNEセンサ56が接続されている。ECU12は、NEセンサ56の出力信号に基づいて機関回転数NEを検出する。
【0044】
ところで、内燃機関10の始動が開始された際に、暖機の促進を図るべく、内燃機関10を、通常のアイドル状態よりも高回転(例えば1500rpm;以下、この際の機関回転数NEをファーストアイドル回転数NEと称す)で運転させるファーストアイドル状態に移行させ、そのファーストアイドル回転数NEで定常運転させる場合がある。内燃機関10を高回転で運転させる手法としては、燃焼室50に供給される吸入空気の量、及び、噴射される燃料の量を増大することが考えられる。かかる手法によれば、内燃機関10の燃焼室50における燃焼が促進されることで出力が向上し、内燃機関10が高回転で運転することができる。また、吸入空気量の増大は、スロットル弁36の開度を大きくすることにより実現できる。
【0045】
しかしながら、内燃機関10の始動直後から、内燃機関10をファーストアイドル状態に移行させるべく、スロットル弁36の開度が大きくされると、スロットル弁36の下流側の吸気通路34、すなわち、サージタンク28に大きなインマニ負圧を発生させることが困難となる。かかる状況下では、ブレーキペダル14が踏み込まれても、ブレーキブースタ18の変圧室24と負圧室22との間に所望の差圧が確保されず、ブレーキ踏力に対して所望の助勢力を発生させることができなくなる。
【0046】
内燃機関10は、高回転から低回転へ向けて移行する間は、燃焼室50に吸入される空気量が少なくても惰性回転することができる。このため、かかる期間中にスロットル弁36を開度の小さい状態(例えば、通常のアイドル開度程度、または、それ以下の開度である全閉状態(後に詳述する))に維持することとしても、内燃機関10の運転に不都合が生ずることはほとんどない。従って、内燃機関10の始動が開始された後に、内燃機関10をファーストアイドル状態よりも高回転(例えば2000rpm;以下、この機関回転数NEを吹き上がり回転数NEmaxと称す)まで吹き上がらせ、その後、ファーストアイドル状態に移行するまでの期間中に、スロットル弁36をファーストアイドル状態に対応する開度よりも小さい開度に維持することとすれば、その開度差分だけ、スロットル弁36の下流側の吸気通路34に大きなインマニ負圧を発生させることが可能となる。吸気通路34に大きなインマニ負圧が発生した場合は、その負圧が負圧供給配管26及び負圧蓄積タンク32を介してブレーキブースタ18の負圧室22に導かれることで、ブレーキ踏力に対して所望の助勢力を発生させることが可能となる。
【0047】
ここで、スロットル弁36の「全閉状態」とは、ECU12からの駆動信号によってスロットルアクチュエータ37が閉弁側に最大限駆動された際に実現されるスロットル弁36の最も閉じた開度位置を意味し、スロットル弁36の上流側から下流側へ少量の空気が流通し得るものである。尚、スロットル弁36の全閉状態における開度は、内燃機関10のファーストアイドル状態における開度よりも小さければよく、通常のアイドル状態における開度であってもよい。
【0048】
本実施例のシステムは、内燃機関10の始動が開始された際にブレーキ負圧BVACが所望の値に達していない場合には、内燃機関10をファーストアイドル回転数NEよりも高回転の吹き上がり回転数NEmaxまで吹き上がらせ、その後内燃機関10の回転数NEがその吹き上がり回転数NEmaxからファーストアイドル回転数NEに至る間でスロットル弁36を全閉状態に維持することで、ブレーキ負圧BVACを、始動後速やかに十分に大きな値に確保する点に特徴を有している。
【0049】
図2は、本実施例の内燃機関10の負圧制御装置の動作を説明するための図である。尚、図2(A)には機関回転数NEの時間変化が、図2(B)にはスロットル開度θの時間変化が、それぞれ示されている。
【0050】
図2に示す如く、内燃機関10の始動が開始された後は、内燃機関10をファーストアイドル状態よりも高回転まで吹き上がらせるため、スロットル開度θが大きくされる。そして、時刻t=tにおいて機関回転数NEが所定の吹き上がり回転数NEmaxに達した場合に、スロットル弁36が全閉状態となるようにスロットル開度θが変更される。そのスロットル弁36の全閉状態は、内燃機関10がほとんどファーストアイドル状態による定常運転になったと判断できる所定の値に機関回転数NEが低下する(図2において時刻t=t)まで継続される。スロットル弁36が全閉状態にされている間は、スロットル弁36の下流側の吸気通路34へ吸入される空気量が少ないため、サージタンク28に大きなインマニ負圧が発生する。そして、時刻t=tにおいて機関回転数NEが所定の値に達した場合に、内燃機関10をファーストアイドル状態で運転させるため、スロットル開度θが全閉状態から大きくされる。
【0051】
図3は、上記の機能を実現すべく、本実施例においてECU12が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図3に示すルーチンは、その処理が終了するごとに起動されるルーチンである。図3に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0052】
ステップ100では、イグニションスイッチが操作されることにより内燃機関10の始動が開始されたか否かが判別される。本ステップ100の処理は、上記の条件が成立すると判別されるまで繰り返し実行される。その結果、内燃機関10の始動が開始されたと判別された場合は、次にステップ102の処理が実行される。
【0053】
ステップ102では、圧力センサ38の出力信号に基づいて、ブレーキブースタ18の負圧室22に導かれている圧力、すなわち、ブレーキ負圧BVACが検出される。
【0054】
ステップ104では、上記ステップ102で検出されたブレーキ負圧BVACが、所定値Bを下回っているか否かが判別される。尚、所定値Bは、ブレーキブースタ18がブレーキ踏力に対して所望の倍力比を有する助勢力を発すると判断できる最低限のブレーキ負圧BVACである。BVAC≦Bが成立する場合は、ブレーキブースタ18の負圧室22に大きな負圧が作用していると判断でき、ブレーキブースタ18がブレーキ踏力に対して所望の倍力比を有する助勢力を発生することができると判断できる。この場合は、負圧室22にそれ以上大きな負圧を導く必要はない。従って、BVAC≦Bが成立すると判別された場合は、次にステップ120の処理が実行される。
【0055】
一方、BVAC≦Bが成立しない場合は、ブレーキブースタ18の負圧室22に大きな負圧が作用しておらず、ブレーキブースタ18がブレーキ踏力に対して所望の倍力比を有する助勢力を発生することができないと判断できる。この場合は、負圧室22に大きな負圧を導く必要がある。従って、BVAC≦Bが成立しないと判別された場合は、次にステップ106の処理が実行される。
【0056】
ステップ106では、ブレーキ負圧の現実の値BVACと目標の所定値Bとの偏差|BVAC―B|を算出する処理が実行される。
【0057】
この偏差|BVAC―B|が小さい場合は、スロットル弁36が全閉状態に維持される時間が短くても、ブレーキ負圧を目標の所定値Bまで確実に減圧させることが可能となる。一方、上記の偏差|BVAC―B|が大きい場合は、スロットル弁36が全閉状態に維持される時間が長くなければ、ブレーキ負圧を目標の所定値Bまで減圧させることが不可能となる。この点、スロットル弁36が全閉状態に維持される時間を、ブレーキ負圧の現実の値BVACと目標の所定値Bとの偏差に応じた時間に設定することが適切である。
【0058】
内燃機関10の吹き上がり回転数NEmaxがファーストアイドル回転数NEより高いほど、内燃機関10の機関回転数NEが吹き上がり回転数NEmaxに達した後ファーストアイドル回転数NEに低下するまでの時間が長くなる。この点、吹き上がり回転数NEmaxを適当に設定することにより、スロットル弁36が全閉状態に維持される時間を、ブレーキ負圧の現実の値BVACと目標の所定値Bとの偏差に応じた時間に設定することが可能となる。従って、上記ステップ106の処理が終了すると、次にステップ108の処理が実行される。
【0059】
ステップ108では、内燃機関10の吹き上がり回転数NEmaxを、上記ステップ106で算出された偏差|BVAC―B|に応じた値に設定する処理が実行される。具体的には、吹き上がり回転数NEmaxは、所定のマップを参照することにより、偏差|BVAC―B|が大きいほど高く設定される。
【0060】
ステップ110では、内燃機関10の始動が開始された後、上記ステップ108で設定した吹き上がり回転数NEmaxが実現されるように、スロットル弁36を大きく開弁する制御が実行される。本ステップ110の処理が実行されると、以後、内燃機関10の燃焼室50へ多量の空気が吸入されると共に、それに伴って多量の燃料も噴射される。
【0061】
ステップ112では、機関回転数NEが吹き上がり回転数NEmaxに達したか否かが判別される。本ステップ112の処理は、NE=NEmaxが成立すると判別されるまで繰り返し実行される。その結果、NE=NEmaxが成立すると判別された場合は、次にステップ114の処理が実行される。
【0062】
ステップ114では、スロットル弁36を大きく開弁する制御を中止する処理が実行される。
【0063】
ステップ116では、スロットル弁36を全閉状態にする処理が実行される。本ステップ116の処理が実行されると、以後、スロットル弁36の下流側の吸気通路34へ吸入される空気が少量となるので、大きなインマニ負圧が発生する。
【0064】
ステップ118では、機関回転数NEがしきい値NEshに達したか否かが判別される。尚、しきい値NEshは、内燃機関10が高回転状態からファーストアイドル状態へ移行する際にほとんどファーストアイドル状態による定常運転になったと判断できる、ファーストアイドル回転数NEよりも高く、かつ、吹き上がり回転数NEmaxよりも低い機関回転数に設定されている。本ステップ118の処理は、NE=NEshが成立すると判別されるまで繰り返し実行される。その結果、NE=NEshが成立すると判別された場合は、次にステップ120の処理が実行される。
【0065】
ステップ120では、スロットル弁36を、内燃機関10の機関回転数NEがファーストアイドル回転数NEとなる開度に制御する処理が実行される。本ステップ120の処理が実行されると、以後、内燃機関10がファーストアイドル状態で運転することとなる。本ステップ120の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0066】
上記の処理によれば、内燃機関10の始動が開始された際に、ブレーキ負圧BVACが、ブレーキブースタ18にブレーキ踏力に対して所望の倍力比を有する助勢力を発生させる程度にまで達していない場合、内燃機関10をファーストアイドル状態に移行させる前にファーストアイドル状態よりも高回転まで吹き上がらせると共に、その機関回転数NEが吹き上がり回転数に達した後ファーストアイドル回転数近傍の値に低下するまでの期間、スロットル弁36を全閉状態に維持することができる。
【0067】
かかる状態が実現されると、内燃機関10が運転中であっても大気から内燃機関10の燃焼室50へ吸入される空気が大幅に少なくなるため、スロットル弁36の下流側の吸気通路34に大きなインマニ負圧が発生する。インマニ負圧は、負圧供給配管26及び負圧蓄積タンク32を介して、ブレーキブースタ18の負圧室22に導かれる。このため、ブレーキ負圧BVACが不足している場合でも、内燃機関10の始動直後にそのブレーキ負圧BVACの増大が図られる。
【0068】
また、内燃機関10の機関回転数NEが吹き上がり回転数に達してからファーストアイドル回転数近傍の値に低下するまでの期間は、スロットル弁36を全閉状態に維持することとしても、内燃機関10の運転に不都合はほとんど生じない。従って、本実施例によれば、内燃機関10の始動が開始された後速やかに、内燃機関10の運転に支障をきたすことなく、ブレーキブースタ18に十分に大きな負圧を確保することができる。このため、本実施例によれば、内燃機関10が始動開始後ファーストアイドル状態に移行する前に、ブレーキブースタ18を適正に作動させることが可能となり、ブレーキ踏力を適正に増幅させることが可能となっている。
【0069】
また、上記の処理によれば、内燃機関10の始動開始後の吹き上がり回転数を、ブレーキ負圧BVACの目標値に対する不足量に応じた値に設定することができる。具体的には、ブレーキ負圧BVACの不足量が大きいほど、吹き上がり回転数が大きくなる。吹き上がり回転数が大きくなるほど、その後、内燃機関10が一定のファーストアイドル状態に移行するまでの期間が長くなり、スロットル弁36が全閉状態に維持されている期間も長くなる。すなわち、ブレーキ負圧BVACの不足量が大きいほど、スロットル弁36が全閉状態に維持されている期間が長くなる。
【0070】
従って、本実施例によれば、ブレーキ負圧BVACの不足量に応じて、ブレーキブースタ18の負圧室22へインマニ負圧を導くことができる。このため、本実施例によれば、ブレーキ負圧BVACの不足量が大きくても、それに応じて、インマニ負圧をブレーキブースタ18の負圧室22に導く期間が長くなるので、ブレーキブースタ18に確実に十分に大きな負圧を確保することが可能となる。
【0071】
尚、上記の第1実施例においては、ブレーキ負圧BVACが特許請求の範囲に記載した「ブレーキブースタに作用する負圧」に、吹き上がり回転数NEmaxが特許請求の範囲に記載した「第1の回転数」に、しきい値NEshが特許請求の範囲に記載した「第2の回転数」に、ファーストアイドル回転数NEが特許請求の範囲に記載した「ファーストアイドル回転数」に、それぞれ相当している。
【0072】
また、上記の第1実施例においては、ECU12が、ブレーキ負圧BVACが所定値Bに達していない場合に上記ステップ112乃至118の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「スロットル弁制御手段」が、上記ステップ108の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「期間変更手段」及び「所定回転数変更手段」が、それぞれ実現されている。
【0073】
ところで、上記の第1実施例においては、内燃機関10をファーストアイドル状態よりも高回転まで吹き上がらせる手法として、始動開始後にスロットル開度θを大きくすることとしているが、点火時期を進角させることとしてもよい。この場合にも、内燃機関10の燃焼が促進され、高出力化が図られる。
【0074】
また、上記の第1実施例においては、内燃機関10の始動が開始された際にブレーキ負圧BVACが所望の値に達していない場合、内燃機関10を吹き上がり回転数NEmaxまで吹き上がらせ、その後内燃機関10の回転数NEがその吹き上がり回転数NEmaxからファーストアイドル回転数NEに至る間でスロットル弁36を全閉状態に維持することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、内燃機関10の回転数NEがファーストアイドル回転数NEとなるスロットル弁36の開度よりも小さい開度に維持することとすればよい。
【0075】
次に、上記図1と共に、図4及び図5を参照して、本発明の第2実施例について説明する。
【0076】
ところで、内燃機関10の冷間始動時に、触媒等の暖機の促進を図るべく、内燃機関10の点火時期を遅角する場合がある。以下、この制御を点火遅角制御と称す。点火時期が遅角されると、排気ガスが通常時に比して早く昇温することで排気ガスの伝熱により触媒等が暖機され易くなる一方、内燃機関10の出力が低下する事態が生ずる。かかる事態が発生した場合に出力の低下を補う手法としては、スロットル弁36の開度を大きくすることにより内燃機関10の燃焼室50に供給される吸入空気の量を増大させると共に、噴射される燃料の量を増大することが考えられる。
【0077】
しかしながら、点火遅角制御による点火時期の遅角に伴ってスロットル開度の増大が短時間で行われると、スロットル弁36の下流側の吸気通路34、すなわち、サージタンク28に発生するインマニ負圧が速やかに小さくなることで、ブレーキブースタ18の負圧室22に大きなブレーキ負圧BVACを導くことができないおそれがある。このため、内燃機関の始動後にブレーキペダル14が踏み込まれても、ブレーキブースタ18の変圧室24と負圧室22との間に所望の差圧が確保されず、ブレーキ踏力に対して所望の助勢力を発生させることができない場合がある。従って、負圧室22に十分に大きなブレーキ負圧BVACが導かれていない場合には、点火遅角制御による点火時期の遅角に伴うスロットル開度の増大を短時間で行うことは適切でない。
【0078】
本実施例のシステムは、点火遅角制御が実行される際にもブレーキ負圧BVACを確実に十分に大きな値に確保する点に特徴を有している。
【0079】
図4(A)乃至(C)は、本実施例の内燃機関10の負圧制御装置の動作を説明するための図である。尚、図4(A)には点火時期の時間変化が、図4(B)にはスロットル開度θの時間変化が、図4(C)にはインマニ負圧の時間変化が、それぞれ示されている。また、図4(A)〜(C)においては、▲1▼ブレーキ負圧BVACが所望の値に到達していない場合、及び、▲2▼ブレーキ負圧BVACが所望の値に到達している場合を、それぞれ、実線及び破線で示している。
【0080】
本実施例においては、内燃機関10の始動が開始された後、触媒等の暖機の促進を図るため、図4(A)に示す如く時刻t=t10において点火時期の遅角が開始される。そして、この際、▲2▼ブレーキ負圧BVACが所望の値に到達している場合には、図4(A)に破線で示す如く点火時期が目標時期に到達するまでその遅角が継続され、点火時期が目標時期に到達した場合にその遅角が停止される(図4(A)において時刻t=t11)。
【0081】
一方、▲1▼ブレーキ負圧BVACが所望の値に到達していない場合には、図4(A)に実線で示す如く、点火遅角制御による点火時期の遅角が完了する前、点火時期が所定の時期まで遅角された時点(図4(A)において時刻t=t12)でその遅角が中断される。点火時期の遅角が完了前に中断されると、以後、内燃機関10の出力が低下することはないため、図4(B)に示す如くスロットル開度θの増大も中断される。この場合、インマニ負圧が正圧側(すなわち、圧力が増加する側)へ移行することがなくなり、スロットル開度θの増大が継続される場合に比して大きなインマニ負圧が確保される。このため、ブレーキ負圧BVACが所望の値に到達していない場合に、ブレーキブースタ18に大きなブレーキ負圧BVACを導くことが可能となる。そして、点火時期の遅角が中断された後、所定時間が経過した場合(図4においてt=t13)に、点火時期の遅角が再開される。
【0082】
図5は、上記の機能を実現すべく、本実施例においてECU12が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図5に示すルーチンは、その処理が終了するごとに起動されるルーチンである。図5に示すルーチンが起動されると、まずステップ200の処理が実行される。
【0083】
ステップ200では、触媒等の暖機の促進を図るべく、点火遅角制御の実行条件が成立するか否かが判別される。具体的には、点火遅角制御の実行条件は、例えば、触媒の温度が所定値以下である場合に成立する。その結果、点火遅角制御の実行条件が成立しないと判別された場合は、以後、何ら処理が進められることなく、今回のルーチンが終了される。一方、点火遅角制御の実行条件が成立すると判別された場合は、次にステップ202の処理が実行される。
【0084】
ステップ202では、圧力センサ38の出力信号に基づいて、ブレーキブースタ18の負圧室22に導かれている圧力、すなわち、ブレーキ負圧BVACが検出される。
【0085】
ステップ204では、上記図3に示すルーチンのステップ104と同様に、ブレーキ負圧BVACが所定値Bを下回っているか否かが判別される。その結果、BVAC≦Bが成立すると判別された場合は、次にステップ206の処理が実行される。一方、BVAC≦Bが成立しないと判別された場合は、次にステップ208の処理が実行される。
【0086】
ステップ206では、通常どおりの手順に従って、点火遅角制御を実行する処理が実行される。本ステップ206の処理が実行されると、以後、点火時期が遅角されると共に、その遅角に伴う出力の低下を補うべくスロットル弁36のスロットル開度θが増大される。本ステップ206の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0087】
ステップ208では、ブレーキ負圧の現実の値BVACと目標の所定値Bとの偏差|BVAC―B|を算出する処理が実行される。
【0088】
この偏差|BVAC―B|が小さい場合は、点火遅角制御により点火時期が遅角される過程で点火時期が進角側で変化する時間が短くても、すなわち、スロットル開度θが小さい状態に維持される時間が短くても、ブレーキ負圧を目標の所定値Bまで確実に減圧させることが可能となる。一方、上記の偏差|BVAC―B|が大きい場合は、点火遅角制御により点火時期が遅角される過程で点火時期が進角側で変化する時間が長くなければ、すなわち、スロットル開度θが小さい状態に維持される時間が長くなければ、ブレーキ負圧を目標の所定値Bまで減圧させることが不可能となる。この点、点火遅角制御により点火時期が遅角される過程において、点火時期を、ブレーキ負圧の現実の値BVACと目標の所定値Bとの偏差に応じて進角側で変化させることが適切である。
【0089】
ステップ210では、点火時期の遅角が中断される時期(以下、中断時期ITと称す)を、上記ステップ208で算出された偏差|BVAC―B|に応じた値に設定する処理が実行される。具体的には、点火時期の遅角が中断される時期ITは、所定のマップを参照することにより、偏差|BVAC―B|が大きいほど進角側に設定される。
【0090】
ステップ212では、上記ステップ210で設定された中断時期ITを考慮した点火遅角制御を実行する処理が実行される。
【0091】
ステップ214では、点火時期(IT)が中断時期ITに達したか否かが判別される。本ステップ214の処理は、IT=ITが成立すると判別されるまで繰り返し実行される。その結果、IT=ITが成立すると判別された場合は、次にステップ216の処理が実行される。
【0092】
ステップ216では、点火遅角制御による点火時期の遅角を中断させる処理が実行される。本ステップ216の処理が実行されると、以後、点火時期が一定に維持され、スロットル開度θも一定に維持される。
【0093】
ステップ218では、点火時期の遅角が中断されてから所定時間が経過したか否かが判別される。その結果、その所定時間が経過した場合は、次にステップ220の処理が実行される。
【0094】
ステップ220では、点火遅角制御による点火時期の遅角が再開される処理が実行される。本ステップ220の処理が実行されると、以後、点火時期の遅角が完了するまでその制御が継続される。本ステップ220の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0095】
上記の処理によれば、内燃機関10の始動時において点火遅角制御が実行される時点で、ブレーキ負圧BVACが、ブレーキブースタ18にブレーキ踏力に対して所望の倍力比を有する助勢力を発生させる程度にまで達していない場合には、点火遅角制御により点火時期が遅角される過程で点火時期を進角側で変化させることができる。具体的には、点火遅角制御の実行が中断される中断時期を設定し、点火遅角制御による点火時期の遅角が完了する前、点火時期がその中断時期に達した場合に点火遅角制御の実行を中断することができる。
【0096】
点火遅角制御による点火時期の遅角が完了前に中断されると、内燃機関10の出力が低下することはなく、スロットル開度θの増大も中断される。この場合、スロットル開度θの増大が中断されない場合に比して、スロットル弁36の下流側の吸気通路34に大きなインマニ負圧が発生する。このため、本実施例によれば、点火遅角制御により点火時期が遅角される際にブレーキ負圧BVACが不足している場合でも、内燃機関10の始動直後にそのブレーキ負圧BVACの増大を図ることができ、ブレーキブースタ18に十分に大きな負圧を確保することができる。従って、本実施例によれば、点火遅角制御が実行される際にも、ブレーキブースタ18を適正に作動させることが可能となり、ブレーキ踏力を適正に増幅させることが可能となっている。
【0097】
また、上記の処理によれば、点火遅角制御により点火時期が遅角される過程における点火時期の中断時期を、ブレーキ負圧BVACの目標値に対する不足量に応じて変更することができる。具体的には、ブレーキ負圧BVACの不足量が大きいほど、点火時期の中断時期が進角側に設定される。点火時期が進角側に設定されると、その分だけスロットル開度θの小さい状態が継続する時間が長くなる。従って、本実施例によれば、ブレーキ負圧BVACの不足量に応じたインマニ負圧を、ブレーキブースタ18の負圧室22へ導くことができる。このため、本実施例によれば、ブレーキ負圧BVACの不足量が大きくても、ブレーキブースタ18に確実に十分に大きな負圧を確保することが可能となる。
【0098】
尚、上記の実施例においては、ECU12が、触媒等の暖機の促進を図るべく、内燃機関10の点火時期を遅角する点火遅角制御を実行することにより特許請求の範囲に記載した「点火時期制御手段」が、点火遅角制御に起因して内燃機関10の出力が低下するのを防止すべく、点火遅角制御による点火時期の遅角に伴ってスロットル開度を増大することにより特許請求の範囲に記載した「スロットル開度制御手段」が、上記ステップ210乃至220の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「点火時期変更手段」が、上記ステップ208及び210の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「中断時期変更手段」が、それぞれ実現されている。
【0099】
ところで、上記第2実施例においては、点火遅角制御による点火時期の遅角を中断する時期を、ブレーキ負圧の現実の値BVACと目標の所定値Bとの偏差に応じて変更することとしているが、本発明はこれに限定されることなく、点火遅角制御が開始された後における点火時期の遅角勾配を、すなわち、点火時期の遅角が完了するまでの時間を上記偏差に応じて変更することとしてもよい。この場合、上記偏差が大きいほど点火時期の遅角が完了するまでの時間を長くすれば、上記偏差が大きい場合でもスロットル開度θが小さい状態に維持される時間を長くすることができ、ブレーキブースタ18に確実に十分に大きな負圧を確保することが可能となる。
【0100】
また、上記第2実施例においては、点火遅角制御により点火時期が遅角される過程で一度だけその遅角を中断することとしているが、その過程で複数回に渡って多段階的に点火時期の遅角を中断することとしてもよい。
【0101】
次に、図6を参照して、本発明の第3実施例について説明する。
【0102】
上記した第1及び第2実施例において、内燃機関10は、図1に示す如く、吸気通路34の燃焼室50側の端部近傍に配設されたインジェクタ52を備え、このインジェクタ52が燃料を吸気バルブにより開閉される吸気ポートへ向けて噴射するタイプのポート噴射型エンジンである。これに対して、本実施例において、内燃機関は筒内噴射型エンジンである。
【0103】
図6は、本実施例の内燃機関100の負圧制御装置のシステム構成図を示す。本実施例のシステムは、上記図1に示す構成において、内燃機関10に代えて内燃機関100を用いることにより実現される。尚、図6において、上記図1に示す構成部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0104】
すなわち、本実施例の内燃機関100は、先端部が燃焼室50に露出するように燃焼室50の外壁に配設されたインジェクタ102を備えている。インジェクタ102は、ECU12に電気的に接続されており、ECU12から駆動信号が供給された場合に燃料タンクから汲み上げられた燃料を直接に燃焼室50へ噴射する。また、内燃機関100は、燃焼室50内の容積を可変するピストン104を備えている。ピストン104は、その頂面にキャビティを有している。
【0105】
このような筒内噴射型エンジンとして機能する内燃機関100においては、触媒等の暖機の促進を図るためファーストアイドル状態が実現された際、圧縮工程中に燃料噴射を行い、図1に示すポート噴射型の内燃機関10に比べて点火時期を大幅に遅角することによる成層燃焼が行われる。すなわち、図1に示すポート噴射型の内燃機関10では燃料と空気とが予め混合されているので、点火時期をあまり遅らせることはできないが、図6に示す筒内噴射型の内燃機関100では圧縮工程中の燃料噴射により混合気の形成時期を大幅に遅らせることができるので、点火時期を大幅に遅らせることが可能となる。このため、本実施例の内燃機関100によれば、点火時期の遅角により触媒暖機効果の向上を図ることが可能となっている。
【0106】
上述の如く、点火時期が遅角されると、触媒等が暖機され易くなる一方で、内燃機関100の出力が低下する事態が生じ、燃焼が不安定になるおそれがある。かかる場合に出力の低下を補うため、スロットル弁36の開度を増大させると、スロットル弁36の下流側のインマニ負圧が減少し、ブレーキブースタ18に作用するブレーキ負圧VBVACが不足するため、内燃機関100の始動前の時点でブレーキブースタ18に充分な負圧が蓄えられていない場合にはブレーキ踏力に対して所望の助勢力を発生させることができない事態が生じ得る。
【0107】
そこで、本実施例のシステムにおいては、上記した第1実施例のシステムと同様に、内燃機関100の始動が開始された際に、ブレーキ負圧BVACが、ブレーキブースタ18にブレーキ踏力に対して所望の倍力比を有する助勢力を発生させる程度にまで達していない場合、内燃機関100をファーストアイドル状態に移行させる前にファーストアイドル状態よりも高回転まで吹き上がらせると共に、その機関回転数NEが吹き上がり回転数に達した後ファーストアイドル回転数近傍の値に低下するまでの期間、スロットル弁36を全閉状態に維持する。
【0108】
従って、本実施例のシステムにおいても、内燃機関100の始動が開始された後速やかに、内燃機関100の運転に支障をきたすことなく、ブレーキブースタ18に十分に大きな負圧を確保することができ、これにより、内燃機関100が始動開始後ファーストアイドル状態に移行する前にブレーキブースタ18を適正に作動させることが可能となり、ブレーキ踏力を適正に増幅させることが可能となる。
【0109】
また、本実施例のシステムにおいては、上記した第2実施例のシステムと同様に、内燃機関100の始動時において点火遅角制御が実行される時点で、ブレーキ負圧BVACが、ブレーキブースタ18にブレーキ踏力に対して所望の倍力比を有する助勢力を発生させる程度にまで達していない場合には、点火遅角制御により点火時期が遅角される過程で点火時期を進角側で変化させる。従って、本実施例のシステムにおいても、点火遅角制御により点火時期が遅角される際にブレーキ負圧BVACが不足している場合でも、内燃機関100の始動直後にそのブレーキ負圧BVACの増大を図ることができ、ブレーキブースタ18に十分に大きな負圧を確保することが可能となる。
【0110】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1、2、3、5、12、及び13記載の発明によれば、内燃機関の運転に支障をきたすことなく、ブレーキブースタに十分に大きな負圧を確保することができる。
【0111】
請求項4及び6記載の発明によれば、ブレーキブースタに作用する負圧の不足量に応じた負圧をブレーキブースタに供給することができるので、ブレーキブースタに作用する負圧と所望の負圧との差圧にかかわらず確実にブレーキブースタに十分に大きな負圧を導くことができる。
【0112】
請求項、及び10記載の発明によれば、点火遅角制御が実行される際にも、ブレーキブースタに十分に大きな負圧を確保することができる。
【0113】
また、請求項及び11記載の発明によれば、点火遅角制御が実行される際にも、ブレーキブースタに作用する負圧の不足量に応じた負圧をブレーキブースタに供給することができ、ブレーキブースタに作用する負圧と所望の負圧との差圧にかかわらず確実にブレーキブースタに十分に大きな負圧を導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である内燃機関の負圧制御装置のシステム構成図である。
【図2】本実施例の内燃機関の負圧制御装置の動作を説明するための図である。
【図3】本実施例においてECUが実行する制御ルーチンのフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例である内燃機関の負圧制御装置の動作を説明するための図である。
【図5】本実施例においてECUが実行する制御ルーチンのフローチャートである。
【図6】本発明の第3実施例である内燃機関の負圧制御装置のシステム構成図である。
【符号の説明】
10,100 内燃機関
12 電子制御ユニット(ECU)
18 ブレーキブースタ
34 吸気通路
36 スロットル弁
38 圧力センサ
56 NEセンサ

Claims (13)

  1. 吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置であって、
    内燃機関の始動が開始された際、前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達していない場合には、内燃機関の回転数がファーストアイドル時に定常運転するファーストアイドル回転数よりも高い第1の回転数に達した後、該内燃機関が前記ファーストアイドル回転数で運転する定常運転モードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を、前記ファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持するスロットル弁制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の負圧制御装置において、
    前記スロットル弁制御手段は、内燃機関の回転数が前記第1の回転数に達した後、該内燃機関が前記定常運転モードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を全閉状態に維持することを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  3. 請求項1記載の内燃機関の負圧制御装置において、
    前記スロットル弁制御手段は、内燃機関の回転数が前記第1の回転数に達した後、該内燃機関が前記定常運転モードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を、前記ファーストアイドル回転数よりも低回転で運転する通常のアイドル状態における開度にほぼ等しい開度に維持することを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  4. 請求項1記載の内燃機関の負圧制御装置において、
    前記ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値との差圧に応じて、前記スロットル弁を前記ファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持する時間を変更する期間変更手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  5. 吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置であって、
    内燃機関の始動が開始された際、前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達していない場合には、内燃機関がファーストアイドル時に定常運転する定常運転モードに移行する前、内燃機関の回転数が前記定常運転モードにおけるファーストアイドル回転数よりも高い第1の回転数に達した後に、前記スロットル弁を、前記ファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持するスロットル弁制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  6. 請求項1又は5記載の内燃機関の負圧制御装置において、
    前記ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値との差圧に応じて前記第1の回転数を変更する所定回転数変更手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  7. 吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタと、ファーストアイドル時に点火時期が所定の時期まで遅角される点火遅角制御を実行する点火時期制御手段と、前記点火遅角制御により点火時期が遅角されるほど前記スロットル弁の開度を増大するスロットル開度制御手段と、を備える内燃機関の負圧制御装置であって、
    前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達していない場合には、前記点火遅角制御により点火時期が前記所定の時期まで遅角される少なくとも一部の過程で、該点火時期を、前記ブレーキブースタに作用する負圧が前記所望の値に達している場合に比して進角側で変化させる点火時期変更手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  8. 請求項記載の内燃機関の負圧制御装置において、
    前記点火時期変更手段は、前記ブレーキブースタに作用する負圧が前記所望の値に達していない場合、前記点火時期制御手段による前記点火遅角制御の実行を点火時期が前記所定の時期に達する前に中断することにより、点火時期を前記ブレーキブースタに作用する負圧が前記所望の値に達している場合に比して進角側で変化させることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  9. 請求項記載の内燃機関の負圧制御装置において、
    前記ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値との差圧に応じて、前記点火時期制御手段による前記点火遅角制御の実行を中断する時期を変更する中断時期変更手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  10. 吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタと、ファーストアイドル時に点火時期が所定の時期まで遅角される点火遅角制御を実行する点火時期制御手段と、前記点火遅角制御により点火時期が遅角されるほど前記スロットル弁の開度を増大するスロットル開度制御手段と、を備える内燃機関の負圧制御装置であって、
    前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達していない場合には、前記点火遅角制御により点火時期を前記所定の時期に到達させるまでの時間を、前記ブレーキブースタに作用する負圧が前記所望の値に達している場合に比して長くする点火時期変更手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  11. 請求項10記載の内燃機関の負圧制御装置において、
    前記点火時期変更手段は、前記ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値との差圧に応じて前記時間を変更することを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  12. 吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置であって、
    内燃機関の始動が開始された際、該内燃機関の始動中又は始動後に点火時期遅角及びスロットル開度増加を伴う触媒暖機運転を行う触媒暖機制御の実行条件が成立する場合には、内燃機関の回転数がファーストアイドル時に定常運転するファーストアイドル回転数よりも高い所定の回転数に達した後、該内燃機関が前記ファーストアイドル回転数で運転する定常運転モードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を、前記ファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持するスロットル弁制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  13. 吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタを備える内燃機関の制御方法であって、
    内燃機関の始動が開始された際、前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達していない場合には、内燃機関を、ファーストアイドル時に定常運転する定常運転モードへの移行前に、前記定常運転モードにおけるファーストアイドル回転数よりも高く設定された第1の回転数まで回転させる第1のステップと、
    内燃機関の回転数が前記第1の回転数に達した後、該内燃機関が前記定常運転モードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を、前記ファーストアイドル回転数に対応する開度よりも小さい開度に維持する第2のステップと、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御方法。
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