JPH11107815A - 希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装置

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JPH11107815A
JPH11107815A JP9275889A JP27588997A JPH11107815A JP H11107815 A JPH11107815 A JP H11107815A JP 9275889 A JP9275889 A JP 9275889A JP 27588997 A JP27588997 A JP 27588997A JP H11107815 A JPH11107815 A JP H11107815A
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JP
Japan
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combustion
state
lean
internal combustion
fuel ratio
Prior art date
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Application number
JP9275889A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Mizuno
宏幸 水野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】負荷に応じて希薄燃焼から理論空燃比での燃焼
へ燃焼状態を変更しうるものにおいて、燃焼状態を変更
する際のトルク段差を抑制する。 【解決手段】燃料噴射弁11からの燃料は、直接的に気
筒1a内に噴射されうる。電子制御装置(ECU)30
は、負荷に応じてストイキ燃焼を実行するかリーン燃焼
を実行するかを判定し、ストイキ燃焼実行時には吸気圧
等に基づいて目標噴射量を決定し、リーン燃焼実行時に
はアクセル開度等に基づいて目標噴射量を決定する。燃
焼状態がリーン燃焼からストイキ燃焼に切換えられた場
合、吸気圧には応答遅れが生じ、切換えられた瞬間には
吸気圧がさほど低下していないという事態が起こりうる
ため、決定される目標噴射量が相対的に多いものとなっ
てしまうおそれがあるが、ECU30により目標点火時
期が遅角補正量の分だけ遅角側に制御されるため、トル
クが急激に増大してしまうことがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希薄燃焼内燃機関
の燃焼制御装置に係り、詳しくは、負荷に応じて希薄燃
焼から理論空燃比での燃焼へ燃焼状態を変更しうる希薄
燃焼内燃機関の燃焼制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に使用されているエンジン
においては、燃料噴射弁からの燃料は吸気ポートに噴射
され、燃焼室には予め燃料と空気との均質混合気が供給
される。かかるエンジンでは、アクセル操作に連動する
スロットル弁によって吸気通路が開閉され、この開閉に
より、エンジンの燃焼室に供給される吸入空気量(結果
的には燃料と空気とが均質に混合された気体の量)が調
整される。このようないわゆる均質燃焼においては、実
際の空燃比が理論空燃比となるよう燃料噴射量が制御さ
れるのが一般的である。
【0003】しかし、上記均質燃焼技術では、スロット
ル弁の絞り動作に伴って大きな吸気負圧が発生し、ポン
ピングロスが大きくなって効率は低くなる。これに対
し、スロットル弁の絞りを小とし、燃焼室に直接燃料を
供給することにより、点火プラグの近傍に可燃混合気を
存在させ、当該部分の混合気の濃度を高めて、着火性を
向上するようにしたいわゆる「成層燃焼」という技術が
知られている。
【0004】かかる技術においては、エンジンの低負荷
時には、噴射された燃料が、点火プラグ周りに偏在供給
されるとともに、スロットル弁がほぼ全開に開かれて成
層燃焼が実行される。これにより、ポンピングロスの低
減が図られ、燃費の向上が図られる。このように、「成
層燃焼」は、いわゆる理論空燃比での燃焼(以下、「ス
トイキ燃焼」と称する)に比べ、噴射されるべき燃料量
が少なくて済むことから、「希薄燃焼」の一つとしても
知られている。
【0005】このような技術として、例えば特開平5−
52145号公報に開示されたものが知られている。こ
の技術では、予め定められた負荷時において、燃料噴射
パターンを切り換えることにより、燃焼状態を適宜切り
換え、負荷が変動する過渡時における出力調整を行うよ
うにしている。例えば、低負荷時においては圧縮行程噴
射が行われることにより、「希薄燃焼」が実行される。
また、高負荷時には吸気行程噴射が行われることによ
り、いわゆる「ストイキ燃焼」が実行される。
【0006】上記従来技術においては、「希薄燃焼」が
実行される際には、アクセル開度等、そのときどきの運
転者の要求トルクに基づいて燃料噴射量が決定される。
また、「ストイキ燃焼」が実行される際には、吸入空気
状態(例えば吸入空気量或いは吸気圧等)に基づいて燃
料噴射量が決定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
技術では、負荷が増大する等して、燃焼状態が「希薄燃
焼」から「ストイキ燃焼」へと切換えられる際に、次に
記すような不具合が生じるおそれがあった。
【0008】すなわち、燃焼状態が「希薄燃焼」から
「ストイキ燃焼」へと切換えられることにより、それま
で大であったスロットル弁の開度が比較的小さいものと
なり、これに伴い吸入空気量(又は吸気圧)は相対的に
大から小へと転じる。しかしながら、機械的に作動する
スロットル弁とは異なり、吸入空気量(又は吸気圧)に
は応答遅れが生じる(吸入空気量等が変動するには所定
の時間を要する)ため、上記燃焼状態が切換えられた瞬
間においては、吸入空気量等は依然として比較的大とな
っている。従って、このときに「ストイキ燃焼」を行う
のに充分な燃料噴射量を、応答遅れが生じている吸入空
気量等に応じて決定してしまったのでは、その系にとっ
て燃料量が多いものとなってしまう。そのため、燃焼状
態が「希薄燃焼」から「ストイキ燃焼」へと切換えられ
る際に、実際の吸入空気量等に対応する噴射量よりも多
くの燃料が噴射されることにより、トルクの増大方向で
の段差が生じてしまうおそれがあった。
【0009】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、負荷に応じて希薄燃焼から理
論空燃比での燃焼へ燃焼状態を変更しうる希薄燃焼内燃
機関の燃焼制御装置において、燃焼状態を変更する際の
トルク段差を抑制することのできる希薄燃焼内燃機関の
燃焼制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明においては、少なくとも内燃
機関の負荷に応じて、希薄燃焼から理論空燃比での燃焼
へ燃焼状態を変更しうるとともに、希薄燃焼状態にあっ
ては少なくとも運転者の要求トルクに基づき燃料噴射量
を決定し、理論空燃比での燃焼状態にあっては少なくと
も前記内燃機関に吸入される空気の状態に基づき燃料噴
射量を決定する希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装置におい
て、前記燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ
変更される際には、前記内燃機関のトルクを調整するべ
く点火時期を制御する点火時期制御手段を設けたことを
その要旨としている。
【0011】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装置において、
前記点火時期制御手段は、前記燃焼状態が希薄燃焼から
理論空燃比での燃焼へ変更される際には、点火時期を遅
角側に制御するものであることをその要旨としている。
【0012】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項2に記載の希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装置におい
て、前記点火時期制御手段は、前記燃焼状態が希薄燃焼
から理論空燃比での燃焼へ変更される際には、点火時期
を一旦遅角側に制御し、その後徐々に遅角の程度を減ら
してゆくものであることをその要旨としている。
【0013】併せて、請求項4に記載の発明では、少な
くとも内燃機関の負荷に応じて、希薄燃焼から理論空燃
比での燃焼へ燃焼状態を変更しうるとともに、希薄燃焼
状態にあっては少なくとも運転者の要求トルクに基づき
燃料噴射量を決定し、理論空燃比での燃焼状態にあって
は少なくとも前記内燃機関に吸入される空気の状態に基
づき燃料噴射量を決定する希薄燃焼内燃機関の燃焼制御
装置において、前記燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比
での燃焼へ変更される際には、その時点において検出さ
れた確実な運転状態情報に基づいて前記内燃機関に吸入
される空気の状態を推測する吸気状態推測手段と、前記
燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ変更され
てから所定時間の間は、少なくとも前記吸気状態推測手
段により推測された吸気状態に基づき燃料噴射量を決定
する過渡時噴射量決定手段とを設けたことをその要旨と
している。
【0014】加えて、請求項5に記載の発明では、少な
くとも内燃機関の負荷に応じて、希薄燃焼から理論空燃
比での燃焼へ燃焼状態を変更しうるとともに、希薄燃焼
状態にあっては少なくとも運転者の要求トルクに基づき
燃料噴射量を決定し、理論空燃比での燃焼状態にあって
は少なくとも前記内燃機関に吸入される空気の状態に基
づき燃料噴射量を決定する希薄燃焼内燃機関の燃焼制御
装置において、前記燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比
での燃焼へ変更される際には、その時点において検出さ
れた確実な運転状態情報に基づいて前記内燃機関に吸入
される空気の状態を推測する吸気状態推測手段と、前記
燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ変更され
てから所定時間の間は、少なくとも前記吸気状態推測手
段により推測された吸気状態及び実際に検出された吸気
状態のうち、結果的に低トルクとなる方に基づき燃料噴
射量を決定する過渡時噴射量決定手段とを設けたことを
その要旨としている。
【0015】さらにまた、請求項6に記載の発明では、
請求項4又は5に記載の希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装
置において、前記吸気状態は、前記内燃機関に吸入され
る空気の量に相当する値であることをその要旨としてい
る。
【0016】(作用)上記請求項1に記載の発明によれ
ば、少なくとも内燃機関の負荷に応じて、希薄燃焼から
理論空燃比での燃焼へ燃焼状態が変更されうる。ここ
で、希薄燃焼状態にあっては少なくとも運転者の要求ト
ルクに基づき燃料噴射量が決定され、理論空燃比での燃
焼状態にあっては少なくとも内燃機関に吸入される空気
の状態に基づき燃料噴射量が決定される。
【0017】さて、上述したように燃焼状態が希薄燃焼
から理論空燃比での燃焼へ変更される際には、吸入空気
状態に応答遅れが生じるため、燃焼状態が変更された瞬
間においては、吸入空気状態は依然としてそれまでとさ
ほど変動していないという事態が起こりうる。このた
め、その瞬間においては、決定される燃料噴射量が相対
的に多いものとなってしまうおそれがある。これに対
し、本発明によれば、実際の吸入空気状態に対応する噴
射量よりも多くの燃料が噴射されたとしても、点火時期
制御手段によって、点火時期が制御される。そのため、
内燃機関のトルクが急激に増大することなく適宜調整さ
れることとなる。
【0018】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明の作用に加えて、燃焼状態が希薄燃
焼から理論空燃比での燃焼へ変更される際には、前記点
火時期制御手段によって、点火時期が遅角側に制御され
る。そのため、トルクの増大が抑えられることとなり、
上記作用がより確実に奏される。
【0019】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項2に記載の発明の作用に加えて、燃焼状態が希薄
燃焼から理論空燃比での燃焼へ変更される際には、前記
点火時期制御手段によって、点火時期が一旦遅角側に制
御され、その後徐々に遅角の程度が減らされる。従っ
て、実際の吸入空気状態が時間の経過とともに、理論空
燃比での燃焼に適した状態となるのに合わせて、遅角制
御によるトルク抑制の程度も減じられる。そのため、燃
焼状態が変更された瞬間のみならず、その後においても
トルクが大きく変動してしまうのが抑制される。
【0020】併せて、請求項4に記載の発明によれば、
燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ変更され
る際には、吸入空気状態に応答遅れが生じるため、燃焼
状態が変更された瞬間においては、吸入空気状態は依然
としてそれまでとさほど変動していないという事態が起
こりうる。
【0021】これに対し、本発明によれば、吸気状態推
測手段によって、実際に検出される吸入空気状態とは異
なった、その時点において検出された確実な運転状態情
報に基づいて、内燃機関に吸入される空気の状態が推測
される。そして、燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比で
の燃焼へ変更されてから所定時間の間は、少なくとも吸
気状態推測手段により推測された吸気状態に基づき、過
渡時噴射量決定手段によって燃料噴射量が決定される。
従って、上記のように燃焼状態が変更されたとしても、
そのときの運転状態にとって過剰の燃料が噴射されてし
まうことがなくなり、内燃機関のトルクが急激に増大し
てしまうことがない。
【0022】加えて、請求項5に記載の発明によれば、
燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ変更され
てから所定時間の間は、少なくとも吸気状態推測手段に
より推測された吸気状態及び実際に検出された吸気状態
のうち、結果的に低トルクとなる方に基づき燃料噴射量
が決定される。そのため、基本的には上記請求項4に記
載の発明と同等の作用が奏される。また、これととも
に、結果的に低トルクとなる場合には、実際に検出され
た吸気状態に基づいて燃料噴射量が決定されることもあ
ることから、噴射量のさらなる適正化が図られる。
【0023】さらにまた、請求項6に記載の発明によれ
ば、請求項4、5に記載の発明の作用に加えて、前記吸
気状態は、内燃機関に吸入される空気の量に相当する値
である。従って、吸気状態が比較的容易、かつ、確実に
把握されることとなり、結果的に、決定される燃料噴射
量がより適正なものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明における希薄燃焼内
燃機関の燃焼制御装置を具体化した第1の実施の形態
を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】図1は本実施の形態において、車両に搭載
された筒内噴射式希薄燃焼エンジンの燃焼制御装置を示
す概略構成図である。内燃機関としてのエンジン1は、
例えば4つの気筒1aを具備し、これら各気筒1aの燃
焼室構造が図2に示されている。これらの図に示すよう
に、エンジン1はシリンダブロック2内にピストンを備
えており、当該ピストンはシリンダブロック2内で往復
運動する。シリンダブロック2の上部にはシリンダヘッ
ド4が設けられ、前記ピストンとシリンダヘッド4との
間には燃焼室5が形成されている。また、本実施の形態
では1気筒1aあたり、4つの弁が配置されており、図
中において、符号6aとして第1吸気弁、6bとして第
2吸気弁、7aとして第1吸気ポート、7bとして第2
吸気ポート、8として一対の排気弁、9として一対の排
気ポートがそれぞれ示されている。
【0026】図2に示すように、第1の吸気ポート7a
はヘリカル型吸気ポートからなり、第2の吸気ポート7
bはほぼ真っ直ぐに延びるストレートポートからなる。
また、シリンダヘッド4の内壁面の中央部には、点火プ
ラグ10が配設されている。この点火プラグ10には、
図示しないディストリビュータを介してイグナイタ12
からの高電圧が印加されるようになっている。そして、
この点火プラグ10の点火タイミングは、イグナイタ1
2からの高電圧の出力タイミングにより決定される。
【0027】さらに、第1吸気弁6a及び第2吸気弁6
b近傍のシリンダヘッド4内壁面周辺部には燃料噴射手
段としての燃料噴射弁11が配置されている。すなわ
ち、本実施の形態においては、燃料噴射弁11からの燃
料は、直接的に気筒1a内に噴射されうるようになって
いる。
【0028】図1に示すように、各気筒1aの第1吸気
ポート7a及び第2吸気ポート7bは、それぞれ各吸気
マニホルド15内に形成された第1吸気路15a及び第
2吸気路15bを介してサージタンク16内に連結され
ている。各第2吸気通路15b内にはそれぞれスワール
コントロールバルブ17が配置されている。これらのス
ワールコントロールバルブ17は共通のシャフト18を
介して例えばステップモータ19に連結されている。こ
のステップモータ19は、後述する電子制御装置(以下
単に「ECU」という)30からの出力信号に基づいて
制御される。なお、当該ステップモータ19の代わり
に、エンジン1の吸気ポート7a,7bの負圧に応じて
制御されるものを用いてもよい。本実施の形態では、当
該スワールコントロールバルブ17によって、燃焼室5
内に導入される渦流の強度が調整されるようになってい
る。より詳しく説明すると、スワールコントロールバル
ブ17の開度が小さくなると、第1吸気ポート7aから
導入される空気の流量比率が増し、渦流の強度が増大す
るようになっている。
【0029】前記サージタンク16は、吸気ダクト20
を介してエアクリーナ21に連結され、吸気ダクト20
内には、ステップモータ22によって開閉されるスロッ
トル弁23が配設されている。つまり、本実施の形態の
スロットル弁23は、いわゆる電子制御式のものであ
り、基本的には、ステップモータ22が前記ECU30
からの出力信号に基づいて駆動されることにより、スロ
ットル弁23が開閉制御される。そして、このスロット
ル弁23の開閉により、吸気ダクト20を通過して燃焼
室5内に導入される主たる吸入空気量が調節されるよう
になっている。本実施の形態では、吸気ダクト20、サ
ージタンク16並びに第1吸気路15a及び第2吸気路
15b等により、吸気通路が構成されている。
【0030】また、スロットル弁23の近傍には、その
開度を検出するためのスロットルセンサ25が設けられ
ている。なお、前記各気筒の排気ポート9には排気マニ
ホルド14が接続されている。そして、燃焼後の排気ガ
スは当該排気マニホルド14を介して触媒56の設けら
れてなる排気ダクト55へ排出されるようになってい
る。
【0031】さらに、本実施の形態では、公知の排気ガ
ス再循環(EGR)機構51が設けられている。このE
GR機構51は、排気ガス再循環通路としてのEGR通
路52と、同通路52の途中に設けられたEGRバルブ
53とを含んでいる。EGR通路52は、スロットル弁
23の下流側の吸気ダクト20と、排気ダクト55との
間を連通するよう設けられている。また、EGRバルブ
53は、弁座、弁体及びステップモータ(いずれも図示
せず)を内蔵している。EGRバルブ53の開度は、ス
テップモータが弁体を弁座に対して断続的に変位させる
ことにより、変動する。そして、EGRバルブ53が開
くことにより、排気ダクト55へ排出された排気ガスの
一部がEGR通路52へと流れる。その排気ガスは、E
GRバルブ53を介して吸気ダクト20へ流れる。すな
わち、排気ガスの一部がEGR機構51によって吸入混
合気中に再循環する。このとき、EGRバルブ53の開
度が調節されることにより、排気ガスの再循環量が調整
されるのである。
【0032】さて、上述したECU30は、デジタルコ
ンピュータからなっており、双方向性バス31を介して
相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)3
2、ROM(リードオンリメモリ)33、マイクロプロ
セッサからなるCPU(中央処理装置)34、入力ポー
ト35及び出力ポート36を具備している。
【0033】運転者により操作されるアクセルペダル2
4には、当該アクセルペダル24の踏込み量に比例した
出力電圧を発生するアクセルセンサ26Aが接続され、
該アクセルセンサ26Aによりアクセル開度ACCPが
検出される。当該アクセルセンサ26Aの出力電圧は、
AD変換器37を介して入力ポート35に入力される。
また、同じくアクセルペダル24には、アクセルペダル
24の踏込み量が「0」であることを検出するための全
閉スイッチ26Bが設けられている。すなわち、この全
閉スイッチ26Bは、アクセルペダル24の踏込み量が
「0」である場合に全閉信号として「1」の信号を、そ
うでない場合には「0」の信号を発生する。そして、該
全閉スイッチ26Bの出力電圧も入力ポート35に入力
されるようになっている。
【0034】また、上死点センサ27は例えば1番気筒
が吸気上死点に達したときに出力パルスを発生し、この
出力パルスが入力ポート35に入力される。クランク角
センサ28は例えばクランクシャフトが30°CA回転
する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポ
ートに入力される。CPU34では上死点センサ27の
出力パルスとクランク角センサ28の出力パルスとから
エンジン回転数NE、クランク角、各気筒の上死点TD
C等が算出される(読み込まれる)。
【0035】さらに、前記スワールコントロールバルブ
17用のシャフト18の回転角度はスワールコントロー
ルバルブセンサ29により検出され、これによりスワー
ルコントロールバルブ17の実際の開度が検出される。
そして、該センサ29の出力はA/D変換器37を介し
て入力ポート35に入力される。
【0036】併せて、前記スロットルセンサ25によ
り、スロットル開度が検出される。このスロットルセン
サ25の出力はA/D変換器37を介して入力ポート3
5に入力される。
【0037】加えて、本実施の形態では、サージタンク
16内の圧力(吸気圧)PMを検出する吸気圧センサ6
1が設けられている。本実施の形態では、当該吸気圧セ
ンサ61にて検出される吸気圧PMが、エンジン1へ吸
入される空気の状態に相当するものとなっている。さら
に、エンジン1の冷却水の温度(冷却水温)を検出する
水温センサ62が設けられている。また、排気ダクト5
5の触媒56よりも上流側においては、排気中の酸素濃
度を検出するための酸素センサ63が設けられている。
また、エンジン1には、同エンジン1を始動させるため
の図示しないスタータが設けられており、このスタータ
には、その作動状態を検知するスタータスイッチ64が
設けられている。スタータスイッチ64は、エンジン1
の始動時において運転者によりイグニッションスイッチ
(図示略)がOFF位置の状態からスタート位置まで操
作され、スタータが作動しているとき(クランキング状
態にあるとき)にスタータ信号を「オン」として出力す
る。また、エンジン1の始動が完了して(完爆状態とな
って)、イグニッションスイッチがスタート位置からO
N位置まで戻されると、スタータスイッチ64は、スタ
ータ信号を「オフ」として出力する。これら各センサ等
61,62,63,64の出力も、A/D変換器37を
介して入力ポート35に入力されるようになっている。
【0038】一方、出力ポート36は、対応する駆動回
路38を介して各燃料噴射弁11、各ステップモータ1
9,22、イグナイタ12及びEGRバルブ53(ステ
ップモータ)に接続されている。そして、ECU30は
各センサ等25〜29,61〜64からの信号に基づ
き、ROM33内に格納された制御プログラムに従い、
燃料噴射弁11、ステップモータ19,22、イグナイ
タ12(点火プラグ10)及びEGRバルブ53等を好
適に制御する。
【0039】次に、上記構成を備えた希薄燃焼エンジン
の燃焼制御装置における本実施の形態に係る各種制御に
関するプログラムについて、フローチャートを参照して
説明する。まず、図3は、本実施の形態において、燃料
噴射制御を行うための「目標噴射量算出ルーチン」を示
すフローチャートであって、前記ECU30によりメイ
ンルーチンで実行される。
【0040】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
30は先ずステップ101において、そのときどきのエ
ンジン回転数NE及び運転者の要求トルクに相当するア
クセル開度ACCPに基づき、図示しないマップを参酌
することにより基本噴射量Q0を算出する。本実施の形
態においては、この基本噴射量Q0がエンジン1の負荷
に相当する。
【0041】次に、ステップ102において、エンジン
回転数NEに基づき、ストイキ切換判定燃料量QDJを
算出する。ここで、このストイキ切換判定燃料量QDJ
は、図4に示すように、希薄(リーン)燃焼を行うかス
トイキ燃焼を行うかを判定するための基準となる値であ
る。
【0042】すなわち、続くステップ103において、
ECU30は、今回算出された基本噴射量Q0が、スト
イキ切換判定燃料量QDJ以上であるか否かを判断す
る。そして、基本噴射量Q0がストイキ切換判定燃料量
QDJ以上の場合には、ストイキ燃焼を行う必要がある
ものとして、ステップ104において、ストイキ燃焼実
行フラグXQDJを「1」に設定する。また、基本噴射
量Q0がストイキ切換判定燃料量QDJ未満の場合に
は、リーン燃焼を行う必要があるものとして、ステップ
105において、ストイキ燃焼実行フラグXQDJを
「0」に設定する。
【0043】ステップ104又はステップ105から移
行して、ステップ106においては、現在設定されてい
るストイキ燃焼実行フラグXQDJが「1」であるか否
かを判断する。そして、当該フラグXQDJが「1」の
場合には、ステップ107において、今回検出されたエ
ンジン回転数NE及び吸気圧PMに基づいて、図示しな
いマップを参酌することにより、最終的な目標噴射量Q
eを設定する。これに対し、ストイキ燃焼実行フラグX
QDJが「0」の場合には、ステップ108において、
前記ステップ101で算出された基本噴射量Q0をその
まま最終的な目標噴射量Qeとして設定する。
【0044】さらに、ステップ107又はステップ10
8から移行して、ステップ109においては、現在設定
されているストイキ燃焼実行フラグXQDJが「1」で
あり、かつ、前回ストイキ燃焼実行フラグXQDJOが
「0」であるか否かを判断する。つまり、今回のルーチ
ンにおいて、燃焼状態がリーン燃焼からストイキ燃焼へ
と切り換わったか否かを判断する。そして、燃焼状態が
リーン燃焼からストイキ燃焼へと切り換わったと判断し
た場合には、ステップ110において、燃焼状態切換フ
ラグXDJCHを「1」に設定する。これに対し、ステ
ップ109で否定判定された場合には、ステップ111
において、燃焼状態切換フラグXDJCHを「0」に設
定する。
【0045】また、続くステップ112においては、現
在設定されているストイキ燃焼実行フラグXQDJを、
前回ストイキ燃焼実行フラグXQDJOとして設定し、
これを次回のルーチンのために記憶しておく。そして、
ECU30は、その後の処理を一旦終了する。
【0046】このように、上記「目標噴射量算出ルーチ
ン」においては、ストイキ燃焼が実行されるかリーン燃
焼が実行されるかが判定される。また、ストイキ燃焼が
実行される場合には、吸入空気状態に相当する吸気圧P
M等に基づいて目標噴射量Qeが決定される。さらに、
リーン燃焼が実行される場合には、運転者の要求トルク
たるアクセル開度ACCP等に基づいて目標噴射量Qe
が決定されることとなる。
【0047】次に、点火時期制御を行うに際し、ECU
30により実行される制御内容について説明する。すな
わち、図5は、本実施の形態において、点火時期制御を
行うにための「目標点火時期算出ルーチン」を示すフロ
ーチャートであって、ECU30によりメインルーチン
で実行される。
【0048】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
30は先ずステップ201において、そのときどきのエ
ンジン回転数NE及び上記「目標噴射量算出ルーチン」
において算出された目標噴射量Qeに基づき、基本点火
時期ABASEを算出する。次に、ステップ202にお
いて、現在、燃焼状態切換フラグXDJCHが「1」に
設定されているか否かを判断する。そして、燃焼状態切
換フラグXDJCHが「1」に設定されている場合に
は、燃焼状態がリーン燃焼からストイキ燃焼へと切り換
わったばかりであり、このまま目標噴射量Qeの分だけ
燃料が噴射され、その他に何らの制御もなされないとす
るとトルクアップが生じてしまうおそれがあるものとし
て、ステップ203へ移行する。
【0049】ステップ203において、ECU30は、
現在のエンジン回転数NEに基づき、図示しないマップ
を参酌することにより、遅角補正量ARCHを設定す
る。さらに、続くステップ204において、ECU30
は、今回算出された基本点火時期ABASEから、上記
遅角補正量ARCHを減算した値を最終的な目標点火時
期SAとして設定する。そして、その後の処理を一旦終
了する。
【0050】一方、ステップ202において、燃焼状態
切換フラグXDJCHが「0」に設定されている場合に
は、ステップ205へ移行する。ステップ205におい
ては、遅角補正量ARCHを徐減するべく、前回の遅角
補正量ARCHi-1 から所定量αを減算した値を、新た
な遅角補正量ARCHとして設定する。
【0051】さらに、ステップ206においては、その
遅角補正量ARCHが負の値となっているか否かを判断
し、そうでない場合(ARCH≧0)には、ステップ2
04において、今回算出された基本点火時期ABASE
から、上記遅角補正量ARCHを減算した値を、最終的
な目標点火時期SAとして設定し、その後の処理を一旦
終了する。
【0052】また、遅角補正量ARCHが負の値となっ
ている場合には、ステップ207において、遅角補正量
ARCHを「0」に設定し、ステップ204へ移行す
る。従って、この場合には、基本点火時期ABASE
が、最終的な目標点火時期SAとしてそのまま設定され
る。
【0053】次に、本実施の形態の作用及び効果につい
て説明する。 ・本実施の形態によれば、ストイキ燃焼が実行される場
合には、吸入空気状態に相当する吸気圧PM等に基づい
て目標噴射量Qeが決定され、リーン燃焼が実行される
場合には、運転者の要求トルクたるアクセル開度ACC
P等に基づいて目標噴射量Qeが決定される。さて、図
6に示すように、それまでの燃焼状態がリーン燃焼であ
って、ある時点で運転者からの加速要求がありアクセル
開度ACCPが急増したとする。この場合、ストイキ燃
焼実行フラグXQDJが「0」から「1」へと切換えら
れ、スロットル開度TA及びEGR開度がそれまでに対
し小となる。これに対し、実際の吸入空気の流量が変動
するのには応答遅れが生じるため、吸気圧PMの低下が
比較的ゆっくりとしたものとなる。このため、燃焼状態
が切換えられた瞬間においては、吸気圧PMは依然とし
てさほど低下していないという事態が起こりうる。従っ
て、その瞬間においては、目標噴射量Qeが、さほど低
下してない吸気圧PM等に基づいて決定されるため、決
定される目標噴射量Qeが相対的に多いものとなってし
まうおそれがある(一時的に空燃比はリッチとなる)。
【0054】これに対し、本実施の形態によれば、目標
噴射量Qeが多いものとなってしまったとしても、目標
点火時期SAが遅角補正量ARCHの分だけ遅角側に制
御される。そのため、エンジン1のトルクが急激に増大
してしまうことがなく、結果的に燃焼状態を変更する際
のいわゆるトルク段差を抑制することができる。
【0055】・また、本実施の形態によれば、燃焼状態
がリーン燃焼からストイキ燃焼へと切換えられた際に
は、目標点火時期SAが遅角補正量ARCHの分だけ一
旦遅角側に制御され、その後徐々に遅角補正量ARCH
が減らされることにより、遅角の程度が減らされる。従
って、実際の吸気圧PMが時間の経過とともに、ストイ
キ燃焼に適した状態となるのに合わせて、遅角制御によ
るトルク抑制の程度も減じられることとなる。そのた
め、燃焼状態が変更された瞬間のみならず、その後にお
いてもトルクが大きく変動してしまうのを抑制すること
ができる。
【0056】(第2の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第2の実施の形態について説明する。但し、本実
施の形態の構成等においては上述した第1の実施の形態
と同等であるため、同一の部材等については同一の符号
を付してその説明を省略する。そして、以下には、第1
の実施の形態との相違点を中心として説明することとす
る。
【0057】本実施の形態においては、点火時期制御を
行う代わりに、燃料噴射量を制御することでトルク段差
を抑制するという点に特徴を有している。すなわち、図
7は、本実施の形態において、燃料噴射制御を行うため
の「目標噴射量算出ルーチン」を示すフローチャートで
あって、第1の実施の形態と同様、ECU30によりメ
インルーチンで実行される。
【0058】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
30は先ずステップ301において、そのときどきのエ
ンジン回転数NE及び運転者の要求トルクに相当するア
クセル開度ACCPに基づき、基本噴射量Q0を算出す
る。次に、ステップ302において、エンジン回転数N
Eに基づき、上記第1の実施の形態と同様、ストイキ切
換判定燃料量QDJを算出する。
【0059】さらに、続くステップ303において、E
CU30は、今回算出された基本噴射量Q0が、ストイ
キ切換判定燃料量QDJ以上であるか否かを判断する。
そして、基本噴射量Q0がストイキ切換判定燃料量QD
J以上の場合には、ストイキ燃焼を行う必要があるもの
として、ステップ304において、ストイキ燃焼実行フ
ラグXQDJを「1」に設定する。また、基本噴射量Q
0がストイキ切換判定燃料量QDJ未満の場合には、リ
ーン燃焼を行う必要があるものとして、ステップ305
において、ストイキ燃焼実行フラグXQDJを「0」に
設定する。
【0060】ステップ305から移行して、ステップ3
14においては、今回算出された基本噴射量Q0を、最
終的な目標噴射量Qeとして設定する。そして、続くス
テップ313において、現在設定されているストイキ燃
焼実行フラグXQDJを前回ストイキ燃焼実行フラグX
QDJOとして設定記憶し、その後の処理を一旦終了す
る。
【0061】一方、ステップ304から移行して、ステ
ップ306においては、現在のストイキ燃焼実行フラグ
XQDJが「1」に設定されており、かつ、前回ストイ
キ燃焼実行フラグXQDJOが「0」であるか否かを判
断する。換言すれば、今回の処理において、燃焼状態が
リーン燃焼からストイキ燃焼へと切換えられたか否かを
判断する。そして、ステップ306において肯定判定さ
れた場合には、ステップ307へ移行し、予め定められ
た所定値x(吸気の遅れ時間に相当)をディレーカウン
タのカウント値CCHDLYとして設定し、次のステッ
プ308へ移行する。
【0062】ここで、このカウント値CCHDLYは、
図9に示す「カウント値デクリメントルーチン」におい
て、所定クランク角毎にデクリメントされる値である。
すなわち、ECU30は、ステップ3071において
は、ディレーカウンタのカウント値CCHDLYが
「0」よりも大きい値であるか否かを判断する。そし
て、カウント値CCHDLYが「0」よりも大きい場合
には、ステップ3072において、ECU30はカウン
ト値CCHDLYを所定量ずつデクリメントする。そし
て、その後の処理を一旦終了する。また、カウント値C
CHDLYが「0」以下となっている場合には、何らの
処理をも行うことなくその後の処理を一旦終了する。
【0063】さて、 一方、ステップ306において肯定
判定された場合には、ステップ308へジャンプする。
ステップ306又はステップ307から移行して、ステ
ップ308においては、ディレーカウンタのカウント値
CCHDLYが「0」よりも大きいか否かを判断する。
そして、カウント値CCHDLYが「0」よりも大きい
場合には、燃焼状態がリーン燃焼からストイキ燃焼へと
切換えられた後、未だ所定の遅延時間が経過していない
ものとしてステップ309へ移行する。
【0064】ステップ309においては、現在の吸気圧
PMが、仮想吸気圧PMKよりも大きいか否かを判断す
る。ここで、仮想吸気圧PMKというのは、図8に示す
「仮想吸気圧算出ルーチン」において、所定時間毎に算
出される値である。すなわち、ECU30は、ステップ
3091においては、現在のエンジン回転数NE及びア
クセル開度ACCPに基づき、図示しないマップに基づ
き、ストイキ用スロットル開度TRTDJを算出する。
また、続くステップ3092において、現在のエンジン
回転数NE及びストイキ用スロットル開度TRTDJに
基づき、仮想吸気圧PMKを算出し、その後の処理を一
旦終了する。つまり、仮想吸気圧PMKは、遅れの生じ
うる実際の吸気圧PMではなく、確実な運転状態情報た
るエンジン回転数NE及びアクセル開度ACCP等に基
づいて算出される仮想の値である。
【0065】そして、ステップ309において、現在の
吸気圧PMが仮想吸気圧PMKよりも大きい場合には、
ステップ310において、現在の仮想吸気圧PMKを噴
射量算出用吸気圧PMeとして設定する。
【0066】一方、ステップ308においてディレーカ
ウンタのカウント値CCHDLYが「0」以下となって
いる場合には、実際の吸気圧PMに基づいて燃料噴射制
御を行ってもよいものとしてステップ311へ移行す
る。また。ステップ309において、現在の吸気圧PM
が仮想吸気圧PMK以下の場合にもステップ311へ移
行する。そして、ステップ311において、ECU30
は、実際の吸気圧PMを噴射量算出用吸気圧PMeとし
て設定する。
【0067】また、前記ステップ310又はステップ3
11から移行して、ステップ312においては、エンジ
ン回転数NE及び噴射量算出用吸気圧PMeに基づき、
図示しないマップを参酌することにより、最終的な目標
噴射量Qeを設定する。
【0068】そして、続くステップ313において、現
在設定されているストイキ燃焼実行フラグXQDJを前
回ストイキ燃焼実行フラグXQDJOとして設定記憶
し、その後の処理を一旦終了する。
【0069】次に、本実施の形態の作用及び効果につい
て説明する。 ・本実施の形態によれば、図10に示すように、それま
での燃焼状態がリーン燃焼であって、ある時点で運転者
からの加速要求がありアクセル開度ACCPが急増した
場合、ストイキ燃焼実行フラグXQDJが「0」から
「1」へと切換えられ、スロットル開度TA及びEGR
開度がそれまでに対し小となる。これに対し、実際の吸
入空気の流量が変動するのには応答遅れが生じるため、
吸気圧PMの低下が比較的ゆっくりとしたものとなる。
このため、燃焼状態が切換えられた瞬間においては、吸
気圧PMは依然としてさほど低下していないという事態
が起こりうる。これに対し、本実施の形態によれば、実
際に検出される吸気圧PMとは異なった、その時点にお
いて検出された確実な運転状態情報(エンジン回転数N
E及びアクセル開度ACCP等)に基づいて、仮想吸気
圧PMKが算出される。そして、燃焼状態がリーン燃焼
からストイキ燃焼へ変更されてから所定の遅延時間の間
は、多くの場合上記仮想吸気圧PMK等に基づき、最終
的な目標噴射量Qeが決定される。従って、上記のよう
に燃焼状態が変更されたとしても、そのときの運転状態
にとって過剰の燃料が噴射されてしまうことがなくな
り、エンジン1のトルクが急激に増大してしまうことが
ない。
【0070】・また、燃焼状態がリーン燃焼からストイ
キ燃焼へ変更されたとき、目標噴射量Qeが急増するこ
ととなっていた第1の実施の形態では異なり、本実施の
形態では、最終的な目標噴射量Qeが急増することがな
い。そのため、特にトルクを抑制するための点火時期の
遅角制御を行わなくて済む。
【0071】・さらに、上記場合において、本実施の形
態によれば、仮想吸気圧PMKの方が実際の吸気圧PM
以上となっているときには、実際の吸気圧PM等に基づ
き、最終的な目標噴射量Qeが決定される。従って、噴
射量のさらなる適正化を図ることができる。
【0072】・併せて、本実施の形態では、吸気の状態
として、吸気圧PM(仮想吸気圧PMK)をパラメータ
として用いることとした。そのため、吸気状態が比較的
容易、かつ、確実に把握されることとなり、結果的に、
決定される目標噴射量Qeがより適正なものとなる。
【0073】尚、本発明は前記各実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の
一部を適宜に変更して次のように実施することもでき
る。 (1)上記第1の実施の形態では、所定量αを一定の値
として、一定の割合で遅角補正量ARCHを徐減させる
こととした。これに対し、所定量αを可変としてもよ
い。
【0074】(2)上記第2の実施の形態では、燃焼状
態がリーン燃焼からストイキ燃焼へと切換えられたとき
の、ディレーカウンタのカウント値CCHDLYを予め
定められた所定値xとすることとした。これに対し、当
該所定値xを可変としてもよい。
【0075】(3)上記第2の実施の形態では、仮想吸
気圧PMKと実際の吸気圧PMとの比較を行い、仮想吸
気圧PMKの方が実際の吸気圧PM以上となっていると
きには、実際の吸気圧PM等に基づき、最終的な目標噴
射量Qeが決定されることとした。これに対し、このよ
うな比較を行わず、 一律に所定の遅延時間の間、仮想吸
気圧PMKに基づいて、最終的な目標噴射量Qeを決定
することとしてもよい。
【0076】(4)また、上記各実施の形態では、エン
ジン1に吸入される空気の状態として、吸気圧PMを採
用することとしたが、これに代えて別途エアフロメータ
等により検出される吸入空気量を採用してもよい。
【0077】(5)さらに、上記各実施の形態では、成
層燃焼を行いうるエンジン1に本発明を具体化したが、
リーン燃焼が行われる際に、アクセル開度ACCP等の
運転者の要求トルクに基づいて目標噴射量Qeが算出さ
れるものであれば、必ずしも成層燃焼を行わないものに
も具体化できる。
【0078】(6)上記各実施の形態では、ヘリカル型
の第1吸気ポート7aを有し、渦流(いわゆるスワー
ル)を発生させることが可能な構成としたが、かならず
しもスワールを発生しなくともよい。従って、例えば上
記実施の形態におけるスワールコントロールバルブ1
7、ステップモータ19等を省略することもできる。
【0079】(7)さらに、上記各実施の形態では、内
燃機関としてガソリンエンジン1の場合に本発明を具体
化したが、その外にもディーゼルエンジン等の場合等に
も具体化できる。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
負荷に応じて希薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ燃焼状
態を変更しうる希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装置におい
て、燃焼状態を変更する際のトルク段差を抑制すること
ができるという優れた効果を奏する。
【0081】特に、請求項2に記載の発明によれば、上
記効果がより確実なものとなる。また、請求項3に記載
の発明によれば、燃焼状態が変更された瞬間のみなら
ず、その後においても大きなトルク段差が生じるのを抑
制することができる。
【0082】併せて、請求項4〜6に記載の発明によれ
ば、さらに、燃料噴射量の適正化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における希薄燃焼エンジンの
燃焼制御装置を示す概略構成図。
【図2】気筒の燃焼室構造を示す拡大断面図。
【図3】ECUにより実行される「目標噴射量算出ルー
チン」を示すフローチャート。
【図4】エンジン回転数に対する燃料噴射量の関係、特
にストイキ切換判定燃料量の特性を示すマップ。
【図5】ECUにより実行される「目標点火時期算出ル
ーチン」を示すフローチャート。
【図6】第1の実施の形態の作用を示す図であって、時
間の経過に対するアクセル開度、ストイキ燃焼実行フラ
グ、吸気圧、目標噴射量、点火時期等の関係を示すタイ
ミングチャート。
【図7】第2の実施の形態において、ECUにより実行
される「目標噴射量算出ルーチン」を示すフローチャー
ト。
【図8】ECUにより実行される「仮想吸気圧算出ルー
チン」を示すフローチャート。
【図9】ECUにより実行される「カウント値デクリメ
ントルーチン」を示すフローチャート。
【図10】第2の実施の形態の作用を示す図であって、
時間の経過に対するアクセル開度、ストイキ燃焼実行フ
ラグ、吸気圧、目標噴射量、空燃比、カウント値等の関
係を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、10…点火プラグ、1
1…燃料噴射弁、12…イグナイタ、23…スロットル
弁、26A…アクセルセンサ、27…上死点センサ、2
8…クランク角センサ、30…ECU(電子制御装
置)、61…吸気圧センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 43/00 301 F02D 43/00 301H F02P 5/15 F02P 5/15 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも内燃機関の負荷に応じて、希
    薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ燃焼状態を変更しうる
    とともに、希薄燃焼状態にあっては少なくとも運転者の
    要求トルクに基づき燃料噴射量を決定し、理論空燃比で
    の燃焼状態にあっては少なくとも前記内燃機関に吸入さ
    れる空気の状態に基づき燃料噴射量を決定する希薄燃焼
    内燃機関の燃焼制御装置において、 前記燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ変更
    される際には、前記内燃機関のトルクを調整するべく点
    火時期を制御する点火時期制御手段を設けたことを特徴
    とする希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の希薄燃焼内燃機関の燃
    焼制御装置において、 前記点火時期制御手段は、前記燃焼状態が希薄燃焼から
    理論空燃比での燃焼へ変更される際には、点火時期を遅
    角側に制御するものであることを特徴とする希薄燃焼内
    燃機関の燃焼制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の希薄燃焼内燃機関の燃
    焼制御装置において、 前記点火時期制御手段は、前記燃焼状態が希薄燃焼から
    理論空燃比での燃焼へ変更される際には、点火時期を一
    旦遅角側に制御し、その後徐々に遅角の程度を減らして
    ゆくものであることを特徴とする希薄燃焼内燃機関の燃
    焼制御装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも内燃機関の負荷に応じて、希
    薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ燃焼状態を変更しうる
    とともに、希薄燃焼状態にあっては少なくとも運転者の
    要求トルクに基づき燃料噴射量を決定し、理論空燃比で
    の燃焼状態にあっては少なくとも前記内燃機関に吸入さ
    れる空気の状態に基づき燃料噴射量を決定する希薄燃焼
    内燃機関の燃焼制御装置において、 前記燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ変更
    される際には、その時点において検出された確実な運転
    状態情報に基づいて前記内燃機関に吸入される空気の状
    態を推測する吸気状態推測手段と、 前記燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ変更
    されてから所定時間の間は、少なくとも前記吸気状態推
    測手段により推測された吸気状態に基づき燃料噴射量を
    決定する過渡時噴射量決定手段とを設けたことを特徴と
    する希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも内燃機関の負荷に応じて、希
    薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ燃焼状態を変更しうる
    とともに、希薄燃焼状態にあっては少なくとも運転者の
    要求トルクに基づき燃料噴射量を決定し、理論空燃比で
    の燃焼状態にあっては少なくとも前記内燃機関に吸入さ
    れる空気の状態に基づき燃料噴射量を決定する希薄燃焼
    内燃機関の燃焼制御装置において、 前記燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ変更
    される際には、その時点において検出された確実な運転
    状態情報に基づいて前記内燃機関に吸入される空気の状
    態を推測する吸気状態推測手段と、 前記燃焼状態が希薄燃焼から理論空燃比での燃焼へ変更
    されてから所定時間の間は、少なくとも前記吸気状態推
    測手段により推測された吸気状態及び実際に検出された
    吸気状態のうち、結果的に低トルクとなる方に基づき燃
    料噴射量を決定する過渡時噴射量決定手段とを設けたこ
    とを特徴とする希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の希薄燃焼内燃機
    関の燃焼制御装置において、 前記吸気状態は、前記内燃機関に吸入される空気の量に
    相当する値であることを特徴とする希薄燃焼内燃機関の
    燃焼制御装置。
JP9275889A 1997-10-08 1997-10-08 希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装置 Pending JPH11107815A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2814199A1 (fr) 2000-09-18 2002-03-22 Toyota Motor Co Ltd Procede et dispositif de controle d'un moteur a combustion interne
JP2008038865A (ja) * 2006-08-10 2008-02-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃焼制御装置
CN111278700A (zh) * 2017-10-12 2020-06-12 日产自动车株式会社 混合动力车辆的控制方法及控制装置

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