JP2008025503A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の運転状態に与える影響を抑えつつ、排気浄化触媒により多くのエネルギを供給してさらなる早期暖機を図ることが可能な内燃機関の始動制御装置を提供する。
【解決手段】排気浄化触媒を備えた火花式内燃機関の始動制御装置において、内燃機関の燃焼開始に伴って発生する吹き上がり挙動により機関回転数が一時的に上昇してクランク軸が慣性力で回転する慣性回転状態Tを検出する。その慣性回転状態が検出されている間、内燃機関の点火時期を遅角させるとともに内燃機関の吸入空気量を増量させ、慣性回転状態の経過後は点火時期を進角しかつ吸入空気量を減量させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、排気浄化触媒の早期暖機を図ることが可能な内燃機関の始動制御装置に関する。
内燃機関の排気エミッションの低減に用いられる排気浄化触媒は所定の温度域まで昇温されないと十分な排気浄化性能を発揮することができない。従って、内燃機関の冷間始動時には排気浄化触媒になるべく多くのエネルギを供給してその早期暖機を図る必要がある。このような目的を達成する装置としては、例えば触媒の早期暖機が必要な冷間始動時に、内燃機関の点火時期を遅角させるとともに吸入空気量調整弁の開度を増大させてアイドル回転速度を上昇させる早期暖機制御を実施、早期暖機制御の完了後は吸入空気量調整弁の開度を徐々に減少させるとともに、点火時期を徐々に進角させる制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。その他に、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2及び3が存在する。
特開2002−266688号公報 特開2004−138024号公報 国際公開第WO2004/018869号パンフレット
上述した従来の制御装置では、内燃機関の始動から排気浄化触媒の早期暖機制御が完了するまでの間は、内燃機関がファーストアイドル状態(始動成功後の最初のアイドル運転状態)で運転されている限り点火時期の遅角及び吸入空気量の増量を継続している。従って、早期暖機制御中における点火時期の遅角は、ファーストアイドル運転を維持するために必要なトルクを内燃機関が発生し得る範囲に制限される。従って、本来であればその制限を超えて遅角量を増加させて排気浄化触媒により多くのエネルギを供給できる状態が存在しても、そのような制御は実施されない。このため、排気浄化触媒の暖機に活用できるエネルギを十分に活用できていない。
そこで、本発明は内燃機関の運転状態に与える影響を抑えつつ、排気浄化触媒により多くのエネルギを供給してさらなる早期暖機を図ることが可能な内燃機関の始動制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、排気浄化触媒を備えた火花式内燃機関の始動制御装置において、前記内燃機関の燃焼開始に伴って発生する吹き上がり挙動により機関回転数が一時的に上昇してクランク軸が慣性力で回転する慣性回転状態を検出する慣性回転状態検出手段と、前記慣性回転状態が検出されている間、前記内燃機関の点火時期を遅角させるとともに前記内燃機関の吸入空気量を増量させ、前記慣性回転状態の経過後は前記点火時期を進角しかつ前記吸入空気量を減量させる触媒暖機制御手段と、を備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
内燃機関の始動時には、燃焼開始に伴って吹き上がり挙動が生じて機関回転数が一時的に上昇する。その吹き上がり挙動のピーク回転数付近ではクランク軸が慣性力で回転するため、内燃機関の燃焼で発生するトルクが小さくてもクランク軸は回転を続けることができる。従って、慣性回転状態では、内燃機関の運転状態を損なうことなく、アイドル運転の維持に必要なトルクからみた制限を超えて点火時期を遅角させることができる。このような遅角を実施することにより燃焼を緩慢に進行させ、ピストンの仕事量を減らして排気浄化触媒により多くのエネルギを供給することが可能となる。加えて、点火時期の遅角に合わせて吸入空気量を増量することにより、吹き上がり挙動に伴ってクランク軸が慣性力で回転する期間を拡大することができる。これにより、点火時期を遅角し得る期間を拡大し、排気浄化触媒にさらに多くのエネルギを供給することができる。以上の結果、内燃機関の運転状態に与える影響を抑えつつ、排気浄化触媒により多くのエネルギを供給してさらなる早期暖機を図ることができる。
本発明の始動制御装置の一形態において、前記慣性回転状態検出手段は、前記内燃機関の燃焼開始後、前記機関回転数が所定の閾値以上に上昇してピーク値に達し、さらにそのピーク値から前記閾値未満に低下するまでの期間を前記慣性回転状態として検出してもよい(請求項2)。吹き上がり挙動が生じた場合には、その前後の期間と比較して機関回転数が一時的に上昇するため、機関回転数に閾値を設定し、燃焼開始後の機関回転数が閾値を超えてピーク値に達し、さらにピーク値から閾値未満に機関回転数が低下するまでの期間を検出することにより、慣性回転状態を容易に検出することができる。なお、本形態において、前記触媒暖機制御手段は、前記内燃機関の機関温度が低いほど前記閾値が高くなるように、前記機関温度に応じて前記閾値を変化させてもよい(請求項3)。機関温度が低いときは燃焼の安定性が低下するが、それに合わせて閾値を高く設定することにより点火時期の遅角が実施される期間が短縮されて燃焼の安定性が確保される。
本発明の始動制御装置の一形態において、前記触媒暖機制御手段は、前記内燃機関の機関温度が低いほど前記点火時期の遅角の程度が小さくなるように、前記機関温度に応じて前記慣性回転状態における前記点火時期の遅角量を変化させてもよい(請求項4)。機関温度が低いときは燃焼の安定性が低下するが、それに合わせて点火時期の遅角量を小さく設定することにより燃焼の安定性が確保される。
本発明の始動制御装置の一形態において、前記触媒暖機制御手段は、燃焼開始時あるいは前記慣性回転状態の経過後のアイドル運転領域ではトルク不足の懸念が生じて設定することができない領域まで前記点火時期を遅角してもよい(請求項5)。このような領域まで点火時期を遅角させることにより、排気浄化触媒に従来よりも多くのエネルギを供給して排気浄化触媒のさらなる早期暖機を図ることができる。
本発明の始動制御装置の一形態において、前記燃焼開始後に前記内燃機関がアイドル運転状態へと移行するまでの間に、機関回転数の所定値以上の上昇率が検出された場合に前記触媒暖機制御手段による前記点火時期の遅角及び前記吸入空気量の増量を許可し、前記所定値以上の上昇率が検出されない場合には前記触媒暖機制御手段による前記点火時期の遅角及び前記吸入空気量の増量を禁止する実行制御手段をさらに備えてもよい(請求項6)。本形態によれば、内燃機関の始動時に何らかの理由で機関回転数が順調に上昇しないような場合には点火時期の遅角及びこれに対応した吸入空気量の増量が行われない。よって、内燃機関の運転状態に何らかの問題が生じている状態で点火時期の遅角等が無理に実施されて運転状態が悪化するおそれを排除することができる。
以上説明したように、本発明によれば、内燃機関の燃焼開始に伴って吹き上がり挙動が生じてクランク軸が慣性力で回転する期間に点火時期の遅角及び吸入空気量の増量を実施するようにしたので、内燃機関の運転状態に与える影響を抑えつつ、排気浄化触媒により多くのエネルギを供給してさらなる早期暖機を図ることができる。
図1は本発明の一形態に係る始動制御装置が適用された内燃機関を示している。内燃機関(以下、エンジンと略称することがある。)1は車両に走行用の動力源として搭載されるものであり、複数の気筒2を備えている。図1では一つの気筒2のみが示されているが、他の気筒2の構成も同様である。気筒2にはピストン3が往復動自在に挿入され、そのピストン3はコネクティングロッド4を介して不図示のクランク軸と連結されている。気筒2とピストン3の頂面との間には燃焼室5が形成され、その燃焼室5には吸気通路6及び排気通路7が接続されている。吸気通路6と燃焼室5との間は吸気弁8にて開閉され、排気通路7と燃焼室5との間は排気弁9にて開閉される。吸気弁8及び排気弁9は図示しない可変動弁機構にて開閉駆動される。燃焼室5の上面略中央には点火プラグ10が配置され、吸気弁8の外側には気筒2内に燃料を噴射するための燃料噴射弁11が設けられている。吸気通路6には吸入空気量を調整するためのスロットル弁12が設けられる。スロットル弁12は、アクチュエータ13により指定された開度に制御可能ないわゆる電子制御スロットル弁として構成されている。排気通路7には排気浄化触媒14が設けられている。排気浄化触媒14には三元触媒、あるいはNOx吸蔵還元触媒等が用いられる。
エンジン1の運転状態はエンジンコントロールユニット(以下、ECUと略称する。)20にて制御される。ECU20はマイクロプロセッサを主体とするコンピュータユニットとして構成されている。ECU20には、エンジン1の運転状態を検出するためのセンサとして、吸入空気量に対応した信号を出力するエアフローメータ21、クランク軸の単位時間当たりの回転数(機関回転数)に対応した信号を出力するクランク角センサ22、エンジン1の機関温度を代表する温度としての冷却水温に対応した信号を出力する水温センサ23、及び排気浄化触媒14の床温(触媒温度)に対応した信号を出力する触媒温度センサ24等が接続されている。ECU20はこれらのセンサの出力信号を参照してエンジン1の運転状態を検出し、目標とする運転状態が得られるように、点火プラグ10の点火時期、スロットル弁12の開度(スロットル開度)、吸気弁8あるいは排気弁9の動弁特性等を制御する。
エンジン1の運転状態に関する制御の一つとして、ECU20は、エンジン1の冷間始動時における排気浄化触媒14の早期暖機を図るべく点火プラグ10の点火時期及びスロットル弁12の開度に関して所定の制御を実行する。図2を参照してその制御の概要を説明する。図2はエンジン1の冷間始動時における始動動作の開始時点(時刻t0)からの経過時間と、機関回転数、点火時期、スロットル開度及び触媒温度との関係を示している。なお、点火時期、スロットル開度及び触媒温度に関して本形態の制御例を実線で、従来の制御例を破線でそれぞれ示している。以下では、点火時期及びスロットル開度の従来の制御例を通常制御と呼ぶことがある。
まず、機関回転数に着目する。時刻t0にてスタータモータによるクランク軸の駆動が開始されると、機関回転数はまずクランキング回転数Necまで上昇する。クランク軸の駆動に続いて燃焼が開始されると機関回転数は急激に上昇してピーク回転数Nepに至る。このような燃焼開始直後の機関回転数の急激な上昇は吹き上がり挙動と呼ばれることがある。吹き上がり挙動後、機関回転数は回転数Neiまで低下して略安定する。機関回転数Nei付近で継続されるアイドリング運転は、ファーストアイドル運転と呼ばれることがある。
上述した吹き上がり挙動が生じた場合、その機関回転数のピークNep付近ではクランク軸が慣性力にて回転する。慣性力でクランク軸が回転している場合、エンジン1が発生するトルクがファーストアイドル運転の維持に必要なトルクより小さくてもクランク軸は回転を継続することができ、点火時期を遅角してエンジン1が発生するトルクを絞っても車両のドライバビリティの悪化は生じないか又は生じてもその程度は小さい。しかしながら、図2に破線で示すように、通常制御時では、まず燃焼開始に適した点火時期が設定され、その後、吹き上がり挙動が生じても点火時期は一定に保持され、吹き上がり挙動の後半で点火時期が進角され、さらに、吹き上がり挙動が経過して機関回転数が低下してから点火時期が徐々に遅角される。さらに、機関回転数がファーストアイドル回転数Neiにて安定した後、ファーストアイドル運転を維持できる限度で点火時期が遅角される。また、スロットル開度もファーストアイドル運転領域に至るまで一定に維持され、ファーストアイドル運転中の点火時期の遅角に合わせて開度増加、つまり吸入空気量の増量が実施されている。このような制御では、クランク軸の回転に必要な限度を超えるトルクがエンジン1の燃焼で発生し、本来であれば排気浄化触媒14に供給可能なエネルギの一部がクランク軸回りの機械系の運動エネルギとして消費される。
これに対して、本形態では、図2に実線で示したように、機関回転数に関して、クランク軸が慣性力で回転している期間を判別するための閾値Nethが設定される。そして、機関回転数が閾値Neth以上の期間(実行期間)Tにおいて、点火時期が、燃焼開始時あるいはファーストアイドル運転中ではトルク不足の懸念が生じて設定することができない領域まで遅角される。さらに、実行期間Tにおいては、点火時期の遅角に合わせてスロットル開度が増加方向に変更されて吸入空気量の増量が実施される。そして、実行期間Tが経過した後は、ファーストアイドル運転における燃焼の安定性を確保するために点火時期が通常制御時の値まで進角される。これに合わせてスロットル開度も通常制御時の値まで戻されて吸入空気量が減量される。
以上のような点火時期を遅角した場合、通常制御時と比較して、エンジン1における燃焼が緩慢に進行してピストン3の仕事量が減少する。しかも、その点火時期の遅角は、吹き上がり挙動に伴って発生するクランク軸の慣性回転に合わせて実施されるので、ファーストアイドル運転中にはトルク不足の懸念が生じて設定できない領域まで点火時期を遅角することが可能となる。これにより、排気浄化触媒14に供給される排気中のエネルギ量を顕著に増加させることができる。また、吸入空気量の増量により、クランク軸が慣性力で回転している期間、つまり実行期間Tをより長く確保し、スロットル開度を維持した場合と比較して、排気浄化触媒14にさらに多くのエネルギを供給することが可能となる。以上の結果、通常制御時と比較して、触媒温度を迅速に上昇させ、それにより排気浄化触媒14のさらなる早期暖機を図ることが可能となる。
図3は上述した点火時期及びスロットル開度の制御を実現するためにECU20が実行する始動時暖機制御ルーチンを示している。図3のルーチンは、例えばエンジン1の始動が指示された時点で水温センサ23が検出する水温が所定の温度域よりも低下している場合に実行され、かつ、その実行は所定の周期で繰り返される。図3のルーチンにおいて、ECU20はまずステップS1で点火時期の遅角等が許可されているか否かを判別するための許可フラグに、許可を示す1がセットされているか否か判断する。1がセットされていない場合、ECU20はステップS2に進み、クランク角センサ22の出力信号を参照して、機関回転数の上昇率△Neが所定値以上か否か判断する。ここで使用される上昇率△Neの所定値は、エンジン1が正常に始動して吹き上がり挙動が生じた場合の変化率と、エンジン1の始動に何らかの異常が発生して機関回転数が順調に上昇しない場合の変化率とを区別できる値に設定される。
ステップS2にて上昇率△Neが所定値未満と判断された場合、エンジン1の吹き上がり挙動が未だ生じていないか、又はエンジン1に何らかの異常が生じて吹き上がり挙動が発生し得ない状況と考えられる。この場合、ECU20はステップS3に進んで通常時の点火時期及びスロットル開度を設定する。ここでいう通常の点火時期及びスロットル開度は図2の破線で示した値である。続くステップS4において、ECU20は、点火時期の遅角が現在実行されているか否かを判別するための実行フラグに、実行中を示す1がセットされているか否か判断し、実行中でなければ今回のルーチンを終了する。
一方、ステップS2にて機関回転数の上昇率△Neが所定値以上であると判断された場合、ECU20はステップS5にて許可フラグに1をセットし、その後にステップS6へ進む。ステップS1にて許可フラグに1がセットされていると判断された場合、ECU20はステップS5をスキップしてステップS6に進む。ステップS6において、ECU20は機関回転数Neが図2に示す閾値Neth以上か否か判断する。閾値Neth未満の場合、ECU20はステップS3に進んで点火時期及びスロットル開度を通常時のそれらの値に設定する。この場合は、吹き上がり挙動が生じていても図2の期間Tに達していない、つまり、点火時期の遅角が許容される程度までクランク軸が慣性力で回転している状況ではないか、又は吹き上がり挙動の終了に伴って機関回転数Neが閾値Nethよりも低下したと考えられるためである。閾値Nethは一定値でもよいが、エンジン1の機関温度に応じて変化させてもよい。例えば、エンジン1の燃焼は水温が低いほど不安定となり易いため、ファーストアイドル運転時の機関回転数Neiも水温が低いときはより高く制御される。これに合わせて、水温が低いほど閾値Nethが高くなるように変化させてもよい。具体的には、ファーストアイドル運転時の機関回転数Neiに対して、閾値Nethを一定の比率(例えば10%)だけ増加させるような設定が考えられる。
ステップS6で機関回転数Neが閾値Neth以上と判断された場合には、機関回転数Neが図2の実行期間Tにあるとみなすことができる。この場合、ECU20はステップS7に進んで実行フラグに1をセットし、続くステップS8で点火時期を遅角された値に設定し、かつスロットル開度を点火時期の遅角に応じて増量された値に設定する。この場合、点火時期及びスロットル開度は、図2の期間Tにおける値に設定される。従って、点火時期は、燃焼開始時あるいはファーストアイドル運転中ではトルク不足の懸念が生じて設定できない領域まで遅角された値に設定される。
なお、ステップS8で与えるべき点火時期及びスロット開度は一定値でもよいし、エンジン1の運転状態に応じて変化させてもよい。例えば、閾値Nethに関して既に述べたように、エンジン1の燃焼の安定性は水温の影響を受けるため、水温が低いほど遅角量及びスロットル開度の増加量を小さく設定して燃焼の安定性の確保を図ってもよい。こうした設定値の制御は、水温と実行期間Tにおける点火時期及びスロットル開度とを対応付けたマップを予め適合試験等で作成してECU20のROM等に記憶させ、ステップS8では、そのマップを参照して実行期間Tの水温に応じた適切な点火時期及びスロットル開度を取得することにより実現できる。ステップS8にて点火時期及びスロットル開度の遅角を設定した後、ECU20は今回のルーチンを終了する。
ステップS6にて機関回転数Neが閾値Neth未満と判断され、かつステップS4で実行フラグに1がセットされていると判断された場合には、吹き上がり挙動の終了に伴って機関回転数Neが閾値Nethよりも低下したとみなすことができる。この場合、ECU20はステップS9に進み、許可フラグ及び実行フラグをいずれも0にリセットし、その後に今回のルーチンを終了する。ステップS9が実行されてルーチンが終了した場合、以降は、次回の冷間始動時まで図3のルーチンは実行されない。また、ステップS8が実行されることなく機関回転数がファーストアイドル回転数Neiで安定した場合にも、それ以降は次回の冷間始動時まで図3のルーチンは実行されない。さらに、機関回転数がファーストアイドル回転数Neiで安定した後は、その運転を維持できる範囲で点火時期の遅角及び吸入空気量の増量を実施してもよい。
以上の処理によれば、エンジン1が始動して吹き上がり挙動による機関回転数の急激な上昇が検出されるとステップS2の条件が肯定されて許可フラグに1がセットされ、その後、機関回転数Neが閾値Neth以上に上昇するとステップS6の条件が肯定されてステップS8で点火時期の遅角及び吸入空気量の増量が実施される。以降は、許可フラグに1がセットされているのでステップS1の条件が肯定され、ステップS6で機関回転数Neが閾値Neth未満と判断されるまで点火時期の遅角及び吸入空気量の増量が継続される。そして、機関回転数Neが閾値Neth未満まで低下するとステップS6の条件が否定され、ステップS3で点火時期が通常制御時の値まで進角され、かつスロットル弁開度も通常制御時の値に設定されて吸入空気量が減量される。従って、図2に実線で示したような点火時期制御及びスロットル弁開度の制御を実現し、それにより、排気浄化触媒14の早期暖機を図ることができる。
また、図3のルーチンによれば、始動後の機関回転数Neの上昇率△Neが所定値以上に増加しない限り許可フラグに1がセットされず、許可フラグが0の状態ではステップS3で通常の点火時期及びスロットル開度が設定され、ステップS8による設定は実施されない。従って、エンジン1の始動後に機関回転数が順調に上昇しない場合には、たとえ機関回転数が閾値Nethを一時的に超えたとしても、点火時期の遅角及び吸入空気量の増量は実施されない。これにより、エンジン1の運転状態に何らかの問題が生じている状態で点火時期の遅角等が無理に実施されてエンジン1の運転状態が悪化するおそれを排除することができる。さらに、実行期間Tを判別するための閾値Neth、あるいは実行期間Tにおける遅角量、スロットル弁の開度を、エンジン1の機関温度(水温)に応じて変化させた場合には、点火時期の遅角及び吸入空気量の増量をより適切な時期に適切な程度で実施して、エンジン1の燃焼の安定性を確保しつつ排気浄化触媒14を過不足なく暖機することができる。
以上の形態では、ECU20がステップS6の処理を実行することにより慣性回転状態検出手段として機能し、ステップS8の処理を実行することにより触媒暖機制御手段として機能する。さらに、ECU20がステップS1、S2及びS5の処理を実行することにより、実行制御手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、上記の形態ではクランク軸が慣性で回転している状態を機関回転数に基づいて判別したが、機関回転数以外の物理量を用いて慣性回転状態を検出することもできる。例えば、吹き上がり挙動が生じるとエンジン1の積算吸入空気量の増加率が高くなることを利用して慣性回転状態を検出してもよい。あるいは、吹き上がり挙動が生じると吸気通路6のスロットル弁12よりも下流の吸気管圧力が負圧側に増大することを利用して慣性回転状態を検出してもよい。吸入空気量の増量は、スロットル弁12の開度変化によって実現する例に限らず、吸気弁8の動弁特性の変化といった吸入空気量に変化を与え得る各種の手段を用いてこれを実現することができる。
本発明の一形態に係る始動制御装置が適用された内燃機関の概略を示す図。 冷間始動時における始動動作の開始時点からの経過時間と、機関回転数、点火時期、スロットル開度及び触媒温度との関係を示す図。 点火時期及びスロットル開度の制御を実現するためにECUが実行する始動時暖機制御ルーチンを示すフローチャート。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
14 排気浄化触媒
20 エンジンコントロールユニット(慣性回転状態検出手段、触媒暖機制御手段)
21 エアフローメータ
22 クランク角センサ
23 水温センサ
24 触媒温度センサ
Nec クランキング回転数
Nei ファーストアイドル回転数
Neth 閾値
T 実行期間

Claims (6)

  1. 排気浄化触媒を備えた火花式内燃機関の始動制御装置において、
    前記内燃機関の燃焼開始に伴って発生する吹き上がり挙動により機関回転数が一時的に上昇してクランク軸が慣性力で回転する慣性回転状態を検出する慣性回転状態検出手段と、
    前記慣性回転状態が検出されている間、前記内燃機関の点火時期を遅角させるとともに前記内燃機関の吸入空気量を増量させ、前記慣性回転状態の経過後は前記点火時期を進角しかつ前記吸入空気量を減量させる触媒暖機制御手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  2. 前記慣性回転状態検出手段は、前記内燃機関の燃焼開始後、前記機関回転数が所定の閾値以上に上昇してピーク値に達し、さらにそのピーク値から前記閾値未満に低下するまでの期間を前記慣性回転状態として検出することを特徴とする請求項1に記載の始動制御装置。
  3. 前記触媒暖機制御手段は、前記内燃機関の機関温度が低いほど前記閾値が高くなるように、前記機関温度に応じて前記閾値を変化させることを特徴とする請求項2に記載の始動制御装置。
  4. 前記触媒暖機制御手段は、前記内燃機関の機関温度が低いほど前記点火時期の遅角の程度が小さくなるように、前記機関温度に応じて前記慣性回転状態における前記点火時期の遅角量を変化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の始動制御装置。
  5. 前記触媒暖機制御手段は、前記燃焼開始時あるいは前記慣性回転状態の経過後のアイドル運転領域ではトルク不足の懸念が生じて設定することができない領域まで前記点火時期を遅角することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の始動制御装置。
  6. 前記燃焼開始後に前記内燃機関がアイドル運転状態へと移行するまでの間に、機関回転数の所定値以上の上昇率が検出された場合に前記触媒暖機制御手段による前記点火時期の遅角及び前記吸入空気量の増量を許可し、前記所定値以上の上昇率が検出されない場合には前記触媒暖機制御手段による前記点火時期の遅角及び前記吸入空気量の増量を禁止する実行制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の始動制御装置。
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