JP2002021604A - 内燃機関の負圧制御装置及び内燃機関の制御方法 - Google Patents

内燃機関の負圧制御装置及び内燃機関の制御方法

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JP2002021604A
JP2002021604A JP2001132809A JP2001132809A JP2002021604A JP 2002021604 A JP2002021604 A JP 2002021604A JP 2001132809 A JP2001132809 A JP 2001132809A JP 2001132809 A JP2001132809 A JP 2001132809A JP 2002021604 A JP2002021604 A JP 2002021604A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、内燃機関の負圧制御装置及び内燃
機関の制御方法に関し、内燃機関の運転に支障をきたす
ことなく、ブレーキブースタに十分な負圧を確保するこ
とを目的とする。 【解決手段】 スロットル弁36の下流側の吸気通路3
4で発生するインマニ負圧を動力源としてブレーキ踏力
を増幅するブレーキブースタ18を設ける。ブレーキブ
ースタ18の負圧室22とサージタンク28とを連通さ
せる負圧供給配管26の途中に設けられた負圧蓄積タン
ク32に、負圧室22に作用しているブレーキ負圧B
VACに応じた信号を出力する圧力センサ38を配設す
る。内燃機関10の始動が開始された際にブレーキ負圧
VACが不足している場合には、内燃機関10をファ
ーストアイドル状態よりも高回転まで吹き上がらせ、そ
の後内燃機関10がファーストアイドル状態に移行する
までの期間中に、スロットル弁36を全閉状態に維持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の負圧制
御装置及び内燃機関の制御方法に係り、特に、吸気通路
に設けられたスロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力
源としてブレーキ踏力を増幅するブレーキブースタを備
える内燃機関の負圧制御装置及び内燃機関の制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平8−16484
0号に開示される如く、ブレーキ踏力を増幅するブレー
キブースタを備える内燃機関の負圧制御装置が知られて
いる。このブレーキブースタは、吸気通路に設けられた
スロットル弁の下流側に生ずる負圧を動力源としてブレ
ーキ踏力を増幅する。すなわち、ブレーキブースタは、
吸気通路から供給される負圧が不足している場合、ブレ
ーキ踏力を適正に増幅することができなくなる。
【0003】そこで、上記従来の装置は、ブレーキブー
スタに作用する負圧を検出し、その負圧が所望の値に到
達していない場合にスロットル弁を所定量だけ閉弁す
る。この場合、スロットル弁の下流の吸気通路に大きな
負圧が発生することで、ブレーキブースタに作用する負
圧が増大する。従って、上記従来の装置によれば、ブレ
ーキブースタに十分に大きな負圧を確保することがで
き、ブレーキ踏力を適正に増幅させることが可能とな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関に
おいて、冷間始動時に触媒等の暖機の促進を図るべく、
点火時期が最適点火時期から遅角される場合がある。点
火時期が遅角されると、排気ガスが昇温し易くなる一方
で、内燃機関の出力が低下してしまう。内燃機関の出力
は、内燃機関に吸入される空気の量、及び、噴射される
燃料の量の増大に伴って増大する。従って、内燃機関の
出力の低下を防止しつつ暖機の促進を図るうえでは、点
火時期を遅角させると共に、その際、吸気通路に設けら
れたスロットル弁の開度を大きくすることが考えられ
る。
【0005】しかしながら、冷間始動時にスロットル弁
の開度が速やかに大きくなると、スロットル弁の下流側
の吸気通路に大きな負圧が発生せず、ブレーキブースタ
に作用する負圧を所望の値に到達させることができなく
なる。上記従来の装置では、ブレーキブースタに作用す
る負圧が所望の値に到達していない場合、その負圧を増
大すべくスロットル弁が閉弁されることとなるが、ブレ
ーキブースタに作用する負圧が不足する毎に直ちにスロ
ットル弁が閉弁されると、内燃機関に吸入される空気量
が減少し、内燃機関の出力の増大を図ることができない
場合がある。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、内燃機関の運転に支障をきたすことなく、ブレ
ーキブースタに十分な負圧を確保することが可能な内燃
機関の負圧制御装置及び内燃機関の制御方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の
下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅
するブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置
であって、内燃機関の始動が開始された際、前記ブレー
キブースタに作用する負圧が所望の値に達していない場
合には、内燃機関の回転数が定常運転モードにおける回
転数よりも高い第1の回転数に達した後、該内燃機関が
前記定常運転モードに移行するまでの期間中に、前記ス
ロットル弁を、ファーストアイドル状態における開度よ
りも小さい開度に維持するスロットル弁制御手段を備え
ることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置により達成
される。
【0008】請求項1記載の発明において、ブレーキブ
ースタは、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側
に生ずる負圧(以下、インマニ負圧と称す)を動力源と
してブレーキ踏力を増幅する。内燃機関が高回転に吹き
上がってから定常運転モードに移行するまでは、内燃機
関は、空気量が少なくても回転することができる。この
ため、かかる期間中は、スロットル弁を、ファーストア
イドル状態における開度よりも小さい開度に維持するこ
ととしても、内燃機関の運転に支障をきたすことはほと
んどない。
【0009】そこで、本発明において、内燃機関の始動
が開始された際、ブレーキブースタに作用する負圧(以
下、ブレーキ負圧と称す)が所望の値に達していない場
合には、内燃機関の回転数が第1の回転数に達した後に
内燃機関が定常運転モードに移行するまでの期間中に、
スロットル弁がファーストアイドル状態における開度よ
りも小さい開度に維持される。かかる構成においては、
上記した期間中スロットル弁の下流側の吸気通路に大き
なインマニ負圧が発生することで、ブレーキ負圧が増大
される。従って、本発明によれば、内燃機関の運転に支
障をきたすことなく、ブレーキブースタに十分に大きな
負圧を確保することができる。
【0010】尚、本発明において、「ファーストアイド
ル」とは、触媒暖機時や冷間始動時等において内燃機関
が通常のアイドル状態よりも高回転で運転する状態をい
う。
【0011】この場合、請求項2に記載する如く、請求
項1記載の内燃機関の負圧制御装置において、前記スロ
ットル弁制御手段は、内燃機関の回転数が前記第1の回
転数に達した後、該内燃機関が定常運転モードに移行す
るまでの期間中に、前記スロットル弁を全閉状態に維持
することとしてもよい。
【0012】また、請求項3に記載する如く、請求項1
記載の内燃機関の負圧制御装置において、前記スロット
ル弁制御手段は、内燃機関の回転数が前記第1の回転数
に達した後、該内燃機関が定常運転モードに移行するま
での期間中に、前記スロットル弁を通常のアイドル状態
における開度にほぼ等しい開度に維持することとしても
よい。
【0013】また、上記の目的は、請求項5に記載する
如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生
ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレー
キブースタを備える内燃機関の負圧制御装置であって、
内燃機関の始動が開始された際、前記ブレーキブースタ
に作用する負圧が所望の値に達していない場合には、内
燃機関が定常運転モードに移行する前、内燃機関の回転
数が前記定常運転モードにおける回転数よりも高い第1
の回転数に達した後に、前記スロットル弁を、ファース
トアイドル状態における開度よりも小さい開度に維持す
るスロットル弁制御手段を備えることを特徴とする内燃
機関の負圧制御装置により達成される。
【0014】請求項5記載の発明において、内燃機関の
始動が開始された際にブレーキ負圧が所望の値に達して
いない場合には、内燃機関が定常運転モードに移行する
前、内燃機関の回転数が定常運転モードにおける回転数
よりも高い第1の回転数に達した後に、スロットル弁が
ファーストアイドル状態における開度よりも小さい開度
に維持される。かかる構成においては、内燃機関が第1
の回転数で運転してから定常運転モードに移行する間は
スロットル弁の下流側に大きなインマニ負圧が発生する
ので、ブレーキ負圧が増大される。従って、本発明によ
れば、内燃機関の運転に支障をきたすことなく、ブレー
キブースタに十分に大きな負圧を確保することができ
る。
【0015】また、請求項7に記載する如く、請求項1
又は5記載の内燃機関の負圧制御装置において、前記定
常運転モードは、内燃機関が前記第1の回転数に比して
低い第2の回転数で運転するモードであることとしても
よい。
【0016】更に、請求項8に記載する如く、請求項7
記載の内燃機関の負圧制御装置において、前記第2の回
転数は、ファーストアイドル回転数であることとしても
よい。
【0017】ところで、ブレーキ負圧の現実の値と所望
の値との差圧が小さい場合は、吸気通路に大きな負圧を
発生させる期間が短くても、ブレーキ負圧を所望の値に
到達させることは可能である。一方、上記の差圧が大き
い場合は、吸気通路に大きな負圧を発生させる期間が長
くなければ、ブレーキ負圧を所望の値に到達させること
はできない。
【0018】従って、請求項4に記載する如く、請求項
1記載の内燃機関の負圧制御装置において、前記ブレー
キブースタに作用する負圧と前記所望の値との差圧に応
じて前記期間を変更する期間変更手段を備えることとす
れば、上記した差圧の大きさにかかわらず確実にブレー
キブースタに十分に大きな負圧を導くことができる。
【0019】また、スロットル弁が全閉状態にある状況
下では、内燃機関の吹き上がり回転数が高いほど、吸気
通路に負圧が生じ易くなる。
【0020】従って、請求項6に記載する如く、請求項
1又は5記載の内燃機関の負圧制御装置において、前記
ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値との差
圧に応じて前記第1の回転数を変更する所定回転数変更
手段を備えることとすれば、上記した差圧の大きさにか
かわらず確実にブレーキブースタに十分に大きな負圧を
導くことができる。
【0021】また、上記の目的は、請求項9に記載する
如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生
ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレー
キブースタと、ファーストアイドル時に点火時期が所定
の時期まで遅角される点火遅角制御を実行する点火時期
制御手段と、前記点火遅角制御により点火時期が遅角さ
れるほど前記スロットル弁の開度を増大するスロットル
開度制御手段と、を備える内燃機関の負圧制御装置であ
って、前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値
に達していない場合には、前記点火遅角制御により点火
時期が前記所定の時期まで遅角される少なくとも一部の
過程で、該点火時期を、前記ブレーキブースタに作用す
る負圧が前記所望の値に達している場合に比して進角側
で変化させる点火時期変更手段を備えることを特徴とす
る内燃機関の負圧制御装置により達成される。
【0022】請求項9記載の発明において、内燃機関で
は、ファーストアイドル時に点火時期が遅角される点火
遅角制御が実行される。また、点火遅角制御により点火
時期が遅角される際、その遅角量に応じてスロットル弁
の開度が増大される。すなわち、点火時期が遅角される
ほどスロットル弁の開度が増大される。スロットル弁の
開度が増大されると、大きなインマニ負圧が発生し難く
なる。
【0023】本発明において、ブレーキ負圧が所望の値
に達していない場合には、点火遅角制御により点火時期
が所定の時期まで遅角される過程で、点火時期は、ブレ
ーキ負圧が所望の値に達している場合に比して進角側で
変化する。かかる構成においては、点火時期が所定の時
期まで遅角される過程で、ブレーキ負圧が所望の値に達
していない場合は、所望の値に達している場合に比し
て、点火時期が進角側に設定されている時間が長く、ス
ロットル弁の開度が小さくなっている時間が長くなる。
このため、ブレーキ負圧が所望の値に達していない場合
は、スロットル弁の下流側の吸気通路に、所望の値に達
している場合に比して大きなインマニ負圧が発生するの
で、ブレーキ負圧が速やかに増大される。従って、本発
明によれば、点火遅角制御が実行される際にも、ブレー
キブースタに十分に大きな負圧を確保することが可能と
なる。
【0024】この場合、請求項10に記載する如く、請
求項9記載の内燃機関の負圧制御装置において、前記点
火時期変更手段は、前記ブレーキブースタに作用する負
圧が前記所望の値に達していない場合、前記点火時期制
御手段による前記点火遅角制御の実行を点火時期が前記
所定の時期に達する前に中断することにより、点火時期
を前記ブレーキブースタに作用する負圧が前記所望の値
に達している場合に比して進角側で変化させることとし
てもよい。
【0025】また、請求項11に記載する如く、請求項
10記載の内燃機関の負圧制御装置において、前記ブレ
ーキブースタに作用する負圧と前記所望の値との差圧に
応じて、前記点火時期制御手段による前記点火遅角制御
の実行を中断する時期を変更する中断時期変更手段を備
えることとすれば、上記した差圧の大きさにかかわらず
ブレーキブースタに確実に十分に大きな負圧を導くこと
ができる。
【0026】また、上記の目的は、請求項12記載する
如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に生
ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレー
キブースタと、ファーストアイドル時に点火時期が所定
の時期まで遅角される点火遅角制御を実行する点火時期
制御手段と、前記点火遅角制御により点火時期が遅角さ
れるほど前記スロットル弁の開度を増大するスロットル
開度制御手段と、を備える内燃機関の負圧制御装置であ
って、前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値
に達していない場合には、前記点火遅角制御により点火
時期を前記所定の時期に到達させるまでの時間を、前記
ブレーキブースタに作用する負圧が前記所望の値に達し
ている場合に比して長くする点火時期変更手段を備える
ことを特徴とする内燃機関の負圧制御装置により達成さ
れる。
【0027】請求項12記載の発明において、ブレーキ
負圧が所望の値に達していない場合には、点火遅角制御
により点火時期を所定の時期に到達させるまでの時間
が、ブレーキ負圧が所望の値に達している場合に比して
長くなる。かかる構成においては、点火時期が所定の時
期まで遅角される過程で、ブレーキ負圧が所望の値に達
していない場合は、所望の値に達している場合に比し
て、点火時期が進角側に設定されている時間が長く、ス
ロットル弁の開度が小さくなっている時間が長くなる。
従って、本発明によれば、点火遅角制御が実行される際
にも、ブレーキブースタに十分に大きな負圧を確保する
ことが可能となる。
【0028】ところで、ブレーキ負圧の現実の値と所望
の値との差圧が小さい場合は、吸気通路に大きな負圧が
発生する期間が短くても、ブレーキ負圧を所望の値に到
達させることは可能である。一方、上記の差圧が大きい
場合は、吸気通路に大きな負圧が発生する期間が長くな
ければ、ブレーキ負圧を所望の値に到達させることはで
きない。
【0029】従って、請求項13に記載する如く、請求
項12記載の内燃機関の負圧制御装置において、前記点
火時期変更手段は、前記ブレーキブースタに作用する負
圧と前記所望の値との差圧に応じて前記時間を変更する
こととすれば、上記した差圧の大きさにかかわらずブレ
ーキブースタに確実に十分に大きな負圧を導くことがで
きる。
【0030】また、上記の目的は、請求項14に記載す
る如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に
生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレ
ーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置であっ
て、内燃機関の始動が開始された際、該内燃機関の始動
中又は始動後に触媒暖機運転を行う触媒暖機制御の実行
条件が成立する場合には、内燃機関の回転数が定常運転
モードにおける回転数よりも高い所定の回転数に達した
後、該内燃機関が前記定常運転モードに移行するまでの
期間中に、前記スロットル弁を、ファーストアイドル状
態における開度よりも小さい開度に維持するスロットル
弁制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制
御装置により達成される。
【0031】請求項14記載の発明において、内燃機関
の始動が開始された際、触媒暖気制御の実行条件が成立
する場合には、内燃機関の回転数が定常運転モードにお
ける回転数よりも高い所定の回転数に達した後に内燃機
関が定常運転モードに移行するまでの期間中に、スロッ
トル弁がファーストアイドル状態における開度によりも
小さい開度に維持される。かかる構成においては、上記
した期間中スロットル弁の下流側の吸気通路に大きなイ
ンマニ負圧が発生することで、ブレーキ負圧が増大され
る。従って、本発明によれば、内燃機関の運転に支障を
きたすことなく、ブレーキブースタに十分に大きな負圧
を確保することができる。
【0032】更に、上記の目的は、請求項15に記載す
る如く、吸気通路に設けられたスロットル弁の下流側に
生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅するブレ
ーキブースタを備える内燃機関の制御方法であって、内
燃機関の始動が開始された際、前記ブレーキブースタに
作用する負圧が所望の値に達していない場合には、内燃
機関を、定常運転モードへの移行前に、通常時よりも高
く設定された第1の回転数まで回転させる第1のステッ
プと、内燃機関の回転数が前記第1の回転数に達した
後、該内燃機関が前記第1の回転数よりも低い第2の回
転数で運転する前記定常運転モードに移行するまでの期
間中に、前記スロットル弁を、ファーストアイドル状態
における開度よりも小さい開度に維持する第2のステッ
プと、を備えることを特徴とする内燃機関の制御方法に
より達成される。
【0033】請求項15記載の発明において、内燃機関
の始動が開始された際、ブレーキ負圧が所望の値に達し
ていない場合には、内燃機関を、定常運転モードへの移
行前に、通常時よりも高く設定された第1の回転数まで
回転させる。そして、内燃機関の回転数が第1の回転数
に達した後、内燃機関が第1の回転数よりも低い第2の
回転数で運転する定常運転モードに移行するまでの期間
中に、スロットル弁を、ファーストアイドル状態におけ
る開度よりも小さい開度に維持する。かかる構成におい
ては、上記した期間中スロットル弁の下流側の吸気通路
に大きなインマニ負圧が発生することで、ブレーキ負圧
が増大される。従って、本発明によれば、内燃機関の運
転に支障をきたすことなく、ブレーキブースタに十分に
大きな負圧を確保することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例であ
る内燃機関10の負圧制御装置のシステム構成図を示
す。本実施例のシステムは、電子制御ユニット(以下、
ECUと称す)12を備えており、ECU12により制
御される。
【0035】図1に示す如く、本実施例のシステムは、
ブレーキペダル14を備えている。ブレーキペダル14
には、作動軸16を介してブレーキブースタ18が連結
されている。ブレーキブースタ18は、その内部にダイ
ヤフラム20により隔成された負圧室22及び変圧室2
4を備えている。負圧室22には、負圧供給配管26を
介して内燃機関10のサージタンク28が接続されてい
る。
【0036】負圧供給配管26の途中には、逆止弁30
が設けられている。逆止弁30は、負圧室22側からサ
ージタンク28側へ向かう空気の流れのみを許容する一
方向弁であり、負圧室22の内圧がサージタンク28の
内圧に比して高圧である場合に開弁する。逆止弁30の
負圧室22側には、負圧蓄積タンク32が設けられてい
る。負圧蓄積タンク32は、サージタンク28に生じた
負圧を蓄積する機能を有している。
【0037】サージタンク28上流側の吸気通路34に
は、その通路の有効面積を可変するスロットル弁36が
設けられている。スロットル弁36は、ECU12に接
続されたスロットルアクチュエータ37に連結されてい
る。スロットル弁36は、スロットルアクチュエータ3
7がECU12から供給される駆動信号に応じて駆動す
ることにより、その駆動状態に応じた開度に開弁され
る。以下、スロットル弁36の開度をスロットル開度θ
と称す。
【0038】内燃機関10が運転状態にあると、スロッ
トル弁36の下流側の吸気通路34、すなわち、サージ
タンク28には負圧(以下、インマニ負圧と称す)が発
生する。サージタンク28で発生したインマニ負圧は、
負圧供給配管26及び負圧蓄積タンク32を介してブレ
ーキブースタ18の負圧室22に導かれる。従って、内
燃機関10の運転中、ブレーキブースタ18の負圧室2
2には、サージタンク28で発生するインマニ負圧が供
給される。
【0039】ブレーキペダル14が踏み込まれていない
場合は、ブレーキブースタ18の変圧室24には負圧室
22に作用している負圧(以下、ブレーキ負圧BVAC
と称す)が導かれる。この場合、変圧室24と負圧室2
2との間に差圧は生じない。一方、ブレーキペダル14
が踏み込まれている場合は、変圧室24にそのブレーキ
踏力に応じた分の大気が導入される。このため、内燃機
関10の運転中にブレーキペダル14が踏み込まれる
と、変圧室24と負圧室22との間に、ブレーキ踏力に
応じた差圧が発生する。この差圧は、ブレーキ踏力に対
して所定の倍力比を有する助勢力として作用する。従っ
て、ブレーキブースタ18は、内燃機関10の運転中、
ブレーキペダル14が踏み込まれることにより、サージ
タンク28で発生するインマニ負圧を動力源として、そ
のブレーキ踏力に対して所定の倍力比を有する助勢力を
発生する。
【0040】負圧蓄積タンク32には、圧力センサ38
が配設されている。圧力センサ38は、負圧蓄積タンク
32の内圧、すなわち、ブレーキブースタ18の負圧室
22に作用している内圧(ブレーキ負圧BVAC)に応
じた信号を出力する。圧力センサ38の出力信号は、E
CU12に供給されている。ECU12は、圧力センサ
38の出力信号に基づいてブレーキ負圧BVACを検出
する。
【0041】ブレーキブースタ18には、内部に液圧室
40を備えたマスタシリンダ42が連結されている。マ
スタシリンダ42の液圧室40には、ブレーキ踏力と助
勢力との合力に応じたマスタシリンダ圧が発生する。マ
スタシリンダ42には、ホイルシリンダ44が接続され
ている。ホイルシリンダ44は、マスタシリンダ圧に応
じた制動力を車輪に対して付与する。
【0042】内燃機関10は、吸気通路34の燃焼室5
0側の端部近傍に配設されたインジェクタ52、及び、
先端部が燃焼室50に露出するように配設された点火プ
ラグ54を備えている。インジェクタ52は、ECU1
2に電気的に接続されており、ECU12から駆動信号
が供給された場合に、燃料タンクから汲み上げられた燃
料を吸気通路34へ向けて噴射する。点火プラグ54
は、ECU12に電気的に接続されており、ECU12
から高圧の点火信号が供給された場合に、燃焼室50の
内部で火花を発生させる。
【0043】ECU12には、内燃機関10の回転数
(以下、機関回転数NEと称す)に応じた信号を出力す
るNEセンサ56が接続されている。ECU12は、N
Eセンサ56の出力信号に基づいて機関回転数NEを検
出する。
【0044】ところで、内燃機関10の始動が開始され
た際に、暖機の促進を図るべく、内燃機関10を、通常
のアイドル状態よりも高回転(例えば1500rpm;
以下、この際の機関回転数NEをファーストアイドル回
転数NEと称す)で運転させるファーストアイドル状
態に移行させ、そのファーストアイドル回転数NE
定常運転させる場合がある。内燃機関10を高回転で運
転させる手法としては、燃焼室50に供給される吸入空
気の量、及び、噴射される燃料の量を増大することが考
えられる。かかる手法によれば、内燃機関10の燃焼室
50における燃焼が促進されることで出力が向上し、内
燃機関10が高回転で運転することができる。また、吸
入空気量の増大は、スロットル弁36の開度を大きくす
ることにより実現できる。
【0045】しかしながら、内燃機関10の始動直後か
ら、内燃機関10をファーストアイドル状態に移行させ
るべく、スロットル弁36の開度が大きくされると、ス
ロットル弁36の下流側の吸気通路34、すなわち、サ
ージタンク28に大きなインマニ負圧を発生させること
が困難となる。かかる状況下では、ブレーキペダル14
が踏み込まれても、ブレーキブースタ18の変圧室24
と負圧室22との間に所望の差圧が確保されず、ブレー
キ踏力に対して所望の助勢力を発生させることができな
くなる。
【0046】内燃機関10は、高回転から低回転へ向け
て移行する間は、燃焼室50に吸入される空気量が少な
くても惰性回転することができる。このため、かかる期
間中にスロットル弁36を開度の小さい状態(例えば、
通常のアイドル開度程度、または、それ以下の開度であ
る全閉状態(後に詳述する))に維持することとして
も、内燃機関10の運転に不都合が生ずることはほとん
どない。従って、内燃機関10の始動が開始された後
に、内燃機関10をファーストアイドル状態よりも高回
転(例えば2000rpm;以下、この機関回転数NE
を吹き上がり回転数NEmaxと称す)まで吹き上がら
せ、その後、ファーストアイドル状態に移行するまでの
期間中に、スロットル弁36をファーストアイドル状態
に対応する開度よりも小さい開度に維持することとすれ
ば、その開度差分だけ、スロットル弁36の下流側の吸
気通路34に大きなインマニ負圧を発生させることが可
能となる。吸気通路34に大きなインマニ負圧が発生し
た場合は、その負圧が負圧供給配管26及び負圧蓄積タ
ンク32を介してブレーキブースタ18の負圧室22に
導かれることで、ブレーキ踏力に対して所望の助勢力を
発生させることが可能となる。
【0047】ここで、スロットル弁36の「全閉状態」
とは、ECU12からの駆動信号によってスロットルア
クチュエータ37が閉弁側に最大限駆動された際に実現
されるスロットル弁36の最も閉じた開度位置を意味
し、スロットル弁36の上流側から下流側へ少量の空気
が流通し得るものである。尚、スロットル弁36の全閉
状態における開度は、内燃機関10のファーストアイド
ル状態における開度よりも小さければよく、通常のアイ
ドル状態における開度であってもよい。
【0048】本実施例のシステムは、内燃機関10の始
動が開始された際にブレーキ負圧B VACが所望の値に
達していない場合には、内燃機関10をファーストアイ
ドル回転数NEよりも高回転の吹き上がり回転数NE
maxまで吹き上がらせ、その後内燃機関10の回転数
NEがその吹き上がり回転数NEmaxからファースト
アイドル回転数NEに至る間でスロットル弁36を全
閉状態に維持することで、ブレーキ負圧BVACを、始
動後速やかに十分に大きな値に確保する点に特徴を有し
ている。
【0049】図2は、本実施例の内燃機関10の負圧制
御装置の動作を説明するための図である。尚、図2
(A)には機関回転数NEの時間変化が、図2(B)に
はスロットル開度θの時間変化が、それぞれ示されてい
る。
【0050】図2に示す如く、内燃機関10の始動が開
始された後は、内燃機関10をファーストアイドル状態
よりも高回転まで吹き上がらせるため、スロットル開度
θが大きくされる。そして、時刻t=tにおいて機関
回転数NEが所定の吹き上がり回転数NEmaxに達し
た場合に、スロットル弁36が全閉状態となるようにス
ロットル開度θが変更される。そのスロットル弁36の
全閉状態は、内燃機関10がほとんどファーストアイド
ル状態による定常運転になったと判断できる所定の値に
機関回転数NEが低下する(図2において時刻t=
)まで継続される。スロットル弁36が全閉状態に
されている間は、スロットル弁36の下流側の吸気通路
34へ吸入される空気量が少ないため、サージタンク2
8に大きなインマニ負圧が発生する。そして、時刻t=
において機関回転数NEが所定の値に達した場合
に、内燃機関10をファーストアイドル状態で運転させ
るため、スロットル開度θが全閉状態から大きくされ
る。
【0051】図3は、上記の機能を実現すべく、本実施
例においてECU12が実行する制御ルーチンの一例の
フローチャートを示す。図3に示すルーチンは、その処
理が終了するごとに起動されるルーチンである。図3に
示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処
理が実行される。
【0052】ステップ100では、イグニションスイッ
チが操作されることにより内燃機関10の始動が開始さ
れたか否かが判別される。本ステップ100の処理は、
上記の条件が成立すると判別されるまで繰り返し実行さ
れる。その結果、内燃機関10の始動が開始されたと判
別された場合は、次にステップ102の処理が実行され
る。
【0053】ステップ102では、圧力センサ38の出
力信号に基づいて、ブレーキブースタ18の負圧室22
に導かれている圧力、すなわち、ブレーキ負圧BVAC
が検出される。
【0054】ステップ104では、上記ステップ102
で検出されたブレーキ負圧BVACが、所定値Bを下
回っているか否かが判別される。尚、所定値Bは、ブ
レーキブースタ18がブレーキ踏力に対して所望の倍力
比を有する助勢力を発すると判断できる最低限のブレー
キ負圧BVACである。BVAC≦Bが成立する場合
は、ブレーキブースタ18の負圧室22に大きな負圧が
作用していると判断でき、ブレーキブースタ18がブレ
ーキ踏力に対して所望の倍力比を有する助勢力を発生す
ることができると判断できる。この場合は、負圧室22
にそれ以上大きな負圧を導く必要はない。従って、B
VAC≦Bが成立すると判別された場合は、次にステ
ップ120の処理が実行される。
【0055】一方、BVAC≦Bが成立しない場合
は、ブレーキブースタ18の負圧室22に大きな負圧が
作用しておらず、ブレーキブースタ18がブレーキ踏力
に対して所望の倍力比を有する助勢力を発生することが
できないと判断できる。この場合は、負圧室22に大き
な負圧を導く必要がある。従って、BVAC≦Bが成
立しないと判別された場合は、次にステップ106の処
理が実行される。
【0056】ステップ106では、ブレーキ負圧の現実
の値BVACと目標の所定値Bとの偏差|BVAC
|を算出する処理が実行される。
【0057】この偏差|BVAC―B|が小さい場合
は、スロットル弁36が全閉状態に維持される時間が短
くても、ブレーキ負圧を目標の所定値Bまで確実に減
圧させることが可能となる。一方、上記の偏差|B
VAC―B|が大きい場合は、スロットル弁36が全
閉状態に維持される時間が長くなければ、ブレーキ負圧
を目標の所定値Bまで減圧させることが不可能とな
る。この点、スロットル弁36が全閉状態に維持される
時間を、ブレーキ負圧の現実の値BVACと目標の所定
値Bとの偏差に応じた時間に設定することが適切であ
る。
【0058】内燃機関10の吹き上がり回転数NE
maxがファーストアイドル回転数NE より高いほ
ど、内燃機関10の機関回転数NEが吹き上がり回転数
NEmaxに達した後ファーストアイドル回転数NE
に低下するまでの時間が長くなる。この点、吹き上がり
回転数NEmaxを適当に設定することにより、スロッ
トル弁36が全閉状態に維持される時間を、ブレーキ負
圧の現実の値BVACと目標の所定値Bとの偏差に応
じた時間に設定することが可能となる。従って、上記ス
テップ106の処理が終了すると、次にステップ108
の処理が実行される。
【0059】ステップ108では、内燃機関10の吹き
上がり回転数NEmaxを、上記ステップ106で算出
された偏差|BVAC―B|に応じた値に設定する処
理が実行される。具体的には、吹き上がり回転数NE
maxは、所定のマップを参照することにより、偏差|
VAC―B|が大きいほど高く設定される。
【0060】ステップ110では、内燃機関10の始動
が開始された後、上記ステップ108で設定した吹き上
がり回転数NEmaxが実現されるように、スロットル
弁36を大きく開弁する制御が実行される。本ステップ
110の処理が実行されると、以後、内燃機関10の燃
焼室50へ多量の空気が吸入されると共に、それに伴っ
て多量の燃料も噴射される。
【0061】ステップ112では、機関回転数NEが吹
き上がり回転数NEmaxに達したか否かが判別され
る。本ステップ112の処理は、NE=NEmaxが成
立すると判別されるまで繰り返し実行される。その結
果、NE=NEmaxが成立すると判別された場合は、
次にステップ114の処理が実行される。
【0062】ステップ114では、スロットル弁36を
大きく開弁する制御を中止する処理が実行される。
【0063】ステップ116では、スロットル弁36を
全閉状態にする処理が実行される。本ステップ116の
処理が実行されると、以後、スロットル弁36の下流側
の吸気通路34へ吸入される空気が少量となるので、大
きなインマニ負圧が発生する。
【0064】ステップ118では、機関回転数NEがし
きい値NEshに達したか否かが判別される。尚、しき
い値NEshは、内燃機関10が高回転状態からファー
ストアイドル状態へ移行する際にほとんどファーストア
イドル状態による定常運転になったと判断できる、ファ
ーストアイドル回転数NEよりも高く、かつ、吹き上
がり回転数NEmaxよりも低い機関回転数に設定され
ている。本ステップ118の処理は、NE=NEsh
成立すると判別されるまで繰り返し実行される。その結
果、NE=NEshが成立すると判別された場合は、次
にステップ120の処理が実行される。
【0065】ステップ120では、スロットル弁36
を、内燃機関10の機関回転数NEがファーストアイド
ル回転数NEとなる開度に制御する処理が実行され
る。本ステップ120の処理が実行されると、以後、内
燃機関10がファーストアイドル状態で運転することと
なる。本ステップ120の処理が終了すると、今回のル
ーチンは終了される。
【0066】上記の処理によれば、内燃機関10の始動
が開始された際に、ブレーキ負圧B VACが、ブレーキ
ブースタ18にブレーキ踏力に対して所望の倍力比を有
する助勢力を発生させる程度にまで達していない場合、
内燃機関10をファーストアイドル状態に移行させる前
にファーストアイドル状態よりも高回転まで吹き上がら
せると共に、その機関回転数NEが吹き上がり回転数に
達した後ファーストアイドル回転数近傍の値に低下する
までの期間、スロットル弁36を全閉状態に維持するこ
とができる。
【0067】かかる状態が実現されると、内燃機関10
が運転中であっても大気から内燃機関10の燃焼室50
へ吸入される空気が大幅に少なくなるため、スロットル
弁36の下流側の吸気通路34に大きなインマニ負圧が
発生する。インマニ負圧は、負圧供給配管26及び負圧
蓄積タンク32を介して、ブレーキブースタ18の負圧
室22に導かれる。このため、ブレーキ負圧BVAC
不足している場合でも、内燃機関10の始動直後にその
ブレーキ負圧BVACの増大が図られる。
【0068】また、内燃機関10の機関回転数NEが吹
き上がり回転数に達してからファーストアイドル回転数
近傍の値に低下するまでの期間は、スロットル弁36を
全閉状態に維持することとしても、内燃機関10の運転
に不都合はほとんど生じない。従って、本実施例によれ
ば、内燃機関10の始動が開始された後速やかに、内燃
機関10の運転に支障をきたすことなく、ブレーキブー
スタ18に十分に大きな負圧を確保することができる。
このため、本実施例によれば、内燃機関10が始動開始
後ファーストアイドル状態に移行する前に、ブレーキブ
ースタ18を適正に作動させることが可能となり、ブレ
ーキ踏力を適正に増幅させることが可能となっている。
【0069】また、上記の処理によれば、内燃機関10
の始動開始後の吹き上がり回転数を、ブレーキ負圧B
VACの目標値に対する不足量に応じた値に設定するこ
とができる。具体的には、ブレーキ負圧BVACの不足
量が大きいほど、吹き上がり回転数が大きくなる。吹き
上がり回転数が大きくなるほど、その後、内燃機関10
が一定のファーストアイドル状態に移行するまでの期間
が長くなり、スロットル弁36が全閉状態に維持されて
いる期間も長くなる。すなわち、ブレーキ負圧B VAC
の不足量が大きいほど、スロットル弁36が全閉状態に
維持されている期間が長くなる。
【0070】従って、本実施例によれば、ブレーキ負圧
VACの不足量に応じて、ブレーキブースタ18の負
圧室22へインマニ負圧を導くことができる。このた
め、本実施例によれば、ブレーキ負圧BVACの不足量
が大きくても、それに応じて、インマニ負圧をブレーキ
ブースタ18の負圧室22に導く期間が長くなるので、
ブレーキブースタ18に確実に十分に大きな負圧を確保
することが可能となる。
【0071】尚、上記の第1実施例においては、ブレー
キ負圧BVACが特許請求の範囲に記載した「ブレーキ
ブースタに作用する負圧」に、吹き上がり回転数NE
maxが特許請求の範囲に記載した「第1の回転数」
に、しきい値NEshが特許請求の範囲に記載した「第
2の回転数」に、ファーストアイドル回転数NEが特
許請求の範囲に記載した「ファーストアイドル回転数」
に、それぞれ相当している。
【0072】また、上記の第1実施例においては、EC
U12が、ブレーキ負圧BVACが所定値Bに達して
いない場合に上記ステップ112乃至118の処理を実
行することにより特許請求の範囲に記載した「スロット
ル弁制御手段」が、上記ステップ108の処理を実行す
ることにより特許請求の範囲に記載した「期間変更手
段」及び「所定回転数変更手段」が、それぞれ実現され
ている。
【0073】ところで、上記の第1実施例においては、
内燃機関10をファーストアイドル状態よりも高回転ま
で吹き上がらせる手法として、始動開始後にスロットル
開度θを大きくすることとしているが、点火時期を進角
させることとしてもよい。この場合にも、内燃機関10
の燃焼が促進され、高出力化が図られる。
【0074】また、上記の第1実施例においては、内燃
機関10の始動が開始された際にブレーキ負圧BVAC
が所望の値に達していない場合、内燃機関10を吹き上
がり回転数NEmaxまで吹き上がらせ、その後内燃機
関10の回転数NEがその吹き上がり回転数NEmax
からファーストアイドル回転数NEに至る間でスロッ
トル弁36を全閉状態に維持することとしているが、本
発明はこれに限定されるものではなく、内燃機関10の
回転数NEがファーストアイドル回転数NEとなるス
ロットル弁36の開度よりも小さい開度に維持すること
とすればよい。
【0075】次に、上記図1と共に、図4及び図5を参
照して、本発明の第2実施例について説明する。
【0076】ところで、内燃機関10の冷間始動時に、
触媒等の暖機の促進を図るべく、内燃機関10の点火時
期を遅角する場合がある。以下、この制御を点火遅角制
御と称す。点火時期が遅角されると、排気ガスが通常時
に比して早く昇温することで排気ガスの伝熱により触媒
等が暖機され易くなる一方、内燃機関10の出力が低下
する事態が生ずる。かかる事態が発生した場合に出力の
低下を補う手法としては、スロットル弁36の開度を大
きくすることにより内燃機関10の燃焼室50に供給さ
れる吸入空気の量を増大させると共に、噴射される燃料
の量を増大することが考えられる。
【0077】しかしながら、点火遅角制御による点火時
期の遅角に伴ってスロットル開度の増大が短時間で行わ
れると、スロットル弁36の下流側の吸気通路34、す
なわち、サージタンク28に発生するインマニ負圧が速
やかに小さくなることで、ブレーキブースタ18の負圧
室22に大きなブレーキ負圧BVACを導くことができ
ないおそれがある。このため、内燃機関の始動後にブレ
ーキペダル14が踏み込まれても、ブレーキブースタ1
8の変圧室24と負圧室22との間に所望の差圧が確保
されず、ブレーキ踏力に対して所望の助勢力を発生させ
ることができない場合がある。従って、負圧室22に十
分に大きなブレーキ負圧BVACが導かれていない場合
には、点火遅角制御による点火時期の遅角に伴うスロッ
トル開度の増大を短時間で行うことは適切でない。
【0078】本実施例のシステムは、点火遅角制御が実
行される際にもブレーキ負圧BVA を確実に十分に大
きな値に確保する点に特徴を有している。
【0079】図4(A)乃至(C)は、本実施例の内燃
機関10の負圧制御装置の動作を説明するための図であ
る。尚、図4(A)には点火時期の時間変化が、図4
(B)にはスロットル開度θの時間変化が、図4(C)
にはインマニ負圧の時間変化が、それぞれ示されてい
る。また、図4(A)〜(C)においては、ブレーキ
負圧BVACが所望の値に到達していない場合、及び、
ブレーキ負圧BVACが所望の値に到達している場合
を、それぞれ、実線及び破線で示している。
【0080】本実施例においては、内燃機関10の始動
が開始された後、触媒等の暖機の促進を図るため、図4
(A)に示す如く時刻t=t10において点火時期の遅
角が開始される。そして、この際、ブレーキ負圧B
VACが所望の値に到達している場合には、図4(A)
に破線で示す如く点火時期が目標時期に到達するまでそ
の遅角が継続され、点火時期が目標時期に到達した場合
にその遅角が停止される(図4(A)において時刻t=
11)。
【0081】一方、ブレーキ負圧BVACが所望の値
に到達していない場合には、図4(A)に実線で示す如
く、点火遅角制御による点火時期の遅角が完了する前、
点火時期が所定の時期まで遅角された時点(図4(A)
において時刻t=t12)でその遅角が中断される。点
火時期の遅角が完了前に中断されると、以後、内燃機関
10の出力が低下することはないため、図4(B)に示
す如くスロットル開度θの増大も中断される。この場
合、インマニ負圧が正圧側(すなわち、圧力が増加する
側)へ移行することがなくなり、スロットル開度θの増
大が継続される場合に比して大きなインマニ負圧が確保
される。このため、ブレーキ負圧BVACが所望の値に
到達していない場合に、ブレーキブースタ18に大きな
ブレーキ負圧BVACを導くことが可能となる。そし
て、点火時期の遅角が中断された後、所定時間が経過し
た場合(図4においてt=t13)に、点火時期の遅角
が再開される。
【0082】図5は、上記の機能を実現すべく、本実施
例においてECU12が実行する制御ルーチンの一例の
フローチャートを示す。図5に示すルーチンは、その処
理が終了するごとに起動されるルーチンである。図5に
示すルーチンが起動されると、まずステップ200の処
理が実行される。
【0083】ステップ200では、触媒等の暖機の促進
を図るべく、点火遅角制御の実行条件が成立するか否か
が判別される。具体的には、点火遅角制御の実行条件
は、例えば、触媒の温度が所定値以下である場合に成立
する。その結果、点火遅角制御の実行条件が成立しない
と判別された場合は、以後、何ら処理が進められること
なく、今回のルーチンが終了される。一方、点火遅角制
御の実行条件が成立すると判別された場合は、次にステ
ップ202の処理が実行される。
【0084】ステップ202では、圧力センサ38の出
力信号に基づいて、ブレーキブースタ18の負圧室22
に導かれている圧力、すなわち、ブレーキ負圧BVAC
が検出される。
【0085】ステップ204では、上記図3に示すルー
チンのステップ104と同様に、ブレーキ負圧BVAC
が所定値Bを下回っているか否かが判別される。その
結果、BVAC≦Bが成立すると判別された場合は、
次にステップ206の処理が実行される。一方、B
VAC≦Bが成立しないと判別された場合は、次にス
テップ208の処理が実行される。
【0086】ステップ206では、通常どおりの手順に
従って、点火遅角制御を実行する処理が実行される。本
ステップ206の処理が実行されると、以後、点火時期
が遅角されると共に、その遅角に伴う出力の低下を補う
べくスロットル弁36のスロットル開度θが増大され
る。本ステップ206の処理が終了すると、今回のルー
チンは終了される。
【0087】ステップ208では、ブレーキ負圧の現実
の値BVACと目標の所定値Bとの偏差|BVAC
|を算出する処理が実行される。
【0088】この偏差|BVAC―B|が小さい場合
は、点火遅角制御により点火時期が遅角される過程で点
火時期が進角側で変化する時間が短くても、すなわち、
スロットル開度θが小さい状態に維持される時間が短く
ても、ブレーキ負圧を目標の所定値Bまで確実に減圧
させることが可能となる。一方、上記の偏差|BVA
―B|が大きい場合は、点火遅角制御により点火時期
が遅角される過程で点火時期が進角側で変化する時間が
長くなければ、すなわち、スロットル開度θが小さい状
態に維持される時間が長くなければ、ブレーキ負圧を目
標の所定値Bまで減圧させることが不可能となる。こ
の点、点火遅角制御により点火時期が遅角される過程に
おいて、点火時期を、ブレーキ負圧の現実の値BVAC
と目標の所定値Bとの偏差に応じて進角側で変化させ
ることが適切である。
【0089】ステップ210では、点火時期の遅角が中
断される時期(以下、中断時期IT と称す)を、上記
ステップ208で算出された偏差|BVAC―B|に
応じた値に設定する処理が実行される。具体的には、点
火時期の遅角が中断される時期ITは、所定のマップ
を参照することにより、偏差|BVAC―B|が大き
いほど進角側に設定される。
【0090】ステップ212では、上記ステップ210
で設定された中断時期ITを考慮した点火遅角制御を
実行する処理が実行される。
【0091】ステップ214では、点火時期(IT)が
中断時期ITに達したか否かが判別される。本ステッ
プ214の処理は、IT=ITが成立すると判別され
るまで繰り返し実行される。その結果、IT=IT
成立すると判別された場合は、次にステップ216の処
理が実行される。
【0092】ステップ216では、点火遅角制御による
点火時期の遅角を中断させる処理が実行される。本ステ
ップ216の処理が実行されると、以後、点火時期が一
定に維持され、スロットル開度θも一定に維持される。
【0093】ステップ218では、点火時期の遅角が中
断されてから所定時間が経過したか否かが判別される。
その結果、その所定時間が経過した場合は、次にステッ
プ220の処理が実行される。
【0094】ステップ220では、点火遅角制御による
点火時期の遅角が再開される処理が実行される。本ステ
ップ220の処理が実行されると、以後、点火時期の遅
角が完了するまでその制御が継続される。本ステップ2
20の処理が終了すると、今回のルーチンは終了され
る。
【0095】上記の処理によれば、内燃機関10の始動
時において点火遅角制御が実行される時点で、ブレーキ
負圧BVACが、ブレーキブースタ18にブレーキ踏力
に対して所望の倍力比を有する助勢力を発生させる程度
にまで達していない場合には、点火遅角制御により点火
時期が遅角される過程で点火時期を進角側で変化させる
ことができる。具体的には、点火遅角制御の実行が中断
される中断時期を設定し、点火遅角制御による点火時期
の遅角が完了する前、点火時期がその中断時期に達した
場合に点火遅角制御の実行を中断することができる。
【0096】点火遅角制御による点火時期の遅角が完了
前に中断されると、内燃機関10の出力が低下すること
はなく、スロットル開度θの増大も中断される。この場
合、スロットル開度θの増大が中断されない場合に比し
て、スロットル弁36の下流側の吸気通路34に大きな
インマニ負圧が発生する。このため、本実施例によれ
ば、点火遅角制御により点火時期が遅角される際にブレ
ーキ負圧BVACが不足している場合でも、内燃機関1
0の始動直後にそのブレーキ負圧BVACの増大を図る
ことができ、ブレーキブースタ18に十分に大きな負圧
を確保することができる。従って、本実施例によれば、
点火遅角制御が実行される際にも、ブレーキブースタ1
8を適正に作動させることが可能となり、ブレーキ踏力
を適正に増幅させることが可能となっている。
【0097】また、上記の処理によれば、点火遅角制御
により点火時期が遅角される過程における点火時期の中
断時期を、ブレーキ負圧BVACの目標値に対する不足
量に応じて変更することができる。具体的には、ブレー
キ負圧BVACの不足量が大きいほど、点火時期の中断
時期が進角側に設定される。点火時期が進角側に設定さ
れると、その分だけスロットル開度θの小さい状態が継
続する時間が長くなる。従って、本実施例によれば、ブ
レーキ負圧BVACの不足量に応じたインマニ負圧を、
ブレーキブースタ18の負圧室22へ導くことができ
る。このため、本実施例によれば、ブレーキ負圧B
VACの不足量が大きくても、ブレーキブースタ18に
確実に十分に大きな負圧を確保することが可能となる。
【0098】尚、上記の実施例においては、ECU12
が、触媒等の暖機の促進を図るべく、内燃機関10の点
火時期を遅角する点火遅角制御を実行することにより特
許請求の範囲に記載した「点火時期制御手段」が、点火
遅角制御に起因して内燃機関10の出力が低下するのを
防止すべく、点火遅角制御による点火時期の遅角に伴っ
てスロットル開度を増大することにより特許請求の範囲
に記載した「スロットル開度制御手段」が、上記ステッ
プ210乃至220の処理を実行することにより特許請
求の範囲に記載した「点火時期変更手段」が、上記ステ
ップ208及び210の処理を実行することにより特許
請求の範囲に記載した「中断時期変更手段」が、それぞ
れ実現されている。
【0099】ところで、上記第2実施例においては、点
火遅角制御による点火時期の遅角を中断する時期を、ブ
レーキ負圧の現実の値BVACと目標の所定値Bとの
偏差に応じて変更することとしているが、本発明はこれ
に限定されることなく、点火遅角制御が開始された後に
おける点火時期の遅角勾配を、すなわち、点火時期の遅
角が完了するまでの時間を上記偏差に応じて変更するこ
ととしてもよい。この場合、上記偏差が大きいほど点火
時期の遅角が完了するまでの時間を長くすれば、上記偏
差が大きい場合でもスロットル開度θが小さい状態に維
持される時間を長くすることができ、ブレーキブースタ
18に確実に十分に大きな負圧を確保することが可能と
なる。
【0100】また、上記第2実施例においては、点火遅
角制御により点火時期が遅角される過程で一度だけその
遅角を中断することとしているが、その過程で複数回に
渡って多段階的に点火時期の遅角を中断することとして
もよい。
【0101】次に、図6を参照して、本発明の第3実施
例について説明する。
【0102】上記した第1及び第2実施例において、内
燃機関10は、図1に示す如く、吸気通路34の燃焼室
50側の端部近傍に配設されたインジェクタ52を備
え、このインジェクタ52が燃料を吸気バルブにより開
閉される吸気ポートへ向けて噴射するタイプのポート噴
射型エンジンである。これに対して、本実施例におい
て、内燃機関は筒内噴射型エンジンである。
【0103】図6は、本実施例の内燃機関100の負圧
制御装置のシステム構成図を示す。本実施例のシステム
は、上記図1に示す構成において、内燃機関10に代え
て内燃機関100を用いることにより実現される。尚、
図6において、上記図1に示す構成部分と同一の構成部
分については、同一の符号を付してその説明を省略す
る。
【0104】すなわち、本実施例の内燃機関100は、
先端部が燃焼室50に露出するように燃焼室50の外壁
に配設されたインジェクタ102を備えている。インジ
ェクタ102は、ECU12に電気的に接続されてお
り、ECU12から駆動信号が供給された場合に燃料タ
ンクから汲み上げられた燃料を直接に燃焼室50へ噴射
する。また、内燃機関100は、燃焼室50内の容積を
可変するピストン104を備えている。ピストン104
は、その頂面にキャビティを有している。
【0105】このような筒内噴射型エンジンとして機能
する内燃機関100においては、触媒等の暖機の促進を
図るためファーストアイドル状態が実現された際、圧縮
工程中に燃料噴射を行い、図1に示すポート噴射型の内
燃機関10に比べて点火時期を大幅に遅角することによ
る成層燃焼が行われる。すなわち、図1に示すポート噴
射型の内燃機関10では燃料と空気とが予め混合されて
いるので、点火時期をあまり遅らせることはできない
が、図6に示す筒内噴射型の内燃機関100では圧縮工
程中の燃料噴射により混合気の形成時期を大幅に遅らせ
ることができるので、点火時期を大幅に遅らせることが
可能となる。このため、本実施例の内燃機関100によ
れば、点火時期の遅角により触媒暖機効果の向上を図る
ことが可能となっている。
【0106】上述の如く、点火時期が遅角されると、触
媒等が暖機され易くなる一方で、内燃機関100の出力
が低下する事態が生じ、燃焼が不安定になるおそれがあ
る。かかる場合に出力の低下を補うため、スロットル弁
36の開度を増大させると、スロットル弁36の下流側
のインマニ負圧が減少し、ブレーキブースタ18に作用
するブレーキ負圧VBVACが不足するため、内燃機関
100の始動前の時点でブレーキブースタ18に充分な
負圧が蓄えられていない場合にはブレーキ踏力に対して
所望の助勢力を発生させることができない事態が生じ得
る。
【0107】そこで、本実施例のシステムにおいては、
上記した第1実施例のシステムと同様に、内燃機関10
0の始動が開始された際に、ブレーキ負圧BVACが、
ブレーキブースタ18にブレーキ踏力に対して所望の倍
力比を有する助勢力を発生させる程度にまで達していな
い場合、内燃機関100をファーストアイドル状態に移
行させる前にファーストアイドル状態よりも高回転まで
吹き上がらせると共に、その機関回転数NEが吹き上が
り回転数に達した後ファーストアイドル回転数近傍の値
に低下するまでの期間、スロットル弁36を全閉状態に
維持する。
【0108】従って、本実施例のシステムにおいても、
内燃機関100の始動が開始された後速やかに、内燃機
関100の運転に支障をきたすことなく、ブレーキブー
スタ18に十分に大きな負圧を確保することができ、こ
れにより、内燃機関100が始動開始後ファーストアイ
ドル状態に移行する前にブレーキブースタ18を適正に
作動させることが可能となり、ブレーキ踏力を適正に増
幅させることが可能となる。
【0109】また、本実施例のシステムにおいては、上
記した第2実施例のシステムと同様に、内燃機関100
の始動時において点火遅角制御が実行される時点で、ブ
レーキ負圧BVACが、ブレーキブースタ18にブレー
キ踏力に対して所望の倍力比を有する助勢力を発生させ
る程度にまで達していない場合には、点火遅角制御によ
り点火時期が遅角される過程で点火時期を進角側で変化
させる。従って、本実施例のシステムにおいても、点火
遅角制御により点火時期が遅角される際にブレーキ負圧
VACが不足している場合でも、内燃機関100の始
動直後にそのブレーキ負圧BVACの増大を図ることが
でき、ブレーキブースタ18に十分に大きな負圧を確保
することが可能となる。
【0110】
【発明の効果】上述の如く、請求項1、2、3、5、
7、8、14、及び15記載の発明によれば、内燃機関
の運転に支障をきたすことなく、ブレーキブースタに十
分に大きな負圧を確保することができる。
【0111】請求項4及び6記載の発明によれば、ブレ
ーキブースタに作用する負圧の不足量に応じた負圧をブ
レーキブースタに供給することができるので、ブレーキ
ブースタに作用する負圧と所望の負圧との差圧にかかわ
らず確実にブレーキブースタに十分に大きな負圧を導く
ことができる。
【0112】請求項9、10、及び12記載の発明によ
れば、点火遅角制御が実行される際にも、ブレーキブー
スタに十分に大きな負圧を確保することができる。
【0113】また、請求項11及び13記載の発明によ
れば、点火遅角制御が実行される際にも、ブレーキブー
スタに作用する負圧の不足量に応じた負圧をブレーキブ
ースタに供給することができ、ブレーキブースタに作用
する負圧と所望の負圧との差圧にかかわらず確実にブレ
ーキブースタに十分に大きな負圧を導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である内燃機関の負圧制御
装置のシステム構成図である。
【図2】本実施例の内燃機関の負圧制御装置の動作を説
明するための図である。
【図3】本実施例においてECUが実行する制御ルーチ
ンのフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例である内燃機関の負圧制御
装置の動作を説明するための図である。
【図5】本実施例においてECUが実行する制御ルーチ
ンのフローチャートである。
【図6】本発明の第3実施例である内燃機関の負圧制御
装置のシステム構成図である。
【符号の説明】
10,100 内燃機関 12 電子制御ユニット(ECU) 18 ブレーキブースタ 34 吸気通路 36 スロットル弁 38 圧力センサ 56 NEセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02P 5/15 F02P 5/15 E Fターム(参考) 3D049 BB04 HH08 HH30 HH42 HH47 KK09 QQ00 RR04 3G022 CA01 CA02 CA05 DA01 DA02 GA05 GA12 GA20 3G065 CA00 DA04 EA01 EA02 EA05 GA00 GA10 GA29 KA02 3G084 BA05 CA01 CA02 CA06 EA04 EA11 EC01 EC03 FA00 FA06 FA33 FA36 3G301 JA00 KA01 KA05 KA18 LA03 LB02 LC01 LC03 MA11 NA06 NA08 NB03 NE17 NE23 PE01Z PF00Z PF05Z PF16Z

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路に設けられたスロットル弁の下
    流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅す
    るブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置で
    あって、 内燃機関の始動が開始された際、前記ブレーキブースタ
    に作用する負圧が所望の値に達していない場合には、内
    燃機関の回転数が定常運転モードにおける回転数よりも
    高い第1の回転数に達した後、該内燃機関が前記定常運
    転モードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁
    を、ファーストアイドル状態における開度よりも小さい
    開度に維持するスロットル弁制御手段を備えることを特
    徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の負圧制御装置
    において、 前記スロットル弁制御手段は、内燃機関の回転数が前記
    第1の回転数に達した後、該内燃機関が前記定常運転モ
    ードに移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を全
    閉状態に維持することを特徴とする内燃機関の負圧制御
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の内燃機関の負圧制御装置
    において、 前記スロットル弁制御手段は、内燃機関の回転数が前記
    第1の回転数に達した後、該内燃機関が定常運転モード
    に移行するまでの期間中に、前記スロットル弁を通常の
    アイドル状態における開度にほぼ等しい開度に維持する
    ことを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の内燃機関の負圧制御装置
    において、 前記ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値と
    の差圧に応じて前記期間を変更する期間変更手段を備え
    ることを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  5. 【請求項5】 吸気通路に設けられたスロットル弁の下
    流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅す
    るブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置で
    あって、 内燃機関の始動が開始された際、前記ブレーキブースタ
    に作用する負圧が所望の値に達していない場合には、内
    燃機関が定常運転モードに移行する前、内燃機関の回転
    数が前記定常運転モードにおける回転数よりも高い第1
    の回転数に達した後に、前記スロットル弁を、ファース
    トアイドル状態における開度よりも小さい開度に維持す
    るスロットル弁制御手段を備えることを特徴とする内燃
    機関の負圧制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は5記載の内燃機関の負圧制
    御装置において、 前記ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値と
    の差圧に応じて前記第1の回転数を変更する所定回転数
    変更手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は5記載の内燃機関の負圧制
    御装置において、 前記定常運転モードは、内燃機関が前記第1の回転数に
    比して低い第2の回転数で運転するモードであることを
    特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の内燃機関の負圧制御装置
    において、 前記第2の回転数は、ファーストアイドル回転数である
    ことを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  9. 【請求項9】 吸気通路に設けられたスロットル弁の下
    流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅す
    るブレーキブースタと、ファーストアイドル時に点火時
    期が所定の時期まで遅角される点火遅角制御を実行する
    点火時期制御手段と、前記点火遅角制御により点火時期
    が遅角されるほど前記スロットル弁の開度を増大するス
    ロットル開度制御手段と、を備える内燃機関の負圧制御
    装置であって、 前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達し
    ていない場合には、前記点火遅角制御により点火時期が
    前記所定の時期まで遅角される少なくとも一部の過程
    で、該点火時期を、前記ブレーキブースタに作用する負
    圧が前記所望の値に達している場合に比して進角側で変
    化させる点火時期変更手段を備えることを特徴とする内
    燃機関の負圧制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の内燃機関の負圧制御装
    置において、 前記点火時期変更手段は、前記ブレーキブースタに作用
    する負圧が前記所望の値に達していない場合、前記点火
    時期制御手段による前記点火遅角制御の実行を点火時期
    が前記所定の時期に達する前に中断することにより、点
    火時期を前記ブレーキブースタに作用する負圧が前記所
    望の値に達している場合に比して進角側で変化させるこ
    とを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の内燃機関の負圧制御
    装置において、 前記ブレーキブースタに作用する負圧と前記所望の値と
    の差圧に応じて、前記点火時期制御手段による前記点火
    遅角制御の実行を中断する時期を変更する中断時期変更
    手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装
    置。
  12. 【請求項12】 吸気通路に設けられたスロットル弁の
    下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅
    するブレーキブースタと、ファーストアイドル時に点火
    時期が所定の時期まで遅角される点火遅角制御を実行す
    る点火時期制御手段と、前記点火遅角制御により点火時
    期が遅角されるほど前記スロットル弁の開度を増大する
    スロットル開度制御手段と、を備える内燃機関の負圧制
    御装置であって、 前記ブレーキブースタに作用する負圧が所望の値に達し
    ていない場合には、前記点火遅角制御により点火時期を
    前記所定の時期に到達させるまでの時間を、前記ブレー
    キブースタに作用する負圧が前記所望の値に達している
    場合に比して長くする点火時期変更手段を備えることを
    特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の内燃機関の負圧制御
    装置において、 前記点火時期変更手段は、前記ブレーキブースタに作用
    する負圧と前記所望の値との差圧に応じて前記時間を変
    更することを特徴とする内燃機関の負圧制御装置。
  14. 【請求項14】 吸気通路に設けられたスロットル弁の
    下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅
    するブレーキブースタを備える内燃機関の負圧制御装置
    であって、 内燃機関の始動が開始された際、該内燃機関の始動中又
    は始動後に触媒暖機運転を行う触媒暖機制御の実行条件
    が成立する場合には、内燃機関の回転数が定常運転モー
    ドにおける回転数よりも高い所定の回転数に達した後、
    該内燃機関が前記定常運転モードに移行するまでの期間
    中に、前記スロットル弁を、ファーストアイドル状態に
    おける開度よりも小さい開度に維持するスロットル弁制
    御手段を備えることを特徴とする内燃機関の負圧制御装
    置。
  15. 【請求項15】 吸気通路に設けられたスロットル弁の
    下流側に生ずる負圧を動力源としてブレーキ踏力を増幅
    するブレーキブースタを備える内燃機関の制御方法であ
    って、 内燃機関の始動が開始された際、前記ブレーキブースタ
    に作用する負圧が所望の値に達していない場合には、内
    燃機関を、定常運転モードへの移行前に、通常時よりも
    高く設定された第1の回転数まで回転させる第1のステ
    ップと、 内燃機関の回転数が前記第1の回転数に達した後、該内
    燃機関が前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で運
    転する前記定常運転モードに移行するまでの期間中に、
    前記スロットル弁を、ファーストアイドル状態における
    開度よりも小さい開度に維持する第2のステップと、 を備えることを特徴とする内燃機関の制御方法。
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