JP3748136B2 - 壁パネルの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用壁パネルの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の壁パネルの取付構造の一例を図11、図12を用いて説明する。図11(a)は第1の従来例としての挿入筋構法の基礎部を示す斜視図、図11(b)は図11(a)の断面説明図である。図12(a),(b)に示すように、基礎51に壁パネル52の高さ方向に埋設されたアンカー鉄筋53に、基礎51の上部で壁パネル52の幅方向に配置される流し筋54が溶接して固定される。
【0003】
その後、基礎51の上部に流し筋54を覆うようにモルタル56を充填して上面を均し、該モルタル56が硬化した後に該モルタル56の上部に壁パネル52を載置すると共に、挿入筋55を隣接する壁パネル52の縦目地部52aに挿入して該縦目地部52aにモルタルを充填して硬化させることにより壁パネル52を固定した後、シーリング材57によって壁パネル52とモルタル56と基礎51との三面を同時にシーリングするようになっている。
【0004】
図12(a)は第2の従来例としてのDR構法の基礎部を示す斜視図、図12(b)は図12(a)の断面説明図である。図12(a),(b)に示すように、基礎51の内部に埋設されたアンカープレート61にピースアングル62が外付けされ、更にこのピースアングル62に定規アングル63が固定される。
【0005】
一方、壁パネル52の内部にはアンカー鋼棒64が埋設され、該アンカー鋼棒64に係合してOボルト65が取り付けられて壁パネル52から突出している。そして、壁パネル52の下端部を定規アングル63の水平片及びモルタル68上に載置すると共に、該定規アングル63の起立片にOボルト65に取り付けたイナズマプレート66を介して挟持し、Oボルト65にナット67を締着して固定する。その後、基礎51の上面を覆うモルタル68を均し施工し、バックアップ材を壁パネル52とモルタル68の間に詰め、シーリング材69を壁パネル52とモルタル68の間に2面接着でシーリング施工を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の第1、第2の従来例では、基礎51を施工する段階でアンカー鉄筋53やアンカープレート61等の埋設工事が必要となり、更には流し筋54や挿入筋55、或いはピースアングル62や定規アングル63の設置工事が必要となり、部品点数及び施工工数が増加してコストアップとなる。
【0007】
また、壁パネル52の取付けに際してモルタル56,68の充填作業及び硬化時間が必要なので作業に手間がかかり、工期が長くなる。
【0008】
また、従来例の場合には、シーリング材57,69を壁パネル52とモルタル56,68と基礎51の三面に同時に接着してシーリングする必要があるため、シール性の信頼性を確保するためには入念な施工が必要となり手間がかかる。
【0009】
更に、第2の従来例において、図12(a)に示すように、壁パネル52の下部を全幅にわたって定規アングル63で受けているため、地震等による躯体(基礎51)の変形時に壁パネル52の角部がロッキングの支点となり壁パネル52の角欠けが起こり易い。
【0010】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、安定したシール性を確保すると共に、部品点数及び施工工数を削減し、且つ壁パネルの角欠けを防止し得る壁パネルの取付構造を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、コンクリート躯体に固定される躯体取付け片と壁パネルの下端部を支持し且つ壁パネルの下端部を所定高さコンクリート躯体の上面よりも嵩上げする壁パネル受け片とが水平方向に設けられ、かつ前記壁パネル受け片及び前記躯体取付け片に直交して接続され上端に開放する溝もしくは長穴を形成した壁パネルの幅方向中央下端部を固定する起立片とを有する壁パネル取付け金具を壁パネル受け片をコンクリート躯体の上面に対向させ且つ躯体取付け片をコンクリート躯体上面に当接して固定手段により固定すると共に、壁パネル受け片に壁パネルの幅方向中央下端面を載置すると共に起立片の溝もしくは長穴に壁パネルの幅方向下端部に埋設されたアンカー鋼棒に係合させたOボルトを固定することで、壁パネルをコンクリート躯体に取り付けるように構成したことを特徴とする壁パネルの取付構造である。
【0012】
本発明は、上述の如く構成したので、壁パネル取付け金具の壁パネル受け片に壁パネルの下端部を当接すると共に、起立片に壁パネルの幅方向中央下端部を固定し、躯体取付け片をコンクリート躯体上面に固定することで、壁パネルをコンクリート躯体上面に取り付けることが出来、また、壁パネル受け片がコンクリート躯体の上面よりも所定高さ嵩上げされ、壁パネル取付け金具の上端に開放する溝もしくは長穴を形成した起立片に壁パネルの幅方向中央下端部を固定し、壁パネルを該壁パネルの幅方向中央で支持することにより、ロッキングの支点が壁パネルの幅方向の中央になり、変形に追従でき、壁パネルの角欠けを防止することが出来る。
【0013】
また、壁パネル受け片がコンクリート躯体の上面よりも所定高さ嵩上げされているため、壁パネルをコンクリート躯体から所定距離だけ離隔し、コンクリート躯体と壁パネルの下端及びコンクリート躯体と壁パネル受け片の下面との間にシーリング材を施して完全二面接着の二重シールとすることにより防水の信頼性が向上する。
【0014】
更に、壁パネルを取り付けるコンクリート躯体が広い平面であるか狭い基礎であるかに関わらず、壁パネルの建て込みに先立って壁パネル取付け金具をコンクリート躯体に固定しておき、或いは予め壁パネルにこの壁パネル取付け金具を固定しておき、容易に壁パネルを取り付けることが出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図により本発明に係る壁パネルの取付構造の一実施形態を具体的に説明し、合わせて構法について説明する。図1(a)は本発明に係る壁パネルの取付構造を壁パネルの内面側から見た図、図1(b)は図1(a)の平面説明図、図1(c)は図1(a)の左側面図、図2は壁パネル取付け金具の第1の構成例を示す斜視図、図3は第1の壁パネル取付け金具の他の例を示す斜視図、図4は壁パネル取付け金具の第2の構成例を示す斜視図、図5は第2の壁パネル取付け金具を用いた壁パネルの取付構造を説明する斜視図、図6は第1の壁パネル取付け金具の他の例を示す斜視図、図7は壁パネル取付け金具の第3の構成例を示す斜視図、図8は第3の壁パネル取付け金具の他の例を示す斜視図、図9は第1の壁パネル取付け金具の更に他の例を示す斜視図、図10は第2の壁パネル取付け金具の他の例を示す斜視図である。
【0016】
図1(a)〜(c)において、本発明に係る壁パネルの取付構造は、壁パネル2の幅方向中央下端部に取り付けた壁パネル取付け金具3の躯体取付け片3aが固定手段となるアンカーピン4により躯体1の上面所定位置に固定され、壁パネル2の上端部が図示しない支持手段により支持されるようになっている。
【0017】
前記コンクリート躯体1は、コンクリートの基礎等で構成されされている。
【0018】
前記壁パネル取付け金具3は、図2に示すように、前述した躯体1に固定される躯体取付け片3aと、壁パネル2の下端部を支持する壁パネル受け片3bとが水平方向に設けられ、前記躯体取付け片3aと壁パネル受け片3bに直交して起立し、壁パネル2を固定する起立片3cを有して一体的に構成されている。
【0019】
起立片3cの所定位置には後述するOボルト5が嵌入される長穴3c1 が形成されている。また起立片3cの一方側の面に壁パネル受け片3bが形成されており、幅方向の両側は壁パネル受け片3bの形成方向とは反対側に折り返された折り返し片3dが形成され、該折り返し片3dに躯体取付け片3aが形成されている。従って、起立片3cの壁パネル受け片3b方向の面を基準としたとき、壁パネル受け片3bと躯体取付け片3aは異なる方向に形成されている。尚、折り返し片3dは補強片としての機能も有している。
【0020】
また、壁パネル受け片3bは、躯体取付け片3aよりも壁パネル2の高さ方向に所定寸法だけ段差が設けてある。このため、壁パネル受け片3bの端部には嵩上げ用リブ3b1 が形成されている。そして壁パネル2を躯体1に取り付ける際には、嵩上げ用リブ3b1の先端と躯体取付け片3bが躯体1に当接することで、壁パネル受け片3bは躯体1から予め設定された高さを保持する。
【0021】
上記構成により、壁パネル2に取り付けられた壁パネル取付け金具3を躯体1の上面に固定した時、図1(c)に示すように、壁パネル2の下端面が所定高さhだけ躯体1の上面から嵩上げされて取り付けられる。この高さhは、例えば、本実施形態では10mm程度に設定されている。
【0022】
上記第1の構成例である壁パネル取付け金具3では躯体取付け片3aは起立片3cの幅方向の両側から更に外側に突出した方向に形成されている。しかし、この構成に限定するものではなく、図3に示すように、躯体取付け片3aを起立片3cを中心として壁パネル受け片3bの反対側になるように屈折させても良い。この場合、壁パネル取付け金具3の幅方向の寸法を小さくすることが出来る。
【0023】
一方、壁パネル2の内部には、幅方向に配置されたアンカー鋼棒6が埋設されており、壁パネル2の幅方向中央下端部には、該アンカー鋼棒6に嵌合して係合し、壁パネル2の内側面から突出するOボルト5が設けられている。
【0024】
そして、壁パネル取付け金具3の壁パネル受け片3b上に壁パネル2の下端面を当接すると共に、壁パネル2から突出したOボルト5を壁パネル取付け金具3の起立片3cの長穴3c1 に挿入し、該Oボルト5にナット7を螺合させて締着することで、壁パネル取付け金具3を壁パネル2の幅方向中央下端部に固定する。このとき、壁パネル取付け金具3の壁パネル受け片3bは壁パネル2の下端面に隠れ、躯体取付け片3aは壁パネル2の屋内側の面から露出した状態となる。
【0025】
そして、壁パネル取付け金具3を取り付けた壁パネル2を躯体1の上面所定位置に配置して壁パネル取付け金具3の躯体取付け片3aを躯体1の上面に当接し、アンカーピン4を打ち込んで固定することで壁パネル取付け金具3を介して壁パネル2を躯体1に固定することが出来る。
【0026】
壁パネル2の上端部は図示しない支持手段により支持されており、壁パネル2は躯体1に対してOボルト5を支持中心として躯体1の変形に対応して移動可能に支持される。本実施形態では、壁パネル2の幅方向中央下端部をロッキングの支点として構成したので、前述の第2の従来例とは異なり、壁パネル2の角欠けの発生を防止することが出来る。
【0027】
また、躯体1の上面と壁パネル2の下端面との間に設けた高さhの隙間はシーリング用であり、壁パネル2の外側面に対応する位置には、コーキング材等のシーリング材8が壁パネル2の下端面と躯体1の上面との間の目地部に壁パネル2と躯体1との二面接着で形成されると共に、壁パネル2の内側面に対応する位置には、ガスケット等のシーリング材9が壁パネル受け片3bの下面と躯体1の上面との間に二面接着で形成されることでシーリングの安定性が確保され、更には、シーリング材8,9による二重シールにより防水の信頼性が向上する。
【0028】
尚、シーリング材9は、壁パネル2に取り付けられた壁パネル取付け金具3を躯体1に取り付ける際に、予め躯体1と壁パネル受け片3bとの間に配置され、シーリング材8は、躯体1に壁パネル取付け金具3を介して壁パネル2を固定した後に設けられる。
【0029】
上記構成により、前述の各従来例のように、モルタルを使用しないで施工出来るので、施工手間及びモルタルの硬化時間を省略出来、工期を短縮することが出来る。
【0030】
上記の如く構成された壁パネル取付け金具3は、壁パネル2を躯体1に取り付けるに先立って壁パネル2の下端部に取り付けておくものである。このため、躯体取付け片3aは、壁パネル受け片3bを壁パネル2の下端面に当接させたとき、該端面を回避する位置に形成されている。
【0031】
上記の如く躯体取付け片3aが壁パネル2の下端面を回避しているため、壁パネル取付け金具3を取り付けた壁パネル2を建て込んで位置決めした後、アンカーピン4によって躯体取付け片3aを躯体1に取り付けることが可能である。
【0032】
しかし、本発明に係る壁パネルの取付構造では、上記の如く必ずしも壁パネル取付け金具を壁パネル2に先付けしておく必要はなく、予め躯体に取り付けた壁パネル取付け金具に壁パネル2を取り付けるようにするのが更に好ましい。
【0033】
特に、壁パネル取付け金具3を壁パネル2に先付けした場合、躯体取付け片3aを躯体1に固定する作業を行う際に作業スペースが手狭になったり、アンカーピン4を打ち込む際の振動によってパネル取付部位の強度の低下をきたし、ナットの増し締めを行う必要が生じる虞がある。しかし、壁パネル取付け金具を予め躯体1に取り付けておく場合には、作業スペースを確保することが可能であり、且つナットの増し締め等を行う必要がない。
【0034】
以下、躯体に予め壁パネル取付け金具を取り付けておき、この壁パネル取付け金具に壁パネル2を取り付けるようにした例について説明する。
【0035】
図4は壁パネル取付け金具の第2の構成例を示す図である。この壁パネル取付け金具12は、躯体1に取り付けられる躯体取付け片12aと壁パネル2を受ける壁パネル受け片12bとが並列して形成されており、これら各片12a、12bに対して直交する方向に起立片12cが形成されている。また壁パネル受け片12bは嵩上げ用リブ12b1によって躯体1の上面から約10mm嵩上げし得るように構成されている。
【0036】
起立片12cの幅方向両側には補強リブとしての機能を有する折り返し片12dが形成されている。また壁パネル取付け金具12を構成する材料の板厚が薄い場合、起立片12cと躯体取付け片12a或いは壁パネル受け片12bとの接続部分の曲げ強度が不足する虞があるため、各片の間に補強リブ12eを形成することが好ましい。しかし、材料の板厚が充分に厚く、高い曲げ剛性を有する場合には前記補強リブ12eは不要である。
【0037】
起立片12cの幅方向の略中央には上端側から所定深さを持ったU字形の溝13が形成されている。この溝13は、前述した長穴3c1と同様に壁パネル2に取り付けたOボルト5を挿通するものであり、該Oボルト5に螺合させたナット7によって該ナット7と壁パネル2とによって挟まれて固定するものである。
【0038】
次に、上記の如く構成された壁パネル取付け金具12を用いて躯体1に壁パネル2を取り付ける手順について図5により説明する。
【0039】
先ず、壁パネル取付け金具12を取り付けるべき壁パネル2の幅方向の略中央に対応する位置に配置し、躯体取付け片12aにアンカーピン4を打ち込むことで躯体1に固定する。その後、壁パネル2を所定位置に建て込み、該壁パネル2の下部を壁パネル取付け金具12に固定する。
【0040】
壁パネル2のアンカー鋼棒6には予めOボルト5が装着されている。そして壁パネル2の下端を壁パネル取付け金具12の壁パネル受け片12bに載置し、同時にOボルト5を起立片12cに形成した溝13に挿通する。前記Oボルト5にナット7を締結することで、壁パネル2を壁パネル取付け金具12に取り付けることが可能である。
【0041】
本例の壁パネル取付け金具12では、壁パネル2を躯体1に取り付けるに際し予め躯体1に固定しておくこととなる。このため、壁パネル取付け金具12を躯体1に取り付ける際に、壁パネル2に邪魔されることなくアンカーピン4の打ち込み作業或いはコンクリートビスによる固定作業等を行うことが可能であり、該金具12を躯体1に対し安定した取付強度で固定することが可能である。
【0042】
前述したように、壁パネル取付け金具3では、該金具3を予め壁パネル2に取り付けた後、壁パネル2を躯体1の所定位置に移動させた状態で躯体取付け片3aにアンカーピン4を打ち込むこととなるため、壁パネル2の面が接近して作業がし難いことがある。また図5に示すように壁パネル2の下部に躯体1として厚さが小さい立ち上がりが設けてある場合、躯体取付け片3aが躯体1の上面に位置しないため、取り付けることが出来ないが、壁パネル取付け金具12では取り付けが可能である。
【0043】
尚、壁パネル取付け金具3であっても、図6に示すように、起立片3cに形成された長穴3c1に代えて溝13を形成することで、該金具3を予め躯体1に固定した後、壁パネル2の建て込みを行うことが可能である。
【0044】
次に、図7により壁パネル取付け金具の第3の構成例について説明する。壁パネル取付け金具14は、壁パネル受け片14bの幅方向両側に形成された嵩上げリブ14b1を介して躯体取付け片14aが形成されており、壁パネル受け片14bから起立片14cが起立している。また起立片14cには壁パネル2に取り付けたOボルト5を挿通するために、幅方向略中央であって上端から所定深さを持った溝15が形成されている。
【0045】
上記壁パネル取付け金具14に於いて、躯体取付け片14aは一方側の端部が壁パネル受け片14bの先端部と同一部に配置され、他端が起立片14cに於ける壁パネル受け片14bの反対側に突出して配置されることで突出片14a1が形成されている。従って、壁パネル取付け金具14を躯体1に固定するに際し、起立片14cを挟んで壁パネル受け片14b側、或いはその反対側の何れの部位であってもアンカーピン4を打ち込むことが可能となり、該金具14を躯体1に固定する際のアンカーピン4の打ち込み位置の自由度が高くなる。
【0046】
上記の如く構成された壁パネル取付け金具14を用いて壁パネル2を躯体1に取り付ける際の手順は、前述した壁パネル取付け金具12を用いた場合と同様である。
【0047】
本例に係る壁パネル取付け金具14を躯体1に固定する際に、アンカーピン4の打ち込み位置が起立片14cの壁パネル受け片14b側である場合、図8に示すように、突出片14a1を切断しておくことが好ましい。また壁パネル14を構成する材料の厚さが薄い場合には、壁パネル受け片14bと起立片14cとの接続部に補強用リブ14eを形成することが好ましい。
【0048】
上記した各壁パネル取付け金具に於いて、壁パネル取付け金具3は主として躯体1が床スラブのように平坦な部位に用いて効果的であり、壁パネル取付け金具12は躯体1が基礎コンクリートのように立ち上がった部位に用いて効果的であり、壁パネル取付け金具14が躯体1が平坦な部位或いは立ち上がった部位の何れの部位に用いても効果的である。
【0049】
また上記各壁パネル取付け金具は鋼板をプレス成形して構成することが可能である。このため、部品点数を低減させることが出来、且つ製造工程がプレスラインのみとなって有利である。
【0050】
また上記壁パネル取付け金具3,12では壁パネル受け片3b,12bの自由端側に嵩上げリブ3b1,12b1を形成しているが、この嵩上げリブ3b1,12b1は必須のものではなく、図9,図10に示すように、壁パネル受け片3b,12bを片持ち梁状に形成しても良い。
【0051】
【発明の効果】
本発明の壁パネル取付構造は、上述の如き構成と作用とを有するので、前述の従来例のようにアンカー鉄筋や流し筋や挿入筋、或いはアンカープレートやピースアングルや定規アングル等を設置する工事が不要となり、部品点数が低減すると共に、施工手間が軽減され、更にはモルタルの充填作業が不要とできるため施工手間が軽減されると共に、モルタルの硬化時間を省略して工期を短縮することが出来る。
【0052】
また、シールを完全二面接着で且つ二重シールとすることにより、防水の信頼性が向上する。
【0053】
また、壁パネルをコンクリート躯体上面に取り付けることができるとともに、壁パネル受け片がコンクリート躯体の上面よりも所定高さ嵩上げされているため、地震等によって躯体が変形した時、壁パネルの幅方向中央部がロッキングの支点となり、変形に追従でき、且つ壁パネルの角欠けを防止出来る。
【0054】
また壁パネル取付け金具を予め躯体に固定した後、或いは壁パネルに固定した後、建て込むことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係る壁パネルの取付構造を壁パネルの内面側から見た図、(b)は(a)の平面説明図、(c)は(a)の左側面図である。
【図2】 壁パネル取付け金具の第1の構成を示す斜視図である。
【図3】 第1の壁パネル取付け金具の他の例を示す斜視図である。
【図4】 壁パネル取付け金具の第2の構成例を示す斜視図である。
【図5】 第2の壁パネル取付け金具を用いた壁パネルの取付構造を説明する斜視図である。
【図6】 第1の壁パネル取付け金具の他の例を示す斜視図である。
【図7】 壁パネル取付け金具の第3の構成例を示す斜視図である。
【図8】 第3の壁パネル取付け金具の他の例を示す斜視図である。
【図9】 第1の壁パネル取付け金具の更に他の例を示す斜視図である。
【図10】 第2の壁パネル取付け金具の他の例を示す斜視図である。
【図11】 第1の従来例を示す図である。
【図12】 第2の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1…躯体
2…壁パネル
3,12,14…壁パネル取付け金具
3a,12a,14a…躯体取付け片
3b,12b,14b…壁パネル受け片
3b1 ,12b1,14b1…嵩上げ用リブ
3c,12c,14c…起立片
3c1 …長穴
3d,12d…補強用リブ
4…アンカーピン
5…Oボルト
6…アンカー鋼棒
7…ナット
8,9…シーリング材
13,15…溝
Claims (1)
- コンクリート躯体に固定される躯体取付け片と壁パネルの下端部を支持し且つ壁パネルの下端部を所定高さコンクリート躯体の上面よりも嵩上げする壁パネル受け片とが水平方向に設けられ、かつ前記壁パネル受け片及び前記躯体取付け片に直交して接続され上端に開放する溝もしくは長穴を形成した壁パネルの幅方向中央下端部を固定する起立片とを有する壁パネル取付け金具を壁パネル受け片をコンクリート躯体の上面に対向させ且つ躯体取付け片をコンクリート躯体上面に当接して固定手段により固定すると共に、壁パネル受け片に壁パネルの幅方向中央下端面を載置すると共に起立片の溝もしくは長穴に壁パネルの幅方向下端部に埋設されたアンカー鋼棒に係合させたOボルトを固定することで、壁パネルをコンクリート躯体に取り付けるように構成したことを特徴とする壁パネルの取付構造。
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