JP3745044B2 - 車両の車椅子用昇降装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のバックドア開口部から車椅子のまま昇降可能にするための車両の車椅子用昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に装備されていて車椅子を昇降可能な昇降装置としては、例えば、特開平7−117553号公報に記載されているようなものが知られている。
この昇降装置は、車両の側部開口部に車椅子を積載可能なプラットホームが設けられており、このプラットホームを、昇降機構によって、地面に近接した高さ位置から車体のフロアとほぼ同じ高さ位置まで昇降させることができると共に、回動機構によって、車室外から車室内まで水平移動させることができるようになっている。
ところが、この昇降装置は、アクチュエータやシリンダ等の駆動装置が必要であるために、装置が大掛かりになってコストが非常に高くなる。
【0003】
これに対し、駆動装置を用いずに車椅子を昇降できる簡易な装置として、例えば、図13〜図15に示すようなものがある。
この昇降装置は、車体のフロア後端部近傍位置に基端部が回動可能に支持されている第1スロープA1と、その第1スロープA1の先端部に基端部が回動可能に支持されている第2スロープA2からなる2つ折式の折り畳みスロープAを備えたもので、この折り畳みスロープAが、使用時には、図13に示すように、車体のバックドア開口部Bから車室外に引き出し、展開状態で車体のフロアCと車両後方の地面との間に架け渡すことができるようになっており、収納時には、図15に示すように、バックドアDと平行になるようにほぼ垂直に立てた状態で2つ折にして車室内に収納できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の車両の車椅子用昇降装置にあっては、折り畳みスロープAの収納時、車両のバックドア開口部Bの開口面積が折り畳みスロープAによって小さくなってしまうため、車両に車椅子を積載せずに荷物等を積載する場合、この折り畳みスロープAが邪魔になって、バックドア開口部Bを通しての荷物の積み下しが非常に行い難いという問題があった。なお、折り畳みスロープを折り畳み状態で車室内側に倒すことも考えられるが、リヤバンパEが車幅方向に3分割されていて、その真ん中の部分が第1スロープA1に固定されていたために、折り畳みスロープAを車室内側に倒すとリヤバンパEの一部が車室内側にずれてしまう。
【0005】
また、この従来の昇降装置では、第1スロープA1と第2スロープA2が軸部材を介して連結されているのみであったために、スロープ折り畳み時の折り畳みスロープAの動作が安定しない。つまり、第2スロープA2を持ち上げた時に、図15に示すように、折り畳みスロープAが第1スロープA1と第2スロープA2との間で折れ曲がった正しい状態になるとは限らず、第2スロープA2を持ち上げた時の力の入れ具合によっては、第1スロープA1と第2スロープA2との間が真っ直ぐに伸びたままの状態で持ち上がったりして、スロープ折り畳み時の作業性が非常に悪いという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題に着目し、バックドア開口部から荷物を積み降ろしする際に、車室内に収納されている折り畳みスロープが邪魔になることがなく、しかも、スロープ折り畳み時の作業性が良好であり、かつ、スロープ展開時に車椅子の昇降が容易な、車両の車椅子用昇降装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、車体のフロア後端部近傍位置に基端部が回動可能に支持されている第1スロープと、その第1スロープの先端部に基端部が回動可能に支持されている第2スロープと、を備えた折り畳みスロープが設けられ、この折り畳みスロープが、折り畳み状態で車室内に収納可能であると共に、展開状態で車体のバックドア開口部を通して車室外に引き出してフロア後端部と車両後方の地面との間に斜めに架け渡し可能に構成されている車椅子用昇降装置において、前記第2スロープに一端部が回動可能に支持されていると共に車体のフロア後端部近傍位置に他端部が回動可能に支持されているスロープ用リンクが前記第1スロープと略平行に設けられ、このスロープ用リンクと前記第1スロープと車体ならびに第2スロープの一部でリンク機構が構成され、前記リンク機構が、前記第2スロープを収納位置と引き出し位置との間で略平行移動させるように構成され、かつ、スロープ折り畳み状態では第 2 スロープを水平に配置させるように構成され、車体のフロア後部に、フロア前部よりも低くかつ後部に向かって斜めに下降する低床部が設けられ、この低床部に前記折り畳みスロープが設けられ、前記リンク機構はスロープ折り畳み状態で第 2 スロープの表面をフロア前部と同じ高さに配置させるよう構成され、かつ、スロープ展開時には第 1 、第 2 スロープとフロア後部の低床部が、車両フロアと地面との間を結ぶ連続した傾斜面となるように構成した。
【0008】
また、前記リンク機構を、スロープ折畳状態では第2スロープを水平に配置させように構成した。
【0009】
また、車体のフロア後部に、フロア前部よりも低い低床部が設けられ、この低床部に前記折り畳みスロープが設けられ、スロープ折り畳み状態において第2スロープの表面がフロア前部と略同じ高さに配置させるように構成した。
【0010】
請求項2記載の発明では、前記第2スロープの先端部に第3スロープの基端部が回動可能に支持されていて、前記第3スロープと前記第2スロープを対向させた状態で折り畳み可能である構成とした。
【0011】
請求項3記載の発明では、前記第2スロープに、スロープ折り畳み状態でバックドアのロックと係合可能なドア用ストライカが設けられている構成とした。
【0012】
請求項4記載の発明では、車室後部の右側部と左側部の少なくとも一方に、車体側壁に沿って折り畳み可能であると共に、スロープ折り畳み状態で折り畳みスロープの上に展開可能な折り畳みシートが設けられ、前記第2スロープに、折り畳みシート展開状態で折り畳みシートのロックと係合可能なシート用ストライカが設けられている構成とした。
【0013】
請求項5記載の発明では、前記車体のフロア後端部の後方位置に、車幅方向に分割可能なリヤバンパが設けられており、このリヤバンパの少なくとも折り畳みスロープと重なる部分を構成しているバンパ部材が、車体に回動可能に支持されていると共にバンパ用リンクを介して前記第1スロープと連結されており、前記バンパ部材の回動中心が前記フロア後端部よりも低い位置に設けられている構成とした。
【0014】
【作用】
請求項1記載の発明では、車室外に引き出されている折り畳みスロープを車室内に収納するにあたり第2スロープを持ち上げると、その第2スロープは、リンク機構によって移動方向が平行に規制されているので、力の入れ具合に関係なく、必ず、展開状態での角度をほぼ保ったまま車体前方に平行移動する。一方、第1スロープは、基端部の回動中心を支点にして徐々に起き上がり、垂直に立ち上がった後は車体フロア側に倒れ込むようにして回動する。つまり、折り畳みスロープは、第2スロープを持ち上げることにより第1スロープと第2スロープとの間で確実に折れ曲がり、その折れ曲がり部の角度が徐々に小さくなっていって折り畳まれる。
このように、リンク機構を設けたことによって、折り畳みスロープの折り畳み時の動作が安定するので、力の入れ具合を加減することなく、楽に折り畳みスロープを折り畳むことができる。
【0015】
また、スロープ折り畳み状態では、第1スロープが車体フロア側に倒れ込んだ状態になっていると共に、第2スロープも展開状態での角度をほぼ保った状態になっているので、スロープ折り畳み状態でもバックドア開口部の開口面積を広く確保することができる。
【0016】
また、リンク機構の動作に基づいてスロープ折畳状態では第2スロープが水平となるため、この第2スロープの上に荷物を積載するなどのように第2スロープをフロアの一部として利用することができる。
【0017】
また、車体のフロア後部に、フロア前部よりも低い低床部が設けられ、この低床部に前記折り畳みスロープが設けられ、スロープ折り畳み状態において第2スロープの表面がフロア前部と略同じ高さに配置されるように構成されているので、スロープ折り畳み状態では、フロア前部と第2スロープとの間に段差がなくなり、第2スロープをよりいっそうフロアとして利用しやすくなる。
前記低床部のリヤタイヤよりも後側には、後下がりの傾斜床部を設け、スロープ引き出し時には第1スロープが前記傾斜床部の延長上に配置される構成とした。よって、展開状態での折り畳みスロープと前記傾斜床部とを合わせた傾斜部分の長さを大きく確保し、それによって折り畳みスロープを含めた前記傾斜部分の傾斜角度を小さくすることができる。したがって、折り畳みスロープに沿って車椅子を昇降させるのが非常に楽である。
【0018】
請求項2記載の発明では、第2スロープの先端部に第3スロープの基端部が回動可能に支持されていて、折り畳みスロープが3つに折り畳み可能であるので、折り畳み状態でのスロープ前後方向の寸法が大きくならないようにしながら、2つ折の場合よりも、展開開態でのスロープの長さを大きく確保し、折り畳みスロープの傾斜角度を小さくすることができる。
【0019】
請求項3記載の発明では、第2スロープにドア用ストライカが設けられているので、折り畳みスロープを折り畳んでバックドアを閉じる時、バックドアのロックを第2スロープのドア用ストライカと係合させることによりバックドアを閉位置にロックすることができる。
【0020】
請求項4記載の発明では、車体後部に折り畳みシートが設けられているので、車椅子を車載しない場合には、この折り畳みシートを展開することができる。しかも、第2スロープにシート用ストライカが設けられているので、折り畳みスロープを折り畳んで折り畳みシートを展開する時、折り畳みシートのロックを第2スロープのシート用ストライカと係合させることにより折り畳みシートを展開した状態にロックすることができる。
【0021】
請求項5記載の発明では、折り畳みスロープを展開させる時、リヤバンパの少なくとも折り畳みスロープと重なる部分を構成しているバンパ部材が、フロア後端部よりも低い位置を中心に回動するので、スロープ展開時には、前記バンパ部材がフロア後端部よりも低い位置まで移動する。つまり、第1スロープの回動中心をリヤバンパの上面よりも低い位置に設け、それにより、展開状態での折り畳みスロープの傾斜角度を小さくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
まず、図1〜図12に基づいて、実施の形態1の車両の車椅子用昇降装置について詳述する。図1は実施の形態の車両の車椅子用昇降装置の斜視図、図2は実施の形態の車両の車椅子用昇降装置の側面図、図3〜図9は実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の側面図、図10ならびに図11は実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の平面図、図12は実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の背面図である。
【0023】
図中1は車体のフロアで、このフロア1には、運転席(図示省略)ならびに助手席2の他、図9〜図11に示すように、助手席2の後方に2列目シート3が設置されている。また、この2列目シート3の右側方には折り畳みシート4が設けられており、この折り畳みシート4は、車体の右側の側壁5に取り付けられている。なお、この折り畳みシート4は、シートバック41をシートクッション42側に倒した後、シートクッション42を車体前後方向の水平軸を中心に回動させることにより、車体の右側の側壁5に沿って折り畳むことができるようになっている。また、前記2列目シート3の後方と前記2列目の折り畳みシート4の後方には、それぞれ3列目の折り畳みシート6,7が設けられており、これらの折り畳みシート6,7も、シートバック61,71をシートクッション62,72側に倒した後、シートクッション62,72を車体前後方向の水平軸を中心に回動させることにより、図12に示すように、車体の側壁5に沿って折り畳むことができるようになっている。
【0024】
また、図3〜図9に示すように、前記フロア1には、2列目シート3が取り付けられている部分を境にして後側が前側よりも約10cm低くなっており、その低くなった部分(以下、低床部11とする)のリヤタイヤ8よりも後側には、後下がりの傾斜床部12が設けられている。
【0025】
図中9は車椅子28が走行できる幅の折り畳みスロープで、この折り畳みスロープ9は、第1スロープ91と第2スロープ92と第3スロープ93とスロープ用リンク94を備えており、図8ならびに図9に示すように、折り畳み状態で車室内に収納可能であると共に、図3ならびに図4に示すように、展開状態で車体のバックドア開口部10を通して車室外に引き出し可能に構成されている。
【0026】
前記第1スロープ91は、前記傾斜床部12の後端部に基端部が回動可能に支持されており、スロープ収納時には前記傾斜床部12の上面に重なり、スロープ引き出し時には前記傾斜床部12の延長上に配置される。
【0027】
前記第2スロープ92は、前記第1スロープ91の先端部に基端部が回動可能に支持されており、スロープ収納時には前記第1スロープ91の裏面に重なり、スロープ引き出し時には前記第1スロープ91の延長上に配置される。
【0028】
前記第3スロープ93は前記第2スロープ92に一端部が回動可能に支持されており、スロープ収納時には前記第2スロープ92の表面に重なり、スロープ引き出し時には前記第2スロープ92の延長上に配置される。また、この第3スロープ93は、前記第1スロープ91ならびに第2スロープ92と比べて前後方向の寸法が小さくなっており、前記第2スロープ92の表面の前部と中部と後部のうち中部のみと重なるようになっている。すなわち、折り畳みスロープ9の収納時でも、第2スロープ92の表面の前部と後部は露出したままになる。
【0029】
前記スロープ用リンク94は、前記第2スロープ92の基端部に一端部が回動可能に支持されていると共に前記傾斜床部12に他端部が回動可能に支持され、折り畳みスロープ9の左右両側に前記第1スロープ91と略平行に設けられており、前記第1スロープ91と車体ならびに第2スロープ92の一部と共に、前記第2スロープ92を収納位置と引き出し位置との間で略平行移動させるリンク機構を構成している。更に、このリンク機構は、引き出し位置では傾斜している第2スロープ92を、収納位置ではフロア1前部と略同じ高さで水平にする矯正機能を有している。
【0030】
図中13はリヤバンパで、このリヤバンパ13は、折り畳みスロープ9と重なる部分を構成している中央のバンパ部材131と、その左右のバンパ部材(図示省略)とに3分割されており、低床部11と略同じ高さに設けられている。そして、左右のバンパ部材は車体に固定されており、中央のバンパ部材131は、車体に回動可能に支持されていると共に、バンパ用リンク14を介して前記第1スロープ91に連結されている。また、前記バンパ部材131の回動中心aは、傾斜床部12の後端部よりも更に低い位置に設けられており、折り畳みスロープ9を展開させる時、バンパ部材131がフロア1後端部よりも低い位置まで移動するようになっている。
【0031】
図中15はドア用ストライカで、このドア用ストライカ15は、前記第2スロープ92の表面の、スロープ折り畳み状態でバックドア16のロックと係合可能な位置に設けられている。
【0032】
図中17はシート用ストライカで、このシート用ストライカ17は、前記第2スロープ92の表面の、3列目の折り畳みシート6,7のロック63,73と係合可能な位置に設けられている。
【0033】
また、第2スロープ92の左右両側部には、サイドプレート18が取り付けられており、このサイドプレート18には、低床部11に設けられているスロープ用ストライカ19と係合して折り畳みスロープ9を折り畳み状態に固定するロック20と、このロック20のロック状態を解除するレバー21を備えたハンドル22と、低床部11に設けられているガイドプレート23と係合して折り畳みスロープ9の収納軌跡をガイドするガイドピン24とが設けられている。なお、このサイドプレート18は、スロープ折り畳み状態では、スロープ用リンク94の上方に配置される。また、この第2スロープ92の先端部裏面には、スロープ展開状態で地面に接する脚部材25が幅方向全長に亘って設けられている。
【0034】
更に、第1スロープ91とフロア1との間にはトーションバー26ならびにガスステー27が設けられており、これらによって、スロープ展開時ならびにスロープ折り畳み時に必要な操作力が軽減されている。
【0035】
このように、本実施の形態の折り畳みスロープ9は、第1スロープ91の回動中心がリヤバンパ13の上面よりも低い位置に設けられているので、従来のようにリヤバンパ13が折り畳みスロープ9に固定されていたものと比べると、折り畳みスロープ9の傾斜角度を小さくすることができる。更に、本実施の形態の折り畳みスロープ9は、スロープ展開時の長さを、第1スロープ91と第2スロープ92と第3スロープ93とを連続させた長さにすることができるので、折り畳み状態でのスロープ前後方向の寸法が大きくならないようにしながら、従来の2つ折のものよりも展開開態での折り畳みスロープ9の長さを大きく確保し、折り畳みスロープ9の傾斜角度を小さくすることができる。したがって、折り畳みスロープ9に沿って車椅子28を昇降させるのが非常に楽である。
【0036】
以下、図3〜図8に基づいて、車室外に引き出されている折り畳みスロープ9を車室内に収納する時の動作について説明する。
【0037】
まず、折り畳みスロープ9を収納するにあたり、第3スロープ93を第2スロープ92の表面に重ねるようにして折り畳む。
【0038】
次に、第2スロープ92を第1スロープ91の裏面に重ねるようにして折り畳むが、この時、第2スロープ92を持ち上げると、その第2スロープ92は、リンク機構によって移動方向が平行に規制されているので、力の入れ具合に関係なく、必ず、展開状態での角度をほぼ保ったまま車体前方に平行移動する。一方、第1スロープ91は、基端部の回動中心bを支点にして徐々に起き上がり、垂直に立ち上がった後は車体フロア1側に倒れ込むようにして回動する。つまり、折り畳みスロープ9は、第2スロープ92を持ち上げることにより第1スロープ91と第2スロープ92との間で確実に折れ曲がり、その折れ曲がり部の角度が徐々に小さくなっていって完全に折り畳まれた状態となる。
【0039】
この後、バックドア16を閉じるが、この時、バックドア16のロックと第2スロープ92のドア用ストライカ15とが係合してバックドア16は閉位置にロックされる。
【0040】
このように、スロープ用リンク94と第1スロープ91とフロア1の傾斜床部12ならびに第2スロープ92の一部で、第2スロープ92を収納位置と引き出し位置との間で略平行移動させるリンク機構を構成したことによって、折り畳みスロープ9の折り畳み時の動作が安定するので、力の入れ具合を加減することなく、楽に折り畳みスロープ9を折り畳むことができるようになり、スロープ折り畳み時の作業性が良好になる。
【0041】
また、スロープ折り畳み状態では、第1スロープ91が車体フロア1側に倒れ込んだ状態になっていると共に、第2スロープ92も展開状態での角度をほぼ保った状態になっているので、スロープ折り畳み状態でもバックドア開口部10の開口面積を広く確保することができ、バックドア開口部10から荷物を積み降ろしする時の作業性もよい。
【0042】
また、車椅子28を車載しない場合には、図9ならびに図11に示すように、2列目の折り畳みシート4を展開して人を載せることができると共に、3列目の折り畳みシート6,7を展開して人を載せることもできる。3列目の折り畳みシート6,7は、展開時、第2スロープ92に設けられているシート用ストライカ17とロック63,73が係合するので、展開した状態にロックされる。
【0043】
つまり、スロープ折り畳み状態において第2スロープ92の表面がフロア1前部と略同じ高さで水平になるように構成されていて、しかも、その第2スロープ92の表面にドア用ストライカ15とシート用ストライカ17が設けられているので、バックドア16ならびに3列目の折り畳みシート6,7は、折り畳みスロープ9を装備していない車両用のバックドアならびに折り畳みシートと共通のものを採用することができ、それにより、コストの削減を図ることができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、実施の形態では、3つに折り畳み可能な折り畳みスロープを採用したが、折り畳みスロープは2つ折りのものを採用してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明にあっては、スロープ用リンクと第1スロープと車体ならびに第2スロープの一部で、第2スロープを収納位置と引き出し位置との間で略平行移動させるリンク機構を構成したので、折り畳みスロープの折り畳み時の動作が安定してスロープ折り畳み時の作業性が良好になり、また、スロープ折り畳み状態でもバックドア開口部の開口面積を広く確保することができるようになって、バックドア開口部から荷物を積み降ろしする際に、車室内に収納されている折り畳みスロープが邪魔にならないという効果が得られる。
【0046】
また、折り畳みスロープの折り畳み時に、第2スロープが水平に配置されるようにリンク機構を構成したため、スロープ折り畳み状態で第2スロープの上にも荷物を積載することができ、第2スロープをフロアの一部として利用することができるという効果が得られる。
【0047】
また、スロープ折り畳み状態において第2スロープの表面がフロア前部と略同じ高さで水平になり第2スロープとフロア前部との間に段差がなくなり、装置の使い勝手がより向上するという効果が得られる。
フロア後部の低床部後側に後下がりの傾斜床部を設け、スロープ引き出し時には第1スロープが前記傾斜床部の延長上に配置される構成としたため、スロープ展開状態において、折り畳みスロープを含めた傾斜部分の傾斜角度を小さくして車椅子の昇降を楽にすることができるという効果が得られる。
【0048】
請求項2記載の発明にあっては、第2スロープの先端部に第3スロープの基端部が回動可能に支持されており、前記第3スロープと前記第2スロープを対向させた状態で折り畳み可能であるので、折り畳みスロープの収納面積が大きくならないようにしながら、折り畳みスロープの傾斜角度を小さくして車椅子の昇降を楽にすることができるという効果が得られる。
【0049】
請求項3記載の発明にあっては、第2スロープに、スロープ折り畳み状態でバックドアのロックと係合可能なドア用ストライカが設けられているので、折り畳みスロープを装備していない車両用のバックドアと共通のバックドアを採用し、コストの削減を図ることができる。
【0050】
請求項4記載の発明にあっては、車室後部に折り畳みシートが設けられ、第2スロープに、折り畳みシート展開状態で折り畳みシートのロックと係合可能なシート用ストライカが設けられているので、折り畳みスロープを装備していない車両に採用した折り畳みシートと共通の折り畳みシートを採用し、コストの削減を図ることができる。
【0051】
請求項5記載の発明にあっては、前記車体のフロア後端部の後方位置に、車幅方向に分割可能なリヤバンパが設けられており、このリヤバンパの少なくとも折り畳みスロープと重なる部分を構成しているバンパ部材が、車体に回動可能に支持されていると共にバンパ用リンクを介して前記第1スロープと連結されており、前記バンパ部材の回動中心が前記フロア後端部よりも低い位置に設けられているので、展開状態での折り畳みスロープの傾斜角度を小さくして車椅子の昇降を楽にすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態の車両の車椅子用昇降装置の斜視図である。
【図2】 実施の形態の車両の車椅子用昇降装置の側面図である。
【図3】 実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の側面図で、車椅子が車両に乗り込む途中の状態を示している。
【図4】 実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の側面図で、車椅子が車両に乗り込んだ状態を示している。
【図5】 実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の側面図で、スロープを折り畳む途中の状態を示している。
【図6】 実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の側面図で、スロープを折り畳む途中の状態を示している。
【図7】 実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の側面図で、スロープを折り畳む途中の状態を示している。
【図8】 実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の側面図で、スロープを折り畳んでバックドアを閉じた状態を示している。
【図9】 実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の側面図で、車椅子を車載せずに3列目の折り畳みシートを使用した状態を示している。
【図10】 実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の平面図で、車椅子を車載した状態を示している。
【図11】 実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の平面図で、車椅子を車載せずに2,3列目の折り畳みシートを使用した状態を示している。
【図12】 実施の形態の車椅子用昇降装置を装備した車両の背面図で、車椅子を車載した状態を示している。
【図13】 従来の車椅子用昇降装置を装備した車両の斜視図で、スロープを展開した状態を示している。
【図14】 従来の車椅子用昇降装置を装備した車両の斜視図で、スロープを折り畳む途中の状態を示している。
【図15】 従来の車椅子用昇降装置を装備した車両の斜視図で、スロープを折り畳んだ状態を示している。
【符号の説明】
1 フロア
11 低床部
12 傾斜床部
2 助手席
3 2列目シート
4 2列目の折り畳みシート
5 車体の側壁
6,7 3列目の折り畳みシート
63,73 ロック
8 リヤタイヤ
9 折り畳みスロープ
91 第1スロープ
92 第2スロープ
93 第3スロープ
94 スロープ用リンク
10 バックドア開口部
13 リヤバンパ
131 バンパ部材
14 バンパ用リンク
15 ドア用ストライカ
16 バックドア
17 シート用ストライカ
19 スロープ用ストライカ
28 車椅子
a バンパ部材の回転中心
b 第1スロープの回転中心

Claims (5)

  1. 車体のフロア後端部近傍位置に基端部が回動可能に支持されている第1スロープと、その第1スロープの先端部に基端部が回動可能に支持されている第2スロープと、を備えた折り畳みスロープが設けられ、この折り畳みスロープが、折り畳み状態で車室内に収納可能であると共に、展開状態で車体のバックドア開口部を通して車室外に引き出してフロア後端部と車両後方の地面との間に斜めに架け渡し可能に構成されている車椅子用昇降装置において、
    前記第2スロープに一端部が回動可能に支持されていると共に車体のフロア後端部近傍位置に他端部が回動可能に支持されているスロープ用リンクが前記第1スロープと略平行に設けられ、このスロープ用リンクと前記第1スロープと車体ならびに第2スロープの一部でリンク機構が構成され、
    前記リンク機構が、前記第2スロープを収納位置と引き出し位置との間で略平行移動させるように構成され、かつ、スロープ折り畳み状態では第 2 スロープを水平に配置させるように構成され、
    車体のフロア後部に、フロア前部よりも低くかつ後部に向かって斜めに下降する低床部が設けられ、
    この低床部に前記折り畳みスロープが設けられ、
    前記リンク機構はスロープ折り畳み状態で第 2 スロープの表面をフロア前部と同じ高さに配置させるよう構成され、
    かつ、スロープ展開時には第 1 、第 2 スロープとフロア後部の低床部が、車両フロアと地面との間を結ぶ連続した傾斜面となるように構成されている
    ことを特徴とする車両の車椅子用昇降装置。
  2. 前記第2スロープの先端部に第3スロープの基端部が回動可能に支持されており、前記第3スロープと前記第2スロープを対向させた状態で折り畳み可能であることを特徴とする請求項1記載の車両の車椅子用昇降装置。
  3. 前記第2スロープに、スロープ折り畳み状態でバックドアのロックと係合可能なドア用ストライカが設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の車両の車椅子用昇降装置。
  4. 車室後部の右側部と左側部の少なくとも一方に、車体側壁に沿って折り畳み可能であると共に、スロープ折り畳み状態で折り畳みスロープの上に展開可能な折り畳みシートが設けられ、前記第2スロープに、折り畳みシート展開状態で折り畳みシートのロックと係合可能なシート用ストライカが設けられていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の車両の車椅子用昇降装置。
  5. 前記車体のフロア後端部の後方位置に、車幅方向に分割可能なリヤバンパが設けられており、このリヤバンパの少なくとも折り畳みスロープと重なる部分を構成しているバンパ部材が、車体に回動可能に支持されていると共にバンパ用リンクを介して前記第1スロープと連結されており、前記バンパ部材の回動中心が前記フロア後端部よりも低い位置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の車両の車椅子用昇降装置。
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