JP3745005B2 - 再貼替え可能な可逆性感熱記録シート - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、再貼替え可能な可逆性感熱記録シートに関し、特に、書換え可能な可逆性感熱記録層の書換え寿命が他の磁気記録媒体、IC(集積回路)メモリや光記録媒体に比べて低いことに鑑み、書換え寿命の長い磁気記録媒体、ICメモリや光記録媒体を可逆性感熱記録層の寿命にかかわらず有効に使用できるように再貼替え可能とするとともに、セキュリティ性にも優れ、また、貼付けられる記録媒体のデザインに制約を与えることの少ない再貼替え可能な可逆性感熱記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、書換え可能な感熱記録を磁気記録やICメモリとともに同一の記録媒体に用いることが行われており、ICカードや磁気カード等のプリペイド方式の各種カードに可逆性感熱記録媒体を直接形成したり、また、シート状に加工された可逆性感熱記録媒体を強固な接着剤を介して一体として形成していた。これらの可逆性感熱記録媒体を備えたカードとしては、例えば、ICメモリや磁気記録に加えて残高等の表示を可逆性感熱記録媒体上に記録することが可能である。
【0003】
このようなカードでは、ICメモリや磁気記録の内容が目視できないという欠点を解消することが可能であるが、ICメモリや磁気記録の書換え可能回数に比べて可逆性感熱記録媒体の書換え可能回数が著しく低いことから、高価なICカードや磁気カードの製品寿命が来る前に使用できなくなるという欠点があった。
【0004】
また、特開平5−262033号公報には、ICカード、磁気カードや光記録カードに貼着して用いることができる再剥離可能な接着剤層を設けた可逆性感熱記録シートが開示されている。この記録シートは、可逆性感熱記録層、支持体、再剥離可能な接着剤層およびセパレータを順次積層した構成で、該記録シートの可逆性感熱記録層の機能が低下した場合には、容易に可逆性感熱記録層を交換でき、更に、表示が不要となった場合には、ICカード、磁気カードや光記録カードとして利用できることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平5−262033号公報に記載された記録シートは、可逆性感熱記録層のみを備えた記録シートであることから、他の記録媒体(ICカード、磁気カードや光記録カード等)を形成する面積の他に該記録シートを貼着するための面積が必要となる。
【0006】
カードに表示機能を付加するために可逆性感熱記録層のみを備えた単機能の記録シートを貼着すると、可逆性感熱記録層のみによってカードの表面を専有するため、カードの限られた面積を有効に利用することができなくなる等の欠点があった。
【0007】
本発明は上記のような問題を解決するため、書換え回数の著しく異なるICメモリや磁気記録媒体と、可逆性感熱記録媒体とを有効に使用できるようにするとともに、記録・記憶媒体の製品寿命に捕らわれることなくシステムの構築が可能で、カードの面積を有効に活用することができ、カードのデザインに制約を与えることのない再貼替え可能な可逆性感熱記録シートを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明による再貼替え可能な可逆性感熱記録シートは、貼付けて用いられ、貼付けた後、容易に剥離することができる再貼替え可能な可逆性感熱記録シートであって、剥離層、再剥離可能な粘着層、基材、磁気記録層、反射層、可逆性感熱記録層および保護層を順次積層してなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明による再貼替え可能な可逆性感熱記録シートは、再剥離可能な粘着層の粘着力が250gf/10mm〜1000gf/10mm(JISC−2107)の範囲にあり、厚みが、10〜200μmであることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明による再貼替え可能な可逆性感熱記録シートは、少なくともICカード、光カード、磁気カード、ホログラムカードのいずれかのカードに貼付けられることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明による再貼替え可能な可逆性感熱記録シートについて以下の実施形態をもとに詳細に説明する。
【0012】
図1には本発明により提供される再貼替え可能な可逆性感熱記録シート(以下可逆性感熱記録シート)が示されている。本発明により提供される可逆性感熱記録シートは、図1に示すように、剥離層5、再剥離可能な粘着層10、基材12、磁気記録層14、反射層15、可逆性感熱記録層16、中間層17及び保護層18が順次積層されている。なお、中間層17は後述するように省略してもよい。
【0013】
剥離層5は、例えば、シリコン加工やテフロン加工を施した紙や合成紙等の他に、同様の剥離性を付与したポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセテート、ポリスチレン(PS)、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)およびポリカーボネート(PC)等の合成樹脂シートを用いることができる。剥離層5の厚さは、剥離性や貼着する時の作業性を考慮すると、50〜200μm程度が必要である。
【0014】
再剥離可能な粘着層10は、粘着強度が250gf/10mm〜1000gf/10mmの範囲にあるものが良く、例えばソニーケミカル(株)のアクリル系接着剤T4100W(商品名)を用いることができる。このような粘着強度によって再剥離可能となり、かつ可逆性感熱記録シートを貼着したICカードや磁気カード等の媒体が、その搬送系で剥離する等のトラブルの発生がない。
【0015】
再剥離可能な粘着層10の厚さは、剥離性や可逆性感熱記録シートを貼着したICカードや磁気カード等の媒体が、その搬送系で該記録シートが剥離する等のトラブルの発生がなく、また、耐ゲート性等を考慮すると、10〜200μm程度の厚みが好ましい。
【0016】
粘着層10の厚さが10μm未満であると、粘着面の凹凸が吸収できないので、磁気ヘッドやサーマルヘッドの当たりが悪くなり、磁気リードライトエラー、印字かすれ及び消去残りが発生しやすくなる。また、可逆性感熱記録シート表面に傷もつきやすくなり記録が見にくくなる。
【0017】
一方、粘着層10の厚さが200μmを越えると磁気ヘッドやサーマルヘッドの当たりは良いが、ゲート試験中に粘着層10で層間剥離が発生してしまい、端部が剥離してしまう。この場合、粘着層10の粘着力を増せば層間剥離は発生しにくくなるが、逆に剥離性は悪化してしまい手で剥がしづらくなってしまう。
【0018】
したがって、適度な剥離性とクッション性を持つ粘着層10は、粘着力250gf/10mm以上1000gf/10mm以下、厚さ10μm以上200μm以下である。
【0019】
基材12は、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセテート、ポリスチレン(PS)、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)およびポリカーボネート(PC)等の合成樹脂シートまたは合成紙等を用いることができる。基材12の厚さは、再貼替え可能な可逆性感熱記録媒体とした時の反射層14の平滑性を維持するために10〜200μm程度必要である。
【0020】
磁気記録層14にはたとえば可逆性感熱記録層16と同一のデータが記録され、セキュリティを高めることができる。磁気記録層14は、従来この種の磁気記録媒体において磁気記録層として一般に用いられているものを用いることが出来る。
【0021】
例えば、磁性材料として粒径10μm以下、好ましくは0.01〜5μmのBa−フェライト、Sr−フェライト、 Co被着γ−Fe2O3、γ−Fe2O3、針状鉄粉、CrO2 を用い、バインダー樹脂として一般に用いられるポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂又はそれらの混合樹脂を用いることが出来る。
【0022】
バインダー樹脂と磁性材料との混合比は基材12との接着性や塗膜強度及び磁気ヘッドによる検出電圧等を考慮して適宜設定される。通常、重量比で前者/後者=1/1〜1/10の範囲、好ましくは1/2〜1/8が適当である。
【0023】
磁気記録層14の厚さは通常、5〜20μm程度である。尚、必要に応じて、基材12と磁気記録層14の接着強度を高めるために1μm以下のアンカー層を設けるようにしてもよい。
【0024】
反射層15は磁気記録層14の色彩を視覚的に隠蔽すると共に可逆性感熱記録層16の発色の色彩に対し十分なコントラストを付与するような色彩を有する。また、反射層15を形成するために用いられる材料が備えるべき性質は感熱記録条件下において安定で、薄くても十分な耐久性を有することである。
【0025】
この様な耐熱性材料としては熱硬化性の樹脂、例えばポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等を用いることができ、これに隠蔽性付与の為の顔料例えばAl、Sn、Zn、Cu、Ag、Cu−Zn等の金属やAl203、Ti02等の金属酸化物などを適量添加する。
【0026】
反射層15としては、上記の様な熱硬化性樹脂の他に非磁性の金属層例えばAl、Sn、Ag又はこれら金属の酸化物の層を用いることもできる。
【0027】
反射層15の厚さは例えば0.03〜0.1μm程度である。
尚、本発明のように、磁気記録層14と可逆性感熱記録層16とを積層した構成とした場合には、金属蒸着膜により反射層を形成すると可逆性感熱記録シートの厚みを薄くできるので望ましい。
【0028】
可逆性感熱記録層16を構成する材料としては、例えば特開昭57-109695 号、特開平2-187389 号などに記載されているように、ポリエステルなどの樹脂と、樹脂中に分散された有機低分子物質からなっている。可逆性感熱記録材料は、加熱温度を選択することによって有機低分子物質の屈折率が樹脂の屈折率と等しくなったり、異なったりするため、透明度が変化する。すなわち、図2に示すように、予め温度T0 以下で白濁状態にある場合に、この状態から温度T1 〜T2 まで加熱した後、温度T0 以下に冷却(矢印A)すると、有機低分子物質の屈折率が樹脂の屈折率とほぼ等しくなるため、可逆性感熱記録層16は透明状態に変化する。
【0029】
さらに、これを温度T3 以上に加熱した後、温度T0 以下に冷却(矢印B)すると、有機低分子物質の屈折率が樹脂の屈折率と異なるため光散乱をおこし、可逆性感熱記録層16は再び白濁状態に変化する。
【0030】
また、可逆性感熱記録層16を温度T0 〜T1 またはT2 〜T3 に加熱した後、温度T0 以下に冷却(矢印CまたはD)すると、可逆性感熱記録層16は透明と白濁の中間の状態となる。
【0031】
可逆性の感熱記録材料はこのような状態変化を繰り返し行えるものである。
【0032】
上記T0 〜T3 の一例をあげれば、それぞれ60℃、70℃、80℃、110℃である。
【0033】
可逆性の感熱記録材料に使用される樹脂としては、透明性が良く、機械的強度に優れ、成膜性の良いものが好ましい。その具体例としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。このうち特に好ましいものとしては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ポリエステル樹脂が該当する。
【0034】
有機低分子物質としては、アルカノール、アルカンジオール、ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアルカンジオール、アルキルアミン、アルカン、アルケン、アルキン、ハロゲンアルカン、ハロゲンアルケン、ハロゲンアルキン、シクロアルカン、シクロアルケン、シクロアルキン、飽和または不飽和モノまたはジカルボン酸またはこれらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩、飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩、アクリルカルボン酸またはこれらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩、ハロゲンアクリルカルボン酸またはこれらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩、チオアルコール、チオカルボン酸またはこれらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩、チオアルコールのカルボン酸エステルなどで、その炭素数は10〜40、分子量としては100〜700のものが挙げられる。特に好ましいものとしては、融点が50〜150℃の範囲にあるラウリン酸、バルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸、またはこれらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩である。
【0035】
樹脂と有機低分子物質の混合比としては、重量比で樹脂100部に対して有機低分子物質が20部〜500部の範囲にあるものが好ましく、25部〜400部がより好ましい。
【0036】
可逆性感熱記録層16の厚さは、2〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは4〜10μmの範囲が白濁状態と透明状態がはっきりして良い。
【0037】
保護層18は、紫外線硬化型樹脂を用い、該紫外線硬化型樹脂としてはアクリル系、ポリエステル系等のものが利用できる。
【0038】
保護層18の厚さは1〜5μm、望ましくは1〜3μm程度である。
【0039】
保護層18は、紫外線硬化型樹脂を使用することが重要である。この保護層18は、可逆性感熱記録層16表面の耐傷性、耐薬品性を向上させるために設けられる。
【0040】
保護層18を構成する材料として、紫外線硬化型樹脂の中でも特に耐傷性、耐薬品性等に優れた保護層用塗料はケトン類、エステル類などの比較的極性の強いい溶剤を含むものが多いが、必要に応じて可逆性感熱記録層16と保護層18との間に中間層17を形成することによって、保護層18に含まれる溶剤により可逆性感熱記録層16の書き換えに影響を与えることがなく、耐傷性、耐薬品性に優れた保護層18を形成することができる。
【0041】
中間層17は、例えば、紫外線硬化型樹脂を含む材料によってコーティングにより形成すると耐薬品性に優れ、塗膜面にピンホールが発生しないので望ましい。
また、保護層18上には必要に応じてオフセット印刷等により印刷層20を形成することもできる。
【0042】
印刷層20は所望の文字、模様などの可視情報が印刷によって形成された層である。なお、印刷層20は記録される可視記録情報を見ることができるように形成される。
【0043】
したがって、本発明の可逆性感熱記録シートによれば、保護層18が紫外線硬化型樹脂を用いてコーティングにより形成されるため、耐傷性、耐薬品性に優れ、サーマルヘッドの汚れが生じることがなく、さらに保護層18に対して印刷層20の密着性が改善された可逆性感熱記録シートが得られる。
【0044】
尚、図示はしないが、必要に応じて磁気記録層14と反射層15の間に磁気記録層14の表面の平滑性を維持するために、例えば紫外線硬化型樹脂をグラビアコーティングすることによって任意の厚みの平滑層を設けるようにしてもよい。
【0045】
本発明の可逆性感熱記録シート1は剥離層5を剥離し、たとえば図3に示すように塩化ビニルなどのカード基材30の凹部32に粘着層10により貼着し、使用する。凹部32はカードの所定の部分をあらかじめ削る等により形成する。図3に示すように、可逆性感熱記録シート1を貼着された部分はカード基材30表面よりも高くなるようにされている。このように可逆性感熱記録シート1を貼着された部分がカード基材30表面よりも高くなるようにすることにより、サーマルヘッドによる可逆性感熱記録層16や磁気ヘッドによる磁気記録層14への書き込みを容易にするとともに、該記録ヘッドを貼替える場合も容易に剥離することができる。
【0046】
図3に示すカード基材30の厚みは例えば760μmであり、可逆性感熱記録シート1を貼着した部分の厚みはカード基材と合わせてたとえば800〜840μmである。
【0047】
本発明による可逆性感熱記録シートはカードに限らず種々の記録媒体に適用することが可能である。
【0048】
次に本発明による可逆性感熱記録シートの具体的な実施例について、その組成および物性評価につき比較例と比較して説明する。
【0049】
基材(25μmポリエチレンテレフタレート)12上に磁気記録層14を前述の組成で形成し、さらに下記の組成の平滑層、反射層15、可逆性感熱記録層16、保護層18、印刷層20を順次形成し、基材12の反対の面(磁気記録層14等が形成されていない面)に剥離層5と再剥離可能な粘着層10が一体となっている物を貼合し可逆性感熱記録シートとした。
【0050】
(平滑層)
大日本インキ化学工業株式会社製UV硬化型樹脂UNIDIC C7−164上記の材料をグラビアコーティングした後、UVランプ(160W/cm×3灯、30m/min)で紫外線照射して硬化させ、厚さ3μmの平滑層を形成した。
【0051】
(反射層15)
アルミニウムの蒸着膜により、厚さ0.07μmの反射層15を形成した。
【0052】
上記の割合で混合した材料をグラビアコーティングして乾燥させ、厚さ約6μmの可逆性感熱記録層16を形成した。
【0053】
上記の割合で混合した材料をボールミルで分散し1時間経過後、グラビアコーティングし、UVランプ(160W/cm×3灯、30m/min)で紫外線照射して硬化させ、厚さ2μmの保護層18を形成した。
【0054】
(印刷層20)
東洋インキ製造株式会社製UVオフセットインキFDカルトン
上記のインキによりオフセット印刷を行った後、UVランプ(160W/cm×3灯、50m/min)で紫外線照射して硬化させ、厚さ1〜4μmの印刷層20を形成した。
【0055】
上記のような可逆性感熱記録シートの粘着層10の粘着力および厚さを変えた実施例および比較例につき剥離性および耐ゲート性をテストした結果は下記の通りである。なお、粘着力はJISC−2107電気絶縁用粘着テープ試験方法に従い測定した。また、耐ゲート性については、可逆性感熱記録シートをカード基材に貼り付けた部分上で、荷重500gfかけた磁気ヘッドを1往復/秒の速さで200往復させた後、可逆性感熱記録シートとカード基材12との粘着状態を観察した。
【0056】
【表1】
【0057】
剥離性については、○は良好、×は不良(剥がしづらい)を示す。耐ゲート性については、○は良好、×は不良(端部が剥離してしまった)を示す。
【0058】
上記の表1に示すように、実施例1〜4は、剥離性、耐ゲート性ともに良好であった。比較例1および3は剥離性は良好であったが、耐ゲート性は不良であり、比較例2は耐ゲート性は良好であったが、剥離性は不良であった。この結果からわかるように、粘着層10の粘着力は前述のように250gf/10mm〜1000gf/10mm(JISC−2107)であることが好ましく、比較例1および2はこの範囲から外れているため、特性が不良となっている。また、粘着層10の厚さは20〜200μmであることが好ましく、比較例3はこの範囲から外れているため、特性が不良となっている。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、可逆性感熱記録層と磁気記録層とを設けた再貼替え可能な可逆性感熱記録シートは剥離可能な粘着強度を持っていることから、ICカードや磁気カード等の媒体に貼り付けることにより可視情報を容易に付与でき、外観が良好である。また、再剥離可能な粘着層によって再貼替え可能であるから、再貼替えにより書換え寿命の長い磁気記録媒体、IC(集積回路)メモリや光記録媒体を可逆性感熱記録層の寿命にかかわらず有効に使用でき、さらに可逆性感熱記録シートは可逆性感熱記録層とともに隠蔽された磁気記録層を有することにより貼付けられた記録媒体にデザイン的制約を与えることが少ない。
【0060】
また、本発明によれば、ロール状態で可逆性感熱記録層、保護層を形成し、シート状にカットした後に印刷層を印刷により形成するから、各層の形成が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の再貼替え可能な可逆性感熱記録シートの一実施例を示す断面図である。
【図2】可逆性感熱記録材料の状態変化を示す図である。
【図3】本発明の再貼替え可能な可逆性感熱記録シートをカードに貼着した一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
5 剥離層
10 再剥離可能な粘着層
12 基材
14 磁気記録層
15 反射層
16 可逆性感熱記録層
17 中間層
18 保護層
20 印刷層
30 カード基材
32 凹部
Claims (4)
- 貼付けて用いられ、貼付けた後、剥離して再貼替え可能な可逆性感熱記録シートであって、
前記可逆性感熱記録シートは、剥離層、再剥離可能な粘着層、基材、磁気記録層、反射層、可逆性感熱記録層および保護層を順次積層してなることを特徴とする再貼替え可能な可逆性感熱記録シート。 - 前記再剥離可能な粘着層の粘着力が、250gf/10mm〜1000gf/10mm(JISC−2107)であることを特徴とする請求項1に記載の再貼替え可能な可逆性感熱記録シート。
- 前記再剥離可能な粘着層の厚みが、10〜200μmであることを特徴とする請求項2に記載の再貼替え可能な可逆性感熱記録シート。
- 前記可逆性感熱記録シートは、少なくともICカード、光カード、磁気カード、ホログラムカードのいずれかのカードに貼付けられることを特徴とする請求項1に記載の再貼替え可能な可逆性感熱記録シート。
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