JP2001236623A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
- Publication number
- JP2001236623A JP2001236623A JP2000264815A JP2000264815A JP2001236623A JP 2001236623 A JP2001236623 A JP 2001236623A JP 2000264815 A JP2000264815 A JP 2000264815A JP 2000264815 A JP2000264815 A JP 2000264815A JP 2001236623 A JP2001236623 A JP 2001236623A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic
- magnetic recording
- layer
- recording medium
- recording layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Credit Cards Or The Like (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 記録に先だって、加熱もしくは冷却を要する
磁気記録層を備えた磁気記録媒体を隠蔽層で被覆する
と、熱伝導性が低下し、加熱もしくは冷却が充分行なえ
ない欠点を解消する。 【解決手段】 ICモジュール4、印刷5a、5b等を
備えた基材2の片面に、記録に先立って、加熱もしくは
冷却を要する磁気記録層3bを有し、その上を熱伝導性
の高い隠蔽層7bで被覆し、課題を解消することができ
た。反対面に通常の磁気記録層3a、通常の隠蔽層7a
を有していてもよい。
磁気記録層を備えた磁気記録媒体を隠蔽層で被覆する
と、熱伝導性が低下し、加熱もしくは冷却が充分行なえ
ない欠点を解消する。 【解決手段】 ICモジュール4、印刷5a、5b等を
備えた基材2の片面に、記録に先立って、加熱もしくは
冷却を要する磁気記録層3bを有し、その上を熱伝導性
の高い隠蔽層7bで被覆し、課題を解消することができ
た。反対面に通常の磁気記録層3a、通常の隠蔽層7a
を有していてもよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に関
するものであって、常温では記録ができないが、常温よ
りも高い温度で加熱した後か、または低い温度で冷却し
た後に、記録が行なえる特殊な磁気記録層と、その磁気
記録層を隠蔽する隠蔽層とを有し、しかも、その隠蔽層
により磁気記録層への加熱効果もしくは冷却効果が妨げ
られることのない、改良された磁気記録媒体に関する。
するものであって、常温では記録ができないが、常温よ
りも高い温度で加熱した後か、または低い温度で冷却し
た後に、記録が行なえる特殊な磁気記録層と、その磁気
記録層を隠蔽する隠蔽層とを有し、しかも、その隠蔽層
により磁気記録層への加熱効果もしくは冷却効果が妨げ
られることのない、改良された磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】基材に磁性材を含有する層を積層して磁
気記録層とした磁気記録媒体は種々の用途において使用
されており、具体的には、プリペイドカード、定期券、
乗車券、入場券、競輪・競馬等の投票券、商品券、株
券、証書、預貯金用通帳、もしくは磁気タグ等の金券や
証券、預貯金用カード、クレジットカード、IDカード
(例えば身分証明書)、もしくは会員カード等のカード
類、磁気テープ、磁気転写テープ、または磁気ラベル等
がある。
気記録層とした磁気記録媒体は種々の用途において使用
されており、具体的には、プリペイドカード、定期券、
乗車券、入場券、競輪・競馬等の投票券、商品券、株
券、証書、預貯金用通帳、もしくは磁気タグ等の金券や
証券、預貯金用カード、クレジットカード、IDカード
(例えば身分証明書)、もしくは会員カード等のカード
類、磁気テープ、磁気転写テープ、または磁気ラベル等
がある。
【0003】これらの磁気記録媒体は、磁気記録層に対
して専用の書込み機、および読取り機を用いて書込みを
行ない、記録された情報を手軽に読取れないよう注意が
払われている。しかしながら、上記のような磁気記録媒
体が使われ始めてから、既に長い年月を経過しているた
め、磁気記録層への書込みや読取りに関する知識に触れ
ることができる人が増え、書込み機、および読取り機の
台数も増加したため、不正な意図を持って磁気記録媒体
に記録された情報を改ざんするか、記録が施されていな
い状態のカードに不正な情報を書込むか、あるいはカー
ドを偽造して不正な情報を書込む等の不正が行なわれる
ケースも増えている。
して専用の書込み機、および読取り機を用いて書込みを
行ない、記録された情報を手軽に読取れないよう注意が
払われている。しかしながら、上記のような磁気記録媒
体が使われ始めてから、既に長い年月を経過しているた
め、磁気記録層への書込みや読取りに関する知識に触れ
ることができる人が増え、書込み機、および読取り機の
台数も増加したため、不正な意図を持って磁気記録媒体
に記録された情報を改ざんするか、記録が施されていな
い状態のカードに不正な情報を書込むか、あるいはカー
ドを偽造して不正な情報を書込む等の不正が行なわれる
ケースも増えている。
【0004】そこで、磁気記録層を構成する磁性材を変
更し、書込みや読取りを通常の手段では困難にする試み
がなされている。例えば、特開平8−241518号公
報には、化粧材上に、低キュリー点で高保磁力の磁性材
を含む第1磁性層と、高キュリー点で低保磁力の磁性材
を含む第2磁性層とを順に積層した磁気記録媒体を用
い、磁気記録媒体を加熱して、第1磁性層の保磁力を下
げ、飽和書込み電流値を低下させて、第1磁性層および
第2磁性層の同時書込みを可能とし、しかも、加熱を伴
わない限り、第1磁性層および第2磁性層の磁気情報の
同時書替えを困難としたことが記載されている。また、
この公報には、バインダー樹脂、顔料、および必要に応
じ磁気ヘッドのクリーニング効果を持たせるよう、酸化
チタン、アルミナ粉末、マイクロシリカ等、およびその
他の添加剤を添加して作成したインキ等を使用して作成
した隠蔽層を形成してもよい旨が記載されている。
更し、書込みや読取りを通常の手段では困難にする試み
がなされている。例えば、特開平8−241518号公
報には、化粧材上に、低キュリー点で高保磁力の磁性材
を含む第1磁性層と、高キュリー点で低保磁力の磁性材
を含む第2磁性層とを順に積層した磁気記録媒体を用
い、磁気記録媒体を加熱して、第1磁性層の保磁力を下
げ、飽和書込み電流値を低下させて、第1磁性層および
第2磁性層の同時書込みを可能とし、しかも、加熱を伴
わない限り、第1磁性層および第2磁性層の磁気情報の
同時書替えを困難としたことが記載されている。また、
この公報には、バインダー樹脂、顔料、および必要に応
じ磁気ヘッドのクリーニング効果を持たせるよう、酸化
チタン、アルミナ粉末、マイクロシリカ等、およびその
他の添加剤を添加して作成したインキ等を使用して作成
した隠蔽層を形成してもよい旨が記載されている。
【0005】また、特開平9−297917号公報に
は、磁性粉末として、MnBiを主体とする磁性粉末
と、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉
末とを含有する磁性層を有する磁気記録媒体の磁性層
を、低温に冷却して消磁状態にした後、任意に書き換え
ができる信号と、さらに、一度記録すると書き換えが困
難な信号とを記録することが記載されている。
は、磁性粉末として、MnBiを主体とする磁性粉末
と、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉
末とを含有する磁性層を有する磁気記録媒体の磁性層
を、低温に冷却して消磁状態にした後、任意に書き換え
ができる信号と、さらに、一度記録すると書き換えが困
難な信号とを記録することが記載されている。
【0006】ところで、磁気記録媒体の磁気記録層上に
は、隠蔽層が積層されているのが普通である。隠蔽層の
形成の目的は、茶褐色等の暗い色彩で見栄えのよくない
磁気記録層を覆って、デザイン上の可能性を拡大する美
観上の点と、磁気記録層が設けられた場所が分からない
ようにして、不正な意図での書込み、読取り、もしくは
書き換えを防止する、いわゆる「偽造防止」の点の二点
である。例えば、特公平4−62129号公報には、磁
性層上に、隠蔽性の大きい鱗片状物を分散させた隠蔽層
を印刷し、さらに隠蔽層上に着色層を形成した着色磁気
記録媒体が記載されている。
は、隠蔽層が積層されているのが普通である。隠蔽層の
形成の目的は、茶褐色等の暗い色彩で見栄えのよくない
磁気記録層を覆って、デザイン上の可能性を拡大する美
観上の点と、磁気記録層が設けられた場所が分からない
ようにして、不正な意図での書込み、読取り、もしくは
書き換えを防止する、いわゆる「偽造防止」の点の二点
である。例えば、特公平4−62129号公報には、磁
性層上に、隠蔽性の大きい鱗片状物を分散させた隠蔽層
を印刷し、さらに隠蔽層上に着色層を形成した着色磁気
記録媒体が記載されている。
【0007】しかし、上記した特開平8−241518
号公報に記載された隠蔽層を伴った磁気記録媒体におい
ても、あるいはその隠蔽層を、仮に、上記した特公平4
−62129号公報に記載されるような隠蔽層や、着色
層に置き換えたもの、もしくは特開平9−297917
号公報に記載されたような、冷却した後に記録する方式
で使用される磁気記録媒体に、仮に、上記した特公平4
−62129号公報に記載されるような隠蔽層や、着色
層を被覆したものを想定しても、いずれにおいても、上
記した美観的な問題点や不正な意図での書込み、読取
り、もしくは書き換えを防止する点は満足するとして
も、磁気記録層への記録が行なえなくなる欠点が生じ
る。
号公報に記載された隠蔽層を伴った磁気記録媒体におい
ても、あるいはその隠蔽層を、仮に、上記した特公平4
−62129号公報に記載されるような隠蔽層や、着色
層に置き換えたもの、もしくは特開平9−297917
号公報に記載されたような、冷却した後に記録する方式
で使用される磁気記録媒体に、仮に、上記した特公平4
−62129号公報に記載されるような隠蔽層や、着色
層を被覆したものを想定しても、いずれにおいても、上
記した美観的な問題点や不正な意図での書込み、読取
り、もしくは書き換えを防止する点は満足するとして
も、磁気記録層への記録が行なえなくなる欠点が生じ
る。
【0008】この理由は、磁気記録に先立って行なう加
熱工程もしくは冷却工程において、磁気記録媒体の最表
面の隠蔽層を加熱もしくは冷却しても、合成樹脂や隠蔽
のための顔料等を主体とする隠蔽層は、熱伝導性が不十
分なために、磁性層が充分加熱されないか、もしくは冷
却されないためで、特に隠蔽性を向上させる目的で隠蔽
層の厚みを厚くするに従い、この熱伝導性の低下による
障害が著しい。
熱工程もしくは冷却工程において、磁気記録媒体の最表
面の隠蔽層を加熱もしくは冷却しても、合成樹脂や隠蔽
のための顔料等を主体とする隠蔽層は、熱伝導性が不十
分なために、磁性層が充分加熱されないか、もしくは冷
却されないためで、特に隠蔽性を向上させる目的で隠蔽
層の厚みを厚くするに従い、この熱伝導性の低下による
障害が著しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、次
の各事項を課題とするものである。即ち、磁気記録層の
さらに上に積層された隠蔽層の熱伝導性を向上させた磁
気記録媒体を提供すること、そのための具体的な熱伝導
性物質を含有する隠蔽層を備えた磁気記録媒体を提供す
ること、このような隠蔽層を活かす加熱下もしくは冷却
下で記録する磁気記録層を備えた磁気記録媒体を提供す
ること、加熱下もしくは冷却下で記録する磁気記録層と
通常の磁気記録層を兼ね備えた具体的にセキュリティ性
の高い磁気記録媒体を提供すること、熱伝導性物質を好
ましい範囲で含有した隠蔽層を備えた磁気記録媒体を提
供すること、および、好ましい厚みの隠蔽層を備えた磁
気記録媒体を提供することである。
の各事項を課題とするものである。即ち、磁気記録層の
さらに上に積層された隠蔽層の熱伝導性を向上させた磁
気記録媒体を提供すること、そのための具体的な熱伝導
性物質を含有する隠蔽層を備えた磁気記録媒体を提供す
ること、このような隠蔽層を活かす加熱下もしくは冷却
下で記録する磁気記録層を備えた磁気記録媒体を提供す
ること、加熱下もしくは冷却下で記録する磁気記録層と
通常の磁気記録層を兼ね備えた具体的にセキュリティ性
の高い磁気記録媒体を提供すること、熱伝導性物質を好
ましい範囲で含有した隠蔽層を備えた磁気記録媒体を提
供すること、および、好ましい厚みの隠蔽層を備えた磁
気記録媒体を提供することである。
【0010】
【課題を解決する手段】上記の課題は、隠蔽層に、−1
00℃〜+100℃での熱伝導率が50W/(m・℃)
以上の金属の粉末もしくは合金の粉末、具体的には、A
l、Au、Ag、Cu、Sn、黄銅、もしくは青銅から
選ばれたものを使用すること、この隠蔽層で隠蔽される
磁気記録層としては、常温での抗磁力が4200Oeを
超えており、加熱下もしくは冷却下での抗磁力が420
0Oe以下の磁性材を含有するものを使用すること、さ
らに、常温での抗磁力が300Oe〜8000Oeであ
る磁性材を含有する通常の磁気記録層を使用すること、
隠蔽層中の前記金属の粉末もしくは前記合金の粉末が3
質量部〜95質量部であること、および、隠蔽層の厚み
が0.5μm〜15μmであること、等により解決する
ことができた。
00℃〜+100℃での熱伝導率が50W/(m・℃)
以上の金属の粉末もしくは合金の粉末、具体的には、A
l、Au、Ag、Cu、Sn、黄銅、もしくは青銅から
選ばれたものを使用すること、この隠蔽層で隠蔽される
磁気記録層としては、常温での抗磁力が4200Oeを
超えており、加熱下もしくは冷却下での抗磁力が420
0Oe以下の磁性材を含有するものを使用すること、さ
らに、常温での抗磁力が300Oe〜8000Oeであ
る磁性材を含有する通常の磁気記録層を使用すること、
隠蔽層中の前記金属の粉末もしくは前記合金の粉末が3
質量部〜95質量部であること、および、隠蔽層の厚み
が0.5μm〜15μmであること、等により解決する
ことができた。
【0011】第1の発明は、基材上の一部に磁気記録層
が積層され、前記磁気記録層上の少なくとも一部を覆っ
て磁気記録層を隠蔽する隠蔽層が積層された構造を有し
ており、前記隠蔽層が、−100℃〜+100℃での熱
伝導率が50W/(m・℃)以上の金属の粉末もしくは
合金の粉末を含有することによる熱伝導性を有するもの
であることを特徴とする磁気記録媒体に関するものであ
る。第2の発明は、第1の発明において、前記の−10
0℃〜+100℃での熱伝導率が50W/(m・℃)以
上の金属の粉末もしくは合金の粉末が、Al、Au、A
g、Cu、Sn、黄銅、もしくは青銅から選ばれたもの
であることを特徴とする磁気記録媒体に関するものであ
る。第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記
磁気記録層が、常温での抗磁力が4200Oeを超えて
おり、加熱下もしくは冷却下での抗磁力が4200Oe
以下の磁性材を含有する磁気記録媒体に関するものであ
る。第4の発明は、第3の発明において、前記磁気記録
層が、常温での抗磁力が4200Oeを超えており、加
熱下もしくは冷却下での抗磁力が4200Oe以下の磁
性材と、常温での抗磁力が300Oe〜8000Oeで
ある通常の磁性材とを含有することを特徴とする請求項
3記載の磁気記録媒体に関するものである。第5の発明
は、第1〜第4いずれかの発明において、前記磁気記録
層が、常温での抗磁力が4200Oeを超えており、加
熱下もしくは冷却下での抗磁力が4200Oe以下の磁
性材を含有する磁気記録層と、常温での抗磁力が300
Oe〜8000Oeである通常の磁性材を含有する磁気
記録層とからなる二層以上の層からなることを特徴とす
る請求項1〜4いずれか記載の磁気記録媒体に関するも
のである。第6の発明は、第1〜第5いずれかの発明に
おいて、前記隠蔽層における前記金属の粉末もしくは前
記合金の粉末が3質量部〜95質量部であることを特徴
とする磁気記録媒体に関するものである。第7の発明
は、第1〜第6いずれかの発明において、前記隠蔽層の
厚みが0.5μm〜15μmであることを特徴とする磁
気記録媒体に関するものである。
が積層され、前記磁気記録層上の少なくとも一部を覆っ
て磁気記録層を隠蔽する隠蔽層が積層された構造を有し
ており、前記隠蔽層が、−100℃〜+100℃での熱
伝導率が50W/(m・℃)以上の金属の粉末もしくは
合金の粉末を含有することによる熱伝導性を有するもの
であることを特徴とする磁気記録媒体に関するものであ
る。第2の発明は、第1の発明において、前記の−10
0℃〜+100℃での熱伝導率が50W/(m・℃)以
上の金属の粉末もしくは合金の粉末が、Al、Au、A
g、Cu、Sn、黄銅、もしくは青銅から選ばれたもの
であることを特徴とする磁気記録媒体に関するものであ
る。第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記
磁気記録層が、常温での抗磁力が4200Oeを超えて
おり、加熱下もしくは冷却下での抗磁力が4200Oe
以下の磁性材を含有する磁気記録媒体に関するものであ
る。第4の発明は、第3の発明において、前記磁気記録
層が、常温での抗磁力が4200Oeを超えており、加
熱下もしくは冷却下での抗磁力が4200Oe以下の磁
性材と、常温での抗磁力が300Oe〜8000Oeで
ある通常の磁性材とを含有することを特徴とする請求項
3記載の磁気記録媒体に関するものである。第5の発明
は、第1〜第4いずれかの発明において、前記磁気記録
層が、常温での抗磁力が4200Oeを超えており、加
熱下もしくは冷却下での抗磁力が4200Oe以下の磁
性材を含有する磁気記録層と、常温での抗磁力が300
Oe〜8000Oeである通常の磁性材を含有する磁気
記録層とからなる二層以上の層からなることを特徴とす
る請求項1〜4いずれか記載の磁気記録媒体に関するも
のである。第6の発明は、第1〜第5いずれかの発明に
おいて、前記隠蔽層における前記金属の粉末もしくは前
記合金の粉末が3質量部〜95質量部であることを特徴
とする磁気記録媒体に関するものである。第7の発明
は、第1〜第6いずれかの発明において、前記隠蔽層の
厚みが0.5μm〜15μmであることを特徴とする磁
気記録媒体に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】図1および図2は、いずれも本発
明の磁気記録媒体1をカードに適用した場合の好ましい
実施例を示すものである。図1に示す例において、本発
明の磁気記録媒体1には、カード基材2上に磁気記録層
3が積層され、ICモジュール4が埋め込まれており、
任意のデザインやカード名等を示す印刷5が施され、エ
ンボス加工による浮き出し文字6が設けられている。ま
た、カード基材2のICモジュール4が埋め込まれてい
る部分を除いた全面には、隠蔽層7が積層されている。
明の磁気記録媒体1をカードに適用した場合の好ましい
実施例を示すものである。図1に示す例において、本発
明の磁気記録媒体1には、カード基材2上に磁気記録層
3が積層され、ICモジュール4が埋め込まれており、
任意のデザインやカード名等を示す印刷5が施され、エ
ンボス加工による浮き出し文字6が設けられている。ま
た、カード基材2のICモジュール4が埋め込まれてい
る部分を除いた全面には、隠蔽層7が積層されている。
【0013】図2は、図1に示す磁気記録媒体1の積層
構造を示す断面図で、カード基材2は、上から順に、透
明なオーバーシート2O、光遮蔽性の2枚のコアシート
2Cおよび2C’、ならびに透明なオーバーシート2
O’の4枚のシートの積層体から構成され、通常、表裏
から見える印刷5a、および5bは、上側のコアシート
2Cの上面、および下側のコアシート2C’の下面に施
されており、それぞれが上側のオーバーシート2Oおよ
び下側のオーバーシート2O’により被覆されている。
なお、引用する図の符号中、数字に添える「a」は、カ
ード1もしくはカード基材2の上面側を、また「b」
は、カード1もしくはカード基材2の下面側を示すもの
とする。
構造を示す断面図で、カード基材2は、上から順に、透
明なオーバーシート2O、光遮蔽性の2枚のコアシート
2Cおよび2C’、ならびに透明なオーバーシート2
O’の4枚のシートの積層体から構成され、通常、表裏
から見える印刷5a、および5bは、上側のコアシート
2Cの上面、および下側のコアシート2C’の下面に施
されており、それぞれが上側のオーバーシート2Oおよ
び下側のオーバーシート2O’により被覆されている。
なお、引用する図の符号中、数字に添える「a」は、カ
ード1もしくはカード基材2の上面側を、また「b」
は、カード1もしくはカード基材2の下面側を示すもの
とする。
【0014】磁気記録層は、二つの層3a、および3b
からなっており、上側の磁気記録層3aは、オーバーシ
ート2Oの上面に、層3aの上面がオーバーシート2O
の上面と同一平面になるよう埋め込まれ、下側の磁気記
録層3bは、オーバーシート2O’の下面に、層3bの
下面がオーバーシート2O’の下面と同一平面になるよ
う埋め込まれている。これら磁気記録層3a、および3
bを覆って、上側の隠蔽層7a、および下側の隠蔽層7
bが積層されている。
からなっており、上側の磁気記録層3aは、オーバーシ
ート2Oの上面に、層3aの上面がオーバーシート2O
の上面と同一平面になるよう埋め込まれ、下側の磁気記
録層3bは、オーバーシート2O’の下面に、層3bの
下面がオーバーシート2O’の下面と同一平面になるよ
う埋め込まれている。これら磁気記録層3a、および3
bを覆って、上側の隠蔽層7a、および下側の隠蔽層7
bが積層されている。
【0015】さらに、上側の隠蔽層7aおよびカード基
材2にはICモジュール4が、上側の隠蔽層7a、上側
のオーバーシート2Oおよび上側のコアシート2Cの各
層を貫通して、かつ、下側のコアシート2C’の厚みの
途中までに到達するザグリ穴8に、ICモジュールの上
面が上側の隠蔽層7aの上面と同一平面になるよう埋め
込まれている。また、上下の隠蔽層7aおよび7b、な
らびにカード基材2全体に、エンボス加工による浮き出
し文字6が、通常、上面側から見て凸状となるように、
従って、下面側から見て凹状となるように設けられてい
る。
材2にはICモジュール4が、上側の隠蔽層7a、上側
のオーバーシート2Oおよび上側のコアシート2Cの各
層を貫通して、かつ、下側のコアシート2C’の厚みの
途中までに到達するザグリ穴8に、ICモジュールの上
面が上側の隠蔽層7aの上面と同一平面になるよう埋め
込まれている。また、上下の隠蔽層7aおよび7b、な
らびにカード基材2全体に、エンボス加工による浮き出
し文字6が、通常、上面側から見て凸状となるように、
従って、下面側から見て凹状となるように設けられてい
る。
【0016】図1および図2を引用して説明した磁気記
録媒体1は、カードの一例を示すもので、カード基材2
を構成するシートの枚数、磁気記録層の数、ICモジュ
ール4を埋め込むかどうか等は任意に選択でき、また、
公知の他の情報記録手段を併用することもできる。
録媒体1は、カードの一例を示すもので、カード基材2
を構成するシートの枚数、磁気記録層の数、ICモジュ
ール4を埋め込むかどうか等は任意に選択でき、また、
公知の他の情報記録手段を併用することもできる。
【0017】磁気記録媒体1の基材2としては、紙、プ
ラスチックシート、もしくは金属箔又は金属板等を単独
か、又は組合せて使用する。用途によって必要な剛性、
フレキシブルさ、加工の際の接着性、印刷適性、必要で
あればエンボス適性等を考慮して選択し、使用する。カ
ードの場合であれば、加工の適性から現在では塩化ビニ
ル樹脂製のシートが使われる事が多い。そのほか、プラ
スチックシートとしては、ポリアミド樹脂(ナイロン樹
脂)、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリア
セテート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレン
テレフタレート樹脂等)、ポリイミド樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂のやポリオレフィン系樹脂、その他の樹脂の
シートも使用できる。カード等の用途で、より耐熱性が
要求され、しかもエンボス適性も必要なときには、非結
晶性ポリエステル樹脂のシートを使用するとよく、また
より高度な耐熱性が要求される場合には、非結晶性ポリ
エステル樹脂とポリカーボネート樹脂とのブレンド樹脂
のシート等も使用できる。
ラスチックシート、もしくは金属箔又は金属板等を単独
か、又は組合せて使用する。用途によって必要な剛性、
フレキシブルさ、加工の際の接着性、印刷適性、必要で
あればエンボス適性等を考慮して選択し、使用する。カ
ードの場合であれば、加工の適性から現在では塩化ビニ
ル樹脂製のシートが使われる事が多い。そのほか、プラ
スチックシートとしては、ポリアミド樹脂(ナイロン樹
脂)、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリア
セテート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレン
テレフタレート樹脂等)、ポリイミド樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂のやポリオレフィン系樹脂、その他の樹脂の
シートも使用できる。カード等の用途で、より耐熱性が
要求され、しかもエンボス適性も必要なときには、非結
晶性ポリエステル樹脂のシートを使用するとよく、また
より高度な耐熱性が要求される場合には、非結晶性ポリ
エステル樹脂とポリカーボネート樹脂とのブレンド樹脂
のシート等も使用できる。
【0018】磁気記録層3aおよび3bを構成する磁性
材としては、磁気記録層が複数あるときは少なくともそ
の一つが、常温での抗磁力が42000eを超えてお
り、加熱下もしくは冷却下での抗磁力が4200Oe以
下の磁性材を含有するものであることが望ましい。ま
た、それ以外の磁気記録層を構成する磁性材としては、
通常の磁性材を含有するものであってもよい。
材としては、磁気記録層が複数あるときは少なくともそ
の一つが、常温での抗磁力が42000eを超えてお
り、加熱下もしくは冷却下での抗磁力が4200Oe以
下の磁性材を含有するものであることが望ましい。ま
た、それ以外の磁気記録層を構成する磁性材としては、
通常の磁性材を含有するものであってもよい。
【0019】常温での抗磁力が4200Oeを超えてお
り、加熱下もしくは冷却下での抗磁力が4200Oe以
下の磁性材としては、(1)特開平8−241518号
公報に開示されるような低キュリー点と5000〜20
000Oeの範囲の高保磁力を持つ磁性材と、(2)特
開平9−297917号公報に開示されるようなMnB
iが例示される。なお、抗磁力4200Oeとは、この
値を超えると、現状の磁気ヘッドの素材上の制約から、
飽和記録ができず、記録状態が不安定になり、記録情報
の読み出しの信頼性が低下する点である。4200Oe
を超えていれば、既存の書込み装置では、常温で書込み
ができないため、不正な書込みに対抗できるとされてい
るが、正当な権限を有する者も記録ができない。そこ
で、本発明においては、常温では書込み不可能な、即
ち、4200Oeを超える抗磁力を有し、加熱下もしく
は冷却下では書込み可能な、即ち4200Oe以下の抗
磁力を有する磁性材を使用するものである。これら
(1)および(2)の磁性材は、後に述べるように、各
々の単独で、各々を通常の磁性材と併用して、または、
(1)および(2)を併用して、もしくは(1)、
(2)および通常の磁性材を併用する等の使用が可能で
ある。
り、加熱下もしくは冷却下での抗磁力が4200Oe以
下の磁性材としては、(1)特開平8−241518号
公報に開示されるような低キュリー点と5000〜20
000Oeの範囲の高保磁力を持つ磁性材と、(2)特
開平9−297917号公報に開示されるようなMnB
iが例示される。なお、抗磁力4200Oeとは、この
値を超えると、現状の磁気ヘッドの素材上の制約から、
飽和記録ができず、記録状態が不安定になり、記録情報
の読み出しの信頼性が低下する点である。4200Oe
を超えていれば、既存の書込み装置では、常温で書込み
ができないため、不正な書込みに対抗できるとされてい
るが、正当な権限を有する者も記録ができない。そこ
で、本発明においては、常温では書込み不可能な、即
ち、4200Oeを超える抗磁力を有し、加熱下もしく
は冷却下では書込み可能な、即ち4200Oe以下の抗
磁力を有する磁性材を使用するものである。これら
(1)および(2)の磁性材は、後に述べるように、各
々の単独で、各々を通常の磁性材と併用して、または、
(1)および(2)を併用して、もしくは(1)、
(2)および通常の磁性材を併用する等の使用が可能で
ある。
【0020】上記(1)の特開平8−241518号公
報に開示されるような低キュリー点と5000〜200
00Oeの範囲の高保磁力を持つ磁性材としては、Ba
フェライト、Srフェライト、AO・n{(Fe1-x-y
CrxZny)2O3)}、AO・n{(Fe1-xCrx)2
O3)}、AO・n{(Fe1-xAlx)2O3)}、AO
・n{(Fe1-xGax)2O3)}、AO・n{(Fe
1-x-y-zGaxCryAlz) 2O3)}、AO・n{(Fe
1-x-yCrxGay)2O3)}で表されるようなSrフェ
ライト、Baフェライト類、Nd−Fe−B−Mn、N
d−Fe−B−Mn−Al、Nd−Fe−B−Mn−C
r、Nd−Fe−B−Mn−Al−Cr等の、Nd−F
e−B系合金類等が挙げられ、そのキュリー点が50〜
200℃程度のものを選択する。なお、上記の表記中、
AはSrもしくはBaのうち1種または2種を表し、n
は5〜6である。
報に開示されるような低キュリー点と5000〜200
00Oeの範囲の高保磁力を持つ磁性材としては、Ba
フェライト、Srフェライト、AO・n{(Fe1-x-y
CrxZny)2O3)}、AO・n{(Fe1-xCrx)2
O3)}、AO・n{(Fe1-xAlx)2O3)}、AO
・n{(Fe1-xGax)2O3)}、AO・n{(Fe
1-x-y-zGaxCryAlz) 2O3)}、AO・n{(Fe
1-x-yCrxGay)2O3)}で表されるようなSrフェ
ライト、Baフェライト類、Nd−Fe−B−Mn、N
d−Fe−B−Mn−Al、Nd−Fe−B−Mn−C
r、Nd−Fe−B−Mn−Al−Cr等の、Nd−F
e−B系合金類等が挙げられ、そのキュリー点が50〜
200℃程度のものを選択する。なお、上記の表記中、
AはSrもしくはBaのうち1種または2種を表し、n
は5〜6である。
【0021】上記の(1)の磁性材を含有する磁気記録
層は、そのキュリー点をTc(℃)とするとき、Tc
(℃)以下で、Tc−30℃以上の範囲、もしくはTc
(℃)以下で、0.5Tc以上の範囲の加熱温度で加熱
すると、その磁性材を含有するの保磁力が下がり、飽和
書込み電流値を低下させることができるので、加熱を除
けば、通常の装置を用いての書込みが可能である。
層は、そのキュリー点をTc(℃)とするとき、Tc
(℃)以下で、Tc−30℃以上の範囲、もしくはTc
(℃)以下で、0.5Tc以上の範囲の加熱温度で加熱
すると、その磁性材を含有するの保磁力が下がり、飽和
書込み電流値を低下させることができるので、加熱を除
けば、通常の装置を用いての書込みが可能である。
【0022】また、上記(1)の磁性材を含有する磁気
記録層を第1の磁気記録層として、基材上に積層してお
き、さらにその上に、通常の高キュリー点で、10〜3
000Oeの範囲の低保磁力を持つ通常の磁性材を含有
する第2の磁気記録層を積層しておけば、上記のように
加熱した後、第1の磁気記録層と第2に磁気記録層との
両方に同時に書込みが可能になる。第1の磁気記録層と
第2の磁気記録層とは、互いに積層せず、並べたり、並
べる際にも互いに接するように並べても、間隔をあけて
並べてもよく、または、磁気記録媒体1の片側の面と反
対側の面とに分けて積層してあってもよい。あるいは同
一磁気記録層内に上記(1)の磁性材と通常の磁性材と
を共存させてもよい。
記録層を第1の磁気記録層として、基材上に積層してお
き、さらにその上に、通常の高キュリー点で、10〜3
000Oeの範囲の低保磁力を持つ通常の磁性材を含有
する第2の磁気記録層を積層しておけば、上記のように
加熱した後、第1の磁気記録層と第2に磁気記録層との
両方に同時に書込みが可能になる。第1の磁気記録層と
第2の磁気記録層とは、互いに積層せず、並べたり、並
べる際にも互いに接するように並べても、間隔をあけて
並べてもよく、または、磁気記録媒体1の片側の面と反
対側の面とに分けて積層してあってもよい。あるいは同
一磁気記録層内に上記(1)の磁性材と通常の磁性材と
を共存させてもよい。
【0023】上記(2)の特開平9−297917号公
報に開示されるようなMnBiは、室温では保磁力が1
2000Oeと高いが、温度が下がると保磁力が低下し
て、100°Kでは、1500Oe以下となるものであ
って、冷却して低温にすることにより消磁することがで
きる。この消磁した状態で通常の装置を用いて書込みを
行なうと、保磁力が14000Oe程度と極めて大きく
なり、書き換えが困難となる。
報に開示されるようなMnBiは、室温では保磁力が1
2000Oeと高いが、温度が下がると保磁力が低下し
て、100°Kでは、1500Oe以下となるものであ
って、冷却して低温にすることにより消磁することがで
きる。この消磁した状態で通常の装置を用いて書込みを
行なうと、保磁力が14000Oe程度と極めて大きく
なり、書き換えが困難となる。
【0024】上記(2)の磁性材に加えて、(1)に関
連して挙げたような、通常の磁性材を併用してもよい。
併用のしかたは、(1)に関連して挙げたのと同様で、
各々の磁性材を含有する磁気記録層を重ねたり、互いに
積層せず、並べたり、並べる際にも互いに接するように
並べても、間隔をあけて並べてもよく、または、磁気記
録媒体1の片側の面と反対側の面とに分けて積層してあ
ってもよい。あるいは同一磁気記録層内に上記(2)の
磁性材と通常の磁性材とを共存させてもよい。
連して挙げたような、通常の磁性材を併用してもよい。
併用のしかたは、(1)に関連して挙げたのと同様で、
各々の磁性材を含有する磁気記録層を重ねたり、互いに
積層せず、並べたり、並べる際にも互いに接するように
並べても、間隔をあけて並べてもよく、または、磁気記
録媒体1の片側の面と反対側の面とに分けて積層してあ
ってもよい。あるいは同一磁気記録層内に上記(2)の
磁性材と通常の磁性材とを共存させてもよい。
【0025】上記(2)の磁性体と通常の磁性材の両方
を含有する磁気記録層を有する磁気記録媒体を冷却して
低温にすることにより消磁し、消磁した状態で通常の装
置を用いて書込みを行なうと、上記(2)の磁性体およ
び通常の磁性体のいずれにも書込みが行なわれるが、M
nBiに記録された情報は書込みや消去が困難であるの
で、消えてしまっては困るデータを記録するのに適して
いる。また、上記(2)の磁性材と通常の磁性材の両方
を含有する磁気記録層を有する磁気記録媒体を冷却して
低温にすることにより消磁し、一定の領域にのみ磁界を
印可してこの領域を磁化し、その後、通常の装置を用い
て書込みを行なうことにより、書き換え可能な記録が行
なえる。
を含有する磁気記録層を有する磁気記録媒体を冷却して
低温にすることにより消磁し、消磁した状態で通常の装
置を用いて書込みを行なうと、上記(2)の磁性体およ
び通常の磁性体のいずれにも書込みが行なわれるが、M
nBiに記録された情報は書込みや消去が困難であるの
で、消えてしまっては困るデータを記録するのに適して
いる。また、上記(2)の磁性材と通常の磁性材の両方
を含有する磁気記録層を有する磁気記録媒体を冷却して
低温にすることにより消磁し、一定の領域にのみ磁界を
印可してこの領域を磁化し、その後、通常の装置を用い
て書込みを行なうことにより、書き換え可能な記録が行
なえる。
【0026】上記(1)および(2)の磁性材、ならび
に必要に応じて併用する通常の磁性材は、磁性材の微粒
子を、バインダー樹脂、溶剤、希釈剤等と混合し、分散
して得られる磁気記録層形成用のインキ組成物もしくは
塗料組成物を、公知の塗付方法、例えば、グラビアコー
ティング法、ロールコーティング法、ナイフエッジ法等
により基材2上に直接塗布し、乾燥等により硬化させ
て、磁気記録層3a、もしくは3bとすることができ
る。あるいは、基材とは別の被塗付体に塗付し形成した
ものを接着剤を介する等して基材2上に貼るか、剥離性
の被塗付体に塗付し形成したものを接着剤を介する等し
て基材2上に転写してもよい。あるいは、磁性材を用い
て、真空蒸着法、スパッタリング、めっき等により薄膜
として形成してもよい。
に必要に応じて併用する通常の磁性材は、磁性材の微粒
子を、バインダー樹脂、溶剤、希釈剤等と混合し、分散
して得られる磁気記録層形成用のインキ組成物もしくは
塗料組成物を、公知の塗付方法、例えば、グラビアコー
ティング法、ロールコーティング法、ナイフエッジ法等
により基材2上に直接塗布し、乾燥等により硬化させ
て、磁気記録層3a、もしくは3bとすることができ
る。あるいは、基材とは別の被塗付体に塗付し形成した
ものを接着剤を介する等して基材2上に貼るか、剥離性
の被塗付体に塗付し形成したものを接着剤を介する等し
て基材2上に転写してもよい。あるいは、磁性材を用い
て、真空蒸着法、スパッタリング、めっき等により薄膜
として形成してもよい。
【0027】上記において、(1)もしくは(2)の磁
性材と併用し得る通常の磁性材としては、γ−Fe
2O3、Co接着γ−Fe2O3、Fe3O4、Fe、Fe−
Cr、Fe−Co、Co−Cr、Co−Ni、Baフェ
ライト、Srフェライト、CrO 2、Fe−Co、Fe−
Ni、Fe−Si−Al、Fe−Si−Cr等の磁性微
粒子が選ばれる。これら通常に磁性材を用いての磁気記
録層の形成については、既に述べた通りである。これら
のうちでも、Fe、Fe−Cr、Fe−Co、もしくは
Co−Cr等の合金、または酸化物を用いて、真空蒸着
法、スパッタリング、めっき等により薄膜として形成し
てもよい。
性材と併用し得る通常の磁性材としては、γ−Fe
2O3、Co接着γ−Fe2O3、Fe3O4、Fe、Fe−
Cr、Fe−Co、Co−Cr、Co−Ni、Baフェ
ライト、Srフェライト、CrO 2、Fe−Co、Fe−
Ni、Fe−Si−Al、Fe−Si−Cr等の磁性微
粒子が選ばれる。これら通常に磁性材を用いての磁気記
録層の形成については、既に述べた通りである。これら
のうちでも、Fe、Fe−Cr、Fe−Co、もしくは
Co−Cr等の合金、または酸化物を用いて、真空蒸着
法、スパッタリング、めっき等により薄膜として形成し
てもよい。
【0028】磁気記録層形成用のインキ組成物もしくは
塗料組成物に用いるバインダー樹脂としては、ポリビニ
ルブチラール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース
系樹脂、アクリル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合体
樹脂、等を用いることができ、必要に応じて、ニトリル
ゴム等のゴム系樹脂、もしくはウレタンエラストマー等
が添加される。また耐熱性を考慮して、ポリアミド、ポ
リアミド樹脂、ポリイミド樹脂、もしくはポリエーテル
サルフォン等のガラス転移点の高い樹脂、あるいは硬化
反応によりガラス転移点が上昇する系を用いることがで
きる。
塗料組成物に用いるバインダー樹脂としては、ポリビニ
ルブチラール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース
系樹脂、アクリル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合体
樹脂、等を用いることができ、必要に応じて、ニトリル
ゴム等のゴム系樹脂、もしくはウレタンエラストマー等
が添加される。また耐熱性を考慮して、ポリアミド、ポ
リアミド樹脂、ポリイミド樹脂、もしくはポリエーテル
サルフォン等のガラス転移点の高い樹脂、あるいは硬化
反応によりガラス転移点が上昇する系を用いることがで
きる。
【0029】磁気記録層形成用のインキ組成物もしくは
塗料組成物には、これらのほか、必要に応じて、界面活
性剤、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、シリ
コーンオイル、もしくはカーボン等が添加してあっても
よい。
塗料組成物には、これらのほか、必要に応じて、界面活
性剤、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、シリ
コーンオイル、もしくはカーボン等が添加してあっても
よい。
【0030】磁気記録層3の厚みは、塗付方法によって
形成する際には、好ましくは、1〜100μm、より好
ましくは5〜20μm程度である。また、真空蒸着法、
スパッタリング、めっき等により形成する場合には、好
ましくは、10nm〜1μm、より好ましくは、50n
m〜200nmである。
形成する際には、好ましくは、1〜100μm、より好
ましくは5〜20μm程度である。また、真空蒸着法、
スパッタリング、めっき等により形成する場合には、好
ましくは、10nm〜1μm、より好ましくは、50n
m〜200nmである。
【0031】本発明の磁気記録媒体は、磁気記録層を構
成する前記(1)の磁性材に書込む場合には、書込みに
先立って加熱し、また前記(2)の磁性材に書込む場合
には、書込みに先立って冷却する必要がある。上記の加
熱、冷却を行なうには種々の方式があり得るが、加熱板
もしくは加熱ロール、または冷却板もしくは冷却ロール
等を用いる、熱伝導方式で行なうのがよい。しかし、熱
伝導方式の場合には、磁気記録媒体1の表面と磁気記録
層との間の隠蔽層の熱伝導性が問題となる。今までの、
磁気記録層を単に視覚的に隠蔽するのみの隠蔽層を磁気
記録層上に適用しても、熱伝導性が充分ではなく、充分
に加熱もしくは冷却するには、長時間、高温や低温にさ
らすことになり、カードの基材がカールしたり、印刷さ
れた図柄にクラックが生じたり、変色する等のダメージ
を受けるからである。
成する前記(1)の磁性材に書込む場合には、書込みに
先立って加熱し、また前記(2)の磁性材に書込む場合
には、書込みに先立って冷却する必要がある。上記の加
熱、冷却を行なうには種々の方式があり得るが、加熱板
もしくは加熱ロール、または冷却板もしくは冷却ロール
等を用いる、熱伝導方式で行なうのがよい。しかし、熱
伝導方式の場合には、磁気記録媒体1の表面と磁気記録
層との間の隠蔽層の熱伝導性が問題となる。今までの、
磁気記録層を単に視覚的に隠蔽するのみの隠蔽層を磁気
記録層上に適用しても、熱伝導性が充分ではなく、充分
に加熱もしくは冷却するには、長時間、高温や低温にさ
らすことになり、カードの基材がカールしたり、印刷さ
れた図柄にクラックが生じたり、変色する等のダメージ
を受けるからである。
【0032】本発明の磁気記録媒体1においては、磁気
記録層3を構成する磁性材が前記(1)の、書込みに先
立って加熱するタイプ、もしくは前記(2)の、書込み
に先立って冷却するタイプであるときは、隠蔽層7を熱
伝導性のある材料で構成した熱伝導性のあるものとする
必要があるため、隠蔽層7を、バインダー樹脂、二酸化
チタン等の隠蔽剤、および着色剤等からなる従来の隠蔽
層に替えて、少なくともバインダー樹脂と熱伝導性粉末
とで隠蔽層を構成する。特に熱伝導性粉末として金属も
しくは合金であって熱伝導性の高いものを選択して用い
る。
記録層3を構成する磁性材が前記(1)の、書込みに先
立って加熱するタイプ、もしくは前記(2)の、書込み
に先立って冷却するタイプであるときは、隠蔽層7を熱
伝導性のある材料で構成した熱伝導性のあるものとする
必要があるため、隠蔽層7を、バインダー樹脂、二酸化
チタン等の隠蔽剤、および着色剤等からなる従来の隠蔽
層に替えて、少なくともバインダー樹脂と熱伝導性粉末
とで隠蔽層を構成する。特に熱伝導性粉末として金属も
しくは合金であって熱伝導性の高いものを選択して用い
る。
【0033】熱伝導性粉末の熱伝導性としては、−10
0℃〜+100℃での熱伝導率が、50W/(m・℃)
以上であることが好ましく、この条件を満たす金属もし
くは合金としては、具体的には、Zn、Al、Ir、I
n、Cd、K、Au、Ag、Sn、W、Ta、Fe、C
u、Na、Ni、Pt、Pd、Be、Mg、もしくはM
o等の金属、もしくはこれらの金属を主体とする合金、
例えば、黄銅(例;Cu70%、Zn30%)もしくは
青銅(例;Cu90%、Sn10%)等が使用でき、1
種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。このう
ち、−100℃、0℃、および+100℃における熱伝
導率のうち、最も低い値が青銅の0℃における53(W
/(m・℃))、最も高いものがAgの−100℃にお
ける432(W/(m・℃))である 上記のうち、熱伝導性が高く、化学的に安定な点で、A
l、Au、Ag、Cu、Sn、黄銅、もしくは青銅を使
用することが好ましい。
0℃〜+100℃での熱伝導率が、50W/(m・℃)
以上であることが好ましく、この条件を満たす金属もし
くは合金としては、具体的には、Zn、Al、Ir、I
n、Cd、K、Au、Ag、Sn、W、Ta、Fe、C
u、Na、Ni、Pt、Pd、Be、Mg、もしくはM
o等の金属、もしくはこれらの金属を主体とする合金、
例えば、黄銅(例;Cu70%、Zn30%)もしくは
青銅(例;Cu90%、Sn10%)等が使用でき、1
種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。このう
ち、−100℃、0℃、および+100℃における熱伝
導率のうち、最も低い値が青銅の0℃における53(W
/(m・℃))、最も高いものがAgの−100℃にお
ける432(W/(m・℃))である 上記のうち、熱伝導性が高く、化学的に安定な点で、A
l、Au、Ag、Cu、Sn、黄銅、もしくは青銅を使
用することが好ましい。
【0034】また、上記の熱伝導性粉末の粒子は、形状
が鱗片状であり、粒径は0.01μm〜100μmが好
ましく、より好ましくは0.05〜80μmである。粒
径が0.01μm未満では十分な隠蔽性が得られず、1
00μmを超えると、隠蔽層と下層との密着性が不良と
なる。また、粒径が0.01μm〜100μmの好まし
い範囲内であっても、上記のより好ましい範囲を超えた
0.05μm未満では、隠蔽性が低くなるので、隠蔽層
の厚みを厚くする必要がある不利があり、また、80μ
mを超えると、隠蔽層と下層との密着性を確保する意味
で、使用できるバインダ樹脂の種類が限定される不利が
ある。
が鱗片状であり、粒径は0.01μm〜100μmが好
ましく、より好ましくは0.05〜80μmである。粒
径が0.01μm未満では十分な隠蔽性が得られず、1
00μmを超えると、隠蔽層と下層との密着性が不良と
なる。また、粒径が0.01μm〜100μmの好まし
い範囲内であっても、上記のより好ましい範囲を超えた
0.05μm未満では、隠蔽性が低くなるので、隠蔽層
の厚みを厚くする必要がある不利があり、また、80μ
mを超えると、隠蔽層と下層との密着性を確保する意味
で、使用できるバインダ樹脂の種類が限定される不利が
ある。
【0035】本発明における熱伝導性を有する隠蔽層7
は、バインダー樹脂、および上記の熱伝導性の金属もし
くは合金のほかに、必要に応じて二酸化チタン等の隠蔽
剤、染料もしくは顔料等の着色剤、並びにその他の添加
剤を添加してあってもよく、ただし、隠蔽層7中におけ
る上記の熱伝導性の金属もしくは合金の配合割合は、質
量基準で3〜95%であることが好ましく、より好まし
くは、5〜90%である。
は、バインダー樹脂、および上記の熱伝導性の金属もし
くは合金のほかに、必要に応じて二酸化チタン等の隠蔽
剤、染料もしくは顔料等の着色剤、並びにその他の添加
剤を添加してあってもよく、ただし、隠蔽層7中におけ
る上記の熱伝導性の金属もしくは合金の配合割合は、質
量基準で3〜95%であることが好ましく、より好まし
くは、5〜90%である。
【0036】隠蔽層7中における上記の熱伝導性の金属
もしくは合金の配合割合が3%未満であると充分な隠蔽
性が得られず、95%を超えるとバインダ樹脂が相対的
に不足するために、下層との密着不良が生じる。また、
3〜95%の好ましい範囲内であっても、上記のより好
ましい範囲を超えた5%未満であると、充分な隠蔽性を
達成するためには、隠蔽層の厚みを大きくする必要があ
り、磁気情報の読取り性の点で不利があり、また、90
%を超えると、隠蔽層と下層との密着性を確保する意味
で、使用できるバインダ樹脂の種類が限定される不利が
ある。
もしくは合金の配合割合が3%未満であると充分な隠蔽
性が得られず、95%を超えるとバインダ樹脂が相対的
に不足するために、下層との密着不良が生じる。また、
3〜95%の好ましい範囲内であっても、上記のより好
ましい範囲を超えた5%未満であると、充分な隠蔽性を
達成するためには、隠蔽層の厚みを大きくする必要があ
り、磁気情報の読取り性の点で不利があり、また、90
%を超えると、隠蔽層と下層との密着性を確保する意味
で、使用できるバインダ樹脂の種類が限定される不利が
ある。
【0037】隠蔽層7の形成は、バインダー樹脂、およ
び上記の熱伝導性の金属もしくは合金のほかに、必要に
応じて二酸化チタン等の隠蔽剤、染料もしくは顔料等の
着色剤、並びにその他の添加剤を、溶剤および希釈剤と
共に混合して、溶解もしくは分散させて得られる隠蔽層
形成用のインキ組成物もしくは塗料組成物を、公知の塗
付方法、例えば、グラビアコーティング法、ロールコー
ティング法、ナイフエッジ法等により基材2上の磁気記
録層3上に塗布し、乾燥等により硬化させて行なうこと
ができる。あるいは、基材とは別の被塗付体に塗付し形
成したものを接着剤を介する等して基材2上に貼るか、
剥離性の被塗付体に塗付し形成したものを接着剤を介す
る等して基材2上に転写してもよい。
び上記の熱伝導性の金属もしくは合金のほかに、必要に
応じて二酸化チタン等の隠蔽剤、染料もしくは顔料等の
着色剤、並びにその他の添加剤を、溶剤および希釈剤と
共に混合して、溶解もしくは分散させて得られる隠蔽層
形成用のインキ組成物もしくは塗料組成物を、公知の塗
付方法、例えば、グラビアコーティング法、ロールコー
ティング法、ナイフエッジ法等により基材2上の磁気記
録層3上に塗布し、乾燥等により硬化させて行なうこと
ができる。あるいは、基材とは別の被塗付体に塗付し形
成したものを接着剤を介する等して基材2上に貼るか、
剥離性の被塗付体に塗付し形成したものを接着剤を介す
る等して基材2上に転写してもよい。
【0038】隠蔽層形成用のインキ組成物もしくは塗料
組成物に用いるバインダー樹脂としては、エチルセルロ
ース、ニトロセルロース、エチルヒドロキシセルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、もしくは酢
酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポ
リ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはス
チレン共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、もしくはポ
リアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂もしくはメタクリ
ル樹脂の単独、あるいは共重合樹脂、ロジン、ロジン変
性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、もしく
は重合ロジン等のロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、また
はポリビニルブチラール樹脂等が使用できる。
組成物に用いるバインダー樹脂としては、エチルセルロ
ース、ニトロセルロース、エチルヒドロキシセルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、もしくは酢
酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポ
リ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはス
チレン共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、もしくはポ
リアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂もしくはメタクリ
ル樹脂の単独、あるいは共重合樹脂、ロジン、ロジン変
性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、もしく
は重合ロジン等のロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、また
はポリビニルブチラール樹脂等が使用できる。
【0039】また、隠蔽層形成用のインキ組成物もしく
は塗料組成物には、必要に応じて、磁気ヘッドのクリー
ニング効果を有する二酸化チタン、アルミナ、マイクロ
シリカ等の微粉末を添加してもよく、添加剤としては、
この他、必要に応じて、可塑剤、安定剤、ワックス、グ
リース、乾燥剤、乾燥補助剤、硬化剤、増粘剤、もしく
は分散剤等も使用できる。
は塗料組成物には、必要に応じて、磁気ヘッドのクリー
ニング効果を有する二酸化チタン、アルミナ、マイクロ
シリカ等の微粉末を添加してもよく、添加剤としては、
この他、必要に応じて、可塑剤、安定剤、ワックス、グ
リース、乾燥剤、乾燥補助剤、硬化剤、増粘剤、もしく
は分散剤等も使用できる。
【0040】なお、本発明において、磁性材として通常
のもののみを含有する磁気記録層上の隠蔽層としては、
熱伝導性粉末を含有する上記の熱伝導性の隠蔽層ではな
く、従来の単に下層を隠蔽する機能のみの隠蔽層を形成
すればよい。ただし、隠蔽層形成用に二種類の組成物を
準備する必要が生じるので、磁性材として通常のものの
みを含有する磁気記録層上の隠蔽層として、熱伝導性粉
末を含有する上記の熱伝導性の隠蔽層を形成してもよ
い。
のもののみを含有する磁気記録層上の隠蔽層としては、
熱伝導性粉末を含有する上記の熱伝導性の隠蔽層ではな
く、従来の単に下層を隠蔽する機能のみの隠蔽層を形成
すればよい。ただし、隠蔽層形成用に二種類の組成物を
準備する必要が生じるので、磁性材として通常のものの
みを含有する磁気記録層上の隠蔽層として、熱伝導性粉
末を含有する上記の熱伝導性の隠蔽層を形成してもよ
い。
【0041】
【実施例】(実施例1)オーバーシートとしての厚さ1
00μmの透明なポリ塩化ビニル樹脂シートAと、コア
シートとしての厚さ280μmの半透明なポリ塩化ビニ
ル樹脂シートBとを準備し、シートAの片面の全面に、
下記組成を有する磁気記録層形成用組成物(1)を、グ
ラビアコート法により塗布して、残留磁束密度が1.0
maxwell/cmとなるよう磁気記録層を形成し
た。 (磁気記録層形成用組成物(1)) ・Srフェライト;Sr0.55O{(Fe0.25Cr0.35Zn0.40)2O3} (抗磁力7500エルステッド、キュリー点120℃) 36質量部 ・ウレタン樹脂 12質量部 ・トルエン 20質量部 ・メチルエチルケトン 15質量部 ・メチルイソブチルケトン 15質量部 ・イソシアネート系硬化剤 2質量部
00μmの透明なポリ塩化ビニル樹脂シートAと、コア
シートとしての厚さ280μmの半透明なポリ塩化ビニ
ル樹脂シートBとを準備し、シートAの片面の全面に、
下記組成を有する磁気記録層形成用組成物(1)を、グ
ラビアコート法により塗布して、残留磁束密度が1.0
maxwell/cmとなるよう磁気記録層を形成し
た。 (磁気記録層形成用組成物(1)) ・Srフェライト;Sr0.55O{(Fe0.25Cr0.35Zn0.40)2O3} (抗磁力7500エルステッド、キュリー点120℃) 36質量部 ・ウレタン樹脂 12質量部 ・トルエン 20質量部 ・メチルエチルケトン 15質量部 ・メチルイソブチルケトン 15質量部 ・イソシアネート系硬化剤 2質量部
【0042】磁気記録層を形成したシートAを磁気記録
層を上側にして、シートAの下側に2枚のシートB、お
よびシートAとを順に重ね、温度150℃、圧力25K
g/cm2の条件で熱プレスし、磁気記録層/シートA
/シートB/シートB/シートAの積層体とした。ここ
で記号「/」は、前後のものが互いに積層されているこ
とを示すものとする。
層を上側にして、シートAの下側に2枚のシートB、お
よびシートAとを順に重ね、温度150℃、圧力25K
g/cm2の条件で熱プレスし、磁気記録層/シートA
/シートB/シートB/シートAの積層体とした。ここ
で記号「/」は、前後のものが互いに積層されているこ
とを示すものとする。
【0043】得られた積層体の磁気記録層上に、金属と
してアルミニウム粉末を含む下記組成の磁気隠蔽層形成
用組成物(1)を、シルクスクリーン印刷法により、厚
さが2μmになるよう塗布して磁気隠蔽層を形成し、さ
らに磁気隠蔽層上に、下記組成の保護層形成用組成物を
グラビアコート法により厚さが1μmになるよう塗布
し、紫外線照射して、保護層を形成した後、JISで定
めるカードサイズ(86mm×54mm)に打ち抜き、
磁気カードを得た。
してアルミニウム粉末を含む下記組成の磁気隠蔽層形成
用組成物(1)を、シルクスクリーン印刷法により、厚
さが2μmになるよう塗布して磁気隠蔽層を形成し、さ
らに磁気隠蔽層上に、下記組成の保護層形成用組成物を
グラビアコート法により厚さが1μmになるよう塗布
し、紫外線照射して、保護層を形成した後、JISで定
めるカードサイズ(86mm×54mm)に打ち抜き、
磁気カードを得た。
【0044】 (磁気隠蔽層形成用組成物(1)) ・アクリル系樹脂 8質量部 ・酢酸ビニル系樹脂 8質量部 ・アルミニウム粉末 10質量部 ・顔料 3質量部 ・溶剤 50質量部
【0045】 (保護層形成用組成物) ・紫外線硬化型アクリル系樹脂 50質量部 ・メチルエチルケトン 50質量部 ・ポリエチレンワックス 2質量部
【0046】(実施例2)実施例1で用いた磁気隠蔽層
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末を同質量部
(以下において材料を置き換えた場合は、特記なきとき
は基準となる組成物中における相当する物質と同質量部
の配合である。)の金粉末に置き換えた磁気隠蔽層形成
用組成物(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして
磁気カードを得た。
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末を同質量部
(以下において材料を置き換えた場合は、特記なきとき
は基準となる組成物中における相当する物質と同質量部
の配合である。)の金粉末に置き換えた磁気隠蔽層形成
用組成物(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして
磁気カードを得た。
【0047】(実施例3)実施例1で用いた磁気隠蔽層
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末を銀粉末に置
き換えた磁気隠蔽層形成用組成物(3)を用いた以外
は、実施例1と同様にして磁気カードを得た。
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末を銀粉末に置
き換えた磁気隠蔽層形成用組成物(3)を用いた以外
は、実施例1と同様にして磁気カードを得た。
【0048】(実施例4)実施例1で用いた磁気隠蔽層
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末を黄銅粉末
(Cu70%、Zn30%)に置き換えた磁気隠蔽層形
成用組成物(4)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て磁気カードを得た。
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末を黄銅粉末
(Cu70%、Zn30%)に置き換えた磁気隠蔽層形
成用組成物(4)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て磁気カードを得た。
【0049】(実施例5)実施例1で用いた磁気隠蔽層
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末をSn粉末に
置き換えた磁気隠蔽層形成用組成物(5)を用いた以外
は、実施例1と同様にして磁気カードを得た。
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末をSn粉末に
置き換えた磁気隠蔽層形成用組成物(5)を用いた以外
は、実施例1と同様にして磁気カードを得た。
【0050】(実施例6)実施例1で用いた磁気隠蔽層
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末を青銅(Cu
90%、Sn10%)粉末に置き換えた磁気隠蔽層形成
用組成物(6)を用いた以外は、実施例1と同様にして
磁気カードを得た。
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末を青銅(Cu
90%、Sn10%)粉末に置き換えた磁気隠蔽層形成
用組成物(6)を用いた以外は、実施例1と同様にして
磁気カードを得た。
【0051】(比較例1)実施例1で用いた磁気隠蔽層
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末を白金ロジウ
ム(Pt60%、Rh40%)粉末に置き換えた磁気隠
蔽層形成用組成物(C1)を用いた以外は、実施例1と
同様にして磁気カードを得た。
形成用組成物(1)中のアルミニウム粉末を白金ロジウ
ム(Pt60%、Rh40%)粉末に置き換えた磁気隠
蔽層形成用組成物(C1)を用いた以外は、実施例1と
同様にして磁気カードを得た。
【0052】実施例1〜6及び比較例1で得られた各々
の磁気カードについて、通常の装置により(従って、加
熱も冷却もせずに)磁気記録を行なった。記録の際の条
件は、書込み電流;500mA、書込み密度;105ビ
ット/インチ、カード搬送速度;300mm/secで
ある。いずれのカードも飽和記録ができず、磁気情報を
良好に読み取ることはできなかった。
の磁気カードについて、通常の装置により(従って、加
熱も冷却もせずに)磁気記録を行なった。記録の際の条
件は、書込み電流;500mA、書込み密度;105ビ
ット/インチ、カード搬送速度;300mm/secで
ある。いずれのカードも飽和記録ができず、磁気情報を
良好に読み取ることはできなかった。
【0053】次に、同じ磁気カードの磁気記録部を加熱
ローラによって表面側から140℃で加熱しながら、前
記と同条件で磁気記録を行なったところ、−100℃か
ら+100℃の範囲での熱伝導率が、0℃で53、+1
00℃で60(単位;W/(m・℃))以上の金属粉を
含有する磁気隠蔽層を形成した場合、支障なく磁気情報
を読取ることができた。また、0℃で68、+100℃
で63(単位;W/(m・℃))以上の金属粉を含有す
る磁気隠蔽層を形成した場合、良好に磁気情報を読取る
ことができた。各実施例および比較例で得られたカード
の磁気隠蔽性、ならびに磁気情報の書込み・読取り性
(読取り性で評価)を、磁気隠蔽層中に含有させた金属
の熱伝導率と共に、下記の「表1」に示す。
ローラによって表面側から140℃で加熱しながら、前
記と同条件で磁気記録を行なったところ、−100℃か
ら+100℃の範囲での熱伝導率が、0℃で53、+1
00℃で60(単位;W/(m・℃))以上の金属粉を
含有する磁気隠蔽層を形成した場合、支障なく磁気情報
を読取ることができた。また、0℃で68、+100℃
で63(単位;W/(m・℃))以上の金属粉を含有す
る磁気隠蔽層を形成した場合、良好に磁気情報を読取る
ことができた。各実施例および比較例で得られたカード
の磁気隠蔽性、ならびに磁気情報の書込み・読取り性
(読取り性で評価)を、磁気隠蔽層中に含有させた金属
の熱伝導率と共に、下記の「表1」に示す。
【0054】
【表1】
【0055】(実施例7)実施例1で用いた磁気記録層
形成用組成物(1)中のSrフェライト36質量部をM
nBi磁性粉末50質量部に置き換えた磁気記録層形成
用組成物(2)を使用して、残留磁束密度が1.0ma
xwell/cmとなるよう磁気記録層を形成した以外
は、実施例1と同様にして磁気カードを得た。
形成用組成物(1)中のSrフェライト36質量部をM
nBi磁性粉末50質量部に置き換えた磁気記録層形成
用組成物(2)を使用して、残留磁束密度が1.0ma
xwell/cmとなるよう磁気記録層を形成した以外
は、実施例1と同様にして磁気カードを得た。
【0056】(実施例8〜12、比較例2)実施例7と
同様に、磁気記録層形成用組成物(2)を使用し、その
他は、順にそれぞれ、実施例2〜6、および比較例1と
同様にして、磁気隠蔽層を変えた磁気カードを得た。
同様に、磁気記録層形成用組成物(2)を使用し、その
他は、順にそれぞれ、実施例2〜6、および比較例1と
同様にして、磁気隠蔽層を変えた磁気カードを得た。
【0057】実施例7〜12および比較例2で得られた
各々の磁気カードについて、通常の装置により(従っ
て、加熱も冷却もせずに)磁気記録を行なった。記録の
際の条件は、書込み電流;500mA、書込み密度;1
05ビット/インチ、カード搬送速度;300mm/s
ecである。いずれのカードも飽和記録ができず、磁気
情報を良好に読み取ることはできなかった。
各々の磁気カードについて、通常の装置により(従っ
て、加熱も冷却もせずに)磁気記録を行なった。記録の
際の条件は、書込み電流;500mA、書込み密度;1
05ビット/インチ、カード搬送速度;300mm/s
ecである。いずれのカードも飽和記録ができず、磁気
情報を良好に読み取ることはできなかった。
【0058】次に、同じ磁気カードの磁気記録部を、液
体窒素で冷却した冷却ローラによって表面側から冷却し
ながら、前記と同条件で磁気記録を行なったところ、−
100℃から+100℃の範囲での熱伝導率が53(単
位;W/(m・℃))以上の金属粉を含有する磁気隠蔽
層を形成した場合、良好に磁気情報を読取ることができ
た。実施例7〜12および比較例2で得られた磁気カー
ドの磁気隠蔽性、ならびに磁気情報の書込み・読取り性
(読取り性で評価)を、磁気隠蔽層中に含有させた金属
の熱伝導率と共に、下記の「表2」に示す。
体窒素で冷却した冷却ローラによって表面側から冷却し
ながら、前記と同条件で磁気記録を行なったところ、−
100℃から+100℃の範囲での熱伝導率が53(単
位;W/(m・℃))以上の金属粉を含有する磁気隠蔽
層を形成した場合、良好に磁気情報を読取ることができ
た。実施例7〜12および比較例2で得られた磁気カー
ドの磁気隠蔽性、ならびに磁気情報の書込み・読取り性
(読取り性で評価)を、磁気隠蔽層中に含有させた金属
の熱伝導率と共に、下記の「表2」に示す。
【0059】
【表2】
【0060】(実施例13〜16、比較例3および4)
実施例1と同様に、ただし、磁気隠蔽層の厚みをそれぞ
れ変更した。これらの実施例13〜16、ならびに比較
例3および4で得られた各々の磁気カードについて、通
常の装置により(従って、加熱も冷却もせずに)磁気記
録を行なった。記録の際の条件は、書込み電流;500
mA、書込み密度;105ビット/インチ、カード搬送
速度;300mm/secである。いずれのカードも飽
和記録ができず、磁気情報を良好に読み取ることはでき
なかった。
実施例1と同様に、ただし、磁気隠蔽層の厚みをそれぞ
れ変更した。これらの実施例13〜16、ならびに比較
例3および4で得られた各々の磁気カードについて、通
常の装置により(従って、加熱も冷却もせずに)磁気記
録を行なった。記録の際の条件は、書込み電流;500
mA、書込み密度;105ビット/インチ、カード搬送
速度;300mm/secである。いずれのカードも飽
和記録ができず、磁気情報を良好に読み取ることはでき
なかった。
【0061】次に、同じ磁気カードの磁気記録部を加熱
ローラによって表面側から140℃で加熱しながら、前
記と同条件で磁気記録を行なったところ、磁気隠蔽層の
膜厚が0.5μm〜15μmの範囲で、磁気隠蔽性が良
好であり、かつ、良好に磁気情報を読取ることができ
た。実施例および比較例で得られた磁気カードの磁気隠
蔽性、ならびに磁気情報の書込み・読取り性(読取り性
で評価)を磁気隠蔽層の膜厚と共に、下記の「表3」に
示す。
ローラによって表面側から140℃で加熱しながら、前
記と同条件で磁気記録を行なったところ、磁気隠蔽層の
膜厚が0.5μm〜15μmの範囲で、磁気隠蔽性が良
好であり、かつ、良好に磁気情報を読取ることができ
た。実施例および比較例で得られた磁気カードの磁気隠
蔽性、ならびに磁気情報の書込み・読取り性(読取り性
で評価)を磁気隠蔽層の膜厚と共に、下記の「表3」に
示す。
【0062】
【表3】
【0063】(実施例17〜20、比較例5および6)
実施例7と同様に、ただし、磁気隠蔽層の厚みをそれぞ
れ変更した。これらの実施例17〜20、ならびに比較
例5および6で得られた各々の磁気カードについて、通
常の装置により(従って、加熱も冷却もせずに)磁気記
録を行なった。記録の際の条件は、書込み電流;500
mA、書込み密度;105ビット/インチ、カード搬送
速度;300mm/secである。いずれのカードも飽
和記録ができず、磁気情報を良好に読み取ることはでき
なかった。
実施例7と同様に、ただし、磁気隠蔽層の厚みをそれぞ
れ変更した。これらの実施例17〜20、ならびに比較
例5および6で得られた各々の磁気カードについて、通
常の装置により(従って、加熱も冷却もせずに)磁気記
録を行なった。記録の際の条件は、書込み電流;500
mA、書込み密度;105ビット/インチ、カード搬送
速度;300mm/secである。いずれのカードも飽
和記録ができず、磁気情報を良好に読み取ることはでき
なかった。
【0064】次に、同じ磁気カードの磁気記録部を、液
体窒素で冷却した冷却ローラによって表面側から冷却し
ながら、前記と同条件で磁気記録を行なったところ、磁
気隠蔽層の膜厚が0.5μm〜15μmの範囲で、磁気
隠蔽性が良好であり、かつ、良好に磁気情報を読取るこ
とができた。このときの各々の磁気カードの磁気隠蔽
性、ならびに磁気情報の書込み・読取り性(読取り性で
評価)を、磁気隠蔽層の膜厚と共に、下記の「表4」に
示す。
体窒素で冷却した冷却ローラによって表面側から冷却し
ながら、前記と同条件で磁気記録を行なったところ、磁
気隠蔽層の膜厚が0.5μm〜15μmの範囲で、磁気
隠蔽性が良好であり、かつ、良好に磁気情報を読取るこ
とができた。このときの各々の磁気カードの磁気隠蔽
性、ならびに磁気情報の書込み・読取り性(読取り性で
評価)を、磁気隠蔽層の膜厚と共に、下記の「表4」に
示す。
【0065】
【表4】
【0066】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、磁気記録層を
被覆する隠蔽層が特定の熱伝導率の金属もしくは合金の
粉末を含有しているので、加熱時もしくは冷却時に、磁
気記録層の温度を所定の温度に確実に昇温、または降温
できる磁気記録媒体を提供できる。請求項2の発明によ
れば、請求項1の発明の効果に加え、入手しやすく、取
り扱いやすい金属もしくは合金の粉末を使用した磁気記
録媒体を提供できる。請求項3の発明によれば、請求項
1または2の発明の効果に加え、常温では書込み、書き
換え、もしくは消去が困難で、加熱もしくは冷却した後
に、書込み、書き換え、もしくは消去が可能になる磁性
材を含有する磁気記録層を有しているので、不正な意図
での偽造・変造が困難な磁気記録媒体を提供できる。請
求項4の発明によれば、請求項3の発明の効果に加え、
通常の磁性材をも含有する磁気記録層を有しているの
で、通常の磁性材は、加熱もしくは冷却をすることな
く、書込み、書き換え、もしくは消去が可能なため、不
正な意図での偽造・変造が困難でありながら、書込み、
書き換え、もしくは消去が容易な点をも併せ持つ磁気記
録媒体を提供できる。請求項5の発明によれば、請求項
1〜4いずれかの発明の効果に加え、書込み、書き換
え、もしくは消去に先立って、加熱もしくは冷却が必要
な磁気記録層と、加熱もしくは冷却が不要な磁気記録層
とが重なっているため、加熱もしくは冷却の後に書込み
を行ない、その後、書き換え、もしくは消去しようとし
ても、加熱もしくは冷却が必要な磁気記録層に書込まれ
た情報が残っているため、情報の書き換え、消去が不可
能な磁気記録媒体を提供できる。請求項6の発明によれ
ば、請求項1〜5いずれかの発明の効果に加え、充分な
熱伝導性を有する隠蔽層を有する磁気記録媒体を提供で
きる。請求項7の発明によれば、請求項1〜6いずれか
の発明の効果に加え、隠蔽機能と加熱もしくは冷却に必
要な充分な熱伝導性を備えた磁気記録媒体を提供でき
る。
被覆する隠蔽層が特定の熱伝導率の金属もしくは合金の
粉末を含有しているので、加熱時もしくは冷却時に、磁
気記録層の温度を所定の温度に確実に昇温、または降温
できる磁気記録媒体を提供できる。請求項2の発明によ
れば、請求項1の発明の効果に加え、入手しやすく、取
り扱いやすい金属もしくは合金の粉末を使用した磁気記
録媒体を提供できる。請求項3の発明によれば、請求項
1または2の発明の効果に加え、常温では書込み、書き
換え、もしくは消去が困難で、加熱もしくは冷却した後
に、書込み、書き換え、もしくは消去が可能になる磁性
材を含有する磁気記録層を有しているので、不正な意図
での偽造・変造が困難な磁気記録媒体を提供できる。請
求項4の発明によれば、請求項3の発明の効果に加え、
通常の磁性材をも含有する磁気記録層を有しているの
で、通常の磁性材は、加熱もしくは冷却をすることな
く、書込み、書き換え、もしくは消去が可能なため、不
正な意図での偽造・変造が困難でありながら、書込み、
書き換え、もしくは消去が容易な点をも併せ持つ磁気記
録媒体を提供できる。請求項5の発明によれば、請求項
1〜4いずれかの発明の効果に加え、書込み、書き換
え、もしくは消去に先立って、加熱もしくは冷却が必要
な磁気記録層と、加熱もしくは冷却が不要な磁気記録層
とが重なっているため、加熱もしくは冷却の後に書込み
を行ない、その後、書き換え、もしくは消去しようとし
ても、加熱もしくは冷却が必要な磁気記録層に書込まれ
た情報が残っているため、情報の書き換え、消去が不可
能な磁気記録媒体を提供できる。請求項6の発明によれ
ば、請求項1〜5いずれかの発明の効果に加え、充分な
熱伝導性を有する隠蔽層を有する磁気記録媒体を提供で
きる。請求項7の発明によれば、請求項1〜6いずれか
の発明の効果に加え、隠蔽機能と加熱もしくは冷却に必
要な充分な熱伝導性を備えた磁気記録媒体を提供でき
る。
【図1】磁気記録媒体がカードである場合の平面図であ
る。
る。
【図2】カードの断面図である。
1 磁気記録媒体(カード) 2 基材 3 磁気記録層 4 ICモジュール 5 印刷 6 浮き出し文字 7 隠蔽層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/80 G06K 19/00 B H01F 1/11 F (72)発明者 田原 茂彦 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2C005 HA01 JA02 JA08 JA26 KA02 KA09 KA19 KA40 LA02 LA19 LB04 LB28 5B035 AA13 BA05 BB02 5D006 AA02 AA05 BA19 BA20 DA01 FA00 5E040 AA04 AA19 AB04 AB05 AB09 AC05 CA06 CA13 NN06 NN12 NN15
Claims (7)
- 【請求項1】 基材上の一部に磁気記録層が積層され、
前記磁気記録層上の少なくとも一部を覆って磁気記録層
を隠蔽する隠蔽層が積層された構造を有しており、前記
隠蔽層が、−100℃〜+100℃での熱伝導率が50
W/(m・℃)以上の金属の粉末もしくは合金の粉末を
含有することによる熱伝導性を有するものであることを
特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 前記の−100℃〜+100℃での熱伝
導率が50W/(m・℃)以上の金属の粉末もしくは合
金の粉末が、Al、Au、Ag、Cu、Sn、黄銅、も
しくは青銅から選ばれたものであることを特徴とする請
求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 前記磁気記録層が、常温での抗磁力が4
200Oeを超えており、加熱下もしくは冷却下での抗
磁力が4200Oe以下の磁性材を含有する請求項1ま
たは2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 前記磁気記録層が、常温での抗磁力が4
200Oeを超えており、加熱下もしくは冷却下での抗
磁力が4200Oe以下の磁性材と、常温での抗磁力が
300Oe〜8000Oeである磁性材とを含有するこ
とを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 前記磁気記録層が、常温での抗磁力が4
200Oeを超えており、加熱下もしくは冷却下での抗
磁力が4200Oe以下の磁性材を含有する磁気記録層
と、常温での抗磁力が300Oe〜8000Oeである
磁性材を含有する磁気記録層とからなる二層以上の層か
らなることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の磁
気記録媒体。 - 【請求項6】 前記隠蔽層における前記金属の粉末もし
くは前記合金の粉末が3質量部〜95質量部であること
を特徴とする請求項1〜5いずれか記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項7】 前記隠蔽層の厚みが0.5μm〜15μ
mであることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の
磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000264815A JP2001236623A (ja) | 1999-12-16 | 2000-09-01 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35814499 | 1999-12-16 | ||
JP11-358144 | 1999-12-16 | ||
JP2000264815A JP2001236623A (ja) | 1999-12-16 | 2000-09-01 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001236623A true JP2001236623A (ja) | 2001-08-31 |
Family
ID=26580740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000264815A Pending JP2001236623A (ja) | 1999-12-16 | 2000-09-01 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001236623A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019160432A1 (ru) * | 2018-02-14 | 2019-08-22 | Константин Александрович ШАВРИН | Магнитная информационная метка и ее применение |
-
2000
- 2000-09-01 JP JP2000264815A patent/JP2001236623A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019160432A1 (ru) * | 2018-02-14 | 2019-08-22 | Константин Александрович ШАВРИН | Магнитная информационная метка и ее применение |
GB2586360A (en) * | 2018-02-14 | 2021-02-17 | Garnet Gmbh | Magnetic information label and use thereof |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3198184B2 (ja) | 磁気ストライプ付きプラスチックカード | |
JP2901075B2 (ja) | 磁気カード | |
JP2008200895A (ja) | 光輝性カード | |
JPS6213394A (ja) | カ−ド | |
JPS61145727A (ja) | 磁気記録媒体をもつカ−ド類とその記録方法 | |
JP2001331770A (ja) | 磁気情報転写箔およびそれを用いた磁気情報形成方法 | |
JP2001236623A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2001202491A (ja) | 偽造防止効果を高めたicカード | |
JP3125934B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2001319318A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP3061156B2 (ja) | 感熱印字型記録媒体 | |
JP2003196820A (ja) | 隠蔽転写媒体 | |
JP2001134728A (ja) | 感熱磁気記録媒体および記録/読出再生方法 | |
JP4068762B2 (ja) | 磁気記録媒体およびその製造方法 | |
JP3769186B2 (ja) | 感熱磁気記録媒体 | |
JP2000137915A (ja) | 磁気記録媒体およびその製造方法 | |
JP4095203B2 (ja) | 磁気記録媒体およびその製造方法 | |
JPH0512067Y2 (ja) | ||
JP2000137913A (ja) | 磁気記録媒体およびその製造方法 | |
JPH08241518A (ja) | 磁気記録媒体およびその記録・読み取り方法 | |
JP4028661B2 (ja) | 磁気記録媒体およびその製造方法 | |
JPH1178326A (ja) | 記録層付き偽造防止用紙とそれを使用した乗車券 | |
JP3307064B2 (ja) | サインパネル材 | |
JP2001209762A (ja) | 磁気情報転写箔およびそれを用いた磁気情報形成方法 | |
JP4028660B2 (ja) | 磁気記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070608 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090225 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090402 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090721 |