JP2001287457A - 筆記性を有する可逆性感熱記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

筆記性を有する可逆性感熱記録媒体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001287457A
JP2001287457A JP2000105348A JP2000105348A JP2001287457A JP 2001287457 A JP2001287457 A JP 2001287457A JP 2000105348 A JP2000105348 A JP 2000105348A JP 2000105348 A JP2000105348 A JP 2000105348A JP 2001287457 A JP2001287457 A JP 2001287457A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thermosensitive recording
reversible thermosensitive
recording medium
writability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000105348A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4023529B2 (ja
Inventor
Minoru Fujita
実 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyodo Printing Co Ltd
Original Assignee
Kyodo Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyodo Printing Co Ltd filed Critical Kyodo Printing Co Ltd
Priority to JP2000105348A priority Critical patent/JP4023529B2/ja
Publication of JP2001287457A publication Critical patent/JP2001287457A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4023529B2 publication Critical patent/JP4023529B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カード面方向に対して略垂直方向に、印字面
と、筆記性層の端部とが基材を挟持して重ねて形成され
ても、加熱印字/消去される際に、印字ムラ、かすれが
発生せず、また、筆記性を有する部位が最外層のどの位
置にも制限されずに設けられるような筆記性を有する可
逆性感熱記録媒体およびこの製造方法を提供すること。 【解決手段】 基材上に、可逆性感熱記録層を有する可
逆性感熱記録媒体であって、前記可逆性感熱記録層が設
けられた基材の反対面の最外層の少なくとも一部に筆記
性層が設けられ、該最外層は実質的に面一に設けられた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールペン、マジ
ック(登録商標)インクペンなどの筆記具によって、記
載することのできる筆記性を有する可逆性感熱記録媒体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、カード保有者の氏名等をボー
ルペン等の筆記具により書きこむことのできるサインパ
ネルを有するカードが知られている。また、カードの片
面等に、熱を印加することにより、画像情報等を消去/
(再)書きこみ可能な可逆性感熱記録層からなるリライ
ト表示部を有するカードが知られている。さらに、この
ようなサインパネルを設けたリライトカードも知られて
いる。このサインパネルを設けたリライトカードは、前
記したようなサインパネルを、基材の片面に設け、その
面と反対の面上に、リライト表示部が層状に設けられた
可逆性感熱記録層を有する構造となっている。
【0003】このようなリライトカードに、情報を表示
する場合、サーマルヘッドなどの加熱印加手段を用い
て、印字する面と反対の面にゴム製のロールを押圧し、
印字面をサーマルヘッドにより熱を印加することによっ
て行われている。この印字の際に、印字面と反対の面上
に設けられたサインパネルに、たとえば10μm程度の
段差を有すると、この段差を有する基材の反対する面で
ある印字面にサーマルヘッドの圧力ムラが生じ、印字の
際に印字の濃淡、かすれ等を生じていた。
【0004】このため、サインパネルの端部は、基材に
対して反対面に設けられる可逆性感熱記録層内と重ねて
設けることができなかった。また仮に、このようなサイ
ンパネルの端部が反対面に設けられたリライト表示部領
域内に設けた場合、印字の際に、ゴムロールの押圧する
強さを調整して印字のかすれ等を防止するようにする
と、印字の際の圧力印加によって、リライトカードの寿
命が極端に低下したり、また、サーマルヘッドを傷付け
たりするおそれもあった。このため、現時点で、印字の
際のかすれを有効に防止しつつ、カード寿命を長くする
ようなリライトカードは得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記したよ
うな従来技術の問題点に鑑み、基材に対して可逆性感熱
記録層が設けられた部分と反対面に設けられる筆記性層
を、任意の箇所に設けても、印字の際に発色ムラ、印字
かすれ等の発生するおそれのない、筆記適性を有する可
逆性感熱記録媒体を提供することを目的としている。ま
た本発明は、このような筆記性を有する可逆性感熱記録
媒体の製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の筆記性
を有する可逆性感熱記録媒体の発明は、基材上に、可逆
性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体であって、前
記可逆性感熱記録層が設けられた基材の反対面の最外層
の少なくとも一部に筆記性層が設けられ、該最外層は実
質的に面一に設けられたことを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の筆記性を有する可逆性感
熱記録媒体の発明は、請求項1において、前記筆記性層
は、前記最外層面よりも小さい面積であることを特徴と
する。
【0008】請求項3に記載の筆記性を有する可逆性感
熱記録媒体の発明は、請求項2において、前記最外層と
前記筆記性層の段差は、10μm以下であることを特徴
とする。
【0009】請求項4に記載の筆記性を有する可逆性感
熱記録媒体の発明は、請求項1〜3のいずれか1項にお
いて、前記筆記性を有する可逆性感熱記録媒体は、さら
に、ICチップを実装したものであることを特徴とす
る。
【0010】請求項5に記載の筆記性を有する可逆性感
熱記録媒体の製造方法は、基材上に、可逆性感熱記録層
を有する可逆性感熱記録層と、筆記性層とが基材に対し
て反対面上に設けられた可逆性感熱記録媒体の製造方法
であって、前記製造方法は、筆記性層に加工する粗面化
加工工程を有することを特徴とする。
【0011】請求項6に記載の筆記性を有する可逆性感
熱記録媒体の製造方法は、請求項5において、前記粗面
化加工工程は、熱プレスと同時に行うことを特徴とす
る。
【0012】請求項7に記載の筆記性を有する可逆性感
熱記録媒体の製造方法は、請求項6において、前記粗面
化加工工程は、粗面化した鏡面板または粗面化した板材
を介して熱プレスと同時に行うことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る筆記性を有する可逆
性感熱記録媒体およびその製造方法について、順に説明
する。本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体
は、基材上に、可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記
録媒体であって、前記可逆性感熱記録層が設けられた基
材の反対面の最外層の少なくとも一部に筆記性層が設け
られ、該最外層は実質的に面一に設けられたことを特徴
としている。このような筆記性を有する可逆性感熱記録
媒体を構成する可逆性感熱記録層、筆記性を有する基材
等について、まず説明する。
【0014】[筆記性を有する可逆性感熱記録媒体]本発
明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体は、図1に
示すように、少なくとも基材と、可逆性感熱記録層と、
筆記性層とを有している。また図2(a)に示すよう
に、基材として、2枚からなるコアフィルムと、このコ
アフィルムの両面に積層されたオーバーレイフィルムか
らなる積層体を用い、コアフィルムとオーバーレイフィ
ルムの間には、接着層6を有している。
【0015】表面(おもて面)側オーバーレイフィルム
には、印刷7が施され、その上に可逆性感熱記録層2が
設けられている。さらに、この可逆性感熱記録層2上に
は、保護層が設けられている。また図2(b)に示す例
では、コアフィルムの層間にIC回路基板層4が設けら
れ、コアフィルムを構成する1枚には、ICチップ5を
埋め込む部分に、貫通孔が設けられている。このような
本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体に使用
される各層について、説明する。
【0016】可逆性感熱記録層2 可逆性感熱記録層2は、サーマルヘッド等の加熱手段に
よって加熱することにより、情報を可逆的に記録消去可
能な層である。このような可逆性感熱記録層2は、基材
3上に塗布後、乾燥して形成したり、また、可逆性感熱
記録層2を形成した転写シートあるいは接着シートを用
いて、基材上に形成することができる。
【0017】上記可逆性感熱記録層2は、ロイコ染料、
顕減色剤及びバインダー樹脂を主成分として構成され、
熱によって可逆的に発色/消色を繰り返す層である。ロ
イコ染料は、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆
体といわれる。また、顕減色剤は、電子受容性化合物と
いわれ、加熱後の冷却速度の違いにより染料前駆体に可
逆的な色調変化を生じさせ、炭素数6以上の脂肪族炭化
水素基を少なくとも1つ有するフェノール性化合物、ナ
フトール性化合物又はフタル酸化合物、あるいはフェノ
ール性水酸基とアミノ基とを有する酸性化合物、ナフト
ール性水酸基とアミノ基とを有する酸性化合物等が用い
られる。
【0018】上述の、可逆性感熱記録層2に含有される
ロイコ染料としては、クリスタルバイオレットラクト
ン、3−インドリノ−3−p−ジメチルアミノフェニル
−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−
7−クロロフルオラン、2−(2−クロルフェニルアミ
ン)−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−フルオロ
フェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−n−ブチ
ルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−シクロ
ヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−
メチル−7−t−ブチルフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−p−ブチルアニリノフルオ
ラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p
−トルイジノ)−フルオラン、3−ピロリジノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−7−
シクロヘキシルアミノフルオラン、3−N−メチルシク
ロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−エチルペンチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン等を挙げることができる。
【0019】ここで、通常無色ないし淡色のロイコ染料
としての電子供与性染料前駆体は、1種使用してもよ
く、または2種以上を混合して使用してもよい。
【0020】また、可逆性感熱記録層2に主成分として
含有される顕減色剤としては、N−(p−ヒドロキシフ
ェニル)−N' −n−オクタデシルチオ尿素、N−(p
−ヒドロキシフェニル)−N' −n−オクタデシル尿
素、N−(p−ヒドロキシフェニル)−N' −n−オク
タデシルチオアミド、4' −オクタデカンアニリド、2
−オクタデシルテレフタル酸、N−オクタデシル(p−
ヒドロキシフェニル)アミド、N−(p−ヒドロキシベ
ンゾイル)−N−オクタデカノイルアミン、N−[3−
(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N' −オク
タデカノヒドラジド、N−[(p−ヒドロキシフェニ
ル)メチル]−n−オクタデシルアミド、N−[(p−
ヒドロキシフェニル)メチル]−n−オクタデシル尿
素、N−[(p−ヒドロキシフェニル)メチル]−N'
−n−オクタデシルオキサミド等が挙げられる。
【0021】さらに、以下に示す顕減色剤を用いること
ができる。N-ペンタコシル(p-ヒドロキシフェニル)ア
ミド、N-ヘキサコシル(p-ヒドロキシフェニル)アミ
ド、N-ヘプタコシル(p-ヒドロキシフェニル)アミド、
N-オクタコシル(p-ヒドロキシフェニル)アミド、N-ノ
ナコシル(p-ヒドロキシフェニル)アミド、N-トリアコ
ンチル(p-ヒドロキシフェニル)アミド、N-ヘントリア
コンチル(p-ヒドロキシフェニル)アミド、N-ドトリア
コンチル(p-ヒドロキシフェニル)アミド、N-テトラト
リアコンチル(p-ヒドロキシフェニル)アミド等のアミ
ド化合物、
【0022】N-(p-ヒドロキシベンゾイル)-N- ヘキサ
コサノイルアミン、N-(p-ヒドロキシベンゾイル)-N-
ヘプタコサノイルアミン、N-(p-ヒドロキシベンゾイ
ル)-N- オクタコサノイルアミン、N-(p-ヒドロキシベ
ンゾイル)-N- ノナコサノイルアミン、N-(p-ヒドロキ
シベンゾイル)-N- トリアコンタノイルアミン、N-(p-
ヒドロキシベンゾイル)-N- ヘントリアコンタノイルア
ミン、N-(p-ヒドロキシベンゾイル)-N- ドトリアコン
タノイルアミン、N-(p-ヒドロキシベンゾイル)-N- テ
トラトリアコンタノイルアミン等のジアシルアミン化合
物、
【0023】N-[3-(p-ヒドロキシフェニル)プロピオ
ノ]-N'-ヘキサコサノヒドラジド、N-[3-(p-ヒドロキ
シフェニル)プロピオノ]-N'-ヘプタコサノヒドラジ
ド、N-[3-(p-ヒドロキシフェニル)プロピオノ]-N'-
オクタコサノヒドラジド、N-[3-(p-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオノ]-N'-ノナコサノヒドラジド、N-[3-
(p-ヒドロキシフェニル)プロピオノ]-N'-トリアコン
タノヒドラジド、N-[3-(p-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオノ]-N'-ヘントリアコンタノヒドラジド、N-[3-
(p-ヒドロキシフェニル)プロピオノ]-N'-ドトリアコ
ンタノヒドラジド、N-[3-(p-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオノ]-N'-テトラトリアコンタノヒドラジド等のジ
アシルヒドラジン化合物、
【0024】N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-n
- ペンタコシルアミド、N-[(p-ヒドロキシフェニル)
メチル]-n- ヘキサコシルアミド、N-[(p-ヒドロキシ
フェニル)メチル]-n- ヘプタコシルアミド、N-[(p-
ヒドロキシフェニル)メチル]-n- オクタコシルアミ
ド、N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-n- ノナコ
シルアミド、N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-n
- トリアコンチルアミド、N-[(p-ヒドロキシフェニ
ル)メチル]-n- ヘントリアコンチルアミド、N-[(p-
ヒドロキシフェニル)メチル]-n- ドトリアコンチルア
ミド、N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-n- テト
ラトリアコンチルアミド等のアミド化合物、
【0025】N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-
N'-n-ペンタコシル尿素、N-[(p-ヒドロキシフェニ
ル)メチル]-N'-n-ヘキサコシル尿素、N-[(p-ヒドロ
キシフェニル)メチル]-N'-n-ヘプタコシル尿素、N-
[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-N'-n-オクタコシ
ル尿素、N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-N'-n-
ノナコシル尿素、N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチ
ル]-N'-n-トリアコンチル尿素、N-[(p-ヒドロキシフ
ェニル)メチル]-N'-n-ヘントリアコンチル尿素、N-
[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-N'-n-ドトリアコ
ンチル尿素、N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-
N'-n-テトラトリアコンチル尿素等の尿素化合物、
【0026】N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-
N'-n-ペンタコシルオキサミド、N-[(p-ヒドロキシフ
ェニル)メチル]-N'-n-ヘキサコシルオキサミド、N-
[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-N'-n-ヘプタコシ
ルオキサミド、N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]
-N'-n-オクタコシルオキサミド、N-[(p-ヒドロキシフ
ェニル)メチル]-N'-n-ノナコシルオキサミド、N-
[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-N'-n-トリアコン
チルオキサミド、N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチ
ル]-N'-n-ヘントリアコンチルオキサミド、N-[(p-ヒ
ドロキシフェニル)メチル]-N'-n-ドトリアコンチルオ
キサミド、N-[(p-ヒドロキシフェニル)メチル]-N'-
n-テトラトリアコンチルオキサミド等のシュウ酸ジアミ
ド化合物等が挙げられる。
【0027】さらに、以下の化学式で示す化合物を挙げ
ることができる。
【0028】
【化1】
【0029】前記式中、aは、1〜3の整数であり、X
は、−CONH−、−NHCO−、−CONHCO−、
−CONHNHCO−または−NHCOCONH−から
選択されるいずれかの基であり、bは10以上の整数で
ある。
【0030】
【化2】
【0031】前記式 [2−1] または [2−2] におい
て、nは、10以上の整数である。
【0032】使用される顕減色剤は、1種で使用しても
よく、また、2種以上を混合して使用してもよい。
【0033】また、可逆性感熱記録層2に含有されるバ
インダー樹脂としては、デンプン類、ヒドロキシエチル
セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、
変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、ア
クリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共
重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ
塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等
の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ
アクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メ
チル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重
合体等のラテックスなどがあげられ、特に電子供与性染
料前駆体(ロイコ染料)および電子受容性化合物(顕減
色剤)の分散性にすぐれ、書き換え耐久性にすぐれた可
逆性感熱記録層2が得られるため、熱可塑性樹脂の分子
内に二重結合を導入して、紫外線または電子線硬化性と
した樹脂として、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアル
コール共重合体にアクリル酸またはメタクリル酸をエス
テル重合させた樹脂が使用できる。これらの樹脂は単独
で、または2種以上混合して使用できる。
【0034】一方、可逆性感熱記録層において、発色を
行うには加熱に引き続き急速な冷却が起こればよく、消
色を行うには加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例え
ば、適当な熱源(サーマルヘッド、熱ロール、熱スタン
プ、高周波加熱、電熱ヒーターからの輻射熱、熱風等)
で比較的長い時間加熱すると、可逆性感熱記録層2だけ
でなく基材3等も加熱される為に冷却速度が遅くなり、
相分離状態(消色状態)になる。一方、適当な方法で加
熱した後、低温の金属ブロックなどを押し当てる等して
急速に冷却することにより、発色状態を発現させること
ができる。
【0035】また、サーマルヘッド、熱板等を用いて極
めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却
(固化)が始まる為、発色状態を発現させることができ
る。従って、同じ加熱温度および/または同じ熱源を用
いても、冷却速度を制御することにより発色状態および
消色状態を任意に発現させることができる。この種の材
料を用いた可逆性感熱記録層2は、通常、3〜15μm
程度の厚さに形成される。
【0036】筆記性層1 本発明に使用される筆記性層1は、前記した可逆性感熱
記録層2と基材3に対して反対面上の最外層10の少な
くとも一部に設けられる。この筆記性層1としては、プ
ラスチックフィルムを表面処理して作製するか、また
は、多孔質性インキを最外層上に塗布したり、あるい
は、多孔質性インキ層を有する接着シートや転写シート
を基材上に接着または転写して設けることができる。ま
た、筆記性層1はこれら前記した方法を適宜組合せて形
成することもできる。
【0037】前記多孔性インキの塗布方法としては、印
刷法などが挙げられる。この印刷法で使用されるインキ
として、シリカ(SiO2 )、アルミナ(Al2 3
およびこれらの組合せなどの多孔質性の材料を含有する
市販のインキを用いることができ、たとえば東洋インキ
製造(株)製スクリーンインキ 商品名「SS7GKサ
イン 611白」や、東洋インキ製造製造(株)製スク
リーンインキ 商品名「SS筆記メジウム」などを使用
することができる。
【0038】また本発明では後述するように、粗面化し
た鏡面板、あるいは表面粗面化した板材15の粗面化し
た面を筆記性層1と接触させて熱プレスすることによ
り、熱融着等の処理後にも良好な筆記性層1を設けるこ
とができる。なお鏡面板21の粗面化も前記同様の方法
を用いることができる。前記表面を粗面化した板材15
としては、プラスチックフィルムの表面をサンドブラス
ト処理法、あるいは公知の方法、たとえば酸、アルカ
リ、有機溶剤等を用いて板材の表面をケミカルエッチン
グして、粗面化したものを用いることができる。
【0039】本発明で形成される筆記性層1は、JIS
B 0601に基づいて求められるRa値で、好まし
くは、0.3〜10μmの範囲が好ましく、特に、0.
4〜2μmの範囲が望ましい。
【0040】基材3 本発明に使用される基材3は、以下に示すような材料か
らなるフィルムやこれらの積層体が用いられる。
【0041】塩素含有重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル
共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体
など、 ポリエステル樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂
(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PB
T)、あるいはテレフタール酸またはイソフタール酸な
どの酸成分と、エチレングリコールまたはシクロヘキサ
ンジメタノールなどのアルコール成分との縮合エステル
樹脂(たとえばPETG:イーストマンケミカル社の商
標)など、 生分解性プラスチック樹脂;ポリ乳酸系樹脂、デンプン
と変性ポリビニールアルコール等とからなる天然高分子
系樹脂、β―ヒドロキシ酪酸とβ―ヒドロキシ吉草酸と
からなる微生物産生の樹脂等。
【0042】さらにポリアセテート、ポリスチレン(P
S)、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)及びポ
リカーボネート(PC)、ポリアミド樹脂、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂等の合成樹脂フィルムまたは合成紙
等が挙げられ、これら上記材料を適宜組合せてもよく、
これら上記の材料を積層したものでもよい。これら基材
3の厚さは通常、10〜50μm程度であってもよい。
【0043】このような積層体の例としては、図2
(a)などに示すように、白色ポリ塩化ビニル樹脂フィ
ルム(たとえば厚さ280μm)を2枚積層したコアフ
ィルム13と、このコアフィルム13の表裏面に、印刷
を施した透明ポリ塩化ビニル樹脂フィルムなどをオーバ
ーレイフィルム(たとえば厚さ100μm)として積層
したもの、また、白色PETGフィルム(たとえば厚さ
280μm)を2枚積層したコアフィルムと、このコア
フィルムの表裏面に、印刷を施した透明PETGをオー
バーレイフィルム(たとえば厚さ100μm)として積
層したもの、コアフィルムの表面(おもて面)側または
裏面側の双方または片面にオーバーレイフィルムを積層
したものなどが挙げられる。オーバーレイフィルムとし
ては、ポリエチレンテレフタレート(PET)も使用で
きる。
【0044】また、表面に印刷等を施した前記同様の白
色ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを2枚積層したコアフィ
ルムと、このコアフィルムの表裏面に前記同様の透明ポ
リ塩化ビニル樹脂フィルムをオーバーレイフィルムとし
て積層したもの、また、表面に印刷等を施した前記同様
の白色PETGフィルムを2枚積層したコアフィルム
と、このコアフィルムの表裏面に前記同様の透明PET
Gをオーバーレイフィルムとして積層したもの、コアフ
ィルムの表面(おもて面)側または裏面側の双方または
片面にオーバーレイフィルムを積層したものなどが挙げ
られる。
【0045】ICチップ回路基板層4 本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体には、
好ましくは、ICチップ回路基板層を有する。たとえば
図2(b)に示すように、たとえばICチップを基材層
等に埋め込み、この埋め込まれたICチップ5と、IC
チップ回路基板層4とが、バンプ等を介して電気的に接
続されていてもよい。
【0046】また本発明に係る筆記性を有する可逆性感
熱記録媒体には、図2 (a) および図2 (b) に示すよ
うに、下記に記載する接着層6等を有していてもよい。
【0047】接着層6 接着層6は、基材3を積層体とした場合に任意の層間、
特に接着性の悪いフィルム層間に設けられ、熱プレス等
した場合に十分に層間の接着を行い得るものであればよ
い。このような接着層6を形成する樹脂として、ポリエ
ステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ビニル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂又はそれらの混合樹脂、ホットメルト樹
脂からなるフィルムなどが挙げられる。
【0048】保護層8 保護層8は、可逆性感熱記録層2上に設けることができ
る。このような保護層8としては、通常保護層8として
使用されているものであれば特に制限なく用いられる
が、本発明では、紫外線硬化型樹脂で構成することがで
き、この保護層8には、シリカ等が含有されていてもよ
く、また、必要に応じて、さらに、分散剤、フッ素系な
どの界面活性剤、導電剤、充填剤、シリコーンなどの滑
剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、発色安定
化剤、消色促進剤などを含んでいてもよい。
【0049】その他の記録層 本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体には、
その他の可逆性記録層2、非可逆記録層を設けることが
できる。このようなその他の可逆性記録層としては、以
下に述べる磁気記録層が挙げられる。なお非可逆記録層
としては、公知の印刷7を層状に設けたものが挙げられ
る。
【0050】磁気記録層は、従来の磁気記録媒体におい
て磁気記録層として一般に用いられているものが挙げら
れる。例えば、磁性材料として粒径10μm以下、好ま
しくは0.01〜5μmのBa−フェライト、Sr−フ
ェライト、Co被着γ−Fe 2 3 、γ−Fe2 3
針状鉄粉、CrO2 等を用い、バインダー樹脂として一
般に用いられるポリエステル系樹脂、アルキッド系樹
脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂又はそれらの混
合樹脂を用いることが出来る。磁気記録層14中には、
その他の添加剤が含まれていてもよい。その他の添加剤
としては、たとえば帯電防止剤、界面活性剤、分散剤、
可塑剤および潤滑剤等が挙げられる。磁気記録層の厚さ
は、5〜20μm程度である。
【0051】このような上記各層を積層等することによ
り、本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体が
得られる。積層方法としては、公知の方法が採用され
る。
【0052】可逆性感熱記録媒体の積層例 可逆性感熱記録媒体の他の積層例としては、筆記性層
(一部の面または全面に形成)1/オーバーレイフィル
ム14/接着層6/コアフィルム13/接着層6/オー
バーレイフィルム14/可逆性感熱記録層2/保護層
8、筆記性層(一部の面または全面に形成)1/オーバ
ーレイフィルム14/接着層6/コアフィルム13/I
Cチップを実装した回路基板層4/コアフィルム13/
接着層6/可逆性感熱記録層2/保護層8等の層構成例
が挙げられる。
【0053】[筆記性を有する可逆性感熱記録媒体の製
造方法]次に、本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱
記録媒体の製造方法について説明する。本発明に係る筆
記性を有する可逆性感熱記録媒体の製造方法は、粗面化
加工工程を含んでいる。
【0054】粗面化加工工程 本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体の製造
方法は、前記したような各層を、適宜積層等して形成
し、これを粗面化加工工程によって、筆記性を有する可
逆性感熱記録媒体を製造することができる。本発明では
好ましくは、先ず筆記性層1を形成するための白インキ
などの多孔質性インキを印刷して、筆記性層1を形成
し、次にカード貼り合わせと同時に前記筆記性層1に粗
面化加工工程を施すことにより、筆記性を有する可逆性
感熱記録媒体が得られる。なお前記多孔質性インキの色
は、前記色に限定されない。
【0055】このような本発明に係る筆記性を有する可
逆性感熱記録媒体の製造方法によって、筆記適性に優れ
る可逆性感熱記録媒体が得られる。本発明では、前記方
法を採用すれば、カード抜き加工後に単面にサインパネ
ルを転写して設ける方法と比べて、印刷法により多面付
けで筆記性層1を形成するので、低コストでカードに筆
記性層を付加することができる。
【0056】また本発明では、このような粗面化加工工
程は、粗面化した鏡面板、あるいは前記した粗面化した
板材15を介して熱プレス工程を同時に行う方法が採用
される。また、本発明では、粗面化していない鏡面板を
用いて熱プレスした後に、可逆性感熱記録媒体の筆記性
層1を形成する面に、前記したような、粗面化処理によ
る粗面化加工工程も適用することもできる。さらに本発
明においては、熱プレスと同時に行う粗面化加工工程を
終了後、粗面化処理による粗面化加工工程を施すことも
できる。なお粗面化加工工程を、粗面化した板材15を
介して熱プレス工程を同時に行う場合、粗面化した板材
15の軟化点は、筆記性層1に加工しようとする可逆性
感熱記録媒体の最外層10の軟化点と比較して、高くな
っている。このような軟化点の差は、好ましくは20℃
程度以上である。
【0057】本発明で好適に適用される熱プレス工程と
同時の粗面化加工工程では、通常、10〜70kg/c
2 、好ましくは15〜50kg/cm2 の加圧下に、
100〜170℃、好ましくは110〜150℃の範囲
で通常、たとえば1時間未満、好ましくは1〜50分間
程度保持することにより、行われる。なお熱プレス工程
時の加熱温度は使用される基材等によって、最適な温度
範囲が決定され選択される。なお前記保持時間は、単な
る例示であり、本発明では特に限定されない。
【0058】たとえば、透明ポリ塩化ビニルフィルム/
白色ポリ塩化ビニルフィルム/白色ポリ塩化ビニルフィ
ルム/透明ポリ塩化ビニルフィルムのような積層体を用
いた場合には、前記粗面化加工工程(熱プレス工程)時
の加熱温度は、130〜150℃程度が好ましく、また
透明PETG/白色PETG/白色PETG/透明PE
TGのような積層体を用いた場合には、粗面化加工工程
時の加熱温度は、110〜130℃程度であってもよ
い。
【0059】熱プレス時の圧力または加熱温度が上記範
囲を越えると、得られた筆記性を有する可逆性感熱記録
媒体の前記Ra値が低くなりすぎて筆記適性が低下する
可能性があるため好ましくなく、また、熱プレス時の圧
力または加熱温度が上記範囲未満では、十分な強度で貼
り合わせができないため、好ましくない。
【0060】このような熱プレス工程は、他の手段によ
り行ってもよいが、加熱融着時の圧力および温度条件
は、前記同様にして行われる。なお粗面化加工工程を熱
プレスと同時に行わない場合の熱プレス条件は、前記同
様にして行われる。
【0061】以下に、 本発明を実施例によってさらに詳
説するが、本発明は、これら実施例に基づいて、限定し
て解釈されるものではない。
【0062】実施例1 1-1 サインパネル(筆記性層1)印刷 裏面側オーバーレイフィルムとして、 厚さ125μm の
白色PET フィルム( 東レ株製、商品名:ルミラー#12
5E・ 28G) の表面に、 白色多孔質スクリーンインキ
( 東洋インキ製造(株)製、商品名SS7GK サイン
611白) を、スクリーン印刷により印刷し、 80℃で
15分間乾燥させ、幅10mm×長さ38mm、厚さ約7
μm のサインパネル部を形成した。なお本実施例では、
所望の面付けに多面付け、 例えば6行3列=1 8面付け
で印刷することもできる。 この場合、裏基体の寸法を、
例えば長さ430mm×幅350mmとすれば、18面付け
することができる。
【0063】1-2 基材の準備印刷 前記1-1 でサインパネル部を形成したフィルムにおい
て、前記サインパネル部と同一面のサインパネルと重な
らない領域に、 UV硬化型オフセットインキ ((株)T&K
TOKA製べストキュアーUV161 墨S )を用いて文字等を
印刷し、 さらにこの印刷を保護するためにUV硬化型オフ
セットOPインキ (ザ・ インクテック(株)製UVカルトン
プリカOPニス) を用いて印刷した。 この時もサインパネ
ル部を避けて印刷した。
【0064】表面(おもて面)側オーバーレイフィルム
上にUVオフセットインキ( 東洋インキ製造(株)製、
商品名「FDカルトンP」) で印刷を施した。次にこの
印刷層を覆ってオーバーレイフィルム上に下記の組成の
可逆性感熱記録材料を塗布し、乾燥させ、紫外線照射を
行って、乾燥膜厚5μmの可逆性感熱記録層を形成し
た。
【0065】 ・ロイコ染料:(3 ‐ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン: 山本化成(株)製、商品名「ODB」) 5重量部 ・顕減色剤:N−(p−ヒドロキシフェニル)−N' −n−オクタデシル尿素 15重量部 ・バインダー樹脂:熱可塑性樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール 共重合体に、アクリル酸をエステル重合させた樹脂、固形分30%) 66重量部 ・光重合開始剤:(チバスペシャリティ・ケミカル (株):商品名ダロキュア 184) 2重量部 ・溶剤(MEK(メチルエチルケトン):トルエン=1:1(重量比) 114重量部
【0066】次に、前記可逆性感熱記録層上に下記組成
の塗料を塗布し、100℃で2分間乾燥させ、紫外線照
射(160W/cm、30m/分、1パス)を行い、乾
燥膜厚3μmの保護層を形成した。 ・紫外線硬化型塗料(大日本インキ化学工業(株)製 商品名「ユニディックC 3‐374) 20重量部 ・シリカ(水澤科学工業(株)製、商品名「ミズカシルP‐603」) 1重量部 ・溶剤(MEK:トルエン=1:1(重量比) 20重量部
【0067】1-3 貼り含せ (熱プレス) 図3に示すように、 前記したおもて面側オーバーレイフ
ィルムと裏面側オーバーレイフィルムの間に厚さ200
μm のPETGフィルム (三菱樹脂(株)製ディアフィクス
PG-W) 2枚からなるコアフィルムと、 厚さ100μm の
ホットメルト接着剤フィルム (東亜合成(株)製 シー
ト状ホットメルト接着剤アロンメルトPES-111)を挟み込
み、 さらに、 サインパネル部の筆記適性を損なわないよ
うに、一方の表面が粗面化されたPET シート (三菱ポリ
エステルフィルム(株)製 T‐100、厚さ188μ
m 、粗面化された面のRa値が約0.6μm)を粗面化処理
面が筆記性層1と相対するように筆記性層1上に配置し
て、鏡面板とクッション紙(厚さ約1mm ×3 枚) を重ね
合せ、 熱プレスの熱盤32の間にセットして周辺の雰囲
気を減圧し、 13kg/cm2 に加圧して125℃で1
5分間加熱後冷却して貼り合せ、さらにJIS X63
01に規定されたID‐1タイプのサイズに打ち抜き加
工して、カード状の本実施例の可逆性感熱記録媒体を製
造し、製造した可逆性感熱記録媒体を用いて評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0068】なお本実施例以外に、筆記適性を有する吸
油性の高いインキよりも、軟化点の高い樹脂からなるフ
ィルムを、サンドを用いて粗面化加工し、 または鏡面板
を直接エッチングして使用して、最外層10の少なくと
も一部を粗面化加工して筆記性層1を設けることもでき
る。
【0069】実施例2 フィルム上にアンテナ回路等を形成し、 ICチップを装
着したICモジュール(ICチップ回路基板層)を、 I
Cチップに対応する位置に貫通孔を形成したコアフィル
ムともう一つのコアフィルムの間に介在させた以外は実
施例1 と同様にして可逆性感熱記録媒体を製造し、これ
を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
【0070】比較例1 粗面化処理されたフィルムを介在させずに表面が粗面化
されていない鏡面板を用いて熱プレスした以外は実施例
1と同様にして可逆性感熱記録媒体を製造し、これを用
いて評価を行った。結果を表1に示す。
【0071】比較例2 裏面側オーバーレイフィルムにサインパネル部を形成し
ないものを使用し、 粗面化処理されたフィルムを介在さ
せずに表面が粗面化されていない鏡面板を用いて熱プレ
スし、 熱プレス後、 可逆性感熱記録層とは反対面に実施
例1 で用いたサインパネル形成用インキにより厚さ12
μm のサインパネルを形成した以外は実施例1と同様に
して、可逆性感熱記録媒体を製造し、これを用いて評価
を行った。結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】結果 表1に示すように、実施例1および実施例2、 並びに比
較例2の可逆性感熱記録媒体は、 良好な筆記適性を有し
ていたのに対し、 比較例1の可逆性感熱記録媒体はボー
ルペンに対する筆記適性を有していなかった。また各実
施例および各比較例に示す可逆性感熱記録媒体の可逆性
感熱記録層に、サーマルヘッドを用いて印字を行ったと
ころ、 実施例1および実施例2並びに比較例1 の可逆性
感熱記録媒体は、 印字かすれが発生しなかったのに対
し、 比較例2の可逆性感熱記録媒体は、サインパネルの
端部に対応する可逆性感熱記録層の位置に印字かすれを
生じていた。
【0074】
【発明の効果】本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱
記録媒体の発明によって、基材3に対しておもて面に可
逆性感熱記録層2(リライト表示部)を設け、その反対
面に、筆記性層1を実質的に面一に設けたので、筆記性
層1と最上層面との段差によりサーマルヘッドの圧力差
がないため、可逆性感熱記録層2に印字ムラ、かすれが
発生しない。しかも本発明の筆記性を有する可逆性感熱
記録媒体をIDカード等に利用すれば、印字ムラやかす
れを防止するためにサーマルヘッドの押圧を上げる必要
がないので、長寿命で汚れが少ない可逆性感熱記録媒体
が得られる。
【0075】このような筆記性を有する可逆性感熱記録
媒体をカードに適用することにより、カード面の法線方
向に、印字面と、筆記性層1の端部とを有していても、
加熱印字/消去される際に、筆記性層1の端部が実質的
に段差を有しておらず、印字ムラ、かすれが発生せず、
また、筆記性層1が設けられる最外層10は、最外層1
0のどの位置でも制限されずに設けられるため、本人
名、暗号等を筆記できると共に、長寿命でサーマルヘッ
ドが汚れにくくなり、カードに印字の際に引っ掻き傷が
生じることが少ない。このため、本発明に係る筆記性を
有する可逆性感熱記録媒体は、長期にわたって、引っ掻
き傷の少ないきれいなカードとして使用可能である。
【0076】このような本発明に係る筆記性を有する可
逆性感熱記録媒体は、ICカード、定期券などの長期に
わたって使用されるカード類に特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒
体の層構成の1例を示す図である。
【図2】本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒
体の層構成の他の1例を示す図であり、(a)は、実施
例1で得られたカードの層構成例を示し、(b)は、実
施例2で得られたカードの層構成例を示す。
【図3】本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒
体の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1 筆記性層 2 可逆性感熱記録層 3 基材 4 ICチップ回路基板層 5 ICチップ 6 接着層 7 印刷 8 保護層 10 最外層 13 コアフィルム 14 オーバーレイフィルム 15 粗面化した板材 21 鏡面板 31 緩衝材(クッション) 32 熱盤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、可逆性感熱記録層を有する可
    逆性感熱記録媒体であって、前記可逆性感熱記録層が設
    けられた基材の反対面の最外層の少なくとも一部に筆記
    性層が設けられ、該最外層は実質的に面一に設けられた
    ことを特徴とする筆記性を有する可逆性感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記筆記性層は、前記最外層面よりも小
    さい面積であることを特徴とする請求項1に記載の筆記
    性を有する可逆性感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記最外層と前記筆記性層との段差は、
    10μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の
    筆記性を有する可逆性感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記筆記性を有する可逆性感熱記録媒体
    は、さらに、ICチップを実装したものであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の筆記性を
    有する可逆性感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 基材上に、可逆性感熱記録層を有する可
    逆性感熱記録層と、筆記性層とが基材に対して反対面上
    に設けられた可逆性感熱記録媒体の製造方法であって、 前記製造方法は、筆記性層に加工する粗面化加工工程を
    有することを特徴とする筆記性を有する可逆性感熱記録
    媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記粗面化加工工程は、熱プレスと同時
    に行うことを特徴とする請求項6に記載の筆記性を有す
    る可逆性感熱記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記粗面化加工工程は、粗面化した鏡面
    板または粗面化した板材を介して熱プレスと同時に行う
    ことを特徴とする請求項6に記載の筆記性を有する可逆
    性感熱記録媒体の製造方法。
JP2000105348A 2000-04-06 2000-04-06 可逆性感熱記録媒体の製造方法 Expired - Fee Related JP4023529B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000105348A JP4023529B2 (ja) 2000-04-06 2000-04-06 可逆性感熱記録媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000105348A JP4023529B2 (ja) 2000-04-06 2000-04-06 可逆性感熱記録媒体の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007120172A Division JP4085124B2 (ja) 2007-04-27 2007-04-27 可逆性感熱記録媒体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001287457A true JP2001287457A (ja) 2001-10-16
JP4023529B2 JP4023529B2 (ja) 2007-12-19

Family

ID=18618727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000105348A Expired - Fee Related JP4023529B2 (ja) 2000-04-06 2000-04-06 可逆性感熱記録媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4023529B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003091040A1 (fr) 2002-04-23 2003-11-06 Ricoh Company, Ltd. Carte d'enregistrement/affichage de donnees, procede de traitement d'image utilisant celle-ci et processeur d'image
WO2003091041A1 (fr) 2002-04-23 2003-11-06 Ricoh Company, Ltd. Carte d'enregistrement/affichage de donnees, procede de traitement d'image utilisant celle-ci et processeur d'image
JP2004207370A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Cmk Corp プリント配線板の製造方法
JP2014203301A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 共同印刷株式会社 可逆性感熱記録媒体

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003091040A1 (fr) 2002-04-23 2003-11-06 Ricoh Company, Ltd. Carte d'enregistrement/affichage de donnees, procede de traitement d'image utilisant celle-ci et processeur d'image
WO2003091041A1 (fr) 2002-04-23 2003-11-06 Ricoh Company, Ltd. Carte d'enregistrement/affichage de donnees, procede de traitement d'image utilisant celle-ci et processeur d'image
US6969695B2 (en) 2002-04-23 2005-11-29 Ricoh Company, Ltd. Information recording-displaying card, image processing method using same, and image processor
US6989349B2 (en) 2002-04-23 2006-01-24 Ricoh Company, Ltd. Information recording-displaying card, image processing method using same, and image processor
CN100339236C (zh) * 2002-04-23 2007-09-26 株式会社理光 信息记录显示卡及其制造方法、使用该卡的图像处理方法与图像处理装置
CN100357114C (zh) * 2002-04-23 2007-12-26 株式会社理光 信息记录显示卡,及使用该卡的图像处理方法与图像处理装置
JP2004207370A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Cmk Corp プリント配線板の製造方法
JP2014203301A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 共同印刷株式会社 可逆性感熱記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4023529B2 (ja) 2007-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4347496B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体の製造方法
JP2787847B2 (ja) 反復熱記録方法
JP4438012B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体及び可逆性感熱記録媒体の製造方法
JP4023529B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体の製造方法
JP2001341427A (ja) 可逆性記録シート及び可逆性記録媒体
JP4085124B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体の製造方法
JPH11291646A (ja) 中間転写フィルム
JP2001071543A (ja) 可逆性感熱記録媒体の印字消去方法
US6375784B1 (en) Method of manufacturing reversible heat-sensitive recording medium and reversible heat-sensitive recording medium manufactured thereby
JP2002103654A (ja) 可逆性感熱記録装置および可逆性感熱記録カード
JPH11320931A (ja) 可逆性感熱記録媒体の印字装置、消去装置、印字・消去装置、印字方法、消去方法、及び印字・消去方法
JP3574313B2 (ja) 可逆性感熱記録シート
JP2000137782A (ja) 情報記録カード
JP2000309169A (ja) 熱記録カード、ラベル、画像処理方法、画像表示方法及び画像処理装置
JP2000094866A (ja) 可逆性感熱記録シートおよびそれを用いた情報記録媒体
JP4179863B2 (ja) 可逆性感熱記録転写シートおよび可逆性感熱記録媒体の製造方法
JP4416065B2 (ja) 感熱記録媒体
WO1995026883A1 (en) Reversible thermosensible recording material
JP4576036B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP3574314B2 (ja) 転写型可逆性感熱記録媒体
JP2000343829A (ja) 可逆性感熱記録媒体の製造方法および可逆性感熱記録媒体
JP4529296B2 (ja) インキ受容性を持つ可逆性表示媒体
JP4278016B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体の製造方法
JPH0939452A (ja) 多色感熱記録媒体
JP4326319B2 (ja) 可逆性感熱記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070130

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20070130

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20070222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070427

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070529

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070730

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111012

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121012

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131012

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees