JP3727816B2 - 可逆性感熱記録フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、温度によって可視画像を表示および消去可能な可逆性感熱記録媒体に用いられる可逆性感熱記録フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭63−41186号公報には、可視画像を表示または消去する可逆性感熱記録材料として、透明性が温度によって可逆的に変化する有機低分子化合物を透明な樹脂母材中に分散状態に配合し、分散した各粒子部分の透明度を可逆的に変化させることにより、透明/白濁のコントラストによって画像を表示可能な可逆性感熱記録材料が記載されている。
【0003】
可逆性感熱記録材料を可逆性感熱記録媒体の所要部に用いるには、可逆性感熱記録材料を有機溶剤に溶かし、これをポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムなどの基材上に金属箔や金属蒸着層からなる光反射層を形成した上に塗布し、乾燥させた後、表面に保護層を設けて可逆性感熱記録媒体を物理化学的損傷から保護する。因みに、このような保護層は、透明性または光透過性があり、しかも感熱記録時の加熱温度に耐える合成樹脂で形成することが好ましく、例えばアクリル系樹脂によって1〜10μm程度の厚さに形成されている。
【0004】
なお、厚さ40μm以下に形成されたフィルムは、カードに転写する際の熱接着時に歪みが発生し難くて反りのないカード状感熱記録媒体を形成できるので好ましい。
【0005】
このように可逆性感熱記録フィルムは、通常、可逆性感熱記録層の表・裏面に保護層と基材層、または保護層と光反射層が接するように重ねて一体化した構造である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の可逆性感熱記録フィルムの可逆性感熱記録層は、有機低分子化合物が均一分散されて可視画像を表示および消去可能な所定量だけ含まれており、この有機低分子化合物は、合成樹脂用可塑剤に近い物性のものであるから、基材層または光反射層と保護層との界面での接着性を阻害しやすく、感熱記録が多数回行なわれた場合には、境界面で層間剥離が生じやすくする。
【0007】
可逆性感熱記録フィルムに層間剥離が生じると、可視画像のコントラストが低下して表示および消去が正確にできなくなるという問題が起こる。
【0008】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、可逆性感熱記録フィルムにおける可逆性感熱記録層とこれに接する層との層間剥離を防止し、感熱記録が多数回行なわれ、加熱が繰り返された場合にも画像のコントラストの低下がなく、使用耐久性のよい可逆性感熱記録フィルムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、樹脂母材に結晶性の有機低分子化合物を分散状態に保持した可逆性感熱記録層を有する積層体からなり、この可逆的感熱記録層の透明性を温度によって可逆的に変化させて可視画像を表示および消去可能な可逆性感熱記録フィルムにおいて、前記可逆性感熱記録層が、有機低分子化合物を10重量%未満の濃度で含有する上層部および下層部と、有機低分子化合物を10重量%以上の濃度で含有する中層部からなる積層構造であることを特徴とする可逆性感熱記録フィルムとしたのである。
【0010】
このような可逆性感熱記録フィルムは、上層部と下層部の厚さがそれぞれ1〜4.5μmであることが好ましい。
【0011】
さらに、上層部と下層部の厚さは、それぞれ全可逆性感熱記録層の2〜30%の範囲にあるように形成することが好ましい。
【0012】
上記したように構成されるこの発明の可逆性感熱記録フィルムは、可逆性感熱記録層の上層部および下層部に有機低分子化合物の含有量が所定濃度以下で含まれている上層部および下層部を有しているので、可逆性感熱記録層の上下両面に接する基材層もしくは光反射層、または保護層との接着性が有機低分子化合物によって阻害されなくなる。
【0013】
そのため、この発明の可逆性感熱記録フィルムは、従来品のように有機低分子化合物を可逆性感熱記録層に均一分散したフィルムに比べて、基材層もしくは光反射層または保護層との接着力が向上し、感熱記録が多数回行なわれても層間剥離が生じ難い可逆性感熱記録フィルムになる。また、この発明の可逆性感熱記録フィルムは、基材層もしくは光反射層または保護層との接着力が向上しているので、可視画像のコントラストが高く、表示および消去が正確に行なえる可逆性感熱記録フィルムになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の可逆性感熱記録フィルムの実施形態を、以下に添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に示す可逆性感熱記録フィルムAは、テープ状に形成された可逆性感熱記録フィルムの実施形態の断面である。可逆性感熱記録フィルムAは、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂からなるフィルム基材1の上面(表面)に、アルミニウム蒸着などによって光学的反射面となる光反射層2を設け、その上に可逆性感熱記録層aを設けている。この可逆性感熱記録層aは、光透過性樹脂に有機低分子化合物を10重量%未満の濃度で含有する上層部3および下層部5を有し、有機低分子化合物を10重量%以上の濃度で含有する中層部4を有する3層構造のものである。
【0016】
そして、その上にアクリル樹脂などの透明な樹脂からなる保護層6を重ね、さらにフィルム基材1の他の下面(裏面)には熱可塑性樹脂からなる熱接着層7を設け、全層を接着一体化した可逆性感熱記録フィルムAである。
【0017】
なお、光反射層2は、コントラストを高めて感熱記録層3に形成された画像をカードの表面から見やすくするために設けられたものであり、アルミニウムやスズなどの蒸着または箔の接着またはアルミ粉などを混ぜた光反射性の塗料で形成されたものである。
【0018】
フィルム基材1は、ポリエチレンテレフタレートなどの感熱記録やフィルムの熱接着工程に耐える耐熱性があり、用途に応じた機械的強度を有する合成樹脂を好ましくは40μm以下の厚さに形成したものであり、より好ましい厚さは25μm以下としたものである。
【0019】
所定の厚さを越える厚肉のフィルム基材を使用すると、ポリ塩化ビニル樹脂層等からなるカード基材に重ねて熱接着した際に、熱膨張率および熱収縮率の違いによる歪みが発生し、カードに反り(カール)が生じる場合があって好ましくない。カールした可逆性感熱記録媒体は、サーマルヘッドに対して全面がムラなく接しなくなるので、印字や消去を完全に行なうことが困難になるからである。
【0020】
また、可逆性感熱記録フィルムAは、積層体の全層の厚さを60μm以下に形成して、カード基材に熱圧プレス接着した際に平滑な表面を形成すると共に、接着部に段差が形成されないようにしており、より好ましい全層厚は50μm以下である。可逆性感熱記録フィルムAは、熱圧プレス後に被接着基材から剥がれ難くなるようにできるだけ薄い方が好ましい。
【0021】
なお、フィルム基材1は、例えば表面にアンカーコート剤を塗布したり、さらにインライン処理によって延伸し、またはその他の物理化学的に粗面化処理を行なって、接着性を高めたものが好ましい。
【0022】
この発明における可逆性感熱記録層の上・中・下層の各層は、温度によって可逆的に結晶/融解の相転移する有機低分子化合物の粒子を樹脂母材に分散させた組成物からなり、樹脂母材としては、耐熱性、透明性、成膜性、高温弾性等の特性が優れたものであり、繰り返して急速に加熱される条件でもこのような特性を維持できる樹脂が好ましい。
【0023】
好適な母材樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アルコール共重合体、その他の酢酸ビニル化合物、塩化ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、またはその共重合体などが挙げられる。
【0024】
可逆性感熱記録材料に使用する有機低分子化合物は、熱処理によって結晶化するか、または融解して非結晶状態になるものであり、例えば炭素数12以上の脂肪酸のアルキルエステルなどの周知の有機低分子化合物を採用する。このような有機低分子化合物は、カルボン酸、ジカルボン酸、ケトン、エーテル、アルコール、エステルおよびその誘導体などからなる化合物であってもよく、それらの1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0025】
このような結晶性の有機低分子化合物のうち、炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルは、低融点(mp)のものであり、比較的低温での熱処理により結晶化したりまたは融解するので好ましいものである。さらに炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルに加えて炭素数10以上の脂肪族二塩基酸の高融点(mp)のものを併用し、脂肪酸アルキルエステルと脂肪族二塩基酸の配合割合を調整すれば、透明化する温度領域を調整したり、所定温度での透明性の度合いおよび白濁状態の濁りの程度を任意に変化させることができる。
【0026】
有機低分子化合物の含有濃度10重量%未満の上層部および下層部と、有機低分子化合物の含有濃度10重量%以上の中層部からなる積層体を作製するには、溶剤コーティング法を採用して可逆性感熱記録材料を対象物表面に層状に設け、その際、予め有機低分子化合物を所定含有濃度に調整した複数の塗装液を準備し、これを濃度別に塗布し乾燥する工程を上・中・下層についてそれぞれ行なうようにする。
【0027】
なお、溶剤コーティングを行なうときには、貧溶媒での分散コーティング、無溶剤での押し出しコーティングなどを採用することもできる。
【0028】
また、可逆的感熱記録層の上層部および下層部における有機低分子化合物が10重量%以上の含有量では、後述の実施例と比較例の結果からも明らかなように、可逆性感熱記録フィルムの使用状態での耐久性(層剥離の防止性)が充分に得られず、または充分なコントラストを維持できる耐久性が所期した程度に充分に得られない。このような傾向から、これらの両層におけるより好ましい有機低分子化合物の含有濃度は、3重量%以下である。
【0029】
上層部または下層部の層の厚さは、可逆性感熱記録層の基材層または保護層に対して接着性を向上させる効果のあるかぎり1μm未満であってもよく、好ましくは0.2〜4.5μmであり、より好ましくは1〜4.5μmである。
【0030】
さらに、可逆性感熱記録フィルムの耐久性および充分に明瞭なコントラストの画像を得るために、上層部または下層部の厚さは、それぞれ全可逆性感熱記録層の2〜30%の範囲にあるように形成することが好ましい。上層部または下層部の厚さが、上記所定範囲未満である場合は、耐久性が充分に得られない場合があり、上層部または下層部の厚さが、上記所定範囲を越えた場合は、画像のコントラストが不充分になる場合がある。
【0031】
保護層6を形成する樹脂材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアクリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂などが挙げられる。このうち、アクリル樹脂などについては、紫外線硬化型樹脂を採用することができる。
【0032】
熱接着層7を形成する熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂または塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂を採用することができる。特に、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体や塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体を主成分とする熱接着性樹脂またはポリエステル系樹脂を採用することが好ましい。また、熱接着層の接着性を向上させるためには、イソシアネート化合物またはその誘導体を架橋剤として配合した熱接着性樹脂、またはカルボキシル基を有する樹脂を採用することも好ましいことである。
【0033】
図2に示すように、カード形可逆性感熱記録媒体(リライトカード)Cの表層部に可逆性感熱記録フィルムAを一体に積層するには、ポリ塩化ビニル樹脂などからなるカード基材Bの表面に重ねて、熱プレス加工を行なう。
【0034】
なお、図2中の符号8は、ポリ塩化ビニル樹脂のコアシートを示し、同図中の符号9、10は、ポリ塩化ビニル樹脂のオーバーシートを示し、同図中の符号11は磁気テープを示している。カード基材Bは、非結晶性ポリエステル樹脂(PET−G)、ポリ乳酸を主成分とする生分解性樹脂など形成してもよい。
【0035】
【実施例および比較例】
〔実施例1〕
表1に示す可逆性感熱記録層の層構成で可逆性感熱記録フィルムを作製した。すなわち、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム基材(188μm厚)の表面にアルミ蒸着し、その上に下記の可逆性感熱記録材塗料P-1 を塗布し、加熱乾燥して層厚0.2μmの下層を形成し、次いで下記の可逆性感熱記録材塗料Q-1 を塗布し、加熱乾燥して層厚9.6μmの中層を形成し、さらに可逆性感熱記録材塗料P-1 を塗布し、加熱乾燥して塗料P-1 からなる層厚0.2μmの上層を形成し、(P-1)/(Q-1)/(P-1) の3層構造の可逆性感熱記録層を形成した。次いで、可逆性感熱記録層の上面に、2μm厚のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを貼り合わせて保護層を形成した。また、シート基材の下面には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(日信化学社製:ソルバインC)からなる熱接着層を形成した。
【0036】
上記した可逆性感熱記録材塗料P-1 、Q-1 は、下記の組成のものを用いた。
Figure 0003727816
【0037】
Figure 0003727816
【0038】
得られた可逆性感熱記録フィルムをポリ塩化ビニル樹脂からなるカード基材に重ねて熱圧プレス成形し、カード基材の記録層側には可視記録表示窓を形成するための印刷を行ない、カード基材の下側には磁気記録用テープを接着した後、カード型に打ち抜き、カード型感熱記録媒体(リライトカード)を作製した。
【0039】
得られたカード型感熱記録媒体に対して、サーマルヘッド(0.35mJ/dot)による印字を行ない、その後、カードを130℃の熱印版で0.5秒間加熱して印字を消去し、このような印字および消去を500サイクル繰り返す耐久性テストを行なった。その結果、印字および消去について実用上全く問題がない、良好、問題有りの3段階に評価し、それぞれ◎、○、×の記号で表1中に併記した。
【0040】
また、印字・消去テストの後の可逆性感熱記録媒体の表面の反射濃度をマクベス反射濃度計(RD−914)で測定し、反射濃度が0.4以下を良好な印字状態、1.2以上を良好な消去状態であると評価し(地肌は約1.4)、コントラストについて実用上全く問題がない、良好、問題有りの3段階に評価し、それぞれ◎、○、×の記号で表1中に併記した。
【0041】
【表1】
Figure 0003727816
【0042】
〔実施例2〕
表1に示すように、可逆性感熱記録層を1.0μm厚の上層部、8.0μm厚の中層部、1.0μm厚の下層部としたこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録フィルムを作製し、さらに同様にカード型感熱記録媒体を作製した。
【0043】
〔実施例3〕
表1に示すように、可逆性感熱記録層を1.0μm厚の上層部、8.0μm厚の中層部、1.0μm厚の下層部とし、さらに可逆性感熱記録材塗料P-1 に代えて下記の可逆性感熱記録材塗料P-2 を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録フィルムを作製し、さらに同様にカード型感熱記録媒体を作製した。
【0044】
Figure 0003727816
〔実施例4〕
表1に示すように、可逆性感熱記録層を1.0μm厚の上層部、8.0μm厚の中層部、1.0μm厚の下層部とし、さらに可逆性感熱記録材塗料P-1 に代えて下記の可逆性感熱記録材塗料P-3 を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録フィルムを作製し、さらに同様にカード型感熱記録媒体を作製した。
【0045】
Figure 0003727816
〔実施例5〕
表1に示すように、可逆性感熱記録層を2.0μm厚の上層部、6.0μm厚の中層部、2.0μm厚の下層部としたこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録フィルムを作製し、さらに同様にカード型感熱記録媒体を作製した。
【0046】
〔実施例6〕
表1に示すように、可逆性感熱記録層を3.0μm厚の上層部、4.0μm厚の中層部、3.0μm厚の下層部としたこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録フィルムを作製し、さらに同様にカード型感熱記録媒体を作製した。
【0047】
〔実施例7〕
表1に示すように、可逆性感熱記録層を1.0μm厚の上層部、8.0μm厚の中層部、1.0μm厚の下層部とし、さらに可逆性感熱記録材塗料Q-1 に代えて下記の可逆性感熱記録材塗料Q-2 を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録フィルムを作製し、さらに同様にカード型感熱記録媒体を作製した。
【0048】
<可逆性感熱記録材塗料Q-2 >
Figure 0003727816
以上のようにして得られた実施例2〜7の可逆性感熱記録フィルムを接着したカード型感熱記録媒体に対して、実施例1と同じ試験方法によって耐久性とコントラストを評価し、この結果を表1中に併記した。
【0049】
〔比較例1〕
表1に示すように、可逆性感熱記録層を1.0μm厚の上層部、8.0μm厚の中層部、1.0μm厚の下層部とし、さらに可逆性感熱記録材塗料P-1 に代えて下記の可逆性感熱記録材塗料P-4 を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録フィルムを作製し、さらに同様にカード型感熱記録媒体を作製した。
【0050】
Figure 0003727816
〔比較例2〕
表1に示すように、可逆性感熱記録層を1.0μm厚の上層部、8.0μm厚の中層部、1.0μm厚の下層部とし、さらに可逆性感熱記録材塗料P-1 に代えて下記の可逆性感熱記録材塗料P-5 を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録フィルムを作製し、さらに同様にカード型感熱記録媒体を作製した。
【0051】
Figure 0003727816
〔比較例3〕
表1に示すように、可逆性感熱記録層を3.0μm厚の上層部、4.0μm厚の中層部、3.0μm厚の下層部とし、さらに可逆性感熱記録材塗料P-1 に代えて下記の可逆性感熱記録材塗料P-6 を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録フィルムを作製し、さらに同様にカード型感熱記録媒体を作製した。
【0052】
Figure 0003727816
〔比較例4〕
表1に示すように、可逆性感熱記録層を1.0μm厚の上層部、8.0μm厚の中層部、1.0μm厚の下層部とし、さらに中層部に用いる可逆性感熱記録材塗料Q-1 に代えて下記の可逆性感熱記録材塗料Q-3 を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録フィルムを作製し、さらに同様にカード型感熱記録媒体を作製した。
【0053】
Figure 0003727816
以上のようにして得られた比較例1〜4の可逆性感熱記録フィルムを接着したカード型感熱記録媒体に対して、実施例1と同じ試験方法によって耐久性とコントラストを評価し、この結果を表1中に併記した。
【0054】
表1の結果からも明らかなように、上・下層部の有機低分子化合物の含有量が所定濃度を越えて濃厚な比較例1〜3は、可逆性感熱記録フィルムの耐久性が不良であり、層間の一部に剥離が生じた。また、中層部の有機低分子化合物の含有量が所定濃度未満で薄い比較例4は、画像のコントラストが不充分であった。
【0055】
これに対して有機低分子化合物を所定濃度未満だけ含有する上層部および下層部と、所定濃度以上の高濃度で含有する中層部からなる可逆性感熱記録層を形成した実施例のの可逆性感熱記録フィルムは、層間剥離がなく耐久性テストの結果が優れており、しかも印字状態も消去状態も良好でコントラストも良好なものであった。
【0056】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、可逆性感熱記録層が、有機低分子化合物を所定濃度未満だけ含有する上層部および下層部と、有機低分子化合物を所定濃度以上の高い濃度で含有する中層部からなる積層構造の可逆性感熱記録フィルムとしたので、可逆性感熱記録層とこれに接する層との層間剥離が防止され、感熱記録が多数回行なわれ、加熱が繰り返された場合にも画像のコントラストの低下がなく、使用耐久性のよい可逆性感熱記録フィルムが得られるという利点がある。
【0057】
また、可逆性感熱記録層の上層部および下層部の厚さを所定の厚さに形成し、さらに好ましくは全可逆性感熱記録層に所定の割合となる厚さに形成することにより、上記の効果がより確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の可逆性感熱記録フィルムの断面図
【図2】可逆性感熱記録フィルムを接着一体化した可逆性感熱記録媒体の断面図
【符号の説明】
1 フィルム基材
2 光反射層
3 上層部
4 中層部
5 下層部
6 保護層
7 熱接着層
8 コアシート
9、10 オーバーシート
11 磁気テープ
A 可逆性感熱記録フィルム
B カード基材
C カード形可逆性感熱記録媒体
a 可逆性感熱記録層

Claims (3)

  1. 樹脂母材に結晶性の有機低分子化合物を分散状態に保持した可逆性感熱記録層を有する積層体からなり、この可逆的感熱記録層の透明性を温度によって可逆的に変化させて可視画像を表示および消去可能な可逆性感熱記録フィルムにおいて、
    前記可逆性感熱記録層が、有機低分子化合物を10重量%未満の濃度で含有する上層部および下層部と、有機低分子化合物を10重量%以上の濃度で含有する中層部からなる積層構造であることを特徴とする可逆性感熱記録フィルム。
  2. 上層部と下層部の厚さがそれぞれ1〜4.5μmである請求項1記載の可逆性感熱記録フィルム。
  3. 上層部と下層部の厚さがそれぞれ全可逆性感熱記録層の2〜30%の範囲にある請求項1または2に記載の可逆性感熱記録フィルム。
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