JP3741647B2 - 抗フコイダン抗体 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、生理活性多糖であるフコイダンの機能研究や、構造解析に有用なフコイダンの構造を認識する抗体に関する。
【0002】
背景技術
フコイダンとは、分子中にフコース硫酸を含有する多糖であり、フコイダンには、ウロン酸を実質的に含まず構成糖の主成分がフコースのものと、ウロン酸を含み構成糖にフコースやマンノースを含むものがある。
【0003】
本発明者らは、ガゴメ昆布より、ウロン酸を実質的に含まず構成糖の主成分がフコースであるフコイダン、すなわちフコース硫酸含有多糖−F(以下、F−フコイダンと称す)、及びウロン酸を含むフコイダン、すなわちフコース硫酸含有多糖−U(以下、U−フコイダンと称す)をそれぞれ調製している(国際公開WO97/26896号公報参照)。
【0004】
フコイダンの生理作用としては、アポトーシス誘発活性、がん増殖抑制活性、がん転移抑制活性、抗凝血活性、抗ウイルス活性等が知られており、医薬品としての用途開発が期待されている。またフコインダンは、化粧品素材としても優れた機能を有している。
【0005】
そのため、フコイダンの構造や生理機能をさらに解析することが求められている。
【0006】
発明の目的
本発明の目的は、フコイダンの構造を特異的に認識し、フコイダンの構造解析や、構造と生理機能の関係の究明に有用な抗体を提供することにある。
【0007】
発明の概要
本発明者らはガゴメ昆布由来フコイダンを抗原とし、宿主を免疫することにより、フコイダンの構造を認識する抗体を産生する細胞を創成することに成功し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は下記式(I)又は(II)で表される化合物を認識する抗フコイダン抗体を提供する。
【0009】
【化3】
Figure 0003741647
【0010】
【化4】
Figure 0003741647
【0011】
さらに、本発明は上記抗フコイダン抗体を固定化した担体を提供する。
【0012】
発明の詳細な説明
本発明の抗体を調製するための抗原となるガゴメ昆布由来フコイダンは、国際公開WO97/26896号公報記載の方法により調製することができる。具体的には、参考例1−(1)に記載の方法で調製することができる。またU−フコイダン及びF−フコイダンも当該公報記載の方法により調製することができる。具体的には、参考例1−(2)に記載の方法で調製することができる。
【0013】
また式(I)で表される化合物は、国際公開WO99/41288号公報記載の方法により調製することができる。具体的には、参考例2に記載の方法で調製することができる。
【0014】
更に式(II)で表される化合物は、国際公開WO96/34004号公報記載の方法により調製することができる。具体的には、参考例3に記載の方法で調製することができる。
【0015】
なお、式(I)で表される化合物は、アルテロモナス(Alteromonas)sp.SN−1009(FERM BP−5747)の産生するF−フコイダン分解酵素による、F−フコイダンの低分子化物であり、F−フコイダンは式(I)で表される化合物を構成単位とした繰り返し構造を有している。
【0016】
また、式(II)で表される化合物は、フラボバクテリウム(Flavobacterium)sp.SA−0082(FRERM BP−5402)の産生するフコイダン分解酵素による、フコイダンの低分子化物である。
【0017】
本発明の抗フコイダン抗体は、式(I)又は式(II)で表される化合物を認識するのであればポリクローナル抗体であってもよいが、モノクローナル抗体として調製することもできる。当該モノクローナル抗体は、いわゆる細胞融合法によって製造される。すなわち、抗体産生細胞と骨髄腫細胞の間に、融合ハイブリドーマを形成させ、該ハイブリドーマをクローン化し、上記の式(I)又は式(II)で表される化合物に対して特異性を示す抗体を産生するクローンを選択することによって製造される。
【0018】
抗体産生細胞は、例えばガゴメ昆布由来フコイダンによりそれぞれ免疫された動物からの脾細胞、リンパ節細胞Bリンパ球が使用できる。免疫させる動物としては、マウス、ラット、馬、ヤギ、ウサギ等が例示される。
【0019】
抗原としてはガゴメ昆布由来フコイダン、U−フコイダン、又はF−フコイダン等が利用可能であり、これらの抗原をフロイントのアジュバントと混合し、動物の免疫用として使用する。
【0020】
免疫は動物の皮下、筋肉内あるいは腹腔内に1回に20〜200μg、2〜3週に1回、3〜7週間、抗原を投与することによって行われる。最終免疫より約3〜5日後、免疫動物から抗体産生細胞を分取する。
【0021】
骨髄腫細胞としてはマウス、ラット、ヒト等由来のものが使用される。細胞融合は、例えばネイチャー(Nature)、第256巻、第495頁(1975)に記載の方法又はこれに準ずる方法によって行われる。この際、30〜50%ポリエチレングリコール(分子量1000〜4000)を用い、30〜40℃の温度下、約1〜3分間程度反応させることによって行われる。
【0022】
細胞融合によって得られたハイブリドーマはスクリーニングに付される。スクリーニングは、酵素抗体法等によって行われる。得られた抗体産生ハイブリドーマはクローニングに付される。すなわち、当該ハイブリドーマを例えば限界希釈法によってクローニングを行ってクローンを得る。得られたクローンは、次いで目的とするモノクローナル抗体を産生するクローンのスクリーニングに付され、例えば酵素抗体法等によって、スクリーニングが行われる。選択されたクローンは、例えばあらかじめプリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン)を投与したBALB/cマウスの腹腔内へ移植し、10〜14日後にモノクローナル抗体を高濃度に含む腹水を採取する。この腹水からのモノクローナル抗体の回収は、抗体の精製法として公知の硫安分画法、ポリエチレングリコール分画法、イオン交換クロマトグラフ法、ゲルクロマトグラフ法等を応用することによって容易に達成される。
【0023】
本発明の抗体としては、上記方法により調製することができるもので有れば良く、特に限定はないが、その例としてはハイブリドーマGFD G−28(FERM BP−7173)が産生し、式(I)で表される化合物を認識し、式(II)で表される化合物を認識しない抗フコイダン抗体(以下、当該抗体をGFDG−28と称す)、及び、ハイブリドーマGFD 2−9C(FERM BP−7174)が産生し、式(I)で表される化合物を認識せず、式(II)で表される化合物を認識する抗フコイダン抗体(以下、当該抗体をGFD2−9Cと称す)が例示される。
【0024】
また、本発明の抗体を担体に固定し、これを吸着担体として使用することにより、式(I)又は式(II)で表される化合物や、式(I)又は式(II)を含有する多糖や、式(I)又は式(II)を構成単位とする多糖の分別が可能となる。本発明の抗体の担体への固定化のためには公知の方法を用いることができ、使用する固定化用担体の材料としては、例えば、アガロース、セルロース、デキストラン等の多糖類、ポリアクリルアミド、アクリル酸ポリマー、スチレンジビニルベンゼンポリマー、ポリメタクリレート等の合成高分子、シリカゲル、ガラス等の無機高分子等から使用の目的、方法に応じて、適宜選択することができる。
【0025】
なお、GFDG−28はF−フコイダンを認識するので、これを用いてF−フコイダンを測定することができる。また、式(I)で表される化合物をサンドウィッチ法で測定することもできる。その認識部位はフコース−2−硫酸部位であると考えられる。
【0026】
これらの抗体はフコイダンの分別測定に有用であり、例えばガゴメ昆布由来フコイダンの測定にも使用することができる。
【0027】
かくして得られた抗体はフコイダンの構造と生理活性の相関関係を究明するために極めて有用である。またフコイダン由来物質の生体内濃度、例えば血清、血漿又は尿中濃度を特異的に精度良く測定するためにも極めて有用である。
【0028】
これらの目的で使用するためには、モノクローナル抗体そのもの又はそれからの対応する免疫学的特性を有するフラグメント、例えばFabフラグメントを使用することができる。また遺伝子工学的に製造した抗体又はそのフラグメントも本発明の抗体に包含される。
【0029】
実施例
以下に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】
参考例1
(1)ガゴメ昆布を充分乾燥後、乾燥物20kgを自由粉砕機(奈良機械製作所製)により粉砕した。
【0031】
水道水900リットルに塩化カルシウム二水和物(日本曹達社製)7.3kgを溶解し、次にガゴメ昆布粉砕物20kgを混合した。液温を12℃から90℃になるまで水蒸気吹込みにより40分間昇温させ、次いで撹拌下90〜95℃に1時間保温し、次いで冷却し、冷却物1100リットルを得た。
【0032】
次いで固液分離装置(CNA型:ウエストファリアセパレーター社製)を用い、冷却物の固液分離を行い、約900リットルの固液分離上清液を調製した。
【0033】
固液分離上清液360リットルをダイセル社製FE10−FC−FUS0382(分画分子量3万)を用い、20リットルまで濃縮した。次いで水道水を20リットル加え、再度FE10−FC−FUS0382を用いて20リットルまで濃縮するという操作を5回行うことによって脱塩処理を行い、ガゴメ昆布由来の抽出液25リットルを調製した。
【0034】
該溶液1リットルを凍結乾燥し、ガゴメ昆布由来フコイダン乾燥物13gを得た。
【0035】
(2)参考例1−(1)記載のフコイダン乾燥物7gを、50mMの塩化ナトリウムと10%のエタノールを含む20mMのイミダゾール緩衝液(pH8.0)700mlに溶解し、遠心分離により不溶物を除去した。DEAE−セルロファインA−800カラム(φ11.4cm×48cm)(生化学工業社製)を同緩衝液にて平衡化し、遠心分離上清をアプライ後、同緩衝液で洗い、塩化ナトリウムの50mMから1.95Mの濃度勾配により溶出させた(1フラクション:250ml)。フェノール硫酸法及びカルバゾール硫酸法にて、総糖量及びウロン酸含量を求め、溶出順にフラクション43〜55、フラクション56〜67の画分を得た。次に、これらの画分を電気透析により脱塩後凍結乾燥し、フラクション43〜55よりU−フコイダン画分(1.21g)、フラクション56〜67よりF−フコイダン画分(2.64g)をそれぞれ調製した。
【0036】
図1にガゴメ昆布由来フコイダンのDEAE−セルロファインA−800カラム溶出パターンを示す。図1において縦軸はカルバゾール硫酸法での530nmの吸光度(図中黒丸)、フェノール硫酸法での480nmの吸光度(図中白丸)、及び電導度(mS/cm:図中白四角)、横軸はフラクション番号を示す。
【0037】
参考例2
(1)アルテロモナスsp.SN−1009(FERM BP−5747)を、グルコース0.25%、ペプトン1.0%、酵母エキス0.05%を含む人工海水(ジャマリンラボラトリー社製)pH8.2からなる培地600mlを分注して殺菌した(120℃、20分間)2リットルの三角フラスコに接種し、25℃で26時間培養して種培養液とした。ペプトン1.0%、酵母エキス0.02%、下記参考例2−(2)に記載のフコイダン0.2%、及び消泡剤(信越化学工業社製KM70)0.01%を含む人工海水(ジャマリンラボラトリー社製)pH8.0からなる培地20リットルを30リットル容のジャーファメンターに入れて120℃、20分間殺菌した。冷却後、上記の種培養液600mlを接種し、24℃で24時間、毎分10リットルの通気量と毎分250回転の撹拌速度の条件で培養した。培養終了後、培養液を遠心分離して培養上清を得た。得られた培養上清を、排除分子量1万のホロファイバーを装着させた限外ろ過機により濃縮後85%飽和硫安塩析し、生じた沈殿を遠心分離により集め、10分の1濃度の人工海水を含む20mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.2)に対して充分透析し、600mlのフコイダンに選択的に作用するF−フコイダン分解酵素液を調製した。
【0038】
(2)乾燥したガゴメ昆布2Kgを直径1mmのスクリーンを装着させたカッターミル(増幸産業社製)により粉砕し、得られた昆布のチップを20リットルの80%エタノール中に懸濁し、25℃で3時間撹拌し、ろ紙でろ過後、残渣を充分洗浄した。得られた残渣を、95℃に加温した40リットルの50mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.5に懸濁し、時々撹拌しながら95℃で2時間処理し、フコイダンを抽出した。
【0039】
抽出液中の懸濁物を、ろ過し、ろ液を調製した後、ろ過残渣を3.5リットルの100mM塩化ナトリウムにより洗浄し、更にろ液を得た。
【0040】
両ろ液を合わせた後、30℃まで温度を下げ、3000Uのアルギン酸リアーゼ(ナガセ生化学工業社製)を添加後、エタノールを4リットル加え25℃で24時間撹拌した。次に遠心分離を行い、得られた上清を排除分子量10万のホロファイバーを備えた限外ろ過器により4リットルに濃縮し、更に、10%のエタノールを含む100mMの塩化ナトリウムにより、着色性物質がろ過されなくなるまで限外ろ過を続けた。
【0041】
非ろ過液中に生じた沈殿は遠心分離により除去し、この上清を5℃まで温度を下げ、0.5N塩酸によりpHを2.0とした後、生じたタンパク質等の沈殿を遠心分離により除去し、得られた上清を速やかに1N水酸化ナトリウムによりpHを8.0とした。
【0042】
次に、排除分子量10万のホロファイバーを装着させた限外ろ過器により限外ろ過を行い、20mM塩化ナトリウムpH8.0により完全に溶媒置換後、再度pHを8.0として遠心分離後、凍結乾燥を行い、約95gのフコイダンを調製した。
【0043】
(3)乾燥したガゴメ昆布2Kgを直径1mmのスクリーンを装着させたカッターミルにより粉砕し、得られた昆布のチップを20リットルの80%エタノール中に懸濁し、25℃で3時間撹拌し、ろ紙でろ過後、残渣を充分洗浄した。得られた残渣を、30mlの上記参考例2−(1)で調製したF−フコイダン分解酵素液、10%のエタノール、100mMの塩化ナトリウム、50mMの塩化カルシウム、及び50mMのイミダゾールを含む20リットルの緩衝液(pH8.2)に懸濁し、25℃で48時間撹拌した。この懸濁液を網目の直径32μmのステンレス金網でろ過し、残渣を50mMの塩化カルシウムを含む10%のエタノールで洗浄した。更にその残渣を10リットルの50mM塩化カルシウムを含む10%のエタノール中に懸濁し、3時間撹拌後、ステンレス金網でろ過、洗浄した。更にその残渣を同条件で懸濁後、16時間撹拌し、直径32μmのステンレス金網でろ過、洗浄した。
【0044】
こうして得られたろ液及び洗浄液を集め、排除分子量3000のホロファイバーを装着させた限外ろ過機により限外ろ過し、ろ過液と非ろ過液に分離した。
【0045】
このろ過液をロータリーエバポレーターで約3リットルに濃縮後、遠心分離して上清を得た。得られた上清を排除分子量300の膜を装着させた電気透析器により脱塩し、この溶液に0.1Mとなるように酢酸カルシウムを添加し、生じた沈殿を遠心分離により除去した。この上清をあらかじめ50mMの酢酸カルシウムにより平衡化させたDEAE−セルロファイン(樹脂量4リットル)にかけ、50mMの酢酸カルシウム及び50mMの塩化ナトリウムで充分洗浄後、50mM〜800mMの塩化ナトリウムのグラジエントにより溶出させた。この時の分取量は1本当り500mlで行った。分取した画分をセルロースアセテート膜電気泳動法[アナリティカル バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)、第37巻、第197〜202頁(1970)]により分析したところ塩化ナトリウム濃度が約0.4Mで溶出されるフコイダン(フラクションナンバー63付近)が均一であった。
【0046】
そこで、まずフラクションナンバー63の液を150mlに濃縮後、濃度が4Mとなるように塩化ナトリウムを添加し、あらかじめ4Mの塩化ナトリウムにより平衡化したフェニル(Phenyl)−セルロファイン(樹脂量200ml)にかけ、4Mの塩化ナトリウムにより充分洗浄した。非吸着性のフコイダン分解物画分を集め、排除分子量300の膜を装着させた電気透析器により脱塩し、脱塩液505mlを得た。
【0047】
得られた脱塩液のうち40mlを10%のエタノールを含む0.2Mの塩化ナトリウムによって平衡化させたセルロファインGCL−90のカラム(4.1cm×87cm)(生化学工業社製)にかけて、ゲルろ過を行った。分取は1フラクション当り9.2mlで行った。
【0048】
全フラクションに対して総糖量の分析をフェノール硫酸法〔アナリティカル ケミストリー(Analytical Chemistry)、第28巻、第350頁(1956)〕により行った。
【0049】
この結果、フコイダン分解物は1つのピークを形成したので、そのピークの中央部分、フラクションナンバー63〜70を集め、排除分子量300の膜を装着させた電気透析器により脱塩後、凍結乾燥し、112mgの式(I)で表される化合物(以下、単に7−12sと称す)の乾燥品を得た。
【0050】
参考例3
(1)フラボバクテリウムsp.SA−0082(FERM BP−5402)を、グルコース0.1%、ペプトン1.0%、酵母エキス0.05%を含む人工海水(ジャマリンラボラトリー社製)pH7.5からなる培地600mlを分注して、殺菌した(120℃、20分)2リットルの三角フラスコに接種し、24℃で20時間培養して種培養液とした。参考例2−(2)記載のガゴメ昆布由来フコイダン0.3%、ペプトン0.5%、酵母エキス0.01%、及び消泡剤(信越化学工業社製KM70)0.01%を含む人工海水(ジャマリンラボラトリー社製)pH7.5からなる培地20リットルを30リットル容のジャーファーメンターに入れ、120℃で20分殺菌した。冷却後、上記種培養液600mlを接種し、24℃で20時間、毎分10リットルの通気量と毎分125回転の撹拌速度の条件で培養した。培養終了後、培養液を遠心分離して培養上清を得た。得られた培養上清を、排除分子量1万のホロファイバーを装着させた限外ろ過機により400mlに濃縮し、フコイダン分解酵素液を調製した。
【0051】
(2)5%のガゴメ昆布由来フコイダン溶液600mlと、100mMのリン酸緩衝液(pH8.0)750mlと4Mの塩化ナトリウム150mlと参考例3−(1)で調製したフコイダン分解酵素液120mlを混合し、25℃で144時間反応させた。
【0052】
反応液をポアサイズ3500の透析膜を用いて透析し、分子量3500以下の画分を集めた。この画分をマイクロアナライザーG3(旭化成社製)により脱塩し、脱塩液500mlを得た。次に該脱塩液を、10mM酢酸アンモニウムで平衡化させたDEAE−セファロースFFカラム(5cm×26cm)(ファルマシア社製)にかけ、10mM酢酸アンモニウム1リットル、10mM〜1M酢酸アンモニウムのグラジュエント液1リットル、1M酢酸アンモニウム1リットル、1M〜5M酢酸アンモニウム1リットルの順で溶出した。この時の分取量は1本当たり50mlで行った。このうち、フラクションナンバー64〜78を集め、該画分を200mlに濃縮、脱塩後、500mM酢酸アンモニウムで平衡化したDEAE−セファロースFFカラム(2.4cm×22cm)にかけ、次いで、500mM酢酸アンモニウム100ml、500mM〜2M酢酸アンモニウムのグラジュエント液900mlの順で溶出した。この時の分取量は1本当たり9.7mlで行った。このうち、フラクションナンバー92〜96を集め、該画分を濃縮、脱塩し、式(II)で表される化合物(以下、単に6−5sと称す)を得た。
【0053】
実施例1
抗フコイダンモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞の作製及びそのクローン化
(1)6週齢Balb/cマウス雌(日本クレア社製)4匹に、それぞれ抗原として、参考例1−(1)に記載の方法で調製したガゴメ昆布由来フコイダンをマウス1匹当たり100μg/100μlとなるように完全フロイントアジュバントと混ぜ乳化させマウス腹腔に投与した。
【0054】
初回免疫より21日目に初回免疫と同じフコイダンをマウス1匹当たり100μg/100μlとなるように不完全フロイントアジュバントと混ぜ乳化させマウス腹腔に投与し追加免疫をした。
【0055】
更に、14日後に初回免疫と同じフコイダンをマウス1匹当たり100μg/100μlとなるように補助免疫としてマウス腹腔に投与した。
【0056】
補助免疫より3日後にマウスの脾臓を取り出し、ステンレスメッシュを使って10mlのRPMI1640(バイオ ウィッタカー社製)培地中に徐々に均一化させ、1500r.p.mで3回遠心分離、洗浄を繰り返し脾臓細胞を分離した。
【0057】
得られた脾臓細胞を遠心分離し、洗浄したマウスミエローマ細胞P3U1(P3X63AgU.1)と合わせた後、PEG1500溶液[ポリエチレングリコール(PEG)を50%(V/V)含むRPMI1640培地]1mlを1分間かけて滴下しながら、更に1分間混ぜた後、RPMI1640培地で徐々に希釈してPEG濃度を5%(V/V)にした。
【0058】
そして、遠心分離機で細胞を分離し、その細胞を徐々に増殖培地(10%牛胎児血清FCSを含むRPMI1640培地)を加えて分散させ、96穴培養プレート(ファルコン社製)の穴に1穴当たり10個/0.1mlの細胞を播き、37℃の5%二酸化炭素インキュベーター内で一晩培養した。
【0059】
翌日から、上記増殖培地にヒポキサンチン0.1mM、アミノプテリン0.4μM、チミジン16μMを加えた選択培地(以下、HAT培地と略記する)を、各穴に100μl添加して培養し、その後1〜2日ごとに100μlずつHAT培地に置換しながら培養し、非融合細胞を死滅させ、融合細胞のみ生存可能な状態で選択培養を行った。
【0060】
さらに、生存融合細胞の中より抗体を産生する陽性株を選択するために、コロニーが大きくなった時点でその培養上清中に含まれる抗フコイダンモノクローナル抗体の検出を酵素免疫測定法で行った。
【0061】
免疫感作に使用した抗原フコイダンを生理リン酸緩衝液(PBS)で10μg/mlに調整して96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製)に1穴当たり50μlずつ加え4℃で一晩静置して固相化した。
【0062】
固相化した後、液を捨て市販のブロッキング剤(ブロックエース:大日本製薬社製)を1穴当たり200μlずつ加えて37℃、2時間インキュベートしてブロッキングを施し、固相抗原プレートを作製した。
【0063】
この固相抗原プレートにそれぞれの融合細胞の培養上清を50μlずつ加えて、37℃、1時間インキュベートし、抗体抗原反応をさせた。
【0064】
このプレートをPBSで洗浄した後、西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ(HRP)標識抗マウスIgG抗体(ザイムド社製)をブロッキング剤で1000倍希釈し、各穴に50μlずつ加えて37℃、1時間インキュベートした。
【0065】
さらに、このプレートをPBSで洗浄後、ABTS/0.02%過酸化水素水溶液〔0.55mg/mlABTS(2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)二アンモニウム:ナカライテスク社製)を含む0.1Mクエン酸−水酸化ナトリウム緩衝液(pH4.0)、0.02%過酸化水素水〕を50μlずつ加え、室温で15分間発色反応をさせた。
【0066】
緑色に発色した穴を陽性とし、検出した陽性株をHT培地(アミノプテリンを含まないHAT培地)でコロニーを96穴から24穴、更に6穴プレートへ拡大培養した後、96穴培養プレートの1穴当たり細胞1個になるように市販のクローニング培地(エスクローン:三光純薬社製)にて希釈し、96穴プレートに播き込み培養する限界希釈法にてクローニングした。
【0067】
育ったシングルコロニーの培養上清をフコイダン固相抗原プレート用いた酵素免疫抗体法にて陽性株を検出した。
【0068】
その結果、GFD 2−9C、GFD G−28の2クローンのモノクローナル抗体産生細胞を得た。当該細胞は日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所にGFD 2−9CはFERM BP−7174として、GFD G−28はFERM BP−7173として平成8年10月29日(原寄託日)に寄託されている。
【0069】
(2)クローン化したモノクローナル抗体産生細胞を増殖培地(10%牛胎児血清FCSを含むRPMI1640培地)で増殖させた後、予め3週間前に0.5mlの免疫抑制剤プリステン(2,6,10,14,−テトラメチルペンタデカン:和光純薬社製)を投与したBalb/cマウスの腹腔に、1匹当たり10〜10個で移植した。約2週間後に溜まった腹水を回収し、これよりモノクローナル抗体を精製した。
【0070】
(3)マウス腹腔より回収した腹水を3000r.p.m、10分間遠心分離して沈殿物を除き、遠心上清をPBSで2倍希釈し綿濾過した後、50%硫安塩析して抗体を沈殿させ遠心分離した。
【0071】
得られた沈殿をPBSに溶解後、さらにPBSに透析して硫安を除いた後、プロテインAカラム(ファルマシア社製)により常法に従ってアフィニティー処理をした。
【0072】
まず、カラムをプロテインA吸着バッファー(3M NaCl、1.5M グリシン pH8.9)で平衡化した後、透析後の抗体を含む沈殿溶解液をプロテインAカラムで処理し、吸着画分をさらにプロテインA吸着バッファーで洗浄後、0.1Mクエン酸バッファー(pH4.0)で溶出した。
【0073】
得られた溶出画分をPBSに透析し、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(以下、SDS−PAGEと略記する)でシングルバンドであることを確認後、精製抗体とした。
【0074】
ハイブリドーマGFD 2−9Cが産生する抗フコイダン抗体をGFD2−9C、ハイブリドーマGFD G−28が産生する抗フコイダン抗体をGFDG−28と命名した。
【0075】
(4)抗フコイダン抗体のサブクラスは市販の抗マウスIgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgM各ウサギポリクローナル抗体(ザイムド社製)を用いた酵素免疫抗体法にて決定した。
【0076】
免疫感作に抗原として使用した精製フコイダンをPBSにて10μg/mlに調整、96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製)に50μlずつ分注し、4℃で一晩静置して吸着させた。
【0077】
プレートの液を捨てPBSで洗浄後、各穴を200μlの市販のブロッキング剤(ブロックエース:大日本製薬社製)にてブロッキングを施し、抗原プレートを作製した。
【0078】
精製した各抗フコイダン抗体のGFD2−9C、GFDG−28をそれぞれ市販のブロッキング液(ブロックエース:大日本製薬社製)にて10μg/mlに調整、抗原プレートに50μlずつ分注し、37℃で1時間反応させた。
【0079】
プレートをPBSで洗浄後、市販の抗マウスIgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgM各ウサギポリクローナル抗体(ザイムド社製)を市販のブロッキング剤(ブロックエース:大日本製薬社製)にて1000倍希釈して各穴50μlずつ分注し、37℃で1時間反応させた。
【0080】
さらに、プレートをPBSで洗浄後、市販の抗ウサギHRP標識2次抗体(ザイムド社製)を市販のブロッキング剤(ブロックエース:大日本製薬社製)にて500倍希釈して各穴50μlずつ分注し、37℃で1時間反応させた。
【0081】
プレートをPBSで洗浄後、ABTS/0.02%過酸化水素水溶液を各穴に50μlずつ分注し、室温で15分間発色反応させた。
【0082】
その結果、どちらの抗体もIgG1であった。
【0083】
(5)フコイダン由来化合物である7−12s、及び6−5sを用いてガゴメ昆布由来フコイダンとの競合試験を実施した。
【0084】
予め、精製したガゴメ昆布由来フコイダンをPBSで10μg/mlに濃度を調整して、96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製)に50μl/穴で播き込み、4℃で一晩静置して固相化し、市販のブロッキング剤(ブロックエース:大日本製薬社製)200μlにてブロッキングを施し、抗原プレートを作製した。
【0085】
各酵素消化断片糖を蒸留水で1mg/mlに濃度調整したものを市販のブロッキング剤(ブロックエース:大日本製薬社製)でさらに、3倍ずつ、3段階に希釈(3倍希釈、9倍希釈、27倍希釈)して濃度を振り、最後に7−12s、6−5sを含まないブロッキング剤だけを含む4種類の競合溶液を調整し、それぞれ1.5mlエッペンドルフチューブ(エッペンドルフ社製)に分注した。
【0086】
次に、抗フコイダン抗体であるGFD2−9C、GFDG−28を市販のブロッキング剤(ブロックエース:大日本製薬社製)にて10μg/mlに濃度調整し、抗体溶液とした。
【0087】
競合溶液(濃度調整した7−12s、又は6−5s、ブロッキング剤のみを含む)50μlに、10μg/mlに濃度調整したGFD2−9C、GFDG−28抗体溶液50μlを加え、37℃で30分間インキュベートさせ1次反応液とした。
【0088】
この1次反応においてGFD2−9C及びGFDG−28の抗体の結合部位が競合溶液中の7−12s、又は6−5sとの結合反応により奪われた場合(抗体結合部位が7−12s、又は6−5sに存在した場合のみ)、7−12s、又は6−5sの濃度に比例して2次反応における固相抗原プレートへの結合能力が失われる。
【0089】
2次反応としてガゴメ昆布由来フコイダン固相抗原プレートに各1次反応液50μlをそれぞれ加え、37℃で1時間インキュベートした。
【0090】
PBSで3回プレートを洗浄後、抗マウスHRP標識2次抗体を市販のブロッキング剤(ブロックエース:大日本製薬社製)で500倍希釈して1穴当たり50μlずつ添加し、37℃で1時間インキュベートした。
【0091】
PBSで4回プレートを洗浄後、ABTS/0.02%過酸化水素水溶液を50μl加え、15分間発色反応をした。
【0092】
プレートの各穴に150mMシュウ酸50μlずつ加え反応停止後、プレートリーダーにて吸光度405nmを測定した。
【0093】
すなわち、競合溶液中の7−12s、又は6−5sの濃度に比例して発色が弱ければ7−12s、又は6−5s中に抗体の結合部位が存在する事となる。
【0094】
その結果、下記表1に示す様に、抗フコイダン抗体であるGFD2−9Cは6−5sに結合し、7−12sには結合せず、GFDG−28は7−12sに結合し、6−5sには結合しないことが明らかとなった。
【0095】
【表1】
Figure 0003741647
【0096】
(6)HRP標識抗体の作製は、「イムノアッセイス イン ザ クリニカル ラボラトリー」、第81頁(アラン アール リス インコーポレーテッド、1979年発行、P.K.ナカネ著)に記載の方法に準じて行った。
【0097】
HRP(ベーリンガーマンハイム社製)10mgを1mlの蒸留水に溶かし、0.1M過ヨウ素酸ソーダ0.2mlを加えて室温で20分間反応させた後、1mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)に対して一晩透析した。
【0098】
得られた溶液に、2M炭酸ソーダ緩衝液(pH9.5)0.02mlを加えてpH9〜9.5にすると同時に、予め、0.01M炭酸ソーダ緩衝液(pH9.5)に対して透析を行ったモノクローナル抗体GFD2−9CとGFDG−28を、それぞれ10mg/mlずつ、上記透析で得られた溶液に加えた。その後、室温で2時間反応させた後、水素化ホウ素ナトリウム(4mg/ml)0.1ml加えて、4℃で2時間反応させた。
【0099】
これをPBSに対して4℃で一晩透析し、HRP標識GFD2−9C、HRP標識GFDG−28を取得した。
【0100】
96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製)の各穴に、PBSで10μg/mlの濃度になるように調整したGFD2−9C及びGFDG−28抗体溶液をそれぞれ50μlずつ分注し、4℃で一晩静置して、抗体を固相化した。
【0101】
次に、プレートの各穴中の液を捨て、市販のブロッキング剤(ブロックエース:大日本製薬社製)200μl加え、37℃で1時間ブロッキングを施し、固相プレートを作製した。
【0102】
この固相プレートに、スタンダード(以下、STDと略記)として、GFD2−9C測定系では、6−5sをトップ(最高)濃度40μg/mlより5倍希釈したもの、GFDG−28測定系では、7−12sをトップ濃度111μg/mlより3倍希釈したものをそれぞれ50μl加え、37℃1時間インキュベートして反応させた。
【0103】
反応終了後、プレートをPBSで3回洗浄した後、市販のブロッキング剤で500倍に希釈した上記のHRP標識GFD2−9C、HRP標識GFDG−28を50μlずつ各穴に添加し、37℃1時間インキュベートして反応させた。
【0104】
反応終了後、プレートをPBSで4回洗浄し、ABTS/0.02%過酸化水素水溶液を各穴に50μlずつ分注して、室温で15分間発色反応をさせた。
【0105】
プレートリーダーにより、各穴の吸光度405nmを測定した。その結果を表2に示す。
【0106】
尚、検量線は、GFD2−9C用には6−5s、GFDG−28用には7−12sをSTDとして用いて測定した吸光度から作製した。
【0107】
その結果、下記表2に示すように、6−5s、又は7−12s濃度に比例して吸光度の測定値が上昇した。この事より、サンドイッチ法EIA測定系が上手く機能している事が明らかとなった。
【0108】
【表2】
Figure 0003741647
【0109】
また、ガゴメ昆布由来フコイダンについては、GFD2−9CとHRP標識GFDG−28の組み合わせでもサンドイッチ法EIA測定系で測定可能であった。その結果を表3に示す。更に、GFD2−9CとHRP標識GFD2−9C、GFDG−28とHRP標識GFDG−28、GFDG−28とHRP標識GFD2−9Cの各々の組合せで行った結果、ガゴメ昆布由来フコイダンを用いたサンドイッチ法EIA測定系での測定が可能であることが明らかとなり、GFDG−28とHRP標識GFDG−28の組合せでF−フコイダンのサンドイッチ法EIA測定系での測定が可能であることが明らかとなった。
【0110】
【表3】
Figure 0003741647
【0111】
実施例2
抗フコイダン抗体カラムの作製
HiTrap NHS−activatedカラム(ファルマシア社製)を1mM塩酸6mlで洗浄後、実施例1−(3)で精製したGFDG−28溶液0.9mlをアプライした。室温で1時間放置後、3mlのカップリングバッファー(0.5M塩化ナトリウム、0.2M重炭酸ナトリウム、pH8.3)で洗浄した。続いてカラムを6mlのブロッキングバッファー(0.5M トリス−塩酸 pH8.3、0.5M塩化ナトリウム)、6mlのバッファーB(0.1M酢酸ナトリウム pH4.0、0.5M塩化ナトリウム)、6mlのブロッキングバッファーで順次洗浄し、室温で30分間放置した。さらに、6mlのバッファーB、6mlのブロッキングバッファー、6mlのバッファーBでカラムを洗浄した後、PBSでカラムを平衡化して抗フコイダン抗体カラムを作製した。
【0112】
精製したガゴメ昆布由来フコイダンをPBSに予め溶解し、得られた溶液を、上記抗フコイダン抗体カラムにアプライした。その後、得られた溶出液を、参考例1−(2)記載の方法に準じて、DEAE−セルロファインA−800カラムクロマトグラフィーに供したところ、塩化ナトリウム濃度勾配によるF−フコイダンの溶出塩濃度に相当する画分にピークが見られなかった。すなわち、GFDG−28を固定化したカラムを用いることにより、ガゴメ昆布由来フコイダンからF−フコイダンを除くことが可能であることが分かった。また、GFD2−9Cを固定化したカラムを用いて得られた溶出液を、参考例3−(2)記載の方法に準じて処理した。その結果、DEAE−セファロースFFカラムクロマトグラフィー後に6−5sを得ることが出来ず、6−5s及び6−5sを含有する多糖を除くことが可能であることが分かった。
【0113】
以上、本発明の抗体を使用することにより、GFD2−9C、GFDG−28抗体に結合する化合物を構造に持った色々な化合物の検出と定量が可能になった。
【0114】
産業上の利用の可能性
本発明により、フコイダンの構造解析や、その定量に有用な、フコイダン構造に特異的に結合する抗フコイダン抗体が提供される。
当該抗体を使用することにより、フコイダンの構造と生理機能の関係が明らかになり、当該抗体は生化学的分野において極めて有用である。また種々のオリジンのフコイダンから、生理機能構造を有するフコイダンを選別することが可能となる。さらに当該抗体は目的のフコイダンの精製にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガゴメ昆布由来フコイダンのDEAE−セルロファインA−800カラム溶出パターンを示す図である。

Claims (3)

  1. GFD G−28(FERM BP−7173)が産生する抗フコイダン抗体。
  2. GFD 2−9C(FERM BP−7174)が産生する抗フコイダン抗体。
  3. 請求項1または2記載の抗フコイダン抗体を固定した担体。
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