JP5764854B2 - ポリクローナル抗体およびその利用 - Google Patents
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Description
抗血清の作製:
20mg/mlのオキナワモズクフコイダン(品名:フコイダン、サウスプロダクト社製)溶液を2.5mlおよび5mg/mlのスカシ貝ヘモシアニン(KLH:PIERCE製)溶液を1ml混合し、攪拌しながら5mg/mlの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC:PIERCE製)の1mlをゆっくり滴下した。これを4℃で2日間攪拌し、オキナワモズクフコイダンのグルクロン酸が持つカルボキシル基と、KLHのアミノ基とをカルボジイミド反応を用いて結合させた結合物(以下、「KLH結合物」という)を作製した。
フコイダン抗体の調製:
(1)オキナワモズクフコイダンアフィニティーカラムの作製
EAHセファロース4B(GE Healthcare製)をカラムに充填した後、0.5Mの塩化ナトリウム水溶液400mlで洗浄した。次に、洗浄後のEAHセファロース4Bと20mg/mlのオキナワモズクフコイダン10mlを50ml容量の遠沈管に入れ、それを振りながら5mg/mlのEDC10mlを滴下し、それを室温で2時間攪拌し、更に、4℃で3日間攪拌した。その後、これをカラムに充填し、0.5Mの塩化ナトリウム溶液400mlで洗浄し、1Mの酢酸ナトリウム(pH4.5)に室温で2時間浸漬し、ブロッキングをした。最後にこれをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、オキナワモズクフコイダンアフィニティーカラムを作製した。
上記で作製したオキナワモズクフコイダンアフィニティーカラムのコックを閉じ、ゲルの上に、上記実施例1で得られた抗血清を適量のせて15〜20分ほど放置してカラム内のオキナワモズクフコイダンと結合させた。その後、カラムのコックを開け、ろ液を回収し、これを再度ゲルにのせた。この操作を数回繰り返した後、ゲル内に残った抗血清を0.03%のアジ化ナトリウムと10mMのPBSの混液で押し出した。その後、分光光度計にて吸光度が計測されなくなるまでPBSで洗浄した。
フコイダン抗体による免疫染色試験:
培養ヒト肝癌細胞(HepG2細胞)に、オキナワモズクフコイダンを0、200、500μg/ml投与し、投与12時間後に実施例2で得られたフコイダン抗体を使用して酵素抗体法(間接法)で免疫染色した。なお、免疫染色は以下の手順で行った。また、予め実施例2で得られたフコイダン抗体に、オキナワモズクフコイダンを十分に吸収させた後、上記と同様にして培養ヒト肝細胞を免疫染色した。それらの結果を図2に示した(上段はオキナワモズクフコイダン吸収前(吸収前)、下段はオキナワモズクフコイダン吸収後(吸収後))。
<免疫染色手順>
1)細胞標本の固定
標本(HepG2細胞)を95%エタノールに浸漬(室温、30分)後、流水で水洗(
2〜3分)した
2)内因性ペルオキシダーゼの除去
標本を3%過酸化水素加100%メタノール*1に浸漬(30分)した
3)洗浄
標本を流水で水洗(5分)した
4)マイクロウェーブ処理による抗原賦活化
0.01Mクエン酸緩衝液(pH6.0)を予備加温(500W電子レンジ・5分)した
後、加温した緩衝液に標本を浸してさらに加温(500W電子レンジ・5分)し、その
後室温で冷却(常温まで・20〜30分)した
5)洗浄
標本をPBS*2で洗浄(3分×3回)した
6)一次抗体(フコイダン抗体)の添加・反応
フコイダン抗体を抗体希釈液*3で1:50に希釈して、1標本当たり50〜100μ
l添加し、反応(室温、120分・本実験の希釈抗体濃度 約6μg/ml)させた
7)洗浄
標本を0.05%Tween20加PBS*4で洗浄(3分×3回)した
8)二次抗体の添加・反応
二次抗体(Histofine Simple Stain MAX-PO(MULTI):ニチレイ製)を1標本当たり1
〜2滴添加し、反応(室温、60分)させた
9)洗浄
標本を0.05%Tween20加PBS*4で洗浄(3分×3回)した
10)発色反応
標本を発色試薬*5に浸漬し、発色反応(室温、20〜30分・時間は発色の程度を確
認しながら決めた)させた
11)洗浄
標本を流水で水洗(5分)した
12)染色
標本をマイヤーのヘマトキシリンで核染色(室温、1〜2分)した
13)洗浄
標本を流水で水洗(5〜10分)した
14)脱水・透徹
標本を以下の順序で脱水・透徹した
a)70%エタノール(数秒)
b)90%エタノール(数秒)
c)100%エタノール(数秒)
d)無水エタノールI(数秒)
e)無水エタノールII(数秒)
f)キシレンI(数十秒)
g)キシレンII(数十秒)
15)封入
標本をマリノール(武藤化学製)で封入した
*1:100%メタノールに30%過酸化水素水を3%になるように加えた溶液
*2:0.01Mリン酸緩衝液(pH7.4)に塩化ナトリウムを0.8%加えた溶液
*3:2%ブロックエース(大日本製薬製)、0.8%塩化ナトリウムおよび0.1%アジ
化ナトリウムを含有する水溶液
*4:PBS*2にTween20を0.05%になるように加えた溶液
*5:0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH7.6)にジアミノベンチジン(DAB)を0.
02%加えた溶液
サンドイッチ法による測定:
実施例2で得られたフコイダン抗体を、マイクロタイタープレート(Nalge Nunc International製)の各ウエルに添加し、4℃で一夜インキュベートすることによって固相化した。次に、この各ウエルにブロッキングバッファー(10%(w/v)BSAおよび0.05%プロリンを含むPBS)を加えてブロッキングし、更にその後、洗浄バッファー(0.2%Tween20を含むPBS)で各ウエルを洗浄して、フコイダン抗体を固相化したプレートを作製した。このプレートの各ウエルに種々の濃度のオキナワモズクフコイダンを含む溶液を添加し、室温(20〜25℃)で振動させながら1時間インキュベートし、固相化したフコイダン抗体とオキナワモズクフコイダンとを結合させた。その後、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(POD)と結合させたフコイダン抗体を含み、0.05%のTween20を含むPBSの100μlを各ウエルに添加し、室温(20〜25℃)で穏やかに振動させながら1時間インキュベートした。その後、プレートを洗浄し、100μlの発色試薬溶液(0.4mg/ml(w/v)o−フェニレンジアミン)を添加し、室温で振動させながら20分間インキュベートし、十分に発色したところで、100μlの1N硫酸溶液を加え、反応を停止させた。最後にプレートをマイクロプレートリーダー(MPR−A4:トーソー製)を用いて波長492nmの吸光度を測定した。また、オキナワモズクフコイダンに代えて、多糖類(ヘパリン、コンドロイチン硫酸A、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸C、デキストラン硫酸、アルギン酸、ラミナリン)についても同様の測定を行った。これらの結果を図3に示した。
ヒト検体中のオキナワモズクフコイダンの測定:
10名のボランティアにオキナワモズクフコイダン(品名:フコイダン、サウスプロダクト社製)1gを経口摂取させ、0時間(摂取前)、3時間、6時間、9時間後に血清、血漿および尿を採取し、以下の前処理を行った後、実施例4の測定系で各サンプル中のオキナワモズクフコイダン濃度を測定した。その結果を表1に示した。
以 上
Claims (7)
- オキナワモズクフコイダンに、スカシ貝ヘモシアニンを結合させ、当該結合物で動物を免疫し、当該動物から得られる抗血清を、更にオキナワモズクフコイダンを用いたアフィニティー精製をすることにより得られるポリクローナル抗体であって、
当該抗体を一次抗体および二次抗体の両方に使用した場合、オキナワモズクフコイダンの濃度が1〜100ng/mlの範囲で測定され、ヘパリン、コンドロイチン硫酸A、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸C、デキストラン硫酸、ラミナリンおよびアルギン酸が1〜100ng/mlの範囲で測定されないことを特徴とするオキナワモズクフコイダンと特異的に反応するポリクローナル抗体。 - オキナワモズクフコイダンに、スカシ貝ヘモシアニンを結合させ、当該結合物で動物を免疫し、当該動物から得られる抗血清を、更にオキナワモズクフコイダンを用いたアフィニティー精製をすることを特徴とする請求項1記載のポリクローナル抗体の製造方法。
- 検体に、請求項1記載のポリクローナル抗体を作用させ、検体中のオキナワモズクフコイダンを測定することを特徴とするオキナワモズクフコイダンの測定方法。
- 検体が、尿、血清または血漿である請求項3記載のオキナワモズクフコイダンの測定方法。
- 請求項1記載のポリクローナル抗体を含有することを特徴とするオキナワモズクフコイダンの測定キット。
- 検体に、請求項1記載のポリクローナル抗体を作用させた後、更に染色試薬を作用させることにより、検体中のオキナワモズクフコイダンを染色することを特徴とするオキナワモズクフコイダンの免疫染色方法。
- 検体が、細胞または組織である請求項6記載のオキナワモズクフコイダンの免疫染色方法。
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