JP3736242B2 - 排ガス浄化材、及びその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化材、及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンから排出される排ガス中に含まれるパティキュレート(固体状炭素微粒子、液体あるいは固体状の高分子量炭化水素微粒子)を燃焼して排ガスを浄化する排ガス浄化材、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンからの排ガスに含まれるパティキュレートは、その粒子径がほぼ1μm以下で大気中に浮遊しやすく、呼吸時に人体に取り込まれやすい。また、このパティキュレートは発ガン性物質も含んでいることから、ディーゼルエンジンからのパティキュレートの排出に関する規制が強化されつつある。
【0003】
排ガスからのパティキュレートを除去する方法の一つとして、耐熱性の3次元構造体からなる排ガス浄化材でパティキュレートを捕集した後、バーナーやヒーター等の加熱手段で排ガス浄化材を加熱して、パティキュレートを燃焼し、炭酸ガスに変えて放出する方法がある。
【0004】
また、触媒を担持させた排ガス浄化材としては、前述の排ガス浄化材に金属酸化物等からなる排ガス浄化用触媒を担持したものがあり、この場合捕集されたパティキュレートは排ガス浄化用触媒の触媒作用によってより低温で燃焼させることができる。
【0005】
このように排ガス浄化用触媒を担持した排ガス浄化材を用いて、パティキュレートをその排ガス温度で燃焼させることができれば、加熱手段を排ガス浄化装置内に配設する必要がなく、排ガス浄化装置の構成を簡単にすることができる。
【0006】
しかしながら、現状では排ガス浄化用触媒を担持した排ガス浄化材についても、排ガス温度でパティキュレートを十分に燃焼させることは困難であり、加熱手段との併用が不可欠となっている。したがって、パティキュレートをより低温で燃焼できる高い触媒活性を有する排ガス浄化用触媒を担持させた排ガス浄化材の開発が望まれている。
【0007】
排ガス浄化用触媒としては、これまでにCuやV等の金属酸化物を用いたものが比較的高い活性を有するものとして知られている。例えば、特開昭58−143840号公報(以下、イ号公報と略称する。)には、CuとVを含む複合金属酸化物からなる排ガス浄化用触媒が開示されている。また、特開昭58−174236号公報(以下、ロ号公報と略称する。)には、Cu、V、Mo等の金属酸化物にアルカリ金属を添加した排ガス浄化用触媒が開示されている。また、特公平4−42063公報(以下、ハ号公報と略称する。)には、Cu、Mn、Mo等の金属酸化物にアルカリ金属の酸化物と貴金属を添加した排ガス浄化用触媒が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化材は以下のような課題を有していた。
【0009】
1)イ号公報、ロ号公報及びハ公報に記載の排ガス浄化用触媒及びこれを担持した排ガス浄化材は、各触媒成分が同一の触媒被膜層に含有されて構成されているので、各触媒成分同士が互いに干渉して各触媒成分の持つ特性を十分に発揮させることが困難であり、排ガス浄化材に捕集されたパティキュレートを、ディーゼルエンジンで使用する場合のような低温の排ガス温度で燃焼させることができないという問題点があった。
【0010】
2)ハ号公報に記載の排ガス浄化用触媒は、排ガス浄化用触媒の構成において、貴金属塩(塩化白金等)と遷移金属塩(硝酸銅、等)を同時に無機質基盤(チタニアシリカ等)に担持させている。遷移金属と貴金属の両者は機能が異なる触媒であるため、混在させることにより個々の触媒機能が十分に発揮されないという問題があった。また最下層に貴金属層を設けると、パティキュレートとの接触性が悪く、活性を得るための貴金属の必要量が多くなりコストがかかるという問題があった。
【0011】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、パティキュレートの燃焼に際して高い触媒活性を有し、排ガス浄化率の高い排ガス浄化材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の排ガス浄化材は、排ガス流路が多数形成された3次元構造体と、その表面に形成される排ガス中の未燃焼物の燃焼を促進させる触媒を含む被覆層とを有した排ガス浄化材であって、前記被覆層が、貴金属を無機酸化物に担持させた貴金属触媒層を表層に有し、遷移金属を含む遷移金属触媒層を内層に有した多層構造を備えて構成されている。
【0013】
これによって以下の作用が得られる。
【0014】
(a)それぞれ触媒特性の異なる貴金属層と遷移金属層を分離してしかも特定の順序で設けることにより、3次元構造体と触媒成分との反応、また触媒間同士の反応を抑制して、それぞれの触媒特性を十分に発揮させることができる。
【0015】
(b)貴金属を含む貴金属層を最上層とすることで貴金属とパティキュレートとの接触点を増加させ、触媒の活性を向上させると共に、貴金属の必要量を少なくして、低いコストで製造することができる。
【0016】
(c)遷移金属の酸化物を含む層と、貴金属を含む層を分離して設けているために、遷移金属の酸化物と貴金属との結合などによる触媒組成の変化を防ぐことができ、触媒活性を劣化を防いで耐用性を高めることができる。
【0017】
(d)排ガス流路が形成された3次元構造体を用いているので、排ガス浄化材に必要なガス透過性と強度を確保させることができる。
【0018】
(e)貴金属を耐熱性の高い無機酸化物に担持させているので、無機酸化物の粒子間に排ガスが侵入して、必要な触媒反応を起こさせ、また、下層の遷移金属触媒層に排ガスを導いて次の触媒反応を効率的に生じさせることができる。
【0019】
ここで、3次元構造体としては、外部に連通した網目状の微細孔を有するセラミック多孔体や、隔壁を有した多数のセルからなるセラミックハニカム、金属発泡体、細い金属線を編んで形成した金属メッシュ等が挙げられる。
【0020】
また、3次元構造体にはモノリス担体等からなる構造体が挙げられるが、好ましくはモノリス担体がよい。モノリス担体としては、フロースルータイプのセラミックハニカム、ウォールスルータイプのセラミックハニカム、セラミックフォーム(多孔体)、フロースルータイプのメタルハニカム、金属発泡体、メタルメッシュ等が挙げられるが、そのなかではウォールスルータイプのセラミックハニカムが好適に使用される。セラミックハニカムの材質としては、コージェライト、チタン酸アルミニウム、ムライト、α−アルミナ、ジルコニア、チタニア、炭化珪素等が挙げられる。
【0021】
これらの材料は、少なくともディーゼルエンジンに適用した場合の排気ガス温度(約350〜450℃)よりも高温度に耐える耐熱性を有したものがよい。
【0022】
貴金属触媒層に適用する貴金属としては、白金、ロジウム、パラジウム等の耐熱温度が高く、触媒活性に優れしかも腐食し難い金属が好適に用いられる。
【0023】
貴金属層は、耐熱性の高いシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等又はこれらの複合物からなる無機酸化物からなる粉末の粒子表面に貴金属又は貴金属成分を含む化合物の薄い層を形成した触媒担持体であり、これらの粉末あるいは成形体を所定温度で焼結させるか、あるいは無機接着剤等を用いて層状に固定化して形成させることができる。
【0024】
この貴金属層は排ガス中の一酸化炭素、炭化水素類を酸化して浄化するような触媒特性を有している。
【0025】
遷移金属触媒層に適用する遷移金属としては、チタン、銅、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン等を使用できる。
【0026】
この遷移金属層は前記貴金属層とは異なるパティキュレート中のカーボン成分を燃焼させるような触媒特性を有している。
【0027】
本発明は遷移金属層と貴金属層を分離した状態で独立に形成させ、両者の持つ触媒特性をそれぞれ良好に発揮させ、高い触媒活性を保持させるようにしたものである。
【0028】
請求項2に記載の排ガス浄化材は、請求項1において、前記被覆層が、前記3次元構造体の表面を直接被覆する耐熱性の無機酸化物層を有して構成される。
【0029】
これによって、請求項1の作用の他、以下の作用が得られる。
【0030】
(a)耐熱性の無機酸化物層で3次元構造体が被覆されるので、3次元構造体が長期に亘る熱負荷で劣化するのを防止して、耐用性を高めることができる。
【0031】
(b)無機酸化物として、3次元構造体との親和性の高いものを選択できるので、無機酸化物層を3次元構造体上に容易に形成でき、しかも、使用中に剥がれ落ちることがない。
【0032】
(c)無機酸化物層が形成されるので、その上に形成される遷移金属層との接合強度が高めらる、全体の構造体として強度をさらに高めることができる。
【0033】
ここで無機酸化物層の無機粉末担体としてはγ−アルミナ等の活性アルミナ、α−アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、もしくはこれらの複合酸化物である、シリカ−アルミナ、アルミナ−チタニア、アルミナ−ジルコニア、チタニア−ジルコニア等、またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは活性アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、シリカ−アルミナまたはこれらの混合物がよい。
【0034】
無機酸化物層は、上記の酸化物を含むスラリー液を吸水性を有する3次元構造体に含浸させた後、これを引き上げて余剰のスラリー液を除去し、3次元構造体の微細孔の表面にスラリー液の層を形成し、これを乾燥して3次元構造体内部の微細孔の表面に薄い被覆を形成させたものである。なお、必要に応じて、この被覆を有する3次元構造体を所定の温度で焼成して、無機酸化物の粒子粉末を焼結させ必要な強度を有した焼結体として用いてもよい。
【0035】
請求項3に記載の排ガス浄化材は、請求項1又は2において、前記遷移金属層が、遷移金属の酸化物と1種以上のアルカリ金属硫酸塩とからなる混合触媒層であるように構成されている。
【0036】
これによって、請求項1又は2の作用の他、以下の作用が得られる。
【0037】
(a)遷移金属層がアルカリ金属硫酸塩を有しているので、排ガス処理の際に酸化数の大きい硫黄酸化物の過剰な生成を抑制することができ、これによって、硫黄酸化物が水と反応してできるサルフェート成分の析出量を少なくする作用が得られる。
【0038】
(b)アルカリ金属硫酸塩を含有しているので、焼結温度を下げられ、容易に強度の高い遷移金属層を形成させ、製造コストを低下させることができる。
【0039】
ここで、アルカリ金属硫酸塩としては硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ルビジウム、硫酸セシウム及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0040】
請求項4に記載の排ガス浄化材は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記貴金属触媒層が、耐熱性の無機粉末担体に担持された貴金属と、1種以上のアルカリ金属硫酸塩とからなる混合触媒層であるように構成されている。
【0041】
これによって、請求項1乃至3のいずれか1項の作用の他、以下の作用が得られる。
【0042】
(a)遷移金属層がアルカリ金属硫酸塩を有しているので、排ガス処理の際に酸化数の大きい硫黄酸化物の過剰な生成を抑制することができる。
【0043】
(b)アルカリ金属硫酸塩を含有しているので、焼結温度を下げられ、容易に強度の高い遷移金属層を形成させ、製造コストを低下させることができる。
【0044】
請求項5に記載の排ガス浄化材は、請求項1乃至4の内のいずれか1項において、前記貴金属層の貴金属が、白金を含むように構成されている。
【0045】
これによって、請求項1乃至4の内のいずれか1項の作用の他、以下の作用が得られる。
【0046】
(a)貴金属層が白金を含むので、貴金属層による排ガス中の一酸化炭素、炭化水素類の酸化性能を最も効率的かつ安定的に発揮させることができる。
【0047】
請求項6に記載の排ガス浄化材は、請求項1乃至5の内のいずれか1項において、前記遷移金属層の遷移金属の酸化物がCu、Mn、Co、V、Mo、Wから選ばれる2種以上の複合金属酸化物であるように構成されている。
【0048】
これによって、請求項1乃至5の内のいずれか1項の作用の他、以下の作用が得られる。
【0049】
(a)遷移金属の酸化物がCu、Mn、Co、V、Mo、Wから選ばれる2種以上の複合金属酸化物からなるので、エンジンの種類や、排ガス温度等の使用条件に応じてこれらの中から適宜、選択してパティキュレートの燃焼に高い触媒活性を有する排ガス浄化用触媒を提供することができる。
【0050】
請求項7に記載の排ガス浄化材は、請求項1乃至6のいずれか1項において、前記遷移金属の酸化物がCu5210、CuV26、Cu328の群から選ばれる1種の金属酸化物又は2種以上の複合金属酸化物を含むように構成される。
【0051】
これによって、請求項1乃至6のいずれか1項の作用の他、以下の作用が得られる。
【0052】
(a)前記遷移金属の酸化物がCu5210、CuV26、Cu328の群から選ばれる1種の金属酸化物又は2種以上の複合金属酸化物からなるので、パティキュレートの燃焼に際して高い触媒活性を有する排ガス浄化用触媒を提供することができる。
【0053】
請求項8に記載の排ガス浄化材は、請求項1乃至7のいずれか1項において、前記アルカリ金属硫酸塩が硫酸セシウムを含むように構成されている。
【0054】
これによって、請求項1乃至7のいずれか1項の作用の他、以下の作用が得られる。
【0055】
(a)アルカリ金属硫酸塩が硫酸セシウムであるので、更に効果的に硫黄酸化物の生成を抑制してパティキュレートの燃焼に際して、高い触媒活性を有する排ガス浄化用触媒を提供することができる。
【0056】
請求項9に記載の排ガス浄化材は、請求項1乃至8のいずれか1項において、前記アルカリ金属硫酸塩が硫酸セシウムと硫酸カリウムの混合物であるように構成されている。
【0057】
これによって、請求項1乃至8のいずれか1項の作用の他、以下の作用が得られる。
【0058】
(a)アルカリ金属の硫酸塩が硫酸セシウムと硫酸カリウムの混合物であるので、パティキュレートの燃焼に際して、高い触媒活性を有する排ガス浄化用触媒を提供することができる。
【0059】
請求項10に記載の排ガス浄化材の製造方法は、排ガス流路が多数形成された3次元構造体を、遷移金属を含む水溶液又はスラリー液に浸漬させ、これを乾燥、焼成して前記3次元構造体に遷移金属酸触媒層を形成させる工程と、前記遷移金属触媒層の形成された3次元構造体を貴金属が担持された無機粉末のスラリー液に浸漬させ、これを乾燥、焼成して貴金属触媒層を形成させる工程とを有して構成されている。
【0060】
これによって、以下の作用が得られる。
【0061】
(a)遷移金属を含む水溶液又はスラリー液に3次元構造体を浸漬させ、これを乾燥、焼成して前記3次元構造体に遷移金属酸触媒層を形成させるので、スラリー液の濃度や浸漬時間、焼成温度等の条件を調整して強度が高く、しかも排ガスフィルターとしてのガス透過性を有した遷移金属触媒層を確実に形成させることができる。
【0062】
(b)さらに、この遷移金属触媒層の上に貴金属触媒層を形成させて最上層とするので、貴金属とパティキュレートとの接触点を増加させ、触媒の活性を向上させることができる。
【0063】
(c)貴金属成分を有効に作用させられるので、パティキュレートの燃焼に必要な貴金属量を少なくでき、低コストの排ガス浄化材を製造することができる。
【0064】
(d)遷移金属の酸化物を含む層と、貴金属を含む層を分離して設けているために、遷移金属の酸化物と貴金属との結合などによる触媒組成の変化を防ぐことができ、触媒活性を劣化を防いで耐用性を高めた排ガス浄化材を製造できる。
【0065】
請求項11に記載の排ガス浄化材の製造方法は、請求項10において、前記遷移金属層を形成させる工程、及び/又は前記貴金属層を形成させる工程における乾燥が凍結乾燥法を用いて行なわれるように構成されている。
【0066】
これによって、請求項10の作用の他、以下の作用が得られる。
【0067】
(a)水溶液又はスラリー液を付着させた3次元構造体の乾燥が、水溶液やスラリー液を凍結させ、冷凍室を備えた真空装置で凍結状態のまま水分を昇華させて乾燥する凍結乾燥法により行われるので、熱に対して不安定なコロイド状態等の液を用いることができ、均一で所定の組成を有した被膜層を3次元構造体に形成させることができる。
【0068】
請求項12に記載の排ガス浄化材の製造方法は、請求項10又は11において、遷移金属を含む水溶液又はスラリー液に浸漬させる前記3次元構造体が、予め3次元構造体を無機酸化物のスラリー液に浸漬させてスラリー液を含浸させ、これを乾燥又は凍結乾燥して形成された無機酸化物層を有して構成されている。
【0069】
これによって、請求項10又は11の作用の他、以下の作用が得られる。
【0070】
(a)耐熱性の無機酸化物層で3次元構造体が被覆されるので、3次元構造体が長期に亘る熱負荷で劣化するのを防止して、耐用性を高めた排ガス浄化材を製造できる。
【0071】
(b)凍結乾燥を用いるので、スラリーとして使用できる無機酸化物の選択の幅を広げ、3次元構造体との親和性の高いものを選択でき、強度等に優れた無機酸化物層を3次元構造体上に形成できる。
【0072】
請求項13に記載の排ガス浄化材の製造方法は、請求項10乃至12のいずれか1項において、前記貴金属層及び/又は前記遷移金属層には、1種以上のアルカリ金属硫酸塩が含まれて構成されている。
【0073】
これによって、請求項10乃至12のいずれか1項の作用の他、以下の作用が得られる。
【0074】
(a)貴金属層及び/又は遷移金属層がアルカリ金属硫酸塩を有しているので、排ガス処理の際に酸化数の大きい硫黄酸化物の過剰な生成を抑制することができ、有害物質発生を少なくした排ガス浄化材を製造できる。
【0075】
(b)アルカリ金属硫酸塩を含有しているので、乾燥後の被覆層を焼成する際の焼結温度を下げられ、強度の高い遷移金属層を安価に製造できる。
【0076】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態1における排ガス浄化材は、排ガス流路が多数形成された3次元構造体と、その表面に形成される排ガス中の未燃焼物の燃焼を促進させる触媒を含む被覆層とを有した排ガス浄化材であって、前記被覆層が、貴金属を無機酸化物に担持させた貴金属触媒層を表層に有し、遷移金属を含む遷移金属触媒層を内層に有した多層構造を備えて構成されている。
【0077】
本実施の形態2における排ガス浄化材の製造方法は、排ガス流路が多数形成された3次元構造体を、遷移金属を含む水溶液又はスラリー液に浸漬させ、これを乾燥、焼成して前記3次元構造体に遷移金属酸触媒層を形成させる工程と、前記遷移金属触媒層の形成された3次元構造体を貴金属が担持された無機粉末のスラリー液に浸漬させ、これを乾燥、焼成して貴金属触媒層を形成させる工程とを有して構成されている。
【0078】
本実施の形態の排ガス浄化材、及びその製造方法においては、3次元構造体にそれぞれの特性の異なる触媒層を設けることで、耐熱性の3次元構造体と触媒成分との反応を抑制し、また触媒層間同士反応による劣化を抑制することで触媒の活性の劣化を防ぐことができ高活性の浄化材を得ることができる。
【0079】
貴金属を含む貴金属層を最上層とすることで貴金属とパティキュレートとの接触点を増加させ、触媒活性を向上させると共に、貴金属の少量化ができる。
【0080】
触媒機能がそれぞれ異なる遷移金属の酸化物を含む遷移金属触媒層と、貴金属を含む貴金属層を分離して設けたために、遷移金属の酸化物と貴金属との結合などによる触媒組成の変化を防ぐことができ、触媒活性としての個々の性能を十分に引き出すことが可能になる。
【0081】
製造方法として凍結乾燥を用いることで触媒成分を均一に担持させることができ、浄化材の活性の確保と共に触媒必要量の少量化が可能になり、高活性で、低コストの排ガス浄化材を得ることが可能になる。
【0082】
【実施例】
以下、これらをさらに具体化した実施例について説明する。
【0083】
(実施例1)
粒径が約5μmであるγ−アルミナ粉末(住友化学工業製)1400gと、主成分がポリカルボン酸型高分子界面活性剤であるPOIZ−532A(花王製)1680gとを精製水6000gに加えて、十分に攪拌して、実施例1のγ−アルミナのスラリーを得た。
【0084】
(実施例2)
硫酸銅五水和物239.4gと硫酸バナジウム489gを遷移金属酸化物の塩として、硫酸セシウム705.6gをアルカリ金属硫酸塩として、精製水2000gに溶かし十分攪拌して、実施例2の触媒溶液を得た。
【0085】
(実施例3)
γ−アルミナ粉末(住友化学工業製)6000gと白金の塩としてテトラミンジクロロ白金(添川理化学製)217gを精製水30000gに加えて十分攪拌した後、コールドエバポレーターにて減圧乾燥し、得られた粉末を電気炉にて600℃、5hrで焼成して、γ−アルミナに担持された白金触媒粉末を得た。この得られた触媒粉末1428gとPOIZ−532A1680gを精製水6000gに加えて、十分に攪拌して、実施例3の白金触媒を担持させたγ−アルミナのスラリーを得た。
【0086】
(実施例4)
硫酸銅五水和物239.4gと硫酸バナジウム489gをそれぞれ精製水2000gに溶かし十分攪拌して、実施例4の触媒溶液を得た。
【0087】
(実施例5)
γ−アルミナ粉末(住友化学工業製)6000gとテトラミンジクロロ白金(添川理化学製)217gを精製水30000gに加えて十分攪拌した後、コールドエバポレーターにて減圧乾燥し、得られた粉末を電気炉にて600℃、5hrで焼成して、γ−アルミナに担持された白金触媒を得た。この得られた触媒1428gと、POIZ−532A1680gと、アルカリ金属硫酸塩としての硫酸セシウム400gを精製水6000gに加えて、十分に攪拌して、実施例5のγ−アルミナ担持の白金触媒と硫酸セシウムとの混合スラリー触媒溶液を得た。
【0088】
(実施例6)
γ−アルミナ粉末(住友化学工業製)6000gと硫酸銅五水和物955gと硫酸バナジウム1247gを精製水30000gに加えて十分攪拌した後、コールドエバポレーターにて減圧乾燥し、得られた粉末を電気炉にて700℃、5hr焼成を行い、γ−アルミナに担持された銅−バナジウム複合金属酸化物の触媒を得た。この得られた触媒1634gと、POIZ−532A1680gとをそれぞれ精製水6000gに加えて、十分に攪拌して、実施例6のγ−アルミナ担持の銅−バナジウム複合金属酸化物の触媒スラリーを得た。
【0089】
(実施例7)
γ−アルミナ粉末(住友化学工業製)6000gと硫酸銅五水和物955gと硫酸バナジウム1247gを、硫酸セシウム1799gを精製水30000gに加えて十分攪拌した後、コールドエバポレーターにて減圧乾燥し、得られた粉末を電気炉にて700℃、5hr焼成を行い、γ−アルミナに担持された銅−バナジウム複合金属酸化物+硫酸セシウムの触媒を得た。この得られた触媒2100gと、POIZ−532A1680gを精製水6000gに加えて、十分に攪拌して、実施例7のγ−アルミナ担持の銅−バナジウム複合金属酸化物+硫酸セシウムの触媒スラリーを得た。
【0090】
(比較例1)
γ−アルミナ粉末(住友化学工業製)6000gと硫酸銅五水和物955gと硫酸バナジウム1247gと、硫酸セシウム1799gと、テトラミンジクロロ白金217gとをそれぞれ精製水30000gに加えて十分攪拌した後、コールドエバポレーターにて減圧乾燥し、得られた粉末を電気炉にて700℃、5hr焼成を行い、γ−アルミナに担持された、銅−バナジウム複合金属酸化物+硫酸セシウム+白金の触媒を得た。この得られた触媒2128gと、POIZ−532A1680gを精製水6000gに加えて、十分に攪拌して、比較例1のγ−アルミナ担持の、銅−バナジウム複合金属酸化物+硫酸セシウム+白金の触媒スラリーを得た。
【0091】
(実施例8)
耐熱性の3次元構造体としての、ウォールスルータイプのコージェライトフィルター(NGK製:5.66インチ、100セル/インチ)を実施例1で得られたスラリーに浸漬させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた後、300℃で30分乾燥し、600℃で5時間熱処理することで、γ−アルミナからなる無機酸化物層をフィルター表面に担持させた。
【0092】
次にこれを実施例2で得られた触媒溶液に含浸後、触媒溶液がフィルターに付着した状態で取り出して、液体窒素を用いて付着した触媒溶液を凍結させた。次に、このフィルターを真空凍結乾燥装置(共和真空製)内に設置し、凍結した触媒溶液の水分を昇華させた後、フィルターを電気炉内にて700℃で5時間熱処理することにより、均一に銅とバナジウムの複合金属酸化物、及び硫酸セシウムからなる混合触媒層をフィルターに担持させた。
【0093】
次にこれを実施例3で得られたスラリーに含浸させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた後、300℃で30分乾燥し、600℃で5時間熱処理することで、γ−アルミナ担持の白金触媒層をフィルター表面に形成させた。
【0094】
以上の工程で排ガス浄化材を製造し、これを実施例8とした。
【0095】
(実施例9)
ウォールスルータイプのコージェライトフィルター(NGK製:5.66インチ、100セル/インチ)を3次元構造体として、実施例1で得られたスラリーに浸漬させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた後、300℃で30分間乾燥し、600℃で5時間熱処理することで、γ−アルミナからなる無機酸化物層をフィルター表面に形成させた。
【0096】
次にこれを実施例4で得られた触媒溶液に含浸後、触媒溶液がフィルターに付着した状態で取り出して、液体窒素を用いて付着した触媒溶液を凍結させた。次に、このフィルターを真空凍結乾燥装置(共和真空製)内に設置し、凍結した触媒溶液の水分を昇華さえた後、フィルターを電気炉内にて700℃で5時間熱処理することにより、均一に銅とバナジウムの複合金属酸化物からなる遷移金属背触媒層を形成させた。
【0097】
次にこれを実施例5で得られたスラリーに浸漬、含浸させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた後、液体窒素を用いて付着したスラリー溶液を凍結させた。次に、このフィルターを真空凍結乾燥装置(共和真空製)内に設置し、凍結した触媒溶液の水分を昇華させた後、600℃で5時間熱処理することで、白金及び硫酸セシウムを担持させたγ−アルミナからなる貴金属層をフィルター表面の最上層として形成させた。
【0098】
以上の工程で排ガス浄化材を製造し、これを実施例9とした。
【0099】
(実施例10)
耐熱性の3次元構造体として、ウォールスルータイプのコージェライトフィルター(NGK製:5.66インチ、100セル/インチ)を実施例6で得られたスラリーに含浸させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた後、300℃で30分間乾燥し、600℃で5時間熱処理することで、γ−アルミナ担持の銅とバナジウムの複合金属酸化物からなる遷移金属触媒層をフィルター表面に形成させた。
【0100】
次にこれを実施例5で得られたスラリーに含浸させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた後、液体窒素を用いて付着したスラリー溶液を凍結させた。次に、このフィルターを真空凍結乾燥装置(共和真空製)内に設置し、凍結した触媒溶液の水分を昇華さえた後、600℃で5時間熱処理することで、γ−アルミナ担持の白金触媒、及び硫酸セシウムからなる貴金属層をフィルター表面に形成させた。
【0101】
以上の工程で排ガス浄化材を製造し、これを実施例10とした。
【0102】
(実施例11)
耐熱性の3次元構造体として、ウォールスルータイプのコージェライトフィルター(NGK製:5.66インチ、100セル/インチ)を実施例7で得られたスラリーに含浸させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた後、300℃で30分乾燥し、600℃で5時間熱処理することで、γ−アルミナに担持された銅とバナジウムの複合金属酸化物+硫酸セシウムをフィルター表面に担持させた。
【0103】
次にこれを実施例3で得られたスラリーに含浸させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた後、300℃で30分間乾燥し、600℃で5時間熱処理することで、γ−アルミナ担持の白金触媒をフィルター表面に担持させた。
【0104】
以上の工程で排ガス浄化材を製造し、これを実施例11とした。
【0105】
(比較例2)
耐熱性の3次元構造体として、ウォールスルータイプのコージェライトフィルター(NGK製:5.66インチ、100セル/インチ)を実施例3で得られたスラリーに含浸させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた後、300℃で30分間乾燥し、600℃で5時間熱処理することで、γ−アルミナ担持の白金触媒をフィルター表面に担持させた。
次にこれを実施例2で得られた触媒溶液に含浸後、触媒溶液がフィルターに付着した状態で取り出して、液体窒素を用いて付着した触媒溶液を凍結させた。次に、このフィルターを真空凍結乾燥装置(共和真空製)内に設置し、凍結した触媒溶液の水分を昇華さえた後、フィルターを電気炉内にて700℃で5時間熱処理することにより、均一に銅とバナジウムの複合金属酸化物、及び硫酸セシウムを担持させた。
【0106】
以上の工程により、フィルターの最下層に白金触媒の層を形成した排ガス浄化材を製造して、これを比較例2とした。
【0107】
(比較例3)
耐熱性の3次元構造体として、ウォールスルータイプのコージェライトフィルター(NGK製:5.66インチ、100セル/インチ)を比較例1で得られたスラリーに含浸させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた後、300℃で30分乾燥し、600℃で5時間熱処理することで、γ−アルミナ担持の、銅−バナジウム複合金属酸化物+硫酸セシウム+白金の触媒をフィルター表面に担持させた。
【0108】
以上の工程により、フィルターの最下層に白金触媒の層を形成した排ガス浄化材を製造して、これを比較例3とした。
【0109】
なお、実施例8〜実施例11及び比較例1、2の各構成成分を(表1)に示している。
【0110】
【表1】
Figure 0003736242
【0111】
(実施例12〜19)
実施例10と同じ方法で、ただし遷移金属の酸化物として(表2)に示した化合物を担持させた排ガス浄化材を製造し、これを第12〜19実施例とした。
【0112】
【表2】
Figure 0003736242
【0113】
(比較例4)
実施例10と同じ方法で、ただし遷移金属の酸化物として(表2)に示した化合物を担持して排ガス浄化材を製造し、これを比較例4とした。
【0114】
(実施例20〜24)
実施例10と同じ方法で、ただしアルカリ金属の硫酸塩として(表3)に示した塩を担持して排ガス浄化材を製造し、これを第20〜24実施例とした。
【0115】
【表3】
Figure 0003736242
【0116】
(実施例25)
実施例10と同じ方法で、ただし貴金属として(表4)に示した貴金属を担持させ、排ガス浄化材を製造した。これを実施例25とした。
【0117】
【表4】
Figure 0003736242
【0118】
(比較例5)
実施例10と同じ方法で、ただし貴金属として(表4)に示した貴金属を担持させ、排ガス浄化材を製造した。これを比較例5とした。
【0119】
(比較例6)
(表5)に示すように、実施例10と同じ触媒製造で、乾燥方法として凍結真空乾燥を用いず、加熱乾燥器にて乾燥した場合で排ガス浄化材を製造し、これを比較例6とした。
【0120】
【表5】
Figure 0003736242
【0121】
実施例8〜実施例25、比較例2〜比較例6において得られた排ガス浄化材について、以下のようなパティキュレートの燃焼実験を行って評価した。
【0122】
各排ガス浄化材を乳鉢で粉砕して得られた粉末とパティキュレート(300℃ディーゼル排ガスより捕集したもの)の粉末を重量比5:1で乳鉢で混合し、この混合物を内径12mmの石英ガラス製反応管内に充填した後、反応管内に5vol%の酸素と50ppmのSO2を含む窒素ガスからなる試験ガスを流量500cc/分で通気しながら、反応管の外周部に配設した管状電気炉にて反応管内を定速で昇温した。この時、排ガス側の位置に配設された炭酸ガスセンサーにより試験ガス中の炭酸ガス濃度を検出し、0.2%のパティキュレートが燃焼した際の温度(以下、0.2%燃焼温度と略称する。)を決定した。充填させたパティキュレートのカーボン量(既知量)と発生したCO+CO2量(測定値)から燃焼率を計算した。上記燃焼試験における各排ガス浄化用触媒の0.2%燃焼温度を(表1)〜(表5)に示した。
【0123】
(表1)から明らかなように、同じ種類の触媒組成を用いた場合、排ガス浄化材の触媒構造として実施例8〜11によって得られる排ガス浄化材のほうが比較例2〜3によって得られる排ガス浄化材より低温でパティキュレートを燃焼できることがわかった。
【0124】
(表2)から明らかなように、同じ構造の排ガス浄化材を用いた場合、排ガス浄化材に担持させる遷移金属の酸化物として(表2)に示した化合物を担持させた場合に低温でパティキュレートを燃焼できることがわかった。
【0125】
(表3)から明らかなように、同じ構造の排ガス浄化材を用いた場合、排ガス浄化材に担持させるアルカリ金属の硫酸塩としては硫酸セシウム+硫酸カリウムの場合がより低温でパティキュレートを燃焼できることがわかった。また、アルカリ金属の硫酸塩単独の場合は硫酸セシウムがより低温でパティキュレートを燃焼できることがわかった。
【0126】
(表4)から明らかなように同じ構造の排ガス浄化材を用いた場合、排ガス浄化材に担持させる貴金属としては少なくとも白金が必要であることがわかった。
【0127】
(表5)から明らかなように、同じ構造の排ガス浄化材を用いた場合、排ガス浄化材の製造工程における乾燥方法として真空凍結乾燥を用いる方が通常の加熱乾燥に比べて高い活性を示すことがわかった。
【0128】
【発明の効果】
請求項1に記載の排ガス浄化材によれば、これにより次の効果が得られる。
【0129】
(a)それぞれ触媒特性の異なる貴金属層と遷移金属層を分離してしかも特定の順序で設けることにより、3次元構造体と触媒成分との反応、また触媒間同士の反応を抑制して、それぞれの触媒特性を十分に発揮させることができる。
【0130】
(b)貴金属を含む貴金属層を最上層とすることで貴金属とパティキュレートとの接触点を増加させ、触媒の活性を向上させると共に、貴金属の必要量を少なくして、低いコストで製造できる。
【0131】
(c)遷移金属の酸化物を含む層と、貴金属を含む層を分離して設けているために、遷移金属の酸化物と貴金属との結合などによる触媒組成の変化を防ぐことができ、触媒活性を劣化を防いで耐用性を高めることができる。
【0132】
(d)排ガス流路が形成された3次元構造体を用いているので、排ガス浄化材に必要なガス透過性と強度を確保させることができる。
【0133】
(e)貴金属を耐熱性の高い無機酸化物に担持させているので、無機酸化物の粒子間に排ガスが侵入して、必要な触媒反応を起こさせ、また、下層の遷移金属触媒層に排ガスを導いて次の触媒反応を効率的に生じさせることができる。
【0134】
請求項2に記載の排ガス浄化材によれば、これによって、請求項1の効果の他、以下の効果が得られる。
【0135】
(a)耐熱性の無機酸化物層で3次元構造体が被覆されるので、3次元構造体が長期に亘る熱負荷で劣化するのを防止して、耐用性を高めることができる。
【0136】
(b)無機酸化物として、3次元構造体との親和性の高いものを選択できるので、無機酸化物層を3次元構造体上に容易に形成でき、しかも、使用中に剥がれ落ちることがない。
【0137】
(c)無機酸化物層が形成されるので、その上に形成される遷移金属層との接合強度が高めらる、全体の構造体として強度をさらに高めることができる。
【0138】
請求項3に記載の排ガス浄化材によれば、これによって、請求項1又は2の効果の他、以下の効果が得られる。
【0139】
(a)遷移金属層がアルカリ金属硫酸塩を有しているので、排ガス処理の際に酸化数の大きい硫黄酸化物の過剰な生成を抑制することができ、これによって、硫黄酸化物が水と反応して生じるサルフェートの排出量を少なくする効果が得られる。
【0140】
(b)アルカリ金属硫酸塩を含有しているので、焼結温度を下げられ、容易に強度の高い遷移金属層を形成させ、製造コストを低下させることができる。
【0141】
請求項4に記載の排ガス浄化材によれば、これによって、請求項1乃至3のいずれか1項の効果の他、以下の効果が得られる。
【0142】
(a)遷移金属層がアルカリ金属硫酸塩を有しているので、排ガス処理の際に酸化数の大きい硫黄酸化物の過剰な生成を抑制することができる。
【0143】
(b)アルカリ金属硫酸塩を含有しているので、焼結温度を下げられ、容易に強度の高い遷移金属層を形成させ、製造コストを低下させることができる。
【0144】
請求項5に記載の排ガス浄化材によれば、これによって、請求項1乃至4の内のいずれか1項の効果の他、以下の効果が得られる。
【0145】
(a)貴金属層が白金を含むので、貴金属層による排ガス中の一酸化炭素、炭化水素類の酸化性能を最も効率的かつ安定的に発揮させることができる。
【0146】
請求項6に記載の排ガス浄化材によれば、これによって、請求項1乃至5の内のいずれか1項の効果の他、以下の効果が得られる。
【0147】
(a)遷移金属の酸化物がCu、Mn、Co、V、Mo、Wから選ばれる2種以上の複合金属酸化物からなるので、エンジンの種類や、排ガス温度等の使用条件に応じてこれらの中から適宜、選択してパティキュレートの燃焼に高い触媒活性を有する排ガス浄化用触媒を提供することができる。
【0148】
請求項7に記載の排ガス浄化材によれば、これによって、請求項1乃至6のいずれか1項の効果の他、以下の効果が得られる。
【0149】
(a)前記遷移金属の酸化物がCu5210、CuV26、Cu328の群から選ばれる1種の金属酸化物又は2種以上の複合金属酸化物からなるので、パティキュレートの燃焼に際して高い触媒活性を有する排ガス浄化用触媒を提供することができる。
【0150】
請求項8に記載の排ガス浄化材によれば、これによって、請求項1乃至7のいずれか1項の効果の他、以下の効果が得られる。
【0151】
(a)アルカリ金属硫酸塩が硫酸セシウムであるので、更に効果的に硫黄酸化物の生成を抑制してパティキュレートの燃焼に際して、高い触媒活性を有する排ガス浄化用触媒を提供することができる。
【0152】
請求項9に記載の排ガス浄化材によれば、これによって、請求項1乃至8のいずれか1項の効果の他、以下の効果が得られる。
【0153】
(a)アルカリ金属の硫酸塩が硫酸セシウムと硫酸カリウムの混合物であるので、パティキュレートの燃焼に際して、高い触媒活性を有する排ガス浄化用触媒を提供することができる。
【0154】
請求項10に記載の排ガス浄化材の製造方法排ガス浄化材によれば、これによって、以下の効果が得られる。
【0155】
(a)遷移金属を含む水溶液又はスラリー液に3次元構造体を浸漬させ、これを乾燥、焼成して前記3次元構造体に遷移金属酸触媒層を形成させるので、スラリー液の濃度や浸漬時間、焼成温度等の条件を調整して強度が高く、しかも排ガスフィルターとしてのガス透過性を有した遷移金属触媒層を確実に形成させることができる。
【0156】
(b)さらに、この遷移金属触媒層の上に貴金属触媒層を形成させて最上層とするので、貴金属とパティキュレートとの接触点を増加させ、触媒の活性を向上させることができる。
【0157】
(c)貴金属成分を有効に効果させられるので、パティキュレートの燃焼に必要な貴金属量を少なくでき、低コストの排ガス浄化材を製造することができる。
【0158】
(d)遷移金属の酸化物を含む層と、貴金属を含む層を分離して設けているために、遷移金属の酸化物と貴金属との結合などによる触媒組成の変化を防ぐことができ、触媒活性を劣化を防いで耐用性を高めた排ガス浄化材を製造できる。
【0159】
請求項11に記載の排ガス浄化材によれば、これによって、請求項10の効果の他、以下の効果が得られる。
【0160】
(a)水溶液又はスラリー液を付着させた3次元構造体の乾燥が、水溶液やスラリー液を凍結させ、冷凍室を備えた真空装置で凍結状態のまま水分を昇華させて乾燥する凍結乾燥法により行われるので、熱に対して不安定なコロイド状態等の液を用いることができ、均一で所定の組成を有した被膜層を3次元構造体に形成させることができる。
【0161】
請求項12に記載の排ガス浄化材の製造方法によれば、これによって、請求項10又は11の効果の他、以下の効果が得られる。
【0162】
(a)耐熱性の無機酸化物層で3次元構造体が被覆されるので、3次元構造体が長期に亘る熱負荷で劣化するのを防止して、耐用性を高めた排ガス浄化材を製造できる。
【0163】
(b)凍結乾燥法を用いるので、スラリーとして使用できる無機酸化物の選択の幅を広げ、3次元構造体との親和性の高いものを選択でき、強度等に優れた無機酸化物層を3次元構造体上に形成できる。
【0164】
請求項13に記載の排ガス浄化材の製造方法によれば、これによって、請求項10乃至12のいずれか1項の効果の他、以下の効果が得られる。
【0165】
(a)貴金属層及び/又は遷移金属層がアルカリ金属硫酸塩を有しているので、排ガス処理の際に酸化数の大きい硫黄酸化物の過剰な生成を抑制することができ、有害物質発生を少なくした排ガス浄化材を製造できる。
【0166】
(b)アルカリ金属硫酸塩を含有しているので、乾燥後の被覆層を焼成する際の焼結温度を下げられ、強度の高い遷移金属層を安価に製造できる。

Claims (13)

  1. 排ガス流路が多数形成された3次元構造体と、その表面に形成される排ガス中の未燃焼物の燃焼を促進させる触媒を含む被覆層とを有した排ガス浄化材であって、
    前記被覆層が、貴金属を無機酸化物に担持させた貴金属触媒層を表層に有し、遷移金属を含む遷移金属触媒層を内層に有した多層構造を備えていることを特徴とする排ガス浄化材。
  2. 前記被覆層が、前記3次元構造体の表面を直接被覆する耐熱性の無機酸化物層を有していることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化材。
  3. 前記遷移金属層が、遷移金属の酸化物と1種以上のアルカリ金属硫酸塩とからなる混合触媒層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス浄化材。
  4. 前記貴金属触媒層が、耐熱性の無機粉末担体に担持された貴金属と、1種以上のアルカリ金属硫酸塩とからなる混合触媒層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排ガス浄化材。
  5. 前記貴金属層の貴金属が、白金を含むことを特徴とする請求項1乃至4の内のいずれか1項に記載の排ガス浄化材。
  6. 前記遷移金属層の遷移金属の酸化物がCu、Mn、Co、V、Mo、Wから選ばれる2種以上の複合金属酸化物であることを特徴とする請求項1乃至5の内のいずれか1項に記載の排ガス浄化材。
  7. 前記遷移金属の酸化物がCu5210、CuV26、Cu328の群から選ばれる1種の金属酸化物又は2種以上の複合金属酸化物を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の排ガス浄化材。
  8. 前記アルカリ金属硫酸塩が硫酸セシウムを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の排ガス浄化材。
  9. 前記アルカリ金属硫酸塩が硫酸セシウムと硫酸カリウムの混合物であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の排ガス浄化材。
  10. 排ガス流路が多数形成された3次元構造体を、遷移金属を含む水溶液又はスラリー液に浸漬させ、これを乾燥、焼成して前記3次元構造体に遷移金属酸触媒層を形成させる工程と、
    前記遷移金属触媒層の形成された3次元構造体を貴金属が担持された無機粉末のスラリー液に浸漬させ、これを乾燥、焼成して貴金属触媒層を形成させる工程とを有することを特徴とする排ガス浄化材の製造方法。
  11. 前記遷移金属層を形成させる工程、及び/又は前記貴金属層を形成させる工程における乾燥が凍結乾燥法を用いて行われることを特徴とする請求項10に記載の排ガス浄化材の製造方法。
  12. 遷移金属を含む水溶液又はスラリー液に浸漬させる前記3次元構造体が、予め3次元構造体を無機酸化物のスラリー液に浸漬させてスラリー液を含浸させ、これを乾燥又は凍結乾燥して形成された無機酸化物層を有していることを特徴とする請求項10又は11に記載の排ガス浄化材の製造方法。
  13. 前記貴金属層及び/又は前記遷移金属層には、1種以上のアルカリ金属硫酸塩が含まれていることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の排ガス浄化材の製造方法。
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