JP2007196146A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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敏明 長山
Hidehiro Iizuka
秀宏 飯塚
Masaaki Mukaide
正明 向出
Toshifumi Mukai
利文 向井
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Abstract

【課題】水素製造触媒層と窒素酸化物を捕捉する機能を有する触媒層の二層構造にすると、製造工程上、窒素酸化物を捕捉する機能を有する触媒層から水素製造触媒へのアルカリ成分の移動が避けられない。水素製造触媒はアルカリ成分を含むと水素製造効率が低下し、結果的にNOx浄化性能が低下する。
【解決手段】内燃機関の排ガスを浄化する触媒において、水素製造触媒層と窒素酸化物を捕捉する機能を有する触媒層との間に、無機材料からなる層を形成し、アルカリ成分の移動を抑制する。水素製造触媒層と窒素酸化物を捕捉する機能を有する触媒層との間に、無機材料からなる層を形成した窒素酸化物捕捉機能、水素製造機能を有する一体化触媒は、コンパクトで高NOx浄化性能を有する。そのため、自動車への触媒搭載性が優れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の排ガスを効率良く浄化する排ガス浄化用触媒に関する。
地球温暖化防止,環境改善を目的に、自動車排ガス中の有害物質であるCO(一酸化炭素),NOx(窒素酸化物),HC(炭化水素)低減,温室ガスであるCO2 (二酸化炭素)の削減が求められている。
自動車排ガスからCO2 を削減するには、燃費を向上させなければならない。そのため、エンジンを希薄燃料雰囲気で運転する必要がある。ガソリンエンジンでは、理論空燃比(約14.6 )で運転する場合の排ガス浄化には、三元触媒が用いられ、排ガス成分を利用してCO,HCの酸化とNOxの還元を同時に行う。しかし、それより希薄な燃料雰囲気になる空気燃料比(以下リーン)で運転するエンジン(リーンバーンエンジン)では、排ガスに多量の酸素が含まれるので、三元触媒ではNOxを還元浄化しにくい。これらを解決するため、リーン時に排ガス中のNOxを触媒上に吸着し、一時的に理論空燃比より燃料が過剰な空気燃料比(以下リッチ)にするリーン・リッチ制御を行い、吸着したNOxをリッチガス中のHC,CO,H2 などで還元するリーンNOx吸着触媒が実用化されている。また、リーン時に排ガス中のNOxを触媒中に吸蔵するNOx吸蔵触媒が実用化されている。
なお、本明細書においては、上記吸着と吸蔵を区別せずに用いる場合には捕捉と記載する。または、リーン時に排ガス中のNOxを捕捉する機能を有する触媒をリーンNOx触媒と記載する。
ディーゼルエンジンは定常的にリーンで運転するが、ガソリンのリーンバーンエンジンと同様にリーンNOx触媒を使用しリーン・リッチ制御を行うことによりNOxの浄化が可能になる。
しかしディーゼルエンジンの排ガス温度は、ガソリンリーンバーンエンジンと比較して100℃程度低い、150から250℃である。ディーゼルエンジンの排ガス処理にリーンNOx触媒をそのまま適用すると、排ガスによって昇温される触媒の温度も100℃程度低くなるため触媒活性が十分でない。NOx浄化率の低下は、低温では触媒活性が不十分で、捕捉したNOxを還元しきれないため起きる。そのためリーン・リッチ制御を行う際に、リーンからリッチに切替えた時のNOx浄化率が低下する場合がある。
リッチガスに含まれているHC,CO,H2 などの還元成分を利用してNOxを還元する方法が提案されている。150から250℃の低温での反応性は、COよりH2 が高い。そこで排ガス中のCOとH2O からH2 を製造し、そのH2 でNOxを還元させる方法が考えられている。このCOとH2O からH2 を製造する反応は、水性ガスシフト反応と呼ばれ式(1)で表される。
CO+H2O→CO2+H2 (1)
水性ガスシフト反応を進行させる触媒(以下水素製造触媒)とリーンNOx触媒を組み合わせることで、低温におけるリッチでのNOxの還元がおこなわれる。その結果、リーン・リッチ制御を行いディーゼルエンジン排ガスのNOxの浄化が可能になる。
特開2003−31438号公報では、リーンNOx触媒の上流側に水素製造機能を有する触媒が配置されている排ガス浄化装置について記載されている。
特開2003−31438号公報
水素製造触媒とリーンNOx触媒を設置する場合、それぞれの成分を担持した触媒を排気管内に直列に配置する方法と、それぞれの成分を一体化した触媒を配置する方法が考えられる。自動車の搭載スペースの面からは、触媒をさらにコンパクトにすることが求められている。そこでハニカムにリーンNOx触媒と水素製造触媒を多層コートした排ガス浄化用触媒を作製したところ、シフト反応の効率が低下し水素製造効率が低下することが認められた。
そこで、本願発明の課題は、リーンNOx触媒と水素製造触媒の一体化触媒を、シフト反応効率を保持し提供することにある。
本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、触媒支持体と、触媒支持体上に形成されたリーンNOx触媒と、リーンNOx触媒上に形成された無機材料層と、無機材料層上に形成された水素製造触媒とを有する点にある。
上記水素製造効率低下の原因を検討したところ、ウオッシュコート時にリーンNOx触媒のアルカリ成分がウオッシュコートスラリーに溶け出して、水素製造触媒にアルカリ成分が含まれていることがわかった。水素製造触媒はアルカリ成分を含むとシフト反応の効率が低下し水素製造効率が低下していた。
触媒の作製では、ハニカムにリーンNOx触媒を形成後、ウオッシュコートで水素製造触媒を形成した。リーンNOx触媒にはNOxを捕捉するためアルカリ金属やアルカリ土類金属(以下、アルカリ成分)が含まれ、アルカリ成分は、水に可溶なものもあるし、また酸性溶液に可溶なものも多い。リーンNOx触媒に水素製造触媒をウオッシュコートするときに用いるウオッシュコートスラリーには水分や酸性溶液が含まれる場合がある。そのため、ウオッシュコート時にリーンNOx触媒のアルカリ成分がウオッシュコートスラリーに溶け出して、水素製造触媒にアルカリ成分が含まれることがあった。その結果、リーンNOx触媒と水素製造触媒の二層形触媒においては、水素製造効率が低下し、NOx浄化性能が低下することが認められた。
そこで本発明の特徴はハニカムにリーンNOx触媒を形成後、リーンNOx触媒のアルカリ成分が水素製造触媒に移動するのを抑制する無機材料層を設け、その後に、水素製造触媒を形成した排ガス浄化用触媒にある。この無機材料からなる層により、水素製造触媒のウオッシュコート時にリーンNOx触媒から水素製造触媒に移動するアルカリ成分の量が減少し、水素製造効率の低下が抑制され、その結果NOx浄化性能の低下が抑制される。
上記無機材料層はアルカリ成分を捕捉する機能を有する素材を用いることが好ましく、特にMgO,ゼオライト,メソポーラスシリカの少なくともいずれかを含有することが望ましい。
本発明の窒素酸化物捕捉機能,水素製造機能を有する一体化触媒は、多層化することにより触媒サイズがコンパクトになり、かつ水素製造効率の低下がない。そのため、水素製造能力が高く、特に低温におけるリッチでのNOxの還元が効率よくおこなわれ、高NOx浄化性能を実現できる排ガス浄化用触媒を提供できる。
前記課題を解決するための本発明は、水素製造触媒層と窒素酸化物を捕捉する機能を有する触媒層とを一体として有し、前記触媒層の間に、無機材料からなる層を形成したことを特徴とする排ガス浄化用触媒である。
触媒形状には粒状とハニカム等の触媒支持体上に形成する場合とがある。触媒支持材とは、例えばコージェライトやメタルである。前記触媒層を触媒支持材上に設ける場合には、触媒支持材上にコートされた窒素酸化物を捕捉する機能を有する触媒層と、無機材料層,水素製造触媒層が接して設けられる。また、前記の無機材料からなる層の担持量は10g/L〜250g/Lでシフト反応効率の低下抑制の効果が認められた。また、無機材料が少ないと層に穴が開きやすく、多いとハニカム等に塗布する際の目詰まりが起こり易くなるため、30g/L〜150g/Lが特に好ましい。
触媒の形状は、圧損等の観点からハニカム型が好ましい。前記触媒の構造は、ハニカム上に形成する場合には、ハニカム側から窒素酸化物を捕捉する機能を有する触媒層,無機材料からなる層、そして水素製造触媒層の順に多層に形成されていることが好ましい。
前記無機材料層は、MgO,ゼオライト,メソポーラスシリカが好ましい。
上記のような構成とすることにより、水素製造触媒層に含まれるアルカリ金属とアルカリ土類金属の総量は、窒素酸化物を捕捉する機能を有する触媒層に含まれるアルカリ金属とアルカリ土類金属の総量の1/20以下とすることができ、高い活性の水素製造機能を保持することが可能である。
ディーゼルエンジンの排ガス処理に適したリーンNOx触媒の開発評価では、リーン・リッチ制御を模擬したリーンガスとリッチガスを切替えてNOx浄化性能を評価する。リーンNOx触媒は、高比表面積のアルミナを担体とし、燃焼活性成分である貴金属、NOx吸着材であるアルカリ金属、そして酸化セリウムを担持している。高比表面積のアルミナに貴金属を高分散させることで担体の焼結収縮、貴金属の凝集を抑制している。また、水素製造触媒は、酸化セリウムを主成分とし、Ti,Zr,Pr,Ndなどの助触媒成分を担持し、それに貴金属を担持している。
耐久処理後のNOx浄化性能は、リーンからリッチに切替わる時に大きく低下した。その原因として、貴金属の劣化が考えられた。触媒の活性は温度共に高まるので低温での活性は貴金属の劣化の影響を受けやすい。そこで、劣化した貴金属でも十分なNOx浄化性能が得られるように、ガス中のリッチガスに含まれる還元成分を活用して気相中もしくはリーンNOx触媒から脱離するNOxを浄化し貴金属への負担を軽減することとした。そのため、リッチガス中のCOとH2O からH2 を生成する能力の高い水素製造触媒を用いた。
自動車に搭載するスペースの観点からは、水素製造触媒とリーンNOx触媒を一体化した触媒が求められる。しかし、上記リーンNOx触媒と水素製造触媒を多層化した触媒では、両者を分離して直列配置にした触媒と比較してNOx浄化性能の低下が認められた。鋭意検討を進めた結果、リーンNOx触媒に含まれるアルカリ成分が水素製造触媒に移動し、水素製造触媒の水素製造効率を妨げていることが判明した。
図2は水素製造触媒にアルカリ成分を担持したときの水素製造効率である。水素製造触媒へのアルカリ成分の移動を模擬するために、水素製造触媒のみの触媒にアルカリ成分を担持させた。水素製造触媒へのアルカリ担持量が増加するにつれ水素製造効率が低下した。リーンNOx触媒からのアルカリ成分の移動は、触媒の製造工程中で発生し、触媒の使用や耐久処理の熱により、アルカリ成分の移動が拡大したと考えている。
図2のアルカリ量と水素製造効率比から、第二層に含まれるアルカリ量が、第一層に含まれるアルカリ量の5%までは水素製造効率比に影響がないことがわかった。従って、第一の触媒層のアルカリ成分量は第二の触媒層のアルカリ成分の20倍以上であることが好ましい。
なお、水素製造触媒上の水素生成機構は以下のように説明されている。
CO+σ=COad (2)
2O+Ce23=2CeO2+H2 (3)
COad+2CeO2=CO2+Ce23+σ (4)
ad:吸着、σ:金属の吸着サイト
2の生成は、金属へのCOの吸着(式(2))、Ce23へのH2Oの吸着と、CeO2 とH2 の生成(式(3))、CeO2による金属上でのCOの酸化(式(4))、の順で進行する。式(3),(4)中の酸化セリウムの状態変化は、酸化セリウム中の酸素を金属上でCOと反応させることで継続する。
リーンNOx触媒中の貴金属は、アルカリ成分と共存していても、リーンではNOを
NO2 に酸化、リッチではNO2 を還元している。アルカリ成分が水素製造触媒に移動すると水素製造効率が低下する原因としては、貴金属上での酸化を妨げるのではなく、式
(3)のCeO2 へのH2O の吸着、あるいは式(4)の酸化セリウムの中の酸素移動を妨げていると推測している。
このアルカリ成分のリーンNOx触媒から水素製造触媒への移動を抑制する方法として両者の間に無機材料層を形成した。無機材料からなる層の機能は、アルカリ成分の移動を抑制するためにリーンNOx触媒と水素製造触媒間の物理的距離を保つことである。アルカリ成分の移動を抑制する材料に無機材料を採用した理由は、触媒が使用時に最大650℃程度の温度に加熱され、触媒の機能上、ガス成分が透過する必要があり、少なくとも
650℃の温度でも多孔質で形状変化が少ない(650℃においても多孔性を維持できる耐熱性を有する)ことが必要だからである。
その材料としてアルミナ,チタニア,シリカ,MgO,ゼオライト,メソポーラスシリカなどが使用できる。その中でもMgO,ゼオライト,メソポーラスシリカは、アルカリ移動抑制効果が高かった。
MgOの場合は、Mgの電気陰性度がアルカリ成分の電気陰性度と同等であり、電気的に反発し合ってアルカリ成分の移動を抑制したと推察される。そこで無機材料としては、塩基性酸化物も適する。MgOと同様に塩基性酸化物の電気陰性度がアルカリ成分の電気陰性度と近い場合、お互いに電気的に反発しあってリーンNOx触媒中のアルカリ成分の水素製造触媒層への移動が抑制されると推察されるからである。前記塩基性酸化物としては、MgOのほかに、CaO,BaOが考えられる。
ゼオライト,メソポーラスシリカは、細孔を有し、その細孔に起因した酸点などがアルカリ成分をトラップするなどしてアルカリ成分の移動抑制効果が高かったと推測している。
アルカリ成分の移動を抑制するために無機材料層のコート量は、均一性を維持できる下限値と、その後に形成する水素製造触媒層の空間を空けておく必要性から上限値の間とする必要がある。そこで、検討したところ、無機材料からなる中間層のコート量を10g/L〜250g/Lとすることでシフト反応効率の低下抑制の効果が認められた。10g/Lでは、コートの多少のムラが見られるものの、抑制効果は認められた。また、250g/Lとすることにより第二層の担持量が少なくなり、排ガス浄化の効果が多少小さくなるものの、シフト反応効率の低減の抑制効果は明らかであった。
また、排ガス浄化効果を高めるためには、特に30g/L〜150g/Lが好ましい。30g/Lより多いとコートにムラが生じにくく、150g/Lより多いと次に第二層のコート時に目詰まりが起こりにくくなるためである。
コート量が10g/L未満では、コート時に局部的な不均一が生じアルカリ成分の移動抑制が不十分である。また、250g/Lを超えると、無機材料からなる層をコート後に水素製造触媒をコートする際に目詰まり等の生産上の不都合が生じやすい。
なお、上記の検討は一平方インチ当たり400ヶの四角断面でセルのあるハニカム
(400cpsi(cell per square inch)または400セル)を使用して行った。ハニカム形状には、六角断面やより多角形、もしくはメタルハニカムのような三角形の断面の場合があるが、上記の無機材料のコート量の上限は同程度のセル数であれば大きく変化しないと予想される。また、同様に、セル数が400cpsiより高密度になればコート量は減り、低密度になれば増えるが、必要なコート量は大きく変化しないと予想される。
無機材料からなる層は、リーンNOx触媒から水素製造触媒へのアルカリ移動を抑制する機能上、リーンNOx触媒と水素製造触媒の間に形成した。本願の排ガス浄化触媒は水素製造触媒層が反応ガスと直接接する排ガス側に形成されることで水素製造効率が高まるので、触媒構造は、コージェライトなどの触媒支持材にリーンNOx触媒を形成し、それに接する無機材料からなる層、水素製造触媒層の構成とした(図1)。
水素製造触媒層は、酸化セリウムを主成分としていれば、他の成分を含んでもかまわない。他の酸化物を含む場合の代表例としてCe−Zr複合酸化物がある。その他の構成酸化物としてLa,Pr,Mg,Baなどを含んでも構わない。水素製造触媒に含まれる貴金属の種類は、酸化セリウムに担持した場合に水素製造能力があることを確認したPd,Pt,Rhなどが挙げられる。
水素製造触媒にアルカリ成分が含まれると水素製造効率が低下するため、水素製造触媒のアルカリ成分量は、ゼロが望ましいものの、水素製造効率に影響が少ない場合(水素製造触媒だけの場合と多層化した場合の水素製造効率が大きく変化しない場合)は許容できる。水素製造触媒に含まれるアルカリ量の調整は、中間層によるアルカリ移動抑制効果に依存する。本発明では水素製造触媒層のアルカリ成分量は、リーンNOx触媒層の1/
20以下となった。なお、アルカリ成分量は、アルカリ金属,アルカリ土類金属の総量で規定し、それぞれの元素に換算した量を更に触媒体積当たりの重量で換算した値から算出している。
窒素酸化物を捕捉する機能を有する触媒層は、一般にリーンNOx触媒と称されるものであり、吸着型,吸蔵型いずれでも構わない。水素製造触媒の水素製造効果はいずれのリーンNOx触媒でも、低温でのNOx浄化性能向上に役立つ。リーンNOx触媒は、アルミナ,チタニアなどの耐熱多孔質担体にNO2を捕捉するアルカリ金属やアルカリ土類金属を含み、助触媒としてTi,Mn,La,Ceなどを、貴金属としてPd,Pt,Rh,Irなどを含む触媒である。なお、リーンNOx触媒のアルカリ成分量は、エンジン毎にリーン・リッチ制御時のリーンにおけるNOx吸着から異なる量を選定できる。
本発明の触媒の一例の製造方法を示す。コージェライトハニカムにリーンNOx触媒層を形成後、無機材料層を形成し、その後、水素製造触媒層を形成した。
まず、リーンNOx触媒層の作製方法を示す。アルミナ,アルミナゾル、そして精製水を混合したスラリーをコージェライトハニカムに流し込み、乾燥・焼成を行いアルミナ層を形成した。Na、Kなどのアルカリ成分を水溶液にし、含浸法でアルミナ層に担持した。酸化セリウムなどのOSC(酸素貯蔵能)を有する酸化物を担持する場合は、硝酸塩など用い水溶液にしてアルミナ層に含浸した。そしてPd,Pt,Rhの貴金属水溶液をアルミナ層に含浸し、リーンNOx触媒層を作製した。また、上述の含浸法の他に、混練法でも作製できる。混練法では、リーンNOx触媒層を形成するアルカリ成分、OSCを有する酸化物、そして貴金属を混合したスラリーを、コージェライトハニカムに流し込み、リーンNOx触媒層を形成する。次に、無機材料粉末にシリカゾルと精製水を加えたスラリーを、リーンNOx触媒層を形成したハニカムに流し込み無機材料からなる層を形成した。水素製造触媒は、酸化セリウムにPd,Pt,Rhなどの水溶液を含浸させた後、空気中600℃で焼成して、水素製造触媒粉末を得た。水素製造触媒粉末にシリカゾルと精製水を加えたスラリーを、無機材料からなる層とリーンNOx触媒層を形成したハニカムに流し込み水素製造触媒層を形成した。
図3は自動車用ディーゼルエンジン排ガスの後処理システムの一例である。構成としては、エンジン3dの排ガス流路に三元触媒または酸化触媒3aを置き、その後段にススなどを除去するためにディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)3bを設置し、そのさらに後段に本発明の窒素酸化物捕捉機能/水素製造機能一体化触媒3cを置く。
本発明の排ガス浄化方法は、上記窒素酸化物捕捉機能/水素製造機能一体化触媒に排ガスを通し、エンジンから排出されるNOxを浄化させることである。特に、上記排ガス浄化触媒を通る排ガスは、該排ガス浄化触媒の上流側に配置される三元触媒または酸化触媒、そしてDPFを既に通った排ガスである。
以下に本発明の実施例を示す。なお、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例1触媒は次の手順で作製した。リーンNOx触媒層は、ハニカムにAl23
190g/Lコートし、Ce:40.5g/L、K:5.2g/L、Mn:14g/L、
Rh:0.14g/L、Pt:1.3g/L、Pd:3.0g/L、Na:4.2g/L、
Li:0.1g/L、Ti:4.3g/Lを含浸法で担持した。無機材料層は、MgOとして52g/L担持した。水素製造触媒層は、酸化セリウム(第一稀元素製)を130g/L担持した時にPtが8g/Lになるように調製した水素製造触媒粉末を、ウオッシュコートで酸化セリウムとして130g/L担持した。図1に触媒構造を示す。
実施例2触媒は、実施例1と同様であるが、無機材料層をゼオライト(東ソー、HSZ−690HOA)とし、担持量を48g/Lとした。
実施例3触媒は、実施例1と同様であるが、無機材料層をメソポーラスシリカ(スードケミー触媒製)とし、担持量を25g/Lとした。
NOx浄化性能は700℃×20hの熱処理後の触媒を評価した。NOx浄化性能評価試験ガス組成を表1に示す。
Figure 2007196146
図4に評価装置を示す。評価では、固定床流通式反応管を用いた。触媒(11mm×11mm×長さ45mm)は5.5mlとした。評価は以下の手順で実施した。
<前処理>
表1(a)の前処理ガスを流通させ、触媒入口温度で室温から500℃まで20℃/
min にて昇温した。100℃からはポンプで送液した水を反応管内に滴下し水蒸気として加えた。SVは30000h-1とした。
<NOx浄化性能評価>
500℃に到達後、ガスと水を遮断し、200℃まで降温した。200℃を維持しながら表1(b)のNOx浄化性能評価ガスに切替え、リーン,リッチのガスを3分間ずつ交互に切替えた。SVは50000h-1とした。触媒出口でガス中の水蒸気を水トラップで除去した後、NOx分析計(堀場製作所、CLS510SS)へ導いた。NOx浄化率は式(5)で定義した。本明細書ではリーンとリッチそれぞれの区間の合計のNOx浄化率(トータルNOx浄化率)で評価した。
(式5)
Figure 2007196146
比較例1は、実施例1のNOx触媒層だけを形成した触媒(R2−L)との実施例1の水素製造触媒層だけをコートした触媒(R2−S)を直列に配置した場合の結果である。配置順序はエンジン側からに相当するモデルガス上流側からR2−S,R2−Lとした。比較例2は、実施例1から無機材料からなる中間層を省略した触媒である。
表2に比較例1,2、実施例1〜3のNOx浄化性能を示す。比較例1,2のNOx浄化性能は、それぞれ81,76%であった。水素製造触媒とリーンNOx触媒の二層構造にした比較例2が、水素製造触媒とリーンNOx触媒を直列に配置して両者を物理的に分離した比較例1より低かった。この原因はリーンNOx触媒のアルカリ成分の水素製造触媒へ移動し、水素製造効率を低下させたことがわかっている。このアルカリ成分の移動を抑制すれば、水素製造触媒とリーンNOx触媒を多層化した触媒でも比較例1の性能を得ることができる。
Figure 2007196146
実施例1のNOx浄化性能は82%だった。比較例2より高く、比較例1と同等の性能を示した。このことから実施例1ではMgOをリーンNOx触媒層と水素製造触媒層の中間層として形成することで、リーンNOx触媒から水素製造触媒へのアルカリ成分の移動を抑制して水素生成効率の低下を防止したことがわかる。実施例1では、MgOを中間層として用いることで、比較例1の1/2の触媒体積で同等性能を得ることが出来た。
実施例2では、ゼオライトを中間層として用いた。比較例1の1/2の触媒体積で同等性能を得ることが出来た。実施例3では、メソポーラスシリカを中間層として用いることで、比較例1の1/2の触媒体積で同等以上の性能を得ることが出来た。
ディーゼルエンジンを含むリーンバーン車の排ガス浄化用触媒に利用できる。
本発明のリーンNOx触媒と水素製造触媒の一体化触媒の構造。 水素製造触媒の水素製造効率へのアルカリ成分量の影響。 ディーゼル排ガス処理のシステム図。 本発明の触媒の評価装置。
符号の説明
1a…触媒支持体、1b…リーンNOx触媒層、1c…無機材料からなる中間層、1d…水素製造触媒、3a…三元触媒又は酸化触媒、3b…DPF、3c…リーンNOx触媒と水素製造触媒の一体化排ガス浄化触媒、3d…エンジン、4a…マスフローコントローラー、4b…Aライン、4c…マイクロポンプ、4d…精製水、4e…ラシヒリング、
4f…電気炉、4g…ガラス繊維、4h…アルミナ繊維、4i…触媒、4j…目皿、4k…反応管、4l…熱電対、4m…水トラップ、4n…Bライン。

Claims (7)

  1. 内燃機関の排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒であって、
    窒素酸化物を捕捉する機能を有する第一の触媒層と、前記第一の触媒層上に設けられ、水素を製造する機能を有する第二の触媒層とを有し、
    前記第一及び第二の触媒層の間に無機材料層を有することを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 請求項1に記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記第一の触媒層はアルカリ元素またはアルカリ土類元素を含有することを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  3. 請求項1または2に記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記無機材料層はアルカリ元素またはアルカリ土類元素を捕捉する機能を有することを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  4. 請求項1または2に記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記無機材料層はMgO,ゼオライト,メソポーラスシリカのいずれかを含有することを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記触媒はハニカム上に形成されており、前記無機材料層は10g/L以上250g/L以下の担持量であることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記触媒は触媒支持体上に形成されており、前記触媒支持体側より第一の触媒層、無機材料からなる層、第二の触媒層の順に層構造を有することを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  7. 請求項2において、前記第一の触媒層に含まれるアルカリ金属とアルカリ土類金属の重量は第二の触媒層に含まれるアルカリ金属とアルカリ土類金属の重量の20倍以上であることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
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