JP5211671B2 - 排ガス浄化フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンなどの排ガスに含まれるパティキュレートを燃焼して、排ガスを浄化する排ガス浄化フィルタに関するものである。
ディーゼルエンジンなどの排ガスに含まれるパティキュレートは、その粒子径がほぼ1μm以下で、大気中に浮遊しやすく、呼吸時に人体に取り込まれやすい。また、パティキュレートは発癌性物質を含んでおり、ディーゼルエンジンからのパティキュレートの排出には、厳しい規制が実施されている。
ディーゼルエンジンの排ガスからパティキュレートを除去する方法には、耐熱性のセラミックスなどからなるディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPF)でパティキュレートを捕集し、ヒーターなどでフィルタを加熱してパティキュレートを燃焼させ、ガスに変えて放出する方法がある。また、DPFに金属酸化物などを含む排ガス浄化触媒を担持することで、通常のパティキュレート燃焼温度より低温で燃焼させることができる。
排ガス浄化触媒としては、例えば、特許文献1には酸化物担体に担持された貴金属の上に、遷移金属を担持した触媒が開示されている。また、特許文献2には一種類以上の金属を含有したセリウム・ジルコニウム複合酸化物の触媒が開示されている。また、特許文献3には表層に銀を担持した複合貴金属コロイドの触媒が開示されている。
特開2003−251186号公報 特開2003−334443号公報 特開2004−57949号公報
このような従来の排ガス浄化触媒およびこれら触媒を担持した排ガス浄化フィルタには、以下の課題があった。
特許文献1および2に記載の触媒は、比較的低温の排ガスにおいてもパティキュレートの燃焼を開始させることができるが、完全燃焼させるためにはさらに高い温度が必要であり、十分な触媒活性ではなかった。このような触媒は、多孔質担体の細孔内に触媒が担持されているため、細孔よりも大きなパティキュレートと接触することができず、十分な触媒活性が発揮できないと考えられる。
また特許文献3は、特許文献1や特許文献2のように触媒を多孔質担体の細孔内に担持するのではなく、粒子径を数nm以上に大きくした複合貴金属コロイドを担体表面に担持しているので、パティキュレートとの接触効率が向上し、燃焼性能は改善する。しかし粒子径の大きな貴金属コロイドは、表面積が小さいため担体との接触面積が少なく、かつ4
50℃という低温焼成で貴金属コロイドを担体に担持しているため、熱に対する耐久性は十分なものではなかった。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、より低い排ガス温度でパティキュレートを燃焼除去できる高い触媒活性を有し、かつ優れた耐熱性を有する排ガス浄化フィルタの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の排ガス浄化フィルタは、排ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタに、銅とバナジウムとの複合金属酸化物を含む金属酸化物と、硫酸セシウムと、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金のいずれか一つ以上と、アルミナとを含む触媒を担持した排ガス浄化フィルタであって、触媒を構成する金属元素において、アルミニウムに対するそれ以外の金属元素の総モル比が0.2〜10の範囲であり、アルミナゾルにフィルタを含浸し、乾燥後、800℃で加熱処理した後、金属酸化物の原料となる金属塩と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが溶解した水溶液に、前記フィルタを含浸し、乾燥後、800℃で加熱処理して製造されたことを特徴としている。
この構成により、より低い排ガス温度でパティキュレートを燃焼除去できる高い触媒活性を有し、かつ優れた耐熱性を有する排ガス浄化フィルタを提供することができる。
本発明によれば、より低い排ガス温度でパティキュレートを燃焼除去できる高い触媒活性を有し、かつ優れた耐熱性を有する排ガス浄化フィルタを提供することができる。
本発明の実施例1の性能評価試験におけるカーボン残存率を示すグラフ 本発明の実施例1の性能評価試験の結果を示すグラフ 本発明の実施例1〜3の性能評価試験の結果を示すグラフ 本発明の実施例4の排ガス試験を示す模式図
本発明の請求項1記載の発明は、排ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタに、銅とバナジウムとの複合金属酸化物を含む金属酸化物と、硫酸セシウムと、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金のいずれか一つ以上と、アルミナとを含む触媒を担持した排ガス浄化フィルタであって、触媒を構成する金属元素において、アルミニウムに対するそれ以外の金属元素の総モル比が0.2〜10の範囲であり、アルミナゾルにフィルタを含浸し、乾燥後、800℃で加熱処理した後、金属酸化物の原料となる金属塩と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが溶解した水溶液に、前記フィルタを含浸し、乾燥後、800℃で加熱処理して製造された排ガス浄化フィルタである。
金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが共存することにより、金属酸化物の触媒活性を高めることができる。従って、フィルタに捕集されたパティキュレートを排ガス温度程度で燃焼分解することができる。
また、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩は、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩化物等に比べて熱的に安定であり、かつ硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れている。従って、パティキュレートに対する高い触媒活性を、長期間にわたって維持することができる。ここで、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムを用いることができる。また、アルカリ土類金属としては、カルシウム、ストロ
ンチウム、バリウムを用いることができる。
またアルミナを含むことによって、表面積の大きいアルミナ表面上に金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを担持することができ、その結果触媒の表面積が大きくなるので、パティキュレートとの接触確率が増大し、触媒活性を向上させることができる。
また金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが、熱的に非常に安定なアルミナと適度に固溶するなどして複合化することにより、触媒が安定化し、耐熱性が向上すると考えられる。これにより、高温の排ガス中でも、長期間にわたって高いパティキュレート燃焼性能を維持することができる。
また、触媒をDPFなどのフィルタに担持する際、予めフィルタ上にアルミナ層を形成することにより、アルミナがそれ以外の触媒成分とフィルタ材料との中間層となって、触媒成分とフィルタ材料とが反応して触媒活性が低下するのを抑制することができる。
また触媒を、例えばコージェライト製DPFなどの多孔質材料からなるフィルタに担持する際、適当な工程を経て製造することで、フィルタを構成する多孔質材料の細孔内において、触媒が三次元微構造を形成することができる。現在普及しているSiCやコージェライト製DPFは、捕集したパティキュレートの堆積層によって高い捕集効率を維持するケークろ過であり、パティキュレート捕集開始直後や、触媒作用でパティキュレート堆積層が消失してしまった場合などには、フィルタの捕集効率が低下するおそれがある。これに対して、触媒がフィルタ細孔内で三次元微構造を形成することにより、高い捕集効率を維持することができる。
また、銅を含むことで、パティキュレートを効率良く酸化燃焼することができる。
銅は2価と1価の価数をとることができる。酸化物としてはCuO(2価)とCuO(1価)が存在し、2価から1価へ変化する際に原子間の酸素をパティキュレートに与えてこれを酸化燃焼することができる。1価へと還元された銅は、排ガス中の酸素によって容易に酸化されて2価の状態に戻る。この繰り返しによって、パティキュレートを連続的に酸化燃焼することができる。
また、バナジウムを含むことで、パティキュレートを効率良く酸化燃焼することができる。
バナジウムは1〜5価と多くの価数をとることができる。バナジウムの酸化物としてはVO(1価)、V(2価)、V(3価)、V(4価)、V(5価)が存在し、低価数へ変化する際に原子間の酸素をパティキュレートに与えてこれを酸化燃焼することができる。低価数へと還元されたバナジウムは、排ガス中の酸素によって容易に酸化される。この繰り返しによって、パティキュレートを連続的に酸化燃焼することができる。
また、銅とバナジウムとの複合金属酸化物を含むことで、パティキュレートを効率良く酸化燃焼することができると共に、耐熱性に優れた触媒が得られる。
銅とバナジウムとの複合金属酸化物は種々存在するが、特にCuVはパティキュレートに対する燃焼活性が高く、またその結晶構造は熱的に安定であるので、高い触媒活性を有し、かつ耐熱性に優れた触媒となる。
また、アルカリ金属の硫酸塩は化学的に安定なため、パティキュレートに対する燃焼活性は低い。しかし金属酸化物が共存することによって、アルカリ金属の硫酸塩から硫黄酸化物が容易に離脱し、パティキュレートに対して活性の高いアルカリ金属の酸化物や水酸化物や炭酸塩へと変化して、直ちにパティキュレートを酸化燃焼することができる。酸化物などへと変化したアルカリ金属は、排ガス中の硫黄酸化物と速やかに反応して安定なアルカリ金属の硫酸塩に戻る。この繰り返しによって、パティキュレートを連続的に酸化燃焼することができる。特にセシウムは、アルカリ金属の中で最も強い還元性を示し、最外殻電子を与えやすいため、活性酸素を生成してパティキュレートを効率良く酸化燃焼することができる。また、融点の低いセシウム化合物へと変化することで、パティキュレートとの密着性が向上し、結果として触媒活性が向上すると考えられる。
また、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金のいずれか一つ以上を含むことによって、パティキュレートを効率良く酸化燃焼することができると共に、排ガス中のガス成分も酸化することができる。
貴金属はその表面に吸着した酸素分子を解離させる作用を有し、パティキュレートだけでなく、排ガス中の炭化水素などのガス成分も酸化させる活性酸素を生成することができる。貴金属は生成した活性酸素との親和性が高いため、反応性の高い活性酸素を生成しても貴金属表面に貯めてしまう欠点があるが、活性酸素との親和性の低い金属酸化物が貴金属近傍に共存することによって、活性酸素を効率良くパティキュレートへ与えて酸化燃焼することができるようになる。
またロジウム、パラジウム、イリジウム、白金は、ルテニウムやオスミウムと比較して、安価な材料であり、結果として安価な触媒となる。
アルミナが適切な範囲で含まれることで、触媒の耐熱性を向上させることができるが、アルミニウムに対するそれ以外の金属元素の総モル比が0.2より小さくなると、結果として活性種が少なくなって、触媒のパティキュレートに対する活性を低下させることに繋がり好ましくない。逆に総モル比が10より大きくなると、アルミナとの複合化に起因すると考えられる耐熱性向上の効果が低下するので好ましくない。従って、アルミニウムに対するそれ以外の金属元素の総モル比を0.2〜10の範囲にすることで、触媒の活性を維持しながら耐熱性を向上させることができる。
また、フィルタに対するアルミナの担持量が、5〜100g/Lの範囲とすることにより、フィルタの高いパティキュレート捕集効率と、低い圧力損失とを兼ね備えた排ガス浄化フィルタが得られる。
触媒を、例えばコージェライト製DPFなどの多孔質材料からなるフィルタに担持する際、適当な工程を経て製造することで、フィルタを構成する多孔質材料の細孔内において、触媒が三次元微構造を形成することができるが、アルミナの担持量が5g/L以下になると、三次元微構造が十分形成されず、パティキュレート捕集効率の低下を招くおそれがある。またアルミナの担持量を少なくすると、それに伴ってアルミナ以外の触媒成分も少なくする必要があるので、触媒のパティキュレートに対する活性を低下させることに繋がり好ましくない。逆に、アルミナの担持量が100g/L以上になると、フィルタの圧力損失が増大し、エンジンに悪影響を及ぼすので好ましくない。従って、アルミナの担持量を5〜100g/Lの範囲にすることで、高いパティキュレート捕集効率と、低い圧力損
失とを両立した排ガス浄化フィルタが得られる。
平均粒子径が1μm以下のアルミナを原料とすることで、アルミナの表面積を大きくすることができる。このアルミナ上に金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを担持することができ、その結果、触媒の表面積が大きくなるので、パティキュレートとの接触確率が増大し、触媒活性を向上させることができる。
またアルミナを、例えばコージェライト製DPFなどの多孔質材料からなるフィルタに担持する際、平均粒子径が1μm以下のアルミナであれば、フィルタを構成する多孔質材料の細孔内(平均細孔径が約20μm程度)にもアルミナが行き届いて、均一に担持され、アルミナがそれ以外の触媒成分とフィルタ材料との中間層となって、触媒成分とフィルタ材料とが反応して触媒活性が低下するのを抑制することができる。
またフィルタ細孔内にアルミナ粒子が行き届き、かつ適当な工程を経て製造することで、フィルタ細孔内において、アルミナが三次元微構造を形成することができる。これにより、パティキュレート堆積層がない場合にも、高い捕集効率を維持することができる。
また粒子の形状が羽毛状のものを選択することで、より少ない担持量で、触媒がフィルタ表面上に凹凸を形成することができ、パティキュレートとの接触確立が増大して、触媒活性が向上すると考えられる。同様に、より少ない担持量で細孔内における触媒の三次元微構造を形成することができると考えられる。
また、金属塩が硫酸銅を含むことを特徴とする排ガス浄化フィルタである。
また、金属塩が酸化硫酸バナジウムを含むことを特徴とする排ガス浄化フィルタである。
また、金属酸化物の原料となる金属塩と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを溶解させた水溶液を用いることで、アルミナ上に高分散した状態で触媒成分を添着することができる。
金属酸化物粒子やアルカリ金属の硫酸塩粒子および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩粒子をアルミナに添着させても良いが、触媒活性を向上させるためには触媒粒子を微粉砕しなければならず、また微粉化した種々の粒子同士を均一に混合しなければならない。これに対して、種々の金属塩を水溶液として溶解することができれば、均一な水溶液となり、結果としてアルミナに均一に添着することができる。
また、乾燥が凍結乾燥であることを特徴とする排ガス浄化フィルタである。
アルミナゾルに、例えばコージェライト製DPFなどの多孔質材料からなるフィルタを含浸すると、フィルタを構成する多孔質材料の細孔内にゾルが保持される。次いで凍結乾燥を行うが、凍結乾燥では添着したゾルをいったん凍結し、水分を昇華させながら乾燥するため、ゾル中のアルミナ微粒子はその位置をできだけ維持したまま乾燥される。従って、フィルタ細孔内においてアルミナ同士が連結した三次元微構造を形成すると考えられる。これにより、パティキュレート堆積層がない場合にも、高い捕集効率を発揮する排ガス浄化フィルタが得られる。
さらに、アルミナを担持したフィルタを、触媒原料が溶解した水溶液に含浸した後、凍結乾燥をすることによって、アルミナ表面での乾燥に伴う触媒成分の移動を抑制することができ、その結果より均一に触媒成分をアルミナに担持することができる。従って、凍結
乾燥に次いで、酸化雰囲気下で加熱処理して得られた排ガス浄化フィルタは、パティキュレートとの接触効率が向上して、パティキュレート燃焼性能が向上する。
本発明の排ガス浄化フィルタの触媒活性や耐熱性は、製造時の加熱処理温度に強く依存しており、高い触媒活性と耐熱性を発揮させるためには、700〜900℃で処理することが好ましく、800℃で処理することが特に好ましい。
またディーゼル排ガス浄化フィルタは、実際の使用条件ではその近傍温度がまれに600℃程度に達することがあり、700℃以下の加熱処理では、使用中に触媒組成などが変化し、活性が低下するおそれがあるので好ましくない。逆に、900℃以上の高温で処理する場合、触媒の活性が低下したり、触媒を担持するフィルタ材料などに損傷を与えたりするおそれがあるので好ましくない。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
コージェライト製DPFをアルミナゾルに含浸し、余剰なゾルを遠心力とエアブローで除去した後、乾燥する。次に電気炉で、大気雰囲気下、800℃で加熱処理を行い、アルミナ担持DPFが製造される。
次に、硫酸銅と、酸化硫酸バナジウムと、硫酸セシウムとが溶解した水溶液に、前記アルミナ担持DPFを含浸し、余剰な水溶液を遠心力で除去した後、乾燥する。次に電気炉で、大気雰囲気下、800℃で加熱処理を行い、銅およびバナジウムの酸化物と、硫酸セシウムと、アルミナとを含む触媒が担持されたDPFが製造される。
これにより、より低い排ガス温度でパティキュレートを燃焼除去できる高い触媒活性を有し、かつ優れた耐熱性を有する排ガス浄化フィルタを提供することができる。
金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが共存することにより、パティキュレートに対して高い触媒活性を発揮することができる。金属酸化物としては、特に銅やバナジウムを含むものが高活性である。
これは次のようなメカニズムだと考えられる。
銅やバナジウムは、いくつかの異なる価数をとることができ、酸化物中の銅やバナジウムが高価数から低価数へと変化する際、原子間の酸素をパティキュレートに与えて、これを酸化燃焼することができる。低価数へと還元された銅やバナジウムは、排ガス中の酸素によって容易に酸化される。この繰り返しによって、パティキュレートを連続的に酸化燃焼することができる。実施の形態1の工程では、種々の組成の酸化銅や、酸化バナジウムや、銅・バナジウム複合金属酸化物が生成すると考えられるが、特にCuVはパティキュレートに対する燃焼活性が高く、かつその結晶構造が熱的に安定であるので、好ましい。
また、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩は、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩化物等に比べて熱的に安定であり、かつ硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れている。ここではアルカリ金属としてセシウムを用いたが、これ以外にもリチウム、ナトリウム、カリウムを用いることができる。またアルカリ土類金属としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウムを用いることができる。
アルカリ金属の硫酸塩は金属酸化物が共存することによって、硫黄酸化物が容易に離脱
し、パティキュレートに対して活性の高いアルカリ金属の酸化物や水酸化物や炭酸塩へと変化して、直ちにパティキュレートを酸化燃焼することができる。酸化物などへと変化したアルカリ金属は、排ガス中の硫黄酸化物と速やかに反応して安定なアルカリ金属の硫酸塩に戻る。この繰り返しによって、パティキュレートを連続的に酸化燃焼することができる。特にセシウムは、アルカリ金属の中で最も強い還元性を示し、最外殻電子を与えやすいため、非常に高い触媒活性を発揮する。また融点の低いセシウム化合物へと変化することで、パティキュレートとの密着性が向上し、結果として触媒活性が向上すると考えられる。
また、アルミナを含むことで触媒の表面積が大きくなり、パティキュレートとの接触確率が増大して、触媒活性を向上させることができる。
また銅およびバナジウムの酸化物と、硫酸セシウムとが、熱的に非常に安定なアルミナと適度に固溶するなどして複合化することにより、触媒が安定化し、耐熱性が向上すると考えられる。
また、予めフィルタ上にアルミナ層を形成することにより、アルミナがそれ以外の触媒成分とフィルタ材料との中間層となって、触媒成分とフィルタ材料とが反応して触媒活性が低下するのを抑制することができる。
また、アルミニウムに対するそれ以外の金属元素(すなわち銅、バナジウム、セシウム)の総モル比は0.2〜10の範囲であることが好ましい。アルミニウムに対するそれ以外の金属元素の総モル比が0.2より小さくなると、結果として活性種が少なくなって、触媒活性を低下させることに繋がり好ましくない。逆に総モル比が10より大きくなると、アルミナとの複合化に起因すると考えられる耐熱性向上の効果が低下するので好ましくない。
またフィルタに対するアルミナの担持量は、5〜100g/Lの範囲であることが好ましい。触媒をコージェライト製DPFなどの多孔質材料からなるフィルタに担持する際、適当な工程を経て製造することで、フィルタを構成する多孔質材料の細孔内において、触媒が三次元微構造を形成することができるが、アルミナの担持量が5g/L以下になると、三次元微構造が十分形成されず、パティキュレート捕集効率の低下を招くおそれがある。またアルミナの担持量を少なくすると、それに伴ってアルミナ以外の触媒成分も少なくする必要があるので、触媒活性を低下させることに繋がり好ましくない。逆に、アルミナの担持量が100g/L以上になると、フィルタの圧力損失が増大し、エンジンに悪影響を及ぼすので好ましくない。
また原料のアルミナは、平均粒子径が1μm以下で、羽毛状の微構造を持つものが、より好ましい。これによって、よりアルミナの表面積を大きくすることができ、結果として触媒の表面積が大きくなるので、パティキュレートとの接触確率が増大し、触媒活性を向上させることができる。
またアルミナをコージェライト製DPFなどの多孔質材料からなるフィルタに担持する際、平均粒子径が1μm以下のアルミナであれば、フィルタを構成する多孔質材料の細孔内(平均細孔径が約20μm程度)にもアルミナが行き届いて、均一に担持され、アルミナがそれ以外の触媒成分とフィルタ材料との中間層となって、触媒成分とフィルタ材料とが反応して触媒活性が低下するのを抑制することができる。またフィルタ細孔内にアルミナ粒子が行き届き、かつ適当な工程を経て製造することで、フィルタ細孔内において、アルミナが三次元微構造を形成することができる。
また、粒子の形状が羽毛状のものを選択することで、より少ない担持量で、触媒がフィルタ表面上に凹凸を形成することができ、パティキュレートとの接触確立が増大して、触媒活性が向上すると考えられる。同様に、より少ない担持量で、フィルタ細孔内における触媒の三次元微構造を形成することができると考えられる。
ここではアルミナをDPFに担持する際、アルミナゾルを用いたが、これ以外にもアルミナ微粒子が分散した懸濁液などを用いてもよい。
また製造工程において、硫酸銅と、酸化硫酸バナジウムと、硫酸セシウムとが溶解した水溶液にアルミナ担持DPFを含浸することで、アルミナ上に高分散した状態で触媒成分を添着することができる。同様の組成の触媒を製造する際は、銅やバナジウムの酸化物粒子や硫酸セシウム粒子をアルミナに添着させても良いが、触媒活性を向上させるためには触媒粒子を微粉砕しなければならず、また微粉化した種々の粒子同士を均一に混合しなければならない。これに対して、種々の金属塩を水溶液として溶解することができれば、均一な水溶液となり、結果としてアルミナに均一に添着することができる。
また製造工程における乾燥は、凍結乾燥することが好ましい。
アルミナゾルに、コージェライト製DPFなどの多孔質材料からなるフィルタを含浸すると、フィルタを構成する多孔質材料の細孔内にゾルが保持される。次いで凍結乾燥を行うが、凍結乾燥では添着したゾルをいったん凍結し、水分を昇華させながら乾燥するため、ゾル中のアルミナ微粒子はその位置をできだけ維持したまま乾燥される。従って、フィルタ細孔内においてアルミナ同士が連結した三次元微構造を形成すると考えられる。現在普及しているSiCやコージェライト製DPFは、捕集したパティキュレートの堆積層によって高い捕集効率を維持するケークろ過であり、パティキュレート捕集開始直後や、触媒作用でパティキュレート堆積層が消失してしまった場合などには、フィルタの捕集効率が低下するおそれがある。これに対して、触媒がフィルタ細孔内で三次元微構造を形成することにより、高い捕集効率を維持することができる。これにより、パティキュレート堆積層がない場合にも、高い捕集効率を発揮する排ガス浄化フィルタが得られる。
さらに、アルミナ担持DPFを、触媒原料が溶解した水溶液に含浸した後、凍結乾燥をすることによって、アルミナ表面での乾燥に伴う触媒成分の移動を抑制することができ、その結果、より均一に触媒成分をアルミナに担持することができる。従って、凍結乾燥に次いで、酸化雰囲気下で加熱処理して得られた触媒担持DPFは、パティキュレートとの接触効率が向上して、パティキュレート燃焼性能が向上する。
また、本発明の排ガス浄化フィルタの触媒活性や耐熱性は、製造時の加熱処理温度に強く依存しており、高い触媒活性と耐熱性を発揮させるためには、700〜900℃で処理することが好ましく、800℃で処理することが特に好ましい。
またディーゼル排ガス浄化フィルタは、実際の使用条件ではその近傍温度がまれに600℃程度に達することがあり、700℃以下の加熱処理では、使用中に触媒組成などが変化し、活性が低下するおそれがあるので好ましくない。逆に、900℃以上の高温で処理する場合、触媒の活性が低下したり、触媒を担持するフィルタ材料などに損傷を与えたりするおそれがあるので好ましくない。
ここでは、パティキュレート捕集フィルタとしてコージェライト製DPFを用いたが、これ以外にもSiC製DPFや金属製DPFなど、排ガス中のパティキュレートを捕集できる構造を有した種々のフィルタを用いることができる。
また実施の形態1の触媒担持DPFに、さらにロジウム、パラジウム、イリジウム、白金のいずれか一つ以上の貴金属を添加してもよい。
貴金属はその表面に吸着した酸素分子を解離させる作用を有し、パティキュレートだけでなく、排ガス中の炭化水素などのガス成分も酸化させる活性酸素を生成することができる。貴金属は生成した活性酸素との親和性が高いため、活性酸素を貴金属表面に貯めてしまう欠点があるが、活性酸素との親和性の低い金属酸化物が貴金属近傍に共存することによって、活性酸素を効率良くパティキュレートへ与えて酸化燃焼することができるようになる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
コージェライト片をアルミナゾルに含浸し、余剰なゾルをエアブローで除去した。これを液体窒素に浸して凍結させ、真空乾燥機で乾燥させた。次に電気炉で、大気雰囲気下、700℃、5時間の加熱処理を行い、アルミナ被覆コージェライト片を作製した。被覆されたアルミナはコージェライト片の重量に対して6.6wt%だった。なおアルミナゾルのアルミナ濃度は10wt%であり、またゾル中のアルミナ粒子は羽毛状の粒子形状を持ち、平均粒子径100nm×10nmのものを用いた。
一方で、硫酸銅と、酸化硫酸バナジウムと、硫酸セシウムとをイオン交換水に溶解させ、触媒水溶液を調製した。このとき各成分の濃度は、硫酸銅が7.0wt%、酸化硫酸バナジウムが11.7wt%、硫酸セシウムが20.5wt%である。
上記で作製したアルミナ被覆コージェライト片を、触媒水溶液に含浸し、余剰な水溶液を軽く振って除去した。これを液体窒素に浸して凍結させ、真空乾燥機で乾燥させた。次に電気炉で、大気雰囲気下、700℃、5時間の加熱処理を行い、触媒担持アルミナ被覆コージェライト片を作製した。担持された触媒はコージェライト片の重量に対して18.5wt%だった。
(実施例2)
アルミナゾル含浸後および触媒水溶液含浸後にそれぞれ行う加熱処理の温度を800℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒担持アルミナ被覆コージェライト片を作製した。被覆されたアルミナと担持された触媒は、コージェライト片の重量に対してそれぞれ6.6wt%と17.0wt%だった。
(実施例3)
アルミナゾル含浸後および触媒水溶液含浸後にそれぞれ行う加熱処理の温度を900℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒担持アルミナ被覆コージェライト片を作製した。被覆されたアルミナと担持された触媒は、コージェライト片の重量に対してそれぞれ6.5wt%と17.1wt%だった。
(実施例4)
コージェライト片をコージェライト製DPFとし、アルミナゾル含浸後および触媒水溶液含浸後にそれぞれ行う加熱処理の温度を800℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒担持アルミナ被覆コージェライト製DPFを作製した。被覆されたアルミナはコージェライト製DPFの重量に対して5.1wt%、容積に対して23.0g/Lだった。また担持された触媒は、コージェライト製DPFの重量に対して22.2wt%、容積に対して99.9g/Lだった。なおコージェライト製DPFは、直径7.5インチ、
長さ8インチ、壁厚12mil、セル密度200cpsiのものを使用した。
(比較例1)
アルミナを被覆する工程を省いたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒担持コージェライト片を作製した。担持された触媒はコージェライト片の重量に対して18.7wt%だった。
(比較例2)
アルミナゾルをチタニアゾル(チタニアの濃度20wt%)としたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒担持チタニア被覆コージェライト片を作製した。被覆されたチタニアと担持された触媒は、コージェライト片の重量に対してそれぞれ19.7wt%と17.3wt%だった。
(比較例3)
アルミナを被覆する工程を省き、加熱処理を800℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして、触媒担持コージェライト片を作製した。担持された触媒はコージェライト片の重量に対して15.8wt%だった。
(比較例4)
白金系触媒を担持した市販のコージェライト製DPFを比較例4とした。なお市販のDPFは、直径7.5インチ、長さ10インチ、壁厚10mil、セル密度300cpsiで、白金がDPFの容積に対して約2g/L担持されたものである。
(評価例1)
実施例1〜3、比較例1〜3に関して、熱重量分析装置を用いて、次のような性能評価試験を行った。
実施例1〜3、比較例1〜3をそれぞれメノウ乳鉢で粉砕した。得られた粉砕粉末と、模擬パティキュレートとして市販のカーボン粉末とを、重量比4:1となるよう混合し、さらにメノウ乳鉢で粉砕、混合して、評価試料とした。この試料約10mgを白金製の試料容器に入れ、加熱時の重量変化を観察した。試験条件としては、試料室内に大気を流量100ml/分で流通させ、昇温速度5℃/分で室温から700℃まで昇温した。200℃における重量を初期重量とし、600℃における重量をカーボンが完全燃焼したときの重量として、カーボン残存率を定義した。例として、実施例1の結果を図1に示す。横軸を温度、縦軸をカーボン残存率として、プロットした。図1より、実施例1の触媒では、約350℃から急激にカーボンが燃焼し始め、約460℃で完全燃焼している様子が分かる。図より、カーボンの10%が燃焼した温度(カーボン残存率が90%のときの温度)をT10と定義し、比較の基準とした。T10の温度が低いほど触媒の性能が良いことを示す。
実施例1、比較例1、2のT10の比較を図2に示す。コージェライト片に直接触媒を担持した比較例1ではT10が397℃、チタニア層を設けた比較例2では365℃であるのに対し、アルミナ層を設けた実施例1では344℃と非常に優れた燃焼性能を発揮した。
このような結果となる詳細なメカニズムは不明だが、次のように推測される。まず、担体層がある場合、その微構造によって触媒とカーボンとの接触効率が向上し、燃焼性能が良化すると思われる。また担体層が、銅などの触媒成分とフィルタ材料のコージェライトとの中間層となることで、触媒成分とコージェライトとが反応して、意図としない不活性な化合物が生成するのを抑制する効果が考えられる。次に、チタニアに比べてアルミナを
用いた方が性能が良好であるのは、その材料特性によると考えられる。
同様に、実施例2、3、比較例3のT10を求めた。さらに、実施例1〜3と比較例3を電気炉で、大気雰囲気下、600℃、100時間の加熱負荷を与え、加熱負荷後についても同様の性能評価試験を行って、T10を求めた。その結果を図3に示す。
製造時の加熱処理温度を700℃(実施例1)、800℃(実施例2)、900℃(実施例3)と変えると、加熱負荷を与える前の初期性能は加熱処理温度が高くなるにつれて悪化している。一方、100時間の加熱負荷後の性能は、実施例2が最も優れており、次いで実施例3、実施例1の順となった。また各々の加熱負荷前後を比較すると、実施例2、3は、実施例1に比べて性能の低下がずっと小さかった。
ディーゼル車などに備えられるディーゼル排ガス浄化触媒は、長期間にわたってその性能が維持されることが期待されており、初期および加熱負荷後のいずれにおいても高性能である実施例2の触媒が、特に優秀だと言える。
以上より、本発明の排ガス浄化触媒においては、製造時の加熱処理温度は700〜900℃の間で行うことが好ましく、特に800℃程度で加熱処理を行うことで、最大の性能を発揮することが分かった。また、実施例2と、800℃で加熱処理したがアルミナ層のない比較例3とを比較すると、初期および加熱負荷後のいずれも実施例2の方が高性能であり、また加熱負荷前後の性能低下もずっと小さい。従って、アルミナ層の存在が触媒の耐熱性を向上させたことが分かった。
(評価例2)
実施例4及び比較例4のDPFを用いて、以下のような排ガス試験を行った。実施した排ガス試験を、図4を参照しながら説明する。
排気量4.3Lのディーゼルエンジン1を使用し、ディーゼルエンジン1からの排気ラインには切替え弁2を設けて、バイパスライン3と本ライン4とに排ガスの流れを切り替えられるようにした。本ライン4には、実施例4または比較例4のDPF5を設置した。バイパスライン3に排気しながらディーゼルエンジン1を1500rpm、トルク21kgmの条件で作動させて排気を安定させた後、切替え弁2によってDPF5を設置した本ライン4に排ガスを導入した。
エンジン回転数は1500rpm一定とし、排ガス温度を、DPF5に流入する直前で測定しながら、ディーゼルエンジン1への負荷を変えていくことで、280℃から500℃まで昇温した。排ガス温度は、280℃から400℃までは30℃刻みで、400℃から500℃までは50℃刻みで昇温させ、各温度で30分間維持した。排ガス試験中は、圧力センサー6を用いてDPF5の上流と下流における静圧を測定し、DPF5前後の差圧を算出すると共に、DPF5の上流と下流におけるパティキュレート濃度を、スモークメータ7を用いて測定した。
排ガスに含まれるパティキュレートがDPF5に捕集されていくと、DPF5前後の差圧が増大していくが、排ガス温度が上昇するに従って触媒が活性化するため、捕集されたパティキュレートが燃焼除去されて、ある時点から差圧は減少傾向に転じる。このような差圧のプロファイルから、各温度における単位時間当りの差圧変化率を算出し、差圧変化率がゼロとなった時の温度をBPT(Balance Point of Temperature)と定義し、このBPTが低いほどDPF5の触媒活性が高いと判断した。また、DPF5の上流と下流で測定したパティキュレート濃度から、排ガス温度280〜500℃における平均パティキュレート捕集効率を算出した。
実施例4と比較例4のBPTおよび平均パティキュレート捕集効率を表1に示す。
触媒活性の指標となるBPTは、実施例4が345℃、比較例4が386℃となり、本発明の排ガス浄化フィルタが、市販のDPFに比べて、かなり低温からパティキュレートを燃焼除去できることが分かった。またパティキュレートの平均捕集効率は、実施例4、比較例4共に92%となり、本発明の排ガス浄化フィルタが、市販のDPFと同等の、高い捕集効率であることが分かった。
本発明の排ガス浄化フィルタは、より低い排ガス温度でパティキュレートを燃焼除去できる高い触媒活性を有し、かつ優れた耐熱性を有するので、有用である。排ガス浄化の対象は、自動車だけでなく、建設機械、発電機、フォークリフト、耕運機、船舶など幅広く存在し、適用が可能である。
1 ディーゼルエンジン
2 切替え弁
3 バイパスライン
4 本ライン
5 DPF
6 圧力センサー
7 スモークメータ
8 排ガスの流れ

Claims (6)

  1. 排ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタに、
    銅とバナジウムとの複合金属酸化物を含む金属酸化物と、
    硫酸セシウムと、
    ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金のいずれか一つ以上と、
    アルミナとを含む触媒を担持した排ガス浄化フィルタであって、
    触媒を構成する金属元素において、アルミニウムに対するそれ以外の金属元素の総モル比が0.2〜10の範囲であり、
    アルミナゾルにフィルタを含浸し、乾燥後、800℃で加熱処理した後、金属酸化物の原料となる金属塩と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが溶解した水溶液に、前記フィルタを含浸し、乾燥後、800℃で加熱処理して製造されたことを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
  2. フィルタに対するアルミナの担持量が、5〜100g/Lの範囲であることを特徴とする、請求項記載の排ガス浄化フィルタ。
  3. 平均粒子径が1μm以下で、羽毛状の微構造を持つアルミナを原料としたことを特徴とする、請求項1または2に記載の排ガス浄化フィルタ。
  4. 金属塩が硫酸銅を含むことを特徴とする、請求項1乃至に記載の排ガス浄化フィルタ。
  5. 金属塩が酸化硫酸バナジウムを含むことを特徴とする、請求項1乃至に記載の排ガス浄化フィルタ。
  6. 乾燥が凍結乾燥であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタ。
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