JP4682396B2 - 排ガス浄化材とその調製方法及びこれを用いた排ガス浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディ−ゼル機関などの燃焼機関や産業排ガス中に含有される炭化水素や可燃性炭素微粒子などの粒子状物質(パティキュレート)を除去する排ガス浄化材とその調製方法及びこれを用いた排ガス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のディ−ゼルエンジンの排ガスに含まれるパティキュレートは、その粒子径のほとんどが1ミクロン以下の微粒子であり、大気中に浮遊しやすく、呼吸により人体に取り込まれやすい。しかも発ガン性物質を含んでいることから、排ガスに含まれるパティキュレートの排出規制は今後更に厳しくなることが予測される。従って、ディ−ゼルエンジンの排ガスからパティキュレートを除去する技術は、非常に重要である。
【0003】
従来、排ガス中のパティキュレートの除去方法としては、大別すると以下の2つがある。
(1)片端閉じのセラミックハニカム、セラミックフォーム、金属発泡体などの耐熱性のガスフィルタを用いて排ガス中の微粒子を捕集し、背圧が上昇すれば電気ヒーターなどで堆積した微粒子を燃焼させフィルタを再生する方法。
(2)触媒の作用により微粒子に燃焼反応を行わせ、ヒーターなどを要せず排ガス中で排ガスの温度で燃焼再生を行う方法。
【0004】
しかしながら、前記(1)の方法ではパティキュレートの燃焼温度が高温であるため、捕集したパティキュレートを燃焼除去してフィルタを再生するためには多量のエネルギーが必要となる。さらに高温域での燃焼とその反応熱により、フィルタの熔損や割れを生じることがある。また、特殊な装置を必要とするために浄化装置が大型化し、高コストになるという課題を有していた。
【0005】
一方、前記(2)の方式ではディーゼルエンジン排ガスの排出条件(ガス組成及び温度)において、触媒活性を維持できる触媒が使用されれば効果的な方法であるが、ディーゼルエンジンの排ガス温度はガソリンエンジンの場合と比較して低く、通常のエンジンの走行条件下で到達する温度域ではパティキュレートが良好に着火燃焼しないという課題を有していた。
【0006】
近年、この問題を解決するために、種々の排ガス浄化材が提案されている。
【0007】
従来の排ガス浄化材とその製造方法としては、特開昭59−82944号公報(以下、イ号公報と呼ぶ)に、「排ガス中の微粒子浄化用触媒体」が開示されている。
【0008】
イ号公報には、バナジウム、モリブデン、銅、アルカリ金属化合物などから構成された排ガス浄化触媒と、前記化合物の水溶液に3次元構造体を含浸し、乾燥後に一度に焼成する排ガス浄化触媒の製造方法と、が開示されている。また同様の構成が、特開昭58−183945号公報に「排ガス浄化用触媒」として開示されている。
【0009】
また、特開平60−78640号公報(以下、ロ号公報と呼ぶ)に、「排ガス浄化用触媒およびその製法」が開示されている。
【0010】
ロ号公報には、バナジウム、モリブデン、銅、マンガン、鉛、鉄、コバルト、銀元素とアルカリ元素と白金族などからなる触媒と、3次元構造体の表面に白金属化合物を焼成した後に、遷移金属化合物とアルカリ金属化合物を含む溶液を含浸、乾燥、焼成する排ガス浄化用触媒の製造方法と、が開示されている。
【0011】
さらに、特開昭62−7447号公報(以下、ハ号公報と呼ぶ)に、「排ガス中の微粒子浄化用触媒」が開示されている。
【0012】
ハ号公報には、バナジウム、モリブデン、銅、アルカリ金属化合物の水溶液に3次元構造体を浸浸して乾燥、焼成する排ガス触媒の製造方法と、前記銅化合物とアルカリ金属化合物の水溶液に3次元構造体を含浸し、乾燥後にバナジウム化合物とモリブデン化合物の水溶液を含浸して、乾燥後にこれらの触媒成分を同時に焼成する排ガス触媒の製造方法と、が開示されている。
【0013】
また、特開平4−267928号公報(以下、ニ号公報と呼ぶ)に「ディーゼルパティキュレート低減用触媒装置」が、特開平10−52682号公報(以下、ホ号公報と呼ぶ)に「ディーゼルエンジンの排ガス浄化用触媒装置」が開示されている。
【0014】
ニ号公報には、排ガス流路の上流側に活性アルミナ又はゼオライトをコーティングした3次元構造体を配設し、下流側に浄化触媒をTiO2、SiO2、ZrO2、CaOに担持した3次元構造体を配設する方法が、ホ号公報には、Pt/Al2O3とPt/Al2O3・SiO2をそれぞれ担持した3次元構造体を排ガス中に配設する方法が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の排ガス浄化材とその製造方法は、以下の課題を有していた。
(1)イ号公報に開示の排ガス浄化材では、バナジウム、モリブデン、銅、アルカリ金属化合物の水溶液に3次元構造体を浸漬し、乾燥後に一度に焼成するので、遷移金属化合物あるいはアルカリ金属化合物と3次元構造体あるいは3次元構造体に形成した耐熱性の多孔質材料との反応がおこり、望ましい構成とならずに触媒活性に欠けるという課題を有していた。
(2)ロ号公報に開示の排ガス浄化材では、3次元構造体の表面に白金族化合物を焼成した後に、遷移金属化合物とアルカリ金属化合物を含む溶液を含浸、乾燥、焼成するので触媒構成材料が有する排ガス浄化性能を十分に引き出す事ができないという課題を有していた。
(3)ハ号公報に開示の排ガス浄化材では、銅化合物とアルカリ金属化合物の水溶液に3次元構造体を浸漬し、乾燥後にバナジウム化合物とモリブデン化合物の溶液を浸漬し、乾燥後に一度に焼成するので、銅化合物とアルカリ化合物が焼成の際に反応し、最適な構成が得られず、触媒活性に欠けるという課題を有していた。
(4)ホ号公報に開示の排ガス浄化材では、使用されている触媒がPtだけであるため、特にパティキュレート中に含まれる難燃性のすす成分に対する効果が十分に発揮されないという課題を有していた。
(5)ニ号公報に開示の排ガス浄化材では、排ガス流路の上流側に使用されている触媒がゼオライトのみであり、下流側に使用されている触媒がPtであるためにパティキュレートに対する燃焼活性が低いという課題を有していた。
【0016】
本発明の排ガス浄化材は上記従来の課題を解決するもので、エンジンの走行条件下で到達する温度域でも高い活性を発揮する触媒を有するためにパティキュレートの燃焼効率およびCO、NO等の浄化能力が高く、しかも耐熱性に優れる排ガス浄化材を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明の排ガス浄化材の調整方法は上記従来の課題を解決するもので、高い活性を発揮する触媒を有する排ガス浄化材を提供することを目的とする。
【0018】
さらに、本発明の排ガス浄化装置は上記従来の課題を解決するもので、簡単な構造で通常のエンジンの走行条件下で到達する温度域でパティキュレートを効率よく燃焼でき、排ガス浄化特性に優れ、再生するための電気ヒーター等を必要としない小型でコスト性に優れた排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために本発明の排ガス浄化材は、耐熱性3次元構造体に担持されアルカリ金属の化合物を含有する第1層と、前記第1層に担持され元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物を含有する第2層と、前記第2層に担持されアルカリ金属の化合物を含有する第3層と、を備えた構成を有している。
【0021】
さらに、本発明の排ガス浄化材は、排ガス流路の上流側に配設された(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属またはアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物を担持した第1の耐熱性3次元構造体と、第1の耐熱性3次元構造体の下流側に配設されアルカリ金属の化合物と、元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物と、を担持した第2の耐熱性3次元構造体と、を備えた構成を有している。
【0022】
これらの構成により、エンジンの走行条件下で到達する温度域でも高い活性を発揮する触媒を有するためにパティキュレートの燃焼効率およびCO、NO等の浄化能力が高く、しかも耐熱性に優れる排ガス浄化材を提供することができる。
【0023】
また、本発明の排ガス浄化材の調整方法は、CuおよびVの化合物の焼成温度が、700〜900℃であることを特徴とする。
【0024】
この調整方法により、高い活性を発揮する触媒を有する排ガス浄化材を提供することができる。
【0025】
さらに、本発明の排ガス浄化装置は、排ガス浄化材と、排ガス浄化材を収納する容器と、容器の一側部に形成された排ガス流入口と、容器の他側部に形成された排ガス流出口と、を備えた構成を有している。
【0026】
この構成により、簡単な構造で通常のエンジンの走行条件下で到達する温度域でパティキュレートを効率よく燃焼でき、排ガス浄化特性に優れ、再生するための電気ヒーター等を必要としない小型でコスト性に優れた排ガス浄化装置を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の排ガス浄化材は、耐熱性3次元構造体に担持されアルカリ金属の化合物を含有する第1層と、第1層に担持され元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物を含有する第2層と、第2層に担持されアルカリ金属の化合物を含有する第3層と、を備えた構成を有している。
【0028】
耐熱性3次元構造体に担持され元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物を含有する第1層と、第1層に担持されアルカリ金属の化合物を含有する第2層と、を備えた構成により、以下のような作用を有する。
(1)最も高い活性を示す触媒構成比であるCu及びVの化合物を含有する層が得られる。
(2)排ガス浄化材の製造工程において、Cu及びVの化合物を含有する層とアルカリ金属の化合物を含有する層とを別々に焼成するために、両者の焼成時の反応による性能劣化が抑制できる。
(3)Cu及びVの化合物を含有する層の上にアルカリ金属の化合物を含有する層が形成されているため、反応に望ましい触媒構成が得られ、効率よくパティキュレートを燃焼できる。
【0029】
ここで、耐熱性3次元構造体は、セラミックフォーム、セラミックハニカム、ウオールスルータイプのハニカムモノリスなどが用いられる。これらの大きさ及び形状は目的に応じて種々変更することができる。また、必要に応じて複数段重ねてもよい。耐熱性3次元構造体の材料としては、コージェライト、ムライト、炭化珪素、アルミナ、アルミナシリカ、アルミナジルコニア、アルミナチタニアなどが用いられるが、これらに限定されない。
【0030】
触媒原料としては、所定の金属元素を含む硫酸塩、酢酸塩、硝酸塩、水酸化物、塩化物などがあげられるが、水に溶解するものであればこれらに限定されない。また、触媒原料を水などの液体に縣濁させて調製するのであれば、水に溶解しない金属元素の酸化物などを用いても良い。
【0031】
なお、CuおよびVの化合物の元素比としては、Cu/V=0.4〜12とされる。Cu/Vが0.4より小さくなると、活性が小さくなるとともに耐久性が著しく低下する傾向がみられ、12より大きくなると、活性が著しく小さくなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0033】
さらに、耐熱性3次元構造体とCu及びVの化合物を含有する層とが、アルカリ金属の化合物を含有する層によって隔てられているので、耐熱性3次元構造体とCu及びVの化合物を含有する層との反応による触媒の性能劣化を抑制できるという作用を有する。
【0035】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の排ガス浄化材であって、耐熱性3次元構造体の表面にセラミック粒子が固着され、表面が凹凸にされている構成を有している。
【0036】
この構成により、請求項1の作用に加え、セラミック粒子による凹凸の上に形成された触媒表面も凹凸を有し、パティキュレートとの接点が増大し活性が向上するという作用を有する。
【0037】
ここで耐熱性3次元構造体及び触媒原材料としては請求項1と同様のものが用いられる。また、耐熱性3次元構造体の表面に固着されるセラミック粒子の材質は、アルミナ、シリカなどが用いられるがこれに限定されない。
【0038】
耐熱性3次元構造体の表面にセラミック粒子を固着させる方法としては、ゾル−ゲル法やスラリー法などが挙げられる。
【0039】
ゾル−ゲル法とは、セラミックスを構成する金属元素の有機塩(アルコキシドなど)を含む溶液に酸(塩酸、酢酸など)を加えて溶液のpHを調製した後、この溶液に耐熱3次元構造体を含浸して耐熱性の多孔質層を構成する金属元素を含む溶液をコーティングし、次いで耐熱3次元構造体にコーティングされた溶液と水蒸気とを接触させ加水分解反応によりゾル化させ、さらにゲル化を行った後に焼成するものである。
【0040】
スラリー法とは、セラミック粉末を分散させた溶媒に耐熱3次元構造体を含浸、乾燥した後に焼成するものである。
【0041】
これらがセラミック粒子を固着させる一般的方法として挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0042】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の排ガス浄化材であって、Co、Mo、Mnから選ばれる少なくとも1つの金属又はその化合物が、Cu及びVの化合物を含有する層に含まれている構成を有している。
【0043】
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1の作用に加え、さらに高い性能を有する触媒構成組成の組み合わせが得られるという作用を有する。
【0046】
本発明の請求項4に記載の排ガス浄化材は、排ガス流路の上流側に配設され貴金属元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、耐熱性3次元構造体の下流側に配設された請求項1乃至3の内いずれか1に記載の排ガス浄化材と、を備えた構成を有している。
【0047】
この構成により、以下の作用を有する。
(1)2種の浄化材の相互作用により、高い効率でパティキュレートを燃焼できる排ガス浄化材を得ることができる。
(2)排ガス中のパティキュレートと共存する未燃焼の炭化水素、一酸化炭素や窒素酸化物の浄化効率も向上する。
【0048】
本発明の請求項5に記載の排ガス浄化材は、排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物を担持した第1の耐熱性3次元構造体と、第1の耐熱性3次元構造体の下流側に配設されたアルカリ金属の化合物と、元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物と、を担持した第2の耐熱性3次元構造体と、を備えた構成を有している。
【0049】
この構成により、以下の作用を有する。
(1)2種の浄化材の相互作用により、高い効率でパティキュレートを燃焼できる排ガス浄化材を得ることができる。
(2)排ガス中のパティキュレートと共存する未燃焼の炭化水素、一酸化炭素や窒素酸化物の浄化効率も向上する。
【0050】
本発明の請求項6に記載の排ガス浄化材は、排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、耐熱性3次元構造体の下流側に配設された、耐熱性3次元構造体に担持され元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物を含有する第1層と、前記第1層に担持されアルカリ金属の化合物を含有する第2層と、を備えた排ガス浄化材と、を備えた構成を有している。また、本発明の請求項7に記載の排ガス浄化材は、排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、耐熱性3次元構造体の下流側に配設された請求項1乃至3の内いずれか1に記載の排ガス浄化材と、を備えた構成を有している。
【0051】
この構成により、以下の作用を有する。
(1)2種の浄化材の相互作用により、高い効率でパティキュレートを燃焼できる排ガス浄化材を得ることができる。
(2)排ガス中のパティキュレートと共存する未燃焼の炭化水素、一酸化炭素や窒素酸化物の浄化効率も向上する。
【0054】
本発明の請求項8に記載の排ガス浄化材は、排ガス流路の上流側に配設されCu及び/又はCoの化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、耐熱性3次元構造体の下流側に配設された請求項1乃至3の内いずれか1に記載の排ガス浄化材と、を備えた構成を有している。
【0055】
この構成により、以下の作用を有する。
(1)2種の浄化材の相互作用により、高い効率でパティキュレートを燃焼できる排ガス浄化材を得ることができる。
(2)排ガス中のパティキュレートと共存する未燃焼の炭化水素、一酸化炭素や窒素酸化物の浄化効率も向上する。
【0056】
本発明の請求項9に記載の排ガス浄化材は、排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物と(c)Cu及び/又はCoの化合物を担持した第1の耐熱性3次元構造体と、前記第1の耐熱性3次元構造体の下流側に配設されアルカリ金属の化合物と、元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物と、を担持した第2の耐熱性3次元構造体と、を備えた構成を有している。
【0057】
この構成により、以下の作用を有する。
(1)2種の浄化材の相互作用により、高い効率でパティキュレートを燃焼できる排ガス浄化材を得ることができる。
(2)排ガス中のパティキュレートと共存する未燃焼の炭化水素、一酸化炭素や窒素酸化物の浄化効率も向上する。
【0058】
本発明の請求項10に記載の排ガス浄化材は、排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物と(c)Cu及び/又はCoの化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、耐熱性3次元構造体の下流側に配設された、耐熱性3次元構造体に担持され元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物を含有する第1層と、前記第1層に担持されアルカリ金属の化合物を含有する第2層と、を備えた排ガス浄化材と、を備えた構成を有している。また、本発明の請求項11に記載の排ガス浄化材は、排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物と(c)Cu及び/又はCoの化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、耐熱性3次元構造体の下流側に配設された請求項1乃至3の内いずれか1に記載の排ガス浄化材と、を備えた構成を有している。
【0059】
この構成により、以下の作用を有する。
(1)2種の浄化材の相互作用により、高い効率でパティキュレートを燃焼できる排ガス浄化材を得ることができる。
(2)排ガス中のパティキュレートと共存する未燃焼の炭化水素、一酸化炭素や窒素酸化物の浄化効率も向上する。
【0060】
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11の内いずれか1に記載の排ガス浄化材の調製方法であって、Cu及びVの化合物の焼成温度が、700〜900℃である構成を有している。
【0061】
この構成により、望ましい構造を有するCu及びV化合物が得られ、効率良くパティキュレートを燃焼できる排ガス浄化材が得られるという作用を有する。
【0062】
ここで、Cu及びV化合物の焼成温度が700℃より低くなるにつれて、望ましい構造を有すCuおよびV化合物が得られにくいという傾向が認められ、また、焼成温度が900℃よりも高くなるにつれて、アルカリ金属元素や3次元構造体と著しく反応するという傾向がみられるのでいずれも好ましくない。
【0063】
本発明の請求項13に記載の排ガス浄化装置は、請求項1乃至11の内いずれか1に記載の排ガス浄化材と、排ガス浄化材を収納する容器と、容器の一側部に形成された排ガス流入口と、容器の他側部に形成された排ガス流出口と、を備えた構成を有している。
【0064】
この構成により、簡単な構造でエンジンの走行条件下で到達する温度域でパティキュレートを安定して良好に着火燃焼できる排ガス浄化装置が得られるという作用を有する。
【0065】
ここで、排ガス浄化材を収納する容器としては、円筒状または楕円筒状などの形状のものが用いられる。
【0066】
本発明の請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の排ガス浄化装置であって、断熱手段が、容器及び/又は容器の排ガス流入口と、排ガス流入口とエンジンとが接続される接続管と、に配設されている構成を有している。
【0067】
この構成により、請求項13の作用に加え、断熱手段によって排ガス浄化材に流入する排ガスと触媒部の温度低下が防止されるため、触媒活性を向上させることができるという作用を有する。
【0068】
ここで、断熱手段としては、容器を真空二重構造にしたり容器を断熱材で包んだりする方法があげられるが、これに限定されない。
【0069】
本発明の請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の排ガス浄化装置であって、容器がエンジンマニホールドに近接して配設されている構成を有している。
【0070】
この構成により、請求項15の作用に加え、エンジン燃焼部からの排ガスの温度低下が防止されるので、触媒活性を向上させることができるという作用を有する。
【0071】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0072】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における排ガス浄化材の要部断面図である。
【0073】
図1において、1は実施の形態1の排ガス浄化材、2は実施の形態1の排ガス浄化材1の耐熱性3次元構造体、3は耐熱性3次元構造体2の表面に形成されたCuとVを含む触媒層、4はCuとVを含む触媒層3の表面に形成されたアルカリ金属化合物層である。
【0074】
以下、実施の形態1の排ガス浄化材の調製方法を具体的に説明する。
【0075】
Cu及びVの金属イオンを含む水溶液に耐熱性3次元構造体を含浸し、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。次に900℃で焼成を行い、Cu、V金属を含む触媒層を形成した。次にこれをアルカリ金属化合物の溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結した後、減圧下で氷を昇華させ乾燥した。その後400〜800℃で焼成を行い、Cu、Vを担持した実施の形態1の排ガス浄化材を得た。
【0076】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における排ガス浄化材の要部断面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものには、同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
図2において、20は実施の形態2の排ガス浄化材、4aは耐熱性3次元構造体2とCuとVを含む触媒層3との間に形成されたアルカリ金属化合物層である。
【0078】
以下、実施の形態2の排ガス浄化材の調製方法を具体的に説明する。
【0079】
アルカリ金属化合物の溶液に耐熱性3次元構造体2を含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。次に900℃で焼成を行った。その後、実施の形態1と同様の方法でCuとVを含む触媒層3とアルカリ金属化合物層4を形成した。なお、実施の形態1と同様の触媒調製操作は説明を省略する。
【0080】
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における排ガス浄化材の要部断面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものには、同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
図3において30は実施の形態3の排ガス浄化材、5は耐熱性3次元構造体2とCuとVを含む触媒層3との間に形成されたセラミック層である。
【0082】
以下、実施の形態3の排ガス浄化材の調製方法を具体的に説明する。
【0083】
チタニアの粉末等を用い、これに対して0.2〜0.6wt%となるようにポリカルボン酸アンモニウム塩等を溶解させた水溶液に、当該粉末等を添加し、ボールミルなどを用いて攪拌してチタニアのスラリーを作製する。得られたスラリーにコージェライト製の耐熱性3次元構造体2を含浸した後に、真空デシケーター内で減圧して耐熱性3次元構造体2の壁内の空気を取り除き、耐熱性3次元構造体2の内部までスラリーを浸透させた。次に余分なスラリーを遠心分離器を利用し振り切って、90℃から130℃で乾燥した後に800℃から1200℃で焼成して、表面にチタニアのセラミック層5を形成した耐熱性3次元構造体2を作製した。その後、実施の形態1と同様の方法でCuとVを含む触媒層3とアルカリ金属化合物層4を形成した。なお、実施の形態1と同様の触媒調製操作は説明を省略する。
【0084】
(実施の形態4)
図4は本発明の実施の形態4における排ガス浄化材の要部断面図である。なお、実施の形態1乃至3で説明したものと同様のものには、同一の符号を付して説明を省略する。
【0085】
図4において、40は実施の形態4の排ガス浄化材である。
【0086】
なお、実施の形態1乃至3と同様の触媒調製操作は説明を省略する。
【0087】
(実施の形態5)
図5は本発明の実施の形態5における排ガス浄化材の構成図であり、図6は本実施の形態5において排ガス流路の上流側に配設される排ガス浄化材の要部断面図である。
【0088】
図中、50は実施の形態5における排ガス浄化材、6は排ガス流路の下流側に配設される実施の形態1乃至4の排ガス浄化材、7は排ガス流路の上流側に配設される排ガス浄化材である。矢印は排ガスの流れる方向を示す。7は3次元構造体8とその上に形成された多孔質のセラミック層9と以下の(1)乃至(4)の内いずれか1の触媒10を担持したものである。
(1)貴金属元素から選ばれる少なくとも1つの元素を含有する触媒
(2)(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属またはアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属又はその化合物を含有する触媒
(3)Cu及び/又はCoの金属又はその化合物を含有する触媒
(4)(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの成分と(c)Cu及び/又はCoの金属又はその化合物とを含有する触媒
以下、実施の形態5の排ガス浄化材の調製方法を具体的に説明する。
【0089】
排ガス流路の上流側に配設される排ガス浄化材7は、アルミナの粉末等を用い、これに対して0.1〜0.5wt%となるようにポリカルボン酸アンモニウム塩等を溶解させた水溶液に、当該粉末等を添加し、ボールミルなどを用いて攪拌してアルミナのスラリーを作製する。得られたスラリーにコージェライト製の耐熱性3次元構造体8を含浸した後に、真空デシケーター内を減圧して耐熱性3次元構造体8の壁内の空気を取り除き、耐熱性3次元構造体8の内部までスラリーを浸透させた。次に余分なスラリーを遠心分離器で振り切り、90℃から130℃で乾燥した後に600℃から800℃で焼成して表面に多孔質のセラミック層9を形成した耐熱性3次元構造体を作製した。その後、上記の(1)乃至(4)の内いずれか1の触媒を構成する金属イオンを含む水溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に乾燥させる。乾燥は100℃前後の温度に設定した電気炉に設置することにより行えるが、望ましくは液体窒素で瞬時に凍結した後に減圧下で氷を昇華させることにより行う。乾燥後に500〜700℃で焼成を行い、上記の(1)乃至(4)の内いずれか1の触媒を担持した実施の形態5における排ガス浄化材7を得た。
【0090】
なお、排ガス流路の下流側に配設される排ガス浄化材6は、実施の形態1乃至4の内いずれか1と同様の調整操作にて作成される。
【0091】
(実施の形態6)
図7は本発明の実施の形態6における排ガス浄化装置の要部模式図である。
【0092】
図7において、60は実施の形態6の排ガス浄化装置、11は実施の形態1乃至5で得られた排ガス浄化材を収納する収納容器、12は収納容器11の排ガス流路の上流側に形成され、エンジンと接続される排ガス流入口、13は収納容器11の排ガス流路の下流側に形成される排ガス排出口、14は収納容器11及び/又は排ガス流入口12とエンジンと接続される接続管の周囲に設置された断熱手段としての保温層である。
【0093】
以上のように構成された実施の形態6の排ガス浄化装置の動作を、以下に説明する。
【0094】
ディーゼルエンジンから排出された排ガスは、実施の形態6の排ガス浄化装置60の排ガス流入口12から流入され、排ガスに含まれるパティキュレートは、収納容器11に収納された排ガス浄化材に達した後、排ガスの温度で燃焼され、CO2などの気体になり、収納容器11の排ガス流路の下流側に形成された排ガス排出口13から排出される。また、排ガス中のCOが酸化され、炭化水素がパティキュレートと共に燃焼されCO2が発生する。これらの酸化反応には熱が放出され、排ガスが持つ熱と共に実施の形態6の排ガス浄化装置60が行なう浄化反応に必要な温度を保持するための熱源として用いられる。また、収納容器11及び/又は排ガス流入口12とエンジンを接続する接続管の周囲に設置された保温層14が、実施の形態6の排ガス浄化装置60の浄化反応に必要な温度を保持する。
【0095】
なお、以上の説明では、収納容器の両端に排ガス流入口と排ガス排出口がそれぞれ設けられた例で説明したが、その他の構造を構成したものについても同様に実施可能である。
【0096】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を用いて具体的に説明する。
【0097】
(実施例1)
1mol/lの硫酸銅と1mol/lの酸化硫酸バナジウムの水溶液を2:1の比率で混合し、この水溶液にウオールスルー型のコージェライト製ハニカムを含浸し、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で氷を昇華させ乾燥した。次に、このハニカムを800℃で5時間の焼成を行い、銅、バナジウム酸化物層を形成した。
【0098】
これを1.2mol/lの硫酸セシウム水溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で水分を昇華させ乾燥した。その後600℃で5時間の焼成を行いCu、V、Csを担持した実施例1の浄化材を得た。
【0099】
(実施例2〜5)
1mol/lの硫酸銅と1mol/lの酸化硫酸バナジウムの水溶液を5:2、5:1、8:1、11:1の比率でそれぞれ混合した水溶液中に、ウオールスルー型のコージェライト製ハニカムを含浸し、以後実施例1と同様の操作を行い、それぞれ実施例2〜実施例5の排ガス浄化材を得た。
【0100】
(実施例6〜10)
1mol/lの硫酸セシウムの水溶液にウオールスルー型のコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で氷を昇華させ乾燥した。乾燥後、800℃で5時間焼成した。以下実施例1〜5と同様にして銅とバナジウムの比率が2:1、5:2、5:1、8:1、11:1である銅バナジウム酸化物層を形成後、更に1.2mol/lの硫酸セシウム水溶液に含浸させてセシウム酸化物層を形成し、実施例6〜10の排ガス浄化材を得た。
【0101】
(実施例11〜15)
チタニアの粉末に対して0.3wt%のポリカルボン酸アンモニウム塩を溶解させた水溶液にチタニア粉末を分散させたチタニアスラリーを作成し、このスラリーをウオールスルー型のコージェライト製のハニカムに含浸した後、減圧してハニカム内の気泡を取り除き、コージェライト製のハニカムの内部までスラリーを浸透させた。次に余分なスラリーを遠心分離器を使って振り切り、120℃で5時間乾燥した後、900℃で2時間焼成して表面に耐熱性チタニアセラミック体を形成したコージェライト製のハニカムを作製した。このコージェライト製ハニカムを用いて、実施例1〜5と同一の方法により実施例11〜15の排ガス浄化材を得た。
【0102】
(実施例16〜20)
チタニアの粉末に対して0.3wt%のポリカルボン酸アンモニウム塩を溶解させた水溶液にチタニア粉末を分散させたチタニアスラリーを作成し、このスラリーをウオールスルー型のコージェライト製のハニカムに含浸した後、減圧してハニカム内の気泡を取り除き、コージェライト製のハニカムの内部までスラリーを浸透させた。次に余分なスラリーを遠心分離器を使って振り切り、120℃で5時間乾燥した後、900℃で2時間焼成して表面に耐熱性チタニアセラミック体を形成したコージェライト製のハニカムを作製した。このコージェライト製ハニカムを用いて、実施例6〜10と同一の方法により実施例16〜20の排ガス浄化材を得た。
【0103】
(実施例21)
銅、バナジウム酸化物層を、700℃、5時間の焼成を行なって形成する他は、実施例1と同一の方法で実施例21の排ガス浄化材を得た。
【0104】
(実施例22)
銅、バナジウム酸化物層を、900℃、5時間の焼成を行なって形成する他は、実施例1と同一の方法で実施例22の排ガス浄化材を得た。
【0105】
(実施例23)
1mol/lの硫酸銅と1mol/lの酸化硫酸バナジウムと1mol/lの硫酸コバルトの水溶液を9:5:1の比率で混合し、この水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で氷を昇華させ乾燥した。次に、800℃で5時間の焼成を行い、Cu、V、Co酸化物層を形成した。次に、これを1.2mol/lの硫酸セシウム水溶液に含浸し、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で水分を昇華させ乾燥した。その後600℃で5時間の焼成を行いCu、V、Co、Csを担持した実施例23の排ガス浄化材を得た。
【0106】
(実施例24)
1mol/lの硫酸銅と1mol/lの酸化硫酸バナジウムと1mol/lのモリブデン酸アンモニウム塩の水溶液を9:5:1の比率で混合し、この水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸し、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で氷を昇華させ乾燥した。次に800℃で5時間の焼成を行い、Cu、V、Mo酸化物層を形成した。次に、これを1.2mol/lの硫酸セシウム水溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で水分を昇華させ乾燥した。その後600℃で5時間焼成し、Cu、V、Mo、Csを担持した実施例24の排ガス浄化材を得た。
【0107】
(実施例25)
1mol/lの硫酸銅と1mol/lの酸化硫酸バナジウムと1mol/lの硫酸マンガンの水溶液を9:5:1の比率で混合し、この水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で水分を昇華させ乾燥した。次に800℃で5時間の焼成を行い、Cu、V、Mn酸化物層を形成した。次にこれを1.2mol/lの硫酸セシウム水溶液に含浸させ、余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で水分を昇華させ乾燥した。その後600℃で5時間の焼成を行いCu、V、Mn、Csを担持した実施例25の排ガス浄化材を得た。
【0108】
(実施例26)
γ-Al2O3の粉末と、これに対して0.2wt%となるようにポリカルボン酸アンモニウム塩を溶解させた水溶液とを用いてボールミルにて24時間混合し、γ-Al2O3スラリーを作製した。得られたスラリーにフロースルー型のコージェライト製のハニカムを含浸した後に、減圧してハニカム内の気泡を取り除きハニカムの内部までスラリーを浸透させた。次に余分なスラリーを遠心分離器を利用し振り切って、120℃で5時間乾燥した後、900℃で2時間焼成して表面に耐熱性多孔質体を形成したフロースルー型のハニカムを作製した。このフロースルー型のハニカムを用いて、ヘキサクロロ白金酸アンモニウム塩を0.5mol/lになるように溶解した水溶液に含浸し、余剰の水溶液を除去した後に、液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で水分を昇華させ乾燥した。次に600℃で5時間焼成を行い、Ptを担持したフロースルー型のハニカムを作製した。
【0109】
更に1mol/lの硫酸セシウムと硫酸銅と酸化硫酸バナジウムを1.2:1:2になるように混合した水溶液に、ウオールスルー型のコージェライト製のハニカムを含浸させ余剰の水溶液を除去した後に液体窒素で瞬時に凍結し、減圧下で水分を昇華させ乾燥した。その後700℃で5時間焼成を行いCu、V、Csを担持したウオールスルー型のハニカムを作製した。
【0110】
これらの2種のハニカムを排ガス流路の上流側にPtを担持したフロースルー型のハニカムを、その下流側にCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを設置した実施例26の排ガス浄化材を得た。
【0111】
(実施例27)
実施例26と同様にしてPtを担持したフロースルー型のハニカムを作製した。さらに、実施例1と同様にしてCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを作製した。
【0112】
これらの2種のハニカムを排ガス流路の上流側にPtを担持したフロースルー型のハニカムを、その下流側にCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを設置した実施例27の排ガス浄化材を得た。
【0113】
(実施例28)
実施例26と同様の方法で表面に耐熱性多孔質体を形成したフロースルー型のコージェライト製のハニカムを作製した後に、0.5mol/lのヘキサクロロ白金酸アンモニウム塩と炭酸セシウムを8:1になるように溶解した水溶液に含浸し、余剰の水溶液を除去した後に、液体窒素で瞬時に凍結した後、減圧下で水分を昇華させ乾燥した。次に600℃で5時間焼成を行い、PtとCs元素を担持したフロースルー型のハニカムを作製した。更に実施例1と同様にしてCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを作製した。
【0114】
これらの2種のハニカムを排ガス流路の上流側にPtとCsを担持したフロースルー型のハニカムを、その下流側にCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを設置した実施例28の排ガス浄化材を得た。
【0115】
(実施例29)
実施例26と同様の方法で表面に耐熱性多孔質体を形成したフロースルー型のコージェライト製のハニカムを作製した後に、0.5mol/lのヘキサクロロ白金酸アンモニウム塩と炭酸セシウムと炭酸ランタンを8:1:1になるように溶解した水溶液に含浸し、余剰の水溶液を除去後、液体窒素で瞬時に凍結し、減圧下で水分を昇華させ乾燥した。次に600℃で5時間焼成を行い、Pt、Cs、Laを担持したフロースルー型のハニカムを作製した。さらに実施例1と同様にして、Cs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを作製した。
【0116】
これらの2種のハニカムを排ガス流路の上流側にPt、Cs、Laを担持したフロースルー型のハニカムを配設し、その下流側にCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを配設した実施例29の排ガス浄化材を得た。
【0117】
(実施例30)
実施例26と同様の方法で表面に耐熱性多孔質体を形成したフロースルー型のコージェライト製のハニカムを作製した後に、0.5mol/lのヘキサクロロ白金酸アンモニウム塩と炭酸バリウムと炭酸ランタンを8:0.5:1になるように溶解した水溶液に含浸し、余剰の水溶液を除去した後に、液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で水分を昇華させ乾燥した。次に600℃で5時間の焼成を行い、Pt、Ba、Laを担持したフロースルー型のハニカムを作製した。さらに実施例1と同様にしてCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを作製した。
【0118】
これらの2種のハニカムを排ガス流路の上流側にPt、Ba、Laを担持したフロースルー型のハニカムを配設し、その下流側にCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを配設した実施例30の浄化材を得た。
【0119】
(実施例31)
実施例26と同様の方法で表面に耐熱性多孔質体を形成したフロースルー型のコージェライト製のハニカムを作製した後に、0.5mol/lの硝酸銅水溶液に含浸し、余剰の水溶液を除去した後に、液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で水分を昇華させ乾燥した。次に600℃で5時間焼成を行い、Cuを担持したフロースルー型のハニカムを作製した。さらに実施例1と同様にしてCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを作製した。
【0120】
これらの2種のハニカムを排ガス流路の上流側にCuを担持したフロースルー型のハニカムを配設し、その下流側にCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを配設した実施例31の排ガス浄化材を得た。
【0121】
(実施例32)
実施例26と同様の方法で表面に耐熱性多孔質体を形成したフロースルー型のコージェライト製のハニカムを作製した後に、0.5mol/lの硝酸銅と硝酸コバルトを8:0.5になるように溶解した水溶液に含浸し、余剰の水溶液を除去した後、液体窒素で瞬時に凍結し、その後減圧下で水分を昇華させ乾燥した。次に600℃で5時間焼成を行い、Cu、Coを担持したフロースルー型のハニカムを作製した。さらに実施例1と同様にしてCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを作製した。
【0122】
これらの2種のハニカムを排ガス流路の上流側にCu、Coを担持したフロースルー型のハニカムを配設し、その下流側にCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを設置した実施例32の浄化材を得た。
【0123】
(実施例33)
実施例26と同様の方法で表面に耐熱性多孔質体を形成したフロースルー型のコージェライト製のハニカムを作製した後に、0.5mol/lの硝酸コバルトを溶解した水溶液に含浸し、余剰の水溶液を除去した後に、液体窒素で瞬時に凍結し、減圧下で水分を昇華させ乾燥した。次に600℃で5時間焼成を行い、Cuを担持したフロースルー型のハニカムを作製した。さらに実施例1と同様にしてCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを作製した。
【0124】
これらの2種のハニカムを排ガス流路の上流側にCoを担持したフロースルー型のハニカムを配設し、その下流側にCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを設置した実施例33の浄化材を得た。
【0125】
(実施例34)
実施例26と同様の方法で表面に耐熱性多孔質体を形成したフロースルー型のコージェライト製のハニカムを作製した後に、0.5mol/lのヘキサクロロ白金酸アンモニウム塩と炭酸セシウムと炭酸ランタンと硝酸銅を6:1:1:4になるように溶解した水溶液に含浸し、余剰の水溶液を除去した後に、液体窒素で瞬時に凍結し、減圧下で水分を昇華させ乾燥した。次に600℃で5時間の焼成を行い、Pt、Cs、La、Cuを担持したフロースルー型のハニカムを作製した。さらに実施例1と同様にしてCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを作製した。
【0126】
これらの2種のハニカムを排ガス流路の上流側にPt、Cs、La、Cuを担持したフロースルー型のハニカムを配設し、その下流側にCs、Cu、Vを担持したウオールスルー型のハニカムを配設した実施例34の排ガス浄化材を得た。
【0127】
(比較例1、2)
1mol/lの硫酸銅と1mol/lの酸化硫酸バナジウムの水溶液を0.3:1及び13:1の比率で混合した他は、実施例1と同様の方法により作成した比較例1、2の排ガス浄化材を得た。
【0128】
(比較例3、4)
硫酸セシウム1mol/lの水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸、余剰の水溶液を除去した後に、乾燥を行った。乾燥後、800℃で5時間焼成した。以下比較例1、2と同様にして銅とバナジウムの層を形成後、更に硫酸セシウム層を形成して実施例3、4の浄化材を得た。
【0129】
(比較例5、6)
チタニアの粉末と、これに対して0.3wt%のポリカルボン酸アンモニウム塩を溶解させた水溶液と、を混合してチタニアスラリーを作成した。ウオールスルー型のコージェライト製のハニカムをスラリーに含浸した後、減圧してハニカム内の気泡を取り除き、コージェライト製のハニカムの内部までスラリーを浸透させた。次に余分なスラリーを遠心分離器を利用し振り切って、120℃で5時間乾燥したのち、900℃で2時間焼成して表面に耐熱性セラミック体を形成したコージェライト製のハニカムを作製した。このコージェライト製ハニカムを用いて比較例1、2と同一の方法で比較例5、6の排ガス浄化材を得た。
【0130】
(比較例7、8)
チタニアの粉末と、これに対して0.3wt%のポリカルボン酸アンモニウム塩を溶解させた水溶液とを混合し、チタニアスラリーを作成した。ウオールスルー型のコージェライト製のハニカムをスラリーに含浸した後、減圧してハニカム内の気泡を取り除き、コージェライト製のハニカムの内部までスラリーを浸透させた。次に余分なスラリーを遠心分離器を利用し振り切って、120℃で5時間乾燥した後、900℃で2時間焼成して表面に耐熱性セラミックス体を形成したコージェライト製のハニカムを作製した。このコージェライト製ハニカムを用いて、比較例3、4と同一の方法で実施例7、8の排ガス浄化材を得た。
【0131】
(比較例9)
1mol/lの硫酸銅と0.5mol/lの酸化硫酸バナジウムと1mol/lの硫酸セシウムを溶解した水溶液にコージェライト製ハニカムを含浸し、余剰の水溶液を除去した後に、液体窒素で瞬時に凍結し減圧下で水分を昇華させ乾燥した。次いで800℃で5時間焼成を行いCu、V、Csを同時に担持した比較例9の排ガス浄化材を得た。
【0132】
(比較例10)
実施例26と同様にしてPtを担持したフロースルー型の3次元構造体を作製した。次に、チタニアの粉末と、これに対して0.3wt%となるようにポリカルボン酸アンモニウム塩を溶解させた水溶液とを混合してチタニアスラリーを作成した。ウオールスルー型のコージェライト製のハニカムをスラリーに含浸した後、減圧してハニカム内の気泡を取り除き、コージェライト製のハニカムの内部までスラリーを浸透させた。次に余分なスラリーを遠心分離器を利用し振り切って、120℃で5時間乾燥した後、900℃で2時間焼成して表面に耐熱性セラミックス体を形成したウオールスルー型のコージェライト製のハニカムを作製した。このウオールスルー型のコージェライト製のハニカムをヘキサクロロ白金酸アンモニウム塩を0.5mol/lになるように溶解した水溶液に含浸し、余剰の水溶液を除去した後に、液体窒素で瞬時に凍結し減圧下で水分を昇華させ乾燥した。次に600℃で5時間焼成を行い、Ptを担持したフロースルー型のハニカムを作製した。以上により得られたフロースルー型の3次元構造体を排ガス流路の上流側に配設し、ウオールスルー型のハニカムをこの下流側に配設して、比較例10の排ガス浄化材を得た。
【0133】
(評価例1)
パティキュレートの燃焼活性を調べるのに先だって、安定化させた触媒活性を比較するために、まず、調製した各排ガス浄化材をSO2 400ppm、O2 1%(残りN2)の500℃のガス中に1昼夜放置する前処理を行なった。
【0134】
次に、ディーゼルエンジンより排出されたパティキュレートをセラミックス製のフィルタで捕集し、これをエタノール中に懸濁させて、エアーブラシで10mm×10mm×30mmの大きさの実施例1〜20及び比較例1〜9の排ガス浄化材の外周部にパティキュレート量が約0.005g/mm2となるように吹き付けた。これを乾燥させた後に、ガスを流通できる電気炉に入れて、380℃の条件下でCO200ppm、O21.5%(残りN2)の混合ガスを流して反応させ、反応開始1時間までのパティキュレートの燃焼率を調べた。結果を(表1)および(表2)に示す。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
(表1)および(表2)から、遷移金属元素とアルカリ金属元素を同時に担持した排ガス浄化材に比べて、CuとV元素を担持させた後にアルカリ金属元素を担持させた排ガス浄化材は、パティキュレートに対する高い燃焼活性を示し、CuとVの比がCu/V=0.4〜12の場合に特に高い活性を呈することが確認された。
【0138】
(評価例2)
評価例1と同一の方法にて実施例21、22及び比較例11、12の排ガス浄化材を用いてパティキュレートの燃焼率を調べた。結果を(表3)に示す。
【0139】
【表3】
【0140】
(表3)の比較例11、12の結果と比べ実施例21、22及び(表1)の実施例1の結果から、CuとVの焼成温度は、700〜900℃が有効であることが確認された。
【0141】
(評価例3)
評価例1と同様の方法で、実施例1及び23〜25の排ガス浄化材におけるパティキュレートの燃焼率を調べた。結果を(表4)に示す。
【0142】
【表4】
【0143】
(表4)から、実施例1の触媒に、CO、Mo、Mnを添加した場合に、パティキュレートに対する高い燃焼活性を示すことが確認された。
【0144】
(評価例4)
評価例1と同様に前処理を行った後、100℃〜500℃まで制御できる電気ヒーターを取り付けた収納容器内に実施例26〜34及び比較例10の排ガス浄化材を設置した。
【0145】
この収納容器の排ガス流入口から、ディーゼルエンジンより排出される排ガスの一部を導入した。収納容器の温度を200℃から500℃まで上昇させて排ガス浄化材による圧力損失の度合いを調べた。
【0146】
触媒が機能しないと排ガス中のパティキュレートが排ガス浄化材を構成するウオールスルー型のハニカム表面に堆積し、背圧が上昇する。この背圧の上昇の度合いによりパティキュレートに対する触媒の活性度を評価することができる。さらに排ガス浄化材の入り口と出口のガスのCOとNOX濃度から、これらのガス成分に対する浄化率も併せて評価した。結果を(表5)に示す。
【0147】
【表5】
【0148】
(表5)から、実施例1を配設した排ガス流路の上流側に、以下の触媒を有する排ガス浄化材を配設した場合に、パティキュレートに対する燃焼活性とCOとNOXの浄化率が高くなることが確認された。
(1)貴金属元素から選ばれる少なくとも1つの元素を含有する触媒
(2)(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属又はその化合物を含有する触媒
(3)Cu及び/又はCoの金属又はその化合物を含有する触媒
(4)(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属又はその化合物と(c)Cu及び/又はCoの金属又はその化合物を含有する触媒
【0149】
【発明の効果】
以上のように、本発明の排ガス浄化材とその調製方法及びこれを用いた排ガス浄化装置によれば、以下のような有利な効果が得られる。
【0150】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、(1)高い活性を示すCu及びVの化合物を含有する触媒を担持した排ガス浄化材を提供することができる。
(2)排ガス浄化材の製造工程において、Cu及びVの化合物を含有する層とアルカリ金属の化合物を含有する層とを別々に焼成するために、両者の焼成時の反応による性能劣化が抑制でき、高い活性を有する排ガス浄化材を提供することができる。
(3)Cu及びVの化合物を含有する層の上にアルカリ金属の化合物を含有する層が形成されているため、反応に望ましい触媒構成が得られ、パティキュレートの燃焼効率の高い排ガス浄化材を提供できる。さらに、耐熱性3次元構造体とCu及びVの化合物を含有する層とが、アルカリ金属の化合物を含有する層によって隔てられているので、耐熱性3次元構造体とCu及びVの化合物を含有する層との反応による触媒の性能劣化を抑制でき、高い活性を有する排ガス浄化材を提供することができる。
【0152】
本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、耐熱性3次元構造体の表面に形成されたセラミック粒子による凹凸の上に形成された触媒表面も凹凸を有するため、パティキュレートとの接点が増大し、高い活性を有する排ガス浄化材を提供することができる。
【0153】
本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2の効果に加え、高い活性を有する触媒組成が得られ、優れた排ガス浄化材を提供することができる。
【0154】
本発明の請求項4乃至11に記載の発明によれば、(1)2種の浄化材の相互作用により、パティキュレートの燃焼効率の高い排ガス浄化材を提供することができる。
(2)排ガス中のパティキュレートだけでなく、パティキュレートと共存する未燃焼の炭化水素、一酸化炭素や窒素酸化物の浄化効率も高い排ガス浄化材を提供することができる。
【0155】
本発明の請求項12に記載の発明によれば、望ましい構造を有するCu及びV化合物が得られ、効率良くパティキュレートを燃焼できる排ガス浄化材の調製方法を提供することができる。
【0156】
本発明の請求項13に記載の発明によれば、簡単な構造でエンジンの走行条件下で到達する温度域でパティキュレートを安定して良好に着火燃焼できるコスト性に優れた排ガス浄化装置を提供できる。
【0157】
本発明の請求項14に記載の発明によれば、請求項13の効果に加え、断熱手段によって排ガス浄化材に流入する排ガスと触媒部の温度低下が防止されるため、触媒活性の高い排ガス浄化装置を提供できる。
【0158】
本発明の請求項15に記載の発明によれば、請求項14の効果に加え、エンジン燃焼部からの排ガスの温度低下が防止されるので、触媒活性の高い排ガス浄化装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における排ガス浄化材の要部断面図
【図2】本発明の実施の形態2における排ガス浄化材の要部断面図
【図3】本発明の実施の形態3における排ガス浄化材の要部断面図
【図4】本発明の実施の形態4における排ガス浄化材の要部断面図
【図5】本発明の実施の形態5における排ガス浄化装置の要部模式図
【図6】本実施の形態5において排ガス流路の上流側に配設される排ガス浄化材の要部断面図
【図7】本発明の実施の形態6における排ガス浄化装置の要部模式図
【符号の説明】
1 実施の形態1の排ガス浄化材
2 耐熱性3次元構造体
3 CuとVを含む触媒層
4 アルカリ金属化合物
4a アルカリ金属化合物
5 耐熱性のセラミック層
6 排ガス流路の下流側に配設される実施の形態1乃至4の排ガス浄化材
7 排ガス流路の上流側に配設される排ガス浄化材
8 3次元構造体
9 多孔質のセラミック層
10 触媒層
11 収納容器
12 排ガス流入口
13 排ガス排出口
14 保温材
20 実施の形態2の排ガス浄化材
30 実施の形態3の排ガス浄化材
40 実施の形態4の排ガス浄化材
50 実施の形態5の排ガス浄化装置
60 実施の形態6の排ガス浄化装置
Claims (15)
- 耐熱性3次元構造体に担持されアルカリ金属の化合物を含有する第1層と、前記第1層に担持され元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物を含有する第2層と、前記第2層に担持されアルカリ金属の化合物を含有する第3層と、を備えたことを特徴とする排ガス浄化材。
- 前記耐熱性3次元構造体の表面にセラミック粒子が固着され、前記表面が凹凸にされていることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化材。
- Co、Mo、Mnから選ばれる少なくとも1つの金属又はその化合物が、前記Cu及びVの化合物を含有する層に含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス浄化材。
- 排ガス流路の上流側に配設され貴金属元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、前記耐熱性3次元構造体の下流側に配設された請求項1乃至3の内いずれか1に記載の排ガス浄化材と、を備えていることを特徴とする排ガス浄化材。
- 排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物を担持した第1の耐熱性3次元構造体と、前記第1の耐熱性3次元構造体の下流側に配設されたアルカリ金属の化合物と、元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物と、を担持した第2の耐熱性3次元構造体と、を備えていることを特徴とする排ガス浄化材。
- 排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、前記耐熱性3次元構造体の下流側に配設された、耐熱性3次元構造体に担持され元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物を含有する第1層と、前記第1層に担持されアルカリ金属の化合物を含有する第2層と、を備えた排ガス浄化材と、を備えていることを特徴とする排ガス浄化材。
- 排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、前記耐熱性3次元構造体の下流側に配設された請求項1乃至3の内いずれか1に記載の排ガス浄化材と、を備えていることを特徴とする排ガス浄化材。
- 排ガス流路の上流側に配設されCu及び/又はCoの化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、前記耐熱性3次元構造体の下流側に配設された請求項1乃至3の内いずれか1に記載の排ガス浄化材と、を備えていることを特徴とする排ガス浄化材。
- 排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物と(c)Cu及び/又はCoの化合物を担持した第1の耐熱性3次元構造体と、前記第1の耐熱性3次元構造体の下流側に配設されアルカリ金属の化合物と、元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物と、を担持した第2の耐熱性3次元構造体と、を備えていることを特徴とする排ガス浄化材。
- 排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物と(c)Cu及び/又はCoの化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、前記耐熱性3次元構造体の下流側に配設された、耐熱性3次元構造体に担持され元素比がCu/V=0.4〜12であるCu及びVの化合物を含有する第1層と、前記第1層に担持されアルカリ金属の化合物を含有する第2層と、を備えた排ガス浄化材と、を備えていることを特徴とする排ガス浄化材。
- 排ガス流路の上流側に配設され(a)貴金属元素と(b)アルカリ金属又はアルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの金属の化合物と(c)Cu及び/又はCoの化合物を担持した耐熱性3次元構造体と、前記耐熱性3次元構造体の下流側に配設された請求項1乃至3の内いずれか1に記載の排ガス浄化材と、を備えていることを特徴とする排ガス浄化材。
- 前記Cu及びVの化合物の焼成温度が、700〜900℃であることを特徴とする請求項1乃至11の内いずれか1に記載の排ガス浄化材の調製方法。
- 請求項1乃至11の内いずれか1に記載の排ガス浄化材と、前記排ガス浄化材を収納する容器と、前記容器に形成された排ガス流入口と、前記容器に形成された排ガス流出口と、を備えたことを特徴とする排ガス浄化装置。
- 断熱手段が、前記容器及び/又は前記容器の排ガス流入口と、前記排ガス流入口とエンジンとが接続される接続管と、に配設されていることを特徴とする請求項13に記載の排ガス浄化装置。
- 前記容器が、エンジンマニホールドに近接して配設されていることを特徴とする請求項14に記載の排ガス浄化装置。
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