JP4439961B2 - 排ガス浄化材の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンから排出される排ガス中に含まれるパティキュレート(固体状炭素微粒子、液体あるいは固体状の高分子量炭化水素微粒子)を燃焼して排ガスを浄化する排ガス浄化触媒及び排ガス浄化触媒を担持した排ガス浄化材に関するものである。
ディーゼルエンジンからの排ガスに含まれるパティキュレートは、その粒子径がほぼ1μm以下で大気中に浮遊しやすく、呼吸時に人体に取り込まれやすい。
また、このパティキュレートは発ガン性物質も含んでいることから、ディーゼルエンジンからのパティキュレートの排出に関する規制が強化されつつある。
排ガスからのパティキュレートを除去する方法の一つとして、耐熱性構造体からなる排ガス浄化材でパティキュレートを捕集した後、バーナーやヒーター等の加熱手段で排ガス浄化材を加熱してパティキュレートを燃焼し、炭酸ガスに変えて放出する再生方法がある。
また、排ガス浄化材としては、前述の排ガス浄化材に金属酸化物等を含む排ガス浄化触媒を担持したものが知られており、この場合捕集されたパティキュレートは排ガス浄化触媒の触媒作用によって通常のパティキュレート燃焼温度よりは低温で燃焼させることができる。
この排ガス浄化材は、パティキュレート燃焼時に発生する温度勾配に起因する熱応力に耐えられる様に、代表的な低熱膨張セラミックであるコージェライトを用いていた。例えば、特許文献1には主成分の化学組成が重量基準でSiO242〜56%、Al2330〜45%、MgO12〜16%で結晶相の主成分がコージェライトから成るハニカム構造を有し、気孔率が30%以下で、ハニカム構造の軸方向の40〜800℃の間の熱膨張係数が0.8×106/℃以下、層方向の40〜800℃の間の熱膨張係数が1.0×10-6/℃以下であることを特徴とするコージェライトハニカム構造触媒担体が開示されている。
また、特許文献2には主成分の化学組成がSiO242〜56重量%、Al2330〜45重量%、MgO12〜16重量%で結晶相の主成分がコージェライトから成る多孔質ハニカムフィルターであって、気孔率が40%以上55%以下で、直径2μm以下の細孔容積が0.015cc/g以下であることを特徴とする多孔質セラミックハニカムフィルターが開示されている。
特開昭62−225249号公報 特開平2−52015号公報
しかしながら、上記従来の排ガス浄化材では、再生燃焼時に時々発生する瞬間的な高温に対する耐熱衝撃性が不十分であり、排ガス浄化材に亀裂が入ったり、溶損してしまうという欠点を有していた。
このような観点からコージェライトより耐熱衝撃性の高い材料である炭化珪素、窒化珪素及び金属などを利用したフィルターが開発されている。
その中でも金属製フィルターは耐熱衝撃性が高いためパティキュレートを捕集した後、バーナーやヒーター等の加熱手段で金属製フィルターを加熱してパティキュレートを燃焼させる手段として用いられている。
さらに、バーナーやヒーター等の加熱手段を用いることなく、より低い温度でパティキュレートを燃焼させるためには金属製フィルターに排ガス浄化触媒を担持して触媒作用を付与する必要がある。
しかしながら、金属製フィルターはその表面の濡れ性が悪く、排ガス浄化触媒のスラリーをはじいてしまうため、従来のセラミックハニカムフィルターと同様の方法では触媒を均一に担持させることができないという課題があった。
また、この金属製フィルターは、金属製発泡構造や金属製不織布構造やファイバーメッシュシート構造などがあり、排ガス中のパティキュレートがこのような構造を通過する間に捕集するメカニズムとなっている。この構造が造り出す空間部分はパティキュレートを捕集するサイトとして非常に重要であると同時に、フィルター差圧の高低にも影響するサイトである。
しかしながら、このような空間部分を排ガス浄化触媒で埋めてしまうことなく金属製発泡構造や金属製不織布構造やファイバーメッシュシート構造の表面にのみ均一に担持することは難しいという課題もあった。
本発明は、上記の従来の課題を解決するものであり、金属製発泡構造や金属製不織布構造や金属製ファイバーメッシュ構造を有する金属製の排ガス浄化材に触媒を均一に担持させることによって再生燃焼時に時々発生する瞬間的な高温に対する耐熱衝撃性を確保し、熱衝撃に伴う排ガス浄化材の亀裂や溶損などを防ぐことが可能な排ガス浄化材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の排ガス浄化材の製造方法として、排ガス中のパティキュレートを捕集する金属製フィルターが金属製発泡構造や金属製不織布構造や金属製ファイバーメッシュシート構造やこれらの組合せで構成され、ジアルキルスルホコハク酸塩型のアニオン系界面活性剤を添加した無機酸化物スラリーを前記金属製フィルターに添着後、前記金属製フィルターから余剰な前記無機酸化物スラリーを除去するために前記金属製フィルターを遠心分離しさらに前記金属製フィルターを反転して遠心分離を行い、乾燥させ焼成して前記無機酸化物を前記金属製フィルターに担持し、次いで、排ガス浄化触媒スラリーを前記金属製フィルターに添着後、前記金属製フィルターから余剰な前記排ガス浄化触媒スラリーを除去するために前記金属製フィルターを遠心分離しさらに前記金属製フィルターを反転して遠心分離を行い乾燥させ焼成して前記排ガス浄化触媒を前記金属製フィルターに担持することを特徴とする排ガス浄化材の製造法とするものであり、これによって、金属製発泡構造や金属製不織布構造や金属製ファイバーメッシュ構造を有する金属製の排ガス浄化材に触媒を均一に担持させることが可能となる。排ガス浄化触媒を金属製発泡構造や金属製不織布構造や金属製ファイバーメッシュ構造を有する金属製フィルターに均一に担持させることが可能となる。
本発明によれば、金属製発泡構造や金属製不織布構造や金属製ファイバーメッシュ構造を有する金属製の排ガス浄化材に触媒を均一に担持させることが可能となる排ガス浄化材の製造法を提供でき、排ガス浄化触媒を金属製発泡構造や金属製不織布構造や金属製ファイバーメッシュ構造を有する金属製フィルターに均一に担持させることが可能となる排ガス浄化材の製造法を提供でき、再生燃焼時に時々発生する瞬間的な高温に対する耐熱衝撃性を確保し、熱衝撃に伴う排ガス浄化材の亀裂や溶損などを防ぐという効果のある排ガス浄化材の製造法を提供できる。
また、排ガス浄化触媒スラリーや無機酸化物スラリーに界面活性剤を添加することで金属製フィルターに均一に添着させ、さらに金属製フィルターを遠心分離しさらに前記金属製フィルターを反転して遠心分離を行い遠心力を用いることで余剰に添着されたスラリーを均一に除去できる。
本発明の請求項1に記載の排ガス浄化材の製造方法は、排ガス中のパティキュレートを捕集する金属製フィルターが金属製発泡構造や金属製不織布構造や金属製ファイバーメッシュシート構造やこれらの組合せで構成され、ジアルキルスルホコハク酸塩型のアニオン系界面活性剤を添加した無機酸化物スラリーを前記金属製フィルターに添着後、前記金属製フィルターから余剰な前記無機酸化物スラリーを除去するために前記金属製フィルターを遠心分離しさらに前記金属製フィルターを反転して遠心分離を行い、乾燥させ焼成して前記無機酸化物を前記金属製フィルターに担持し、次いで、排ガス浄化触媒スラリーを前記金属製フィルターに添着後、前記金属製フィルターから余剰な前記排ガス浄化触媒スラリーを除去するために前記金属製フィルターを遠心分離しさらに前記金属製フィルターを反転して遠心分離を行い、乾燥させ焼成して前記排ガス浄化触媒を前記金属製フィルターに担持することを特徴とする排ガス浄化材の製造法である。
この製造方法によって、余剰スラリーに均一な力を加えることで均等にスラリーを除去し、排ガス浄化触媒や無機酸化物を分布ムラ無く担持でき、また、余剰スラリー除去時に発生するスラリーの乾燥を防ぎ、排ガス浄化触媒や無機酸化物を分布ムラ無く担持でき、また、遠心力は比較的容易に実行可能なため製造設備コストや製造コストの低減ができる。界面活性剤を添加することで金属製フィルター表面の濡れ性を改善し、均一に無機酸化物を担持し緻密な層を得ることができる。スルホン酸塩のアニオン系界面活性剤は金属製フィルター表面の濡れ性を改善する上で非常に効果を発揮するため無機酸化物スラリーに添加することで均一に担持できる。界面活性剤のスルホン酸塩としては、スルホコハク酸塩が適用可能である。
また、余剰スラリーに均一な力を加えることで均等にスラリーを除去し、排ガス浄化触媒や無機酸化物を分布ムラ無く担持できる。
また、種々の形状の排ガス浄化材においても固定さえできれば均一な力を加えて均等にスラリーを除去することが可能である。金属製フィルターが金属製発泡体や金属製不織布や金属製ファイバーメッシュシートやこれらの組合せで構成される排ガス浄化材であり、この排ガス浄化材を選ぶことによって、排ガス中のパティキュレートの捕集効率を高めると共に、フィルターとして低圧損な構造になるためエンジンへの負担も軽減できる。
また、短時間で余剰のスラリーを除去できるため製造時間を短縮できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施例1)
金属製フィルターとして、図1に示すように直径93mmで高さ180mmの円筒形である市販の金属製フィルター1を用いた。この金属製フィルター内に金属製ファイバーメッシュ2(直径40μ、坪量500g/m2)が積層して設置され、このファイバーメッシュによって排ガス中のパティキュレート3を捕集するメカニズムである。チタニアゾルのスラリーにジアルキルスルホコハク酸塩型のアニオン系界面活性剤を1.96wt%添加して1時間撹拌した。この溶液に前記金属製フィルターを1分間含浸して引上げ、反転してさらに1分間含浸した。
次いで、図2に示すようにチタニアゾルを添着させた金属製フィルターを横置きにしてバランスのためのダミー4を対称に設置して遠心分離機5を用いて210rpmで1分間遠心分離し、さらに金属製フィルターを反転して同条件で遠心分離を行い余剰のチタニアゾルスラリーを除去し、液体窒素に投入して凍結させた後、真空乾燥機(日精(株)製)で乾燥させ、電気炉にて700℃で5時間酸化焼成してチタニアの酸化物を金属製フィルターに対して約1.2wt%担持した。
次いで、排ガス浄化触媒としてV、Mn、Cuの金属の塩と、アルカリ金属Csの硫酸塩を撹拌しながらイオン交換水に溶解させ排ガス浄化触媒スラリーを作製した。
排ガス浄化触媒の成分のV、Mn、Cu、及びCsの出発原料はそれぞれ酸化硫酸バナジウム、酢酸マンガン四水和物、硫酸銅五水和物、硫酸セシウムを用いた。
チタニアの酸化物を担持した金属製フィルターを排ガス浄化触媒スラリーに1分間含浸して引上げ、反転してさらに1分間含浸した。
次いで、遠心分離機を用いて余剰の排ガス浄化触媒溶液を除去し、さらに金属製フィルターを反転して同条件で遠心分離を行い余剰の排ガス浄化触媒スラリーを除去し、液体窒素に投入して凍結させた後、真空乾燥機で乾燥させ、700℃で5時間酸化焼成して排ガス浄化触媒を金属製フィルターに対して約7.2%担持して排ガス浄化材とし、最終的に図3に示すように金属製ファイバーメッシュ上にチタニアの酸化物6を担持して中間層を設け、さらにその上に排ガス浄化触媒層7を設けて、これを実施例1とした。
(比較例1)
市販のコージェライトフィルターを実施例1と同様の排ガス浄化触媒溶液に含浸して余剰の触媒溶液を除去し、液体窒素に投入して凍結させた後、真空乾燥機で乾燥させ、700℃で5時間酸化焼成して排ガス浄化触媒を担持して排ガス浄化材とし、これを比較例1とした。
参考
金属製フィルターから金属製ファイバーメッシュ(ファイバー直径40μ、ファイバーメッシュ坪量500g/m2)を10mm×10mmの大きさに切り出して図4に示すような金属製フィルターのテストピース8とした。
チタニアゾルの溶液にジアルキルスルホコハク酸塩型のアニオン系界面活性剤を添加して1時間撹拌した。この溶液に前記テストピースを1分間含浸して引上げ、余剰の溶液を不織布で吸い取って除去した。このチタニアゾル溶液を添着させたテストピースを液体窒素に投入して凍結させた後、真空乾燥機で乾燥させ、700℃で5時間酸化焼成して図5に示すようなチタニアの酸化物を担持したテストピース9を作製し、これを参考例1とした。
(比較例2)
参考例1と同様のテストピースを界面活性剤を添加していないチタニアゾルスラリーに1分間含浸して引上げ、余剰の溶液を不織布で吸い取って除去した。このチタニアゾル溶液を添着させたテストピースを液体窒素に投入して凍結させた後、真空乾燥機で乾燥させ、700℃で5時間酸化焼成してチタニアの酸化物を担持したテストピースをを作製し、これを比較例2とした。
参考
金属製フィルターとして、直径93mmで高さ180mmの円筒形である市販の金属製フィルターを用いた。チタニアゾルのスラリーにジアルキルスルホコハク酸塩型のアニオン系界面活性剤を添加してよく撹拌した。このスラリーに金属製フィルターを1分間含浸して引上げ、反転してさらに1分間含浸した。
次いで、遠心分離機を用いて210rpmで1分間遠心分離し、さらに反転して同条件で遠心分離して余剰のチタニアゾルスラリーを除去し、液体窒素に投入して凍結させた後、真空乾燥機で乾燥させ、700℃で5時間酸化焼成してチタニアの酸化物を担持し、これを参考例2とした。
(比較例3)
参考例2と同様の方法を用いてチタニアゾルスラリーを添着させた金属製フィルターを図6に示すようにエアー10圧力を0.5MPaとして10分間エアブローをして余剰のチタニアゾル溶液を除去した。
余剰スラリーを除去した金属製フィルターを液体窒素に投入して凍結させた後、真空乾燥機で乾燥させ、700℃で5時間酸化焼成してチタニアの酸化物を担持し、これを比較例3とした。
(評価例1)
実施例1及び比較例1で製造した各排ガス浄化材について、以下のような排ガス浄化試験(図7参照)を行った。
排気量3,431ccのディーゼルエンジン11を使用し、ディーゼルエンジンからの排気ラインには切替え弁12を設けてバイパスライン13と本ライン14の2ラインを設置し、本ライン側に排ガス浄化材15を設置した。バイパスライン側に排気しながらディーゼルエンジンを1,500rpm、トルク21kgmの条件で1時間作動させて排気を安定させた後、切替え弁によって排ガス浄化材を設置した本ライン側に排ガスを導入した。排ガス温度は、エンジン回転数を1,500rpm一定の状態でディーゼルエンジンへの負荷を変えていくことで250℃から400℃まで30℃刻みで昇温した。各温度を20分キープしながら運転し、圧力センサー16を用いて排ガス浄化材の前後の差圧を測定した。排ガスに含まれるパティキュレートが排ガス浄化材に捕集されるにつれて、排ガス浄化材の前後の差圧が上昇していくが、排ガス温度が上昇するに従って触媒活性が上がるため、捕集されたパティキュレートが燃焼されて排ガス浄化材の前後の差圧が下がる。このような差圧のプロファイルから各温度毎における単位時間当りの差圧変化率を算出し差圧変化率がゼロとなった時の温度をBPT(alance oint of emperature)と定義し、このBPTが低くければ低いほど触媒浄化材の触媒活性が高いものとして評価した。
Figure 0004439961
結果を表1に示す。表1は実施例1及び比較例1のフィルターのBPT性能を表す表である。実施例1及び比較例1の排ガス浄化材共にBPTが約360℃付近となり、実施例1のように金属製フィルターへ触媒を担持すると、従来の触媒を担持したコージェライトフィルターと同等の触媒活性を有する排ガス浄化材が得られることが分かった。
(評価例2)
参考及び比較例2で作製したチタニアの酸化物を担持したテストピース表面を電子顕微鏡を用いて加速電圧15kVで倍率を2,000倍に設定し、チタニアの酸化物がファイバーメッシュシートに担持されている様子を観察すると共にEDXによるテストピース表面の元素分析を行った。元素分析は各テストピースの表面10箇所を測定し、金属製フィルターの成分であるFe元素に対してTi元素の割合(Ti/Fe)を10箇所の平均値として求めた。
Figure 0004439961
結果を表2に示す。表2は参考例1及び比較例2のテストピース表面の元素分析結果を表す表である。表2に示すように比較例2におけるTi/Fe値が0.019と非常に低い値であった。このことから界面活性剤を添加しないと金属ファイバー表面のぬれ性が悪くチタニアゾル溶液がほとんど担持されないことが分かった。それに対し参考例1のTi/Fe値は0.136となり比較例2と比べて高い値となった。このことから界面活性剤を添加したことで金属ファイバー表面の濡れ性が改善され、テストピース表面にチタニア酸化物が担持されたことが分かった。
(評価例3)
参考及び比較例3で作製したチタニアの酸化物を担持した金属製フィルターの金属製ファイバーメッシュ部分を切り出して、電子顕微鏡を用いて2,000倍で拡大し、チタニアの酸化物がファイバーメッシュシートに担持されている様子を観察した。
電子顕微鏡で観察を行った結果、比較例3の方は、排ガス浄化材のファイバーメッシュシートの空間にチタニアの酸化物が存在し、エアブローではファイバー間のチタニアスラリーを除去できないことが分かった。これはフィルター内を流れるエアーは抵抗の少ない場所を通るため、ファイバー間にチタニアスラリーが存在しないところをエアーが通り、チタニアスラリーが存在するところはエアーが通りにくいからであると推測される。従って、チタニアスラリーが金属製ファイバーメッシュの間の空間に存在している場合、エアブロー時間を長くしてもチタニアスラリーは除去されないと推測される。これに対して、参考例2は金属ファイバーメッシュ表面にチタニアの酸化物が均一に担持されており、ファイバー間の空間にはチタニアスラリーが存在しないことが確認された。以上のことから遠心分離によってチタニアスラリーに対して均一な力を加えることでムラ無く除去し、金属メッシュファイバー表面に均一に担持できることが分かった。さらに、触媒スラリーについても同様の試験を行い確認したところ、遠心分離では図8に示すように金属製ファイバーメッシュ表面に均一に触媒を担持できるのに対して、図9に示すようにエアブローではファイバー間に触媒が残っている状態17が確認された。
(評価例4)
直径140mm、高さ150mmの触媒を担持していない金属製フィルター18及びコージェライトフィルター18に関して、耐熱衝撃性を評価するために、図10に示す装置を用いて耐熱衝撃性試験を行った。金属製フィルター及びコージェライトフィルター内に複数の熱電対19を設置し温度をデータレコーダ21で測定しながら、フィルターの片側端面に加熱した電気ヒータ19を瞬間的に密着させることで温度勾配を60〜80℃/minの間で設定し、各フィルターが割れるか否かを評価した。
Figure 0004439961
結果を表3に示す。表3は金属製フィルター及びコージェライトフィルターの耐熱衝撃性試験の結果を表す表である。コージェライトフィルターは温度勾配が60及び70℃/minにおいて亀裂が発生し、さらに80℃/minにおいては亀裂が発生すると共に溶損が発生した。これに対して、金属製フィルターは60〜80℃/minの温度勾配の範囲において亀裂や溶損が発生しなかった。以上のことから従来のコージェライトフィルターより金属製フィルターの耐熱衝撃性が高いことが確認された。
本発明の排ガス浄化材は、ディーゼル排ガスに含まれるパティキュレートを別途加熱手段を必要とすることなく排ガス温度程度の温度で十分に燃焼し排ガス浄化できるため非常に有用である。また、金属製フィルターに排ガス浄化触媒を担持することで耐熱衝撃性の高い排ガス浄化材となる。ディーゼル排ガス浄化の対象としては、自動車のみならず建設機械、発電機、フォークリフト、耕運機、船舶など幅広く存在し適用可能である。
本発明の実施例1における金属製フィルターの構造およびパティキュレートを捕集メカニズムを表す図 同実施例1における金属製フィルターを遠心分離した様子を表す図 同実施例1における金属製ファイバーメッシュに中間層および触媒層を配したことを表す図 参考例1における金属製フィルターのテストピースを表す図 参考例1における金属製フィルターのテストピース表面に均一にチタニアの酸化物を担持したことを表す図 比較例3における金属製フィルターをエアブローした様子を表す図 評価例1における排ガス浄化試験を表す図 評価例3における金属ファイバーメッシュ表面に均一に触媒を担持した状態を表す図 評価例3における金属ファイバーメッシュの間の空間に触媒が残っている状態を表す図 評価例4における各種フィルターの耐熱衝撃試験の概略を表す図
符号の説明
1 金属製フィルター
2 金属製ファイバーメッシュ
3 パティキュレート
4 ダミー
5 遠心分離機
6 チタニアの酸化物の中間層
7 排ガス浄化触媒の層
8 金属製フィルターのテストピース
9 金属ファイバーメッシュ表面にチタニアの酸化物を担持した状態
10 エアー
11 ディーゼルエンジン
12 切替え弁
13 バイパスライン
14 本ライン
15 排ガス浄化材
16 圧力センサー
17 ファイバー間に触媒が残っている状態
18 各種フィルター(金属製フィルター、コージェライトフィルター)
19 熱電対
20 電気ヒーター
21 データレコーダ

Claims (1)

  1. 排ガス中のパティキュレートを捕集する金属製フィルターが金属製発泡構造や金属製不織布構造や金属製ファイバーメッシュシート構造やこれらの組合せで構成され、ジアルキルスルホコハク酸塩型のアニオン系界面活性剤を添加した無機酸化物スラリーを前記金属製フィルターに添着後、前記金属製フィルターから余剰な前記無機酸化物スラリーを除去するために前記金属製フィルターを遠心分離しさらに前記金属製フィルターを反転して遠心分離を行い、乾燥させ焼成して前記無機酸化物を前記金属製フィルターに担持し、次いで、排ガス浄化触媒スラリーを前記金属製フィルターに添着後、前記金属製フィルターから余剰な前記排ガス浄化触媒スラリーを除去するために前記金属製フィルターを遠心分離しさらに前記金属製フィルターを反転して遠心分離を行い、乾燥させ焼成して前記排ガス浄化触媒を前記金属製フィルターに担持することを特徴とする排ガス浄化材の製造法。
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