JP2001212477A - 触媒担体のコーティング装置 - Google Patents

触媒担体のコーティング装置

Info

Publication number
JP2001212477A
JP2001212477A JP2000023758A JP2000023758A JP2001212477A JP 2001212477 A JP2001212477 A JP 2001212477A JP 2000023758 A JP2000023758 A JP 2000023758A JP 2000023758 A JP2000023758 A JP 2000023758A JP 2001212477 A JP2001212477 A JP 2001212477A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slurry
catalyst carrier
catalyst
holding
excess
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000023758A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Horiuchi
義浩 堀内
Junya Shirahata
潤也 白畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cataler Corp
Original Assignee
Cataler Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cataler Corp filed Critical Cataler Corp
Priority to JP2000023758A priority Critical patent/JP2001212477A/ja
Publication of JP2001212477A publication Critical patent/JP2001212477A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Centrifugal Separators (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒担体に付着した過剰なスラリーを効率よく
除去し、触媒担体にほぼ均一な触媒担持層を形成するこ
とができる触媒担体のコーティング装置を提供するこ
と。 【解決手段】本発明の触媒担体のコーティング装置は、
上方に作動空間11をもち、下方にスラリー90を貯留
するスラリータンク10と、触媒担体80を保持する保
持部21と、作動空間11内で保持部21を回動可能に
支承し、触媒担体80に遠心力を与える余剰スラリー除
去装置31、Mと、余剰スラリー除去装置31、Mを上
下方向に駆動し、触媒担体80を貯留されたスラリー9
0に浸漬する昇降装置40と、を有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒担体に触媒担
持層を形成する触媒担体のコーティング装置に関するも
のである。さらに詳しくは、触媒担体に付着した過剰な
スラリーを効率よく除去し、触媒担体にほぼ均一な触媒
担持層を形成することができる触媒担体のコーティング
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジン等から排出される排気ガスを浄
化するために、種々の触媒が使用されているのは周知の
ところである。触媒には種々あるが、一般的には、基材
としての触媒担体とその触媒担体上に形成された触媒担
持層とその触媒担持層上に担持された貴金属等の触媒成
分とから構成されることが多い。触媒担体に触媒担持層
を形成する方法としては、触媒担体をスラリーに浸漬し
た後、引き上げ、余分なスラリーの除去、乾燥、焼成と
いう方法で行っていた。ここで余分なスラリーの除去
は、従来、触媒担体に付着した余分なスラリーを空気等
で吹き払うことで行っていた。
【0003】しかしながら、空気で余分のスラリーを吹
き払う方法は、流速のばらつきから余分なスラリーが除
去しきれずに残存し、触媒担持層の厚さにムラができた
り、排気通路を目詰まりさせたりすることがあった。こ
のため、余分なスラリー残存し触媒担持層が厚くなった
部分ではひび割れ等が発生することで触媒担持層の剥離
を招いたり、ハニカム担体のようなセルの小さいもので
は開口率が低下して排圧が上昇しエンジン出力の低下を
招いたりすることもあった。
【0004】そこで、このような触媒担体のコーティン
グの不均一を是正するために、種々のコーティング方法
が過去に考え出されてきた。たとえば、特公昭62−1
784号公報や特公昭62−28695号公報や特開平
5−64747号公報にその開示がある。
【0005】特公昭62−1784号公報には、ノズ
ル間隔、ノズル幅、ノズル長さ等を最適に設定すること
により、スラリーを吹き払う空気の通過面が部分的に重
なるようにして、触媒担体に均一な触媒成分を担持させ
る方法が開示されている。
【0006】特公昭62−28695号公報には、触
媒担体をスラリーに浸漬した後に過剰なスラリーを吸引
ブロアーにより真空引きすることにより、触媒担体にス
ラリーを均一にコーティングする方法が開示されてい
る。
【0007】特開平5−64747号公報には、スラ
リーを入れた容器の底面を伸縮性膜で構成し、この伸縮
性膜の上下動によりスラリーを加圧、減圧して、その容
器上方に載置された触媒担体にスラリーを均一にコーテ
ィングする方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記、の
方法は、いずれも空気を媒体とした噴流により、スラリ
ーの吹き払いを行うものであるので、従来技術の延長に
過ぎず、依然として、触媒担体上のスラリー層を均一に
し難い。特に、小型エンジン用触媒担体のように、排気
の通路が細いものでは、スラリーによる目詰まりが依然
として起こり得る。また、これらの方法では、空気圧や
ノズル形状、真空度等の細かな設定が煩雑であり、種々
の形状、大きさの触媒担体に利用することは容易ではな
い。
【0009】また、上記の方法では、特殊で複雑な装
置を必要とし、触媒担体の載置にも手間がかかるため、
効率的ではなく、量産性に欠ける。
【0010】本発明の触媒担体のコーティング装置は、
このような事情に鑑みて為されたもので、触媒担体に付
着した過剰なスラリーを効率よく除去し、触媒担体にほ
ぼ均一な触媒担持層を形成することができる触媒担体の
コーティング装置を提供することを解決すべき課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記課題を解決すべく鋭意研究を重ね、遠心力により過剰
なスラリーを除去してほぼ均一な触媒担持層を触媒担体
に形成することを思い付き、従来とは全く異なる視点に
立ち、本発明の触媒担体のコーティング装置を発明する
に至ったものである。
【0012】すなわち、本発明の触媒担体のコーティン
グ装置は、上方に作動空間をもち下方にスラリーを貯留
するスラリータンクと、触媒担体を保持する保持部と、
該作動空間内で該保持部を回動し該触媒担体に遠心力を
与える余剰スラリー除去装置と、該保持部を上下方向に
駆動し、上記触媒担体を貯留されたスラリーに浸漬する
昇降装置と、を有することを特徴とする。
【0013】つまり、本発明の触媒担体のコーティング
装置は、従来とは全く異なり、遠心力によって過剰なス
ラリーを触媒担体上から除去するので、触媒担体の位置
によるスラリーの偏りはほとんどなくなる。すなわち、
触媒担体上にほぼ均一なスラリー層が形成され、また、
触媒担体の開口通路の目詰まりも解消される。
【0014】したがって、本発明の触媒担体のコーティ
ング装置を用いて触媒を製造すると、触媒の開口率が低
下することもなく、排圧の異常な上昇を招くこともない
から、エンジン出力が低下することもない。また、触媒
担持層がほぼ均一になるので、触媒担持層の剥離やヒビ
割れも発生し難い。
【0015】ここで、遠心力により触媒担体にほぼ均一
なスラリー層若しくは触媒担持層ができる理由は、次の
ように考えられる。遠心力Fは、 F=m(スラリーの質量)×r(回転半径)×ω2(角
速度の2乗) で決定される。このため、回転中心から触媒担体の各部
までの距離により、加わる遠心力は変化する。つまり、
回転中心から遠距離にある触媒担体の部分ほど遠心力が
大きくなり、過剰なスラリーの飛散除去能力は高くな
る。一方、回転中心から近距離にある触媒担体の部分ほ
ど遠心力が小さくなり、過剰なスラリーの飛散除去能力
は低くなる。
【0016】したがって、一見すると、回転中心から近
距離にある触媒担体の部分ほど付着したスラリー層が厚
くなり、回転中心から遠距離にある触媒担体の部分ほど
付着したスラリー層が薄くなるとも考えられる。
【0017】しかし、回転中心から遠距離にある触媒担
体の部分には、回転中心から近距離にある触媒担体の部
分から順次、過剰なスラリーが供給され、引き伸ばされ
ていくから、結果として遠心力によって触媒担体表面か
ら余剰なスラリーを除去した後には、ほぼ均一な厚みの
スラリー層が触媒担体上に得られることになり、また、
ほぼ均一な触媒担持層が得られることにもなる。もちろ
ん、以上のことは触媒担体の回転中心が変化しても同様
のことが言える。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の触媒担体のコーティング
装置の実施の形態について、以下説明する。なお、図面
については、要部のみを模式的に表したものであるた
め、細部の形状、縮尺等についてまで正確に表現したも
のとなっていない。
【0019】本実施形態の触媒担体のコーティング装置
は、図1に示すように、スラリータンク10と、保持部
21、22と、余剰スラリー除去装置31、Mと、昇降
装置40とを有する。
【0020】スラリータンク10は、上方に触媒担体8
0へのスラリコーティングを行うために必要な作動空間
11をもち、下方にスラリー90を貯留する。
【0021】上方の作動空間11は、後述する余剰スラ
リー除去装置31、Mによって、触媒担体80を保持し
た保持部21、22が、回転可能な程度の大きさが最低
限必要である。また、スラリータンク10の上端部をほ
ぼ全周にわたって内側に屈曲させることで、余剰スラリ
ーが遠心力でスラリータンク10の内壁に飛ばされた際
にスラリータンク10外に飛び散ることがなくなるとい
う利点がある。
【0022】スラリーは、一般的に懸濁液であるので、
放置すると、スラリータンク10内で沈殿を生じやす
い。したがって、触媒担体のコーティング装置1は、さ
らに、スラリータンク10内のスラリー90を攪拌する
攪拌手段をもつことが好ましい。本実施形態の触媒担体
のコーティング装置1は、図1に示すように、攪拌装置
としてスラリー循環ポンプPを有する。スラリー循環ポ
ンプPは、スラリータンク10の側面からスラリー90
を吸入し、スラリータンク10の底部からスラリー90
をスラリータンク10内に噴出することが好ましい。ス
ラリータンク10内のスラリー90を効率よく攪拌でき
るからである。また、このスラリー循環ポンプPのスラ
リー90が噴出する出口を利用して触媒担体80内の細
孔にスラリーを押し込むこともできる。すなわち、スラ
リー循環ポンプPのスラリー噴出口52からスラリーが
噴出する方向に触媒担体80の細孔の方向をあわせてス
ラリー90内に触媒担体80を浸漬することで、ポンプ
の圧力で強制的に触媒担体80の細孔内へスラリーを押
し込むことができ、より確実な浸漬が行える利点があ
る。
【0023】攪拌手段としては、その他に、スラリータ
ンク10に付属する装置として、別途設けてもよいし、
また、触媒担体80がスラリー90内に浸漬していると
きに後述の余剰スラリー除去装置31、Mを作動させて
触媒担体80自体によってスラリー90を攪拌してもよ
い。攪拌手段を別途設ける場合の例としては、攪拌棒、
攪拌翼等を回転させる装置、前述のスラリー循環ポンプ
が挙げられる。これら攪拌手段の設置場所は、スラリー
タンクの内外どちらであってもよい。
【0024】スラリーは、耐火性粉末であるアルミナ粉
末やシリカ粉末等を調整した懸濁液であり、触媒担体に
付着後に乾燥、焼成等されることにより触媒担持層が得
られる。その他、ジルコニア、チタニア、シリカ−アル
ミナ、ゼオライト、セリア、セリア−ジルコニアなどの
材料粉末の一種若しくは複数種の懸濁液であってもよ
い。いずれにしても、排気ガスの浄化対象や使用エンジ
ン等により適切な成分のものを適宜選択するとよい。
【0025】また、強固な触媒担持層を形成するため
に、スラリー中にアルミナゾルやシリカゾル、ジルコニ
アゾル、チタニアゾルなどの酸化物バインダやチタニア
繊維などの無機繊維を添加してもよい。さらには、触媒
の製造工程を簡略化するために、後述の触媒成分をあら
かじめ上記のスラリーに含有させておいてもよい。ま
た、スラリーの粘度は、粉末の粒径や水などの分散媒の
配合量を適宜変えて調整するとよい。
【0026】粘度が高くなるほど、スラリーの乾燥が早
くなり、過剰なスラリーが飛散しにくくなる傾向にあ
る。このような場合には、余剰スラリー除去装置による
スラリーの付着した触媒担体の回転速度を高くして、遠
心力を強めればよい。一方、粘度が低いほど、スラリー
の乾燥が遅くなり、過剰なスラリーが飛散しやすくなる
傾向にあるので、スラリー層が薄くなりやすい。このよ
うな場合には、触媒担体の回転速度を低くして遠心力を
弱めたり、スラリーへの触媒担体の浸漬と余剰スラリー
の除去とを複数回繰り返して行ったりするとよい。
【0027】なお、本発明のコーティング装置1で使用
する「スラリー」に、触媒担持層を形成するためのスラ
リー以外に、触媒成分を含有する溶液を含めて考えるこ
ともできる。
【0028】保持部21、22は、両端に触媒担体80
を保持する把持部21が設けられた腕体22が水平に設
置され、その中央部分に後述の余剰スラリー除去装置の
回転軸31に接続される。そして、スラリータンク10
内で触媒担体80を保持する部材である。保持部21、
22は、主に、スラリータンク10内に位置するが、触
媒担体80を着脱する際に触媒担体80とともにスラリ
ータンク10外に取り出せる部分をもつものとしたり、
全体としてスラリータンク10から取り出すことが可能
とすることもできる。また、保持部21、22に保持さ
れる触媒担体80の数は、特に限定しないが、複数とす
ることで同時により多くの触媒担体80に効率よくスラ
リーをコーティングすることができる。
【0029】保持部21、22の余剰スラリー除去装置
31、Mへの接続は、余剰スラリー除去装置31、Mに
より触媒担体80が回転させられるときの触媒担体80
の回転面が垂直でも水平でも、また適当な角度で傾斜し
ていてもよいが、回転面が水平となるように接続するも
のが好ましい。触媒担体80の回転面を水平にすると、
重力の影響を受けずに、触媒担体80の回転数のみで過
剰なスラリーの飛散除去能力を決定できるので、制御が
容易だからである。もっとも、水平方向にスラリーが飛
散除去し難い形状の触媒担体80の場合、触媒担体80
の回転面を適宜傾けることで重力によって、触媒担体8
0の下部を通じて過剰なスラリーが飛散除去されるよう
にしてもよい。なお、余剰スラリー除去装置31、Mに
よる回転の回転中心となる回転軸31を保持部22に接
続する位置は、中央部以外にも自由に設けることができ
る。
【0030】把持部21は、開閉自在なグリップであっ
て閉じ側にスプリングで付勢しておく構造である。触媒
担体80は、その付勢により把持される。この形態以外
にも把持部21は、スラリー90内への触媒担体80の
浸漬や余剰スラリー除去装置31、Mによる回転時にお
いて脱離せずに継続的に触媒担体80を保持可能であれ
ばよい。たとえば、前述のようなマニピュレータ等のグ
リップ状の部材に挟持させてもよいし、回転軸先端にフ
ックを設けて触媒担体を係止するようにしてもよい。さ
らにグリップは、モータ駆動により開閉するようにして
挟持解放自在としてもよい。また、触媒担体が、一般的
なハニカム担体であるときは、細孔の方向が揃っている
ので、細孔内にスラリーを浸漬させるときと、細孔内の
余剰なスラリーを除去するときとでは細孔の向きを変化
させた方が好ましい場合がある。その目的で、把持部2
1を回転可能な機構とするこ回転手段をさらに付加する
こともできる。すなわち、細孔内にスラリーを浸漬させ
るときには、触媒担体80の細孔が上下方向となるよう
に把持部21を回転させ、余剰なスラリーを除去すると
きには、細孔の向きが遠心力の方向になるように把持部
21を回転させることでそれぞれ最適な細孔の向きとな
る。
【0031】触媒担体80は、両端が開口したパイプで
あって側面に複数の開口をもつパンチングチューブ状の
形態であり、スラリーがコーティングされ触媒担持層が
形成される基材となるものである。その他にも本装置1
が適用できる触媒担体80の種類や形状等が特に限定さ
れるものではなく、種々の触媒担体のコーティングに対
して本実施形態のコーティング装置1は利用され得る。
たとえば、金属箔製の平板と波板を重ねて巻回した金属
製ハニカムまたはコーディエライトなどの耐熱性セラミ
ックス製のセラミックス製ハニカムがある。いずれの触
媒担体も、排気ガスが通過する開口通路をもつことに変
わりはない。この開口通路をもつことにより、遠心力に
よって、触媒担体80の内部に入った過剰なスラリーが
遠心力によりその通路から飛散除去されることとなる。
【0032】なお、本装置1によりスラリーのコーティ
ングを行うと、触媒担体80の外側表面にもスラリーが
コーティングされる。スラリーが触媒担体80の外側表
面にコーティングされると不都合なときには、表面にあ
らかじめワックス等のスラリーに親和性を有さずスラリ
ーをはじくようなものを塗布しておくことで外側表面に
最初からスラリーが付着することを防止するか、後に触
媒担体80から容易に除去可能な被膜を形成し、スラリ
ーをコーティングした後にその被膜を除去することで余
分なスラリーも除去することができる。
【0033】余剰スラリー除去装置31、Mは、腕体2
2と接続される回転軸31と、その回転軸31を回転さ
せる動力部としてのモータMとをもつ。このモータMと
回転軸31とは直接、または加減速装置を介して接続さ
れる。動力部としては、回転数の制御が容易であるモー
タMが好適である。それは、触媒担体80の形状、種
類、スラリーの粘度等に応じて、最適な回転数等を容易
に調整できるからである。除去されるスラリーの比率
は、余剰スラリー除去装置の回転速度と回転時間とによ
り決定される。すなわち、回転速度が高い方が、また、
回転時間が高い方がより多くのスラリーが触媒担体表面
から除去される。したがって、必要とされる比率のスラ
リーが触媒担体表面から除去されるように、回転速度と
回転時間とを調節する。スラリーの粘度や触媒担体の通
路形状、種類等にもよるが、たとえば、触媒担体80を
回転数が50〜1000rpm、より好ましくは200
〜800rpmで、回転時間が1〜60秒間、より好ま
しくは3〜40秒間の条件で回転させると、触媒担体8
0に強度的な負担をかけることもなく効率的なスラリー
の飛散除去が行えて好ましい。
【0034】また、余剰スラリー除去装置31、Mによ
り触媒担体80を回転させる方向は、一方向への連続的
な回転のみならず、回転途中で方向を変更してもよい。
さらに、1回転の途中で回転方向を変更してもよい。た
とえば、180°回転を交互に行ってもよい。
【0035】昇降装置40は、回転軸31と回転軸31
に接続された保持部21、22と保持部21、22に保
持された触媒担体80とを上下方向に駆動し、スラリー
タンク10内において触媒担体80を作動空間11と貯
留されたスラリー90内とを自在に移動させる装置であ
って動力として油圧シリンダが用いられる。油圧シリン
ダを用いると装置が簡素化できるので好ましい。昇降装
置40は、少なくとも保持部21、22を駆動可能であ
れば油圧シリンダ以外にもどのようなものであってもか
まわない。たとえば、ラックとピニオンとの組み合わせ
が挙げられる。
【0036】そして、昇降装置40は、触媒担体80を
スラリータンク10内で移動させることができれば充分
であるが、さらに、触媒担体80をスラリータンク10
に挿入、取り出しができるものであってもよい。別途の
触媒担体80の挿入、取り出し装置が必要なくなり装置
を簡素化できるからである。
【0037】そして、モータM、昇降装置40、スラリ
ー循環ポンプP等を制御する目的で制御部60が設けら
れている。
【0038】本実施形態の触媒担体のコーティング装置
1により、触媒担体80にスラリーをコーティングする
方法を以下に説明する。
【0039】本実施形態のコーティング装置1によるコ
ーティング方法は、触媒担体80を把持部21に把持さ
せる設置工程と、スラリーを触媒担体80に付着させる
付着工程と、触媒担体80の余剰スラリーを除去する飛
散除去工程とからなる。触媒担体80は、その後に、コ
ーティングしたスラリーを乾燥および焼成する乾燥工程
および焼成工程を経て、スラリーのコーティングが完了
する。
【0040】設置工程は、ロボット等のマニピュレータ
等の自動化装置で行ってもよいし、個別に人間が行って
もよい。ここで、前述のように保持部21、22がスラ
リータンク10外に取り出し可能であると、作業効率が
向上して好ましい。
【0041】付着工程は、昇降装置40を作動させ、保
持部21、22を駆動することにより触媒担体80をス
ラリー90内に浸漬することにより行う。ここで、把持
部21に回転手段が設けられているときには、触媒担体
80の細孔の方向にあわせて把持部21を回転させて触
媒担体80の向きを調整する。さらに、スラリータンク
10内のスラリー90を攪拌してスラリー組成を均一に
することで最終的な触媒担体の品質も向上する。また、
スラリー循環ポンプPの流用等によってスラリーを強制
的に触媒担体80の細孔内に押し込む手段を設けている
ときには、ここで、その手段を用いて細孔内にスラリー
を押し込む。
【0042】飛散除去工程は、上記の付着工程後に触媒
担体80を昇降装置40によってスラリータンク10内
の作動空間11に移動し、作動空間11において触媒担
体80を余剰スラリー除去装置31、Mにより回転させ
ることによって触媒担体80に付着したスラリーに遠心
力を発生させ、過剰に付着したスラリーを飛散除去す
る。
【0043】乾燥工程は、付着工程、飛散除去工程を経
た後に、均一に付着しているスラリー層から水分等を除
去する工程である。乾燥工程は、自然乾燥でも、加熱に
よる強制乾燥等でもよい。
【0044】焼成工程は、乾燥工程後に、スラリー中に
含まれていたアルミナ粉末等を焼き固める工程である。
これにより、強固な触媒担持層が形成されるようにな
る。
【0045】触媒担体へのスラリーのコーティングを実
施して、触媒担持層を形成した後、触媒担持層に触媒成
分を担持させて触媒とするのが一般的である。触媒成分
には種々のものがある。たとえば、白金、ロジウム、パ
ラジウムなどの貴金属や、アルカリ金属、アルカリ土類
金属および希土類元素から選ばれるNOx吸蔵材、そし
て、セリア(セリア−ジルコニア複合酸化物等)などの
酸素吸蔵・放出材などがある。
【0046】触媒成分を触媒担持層に担持させる際に
は、貴金属化合物の水溶性塩、錯体、アルコキシドなど
を溶解した溶液、NOx吸蔵材化合物の水溶性塩、錯
体、アルコキシドなどを溶解した溶液などの薬液を用
い、吸着担持法、吸水担持法などを用いて触媒担持層に
担持させることができる。
【0047】なお、前述したように、あらかじめ触媒担
持層を形成するためのスラリーに所望の触媒成分を含有
させておき、触媒成分を含有した触媒担持層としてもよ
い。また、上述したように、本発明の触媒担体のコーテ
ィング方法は、主に均一な触媒担持層を得るために利用
できるが、これに限られるものではない。つまり、既に
形成されている触媒担持層に均一な触媒成分層を形成す
る場合にも利用することもできる。均一な触媒成分層を
形成することにより、排気ガス浄化能力向上と貴重な触
媒成分の効率的な利用が図れるからである。
【0048】本実施形態の触媒担体のコーティング装置
は、酸化触媒、還元触媒、3元触媒、NOX吸蔵型触媒
等の種々の触媒の製造に利用できる。また、本発明の触
媒担体のコーティング装置の適応対象は、自動車用エン
ジン、自動二輪車用エンジン、汎用エンジン等の排気ガ
ス浄化用触媒には限られない。たとえば、一般産業用と
して、廃棄ガスの脱臭処理用触媒、一次エネルギー発生
のための接触燃焼用触媒、窒化酸化物の脱硝用触媒等に
おける触媒担体へのスラリーコーティングにも、本発明
の触媒担体のコーティング装置は適用できる。
【0049】
【実施例】以下に、具体的な実施例を示しつつ、本発明
の触媒担体のコーティング装置およびその方法について
さらに説明する。本実施例の触媒担体のコーティング装
置として、図1に示すような触媒担体のコーティング装
置1を用意した。
【0050】〈触媒担体のコーティング装置〉本実施例
の触媒担体のコーティング装置1の構成、作用は、実施
形態で前述した通りである。
【0051】〈触媒担体へのコーティング〉上述の触媒
担体のコーティング装置1を用いて、パンチングチュー
ブ80にスラリーを以下のようにコーティングした。
【0052】パンチングチューブ80は、φ30mm
×200mm×1.0mmのステンレス製円筒パイプで
あり、両端が開口しており、またその側面にはピッチ径
6mmでφ3mmの穴が500個搾設されている。
【0053】触媒担持層を形成するためのスラリー9
0は、耐火性粉末であるアルミナ粉末100部と、バイ
ンダであるアルミナゾル30部と、水100部とを混合
して調整した。そのスラリーをスラリータンク10に蓄
えた。
【0054】制御部60により、触媒担体のコーティ
ング装置100の保持部21、22をスラリータンク1
0外に油圧シリンダ40によって移動させる。パンチン
グチューブ80の略中央部を保持部21で確実に把持す
ることで保持させた。さらに、保持部21、22を油圧
シリンダ40によりスラリータンク10内に移動させ
る。その後、油圧シリンダ40で保持部21に保持され
たパンチングチューブ80をスラリー90内に浸漬し
た。浸漬時間は、スラリーがパンチングチューブ80の
表面に充分に行き渡るのに充分な時間として5秒間とし
た。
【0055】また、この浸漬工程中、制御部60により
スラリー循環ポンプPを駆動制御して、スラリータンク
10内のスラリー90を攪拌した。
【0056】その後、スラリーの付着したパンチング
チューブ80を保持部21に保持したまま、制御部60
により油圧シリンダ40を駆動制御して、パンチングチ
ューブ80をスラリータンク10内の上部である作動空
間11に移動させ、パンチングチューブ80をスラリー
90中から引き上げて、いったん、そこでパンチングチ
ューブ80を停止した。
【0057】次に、制御部60によりモータMを駆動
制御して、回転軸31を回転させることで、保持部2
1、22、さらにはパンチングチューブ80を鉛直軸回
りに回転させて、パンチングチューブ80に過剰に付着
したスラリーを遠心力により飛散除去する。このとき、
回転軸31の回転数が500rpmで、5秒間、同一方
向に回転するように、モータMを回転させた。
【0058】次に、制御部60により油圧シリンダ4
0をさらに駆動制御して、パンチングチューブ80をス
ラリータンク10上方に移動させ、スラリータンク10
中から取り出した。そして、保持部21からパンチング
チューブ80と取り外した。
【0059】なお、その後に、乾燥工程と焼成工程と
を行った。乾燥工程では、電気炉を用いて、250℃で
1時間の乾燥を行い、焼成工程では、焼成炉を用いて、
500℃で1時間の焼成を行った。
【0060】〈評価〉焼成工程後のパンチングチューブ
80を目視的に観察すると、パンチングチューブ80の
表面に触媒担持層が均一に形成され、スラリーのムラ、
スラリー溜まり、ひび割れ等は観測されなかった。具体
的には、触媒担持層の目標厚さを30μmとした場合、
従来の方法では触媒担持層の厚さが20〜80μmとば
らついていたのに対し、本発明の触媒担体のコーティン
グ装置を用いた場合には触媒担持層の厚さが25〜40
μmとなった。
【0061】
【発明の効果】本発明の触媒担体のコーティング装置に
よれば、触媒担体に付着した過剰なスラリーを効率よく
除去し、触媒担体にほぼ均一なスラリー層、さらには触
媒担持層を形成することができると同時に、主要な工程
をスラリータンク内で行うことができるので、無駄なく
スラリーを使用できるという効果を有する。
【0062】また、本発明の触媒担体のコーティング装
置は、あらゆる種類、形状、大きさの触媒にも利用が可
能であり、汎用性、量産性に優れるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒担体のコーティング装置を示した模式断面
図である。
【符号の説明】
1…触媒担体のコーティング装置 10…スラリータンク 11…作動空間 21…保持部(把持部) 22…保持部(腕体) 31…余剰スラリー除去装置(回転軸) M…余剰ス
ラリー除去装置(モータ) 40…昇降装置(油圧シリンダ) P…スラリー循環ポンプ 60…制御部 80…触媒担体(パンチングチューブ) 90…スラリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D057 AA16 AB01 AC05 AD01 AD05 AE02 AF01 BB01 BB11 4G069 AA08 BA01B BA18 EA06 EB14Y EB15Y FA03 FB15 FB18 FB20 FB30 FB57 FB79

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に作動空間をもち下方にスラリーを
    貯留するスラリータンクと、 触媒担体を保持する保持部と、 該作動空間内で該保持部を回動し該触媒担体に遠心力を
    与える余剰スラリー除去装置と、 該保持部を上下方向に駆動し、上記触媒担体を貯留され
    たスラリーに浸漬する昇降装置と、を有することを特徴
    とする触媒担体のコーティング装置。
  2. 【請求項2】 さらに前記スラリータンクの内部に貯留
    されたスラリーを循環させる循環手段を有する請求項1
    に記載の触媒担体のコーティング装置。
JP2000023758A 2000-02-01 2000-02-01 触媒担体のコーティング装置 Pending JP2001212477A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000023758A JP2001212477A (ja) 2000-02-01 2000-02-01 触媒担体のコーティング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000023758A JP2001212477A (ja) 2000-02-01 2000-02-01 触媒担体のコーティング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001212477A true JP2001212477A (ja) 2001-08-07

Family

ID=18549870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000023758A Pending JP2001212477A (ja) 2000-02-01 2000-02-01 触媒担体のコーティング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001212477A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005270714A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 排ガス浄化材及びその製造方法
JP2007007496A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Cataler Corp スラリーの粘度の調整方法および触媒用コーティングスラリー
KR100999803B1 (ko) 2008-10-16 2010-12-08 광주과학기술원 담체 코팅 장치
JP2013078744A (ja) * 2011-10-05 2013-05-02 Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute スラリー状触媒液の付着装置
JP2019529079A (ja) * 2016-09-02 2019-10-17 ダウ テクノロジー インベストメンツ リミティド ライアビリティー カンパニー エポキシ化触媒を調製するためのプロセス
WO2023015884A1 (zh) * 2021-08-13 2023-02-16 交通运输部天津水运工程科学研究所 一种能够使高粘度浆液液面齐平的催化剂涂覆装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005270714A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 排ガス浄化材及びその製造方法
JP2007007496A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Cataler Corp スラリーの粘度の調整方法および触媒用コーティングスラリー
KR100999803B1 (ko) 2008-10-16 2010-12-08 광주과학기술원 담체 코팅 장치
JP2013078744A (ja) * 2011-10-05 2013-05-02 Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute スラリー状触媒液の付着装置
JP2019529079A (ja) * 2016-09-02 2019-10-17 ダウ テクノロジー インベストメンツ リミティド ライアビリティー カンパニー エポキシ化触媒を調製するためのプロセス
JP7100021B2 (ja) 2016-09-02 2022-07-12 ダウ テクノロジー インベストメンツ リミティド ライアビリティー カンパニー エポキシ化触媒を調製するためのプロセス
WO2023015884A1 (zh) * 2021-08-13 2023-02-16 交通运输部天津水运工程科学研究所 一种能够使高粘度浆液液面齐平的催化剂涂覆装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100081563A1 (en) Adhesion and coating integrity of washcoats and overcoats
JP2001054737A (ja) 触媒担体のコーティング方法
JP2001212477A (ja) 触媒担体のコーティング装置
CN106714985B (zh) 快速均匀涂覆方法
CN111148570B (zh) 载体涂料悬浮液的非接触调平
CA2605285A1 (en) Device and method for coating substrates with catalytically active materials
KR20060069858A (ko) 코팅된 기판 및 그의 제조 방법
JP4368491B2 (ja) 触媒用スラリーのコート装置
JP5818619B2 (ja) スラリー状触媒液の付着装置
JP2000202342A (ja) 触媒用スラリ―のコ―ト装置
CN110354855B (zh) 一种除尘脱硝一体化无机膜管及其制备方法
JP7220676B2 (ja) コーティング装置及び方法
JPWO2017208794A1 (ja) 被膜付円柱形ハニカム構造体の製造方法および触媒の製造方法
EP3400108B1 (en) Method and apparatus for coating an end surface of a monolithic substrate
EP4201518A1 (en) Method and apparatus for production-scale platinum-group-metal deposition
JPS62117633A (ja) モノリス触媒の製造方法
EP4299194A1 (en) Coating apparatus
CN1852766A (zh) 涂布基材及其制备方法
CN201579057U (zh) 一种汽车尾气催化剂涂层快速热定型装置
CN115090335A (zh) 一种催化剂涂覆设备及涂覆方法
JP2009179536A (ja) 二酸化チタン繊維の製造方法及び装置
JP2008029910A (ja) モノリス触媒およびその製造方法
CN108043392A (zh) 贵金属掺杂钙钛矿的氧化反应装置
JPH10272338A (ja) 排気ガス浄化用触媒担持フィルタ及びその製造方法