JP5818619B2 - スラリー状触媒液の付着装置 - Google Patents

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Description

本発明はスラリー状触媒液の付着装置に係り、特に有害ガスを浄化するためのハニカム構造の触媒担持担体の製造において、担体にスラリー状触媒液を遠心力を利用して均一に付着させる技術に関する。
各種化学工場や、エンジンの排気ガスに含まれる揮発性有機化合物(以下「VOC」という。)などの有害ガスを浄化する方法として、直接燃焼法、蓄熱燃焼法、触媒燃焼法などが実用化されている。
直接燃焼法は、化石燃料を用いて有害ガスを燃焼させ、水と二酸化炭素に分解するもので、処理性能は高いが燃料消費量が大きく、有害な各種の窒素酸化物等が発生する。
また、蓄熱燃焼法は熱効率が高いが、装置質量、形状が大きく、また、予備運転が必要なため間欠運転には不向きである。
また、触媒燃焼法は200〜400℃の低温で運転され、コンパクトで、間欠運転にも適用でき、自動車の排気ガス浄化用に、小規模のVOC発生源の対策などに多用されている。
この触媒燃焼法に使う触媒の成形方法としては、一体成形法と付着成形法とがある。
一体成形法は、触媒成分と結着材などの原料及び水などを混合して、金型と押出成形機を用いて成形物を成形する方法であるが、設備費が高いため製造費が高く、機械強度も必ずしも好ましくない。
一方、付着成形法は、触媒成分を担体表面に付着させる方法で、触媒成分と水などを混合したスラリー状触媒液中に、セラミック又は金属の担体を浸漬させた後、担体に付着した余剰なスラリー状触媒液を除去して、乾燥・焼成工程を経て製品化される。
担体の形状としては、三次元網目状担体やハニカム構造の担体が使用されている。ハニカム構造の担体は、セル数が200〜700セル/inchで、各セルの開口寸法は一辺が1.5mm以下で、セル壁の厚さは0.3mm以下の薄板である。そして、セル壁はセラミック材微粒子の結合体のため、壁内部には数μm〜数十μmの多数の孔が存在する。
有害ガス浄化用触媒に要求される性能は、触媒処理性能と運転時の通気抵抗及び触媒材の均一性などである。通気抵抗は浄化ガスをセル内に流した時の風速による圧力損失で、セル内開口面積と表面の粗さなどで決定されるため、触媒成分が均一にセル壁表面に付着していることが要求される。
付着成形法は、上記したように、担体にスラリー状触媒液を付着させる浸漬工程、担体に付着した余剰のスラリー状触媒液の脱水工程、乾燥工程、焼成工程から構成されている。スラリー状触媒液は、浄化する物質に応じて各種成分のものがあるが、代表的なものとして、固形分が40〜60質量%程度、粘性が20〜500cP程度、スラリー比重は1.1〜2.0g/ml、触媒成分の固体粒子径は数μm以下の懸濁液が通常使用される。
担体の表面にスラリー状触媒液を均一に付着させるための各種方法が提案されている。
例えば特許文献1では、高圧空気を担体の長手方向から吹付ける。このとき、担体下部のセル開口面の触媒スラリー薄膜を除去するために担体を斜めに配置している。特許文献2では、吸引法によってセル内に付着した膜厚を均一にするために、吸引上流部に流量調整板を設けている。特許文献3では、高価な白金触媒などを担体に付着させる方法で、担体へのスラリー状触媒液の付着(浸漬工程に相当)と脱水工程を1台の装置で実施している。
特開2004−160436号公報 特開2004−141703号公報 特開1995−328454号公報
しかしながら、上記した特許文献1〜3の方法はi)液切りのバラツキ、ii)脱水装置セット時の時間によるバラツキ、iii)浸漬工程と脱水工程の個々のバラツキ、については解決できるが、担体形状が違う場合には数種類の装置が必要になる。この結果、高価な装置となり、触媒製造価格が高くなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、揮発性有機化合物(VOC)を分解する触媒担持担体の製造過程において、ハニカム構造の複数の担体にスラリー状触媒液を均等に付着させることができるスラリー状触媒液の付着装置を提供することを目的とする。
本発明のスラリー状触媒液の付着装置は前記目的を達成するために、担体表面に多数のセルがハニカム構造に形成された担体に、スラリー状触媒液を付着させる付着装置において、垂直方向に立設された回転軸と、前記回転軸に水平方向に支持された複数本のアームと、前記複数本のアームの先端部にそれぞれ支持され、前記担体を収納するとともに前記スラリー状触媒液を排出可能な構造を有する担体収納ケースと、前記担体収納ケースに前記スラリー状触媒液を供給するスラリー液供給ラインと、前記担体収納ケースから前記スラリー状触媒液を排出するスラリー液排出ラインと、を備え、前記担体をセル深さ方向が垂直状態になるように前記担体収納ケースにセットして前記スラリー状触媒液を供給して前記担体を浸漬させた後、前記担体をセル深さ方向が水平方向になるように姿勢を変え、この状態で前記回転軸を回転させて遠心力を作用させることによって余剰のスラリー状触媒液を前記担体収納ケースから排出することを特徴とする。
表面に多数のセルを有するハニカム構造の担体に、スラリー状触媒液を均一に付着させようとしても、多角形のセルのコーナ部分の表面張力や、あるいは担体材料による吸水性(例えばセラミクス担体の場合)等によって、スラリー状触媒液が局所的に溜まり易くなり、均一にスラリー状触媒液を付着するのが難しい。
そこで本発明によれば、回転軸のアームに取り付けた複数の担体収納ケースにそれぞれ、ハニカム構造の担体とスラリー状触媒液を入れ、担体の姿勢を変えながら、遠心力を作用させて担体上に付着した余剰の触媒スラリーを除去するようにした。
即ち、ハニカム構造の担体をセルの深さ方向が垂直状態の時に、担体をスラリー状触媒液に浸漬させることでセル内にスラリー状触媒液を注入する。このとき、セル内の空気は浮上して上方に押し出されるので、セル内にスラリー状触媒液が確実に充満する。次いで、セルの深さ方向が水平になるように担体の姿勢を変えて、この状態で回転軸を回転させて担体に遠心力を作用させると、セル内の余剰のスラリー状触媒液は担体の外部に流出する。そして、本発明の付着装置は、複数の担体収納ケースに収納したそれぞれの担体について上記した操作を同時に行うことができる。
これにより、揮発性有機化合物(VOC)を分解する触媒担持担体の製造過程において、ハニカム構造の複数の担体にスラリー状触媒液を均等に付着させることができる。
なお、ハニカム構造は、一般的には六角柱形状のセルが隣接した状態で形成されたものを指すが、本発明では六角柱形状に限定されず多角柱であればよく、例えば四角柱も含む。
本発明の付着装置においては、前記付着装置は質量計を備え、前記質量計によって、複数の担体収納ケースに供給するスラリー状触媒液の合計供給量と、複数の担体収納ケースから排出されるスラリー状触媒液の合計排出量とを測定し、該測定値に基づいて前記遠心力の大きさ及び前記遠心力を作用させる時間の少なくとも一方を変えることによって、前記担体に付着させるスラリー状触媒液の付着量を制御することが好ましい。
即ち、複数の担体収納ケースへのスラリー状触媒液の供給量と排出量とを測定することによって、担体に付着したスラリー状触媒液の正確な付着量を知ることができる。そして、予めスラリー状触媒液の付着量と遠心力の大きさの関係、あるいは付着量と遠心力を作用させている時間との関係を把握しておくことによって、所望の付着量とするための回転数と時間を適正に管理することができる。これにより、複数の担体にスラリー状触媒液を所望の付着量で且つ均一になるように付着させることができる。
本発明の付着装置においては、前記担体を浸漬させた後、前記担体をセル深さ方向が水平方向になるように姿勢を変える前に、前記回転軸を5〜10rpmの回転数で回転させることが好ましい。
これにより、担体のセル内から空気を効率的に排出することができるので、セル内にスラリー状触媒液を確実に充満させることができる。
本発明のスラリー状触媒液の付着装置によれば、揮発性有機化合物(VOC)を分解する触媒担持担体の製造過程において、ハニカム構造の複数の担体にスラリー状触媒液を均等に付着させることができる。
本発明のスラリー状触媒液の付着装置の部分断面図 付着装置のアームと担体収納ケースを説明する説明図 ピストンシリンダを伸長させてロープを引っ張った図 付着装置のコントローラに組み込まれたステップフローを説明する説明図 付着装置を用いて複数の担体にスラリー状触媒液を付着させた際の付着量のバラツキを調べた表図 担体のセル内に付着された膜厚のバラツキを測定した表図 担体のセル内に付着された膜厚の測定箇所を示す図 図1の本発明のスラリー状触媒液の付着装置の変形例を説明する説明図
次に添付図面にしたがって、本発明に係るスラリー状触媒液の付着装置の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、スラリー状触媒液の付着装置10の構成を説明する部分断面図である。
図1に示すように、基台8上に回転軸5が立設されるとともに、回転軸5の下端部が下部軸受7により支持され、中段部が上部軸受6によって回転自在に支持される。また、基台8上の回転軸5近傍にモータ12が配置され、モータ12の回転駆動力は動力伝達部材13(例えばギア等)によって、回転軸5に伝達される。これにより、モータ12を駆動させることにより、回転軸5が回転する。
図2に示すように、回転軸5には、複数本のアーム4が回転軸5を中心に放射状に延設されるとともに、複数本のアーム4先端部下側には担体収納ケース2がそれぞれ支持される。図2は、回転軸を中心に45°間隔で8本のアーム4を取り付けた場合であるが、アームの数には限定されない。
図1に戻って、担体収納ケース2は、多数の開口22Aが形成された仕切壁22で担体収納部2Aと排出部2Bとの2つの区域に仕切られ、担体収納部2Aに、担体表面に多数のセル1A(孔)を有するハニカム構造の担体1が収納される。また、排出部2Bの底面には、丸孔排出口23(図3参照)が形成されるとともに、丸孔排出口23には球状のボール弁19が嵌合されている。
回転軸5の上端部には、ピストンシリンダ24が設けられるとともに、ロッド先端にはロープ26(例えばナイロンロープ)が支持される。このロープ26は、複数の滑車25を介して延設されるとともに、途中で2本に分岐する。分岐された1本目のロープ26Aの先端は担体収納部2Aの底部まで延びて、担体1に着脱自在に係合される。また分岐した2本目のロープ26Bの先端は排出部2Bまで延びて、ボール弁19に連結される。これにより、図3に示すように、ピストンシリンダ24のロッドが伸長すると、ロープ26A、26Bが引っ張られるので、担体1が寝た状態から起立した状態になるとともに、ボール弁19が丸孔排出口23から外れて丸孔排出口23が開放される。
基台8の近傍には、触媒成分等を水に懸濁させたスラリー状触媒液16を貯留する貯留容器9が設けられる。貯留容器9に貯留されたスラリー状触媒液16は、供給配管17を介してポンプ11によって担体収納ケース2上方に配置された供給ノズル14に送液される。これにより、ポンプ11を稼働すると、貯留容器9に貯留されたスラリー状触媒液16が担体収納ケース2に供給される。
担体収納ケース2の下方には、担体収納ケース2から排出された余剰のスラリー状触媒液を受ける受け槽3が設けられ、この受け槽3は支柱21を介して基台8に支持される。
そして、この受け槽3と貯留容器9とが排出配管18を介して連結される。これにより、受け槽3に排出された余剰のスラリー状触媒液は排出配管18を流下して貯留容器9に送られる。
また、貯留容器9は質量計15の上に載置され、この質量計15によって貯留容器9に貯留されるスラリー状触媒液16の増減が連続的に計測される。したがって、供給配管17及び排出配管18の荷重が貯留容器9に加わらないように、供給配管17及び排出配管18の貯留容器9の近傍がフレキシブルホース17A、18Aによって形成される。
上記したモータ12、ピストンシリンダ24、質量計15、及びポンプ11は信号ケーブル28を介してコントローラ27に接続され、コントローラ27からの指令信号によって駆動される。
次に、上記の如く構成されたスラリー状触媒液の付着装置10を用いて、担体収納ケース2にそれぞれ収納した担体1にスラリー状触媒液を均一に付着させるステップを、図4のステップフローに基づいて説明する。なお、図4のステップフローはコントローラ27に組み込まれている。
まず、付着装置10を運転する前に、担体収納ケース2の担体収納部2Aに担体1をセットする。この場合、図1に示すように、ハニカム構造の担体1のセル(孔)1Aの深さ方向が垂直方向になるようにセットする。そして、担体収納ケース2に延設されたロープ26Aの先端を担体1に係合する。この場合、ピストンシリンダ24のロッドは縮状態にあり、ボール弁19により丸孔排出口23が封止されている。また、貯留容器9には、スラリー状触媒液16が貯留されている。貯留されているスラリー状触媒液16としては、例えば触媒成分としてCo・Ce系の酸化物触媒を水に懸濁し、固形分濃度が55質量%の触媒液を好適に使用できる。また、このスラリー状触媒液16は、pH3、液比重1.7、粘性100cPとなることが好ましい。
これによって、運転準備が完了したので、コントローラ27に、複数の担体収納ケース2に供給するスラリー状触媒液16の合計量を示す初期液質量(Wi)、担体1の個数(n:例えば8個)、1つの担体1に付着させるスラリー状触媒液16の質量(m)、及び8個の担体1に付着させるスラリー状触媒液16の合計質量Wf(n*m)を入力する(ステップ1〜4)。この入力によって、付着装置10の運転が自動的に起動する(ステップ5)。
次に、コントローラ27は、モータ12を起動して回転軸5を間欠的に所定回転角度だけ回転させ、担体収納ケース2が供給ノズル14の定位置まで移動させる(ステップ6)。間欠的に所定回転角度だけ回転させるには、例えばリミットスイッチを好適に使用できる。そして、コントローラ27は、担体収納ケース2が定位置かどうかを判定し(ステップ7)、定位置の場合(YES)にはステップ8に進み、定位置でない場合(NO)には再びモータ12によって回転軸5を間欠的に所定回転角度だけ回転させて定位置にする。
ステップ8では、ポンプ11をタイマー機構により一定時間駆動して停止する(ステップ8)。これにより、スラリー状触媒液16を担体収納ケース2に供給し、担体1をスラリー状触媒液中に浸漬させる浸漬工程を行う。浸漬の程度としては、スラリー状触媒液の液面が、寝た状態の担体1の上面よりも数cm高くなるようにすることが好ましい。この、ステップ6〜ステップ8を繰り返して、全ての担体収納ケース2に収納された担体1をスラリー状触媒液16中に浸漬させる(ステップ9)。
次に、コントローラ27は、モータ12を駆動して回転軸5を低速度で一定時間回転させることによって、担体1のセル1A内の空気を排出する(ステップ10)。回転軸5の回転数は5〜10rpm(例えば6rpm)の範囲で行うことが好ましい。これによって、担体収納ケース2中のスラリー状触媒液16に0.1〜0.2m/秒の見掛け流速が発生し、セル1A中の空気が抜け易くなる。回転軸5を回転させる時間については、予め予備試験等により決定することができる。この場合、担体収納ケース2内に、セル1Aの深さ方向が垂直方向になるように担体1を収納しているので、セル1A中の空気は浮上して脱気される。したがって、回転軸5を回転させないでセル1A内の空気を自然浮上させて脱気することも可能であるが、上記のようにスラリー状触媒液に0.1〜0.2m/秒の見掛け流速を形成することで、セル1A中の空気を短時間で脱気することができる。
次に、コントローラ27は、ピストンシリンダ24を起動して、ロッドを所定ストローク長に伸長させて停止する(ステップ11〜13)。これにより、ロープ26が引っ張られるので、図3に示すように、寝ていた担体1はセル1Aが形成されている担体面が仕切壁22に当接するように起立するとともに、丸孔排出口23からボール弁19が外れる。したがって、担体1のセル1Aは水平方向、遠心力方向に向くことになる。
次に、脱水工程を行う。即ち、担体収納ケース2内に溜まっている余剰のスラリー状触媒液16は、仕切壁22の開口22Aから丸孔排出口23を介して貯留容器9に自然落下して脱水される。また、コントローラ27は、モータ12を起動して、回転軸5を中心にアーム4先端部に支持された担体収納ケース2を回転させるとともに、立ち上げタイマーをONにする。そして、担体1に付与される遠心力が設定遠心力の20〜30Gになるまで、回転軸5の回転数を一定加速度で上昇させる(ステップ14〜16)。これにより、担体1に付着している余剰のスラリー状触媒液16(例えばセル内の余剰のスラリー状触媒液16)も担体収納ケース2から排出されて貯留容器9に自然落下して脱水される。
したがって、コントローラ27は、貯留容器9を載置する質量計15の計測をスタートし、脱水工程中に変化する質量計15の質量変化をチェックする。即ち、上記した初期液質量(Wi)のうち担体1に付着しない余剰のスラリー状触媒液16である余剰液質量(W)が、次式(1)の範囲に入るようにチェックする(ステップ17〜18)。
[数1] Wi−Wf*1.03<W<Wi−Wf*0.97…式1
そして、コントローラ27は、上記式1の範囲に入ったら、モータ12を停止して担体1に付与する遠心力を停止する。また、ピストンシリンダ24を停止してロープ26を緩め、担体1を寝かすとともにボール弁19で丸孔排出口23を封止する(ステップ19〜21)。
これにより、付着装置10による担体1へのスラリー状触媒液16の付着(付着)が終了する。
このようにスラリー状触媒液16が付着された担体1は、乾燥炉(図示せず)において所定温度及び時間(例えば250℃で60分)で乾燥・焼成され、触媒担持担体が製造される。
図5は、16個のハニカム状のセラミックス担体にCo・Ce系のスラリー状触媒液16を、本実施の形態で説明した付着装置10を使用して図4のステップに沿って付着させ、250℃で60分乾燥させた後の触媒成分の付着質量を示したものである。
なお、担体1は、縦・横が150mm角で厚みが50mmのセラミクス担体を使用した。このセラミクス担体はセル数が200で、開口率が67%であり、質量が約648gである。そして、一度に4個の担体1を付着装置10にセットしたものを1バッチとして、4回の試験を行った。即ち合計16個の担体1にスラリー状触媒液16を付着させた。
触媒成分としては、Co・Ce系の酸化物触媒を水に懸濁し、固形分濃度が55質量%の触媒液を使用した。このスラリー状触媒液16は、pH3、液比重1.7、粘性100cPであった。また、回転軸5に支持されたアーム4を介して対向する担体の中心間距離は640mmとし、浸漬工程での回転軸5の回転数を6rpmとした。また、脱水工程での設定遠心力を20Gとするとともに、設定遠心力になるまでの立ち上がり時間を20秒、設定時間での持続時間を25秒、遠心力が停止するまでの時間を22秒に設定した。
図5から分かるように、触媒成分の平均付着質量44g/担体リットルに対して±1gのバラツキ範囲であり、16個の担体1について略均等に触媒成分を付着することができた。
また、図6は、担体1のセル1A(四角孔)に付着された触媒成分の膜厚を顕微鏡で測定したものであり、図7の8箇所(A〜H)における膜厚を測定した。
その結果、付着した触媒成分の膜厚はコーナ部(B,D,F,H)以外のセル面(A,C,E,G)において略3μmで均一な厚みであった。また、コーナ部はセル面に比べて膜厚が10〜12μmと厚くなったが、厚みのバラツキは略なかった。
また、付着装置10に担体1をセットした時から脱水工程が終了までの時間は約3分であり、極めて短時間で複数の担体1に均等にスラリー状触媒液16を付着させることができた。
図8の付着装置50は、図1で示した付着装置10の変形例であり、下記に説明しない基本的な構成は図1と同様である。
図8に示すように、密閉可能な容器42の中に、複数本のアーム4を水平方向に備えた回転軸5が立設され、アーム4の先端に垂直面上で回動できるように担体収納ケース2を回動機構41に着脱自在に支持した場合である。即ち、回動機構41は、担体収納ケース2を倒立状態、垂直方向に垂下した垂下状態、及び水平状態の3つの状態に保持することができるように構成される。担体収納ケース2aは倒立状態を示し、この状態で担体収納ケース2の蓋40を開けて担体1をセットするとともに、スラリー状触媒液16を供給する。この場合、セル1Aが垂直方向を向くように担体1を担体収納ケース2にセットする。スラリー状触媒液16を供給し終わったら蓋40を閉める。蓋40にはスラリー状触媒液16が流出する孔が形成されている。これにより、担体1をスラリー状触媒液16に浸漬させる浸漬工程を行う。
次に、回転軸5を駆動して担体収納ケース2aを回動して垂下状態にする。垂下状態の担体収納ケースを2cで示す。この垂下状態の時にも、余剰のスラリー状触媒液16は、受け槽3に流下する。
次に、回転軸5を高速駆動して担体収納ケース2cを回動して水平状態にする。水平状態の担体収納ケースを2bで示す。このとき、担体1のセル1Aは蓋40の側を向く。この状態で脱水工程を行う。脱水工程において、担体収納ケース2から排出される余剰のスラリー状触媒液16は、受け槽3に流下する。
受け槽3に溜まった余剰のスラリー状触媒液は、図1と同様に、貯留容器9に排出され、質量計15によって測定される。
このように、図8に示す変形例の付着装置50の場合にも、図1で示した付着装置10と同様の作用効果を奏することができる。また、図8の付着装置50は、担体収納ケース2をアーム4から取り外すことができるので、作業の自動化が容易になる。
本発明は空気中に含まれるVOCや自動車排気ガスを浄化するハニカム担体にスラリー状触媒液を遠心力を利用して均一に付着させる装置であり、担体への触媒付着量を制御できかつ製品毎のバラツキが少なく極めて有効な発明であって、産業上の利用が可能である。
1…担体、1A…セル、2…担体収納ケース、3…受け槽、4…アーム、5…回転軸、6…上部軸受、7…下部軸受、8…基台、10…付着装置、12…モータ、13…動力伝達部材、14…供給ノズル、15…質量計、16…スラリー状触媒液、17…供給配管、18…排出配管、19…ボール弁、21…支柱、22…仕切壁、23…丸孔排出口、24…ピストンシリンダ、25…滑車、26…ロープ、27…コントローラ、40…蓋、41…回動機構、42…密閉容器、50…付着装置の変形例

Claims (3)

  1. 担体表面に多数のセルがハニカム構造に形成された担体に、スラリー状触媒液を付着させる付着装置において、
    垂直方向に立設された回転軸と、
    前記回転軸に水平方向に支持された複数本のアームと、
    前記複数本のアームの先端部にそれぞれ支持され、前記担体を収納するとともに前記スラリー状触媒液を排出可能な構造を有する担体収納ケースと、
    前記担体収納ケースに前記スラリー状触媒液を供給するスラリー液供給ラインと、
    前記担体収納ケースから前記スラリー状触媒液を排出するスラリー液排出ラインと、を備え、
    前記担体をセル深さ方向が垂直状態になるように前記担体収納ケースにセットして前記スラリー状触媒液を供給して前記担体を浸漬させた後、前記担体をセル深さ方向が水平方向になるように姿勢を変え、この状態で前記回転軸を回転させて遠心力を作用させることによって余剰のスラリー状触媒液を前記担体収納ケースから排出することを特徴とするスラリー状触媒液の付着装置。
  2. 前記付着装置は質量計を備え、
    前記質量計によって、複数の担体収納ケースに供給するスラリー状触媒液の合計供給量と、複数の担体収納ケースから排出されるスラリー状触媒液の合計排出量とを測定し、該測定値に基づいて前記遠心力の大きさ及び前記遠心力を作用させる時間の少なくとも一方を変えることによって、前記担体に付着させるスラリー状触媒液の付着量を制御することを特徴とする請求項1に記載のスラリー状触媒液の付着装置。
  3. 前記担体を浸漬させた後、前記担体をセル深さ方向が水平方向になるように姿勢を変える前に、前記回転軸を5〜10rpmの回転数で回転させることを特徴とする請求項1又は2に記載のスラリー状触媒液の付着装置。
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