JP2000202342A - 触媒用スラリ―のコ―ト装置 - Google Patents

触媒用スラリ―のコ―ト装置

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JP2000202342A
JP2000202342A JP11006789A JP678999A JP2000202342A JP 2000202342 A JP2000202342 A JP 2000202342A JP 11006789 A JP11006789 A JP 11006789A JP 678999 A JP678999 A JP 678999A JP 2000202342 A JP2000202342 A JP 2000202342A
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Japan
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slurry
catalyst
gas
carrier
coating
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JP11006789A
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English (en)
Inventor
Katsuyoshi Sudo
勝義 須藤
Yoshihiro Rachi
由浩 良知
Yoshihiko Sano
嘉彦 佐野
Hironao Kawai
裕直 河合
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Cataler Corp
Original Assignee
Cataler Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 触媒担体へスラリーをコートしたときのコー
ト量を制御できる触媒スラリーのコート装置を提供す
る。 【解決手段】 触媒担体にスラリーをコートするコート
手段と、スラリーの粘度を所定の範囲に維持するスラリ
ー調整手段と、スラリー調整手段からコート手段にスラ
リーを供給および排出するスラリー供排手段と、スラリ
ーをコートする前後での触媒担体の重量を計測する重量
計測手段と、スラリーをコートしたスラリーコート担体
に指示された吹き払い条件で加圧されたガスを吹き付け
て余分なスラリーを吹き払って除去するスラリー吹き払
い手段と、重量計測手段およびスラリー吹き払い手段と
接続され、コートされたスラリーのコート量を算出する
とともに、コート量によりスラリー吹き払い手段におい
て触媒担体に吹き付けられるガス吹き払い条件でガスを
調節する演算手段と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒用スラリーを
触媒担体にコートする触媒用スラリーのコート装置に関
し、詳しくは、触媒担体へのコート量を制御する触媒用
スラリーのコート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジン等の内燃機関から排出
される排気ガスは、炭化水素(HC)、一酸化炭素(C
O)、窒素酸化物(NOx)等の有害成分を含有してい
る。この排気ガスをそのまま排出することは、公害や環
境の悪化を引き起こす。このため、これらの排気ガスは
触媒コンバータ等を用いて浄化された後に大気中に排出
されている。
【0003】触媒コンバーターは、耐熱性セラミック
ス、耐熱性金属等で形成された触媒担体と、この触媒担
体表面に塗布された耐熱性多孔質層と、この多孔質層に
担持された触媒成分と、から構成されている。触媒コン
バーターの多孔質層は、触媒成分を含有したあるいは含
有しない耐熱性粉末のスラリーを触媒担体に接触、含浸
させることで製造されている。
【0004】触媒コンバーターは、排気ガスの浄化を目
的としているため、浄化される排気ガスとの接触面積が
大きくなるように形成されている。このことは、微視的
には触媒成分が耐熱性多孔質層に担持されることで、巨
視的には触媒担体自身の表面積が大きくなるように形成
されている。触媒担体自身の表面積を上げた例として
は、耐熱性セラミックス基材等により製造されたモノリ
スハニカム触媒担体をあげることができる。モノリスハ
ニカム担体は、排ガスの流れる流路をハニカム状のセル
により区画することで排ガスとの接触面積を大きくして
いる。ハニカム担体においても、触媒担体に耐熱性粉末
のスラリーを接触、含浸させて耐熱性多孔質層を形成し
ている。
【0005】しかし、耐熱性多孔質層を形成するスラリ
ーは、粘性を有しているため管状通路内への導入や、管
状通路からの排出が容易ではなかった。このような、多
数の管状通路を有する触媒担体に粘性を有するスラリー
をコートする方法としては、スラリーを管状通路の一端
側に配置し、このスラリーに圧力を加えることで管状通
路内に塗布する方法が一般的である。
【0006】このスラリーのコート方法としては、スラ
リーに加えられる圧力の向きにより吸引コート法と、加
圧コート法とに大別される。ここで、吸引コート法と
は、触媒担体の一端部側に配置したスラリーを他端側か
ら管状通路を介して吸引して管状通路内にスラリーを供
給したの地に余分なスラリーを排出するコート方法であ
る。また、加圧コート法とは、触媒担体の一端部側に配
置されたスラリーを加圧して管状通路内に圧入して管状
通路内にスラリーを供給した後に余分なスラリーを排出
するコート方法である。
【0007】例えば、特公昭60−28695公報に
は、吸引コート法によるスラリー塗布方法および装置が
開示されている。このスラリー塗布方法は、モノリス担
体の上端にスラリーを配置し、下端側からスラリーを吸
引することで、管状通路内に粘性のスラリーを供給する
とともに余分なスラリーを排出してスラリーを触媒担体
に塗布する方法が、スラリー塗布装置にはこの塗布方法
によるスラリー塗布装置が示されている。
【0008】また、吸引コート法の別の例が、特許第2
737837号に開示されている。このスラリー塗布方
法は、触媒担体の下端をスラリー溶液に浸漬し、上端か
ら触媒担体の管状通路を通してスラリーを吸引する方法
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特公昭60−2869
5号および特許第2737837号に開示されたスラリ
ー塗布装置は、管状通路にスラリーを供給するために他
端からスラリーを吸引している。また、このスラリーを
吸引する吸引力を用いて管状通路内のスラリーの排出も
行っている。すなわち、このまま吸引をつづけることで
管状通路からのスラリーの排出が行われる。管状通路か
らのスラリーの排出は、管状通路内のスラリーが管状通
路をふさいでセル詰まりを起こすことを防いでいる。
【0010】また、これらのスラリー塗布装置では、ス
ラリーの排出とともに余分なスラリーが除去されてい
た。スラリーの排出は、一定の時間および圧力で吸引す
ることによりなされるため、触媒担体にコートされたス
ラリーのコート量にばらつきが生じるという問題を有し
ていた。コート量にばらつきが生じると、触媒コンバー
タとして用いたときにその排ガス浄化性能にばらつきが
生じるようになる。
【0011】本発明は上記実状に鑑みてなされたもので
あり、触媒担体へスラリーをコートしたときのコート量
を制御できる触媒スラリーのコート装置を提供すること
を課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らは、触媒担体へのスラリーのコート量を一
定とする方法について検討を重ねた結果、触媒担体に塗
布されたスラリーの過剰分を除去するときに、触媒担体
に付着しているスラリーのコート量を測定し、測定され
たコート量のフィードバックによりスラリーの除去量を
制御した装置とすることで上記課題を解決できることを
見出した。
【0013】すなわち、本発明の触媒用スラリーのコー
ト装置は、軸方向に管状通路を有する触媒担体に触媒用
スラリーをコートするコート手段と、触媒用スラリーの
粘度を所定の範囲に維持するスラリー調整手段と、スラ
リー調整手段からコート手段に触媒用スラリーを供給お
よび排出するスラリー供排手段と、コート手段において
触媒用スラリーをコートする前後での触媒担体の重量を
計測する重量計測手段と、コート手段で触媒担体にスラ
リーをコートしたスラリーコート担体に指示された吹き
払い条件で加圧されたガスを吹き付けて余分なスラリー
を吹き払って除去するスラリー吹き払い手段と、重量計
測手段およびスラリー吹き払い手段と接続され、コート
手段により触媒担体にコートされたスラリーのコート量
を算出するとともに、コート量によりスラリー吹き払い
手段において触媒担体に吹き付けられるガス吹き払い条
件でガスを調節する演算手段と、を有することを特徴と
する。
【0014】本発明の触媒用スラリーのコート装置は、
コート手段の前後での触媒担体の重量を計測して吹き払
い手段におけるガスを制御するため、触媒担体にコート
された余分なスラリーのみを吹き払うことができる。こ
のため、触媒担体にコートされるスラリー量を一定の値
にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の触媒用スラリーのコート
装置は、コート手段と、スラリー調整手段と、スラリー
供排手段と、重量計測手段と、スラリー吹き払い手段
と、演算手段と、を有する。コート手段は、軸方向に管
状通路を有する触媒担体に触媒用スラリーをコートする
手段である。コート手段は、触媒担体の管状通路の内部
にスラリーを供給することで管状通路の壁面にスラリー
を接触浸漬させた後に、スラリーを排出するまでの工程
を有する。
【0016】軸方向に管状通路を有する触媒担体として
は、通常の触媒担体として用いられているハニカム担
体、パイプ触媒担体等の触媒担体を用いることができ
る。また、触媒担体は、通常の触媒コンバータに用いら
れる触媒担体と同様な材質で形成してあればよく、耐熱
性セラミックス、耐熱性金属により形成される。例え
ば、コーディエライト、ステンレス鋼をあげることがで
きる。
【0017】スラリー調整手段は、触媒用スラリーの粘
度を所定の範囲に維持する手段である。スラリー調整手
段は、スラリーの粘度が変化すると、触媒担体にコート
したときのコート量にばらつきが生じるようになるた
め、触媒用スラリーの粘度が一定に保持される。スラリ
ー供排手段は、スラリー調整手段からコート手段に触媒
用スラリーを供給および排出する手段である。すなわ
ち、コート手段により触媒担体のコートに用いられるス
ラリーをスラリー調整手段から供給するとともに、コー
ト手段により生じた過剰なスラリーをコート手段からス
ラリー調整手段に排出する手段である。
【0018】重量計測手段は、コート手段においてスラ
リーをコートする前後の触媒担体の重量を計測する手段
である。コート手段によりスラリーをコートする前後の
触媒担体重量を測定することで、触媒担体にコートした
スラリー量を測定することができる。重量計測手段とし
ては、通常のはかりを用いることができる。重量計測手
段は、触媒担体の重量を測定する計測手段と、コート後
のスラリーコート担体の重量を測定する計測手段と、を
別々にもうけても、一つの計測手段で両者の計測を行っ
ても、どちらでもよい。連続的にスラリーのコートを行
うことができるため、両者を別々の計測手段で計測する
ことが好ましい。
【0019】スラリー吹き払い手段は、コート手段で触
媒担体にスラリーをコートしたスラリーコート担体に指
示された吹き払い条件で加圧されたガスを吹き付けて余
分なスラリーを吹き払って除去する手段である。スラリ
ー吹き払い手段は、加圧されたガスをスラリーコート担
体に吹き付けて、このガスの圧力により担体表面の余分
なスラリーを除去する手段であり、吹き付けるガスの圧
力や吹き付け時間を制御することでスラリーの除去量を
制御している。このスラリーの除去量が制御できるた
め、その結果としてスラリーコート担体から除去されな
いスラリー、すなわちスラリーコート担体にコートした
スラリーの量を制御することができる。
【0020】吹き払い手段は、触媒担体に吹き付けるガ
スの圧力、吹き付け時間を調節できるガス吹き付け装置
であることが好ましい。このようなガス吹き付け装置と
しては、例えば、ガスの圧力を調節できるバルブを有す
るガス吹き付けノズルをあげることができる。また、吹
き払い手段は、加圧されたガスが、スラリーコート担体
の端面において均一なガス圧で吹き付けられることが好
ましい。スラリーコート担体の管状通路の開口した端面
に均一なガス圧で加圧されたガスが吹き付けられること
で、スラリーコート担体の管状通路ごとにかかるガスの
圧力も均一となり、管状通路ごとのスラリー量のばらつ
きを抑えることができる。
【0021】演算手段は、重量計測手段およびスラリー
吹き払い手段と接続され、コート手段により触媒担体に
コートされたスラリーのコート量を算出するとともに、
コート量によりスラリー吹き払い手段において触媒担体
に吹き付けられるガス吹き払い条件を調節する手段であ
る。演算手段は、算出されたスラリーのコート量からガ
ス吹き払い条件を決定し、スラリー吹き払い手段にガス
吹き払い条件を送致し、吹き払い手段における吹き払い
ガスを制御させる。
【0022】演算手段は、まず、重量計測手段により測
定された触媒担体のコート前の重量とコート後の重量と
から、触媒担体にコートされたスラリー量を算出する。
その後、この算出されたスラリー量に基づいて、触媒担
体に吹き付けるガス吹き払い条件を決定し、スラリー吹
き払い手段にフィードバックを行う。吹き払い手段によ
りスラリーが吹き払われたスラリーコート担体に、ガス
吹き払い条件のガス圧より低い圧力で該吹き払い手段で
吹き付けられるガスと逆向きのガスを吹き付けるブロー
手段をもつことが好ましい。吹き払い手段によりスラリ
ーが吹き払われたスラリーコートは、スラリーのコート
厚さに偏りがあるため、スラリーのコート量が制御され
たスラリーコート担体のスラリーのコート厚さをブロー
手段により均一にする。
【0023】吹き払い手段によりスラリーを吹き払った
スラリーコート担体は、スラリーのコート重量は制御さ
れているが、コート厚さにばらつきを有していた。この
ばらつきは、吹き払い手段の吹き払いガスにより生じる
ものであり、スラリーコート担体のスラリーが排出され
る側のコート厚さが厚くかたよっている。ブロー手段
は、コート厚さの偏りを解消することが目的であるた
め、スラリーが吹き払われるほどの高い圧力は不要であ
る。このため、ブロー手段における吹き払いのガスは、
吹き払い手段で吹き付けるガスより低圧のガスが用いら
れる。
【0024】また、スラリーコート担体にコートされた
スラリーの均一化は、ガスの吹き付けがない、つまり重
力により均一化することもできるが、粘性を有するスラ
リーの重力による流動は均一化までの時間がかかること
から、低圧のガスにより流動させることが好ましい。コ
ート手段は、上座と下座とを有し、触媒担体を上座と下
座とで軸方向に保持した状態で下座からスラリーを供給
した後に、上座からガスを供給してスラリーを触媒担体
から排出することで、触媒担体に該スラリーを塗布する
スラリー塗布装置であることが好ましい。すなわち、コ
ート手段として触媒担体にスラリーをコートするスラリ
ー塗布装置は、加圧コート法によるスラリー塗布装置を
用いることができる。
【0025】このスラリー塗布装置においても、スラリ
ー供給後にスラリーの排出が行われるが、ここでのスラ
リーの排出は、管状通路のつまりをなくす程度のスラリ
ーの排出であり、スラリー排出後においても過剰なスラ
リーが残留している。吹き払い手段は、スラリーコート
担体に所定のガスを吹き付けた後に、演算手段により指
示されたガス吹き払い条件でガスを吹き付けることが好
ましい。つまり、スラリーコート手段により過剰なスラ
リーがコートされたスラリーコート担体の過剰なスラリ
ーを吹き払うときに、あらかじめ過剰なスラリーの大部
分を吹き払った後に、指定された吹き払い条件で吹き払
いを行い、スラリーコート担体のスラリーのコート量を
調節する。
【0026】すなわち、吹き払い手段においては、ま
ず、所定のガス圧および吹き付け時間での吹き払いを行
う。この過剰なスラリーの大部分を吹き払った後に、ス
ラリーコート担体のスラリーのコート量を算出し、この
コート量に基づいて得られたガス吹き払い条件を吹き払
い手段に送る。その後、このガス吹き払い条件により吹
き払い手段がスラリーコート担体のスラリーの吹き払い
を行い、所定のコート量のスラリーがコートされたスラ
リーコート担体が得られる。
【0027】吹き払い手段は、所定のガスの吹き付けに
おいてスラリーコート担体の軸方向の向きを反転させる
工程を有することが好ましい。すなわち、吹き払い手段
における所定のガス圧および吹き付け時間での吹き払い
中に、加圧されたガスによるスラリーの吹き払いをスラ
リーコート担体の軸方向の一端側からの吹き払いでな
く、両端側から交互に吹き払うことでスラリーコート担
体におけるスラリーのコート厚さの偏りの発生を抑える
ことができる。
【0028】吹き払い手段は、吹き払われたスラリーが
スラリー調整手段に返送されるスラリー返送手段を有す
ることが好ましい。吹き払われたスラリーをスラリー調
整手段に返送することで、返送されたスラリーを再度触
媒担体のコートに用いることが可能となり、スラリーの
無駄を抑えることができる。触媒用スラリーとしては、
無機酸化物と、バインダーと、水を含むことが好まし
い。無機酸化物としては、たとえば、活性アルミナ、シ
リカ、チタニア、セリア、ジルコニア等からなる群より
選ばれる少なくとも1種以上の無機酸化物をあげること
ができる。また、触媒用スラリーは、触媒成分を含んだ
スラリーであってもよい。
【0029】スラリーは、スラリー中に分散した粒子成
分が互いの分子間力によりゆるく結合して、その粘度に
ばらつきが生じるようになっている。スラリーの粘度に
ばらつきが生じると、スラリーの流動が不均一となり、
触媒担体の管状通路内へのスラリーの供給も不均一にな
るという不具合を生じる。このため、スラリー粘度にば
らつきが生じないようにその粘度を一定に保持しておく
必要がある。
【0030】スラリーの粘度を保持する方法としては、
スラリーを常に一定の流速で循環させておくことが好ま
しい。スラリーを常に一定の流速で循環させておくこと
で、スラリーにかかるせん断力が一定となり、粘度のば
らつきをおさえることができる。スラリーは、その粘度
が50〜1000cpsの範囲内であることが好まし
い。スラリーの粘度が50cps未満ではスラリーの流
動性がよく、スラリーが触媒担体にのりにくくなり、1
000cpsを超えるとスラリーの流動性が悪くなり触
媒担体の管状通路の目詰まりが生じやすくなる。
【0031】スラリーの粘度は、従来の回転羽根のよう
な攪拌機のスラリーを攪拌する攪拌速度にも影響され
る。すなわち、スラリーの攪拌速度が大きくなるとスラ
リーの粘度は低下し、攪拌速度が小さくなるとスラリー
の粘度は大きくなり、場合によっては沈殿などが生じ
る。また、スラリー粘度は、スラリーの温度にも依存し
ている。すなわち、スラリーの温度が変化すると、スラ
リーのチキソトロピーが変化し、その結果スラリーの粘
度も変化するようになる。
【0032】このため、スラリー調整装置は、スラリー
を保持するスラリーストックタンクと、スラリーストッ
クタンク内のスラリーの粘度を測定する粘度計と、粘度
計と接続されスラリーストックタンク内のスラリーを攪
拌する攪拌機と、スラリーストックタンクに一体的に形
成され、スラリー温度を測定するとともにスラリー温度
を一定に保持する調温手段と、を有することが好まし
い。
【0033】粘度計は、スラリーストックタンク内のス
ラリーの粘度を測定するものである。触媒用スラリーは
粘度が変化すると触媒担体へのスラリー付着量にばらつ
きが生じるようになるため、触媒用スラリーの粘度を制
御するため粘度計を用いて粘度の測定がなされている。
攪拌機は、粘度計と接続され、スラリーストックタンク
内のスラリーを攪拌する。スラリーが排出されると、ス
ラリーストックタンク内のスラリー量が変化し、攪拌機
の攪拌速度が変化するようになる。攪拌速度が変化する
と、スラリーのスラリー粘度が変化し、触媒担体へのス
ラリーの付着量にばらつきが生じるようになる不具合が
生じる。このため、スラリーストックタンク内のスラリ
ーの粘度を一定の範囲に保つために、粘度計と接続した
攪拌機の攪拌を制御される。
【0034】攪拌機は、従来の触媒用スラリー調整装置
に用いられている攪拌機を用いることができる。すなわ
ち、モーターと、このモーターの回転軸の先端に連結さ
れた回転羽根と、から構成される攪拌機を用いることが
できる。なお、攪拌機は、粘度計により測定されたスラ
リーの粘度をフィードバックして回転数を制御できる。
【0035】調温手段は、スラリーストックタンクに一
体的に形成され、スラリー温度を測定するとともにスラ
リー温度を一定に保持するものである。調温手段により
スラリーの温度を一定の範囲に保つことで、スラリーの
粘度の変動を抑えている。すなわち、スラリーの温度が
変化すると、スラリーのチキソトロピーが変化する。ス
ラリーのチキソトロピーの変化は、スラリーの粘度の変
化を生じさせ、さらには触媒担体へのスラリー付着量に
ばらつきが生じるようになる。
【0036】調温手段は、触媒用スラリーの温度を測定
する温度測定機と、触媒用スラリーの温度を一定に保持
する調温機と、から構成される。温度測定機としては、
触媒用スラリーの温度を測定できるものであればよく、
熱電対等を使用できる。調温機は、温度測定機により測
定された触媒用スラリーの温度をフィードバックして加
熱することができるものである。
【0037】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。 (触媒用スラリーコート装置)本発明の実施例として触
媒用スラリーコート装置を作製した。図1に、実施例で
作製した触媒用スラリーコート装置の模式図を示した。
このコート装置は、触媒担体に連続的に一定量のスラリ
ーをコートする装置である。
【0038】触媒用スラリーコート装置は、スラリー塗
布装置と、スラリー調整装置と、スラリー供排手段と、
はかりと、スラリー吹き払い装置と、演算手段と、ブロ
ー装置と、を有する。スラリー塗布装置は、下座21
と、上座23と、エアーシリンダー(図示せず)と、か
ら構成される。
【0039】下座21は触媒担体10の下端を保持する
とともに触媒担体10にスラリーを供給および排出す
る。上座23は触媒担体10の上端を保持するとともに
触媒担体10にスラリー排出のためのガスを供給する。
エアーシリンダーは、上座23が接続され、この上座2
3を垂直方向に移動させる。上座23を上下に移動させ
ることでスラリー塗布装置に触媒担体10を着脱でき
る。
【0040】スラリー調整装置は、スラリーの粘度を調
整する粘度調整手段とスラリー供排手段を含んだ形態で
形成され、スラリーストックタンク30と、スラリー循
環管31と、スラリー供排管41と、供給ガス供給管4
5と、排出ガス供給管48と、スラリー供給管(図示せ
ず)と、水供給管(図示せず)と、攪拌機50と、温調
機55と、から構成されている。
【0041】スラリーストックタンク30は、触媒用ス
ラリーが保持される上方が開口した槽状の容器である。
スラリー循環管31は、一端部がスラリーストックタン
クの底面に開口し、スラリーストックタンク30の外部
を通り他端部がスラリーストックタンク30に開口した
管路である。また、スラリー循環管31は、一端部と他
端部の間にポンプ32を、ポンプ32と他端部の間にバ
ルブ33がもうけられている。ポンプ32は、一端部か
ら吸入されたスラリーを、他端部から排出するものであ
る。バルブ33は、スラリー循環管31を循環するスラ
リーの流通を遮断する。
【0042】スラリー循環管31は、その管路中に管の
内径が太くなったスラリーだめ34を有する。スラリー
だめ34は、スラリー供排管よりスラリー塗布装置に供
給されるスラリーを、所定量供給するためにスラリー循
環管31中に保持するためにもうけられている。スラリ
ー供排管40は、スラリー循環管31のポンプ32とス
ラリーだめ34との間に接続されている。スラリー供排
管40は、スラリー循環管31およびスラリーだめ34
を循環しているスラリーをスラリー塗布装置に供給する
ための管路である。このスラリー供排管40とスラリー
循環管31との接続は、スラリーの流れる管の切り替え
が可能なバルブ41を介してなされている。
【0043】また、スラリー供排管40には、バルブ4
2を介してスラリー還元管43が接続されている。スラ
リー還元管43は、スラリー塗布装置に送出されたスラ
リーの過剰量をスラリーストックタンク30に還元する
ための管であり、その開口部はスラリーストックタンク
30に開口している。バルブ42により、バルブ42部
からスラリー塗布装置へ、あるいはスラリー塗布装置か
らスラリーストックタンク30に開口した開口部へ、ス
ラリーが流れる管路が切り替えられるようになってい
る。
【0044】供給ガス供給管44は、スラリー循環管3
1と接続され、スラリー循環管31に加圧されたガスを
供給するものである。供給ガス供給管44より供給され
る加圧されたガスを供給することで、スラリー循環管3
1内のスラリーをスラリー供排管41に供給する。供給
ガス供給管44は、加圧されたガスの供給を制御するバ
ルブ45と、ガス供給管44内の加圧されたガスを排出
するバルブ46と、がもうけられている。また、バルブ
45、46とスラリー循環管31との間に加圧されたガ
スを保持するガスだめ47がもうけられている。ガスだ
め47を有することで供給ガス供給管45は、スラリー
循環管31からのスラリーの逆流を防止できる。
【0045】排出ガス供給管48は、スラリー塗布装置
の上座23にスラリー排出のための加圧されたガスを供
給するものである。排出ガス供給管48は、上座23に
接続され、管路中の加圧されたガスを流通あるいは排出
できるバルブ49を有する。排出ガス供給管48より供
給される加圧されたガスにより、スラリーコート担体1
3のセル内のスラリーをスラリー供排管41に排出す
る。
【0046】スラリー供給管(図示せず)は、原料スラ
リーをスラリーストックタンク30に供給する管であ
り、一端部がスラリーストックタンク30に開口してい
る。本実施例のスラリー調整装置は、スラリー供給管に
より原料のスラリーが、スラリーの状態で供給される。
また、水供給管(図示せず)も、スラリー供給管と同様
に一端部がスラリーストックタンク30に開口してい
る。本実施例のスラリー調整装置は、スラリー中の水分
が減少することによるスラリー粘度のずれを抑えるため
に、水分を供給する水供給管を有している。スラリー中
の水分の減少の主な原因として、スラリーが塗布される
触媒担体10の材質によっては、スラリー中の水分が触
媒担体に吸収されることがあげられる。
【0047】攪拌機50は、回転数を制御できるモータ
ー51と、モーター51の回転軸の先端に回転羽根52
を有している。攪拌機50は、スラリーストックタンク
30内のスラリーを攪拌できるように、回転羽根52が
スラリー中で回転できるように設置されている。攪拌機
50は、粘度計53と接続されている。攪拌機50の粘
度計53との接続は、モーター51の回転数を制御する
制御装置を介してなされている。攪拌機が粘度計53と
接続されていることで、粘度計53により得られたスラ
リー粘度をフィードバックして、モーター51の回転数
を制御することでスラリー粘度を一定の値に保つことが
できる。
【0048】温調機55は、スラリーストックタンク3
0と一体的に形成され、スラリー温度を測定する温度計
と、この温度計と接続されたヒーターとから構成されて
いる。温調機55は、温度計で測定されたスラリー温度
をフィードバックしてヒーターの制御を行うことでスラ
リー温度を一定に保つものである。はかり6は、通常の
はかりを用いることができる。このはかり6は、計測し
た重量を演算手段に送る手段を有している。はかり6
は、コート前の触媒担体10の重量を計測するはかり6
と、スラリーコート後のスラリーコート担体13の重量
を計測するはかり(図示せず)と、の二つのはかりが用
いられた。
【0049】スラリー吹き払い装置は、スラリーコート
担体保持体71と、ガス吹き付けノズル73と、バルブ
75と、から構成される。スラリーコート担体保持体7
1は、スラリー塗布装置によりスラリーがコートされた
スラリーコート担体13を垂直に保持する部材である。
また、スラリーコート担体保持体71は、スラリーコー
ト担体13を保持したときに、スラリーコート担体13
のセルが連通するように形成されたスラリー返還孔を有
している。
【0050】ガス吹き付けノズル73は、スラリーコー
ト担体保持体71に保持されたスラリーコート担体13
の上方の位置に、スラリーコート担体13の上端の端面
に対向するようにノズル73の先端が向いた状態でもう
けられている。ガス吹き付けノズル73は、ノズル73
の先端部が水平方向および垂直方向に移動できるように
エアーシリンダー(図示せず)に接続された。エアーシ
リンダーの動作によりガス吹き付けノズル73が移動
し、ノズル73から吹き付ける加圧されたガスをスラリ
ーコート担体13の上端面にむらなく吹き付けられるよ
うになり、スラリーコート担体13のセルごとのスラリ
ー量のばらつきを抑えられる。
【0051】ガス吹き付けノズル73から吹き出すガス
は、ガス吹き付けノズル73と接続された排出ガス供給
管74により供給される加圧されたガスが用いられる。
この排出ガス供給管74は、スラリー塗布装置の排出ガ
ス供給管48と接続されたガス供給管である。バルブ7
5は、ガス吹き付けノズル73と接続された排出ガス供
給管74にもうけられ、ノズル73に供給されるガスを
制御する。ここで、バルブ75は、ガス吹き付けノズル
73に供給される加圧されたガスのみが制御できるよう
な位置にもうけられている。
【0052】バルブ75は、ガス吹き付けノズル73か
ら吹き出す加圧されたガスの流通を制御するだけでな
く、ガス圧も制御できるバルブが用いられた。このバル
ブ75は、演算手段と接続され、演算手段により指示さ
れた吹き払い条件の圧力および時間でガスをノズル73
に供給する。演算手段は、二つのはかりと接続され、ス
ラリーコート担体13の重量から触媒担体11の重量を
ひくことでスラリーコート担体のスラリーのコート量を
算出し、このコート量により、吹き払い条件を決定す
る。吹き払い条件としては、コート量が多い場合には吹
き払いのガス圧を強く、少ない場合には吹き払いのガス
圧を弱くする。
【0053】ブロー装置は、スラリー吹き払い装置と同
様の部品および構成の装置を用いることができる。すな
わち、ブロー装置は、コート担体保持体81と、ガス吹
き付けノズル83と、バルブ85と、から構成される。
コート担体保持体81は、スラリーコート担体13を垂
直に保持する部材である。ブロー装置は、ガスをスラリ
ーコート担体13に吹き付ける装置であるが、スラリー
を吹き払う装置ではないことから、スラリーコート担体
13からのスラリーの飛散は生じない。このため、コー
ト担体保持体81は、スラリーコート担体13のセルを
通過したガスが、セルから排出できる形態の載置台が用
いられた。
【0054】ガス吹き付けノズル83は、コート担体保
持体81に保持されたスラリーコート担体13の上方の
位置に、スラリーコート担体13の上端の端面に対向す
るようにノズル83の先端が向いた状態でもうけられて
いる。ガス吹き付けノズル83は、水平方向および垂直
方向に移動できるようにエアーシリンダーに取り付けら
れている。このエアーシリンダーの動作によりガス吹き
付けノズルが移動し、ノズルから吹き付けガスをスラリ
ーコート担体の上端面にむらなく吹き付けられるように
なる。
【0055】ガス吹き付けノズル83から吹き出すガス
は、ガス吹き付けノズル83と接続された排出ガス供給
管84により供給されるガスがバルブ85により減圧さ
れ用いられる。この排出ガス供給管84は、スラリー塗
布装置の排出ガス供給管48と接続されたガス供給管で
ある。バルブ85は、排出ガス供給管84にもうけら
れ、ノズル83に供給されるガスを制御する。ここで、
バルブ85は、ガス吹き付けノズル83に供給される加
圧されたガスのみが制御できるような位置にもうけられ
ている。
【0056】バルブ85は、ガス吹き付けノズル83か
ら吹き出すガスの流通を制御するだけでなく、ガス圧も
制御できるバルブが用いられた。バルブ85でガス圧を
制御することから、ブロー装置で吹き付けるガスをノズ
ル83に供給できる。(スラリーの循環)本実施例の触
媒用スラリーのコート装置は、スラリー調整装置のスラ
リー循環管31にスラリーを循環させることでスラリー
の粘度を保っている。このスラリーの循環は以下に示す
ように行われる。
【0057】スラリーストックタンク30に供給された
スラリーは、ポンプ32によりスラリー循環管31の一
端部からバルブ41、スラリーだめ34、バルブ33を
通って他端部からスラリーストックタンク30に還元さ
れて循環する。スラリーがスラリー循環管31を循環し
ている間は、バルブ41は循環するスラリーがスラリー
供排管40に流れないように、バルブ33はスラリー循
環管31にスラリーが流れるように調節されている。ま
た、供給ガス供給管44にもうけられたバルブ46が開
放され、バルブ45が遮断されていることで、ガス供給
管44およびスラリー循環管31内に加圧されたガスが
入らないようになっている。
【0058】(スラリーの粘度の調整)本実施例のスラ
リー調整装置は、攪拌機50による攪拌を制御すること
でスラリーの粘度を一定に保っている。スラリー調整装
置におけるスラリー粘度の調整のフローチャートを図2
のスラリー粘度制御に示した。まず、粘度計53により
スラリーストックタンク30内のスラリーの粘度を計測
する。測定されたスラリーの粘度が低ければ、攪拌機5
0のモーター51の回転数を小さくする。測定された粘
度が高ければ、モーター51の回転数を大きくする。こ
の高速回転状態においても粘度が所定の値より高い場合
は、スラリー溶液中に水が添加される。
【0059】このようにして、スラリーの粘度が一定に
保持される。 (評価)実施例で作製した触媒用スラリーのコート装置
を用いて、実際にスラリーを触媒担体に塗布した。ここ
で、触媒用スラリーのコート装置におけるスラリーのコ
ートのフローチャートを図2に示した。
【0060】図3より、触媒担体重量を計測した後に、
触媒担体のセルへの加圧コート法によるスラリーの塗布
を行い、エアブローによるスラリーの排出を行った。そ
の後、所定の吹き払いおよび反転吹き払いを行い、その
重量を測定した。この測定された重量より得られるコー
ト量により、吹き払い条件を決定し、この吹き払い条件
により吹き払いを行った。
【0061】得られたスラリーコート担体のスラリーの
コート量が多い場合は、吹き払い時間を10秒に、また
コート量が少ない場合は、吹き払い時間を5秒とした。
吹き払い時間が10秒のときは吹き払い圧力を5kg/
cm2に、吹き払い時間が5秒のときは吹き払い圧力を
3kg/cm2に、することができ、これらの操作によ
り所定のコート量を有するスラリーコート担体が得られ
る。
【0062】触媒担体には、直径103mm、長さ15
5mmの円筒状で、400セル/平方インチ、壁厚4ミ
ル(うす壁)、体積1.3lのコーディエライト製触媒
担体が用いられた。また、触媒担体に塗布されるスラリ
ーには、アルミナを主成分とする比重1.5のコーティ
ングスラリーが用いられた。コーティングスラリーは、
スラリー調整装置により粘度が60cps±10%とな
るように保持されている。また、このスラリーは、温度
が25℃に保持されていた。
【0063】まず、触媒担体10をはかり6にのせ、触
媒担体10の重量を計測し、この重量を演算手段に送致
し、演算手段に触媒担体10の重量を記憶させておく。
重量計測後、触媒担体10をスラリー塗布装置に装着す
る。この装着は、下座21に触媒担体10を保持し、上
座23と連動したエアーシリンダを稼働することで上座
23を降下させた。
【0064】触媒担体10を保持した状態で、スラリー
を下座21に供給することで、触媒担体10のセルにス
ラリーを導入して、コートした。なお、このときの上座
23に接続した排出ガス供給管44のバルブ45は加圧
されたガスが供給されないように、バルブ46は大気側
に開放されていた。スラリーの下座21への供給は、ス
ラリーが循環しているスラリー循環管31のバルブ33
を遮断し、バルブ41を切り替えてスラリー循環管31
のスラリーだめ34からスラリー供排管31にスラリー
が流れるようにした。スラリー供配管40は、バルブ4
2を切り替えて、スラリー還元管43にスラリーが流れ
ないようにした。
【0065】その後、供給ガス供給管44のバルブ46
を遮断、バルブ45を開放して、供給ガス供給管44お
よびスラリー循環管31に0.5kg/cm2のガスを
導入して、このガスの圧力によりスラリー循環管31お
よびスラリーだめ34中のスラリーをスラリー供排管4
0を通じてスラリー塗布装置に供給した。スラリー塗布
装置に供給されたスラリーは、下座21にもうけられた
スラリー流路を通り、下座21に保持された触媒担体1
0の下端の端面から触媒担体10のセル内にスラリーが
圧入された。触媒担体10の下端の端面から圧入された
スラリーが触媒担体10のセル内を通り、上端の端面か
らしみ出たところで、バルブ41を切り替えることでス
ラリー塗布装置へのスラリーの供給をストップするとと
もに、スラリー供配管40とスラリー還元管43が導通
するようにした。このスラリーの圧入は、およそ5秒で
完了した。なお、スラリーのしみ出しは、上座23の触
媒担体10の上端の端面と対向する部分にあらかじめも
うけられたセンサーにより検知された。
【0066】上座23に接続された排出ガス供給管48
のバルブ49を切り替えて、加圧されたガスを上座23
に供給して、このガスの圧力を利用して上座23側から
下座21側にスラリーを排出した。このときのガスの圧
力は、3kg/cm2の圧力であった。また、スラリー
の排出は約10秒で終了した。この排出ガス供給管48
から供給されたガスの圧力により排出されたスラリー
は、スラリー供配管40およびスラリー還元管43を介
して、スラリーストックタンク30に還元された。
【0067】その後、スラリーがコートされたスラリー
コート担体13をスラリー吹き払い装置に送り、スラリ
ー吹き払い装置で余分なスラリーの吹き払いを行った。
スラリー吹き払い装置のスラリーコート担体保持体71
に、スラリーコート担体13を垂直に保持した。このス
ラリーコート担体13を保持した状態で、バルブ75を
開いて、ガス吹き付けノズル74から5kg/cm2
圧力のガスをスラリーコート担体13の上端の端面に吹
き付けた。この吹き付けを20秒間行った。
【0068】スラリー吹き払い装置でのガスによるスラ
リーの吹き払いが終了した後、スラリーコート担体13
を目視により確認したところ、すべてのセルに確実にス
ラリーが通過しているとともにコートされていないセル
は確認されなかった。その後、スラリーコート担体13
は、はかりによりその重量を計測された。はかりにより
計測された重量は、ただちに演算手段に送られる。ま
た、スラリーコート担体13は、スラリー吹き払い装置
のスラリーコート担体保持体71に再度装着される。
【0069】スラリーコート担体13の重量が送られた
演算手段は、最初に記憶した触媒担体重量から、スラリ
ーコート担体13にコートしているスラリーのコート量
を算出する。この算出されたコート量と目的のコート量
とから、スラリーを吹き払うガス吹き払い条件が演算手
段において決定される。ガス吹き払い条件は、演算手段
からスラリー吹き払い装置にフィードバックされ、吹き
払いの条件となる。
【0070】コート量が多い場合には、ガス吹き付け時
間を10秒、ガス圧が5kg/cm 2とし、少ない場合
には、ガス吹き付け時間を5秒、ガス圧が3kg/cm
2の吹き払いを行った。スラリー吹き払い装置は、フィ
ードバックされたガス吹き払い条件に基づいて、バルブ
75を制御し、ガス吹き払い条件に指示されたガスをス
ラリーコート担体13に吹き付けた。この吹き払いによ
り過剰なスラリーが吹き払われるため、スラリーコート
担体13は、所定の重量のスラリーをコートしている。
【0071】その後、スラリーコート担体13をブロー
装置に装着し、スラリーのコート厚さを均一化させた。
スラリーコート担体をブロー装置のコート担体保持体8
1に保持する。このとき、スラリーコート担体13は、
吹き払い装置でのスラリーコート担体13の向きと反転
した向きで保持されている。すなわち、スラリーコート
担体13は、吹き払い装置においてガスが吹き付けられ
た上端が、下方に位置するように保持された。
【0072】ブロー装置にスラリーコート担体13を保
持させた状態でバルブ85を開き、圧力が2kgf/c
2のガスをスラリーコート担体13のすべてのセルに
通過させるようにガスを吹き付けた。ここで、このガス
は5秒間吹き付けられた。本実施例の触媒用スラリーの
コート装置は、スラリーがコートされたスラリーコート
担体の過剰なスラリーを吹き払うときに、スラリーコー
ト担体ごとに吹き払い条件を変更しているため、コート
量が一定のスラリーコート担体が得られた。
【0073】また、ブロー装置によりスラリーのコート
厚さを均一化しているため、製造されるスラリーコート
担体は、セルごとの触媒成分担持量が一定となり、触媒
コンバータとして浄化性能のばらつきを抑えることがで
きる。すなわち、本実施例の触媒用スラリーのコート装
置は、触媒コンバータに用いられる耐熱性多孔質層を表
面に有する触媒担体に有用な、スラリーがコートされた
スラリーコート担体の製造に効果を有する。
【0074】
【発明の効果】本発明の触媒用スラリーのコート装置
は、スラリー吹き払い時に、コート量を測定し、このコ
ート量により吹き払い条件を決定するため、触媒担体ご
とのスラリーのコート量のばらつきが抑えられる効果を
有する。触媒担体ごとのスラリーのコート量のばらつき
が抑えられることから、常に所定のコート量の触媒担体
が得られる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のスラリーのコート装置を示す図であ
る。
【図2】 実施例のスラリーのコート装置のフローチャ
ートである。
【符号の説明】
10…触媒担体 13…スラリーコート担体 21…下座 23…上座 30…スラリーストックタンク 31…スラリー
循環管 40…スラリー供配管 44…供給ガス供給管 48…排出ガス供給管 50…攪拌機 55…温調機 6…はかり 71、81…スラリーコート担体保持体 73、83…ガス吹き付けノズル
フロントページの続き (72)発明者 佐野 嘉彦 静岡県小笠郡大東町千浜7800番地 株式会 社キャタラー内 (72)発明者 河合 裕直 静岡県小笠郡大東町千浜7800番地 株式会 社キャタラー内 Fターム(参考) 4F040 AA04 AA20 AB20 AC01 BA42 CC01 CC14 CC15 CC19 DA07 DA12 DB22 4G069 AA03 AA08 BA01B BA04A BA13B CA03 FA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に管状通路を有する触媒担体に触
    媒用スラリーをコートするコート手段と、 該触媒用スラリーの粘度を所定の範囲に維持するスラリ
    ー調整手段と、 該スラリー調整手段から該コート手段に該触媒用スラリ
    ーを供給および排出するスラリー供排手段と、 該コート手段において該触媒用スラリーをコートする前
    後での該触媒担体の重量を計測する重量計測手段と、 該コート手段で該触媒担体に該スラリーをコートしたス
    ラリーコート担体に指示された吹き払い条件で加圧され
    たガスを吹き付けて余分なスラリーを吹き払って除去す
    るスラリー吹き払い手段と、 該重量計測手段および該スラリー吹き払い手段と接続さ
    れ、該コート手段により該触媒担体にコートされた該ス
    ラリーのコート量を算出するとともに、該コート量によ
    り該スラリー吹き払い手段において該触媒担体に吹き付
    けられるガス吹き払い条件でガスを調節する演算手段
    と、を有する触媒用スラリーのコート装置。
  2. 【請求項2】 前記吹き払い手段によりスラリーが吹き
    払われた前記スラリーコート担体に、該ガス吹き払い条
    件のガス圧より低い圧力で該吹き払い手段で吹き付けら
    れるガスと逆向きのガスを吹き付けるブロー手段をもつ
    請求項1記載の触媒用スラリーのコート装置。
  3. 【請求項3】 前記コート手段は、上座と下座とを有
    し、前記触媒担体を該上座と該下座とで軸方向に保持し
    た状態で該下座から前記スラリーを供給した後に、該上
    座からガスを供給して該スラリーを該触媒担体から排出
    することで、該触媒担体に該スラリーを塗布するスラリ
    ー塗布装置である請求項1記載の触媒用スラリーのコー
    ト装置。
  4. 【請求項4】 前記吹き払い手段は、前記スラリーコー
    ト担体に所定のガスを吹き付けた後に、前記演算手段に
    より指示されたガス吹き払い条件でガスを吹き付ける請
    求項1記載の触媒用スラリーのコート装置。
  5. 【請求項5】 前記吹き払い手段は、所定のガスの吹き
    付けにおいて前記スラリーコート担体の軸方向の向きを
    反転させる工程を有する請求項4記載の触媒用スラリー
    のコート装置。
  6. 【請求項6】 前記吹き払い手段は、吹き払われたスラ
    リーが前記スラリー調整手段に返送されるスラリー返送
    手段を有する請求項1記載の触媒用スラリーのコート装
    置。
  7. 【請求項7】 前記触媒用スラリーは、無機酸化物と、
    バインダーと、水を含む請求項1記載の触媒用スラリー
    のコート装置。
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