JP4628615B2 - 排気ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器一体型担体を利用して、自動車などの内燃機関からの排気ガス中に含まれる有害成分を除去する排気ガス浄化用触媒の製造方法に関する。特に、本発明は、容器一体型担体を利用して、自動車などの内燃機関からの排気ガス中に含まれる有害成分である一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NOx)を同時に除去する排気ガス浄化用触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関から排出される排気ガス中の有害成分を除去する排気ガス浄化用触媒に関して種々のものが提案されている。
【0003】
近年の世界的な排気ガスの規制強化に対応するため、エンジンの改良を含めて種々の検討がなされている。その有効な方法の一つとして、エンジン始動直後の触媒床温度をより速く上昇させ、触媒の着火速度を速めるために、ハニカム担体の壁厚を薄くして熱容量を低減したり、セル密度を向上して幾何学表面積を向上する方法が検討されている。しかしながら、このような担体を使用することによって、触媒の浄化性能は改善されるものの、担体の壁厚が薄くなるために担体や触媒の強度が低下し、担体の輸送時、触媒活性成分のコート時、キャンニング時などで、縁欠けなどの担体や触媒の破損が避けられないという問題があった。
【0004】
特開平2−264110号公報、特開平8−42333号公報および特開平11−76837号公報などで、触媒保持体を予め金属製外筒に組み込み、マットなどで固定することにより、上記縁欠けなどの担体の破損を低減できることが記載されている。しかしながら、これら公報には、触媒活性成分の担持方法については一切述べられていない。このような容器一体型担体に触媒活性成分を担持する際に、触媒スラリーが付着すること、車両の排気管に設置する際の溶接時に不具合が生じること、担体保持材の保持力が低下すること、触媒性能の低下を招くことなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、近年の排気ガスの規制強化に対応するため、壁厚の薄いセラミック担体を使用して排気ガス浄化触媒を製造する際に、触媒担体の縁欠けなどの破損を生じることなく、また、触媒スラリーで容器の溶接箇所、保持材などを汚すことなく高性能排気ガス浄化触媒を製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この課題を解決するために、触媒の生産時に担体を予め金属製の筒などに挿入し、マットなどの保持材で固定した容器一体型担体を使用し、これに触媒活性成分を担持する方法について鋭意検討した結果、壁厚の薄いセラミック担体を使用しても、縁欠けなどの破損を生じることなく、さらに、容器の溶接箇所や保持用マットなどを触媒活性成分で汚すことなく、触媒を製造する方法を開発するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の目的は、排気ガス浄化用触媒を製造する際に、セラミック担体を保持用マットを介して予め金属製外筒に保持した容器一体型担体を使用し、該金属製外筒と担体との間にシール用治具を挿入し、介在する保持用マットに差し込み圧迫することによりシールした後、触媒活性成分を担持することを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法によって達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、代表的には
(A)容器一体型担体を準備する段階と、
(B)上記容器一体型担体の担体部分をシールする段階と、
(C)上記シールされた担体に触媒活性成分を担持する段階と、
(D)必要により上記担持された担体から余分の触媒活性成分を除去する段階と、および
(E)上記担持された担体を乾燥、必要により焼成する段階とを含んでいる。
【0009】
上記の各段階について図面を用いて説明する。
【0010】
(A)容器一体型担体を準備する段階
本発明で使用する容器一体型担体は、セラミック担体が排気ガス浄化用触媒コンバータ(容器)内に耐熱性無機物からなる保持部材および必要により排気ガスのシール材を介して充填されてなり、さらに排気ガス浄化用触媒コンバータの排気ガスの導入または排出用の開口部のうち少なくとも1つが担体の外形よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
図1は本発明に用いる容器一体型担体の一例を説明するための図面である。もちろん、本発明はこれに限定されるものではない。図1において、容器一体型担体1は外周面が保持用マット5および耐熱性ネット6で覆われたセラミック担体3が金属製外筒7の内部に装填されるように構成されている。セラミック担体3としては、特に制限されることなく従来公知の担体を用いることができるが、例えばコージェライト、ムライト、α−アルミナ、ジルコニア、チタニア、リン酸チタン、アルミニウムチタネート、ベタライト、スポンジュメン、アルミノシリケート、マグネシウムシリケートなどを材料とする断面円形、楕円形などのハニカム担体を例示できる。かかる担体のガス通過口(セル)の形状は、六角形、四角形、三角形またはコルゲーション形のいずれであってもよい。セル密度(断面積6.45cm2当たりのセル数)は100〜1500セルのものを例示できる。以下、特に断りがない限り断面円形のものを代表例として説明する。
【0012】
セラミック担体3の上外周面は金属などの公知の耐熱性ネット6で覆われ、セラミック担体3と金属製外筒7との間に排気ガスの漏洩を防止するように、残部はアルミナ系またはシリカ系などの公知の耐熱性保持用マット5で被覆され、金属製外筒7内に保持されている。
【0013】
金属製外筒7は、少なくとも一方の開口部が担体の外径よりも大きく(大開口部)、前記のように、外周部が保持用マット5および耐熱性ネット6で覆われたセラミック担体3が、一方の開口部から他方の開口部に排気ガスが通過可能なように、直接的に配置できる形状である。双方の開口部が担体の外径より小さい構造(小開口部)、たとえばロート状などのように絞った構造では、触媒活性成分を担体3に均一に担持することが難しく、また担体3以外の部分、たとえば金属製外筒7の内壁面などにも触媒活性成分を付着させてしまうおそれがある。
【0014】
図1において、金属製外筒7は、一方の開口部がセラミック担体3を装填できる金属製外筒本体からロート状に絞られ、自動車などの内燃機関の排気ガスの入口または出口の排管と溶接またはフランジ(図示せず)などの公知の方法で接続できる形状であり、他方の開口部は、前記のように外周面が保持用マット5および耐熱性ネット6で覆われたセラミック担体3が、一方の開口部から他方の開口部に排気ガスが通過可能なように、直接的に配置できる形状であり、大開口部から触媒活性成分を担体3に担持させることが可能である。
【0015】
このような容器一体型担体は、保持用マット、耐熱性ネットで被覆されたセラミック担体を半割りの金属製外筒で挟持する方法、保持用マット、耐熱性ネットで被覆されたセラミック担体を金属製外筒に挿入する方法などの方法で作成できる。
【0016】
次のシール段階前に、容器一体型担体の質量を測定する(W1)。
【0017】
(B)上記容器一体型担体の担体部分をシールする段階
ここでいうシールは、容器一体型担体を触媒活性成分を担持する前に行うものであり、担持の際に触媒活性成分が担体以外の部分に付着することを防止するために行う。
【0018】
図2は容器一体型担体と該担体部分をシールするためのシール装置の各部材の配置を説明するための図面である。図2において、シール装置10は、下部が触媒活性成分移動用筒状物11で、上部には内側から外側に金属製外筒7より小さな外径であってセラミック担体3より大きな内径を有する筒状のシール用治具13、金属製外筒7よりも大きな内径を有するガイド15、ガイド15の外側にシール用ホルダー17が設けられている。
【0019】
容器一体型担体1の大開口部を下にしてシール装置10上に載置する。その際、容器一体型担体1を誘導して、金属またはプラスチック製などのガイド15内に入れる。ガイド15の形状は容器一体型担体1を誘導できれば特に制限されることはないが、例えば筒状を例示できる。プラスチックまたは金属などの耐腐食性材料製のシール用治具13は、所定の高さのものあるいは伸縮自在のものを用いることができるが、所定の長さに設定したものでは、容器一体型担体1が下降して保持用マット5と接触し、その後、容器一体型担体1の下降にともなって保持用マット5が縮む。また、伸縮自在のものであれば、シール用治具は予め縮めておき、容器一体型担体1が下降、停止した後伸ばして保持用マット5と接触させる方法(差込圧迫)をとることも可能である。この場合、保持用マット5を破損させずかつ触媒活性成分の漏れ込みの無いようにシール用治具13の高さおよび/または差込圧を調節することによりシール用治具13と保持用マットとの接線で担体3をシールする。
【0020】
図3は、シール用治具のその他の例を説明する縦断面の説明図である。図3において、左側がシール用治具の内側であり、右側がシール用治具の外側である。図3(a)は筒状のシール用治具13の上端面全体あるいは部分的にゴムなどの弾性体で作られた邪魔板19を設けたもの、図3(b)は筒状のシール用治具13の上端面全体あるいは部分的に金属、プラスチックあるいはゴムなどの弾性体で作られた多毛状のシール性向上部材21を設けたもの、および図3(c)は筒状のシール用治具13の上端面全体あるいは部分的に中空状のゴムなどの弾性体を環状に設けたもの23である。ここで、邪魔板の厚みは保持用マットの厚みに相当する幅であることが好ましい。このように、邪魔板19などを備えることにより、シールの際、セラミック担体3外周面を損傷させることなく接触面積が増加するので、触媒活性成分の担持の際の気密性が向上する。
【0021】
図4はセラミック担体3の保持用マット5の取付けの一例を説明する図面である。図4において、保持用マット5には、担体3に巻き付ける都合上、合わせ目に隙間25が生じる場合があることがわかる。図4に示されるような保持用マット5では、たとえシールができたとしても、かかる隙間25からシール漏れをおこす恐れがある。このような場合の改善策が必要である。
【0022】
図5は、図4に示される保持用マット5が隙間を有する担体とシール用治具とのシールの一例を説明する図面である。図5において、保持用マット5を備えるセラミック担体3とシール用治具13とのシール面が示されており、筒状のシール用治具13を保持用マット5の存在する隙間25部分において、担体3と直接接触させ隙間25から触媒活性成分が漏れないようにシールできる。この場合、シール用治具13を担体3に接触させるので、担体3を破損しないように接触圧を制御する。
【0023】
このようなシール方法を採用することにより、後述の触媒活性成分を担持する段階において触媒活性成分が、担体3とシール用治具13に挟まれた保持用マット5を除いて、実質的に担体にのみ接し、不必要な部分に触媒活性成分を付着させることなく、さらに金属製外筒7の大開口部を溶接などの公知の方法で接合して触媒コンバーターとする場合の妨げともならないという利益がある。
【0024】
(C)上記シールされた担体に触媒活性成分を担持する段階
この段階は、さらに(i)触媒活性成分を含む触媒スラリーをシール用治具の下部にある触媒活性成分移動用筒状物内を通して担体内に導入する段階、(ii)触媒スラリーが担体上端面に到達するように触媒スラリーの導入を停止する段階、および(iii)触媒スラリーを担体から開放する段階を含んでいる。これらの段階について順に説明する。
【0025】
(i)触媒活性成分を含む触媒スラリーをシール用治具の下部にある触媒活性成分移動用筒状物内を通して担体内に導入する段階
触媒活性成分には、上記なような白金、パラジウム、ロジウムなどの貴金属、ランタン、セリウムなどの希土類元素(酸化物)、バリウムなどのアルカリ土類金属(酸化物)、鉄、コバルト、ニッケル、チタン、イットリウムなどの金属(酸化物)、アルミナ、セリア、ジルコニアなどの耐火性無機酸化物などの通常排気ガス浄化用触媒を構成する成分を挙げることができる。具体的には、貴金属および/または金属(酸化物)と耐火性無機酸化物を含む触媒スラリー、耐火性無機酸化物および/または金属(酸化物)を含む酸化物スラリー、貴金属を含む貴金属溶液などを例示できる。以下は、触媒スラリーを例に用いて説明するが、これに限定されるものではない。
【0026】
本発明において、触媒スラリーの粘度は特に制限はされないが、18℃において、通常、1〜100,000cps、好ましくは5〜50,000cps、さらに好ましくは5〜10,000cps、最も好ましくは10〜5,000ps、特に好ましくは10〜1,000cpsの範囲である。触媒スラリーの固形分濃度も特に制限はされないが、通常、1〜80質量%、さらに好ましくは3〜70質量%、最も好ましくは5〜60質量%の範囲である。粘度及び固形分濃度がこの範囲は外れた場合には、不利益を生ずる場合がる。粘度及び固形分濃度が余りにも低すぎる場合には、繰返し担持する必要が生じて触媒の製造コストが増加することとなる。逆に、粘度及び固形分が余りにも高すぎる場合には、触媒スラリーが担体セル内に侵入しなくなる恐れが生ずる。
【0027】
触媒スラリーを担体内に導入する方法には、担体と触媒スラリーとを接触させればよいが、触媒スラリーを実質的に担体部分以外に付着しないようにすることが求められており、触媒スラリーを圧入法または減圧法で担体に導入する方法が好ましい。圧入法では、ポンプなどの公知の手段を用いて容器一体型担体の上部から吸引し、触媒スラリーを加圧し触媒活性成分移動用筒状物11内を通して下部よりセラミック担体3内に導入する。減圧法では、真空ポンプなどの公知の手段を用いて触媒スラリーを容器一体型担体の上部から吸引し触媒活性成分移動用筒状物11内を通してセラミック担体3内に導入する。これらの方法のなかで、触媒スラリーの担体上端面付近の進行状態が直接確認できることから、圧入法が好ましい。もちろん、これらの2法を同時に行うことも可能である。
【0028】
圧入法は、例えば、触媒活性成分移動用筒状物11の下部に該筒状物とほぼ同じまたはそれより大きな直径を備える筒状触媒スラリー室または下部に触媒スラリー室を形成し、ポンプあるいはピストンなどの公知の加圧手段により筒状触媒スラリー室の触媒スラリーに圧力を加えて、または、触媒スラリー室全体を圧縮して触媒スラリーを該筒状物内を上昇させる。
【0029】
触媒スラリーを導入する際の触媒スラリーの速度については特に制限はないが、触媒スラリーの速度は一定速度、間欠的にスラリーを送る方法、初め速くて担体上端面に近づくと遅くする方法などを例示できる。
【0030】
(ii)触媒スラリーが担体上端面に到達するように触媒スラリーの導入を停止する段階
触媒スラリーは実質的に担体以外に付着しないことが求められることから、触媒スラリーが担体上端面を大きくオーバーフローしないようにすることが必要である。そのため、担体上端面からみて、触媒スラリーが少なくとも担体上端面に達する前に圧入を停止する必要がある。その程度は、使用する触媒スラリーの固形分濃度、粘度、担体のセルの数などにより変化するので、予めこれらの条件を加味してから、触媒スラリーを停止する位置を決定することが好ましい。
【0031】
さらに、担体上端面上方に公知の液面制御センサー24を設けて、触媒スラリーが担体上端面をオーバーフローしないように、触媒スラリーの圧入速度と対応させてもよい。
【0032】
(iii)触媒スラリーを担体から開放する段階
触媒スラリーを担体から開放する方法としては、触媒スラリーの導入を停止した段階の後、触媒スラリーを直ちにまたは所定時間保持した後、圧を解放して担体内の触媒スラリーを自然落下、担体上端面側から空気、窒素などのガスをブローして排出する方法および担体下端面からポンプなどで吸引して触媒スラリーを排出する方法などがある。
【0033】
その他に、担体に担持する量に相当する所定量の触媒スラリーを用いると、余分な触媒スラリーを除去するためのブロー又は吸引が不必要となる。かかる触媒スラリーの所定量は触媒スラリーの密度、担体容積、触媒活性成分の担持量に基づいて計算することが可能である。この場合には、もちろん、センサーを用いて触媒スラリーの移動を監視する必要はないのである。
【0034】
(D)上記担持された担体から余分の触媒活性成分を除去する段階
上記担持された担体から余分の触媒活性成分を除去する方法としては、担体上端面から空気、窒素などのガスをブローして触媒スラリーを除去する方法、担体下端面から吸引して触媒スラリーを除去する方法を挙げることができる。
【0035】
図6は余分の触媒活性成分を吸引して除去する方法を説明するための図面である。図6において、触媒スラリーを自然落下させるなど触媒スラリーを担体から開放した後、担体内の余分の触媒スラリーを、真空ポンプなどの公知のポンプを用いて減圧し触媒活性成分移動用筒状物11から排除する。この段階においても、触媒スラリーを触媒活性成分移動用筒状物11から排除しているので、触媒スラリーを担体以外の容器一体型担体部分に担持することがない。
【0036】
なお、この段階は、上記(iii)の触媒スラリーを担体から開放する段階を省略して実施してもよい。
【0037】
余分の触媒スラリーを排除した後、直ちに容器一体型担体の質量を測定する(W2)。担持により増加した質量(W2−W1)が求められる。
【0038】
所定の設定質量範囲を越えた容器一体型担体をこの製造ラインから排除する。
これにより、触媒活性成分が所定量担持された排気ガス浄化用触媒が得られることとなる。
【0039】
余分の触媒スラリーが担体上にない場合にはこの段階は必要ない。
【0040】
(E)担持した担体を乾燥、焼成する段階
(D)段階後、空気、窒素などのガスを暖めた熱風を容器一体型担体を通過させて担体を乾燥させる。熱風の温度は触媒スラリー担持後の担体が乾燥できれば特に限定はされないが、通常、100〜200℃の範囲が好ましい。さらに、必要により、さらに高温の空気などのガスを通過させて乾燥担体を焼成する。高温の空気、窒素などのガスの温度は乾燥後の担体が焼成できれば特に制限はされないが、通常、200〜800℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは400〜500℃の範囲である。
【0041】
上記の工程は、触媒スラリーを一度担持する工程について記載したが、これに止まらず、触媒スラリーを複数回にわたり担持することも可能である。複数回の担持によれば、多層触媒を製造することも可能である。加えて、異なる種類のスラリーを用いれば、種々の積層された触媒活性層を有する触媒を調製することも可能である。
【0042】
この方法は、さらに酸化物スラリーを担持した後、種々の金属溶液を担持する;触媒スラリーを担持した後、貴金属溶液を担持する;貴金属溶液を担持した後、酸化物スラリーを担持するなど種々の組み合わせで実施することが可能である。
【0043】
また、予め酸化物スラリーを担持し、その後、貴金属溶液を、それぞれ、必要により複数回担持することも可能である。
【0044】
さらに、これらの個々の段階を部分的にまたは全体的に自動化して製造することも本発明の範囲内である。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の趣旨に反しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0046】
(実施例1)
薄壁セラミック担体0.9リットル(セル密度:900、セル厚:2ミル、断面:円形)の担体を利用し、図1に示されるような容器一体型担体を用いて、排気ガス浄化用触媒を製造した。
【0047】
容器一体型担体の質量(W1)は850gであった。(A段階)
図2に示されるシール装置を用いて容器一体型担体の大開口部の担体部分をシールした。(B段階)
触媒スラリーを用いて触媒活性成分を容器一体型担体に担持した。その際の触媒スラリーの組成は、固形分濃度が46%、粘度が300cps(液温:18℃)であった。圧入法を採用し、触媒活性成分移動用筒状物の内径とほぼ同じ内径を有する筒状触媒スラリー室を触媒活性成分移動用筒状物の下部に取付、筒状触媒スラリー室の下部からポンプで加圧して触媒スラリーを触媒活性成分移動用筒状物を介して一定速度で速度で押し上げ、担体内に上昇させた。(i)担体の上端面側から触媒スラリーの上昇の程度を確認しながら触媒スラリーを担体上端面直前まで上昇させて、上昇を停止した。(ii)
触媒スラリーが担体上端面に達したことを確認した後、筒状触媒スラリー室を触媒活性成分移動用筒状物から分離して、触媒スラリーを担体から自然落下させた。(iii)(C段階)
その後、触媒スラリーを担持した担体に対し、触媒活性成分移動用筒状物を介し、真空ポンプで吸引して余分の触媒活性成分を除去した。容器一体型担体の質量(W2)を測定したところ1157gであり、(D段階)所定の範囲内(W2−W1)であることを確認した。
【0048】
その後、担体を空気中150℃で60分間乾燥し、さらに、空気中500℃で60分間焼成した。
【0049】
このような方法を用いれば、容器や保持用マットを汚すことなく触媒活性成分を担持できた。それとともに、シール用器具を用いていることから、金属製外筒に大開口部も同様に触媒活性成分が被覆されないので、除去作業をすることなく容易に残りの部品を溶接により接合できる。特に、薄壁セラミック担体を用いても、縁欠けなどの破損を生じさせることなく触媒を製造できた。
【0050】
(実施例2)
図4に示されるような保持用マットに隙間が存在するセラミック担体を利用し、図1に示されるような容器一体型担体を用い、図5に示されるような、筒状のシール用治具を保持用マットに存在する隙間部分において、担体と接触させる接触課程を新たに導入する方法に基づいて、排気ガス浄化用触媒を製造した。
【0051】
その他の条件は、実施例1と同様にした。
【0052】
このようなシール方法により、シール性を確保でき、容器などを汚すことなく触媒活性成分を被覆することができた。
【0053】
また、実施例1の製造方法と同様に、実施例2においても担体を破損しないように接触圧を制御することにより、薄壁セラミック担体を縁欠けなど破損することなく製造できた。
【0054】
(実施例3)
薄壁セラミック担体0.9リットル(セル密度:900、セル厚:2ミル、断面:円形)の担体を利用し、図1に示されるような容器一体型担体を用いて、排気ガス浄化用触媒を製造した。
【0055】
容器一体型担体の質量(W1)は850gであった。(A段階)
図2に示されるシール装置を用いて容器一体型担体の大開口部の担体部分をシールした。(B段階)
触媒スラリーを用いて触媒活性成分を容器一体型担体に担持した。その際の触媒スラリーの組成は、固形分濃度が46%、粘度が300cps(液温:18℃)であった。圧入法を採用し、触媒活性成分移動用筒状物の内径とほぼ同じ内径を有する筒状触媒スラリー室を触媒活性成分移動用筒状物の下部に取付、筒状触媒スラリー室の下部からポンプで加圧して触媒スラリーを触媒活性成分移動用筒状物を介して一定速度で速度で押し上げ、担体内に上昇させた。(i)担体の上端面側から触媒スラリーの上昇の程度を確認しながら触媒スラリーを担体上端面直前まで上昇させて、上昇を停止した。(ii)
触媒スラリーが担体上端面に達したことを確認した後、筒状触媒スラリー室を触媒活性成分移動用筒状物から分離して、触媒スラリーを担体から吸引して除去した。(iii)(C段階)
その後、容器一体型担体の質量(W2)を測定したところ1160gであり、(D段階)所定の範囲内(W2−W1)であることを確認した。
【0056】
その後、担体を空気中150℃で60分間乾燥し、さらに、空気中500℃で60分間焼成した。
【0057】
このような方法を用いれば、容器や保持用マットを汚すことなく触媒活性成分を担持できた。薄壁セラミック担体を用いても、縁欠けなどの破損を生じさせることなく触媒を製造できた。
【0058】
(実施例4)
薄壁セラミック担体0.9リットル(セル密度:900、セル厚:2ミル、断面:円形)の担体を利用し、図1に示されるような容器一体型担体を用いて、排気ガス浄化用触媒を製造した。
【0059】
容器一体型担体の質量(W1)は850gであった。(A段階)
図2に示されるシール装置を用いて容器一体型担体の大開口部の担体部分をシールした。(B段階)
触媒スラリーを用いて触媒活性成分を容器一体型担体に担持した。その際の触媒スラリーの組成は、固形分濃度が46%、粘度が300cps(液温:18℃)であった。圧入法を採用し、触媒活性成分移動用筒状物の内径とほぼ同じ内径を有する筒状触媒スラリー室を触媒活性成分移動用筒状物の下部に取付た。担体に丁度担持する量の触媒スラリーを測り取り、触媒スラリー室に投入した。筒状触媒スラリー室の下部からポンプで加圧して触媒スラリーを触媒活性成分移動用筒状物を介して一定速度で速度で押し上げ、担体内に上昇させた。
【0060】
その後、容器一体型担体の質量(W2)を測定したところ1158gであり、(D段階)所定の範囲内(W2−W1)であることを確認した。
【0061】
その後、担体を空気中150℃で60分間乾燥し、さらに、空気中500℃で60分間焼成した。
【0062】
このような方法を用いれば、容器や保持用マットを汚すことなく触媒活性成分を担持できた。薄壁セラミック担体を用いても、縁欠けなどの破損を生じさせることなく触媒を製造できた。
【0063】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、担体の縁欠けなどの破損を生じさせることなく触媒を製造でき、生産性に優れかつ製造コストの低減が図られる。
【0064】
本発明の方法によれば、触媒活性成分が実質的に担体だけに担持できるので、触媒活性成分の管理が容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる容器一体型担体の一例を説明するための図面である。
【図2】容器一体型担体と該担体部分をシールするためのシール装置の配置を説明するための図面である。
【図3】シール用治具のその他の例を説明するための図面である。
【図4】セラミック担体の保持用マットの取付けの一例を説明するための図面である。
【図5】図4に示される、隙間を有する保持用マットを有する場合のシール用治具とのシールの一例を説明するための図面である。
【図6】余分の触媒活性成分を吸引して除去する方法を説明するための図面である。
【符号の説明】
1…容器一体型担体
3…セラミック担体
5…保持用マット
6…耐熱性ネット
7…金属製外筒
10…シール装置
11…触媒活性成分移動用筒状物
13…シール治具
15…ガイド
19…邪魔板
21…シール性向上部品
23…環状の弾性体
24…液面制御センサー
25…隙間

Claims (4)

  1. 排気ガス浄化用触媒を製造する際に、セラミック担体を保持用マットを介して予め金属製外筒に保持した容器一体型担体を用い、該容器一体型担体に触媒活性成分を担持する際に、シールを施した後、触媒活性成分を担持することを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  2. 該シール工程の実施に際し、シール用治具を金属製外筒と担体との間に挿入し、介在する保持用マットに差し込み圧迫することによりシールする請求項1記載の方法。
  3. 該シール工程の実施に際し、シール用治具を金属製外筒と担体との間に介在する保持用マットに存在する隙間の部分で、担体に接触させシールする請求項1記載の方法。
  4. 該シール用治具が少なくとも下記のいずれか一つである請求項2または請求項3記載の方法:
    (a)上端面に保持用マットの厚みに相当する幅の邪魔板を持つ筒状のシール用治具、
    (b)上端面が多毛状である筒状のシール用治具、および
    (c)上端面に中空状の弾性体を環状に配した筒状のシール用治具。
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