JP2002045707A - 触媒用コート液のコート装置および排ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

触媒用コート液のコート装置および排ガス浄化用触媒の製造方法

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JP2002045707A
JP2002045707A JP2000231316A JP2000231316A JP2002045707A JP 2002045707 A JP2002045707 A JP 2002045707A JP 2000231316 A JP2000231316 A JP 2000231316A JP 2000231316 A JP2000231316 A JP 2000231316A JP 2002045707 A JP2002045707 A JP 2002045707A
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coating liquid
coating
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Yoshihiro Horiuchi
義浩 堀内
Chiaki Agata
千秋 阿形
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Cataler Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化されているとともに触媒担体のコート
液のコート幅の検知が簡便に行われるコート装置および
排ガス浄化用触媒の製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の触媒用コート液のコート装置
は、担体保持部と、溶液保持部と、流路部と、駆動部
と、からなり、駆動部を駆動させて溶液保持部および担
体保持部の少なくとも一方を上下方向に往復動させるこ
とでコート液を触媒担体に供給または排出することによ
り触媒担体の管状通路をコート液でコートすることを特
徴とする。本発明の触媒用スラリーのコート装置は、装
置を小型化できる、触媒担体の形状を限定しなくなる、
等の効果を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒担体に触媒用
コート液をコートするコート装置および排ガス浄化用触
媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン等の内燃機関から排出される排
気ガスは、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒
素酸化物(NOx)等の有害成分を含有している。この
排気ガスをそのまま排出することは、公害や環境の悪化
を引き起こす。このため、これらの成分を含む排気ガス
は、排ガス浄化用触媒等を用いて浄化された後に大気中
に排出されている。
【0003】一般的な排ガス浄化用触媒は、触媒担体
と、触媒担体の表面に形成されたアルミナなどから担持
層と、担持層に反持された触媒貴金属と、から構成され
ている。また、排ガス浄化用触媒は、触媒担体の形状に
より、モノリス形状、粒状、パイプ状等に分類される。
さらに、触媒担体の材質としては、高温の排気ガスに曝
されることから、耐熱性材料が用いられ、このような材
質として、たとえば、コーディエライト等のセラミック
ス、ステンレス等の耐熱性金属等をあげることができ
る。
【0004】モノリス形状やパイプ状の排ガス浄化用触
媒は、触媒担体に触媒用コート液をコートして製造され
る。ここで、触媒用コート液とは、担持層を形成するた
めの触媒用スラリー、担持層に触媒貴金属を担持させる
ための貴金属溶液などの溶液をあげることができる。
【0005】この触媒用コート液の触媒担体へのコート
は、たとえば、図2に示されたコート装置を用いて行わ
れる。
【0006】このコート装置は、触媒担体62を保持す
る担体保持部25と、コート液を保持するタンク12
と、タンク12に保持されたコート液をタンク12の外
部を通って循環させるコート液循環路7と、コート液循
環路7中にもうけられコート液を担体保持部25に供給
する制御弁71と、コート液循環路中にもうけられコー
ト液を循環させるポンプ72と、から構成される。
【0007】このコート装置は、以下の手順で触媒担体
へのコートを行う。まず、制御弁71を切り替えてコー
ト液を担体保持部25に供給する。担体保持部25に供
給されたコート液は、触媒担体62の管状通路内に供給
される。このとき、コート液は、触媒担体62の管状通
路内に触媒担体の下端側から浸入し、液面の高さが所定
の高さになるまで供給がつづけられる。その後、制御弁
71を切り替えることで、管状通路の内部からコート液
が排出される。ここで、触媒担体62から排出されたコ
ート液は、コート液循環路7を通って、タンクに排出さ
れる。
【0008】このようなコート装置においては、触媒担
体へのコート液のコート幅を、触媒担体の管状通路内に
上端側から棒状のレベル55を挿入し、このレベル55
の先端にコート液が接触することで、触媒担体62にお
けるコート液のコート幅を検出している。
【0009】このコート装置は、装置が大型化する、触
媒担体の形状が限定される、レベルの出し入れ時にコー
ト範囲外にコート液が付着する等の問題を有していた。
【0010】詳しくは、装置の大型化は、コート液循環
路、ポンプおよび制御弁等のタンクの外部の装置が多く
なることで生じていた。また、触媒担体の形状が限定さ
れるとは、触媒担体が曲がっていると、レベルの管状通
路内への挿入および抜き出しが難しくなるためである。
さらに、レベルは、コート液が先端に接触することでコ
ート幅を検知するため、レベルを抜き出すときに、管状
通路の側壁にコート液が付着するという問題を有してい
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みてなされたものであり、小型化されているとともに触
媒担体のコート液のコート幅の検知が簡便に行われるコ
ート装置および排ガス浄化用触媒の製造方法を提供する
ことを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明者等はコート装置について検討を重ねた結果、触
媒担体の管状通路にコート液を供給するときに、コート
液を保持する溶液保持部と触媒担体の管状通路とをコー
ト液が充填した状態で連通させると、溶液保持部と触媒
担体の管状通路とにおけるコート液の液面高さが等しく
なることを利用することで、上記課題を解決できること
を見出した。
【0013】すなわち、本発明の触媒用コート液のコー
ト装置は、管状通路を有する触媒担体の管状通路が上下
方向にのびるように触媒担体を保持する担体保持部と、
触媒用コート液を保持する溶液保持部と、溶液保持部に
一端が開口し、他端が触媒担体の下端に開口した流路部
と、溶液保持部および担体保持部の少なくとも一方を上
下方向に駆動する駆動部と、からなり、駆動部を駆動さ
せて溶液保持部および担体保持部の少なくとも一方を上
下方向に往復動させることでコート液を触媒担体に供給
または排出することにより触媒担体の管状通路をコート
液でコートすることを特徴とする。
【0014】本発明の触媒用コート液のコート装置は、
溶液保持部に保持されたコート液を循環させる経路を保
持していないため、装置の小型化ができる。また、溶液
保持部のコート液の液面高さにより触媒担体へのコート
量を検出することができるため、触媒担体の管状通路が
曲がっていてもコート幅の検知が簡単に行われる効果を
示す。
【0015】また、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方
法は、管状通路を有する触媒担体を管状通路が上下方向
にのびるように担体保持部に保持し、かつ触媒担体の管
状通路と連通した流路を介して接続された溶液保持部に
触媒用コート液を保持した状態で、溶液保持部を上方向
におよび/または担体保持部を下方向に移動させて、触
媒担体にコート液を供給するコート液供給工程と、コー
ト液供給工程においてコート液が供給された後に、溶液
保持部を下方向におよび/または担体保持部を上方向に
移動させて、担体保持部からコート液を排出するコート
液排出工程と、からなる触媒用コート液のコート工程を
有することを特徴とする。
【0016】本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、
触媒担体への触媒用コート液のコートを、溶液保持部お
よび/または担体保持部を上下方向に往復動させること
で行うことができる。このため、触媒担体へのコート液
の供給量および排出量を溶液保持部および/または担体
保持部の移動量を制御することで調節できる。本発明の
製造方法は、触媒担体へのコート液のコートを簡便な方
法で行うことができるため、製造にかかるコストを低下
させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】(コート装置)本発明の触媒用コ
ート液のコート装置は、担体保持部と、溶液保持部と、
流路部と、駆動部と、からなる。
【0018】担体保持部は、管状通路を有する触媒担体
の管状通路が上下方向にのびるように触媒担体を保持す
る。すなわち、担体保持部が触媒担体を管状通路が上下
方向にのびる状態で保持することで、管状通路の下端側
からコート液が管状通路の内部に供給されたときに、管
状通路の内部を下端側からコート液でコートできる。ま
た、担体保持部は、触媒担体の管状通路の上端側が開放
された状態で保持する。すなわち、管状通路の下端側か
らコート液が供給されたときに、コート液で管状通路内
を容易に満たすことができる。
【0019】触媒担体は、内部に管状通路を有する触媒
担体であれば、どのような触媒担体を用いてもよい。こ
の触媒担体としては、たとえば、パイプ触媒用担体、モ
ノリス触媒担体等の触媒担体をあげることができる。さ
らに、この触媒担体は、必ずしも管状通路が直線状にな
っていなくてもよく、曲管状に形成されていてもよい。
【0020】また、担体保持部に保持される触媒担体の
管状通路が上下方向にのびる方向とは、管状通路の両端
部に鉛直方向の位相差がある状態を示す。より好ましく
は管状通路が鉛直方向にのびる状態を示す。
【0021】溶液保持部は、触媒用コート液を保持する
部材である。ここで、溶液保持部に保持されるコート液
の量は、触媒担体の管状通路に浸入するコート液の量よ
りも大きい。溶液保持部がコート液を多量に保持するこ
とで、溶液保持部を駆動することで触媒担体の管状通路
内にコート液を供給することができる。
【0022】溶液保持部に保持される触媒用コート液と
は、排ガス浄化用触媒の製造時に触媒担体にコートされ
る溶液を示す。このコート液としては、たとえば、担持
層を形成するための触媒用スラリー、担持層に触媒金属
を担持させるための触媒金属溶液などの溶液をあげるこ
とができる。
【0023】流路部は、溶液保持部に一端が開口し、他
端が触媒担体の下端に開口する。すなわち、流路部は、
溶液保持部と触媒担体の管状通路とを連通させる部材で
ある。流路部が溶液保持部と触媒担体の管状通路とを連
通させることで、駆動部を駆動させたときにコート液が
触媒担体の管状通路内に供給されるようになる。
【0024】流路部の一端は、溶液保持部に開口する。
詳しくは、溶液保持部に保持されたコート液が溶液保持
部から供給、排出できるように開口する。また、この開
口は、溶液保持部が上下方向に駆動しても、コート液の
流通に支障がないように形成されている。すなわち、溶
液保持部が下降したときに、開口部がコート液の液面か
ら露出しないように開口している。
【0025】流路部の他端は、触媒担体の下端に開口す
る。詳しくは、流路部と触媒担体の管状通路とが連通す
るように開口している。
【0026】駆動部は、溶液保持部および担体保持部の
少なくとも一方を上下方向に駆動する。溶液保持部およ
び担体保持部の少なくとも一方が上下方向に移動するこ
とで、触媒担体の管状通路の内部にコート液を供給、排
出する。
【0027】本発明の触媒用コート液のコート装置は、
駆動部を駆動させて溶液保持部および担体保持部の少な
くとも一方を上下方向に往復動させることでコート液を
触媒担体の管状通路内に供給または排出させて触媒担体
のコートを行う。すなわち、溶液保持部および担体保持
部の少なくとも一方を上下方向に移動させることで、触
媒担体の管状通路内にコート液を供給、排出する。な
お、本発明の触媒用コート液のコート装置は、コート液
が管状通路内に供給された後に、排出されることで触媒
担体の管状通路は、コート液でコートされる。ここで、
本発明のコート装置は、溶液保持部でのコート液の液面
の高さと、触媒担体の管状通路内でのコート液の液面の
高さが等しくなることを利用している。
【0028】(原理)本発明のコート装置の原理を、溶
液保持部を駆動したときを例にして、説明する。
【0029】まず、溶液保持部を上方に移動させると、
管状通路内と溶液保持部でのコート液の液面高さに差が
生じる。すなわち、溶液保持部を上方に移動させると、
溶液保持部のコート液の液面高さは、管状通路内の液面
高さより高くなる。液面高さに差が生じると、液面高さ
を等しくしようとコート液の移動が生じる。このコート
液の移動により、溶液保持部の液面高さが下降する。溶
液保持部の液面高さが下降すると、液面高さの下降量に
対応したコート液が溶液保持部から流路部および触媒担
体に移動する。コート液が移動してきた管状通路内で
は、コート液の液面高さが上昇する。液面高さが上昇す
ることで触媒担体の管状通路内にコート液が供給され、
コート液のコートが行われる。
【0030】また、溶液保持部を相対的に下方に移動さ
せると、溶液保持部のコート液の液面高さは、管状通路
内のコート液の液面高さより低くなる。液面高さに差が
生じると、液面高さを等しくしようとコート液の移動が
生じる。このコート液の移動により、溶液保持部の液面
高さが上昇する。溶液保持部の液面高さが上昇するとい
うことは、液面高さの上昇量に対応したコート液が流路
部および触媒担体から移動してくる。コート液が移動し
た管状通路内は、コート液の液面高さが低くなる。液面
高さが低くなることは、触媒担体の管状通路内からコー
ト液が排出されることを示す。
【0031】触媒担体の管状通路内でのコート液の液面
高さと、溶液保持部に保持されたコート液の液面高さと
が等しくなる現象は、管状通路と溶液保持部とにおける
大気圧が等しいためである。すなわち、管状通路と溶液
保持部のコート液の液面にかかる圧力(大気圧)に差が
生じると、パスカルの原理により、圧力の低い方の液面
の高さは上昇することとなる。しかしながら、両者にお
けるコート液にかかる圧力が等しくなると、つり合いが
生じることとなり、液面高さが等しくなる。
【0032】以上に示した作用により、本発明のコート
装置は、触媒用コート液を触媒担体にコートする。
【0033】駆動部は、溶液保持部を駆動することが好
ましい。溶液保持部を駆動させることで、コート装置が
小型化できる。すなわち、溶液保持部は、同量のコート
液を移動させるために要する駆動量が担体保持部より少
なく、移動距離を短くできるためである。
【0034】本発明のコート装置は、流路部がコート液
で充填された状態で用いられる。コート液が流路部を充
填することで、溶液保持部の相対的な駆動により触媒担
体の管状通路にコート液の供給、排出をできるようにな
る。ここで、充填された状態とは、コート液中に気泡な
どを有していない状態を示す。コート液が気泡を有する
と、コート液の流路部中での移動が阻害されることとな
り、触媒担体へのコート液の供給、排出に困難が生じ
る。
【0035】流路部は、コート液の液面より下方に配置
されることが好ましい。流路部が下方に配されること
で、流路部内へのコート液の充填が容易となるととも
に、流路部内に気泡が残留することを抑えることができ
る。
【0036】担体保持部は、触媒担体の下端を保持する
ことが好ましい。担体保持部が触媒担体の下端を保持す
ることで、触媒担体の下方から触媒用コート液を管状通
路内に供給することができる。
【0037】担体保持部は、触媒担体を液密的に保持す
ることが好ましい。触媒担体を液密的に保持すること
で、管状通路内のコート液の液面高さを制御できるよう
になる。また、液密的に保持することで、コート液の漏
れが生じなくなり、コート液のロスを抑えることができ
る。触媒担体を液密的に保持する方法としては、たとえ
ば、担体保持部の触媒担体との当接部を弾性体とし、触
媒担体を圧着することで液密的に保持する方法をあげる
ことができる。
【0038】コート液の液面高さを検出する液面検出手
段を有することが好ましい。コート液の液面高さを測定
することで、触媒担体のコート幅を測定することができ
る。
【0039】液面検出手段は、溶液保持部に保持された
コート液の液面高さを検出することが好ましい。すなわ
ち、液面検出手段を溶液保持部にもうけることで、コー
ト装置をコンパクトにすることができる。
【0040】液面検出手段は、超音波センサであること
が好ましい。すなわち、超音波センサを用いると、液面
の測定をコート液に接触することなく行うことができ
る。この結果、コート液が所望のコート位置から外れた
位置に付着することを抑えることができる。
【0041】駆動部は、溶液保持部の駆動量を調節でき
ることが好ましい。駆動部が溶液保持部の駆動量を調節
することで、触媒担体に供給されるコート液量を調節す
ることができるようになる。
【0042】駆動部の溶液保持部の駆動速度は、特に限
定されるものではなく、コート液の性質により適宜決定
することができる。すなわち、コート液の粘性などによ
り溶液保持部の移動速度と触媒担体内へのコート液の供
給速度に差が生じるためである。詳しくは、コート液に
触媒用スラリーのように高い粘度を有する溶液が用いら
れたときには、コート液がその粘性により触媒担体への
充填に時間がかかる。このため、駆動速度を低速とする
ことが好ましい。また、コート液の粘性が低いときに
は、容易に触媒担体内へ供給される。このため、駆動速
度は高速であってもよい。
【0043】液面検出手段と駆動部とに接続され、液面
検出手段により検出されたコート液の液面高さから駆動
部の駆動量を演算する演算部を有することが好ましい。
演算手段を有することで、担体保持部側に供給されたコ
ート液の液面高さを検出することができるとともに、触
媒担体へのコート液の供給量を調節することができる。
この結果、コート液のコート幅を所望の幅とすることが
できる。
【0044】溶液保持部は、保持された前記コート液を
攪拌する攪拌手段を有することが好ましい。攪拌手段を
有することでコート液の均一性が保持される。具体的に
は、コート液として触媒用スラリーが用いられるときに
は、スラリーをそのままの状態で保持しておくとスラリ
ーに分散された粒子成分が互いの分子間力によりゆるく
結合してスラリー粘度にばらつきが生じる。スラリー粘
度にばらつきが生じると、触媒担体に担持される触媒成
分量が変化することとなり、担持層を形成したときに担
持層にばらつきが生じるため、好ましくないためであ
る。
【0045】また、溶液保持部は、調温手段を有するこ
とが好ましい。すなわち、コート液が触媒用スラリーの
ときには、スラリーの粘度を一定に保つことができる。
このことは、スラリーは、温度の変化によりその粘度が
変化するようになるためである。
【0046】本発明のコート装置は、溶液保持部を駆動
することで触媒担体へのコート液のコートを行うことが
できるため、装置が簡素化される。この結果、装置のメ
ンテナンスに要するコストが低減できる。また、装置を
小型化できる効果を示す。
【0047】(排ガス浄化用触媒の製造方法)本発明の
排ガス浄化用触媒の製造方法は、コート液供給工程と、
コート液排出工程と、からなるコート工程を有する。
【0048】コート工程は、管状通路を有する触媒担体
を管状通路が上下方向にのびるように担体保持部に保持
し、かつ触媒担体の管状通路と連通した流路を介して接
続された溶液保持部に触媒用コート液を保持した状態で
施される。
【0049】管状通路を有する触媒担体は、内部に管状
通路を有する触媒担体であれば、どのような触媒担体を
用いてもよい。この触媒担体としては、たとえば、パイ
プ触媒用担体、モノリス触媒担体等の触媒担体をあげる
ことができる。さらに、この触媒担体は、必ずしも管状
通路が直線状になっていなくてもよく、曲管状に形成さ
れていてもよい。
【0050】また、触媒担体の管状通路が上下方向にの
びる方向とは、管状通路の両端部に鉛直方向の位相差が
ある状態を示す。より好ましくは管状通路が鉛直方向に
のびる状態を示す。
【0051】触媒用コート液とは、排ガス浄化用触媒の
製造時に触媒担体にコートされる溶液を示す。このコー
ト液としては、たとえば、担持層を形成するための触媒
用スラリー、担持層に触媒金属を担持させるための触媒
金属溶液などの溶液をあげることができる。
【0052】コート液供給工程は、溶液保持部を上方向
におよび/または担体保持部を下方向に移動させて、触
媒担体にコート液を供給する工程である。すなわち、コ
ート液供給工程は、溶液保持部を上方向におよび/また
は担体保持部を下方向に移動させることで、触媒担体の
管状通路にコート液を供給する。
【0053】コート液排出工程は、コート液供給工程に
おいてコート液が供給された後に、溶液保持部を下方向
におよび/または担体保持部を上方向に移動させて、担
体保持部からコート液を排出する工程である。
【0054】コート工程におけるコート液の供給および
排出は、上記コート装置の原理と同様の原理により行わ
れる。
【0055】コート液供給工程およびコート液排出工程
の両工程は、溶液保持部を移動させることが好ましい。
溶液保持部を駆動させることで、コート装置が小型化で
きる。すなわち、溶液保持部は、同量のコート液を触媒
担体に供給および排出させるために要する移動量を短く
できる。
【0056】本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、
触媒用コート液をコートするコート液のコート工程以外
は、従来の排ガス浄化用触媒の製造方法と同様の方法を
用いることができる。
【0057】本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、
コート工程において触媒用コート液を触媒担体にコート
する。このコート工程においては、溶液保持部および/
または担体保持部の移動量を調節することで、触媒担体
へのコート幅を所望の範囲に収めることができる。
【0058】また、溶液保持部および/または担体保持
部を移動させることで触媒担体へのコート液の供給およ
び排出が行えることから、コート液の移動にポンプ等の
動力が必要なくなり、コート装置の簡素化がなされるよ
うになる。
【0059】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0060】本発明の実施例として、図1に示されるコ
ート液のコート装置を作成した。このコート装置は、曲
管状の触媒担体の内部に触媒用コート液をコートするコ
ート装置である。
【0061】実施例のコート装置は、コート液を保持す
るタンク11と、触媒担体61を保持する担体保持部2
と、タンク11と担体保持部2とを連通する管路よりな
るコート液流通管3と、タンク11内のコート液の液面
高さを測定するセンサー51と、タンク11を鉛直方向
に駆動する駆動部4と、センサー51と駆動部4とに接
続された演算部52と、から構成される。
【0062】タンク11は、上部が開口した槽状を有す
る。この槽状の部分にコート液は保持される。また、タ
ンク11には、図示されていないが、タンク11内に保
持されたコート液を攪拌するための攪拌羽根がもうけら
れている。
【0063】担体保持部2は、触媒担体61の下端を保
持する下端保持部21と、触媒担体の上端部を保持する
上端保持部22と、触媒担体61の側面部を保持する側
面保持部23と、から構成される。この担体保持部2
は、触媒担体61の管状通路が上下方向にのびる状態で
保持する。また、下端保持部21には、図示されていな
いシリンダーがもうけられ、このシリンダーを稼働させ
ることで触媒担体61の下端の端部に下端保持部21が
押圧され、下端保持部21と触媒担体61とが圧着され
る。
【0064】コート液流通管3は、一端がタンク11の
槽状の下端の端面に開口し、他端が触媒担体61の管状
通路に連通するように下端保持部21に開口する。コー
ト液流通管3は、内部にフッ素樹脂被膜が形成された内
径25mmの柔軟性を有する管路よりなる。また、この
コート液流通管3は、タンク11のコート液の液面より
低い位置に配置されている。
【0065】また、コート液流通管3のタンク11およ
び下端保持部21との接続部は、タンク11および下端
保持部21にホースバンドで締め付けることで行われ
た。また、コート液流通管3は、タンク11および下端
保持部21の移動を妨げないように、たるみを有するよ
うに接続されている。
【0066】駆動部4は、モーター41と、モーター4
1の回転軸に形成されたねじ軸42と、ねじ軸42の回
転によりねじ軸42ののびる方向に往復動するとともに
タンク1が接合されたボルト部43と、から構成され
る。
【0067】駆動部4は、モーター41を回転させるこ
とでねじ軸42を回転させ、このねじ軸42の回転によ
りボルト部43を鉛直方向に移動させる。ボルト部43
が移動することで、ボルト部43に接合されたタンク1
も移動する。
【0068】センサー51は、タンク11の上方にもう
けられ、タンク11に保持されたコート液の液面に超音
波を照射し、反射した超音波を測定することでセンサー
41とコート液の液面との間の距離を測定する。
【0069】センサー51により測定されたコート液ま
での距離は、演算部52に伝えられる。演算部52にお
いて、タンク11におけるコート液の液面の高さが求め
られる。このタンク11におけるコート液の液面の高さ
から、下端保持部21側でのコート液の液面高さが求め
られる。その後、演算部52において、所望のコート幅
との差を求め、この差に対応したタンク11の駆動部の
駆動量が決定する。そして、演算部52により、決定し
た駆動量から、モーター41の回転が制御される。
【0070】(排ガス浄化用触媒の製造)実施例のコー
ト装置を用いて、パイプ触媒を製造した。
【0071】パイプ触媒の製造は、予め形成したパイプ
触媒用触媒担体の内周面に触媒用スラリーをコートし、
乾燥、焼成させたのちに、触媒貴金属溶液をコートし、
乾燥、焼成させることで行われた。なお、触媒用スラリ
ーおよび触媒貴金属溶液のコートには、実施例のコート
装置が用いられた。
【0072】パイプ触媒用触媒担体は、図1に示された
ように弧状に曲げられた内径がφ46mmのステンレス
よりなるパイプよりなる。
【0073】(触媒用スラリーのコート)まず、触媒保
持部に触媒担体を保持させた。すなわち、下端保持部に
触媒担体の下端部を、上端保持部に触媒担体の上端部
を、側面保持部に触媒担体の側面部を保持させた。つづ
いて、シリンダーを稼働させ、触媒担体の下端に下端保
持部を圧着させた。下端保持部と触媒担体とを圧着させ
ることで触媒担体を液密的に保持した。
【0074】つづいて、所定の高さに保持されたタンク
に、触媒用スラリーを投入した。触媒用スラリーがタン
ク内に投入されると、コート液流通管を通って、触媒用
スラリーは、コート液流通管の担体保持部側にまで充填
される。このとき、担体保持部側でのスラリーの液面
は、触媒担体より低い位置にある。なお、スラリーは、
タンク内に投入されたときは、図示されていない攪拌羽
根により攪拌されている。
【0075】その後、駆動部を駆動させて、タンクを鉛
直上方に移動させた。鉛直方向にタンクが移動すると、
担体保持部側でのスラリーの液面が上昇し、触媒担体の
内部にスラリーが供給される。なお、タンクの上昇速度
は、20mm/sであった。
【0076】このとき、タンクにおけるスラリーの液面
の高さは、センサーにより検出されている。センサーに
より検出された液面高さは、演算部に伝達され、演算部
によりタンクの移動を調節する。
【0077】触媒担体の所定の高さにまでスラリーが達
したところで、タンクの移動が止められ、10秒間保持
することでスラリーの液面を安定させた。
【0078】その後、駆動部を稼働させて、タンクを下
降させた。タンクの下降により触媒担体の内部に供給さ
れたスラリーは、触媒担体から排出された。このとき、
タンクは、コート液の液面が触媒担体より低い位置にな
るまで下降した。
【0079】以上の方法により、触媒担体に触媒用スラ
リーをコートした。
【0080】この触媒用スラリーがコートされた触媒担
体を乾燥させた後に焼成し、触媒担体の内周面に担持層
を形成した。
【0081】(触媒貴金属の担持)内周面に担持層が形
成された触媒担体を実施例のコート装置に設置した。な
お、このコート装置は、触媒用スラリーのかわりに触媒
貴金属溶液がタンクに投入された。
【0082】つづいて、触媒用スラリーのコートの時と
同様に、タンクを下方に駆動させ、所望のコート幅で触
媒貴金属溶液をコートさせた。その後、タンクを上方に
移動して触媒貴金属溶液を排出させた。
【0083】触媒貴金属をコートした触媒担体を、乾
燥、焼成させ、パイプ触媒が製造された。
【0084】実施例のコート装置は、弧状に形成された
触媒担体62の内部にスラリーをコートできた。すなわ
ち、実施例のコート装置は、タンクを上下方向に移動さ
せることで触媒担体に触媒用スラリーをコートできる。
また、触媒担体が曲がっていても、触媒用スラリーのコ
ートを所望のコート幅で行うことができる。
【0085】
【発明の効果】本発明の触媒用スラリーのコート装置
は、溶液保持部を上下方向に往復動させることでコート
液を触媒担体に供給、排出する。このため、装置を簡素
化できるようになり、装置を小型化することができる。
また、溶液保持部のコート液の液面高さで触媒担体への
コート液のコート幅を制御できるようになっているた
め、触媒担体の形状を限定しなくなる。この結果、コー
ト装置の使用できる範囲が広がることとなる効果を示
す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の触媒用コート液のコート装置の構成
を示した図である。
【図2】 従来の触媒用コート液のコート装置の構成を
示した図である。
【符号の説明】
11、12…タンク 2、25…担体保持部 21…下端保持部 22…上端保持部 23…側面保持部 3…コート液流通管 4…駆動部 41…モーター 42…ねじ軸 43…ボルト部 51…センサー 52…演算部 55…レベル 61、62…触媒担体 7…コート液循環路 71…制御弁 72…ポンプ
フロントページの続き Fターム(参考) 4D048 AA06 AA13 AA18 AB03 BB02 BB05 4D075 AB05 AB39 AB41 AB56 AG08 AG21 AG27 BB14Y CA47 DA15 DA19 DB04 DB14 DC13 EA07 EB01 4F042 AA03 AA09 AA28 BA08 BA09 CB02 CB19 CB27 EA07 EA08 EA24 EA35 4G069 AA03 AA08 CA03 CA10 CA13 CA14 CA15 DA06 EA06 EA19 FA03 FB23 FC06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状通路を有する触媒担体の該管状通路
    が上下方向にのびるように該触媒担体を保持する担体保
    持部と、 触媒用コート液を保持する溶液保持部と、 該溶液保持部に一端が開口し、他端が該触媒担体の下端
    に開口した流路部と、 該溶液保持部および該担体保持部の少なくとも一方を上
    下方向に駆動する駆動部と、からなり、 該駆動部を駆動させて該溶液保持部および該担体保持部
    の少なくとも一方を上下方向に往復動させることで該コ
    ート液を該触媒担体に供給または排出することにより該
    触媒担体の該管状通路を該コート液でコートすることを
    特徴とする触媒用コート液のコート装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動部は、前記溶液保持部を駆動す
    る請求項1記載の触媒用コート液のコート装置。
  3. 【請求項3】 前記コート液の液面高さを検出する液面
    検出手段を有する請求項1記載の触媒用コート液のコー
    ト装置。
  4. 【請求項4】 前記液面検出手段は、前記溶液保持部に
    保持された該コート液の液面高さを検出する請求項3記
    載の触媒用コート液のコート装置。
  5. 【請求項5】 前記液面検出手段は、超音波センサであ
    る請求項3記載の触媒用コート液のコート装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動部は、前記溶液保持部の駆動量
    を調節できる請求項1記載の触媒用コート液のコート装
    置。
  7. 【請求項7】 前記液面検出手段と前記駆動部とに接続
    され、該液面検出手段により検出された前記コート液の
    液面高さから該駆動部の駆動量を演算する演算部を有す
    る請求項3記載の触媒用コート液のコート装置。
  8. 【請求項8】 前記溶液保持部は、保持された前記コー
    ト液を攪拌する攪拌手段を有する請求項1記載の触媒用
    コート液のコート装置。
  9. 【請求項9】 管状通路を有する触媒担体を該管状通路
    が上下方向にのびるように担体保持部に保持し、かつ該
    触媒担体の該管状通路と連通した流路を介して接続され
    た溶液保持部に触媒用コート液を保持した状態で、 該溶液保持部を上方向におよび/または該担体保持部を
    下方向に移動させて、該触媒担体に該コート液を供給す
    るコート液供給工程と、 該コート液供給工程において該コート液が供給された後
    に、該溶液保持部を下方向におよび/または該担体保持
    部を上方向に移動させて、該担体保持部から該コート液
    を排出するコート液排出工程と、からなる触媒用コート
    液のコート工程を有することを特徴とする排ガス浄化用
    触媒の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記コート液供給工程および前記コー
    ト液排出工程の両工程は、前記溶液保持部を移動させる
    請求項9記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013519516A (ja) * 2010-02-19 2013-05-30 ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト コーティング装置および方法
JP2018504262A (ja) * 2014-12-11 2018-02-15 ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフトUmicore AG & Co.KG 触媒製造における漏れ検出の方法

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