JP4785470B2 - 排ガス浄化フィルタおよびその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化フィルタおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関から排出される排ガス中に含まれる粒子状物質(PM:particulate matter、以下PMともいう)を浄化するための排ガス浄化フィルタおよびその製造方法に関する。特に、粒子状物質と触媒との接触状態によらず、粒子状物質を低温で燃焼可能な排ガス浄化フィルタおよびその製造方法に関する。
ディーゼル排ガス中に含まれる粒子状物質(PM)の浄化装置としては、ディーゼル微粒子除去装置(DPF:diesel particulate filter)やキャタライズドスートフィルタ(CSF:catalyzed soot filter)が知られている。このような浄化装置においては、フィルタにてPMを捕集し、燃焼させることにより、排ガスを浄化する。
しかしながら、PMの燃焼には、通常、550℃〜650℃の高温を必要とする。このため、ディーゼル車の実用域でのPMの連続燃焼は困難であり、捕集したPMは、徐々にフィルタに堆積されていく。そこで、連続再生式の浄化装置においては、捕集したPMの過剰な堆積を回避するため、何らかの昇温手段を用いて強制的に、堆積したPMを燃焼(強制再生)させて、フィルタの再生を行なっている。
また、触媒を用いて浄化を行なうCSFにおいても、PMの燃焼温度は、それ程低温化することができてはいない。これは、PMと触媒との反応は、固体−固体反応であることから、触媒との接触状態の良いPMは燃焼するものの、接触状態の悪いPMは燃焼しづらくなるためである。
CSFに使用されるPM捕集担体に触媒を担持する場合には、通常、PM捕集担体の壁面、あるいは細孔に触媒が塗布される。このため、PMの捕集量が増加するにつれて、壁面あるいは細孔に塗布された触媒上には、徐々にPMが堆積していく。このとき、触媒との界面(接触面)に存在するPMは、触媒との接触性は良好であるものの、界面以外に積層したPMは、触媒と接触しにくくなる。その結果、たとえPMに対して活性の高い触媒を用いていても、接触状態によっては、触媒の性能を十分に発揮することができない。
例えば、特許文献1においては、3次元構造体上に触媒を層構造に塗布することにより、触媒の機能を分離する技術が提案されている。この技術によれば、3次元構造体にそれぞれ特性の異なる触媒層を設けることで、3次元構造体と触媒成分との反応を抑制し、また、触媒層間同士の反応による劣化を抑制することで、触媒の活性の劣化を防ぐことができ、これらの結果、高活性の浄化材を得ることができる。
また、特許文献2においては、PM捕集担体として多孔質のセラミック濾過材を使用し、多孔質セラミックの細孔の内面に、触媒を塗布した担体が提案されている。多孔質セラミックの細孔の内面に触媒を担持させることにより、排気ガスが濾過材を流通する過程でPMを燃焼させ、PMの濾過と同時に燃焼除去することができる。
更に、特許文献3においては、DPFの細孔内に触媒を偏って担持させる技術が提案されている。この技術によれば、排気圧損の上昇を抑制しつつ、PM捕集率を高めるとともに、高効率で捕集されたPMを、触媒を担持した細孔内にて順次燃焼させることができる。
特開2001−157845号公報 特開2002−221022号公報 特開2004−076717号公報
しかしながら、特許文献1の技術によれば、PMと触媒との反応は固体−固体反応であることに起因して、上層触媒とPMとは接触可能であるものの、下層触媒とPMとは接触することが出来ず、したがって、下層触媒の性能を十分に発揮することは困難であった。また、上層触媒においても、PMと触媒との接触箇所以外に積層したPMは、触媒による補助を受けることができず、このため、低温にて燃焼させることはできなかった。
また、特許文献2および特許文献3の技術によれば、PMの捕集量が増加するにつれて、PM捕集担体の細孔径以上のPMは、濾過材の表面上に徐々に堆積していく。濾過材の表面に堆積したPMは、触媒と接触することができず、このため、PMに対して活性が高い触媒を担持した場合であっても、触媒の性能を十分に発揮することはできなかった。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、ディーゼル車の実用域の範囲である低温の排気ガスにおけるPMの連続燃焼が可能であり、且つ、たとえPMが堆積した場合であっても、低温で強制再生ができる排ガス浄化フィルタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、粒子状物質と触媒との接触性に着目して鋭意研究を重ねた。その結果、高接触活性触媒と低接触活性触媒とを併用することにより、PMの接触状態あるいは堆積状態によらず、PMを低温燃焼可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 内燃機関の排気通路に配置され前記内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を浄化する排ガス浄化フィルタであって、前記排ガスが流入する排ガス流入路と、この排ガス流入路の隔壁を形成し空隙を有する濾過材と、前記排ガス流入路に流入して前記濾過材を通過した排ガスを流出する排ガス流出路と、を備え、前記隔壁の内表面には、前記粒子状物質との接触性によらず高い活性を示す低接触活性触媒が担持され、前記濾過材中の前記空隙の内表面には、前記粒子状物質との接触性が高い場合に高い活性を示す高接触活性触媒が担持された排ガス浄化フィルタ。
(1)の排ガス浄化フィルタは、粒子状物質(PM)との接触性によらず高い活性を示す低接触活性触媒と、粒子状物質(PM)との接触性が高い場合に高い活性を示す高接触活性触媒とを、それぞれ、粒子状物質との接触性が高い部位と低い部位とで使い分けるものである。具体的には、濾過材の空隙内に高接触活性触媒を配置し、濾過材の表面に低接触活性触媒を配置するものである。
ここで、本発明における「接触性」とは、堆積PM量に対するPMと触媒の接触比率をさす。接触性が高い場合とは、堆積PMのほとんどが触媒と接触点を有する場合であり、接触性が低い場合とは、堆積PMのほとんどが触媒と接触点を有さない場合である。すなわち、PM量が少ないほど接触比率は上がり、接触性は高くなる。
一般に、DPFを用いて排ガスの浄化を行なう場合、濾過材の空隙内には、空隙径よりも小さい径のPMが入り込んで捕集され、一方で、空隙径よりも大きい径を有するPMは、濾過材の表面で捕集される。PMは、粒径が小さいほど存在が少量となるため、濾過材の空隙孔に捕集されるPM量は少量となり、このため、濾過材の空隙内の触媒とPMとの接触性は高い。一方で、濾過材の表面で捕集されるPMは、粒径がある程度大きいため、捕集量が増えるにつれて積層され、触媒との接触性は低くなり、更には、PMは触媒と接触しなくなる。
(1)の排ガス浄化フィルタによれば、それぞれの触媒の性能を十分に発揮することから、粒子状物質(PM)を効率よく燃焼させることができ、これにより、PMの燃焼温度を低下させることができる。したがって、ディーゼル車の実用域の範囲にある低温の排気ガス中のPMを連続燃焼させることができ、且つ、たとえPMが堆積した場合であっても、低温で強制再生を行なうことができる。その結果、(1)の排ガス浄化フィルタによれば、強制再生による燃費のロス、触媒劣化を抑制することができ、自動車への負担を軽減することができる。
また、(1)の排ガス浄化フィルタは、それぞれの触媒の性能を十分に発揮することができ、触媒を有効に用いることができる。したがって、排ガス浄化フィルタの作成にあたって、経費の削減に寄与することができる。
(2) 前記排ガス流入路および前記排ガス流出路は、前記濾過材を介して交互に隣接して配置された多数のセルから形成され、前記排ガス流入路を形成するセルは、上流側末端が開放され、且つ、下流側末端が目封止されており、前記排ガス流出路を形成するセルは、上流側末端が目封止され、且つ、下流側末端が開放されている(1)記載の排ガス浄化フィルタ。
(2)の排ガス浄化フィルタは、多数のセルから構成されるいわゆるウォールフロー型の排ガス浄化フィルタである。(2)の排ガス浄化フィルタは、ハニカム構造体を有することから、小さな堆積で効率よく排ガスを処理することができる。
(3) 前記濾過材は、多孔質セラミックである(1)または(2)記載の排ガス浄化フィルタ。
(3)の排ガス浄化フィルタは、その材質を多孔質セラミックとすることから、高接触活性触媒を担持するための空隙を十分に備えており、且つ、強制再生等による高温条件下においても、十分に耐えることができる。
(4) 前記低接触活性触媒は、少なくとも1種の遷移金属元素および少なくとも1種のアルカリ金属元素を含む(1)から(3)いずれか記載の排ガス浄化フィルタ。
(4)の排ガス浄化フィルタは、低接触活性触媒として、少なくとも1種の遷移金属元素および少なくとも1種のアルカリ金属元素を含む触媒を用いることにより、触媒の活性をより高いものとすることができる。また、本発明に係る排ガス浄化フィルタにおいて、低接触活性触媒は、濾過材の表面に全体的に担持されることから、貴金属等を含む高価な触媒を使用する場合と比較して、排ガス浄化フィルタの作成にあたって、経費の削減に寄与することができる。
(5) 前記高接触活性触媒は、少なくとも1種の貴金属元素を含む(1)から(4)いずれか記載の排ガス浄化フィルタ。
(5)の排ガス浄化フィルタは、高接触活性触媒として、少なくとも1種の貴金属元素を含む触媒を用いるものである。貴金属元素を含む触媒は、一般に高価である。本発明において、高接触活性触媒は、濾過材の空隙部分にのみ担持されることから、その使用量を抑えることができる。したがって、(5)の排ガス浄化フィルタによれば、高価な貴金属元素を含む触媒の使用量を低減することができ、このため、排ガス浄化フィルタの作成にあたって、経費の削減に寄与することができる。
(6) 内燃機関の排気通路に配置され前記内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を浄化する排ガス浄化フィルタの製造方法であって、空隙を有する濾過材に、前記粒子状物質との接触性が高い場合に高い活性を示す高接触活性触媒を通過させ、前記濾過材中の前記空隙の内表面に前記高接触活性触媒を担持させる高接触活性触媒担持工程と、前記高接触活性触媒担持工程により前記濾過材中の前記空隙の内表面に前記高接触活性触媒を担持させた前記濾過材の表面に、前記粒子状物質との接触性によらず高い活性を示す低接触活性触媒を塗布して担持させる低接触活性触媒担持工程と、を含む排ガス浄化フィルタの製造方法。
(6)の排ガス浄化フィルタの製造方法によれば、粒子状物質との接触性が高い部位に高接触活性触媒を配置し、粒子状物質との接触性が低い部位に低接触活性触媒を配置することができる。このため、(6)の排ガス浄化フィルタの製造方法により得られるフィルタは、上記(1)の効果を有する。
本発明によれば、ディーゼル車の実用域の範囲にある低温の排気ガス中のPMを連続燃焼させることができ、且つ、たとえPMが堆積した場合であっても、低温で強制再生を行なうことができる。このため、強制再生による燃費のロス、触媒劣化を抑制することができ、自動車への負担を軽減することができる。
また、PMの堆積状態に合わせた触媒を使い分けて使用することができるため、高価な貴金属を含む触媒の使用量を抑えることができ、その結果、排ガス浄化フィルタの作成にあたって、経費の削減に寄与することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[排ガス浄化フィルタの全体構成]
図1は、本発明の実施形態にかかるウォールフロー型DPF1の、セルに平行な方向の断面模式図である。本実施形態にかかるウォールフロー型DPF1は、排ガス(濾過材通過前)2が流入する排ガス流入路3と、この排ガス流入路3の隔壁を形成する濾過材4と、排ガス流入路3に流入した後、濾過材4を通過して濾過された排ガス(濾過材通過後)5が流出する排ガス流出路6を備える。また、排ガス流入路3の下流側末端、および、排ガス流出路6の上流側末端は、目封止材7にて目封止されている。
本実施形態においては、排ガス(濾過材通過前)2は、排ガス浄化フィルタの排ガス流入路3に流入され、濾過材4により濾過されることにより浄化し、排ガス(濾過材通過後)5として、排ガス流出路6から排出される。
図2は、図1における点線範囲Pの部分拡大図である。図2に示されるように、濾過材8は、排ガス流入路3および排ガス流出路6に連結する空隙9を有する。また、濾過材8の排ガス流入路3側の表面には、低接触活性触媒10が担持されている。濾過材8の空隙9の内表面には、高接触活性触媒11が担持されている。
本実施形態においては、濾過材8の空隙9の径以下の径を有するPM12は、空隙9を通過して、空隙9の内表面に担持された高接触活性触媒11に接触する。また、濾過材8の空隙9の径以上の径を有するPM13は、空隙9を通過することなく濾過材8の排ガス流入路3側の表面に担持された低接触活性触媒10に接触する。
図3は、図2における点線範囲Qの部分拡大図である。図3に示されるように、濾過材8の空隙9の径以下の径を有するPM12は、空隙9の内表面に担持された高接触活性触媒11の触媒粒子同士の隙間に侵入することができ、このため、触媒の活性点とPMの接触点が増加する。
[濾過材]
本実施形態で用いられる濾過材8としては、特に限定されるものではない。高接触活性触媒11を担持することのできる空隙を有し、PMの燃焼温度に耐えうるものであれば、公知の濾過材を用いることが可能である。本実施形態に用いられる濾過材としては、例えば、多孔質セラミック、セラミック発泡体、金属発泡体、金属メッシュ等を挙げることができる。これらの中では多孔質セラミックを使用することが好ましい。
〔濾過材の厚み〕
本発明に用いられる濾過材の厚みとしては、特に限定されるものではなく、求められる浄化の程度、使用する触媒の性能、濾過材の空隙の大きさ、空隙率、さらには、排ガス浄化フィルタを用いる浄化装置の大きさに併せて、適宜選択することができる。本発明における濾過材の厚みは、254μm以上380μm以下が好ましく、254μm以上310μm以下が更に好ましい。濾過材の厚みがこの範囲にあれば、空隙に侵入するPM量に対する最適な触媒量を塗布することが可能であり、十分に触媒性能を発揮することができる。
〔空隙の大きさ・空隙率〕
本発明に用いられる濾過材における空隙の大きさ、および空隙率は、特に限定されるものではない。求められる浄化の程度、使用する触媒の性能、濾過材の厚み、さらには、排ガス浄化フィルタを用いる浄化装置の大きさに併せて、適宜選択することができる。本発明における濾過材の空隙の大きさは、1μm以上40μm以下の範囲であることが好ましく、9μm以上24μm以下であることが更に好ましい。空隙の大きさがこの範囲にあれば、触媒の接触において高い接触性を有するPM粒径を空隙に侵入させることができ、十分に触媒性能を発揮することができる。また、本発明における濾過材の空隙率は、30%以上98%以下であることが好ましく、40%以上70%以下であることが更に好ましい。空隙率がこの範囲にあれば、十分なPM捕集率を保ちながらPMを浄化可能とすることができる。
[目封止材]
本実施形態に用いられる目封止材7は、特に限定されるものではない。排ガス流入路3および排ガス流出路を目封止することのできる大きさを有し、PMの燃焼温度等の使用に耐えうるものであれば、公知の材料により形成された目封止材を用いることが可能である。本実施形態に用いられる目封止材としては、例えば、SiC、コージェライト、アルミナ、シリカ等のセラミック材料や金属材料を挙げることができるが、濾過材8と同じ材料を使用することが望ましい。
[高接触活性触媒]
本実施形態に用いられる高接触活性触媒11は、粒子状物質との接触性が高い場合に高い活性を示す触媒である。高接触活性触媒は、PMとの接触状態が高い場合に、PMを低温で燃焼することができるため、処理する排ガスが低温であっても、連続的にPMを燃焼することができる。このため、ディーゼル車における実用域においても、十分に連続的にPMを燃焼させることができる。
本発明に用いられる高接触活性触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、貴金属元素、遷移金属元素等の無機元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む触媒を挙げることができる。これらの中では、ルテニウム、パラジウム等の貴金属元素を含む触媒が好ましい。
[低接触活性触媒]
本実施形態に用いられる低接触活性触媒10は、粒子状物質との接触性によらず高い活性を示す触媒である。低接触活性触媒は、PMとの接触状態が高い状態で、PMを低温で燃焼できるばかりでなく、PMとの接触状態が低い状態であっても、PMを低温で燃焼することができる。これは、アルカリ金属等の低接触活性触媒に含まれる成分の溶融効果により、接触が低い状態であっても、PMの低温燃焼が可能となると推測される。
低接触活性触媒は、PMとの接触が低い状態では、上記の高接触活性触媒の接触性が高い状態よりも高温側でしかPMを燃焼することができないが、高接触活性触媒のPMとの接触が低い状態よりは、低温側でPMを燃焼することができる。このため、高接触活性触媒とPMとの接触性が低く、連続燃焼させることのできなかったPM(例えば積層したPM)を、高接触活性触媒を使用して燃焼させるよりは、低い温度にて燃焼することができる。
本発明に用いられる低接触活性触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、貴金属元素、遷移金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の無機元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む触媒を挙げることができる。これらの中では、少なくとも1種の遷移金属元素および少なくとも1種のアルカリ金属元素を含む触媒が好ましく、遷移金属元素としてはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、マンガン、コバルト、銅、モリブデン、バナジウム等の酸化物でイオン化エネルギーの低い元素、アルカリ金属元素としては最も電気陰性度の低いセシウムを併用した組み合わせが特に好ましい。
[排ガス浄化フィルタの製造方法(触媒の担持方法)]
本発明の排ガス浄化フィルタの製造方法は、高接触活性触媒担持工程と、低接触活性触媒担持工程とを含むものである。
〔高接触活性触媒担持工程〕
排ガス浄化フィルタの製造方法における高接触活性触媒担持工程とは、濾過材に、粒子状物質との接触性が高い場合に高い活性を示す高接触活性触媒を通過させ、濾過材中の空隙の内表面に、高接触活性触媒を担持させる工程である。
〔低接触活性触媒担持工程〕
排ガス浄化フィルタの製造方法における低接触活性触媒担持工程とは、高接触活性触媒担持工程により濾過材中の空隙の内表面に高接触活性触媒が担持された濾過材の表面に、粒子状物質との接触性によらず高い活性を示す低接触活性触媒を塗布して担持させる工程である。
〔目封止工程〕
本発明において、ウォールフロー型の排ガス浄化フィルタを製造する場合には、上記の高接触活性触媒担持工程の後に、目封止材による目封止工程を実施し、その後に、排気ガス流入路の入口側から低接触活性触媒を塗布することにより、低接触活性触媒担持工程を実施することができる。
[排ガス浄化装置]
本発明の排ガス浄化フィルタが用いられる装置は、特に限定されるものではない。排ガス浄化装置は、大きく分けてトラップ型の排ガス浄化装置(ウォールフロー型)と、オープン型の排ガス浄化装置(ストレートフロー型)とが存在する。本発明の排ガス浄化フィルタは、いずれの型の排ガス浄化装置においても好適に用いることができるが、低温でのPMの燃焼を効率的に行なうことができる利点を生かすことから、特に、ウォールフロー型の排ガス浄化装置に用いることが好ましい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<触媒の評価>
先ず、実施例および比較例に用いる触媒につき、PM燃焼温度の測定を行なった。
[PM燃焼温度の測定]
本発明の試験例、実施例、および比較例においては、PM燃焼温度を以下の条件に基づいて測定した。
〔試験条件〕
測定装置 :TG/DTA(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、商品名:EXSTAR6000TG/DTA)
昇温条件 :20℃/min
雰囲気 :Dry Air
サンプル量:10mg(内PM量:5質量%)
流量 :SV=60000h−1
〔試料調整条件〕
接触性が高い状態(タイトコンタクト:TC):乳鉢乳棒にて2μm以下に粉砕混合
接触性が低い状態(ルーズコンタクト:LC):試料上にPMをふりかける
[試験例1(RuO+PM:TC)]
塩化ルテニウム(市販の特級試薬)を800℃で焼成し、引き続き、2μm以下の粉末となるよう整粒して、触媒Aとした。触媒Aに対し、20:1(質量比)となるようPMを粉砕混合し、PMと触媒との接触性が高い状態のサンプルを得た。得られたサンプルにつき、PM燃焼温度の測定を行なった。燃焼ピーク温度を表1に示す。
Figure 0004785470
[試験例2(1質量%Pd/CeO+PM:TC)]
硝酸セリウム(市販の特級試薬)、塩化パラジウム、およびHOを、所定の組成となるように秤量混合し、セリウムおよびパラジウム含有水溶液を得た。別の容器にて、水酸化ナトリウムおよびHOを、所定の組成となるように秤量混合し、水酸化ナトリウム水溶液を得た。得られたセリウムおよびパラジウム含有水溶液を、水酸化ナトリウム水溶液に滴下することにより、沈殿物を得た。このときのpHは10であった。60℃×1時間の熟成を行った後に、ろ過、水洗を実施し、350℃で仮焼成の後、2μm以下の粉末となるように整粒した。得られた粉末に対し、500℃×5時間の焼成を実施し、触媒Bとした。触媒Bに対し、20:1(質量比)でPMを粉砕混合し、PMと触媒との接触性が高い状態のサンプルを得た。得られたサンプルにつき、試験例1と同様にPM燃焼温度の測定を行なった。燃焼ピーク温度を表1に示す。
[試験例3(10質量%CsCO/LaMnO+PM:TC)]
硝酸ランタン(市販の特級試薬)、硝酸マンガン、およびHOを、所定の組成となるように秤量混合し、ランタンおよびマンガン含有水溶液を得た。別の容器にて、炭酸ナトリウムおよびHOを、所定の組成となるように秤量混合し、炭酸ナトリウム水溶液を得た。ランタンおよびマンガン含有水溶液を炭酸ナトリム水溶液に滴下することにより、沈殿物を得た。引き続き、60℃×1時間の熟成を行い、ろ過、水洗の後、350℃で仮焼成し、引き続き、2μm以下の粉末となるように整粒した。得られた粉末に対し、800℃×10時間の焼成を実施し、触媒Cとした。触媒Cに対し、炭酸セシウムを10質量%となるよう粉砕混合し、800℃×1時間の焼成を実施して固相反応させ、触媒Dを得た。触媒Dに対し、20:1(質量比)でPMを粉砕混合し、PMと触媒との接触性が高い状態のサンプルを得た。得られたサンプルにつき、試験例1と同様にPM燃焼温度の測定を行なった。燃焼ピーク温度を表1に示す。
[試験例4(10質量%CsCO/LaMnO+PM:LC)]
試験例3で得られた触媒Dに対し、20:1(質量比)でPMをふりかけて、PMと触媒との接触性が低い状態のサンプルを得た。得られたサンプルにつき、試験例1と同様にPM燃焼温度の測定を行なった。燃焼ピーク温度を表1に示す。
[比較試験例1(PMのみ)]
ディーゼル発電機より収集したPM粉末につき、試験例1と同様にPM燃焼温度の測定を行なった。結果を表1に示す。
[比較試験例2(RuO+PM:LC)]
試験例1で得られた触媒Aに対し、20:1(質量比)でPMをふりかけて、PMと触媒との接触性が低い状態のサンプルを得た。得られたサンプルにつき、試験例1と同様にPM燃焼温度の測定を行なった。燃焼ピーク温度を表1に示す。
[比較試験例3(1質量%Pd/CeO+PM:LC)]
試験例2で得られた触媒Bに対し、20:1(質量比)でPMをふりかけて、PMと触媒との接触性が低い状態のサンプルを得た。得られたサンプルにつき、試験例1と同様にPM燃焼温度の測定を行なった。燃焼ピーク温度を表1に示す。
[試験例からの考察]
比較試験例1は、触媒を用いない場合のPM燃焼ピーク温度である。PMそのままの場合の燃焼ピーク温度は、668℃であった。
試験例1および2は、高接触活性触媒を、接触性が高い状態で使用した例である。試験例1および2に示されるように、高接触活性触媒を、接触性が高い状態で使用する場合には、300℃以下の1stPeakおよび500℃以下の2ndPeakを持たせて、PMを低温で燃焼させることが可能である。PM中のHC成分の影響も考えられるが、1stPeakは、PMと触媒との界面(接触面)の燃焼によるピークであり、2ndPeakは、接触性がそれほど高くないPMの燃焼によるピークであると推察できる。
これに対し、比較試験例2および3に示されるように、高接触活性触媒を、接触性が低い状態で使用した場合には、2ndPeakは大幅に高温化し、それぞれ585℃および654℃となった。これにより、高接触活性触媒を、接触性が低い状態で使用した場合には、PMを低温で燃焼することができないことが判る。
試験例3は、低接触活性触媒を、接触性が高い状態で使用した例である。試験例3からは、375℃と、PMを低温で燃焼可能であることが判る。低接触活性触媒を接触性が高い状態で使用した場合であっても、それほど燃焼ピーク温度が高くならないのは、低接触活性触媒は、高接触活性触媒と比較して、元来の活性が低いためと考えられる。
試験例4は、低接触活性触媒を、接触性が低い状態で使用した例である。試験例4の1stPeakは522℃であり、これは、PMのみ(触媒なし)の燃焼ピーク温度よりも低いことは勿論、高接触活性触媒を、接触性が低い状態で使用する場合(比較試験例2および3)と比較しても、低温でPMを燃焼可能であることが判る。低接触活性触媒の接触性が低い場合であっても触媒性能が高いのは、活性種の移動や溶融により、活性点での接触性が向上しているためと推察される。
以上より、高接触活性触媒および低接触活性触媒のそれぞれを、PMとの接触の高い部分と低い部分とに塗り分けることにより、触媒の性能を十分に発揮しつつ、PMの低温での燃焼を効率良く行なうことができることが判る。
<実施例1>
[空隙:RuO+PM、表面:10質量%CsCO/LaMnO+PM]
試験例1により得られた触媒A、シリカゾル(日産化学工業)、およびHOを、所定の組成となるように秤量し、24時間、ボールミルにて粉砕混合を行ない、触媒スラリーAを得た。また、試験例3で得られた触媒D、シリカゾル(日産化学工業)、およびHOを、所定の組成となるように秤量し、24時間、ボールミルにて粉砕混合を行ない、触媒スラリーDを得た。
得られた触媒スラリーAを、市販のDPF(イビデン製)に含浸担持させ、表面の余分なスラリーをエアーガンにて十分取り除いた。その後、600℃×2時間の焼成を行なうことにより、DPFの空隙内部に触媒Aを50g/L担持した。引き続き、DPFを交互に目封止し、触媒スラリーDを含浸担持させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた。その後、600℃×2時間の焼成を行なうことにより、DPFの表面に触媒Dを50g/L担持した。得られた触媒Aおよび触媒Dを担持したDPFを用いて、ディーゼル発電機の排ガス管に設置したPM捕集ホルダーによって、PMの捕集を行なった。このときのPM捕集量は、5g/Lとした。PM捕集後のDPFにつき、PM燃焼温度の測定を行なった。燃焼ピーク温度を表2に示す。
Figure 0004785470
<比較例1>
[空隙および表面:RuO+PM]
市販のDPF(イビデン製)を交互に目封止し、上記の触媒スラリーAを含浸担持し、余分なスラリーをエアーガンにて十分取り除いた後、600℃×2時間の焼成を実施し、DPFの空隙と表面に、合計で100g/Lの触媒Aを担持した。得られた触媒Aを担持したDPFを用いて、実施例1と同様にPMの捕集を行ない、PM捕集後のDPFにつき、PM燃焼温度の測定を行なった。燃焼ピーク温度を表2に示す。
<比較例2>
[空隙および表面:10質量%CsCO/LaMnO+PM]
市販のDPF(イビデン製)を交互に目封止し、上記の触媒スラリーDを含浸担持し、余分なスラリーをエアーガンにて十分取り除いた後、600℃×2時間の焼成を実施し、DPFの空隙と表面に、合計で100g/Lの触媒Dを担持した。得られた触媒Dを担持したDPFを用いて、実施例1と同様にPMの捕集を行ない、PM捕集後のDPFにつき、PM燃焼温度の測定を行なった。燃焼ピーク温度を表2に示す。
<比較例3>
[空隙および表面:RuO +10質量%CsCO/LaMnO+PM]
上記試験例の触媒A、触媒D、シリカゾル(日産化学工業)、およびHOを、所定の組成となるように秤量し、24時間、ボールミルにて粉砕混合し、触媒スラリーEを得た。市販のDPF(イビデン製)を交互に目封じし、得られた触媒スラリーEを含浸担持し、余分なスラリーをエアーガンにて十分取り除いた後、600℃×2時間の焼成を実施することにより、DPFの空隙および表面に、合計で100g/Lの触媒Aと触媒Dの混合物を担持した。得られた触媒Aと触媒Dの混合物を担持したDPFを用いて、実施例1と同様にPMの捕集を行ない、PM捕集後のDPFにつき、PM燃焼温度の測定を行なった。燃焼ピーク温度を表2に示す。
<比較例4>
[空隙:10質量%CsCO/LaMnO、表面:RuO +PM]
上記の触媒スラリーDを市販のDPF(イビデン製)に含浸担持し、表面の余分なスラリーをエアーガンにて十分取り除いたあと、600℃×2時間の焼成を実施することにより、DPFの空隙内部に触媒Dを50g/L担持した。引き続き、DPFを交互に目封止し、上記の触媒スラリーAを含浸担持させ、余分なスラリーをエアーガンにて取り除いた。その後、600℃×2時間の焼成を行なうことにより、DPFの表面に触媒を50g/L担持した。得られた触媒Aおよび触媒Dを担持したDPFを用いて、実施例1と同様にPMの捕集を行ない、PM捕集後のDPFにつき、PM燃焼温度の測定を行なった。燃焼ピーク温度を表2に示す。
[実施例および比較例からの考察]
実施例1は、濾過材の空隙内表面に高接触活性触媒を、濾過材の表面に低接触活性触媒を塗布した例であり、燃焼ピーク温度は262℃と522℃となった。1stPeakの262℃は、空隙内の高接触活性触媒と接触性の高いPMの燃焼温度であり、2ndPeakの522℃は、空隙内の接触性のそれほど高くないPMと、濾過の表面のみに積層して低接触活性触媒との接触性が低いPMとの燃焼温度が重なったものと推察される。
実施例1に示されるように、濾過材の空隙内表面に高接触活性触媒を、濾過材の表面に低接触活性触媒を塗布した場合には、PM量が細孔内の接触性が高いPMのみで構成される程度に少ないときには、ディーゼル車におけるもっとも頻度の高い運転条件(実用域:排気温200℃〜300℃)において、PMを連続的に燃焼することできる。また、PM量が増加した場合や、PM粒径が空隙径以上に大きい場合においても、これまでよりも大幅に低い温度で、強制再生がすることができる。
比較例1は、濾過材の空隙内および表面ともに、高接触活性触媒のみを担持した例であり、燃焼ピーク温度は247℃、481℃、579℃と3つに分かれる。1stPeakの247℃は、空隙内のPMで、触媒との接触性が高いものの燃焼温度であり、2ndPeakの481℃は、空隙内のPMで、触媒との接触性がそれほど高くないものの燃焼温度、3rdPeakの579℃は、濾過材表面に存在する接触性の低いPMの燃焼温度であると推察される。
比較例1からは、PM量が濾過材の空隙内の接触性が高いPMのみで構成される程度に少ないときには、PMを低温で燃焼できるが、PM量がそれ以上に増加した場合や、PM粒径が空隙径以上に大きい場合においては、触媒との接触性が低くなることから、低温で燃焼することができないことが判る。
比較例2は、濾過材の空隙内および表面ともに、低接触活性触媒のみを担持した例であり、燃焼ピーク温度は369℃、536℃の2つであった。1stPeakの369℃は、空隙内のPMで、触媒との接触性が高いものの燃焼温度であり、2ndPeakの536℃は、濾過材表面に存在する接触性の低いPMの燃焼温度であると推察される。
比較例2からは、PM量が多い場合や、PM粒径が空隙径以上に大きい場合においては、実施例1と同等の性能を示すが、空隙内の触媒との接触性が高いPMのみで構成される程度にPM量が少ない場合には、実施例1よりも燃焼温度が高くなることが判る。
比較例3は、濾過材の空隙内および表面ともに、高接触活性触媒と低接触活性触媒の混合物を担持した例であり、燃焼ピーク温度は373℃、524℃の2つであった。1stPeakの373℃は、空隙内に低接触活性触媒を塗布した場合(比較例2)に近いことから、混合により高接触活性触媒の効果がなくなったためと考えられる。2ndPeakの524℃は、濾過材表面に存在する触媒との接触性の低いPMの燃焼温度と推察され、低接触活性触媒の影響と思われる。
比較例3からは、比較例2と同様に、PM量が多い場合や、PM粒径が空隙径以上に大きい場合においては、実施例1と同等の性能を示すが、空隙内の触媒との接触性が高いPMのみで構成される程度にPM量が少ない場合には、実施例1よりも燃焼温度が高くなることが判る。
比較例4は、実施例1とは逆に、濾過材の空隙内に低接触活性触媒、濾過材の表面に高接触活性触媒を担持した例であり、燃焼ピーク温度は277℃、375℃、579℃と3つに分かれる。1stPeakの277℃は、濾過材の表面の高接触活性触媒とPMとの界面に存在する接触性の高いPMの燃焼温度、2ndPeakの375℃は、空隙内のPMで接触性が高いものの燃焼温度、3rdPeakは、濾過材の表面のPMで接触性が低いものの燃焼温度であると推察される。
比較例4からは、濾過材の表面において触媒との界面で接触できる程度にPM量が少ない場合においては、PMを低温で燃焼できるが、空隙径以下の径を有するPMが細孔内に堆積した場合には、ディーゼル車における最も頻度の高い運転条件(実用域:排気温200℃〜300℃)での連続燃焼は不可能であり、また、PM量が多い場合や、PM粒径が空隙径以上に大きい場合においては、接触性が悪くなることから、実施例1よりも燃焼温度が高くなることが判る。
したがって、DPFの場合、実施例1のように、濾過材の空隙内表面に高接触活性触媒、濾過材の表面に低接触活性触媒とする塗り分けが、最適であることがわかる。
尚、実施例1において高接触活性触媒の接触性が高い理由としては、高接触活性触媒の活性の高さ、PM量が少ないこと、およびPMの粒子径が小さいことは勿論であるが、図3に示されるように、高接触活性触媒の粒子同士の隙間にPMが入り込むことによって、触媒活性点とPMの接触点を増加させ、接触性がより高まるためと推測される。例えば、DPFの場合には、DPF細孔によってPM粒子がDPF細孔径以下となるものに分級されるため、高接触活性触媒の粒子によって構成される触媒同士の隙間にPMが入りやすくなると推測される。
ウォールフロー型DPFのセルに平行方向の断面模式図である。 図1における点線範囲Pの部分拡大図である。 図2における点線範囲Qの部分拡大図である。
符号の説明
1 ウォールフロー型DPF
2 排ガス(濾過材通過前)
3 排ガス流入路
4 濾過材
5 排ガス(濾過材通過後)
6 排ガス流出路
7 目封止材
8 濾過材
9 空隙
10 低接触活性触媒
11 高接触活性触媒
12 空隙径以下の径を有するPM
13 空隙径以上の径を有するPM

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に配置され前記内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を浄化する排ガス浄化フィルタであって、
    前記排ガスが流入する排ガス流入路と、
    この排ガス流入路の隔壁を形成し空隙を有する濾過材と、
    前記排ガス流入路に流入して前記濾過材を通過した排ガスを流出する排ガス流出路と、を備え、
    前記排ガス流入路および前記排ガス流出路は、前記濾過材を介して交互に隣接して配置された多数のセルから形成され、
    前記排ガス流入路を形成するセルは、上流側末端が開放され、且つ、下流側末端が目封止されており、
    前記排ガス流出路を形成するセルは、上流側末端が目封止され、且つ、下流側末端が開放されており、
    前記隔壁の内表面には、前記粒子状物質との接触性によらず高い活性を示し、かつランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、マンガン、コバルト、銅、モリブデンおよびバナジウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素と、少なくとも1種のアルカリ金属元素と、を含む低接触活性触媒のみが担持され、
    前記濾過材中の前記空隙の内表面には、前記粒子状物質との接触性が高い場合に高い活性を示し、かつ少なくとも1種の貴金属元素を含む高接触活性触媒のみが担持された排ガス浄化フィルタ。
  2. 前記濾過材は、多孔質セラミックである請求項記載の排ガス浄化フィルタ。
  3. 内燃機関の排気通路に配置され前記内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を浄化する排ガス浄化フィルタの製造方法であって、
    空隙を有する濾過材に、前記粒子状物質との接触性が高い場合に高い活性を示し、かつ少なくとも1種の貴金属元素を含む高接触活性触媒を通過させ、前記濾過材中の前記空隙の内表面に前記高接触活性触媒のみを担持させる高接触活性触媒担持工程と、
    前記濾過材を介して交互に隣接して配置された排ガス流入路と排ガス流出路のうち、前記排ガス流入路の下流側末端と、前記排ガス流出路の上流側末端とを目封止材で目封止する目封止工程と、
    前記高接触活性触媒担持工程により前記濾過材中の前記空隙の内表面に前記高接触活性触媒を担持させた前記濾過材の表面に、前記粒子状物質との接触性によらず高い活性を示し、かつランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、マンガン、コバルト、銅、モリブデンおよびバナジウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素と、少なくとも1種のアルカリ金属元素と、を含む低接触活性触媒のみを塗布して担持させる低接触活性触媒担持工程と、を含む排ガス浄化フィルタの製造方法。
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