JP3735543B2 - ソルダペースト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々のハンダ付けに用いる鉛フリーのソルダペーストに関し、特に、プリント基板と電子部品との接合などに好適に使用可能な、亜鉛及び錫を含有するハンダ合金を用いたソルダペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に広く使用されているソルダペーストは、ハンダ合金として錫−鉛合金を使用するものであった。しかし、鉛を含まない代替ハンダ合金が求められており、亜鉛及び錫を含有するハンダ合金による鉛フリーのソルダペーストが検討されている。
【0003】
亜鉛を含有するハンダ合金粉末を用いたソルダペーストは、亜鉛の反応性が高いために経時安定性及び耐酸化性が低い。従って、亜鉛及び錫を含有するハンダ合金に適したフラックスを実現するため、ソルダペーストが長期保存に耐えられ酸化による濡れ広がり性の低下が抑制されるようなフラックス組成の改良が進められている。フラックスの性能を改善するための添加剤として、例えば、防錆剤(特開平9−1382号公報)や酸化防止剤などが提案されている。
【0004】
ソルダペーストは、電子部品や電気電子機器のハンダ接合に用いられており、それらのハンダ付けする部分には、通常、種々のメッキが施されている。例えば、電子部品のリードに施されるメッキとして錫−鉛メッキ、錫−銀メッキ、錫−銅メッキ、錫−ビスマスメッキ、金メッキ、パラジウムメッキ等がある。従って、このような電子部品や電気電子機器のハンダ接合においてソルダペーストが実用化されるには、このような各種メッキに対してハンダの濡れ性が十分に発揮されることが重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、亜鉛及び錫を含有するハンダ合金は、一部のリードメッキに対して濡れ性が低い傾向にある。つまり、錫−鉛メッキ、錫−銀メッキ、錫−銅メッキ、錫−ビスマスメッキなどの錫系メッキに対する濡れ性に比べて、金メッキやパラジウムメッキなどに対する濡れ性が低い傾向がある。従って、電子部品に施されるメッキの一部が金メッキやパラジウムメッキであると、ハンダの接合強度が局所的に低くなり、電子部品全体としても機械強度が低下する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、亜鉛及び錫を含有するハンダ合金の粉末を使用し、電子部品や電気電子機器におけるハンダ接合に広く適用可能なハンダ濡れ性が発揮されるソルダペーストを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、保存安定性が良く、ハンダの濡れ広がり性に優れ、金メッキやパラジウムメッキ処理を施した部品リードとの濡れ性が良好な鉛フリーのソルダペーストを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のソルダーペーストは、銅板の一部に金メッキ又はパラジウムメッキが施された部材のハンダ付けに用いられるソルダーペーストであって、銀、銅、ビスマス、インジウム及びニッケルからなる群より選択される少なくとも1種の金属と錫と亜鉛とからなるハンダ合金又は錫と亜鉛とからなるハンダ合金の粉末とフラックスとを含有し、
記フラックスは、ベース樹脂、活性剤、チキソ剤、溶剤、前記フラックス全体の0.5〜20重量%の酸化防止剤、及び、前記フラックス全体の0.1〜10重量%の防錆剤からなり、前記酸化防止剤及び前記防錆剤の少なくとも一方が、−S−又はS=で表されるニ価の硫黄を含有する含硫黄有機化合物を前記フラックス全体の0.1重量%以上の割合で含むことを要旨とする。
【0009】
記含硫黄有機化合物は、前記フラックス全体の5重量%以下の割合で前記フラックスに配合してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
ソルダペーストは、ハンダ粉末とフラックスとの混合物である。フラックスは、一般的には、ハンダ粉末を可塑化するためのベース樹脂、ハンダ表面を活性化するための活性剤、チキソ(チキソトロープ)剤、溶剤などの成分により構成され、ハンダの種類に応じて酸化防止剤や防錆剤等の添加剤を配合するなど、組成が工夫される。
【0011】
本発明に係るソルダペーストは、錫及び亜鉛を含有する合金ハンダ(錫−亜鉛系ハンダ)の粉末と、含硫黄有機化合物を配合したフラックスとの混合物であり、合金ハンダを粒状化してフラックスに分散させることにより調製される。本発明において使用されるフラックスは、通常のソルダペーストのフラックスを構成する上記のような成分をそのまま使用してその主体を構成することができ、フラックス主体に含硫黄有機化合物を配合することにより、ハンダの濡れ性、特に金メッキやパラジウムメッキなどに対する濡れ性が改善される。
【0012】
以下に、本発明のソルダペーストの構成成分について詳細に説明する。
【0013】
ソルダペーストに含まれるハンダ粉末の組成は、亜鉛及び錫の含有量について特に限定されるものではなく、ハンダとしての適切な特性を有するものであればよい。また、亜鉛及び錫以外の他の金属(銀、銅、ビスマス、インジウム、ニッケルなど)を適宜添加してもよく、その種類及び量についても、何ら限定されるものではない。従って、例えば、錫−亜鉛二元合金や、錫−亜鉛−ビスマス合金などの三元合金、錫−亜鉛−ビスマス−インジウム合金などの四元合金を本発明のハンダ合金として好適に使用することができる。ハンダ合金の組成によって溶融温度は異なるので、組成を調整することによって低温ハンダや高温ハンダに使い分けることができる。
【0014】
このようなハンダ合金を、粒経4〜100μm程度、好ましくは10〜50μm程度に粒状化したハンダ粉末をフラックスと混合してソルダペーストが得られる。ハンダ粉末の配合割合は、ハンダ粉末とフラックスとの合計量を100重量部として、ハンダ合金粉末が85〜95重量部程度、フラックスが5〜15重量部程度となるように調整するのが好ましい。
【0015】
フラックスは、一般的なフラックスと同様に、ベース樹脂、活性剤、チキソ剤及び溶剤を用いてその主体を構成することができ、必要に応じて酸化防止剤や防錆剤等の添加剤を配合することができる。本発明のフラックスは、このような成分で適切に構成されるフラックス主体に含硫黄有機化合物を配合したものである。含硫黄有機化合物は、固有の成分としてフラックスに配合することも、あるいは、上記のフラックス主体を構成する成分のうちの一つを兼ねて配合することも可能である。特に、酸化防止剤又は防錆剤の役割を兼ねた含硫黄有機化合物の配合はフラックスの設計上非常に有用且つ有効である。
【0016】
本発明の含硫黄有機化合物は、二価の硫黄(−S−、=S)を含有する有機化合物を意味し、具体的には、メルカプト基、チオエーテル基(スルフィド基)、ジスルフィド基、チアゾール基及びベンゾチアゾール基、チウラム基(チオカルバモイル基)、チオウレア基、ジチオカルバミン酸基及びその塩、スルフェンアミド(−S−N<)基、キサントゲン酸基(ジチオ炭酸基)及びその塩などの硫黄含有基を有する有機化合物及びこれらの誘導体であり、単独で用いても組み合わせて用いてもよい。メルカプト基又はチオエーテル基などの基を有する含硫黄有機化合物は、酸化防止剤として用いることができ、例えば、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジラウリルスルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾールなどが挙げられる。また、チアゾール基、チウラム基、チオウレア基又はジチオカルバミン酸塩基などの基を有する含硫黄有機化合物は、防錆剤として用いることができ、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、N,N′−ジフェニルチオ尿素、ジチオカルバミン酸亜鉛塩などが挙げられる。上記以外の含硫黄有機化合物の具体例として、例えば、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、ブチルキサントゲン酸亜鉛塩等がある。概して、酸化防止剤として有効な化合物は硫黄単結合(−S−)を有し、防錆剤として有効な化合物は硫黄二重結合(=S)を有する傾向がある。
【0017】
含硫黄有機化合物によって濡れ性が改善される機構は明らかではないが、二価の硫黄を有する含硫黄有機化合物は、硫黄原子の電子対により金属と配位又は結合して金属間化合物を形成する性質を有し、特に、金、パラジウムなどの貴金属との配位・結合力が優れる。従って、フラックスに配合された含硫黄有機化合物は、ハンダ粉末の表面及び接合される金属部材の表面を被覆し、リフロー時に金属表面を活性化し、金メッキやパラジウムメッキ処理を施した部品リードとの濡れ性を向上させる効果があると考えられる。これに対し、二価以外の硫黄では、硫黄原子と金、パラジウム等の貴金属との配位・結合力が低下するため、効果は小さい。
【0018】
含硫黄有機化合物の配合割合は、フラックス全体の0.1〜5重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では濡れ性を向上させる効果が顕著ではなく、5重量%を超えると、金メッキやパラジウムメッキとの反応性が強いためにかえってハンダの濡れ性を損なう傾向がある。
【0019】
フラックスの主体を構成する成分は、ハンダの特性に応じて適宜選択される。亜鉛は反応性が高いので、錫−亜鉛系ハンダを用いたソルダペーストでは、亜鉛とフラックス中の活性剤などとの反応によるソルダペーストの粘度の急激な上昇が抑制されるようにフラックスの構成成分の選択に配慮が必要となる。また、リフロー過程でのハンダ粉末の酸化による濡れ広がり性の低下を防止するような成分の添加が好ましい。フラックスの各構成成分の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
【0020】
ベース樹脂としては、ガムロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン及びその他の各種ロジン誘導体や、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、テルペン樹脂などの合成樹脂が挙げられる。ベース樹脂の配合割合は、概して、フラックス全体の30〜70重量%とするのが好ましい。
【0021】
活性剤としては、ヘキシルアミン、ジオクチルアミン、トリエチルアミンなどの有機アミン類;ギ酸、酢酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸などの有機モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、フマール酸、マレイン酸などの有機ジカルボン酸およびその無水物;アニリン臭化水素酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩などのアミンハロゲン化水素酸塩;及び、ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。活性剤の配合割合は、概して、フラックス全体の0〜20重量%とするのが好ましい。
【0022】
溶剤としては、アルコール、ケトン、エステル、芳香族系の溶剤が利用でき、例えば、ベンジルアルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、テルピネオール、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどを使用することができる。溶剤の配合割合は、フラックス全体の20〜60重量%とするのが好ましい。
【0023】
チキソ剤としては、例えば、硬化ひまし油、水添ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミドなどを使用することができる。チキソ剤の配合割合は、フラックス全体の1〜10重量%とするのが好ましい。
【0024】
酸化防止剤は、抗酸化性及びラジカル捕捉剤としての機能により、酸素による反応を抑制する。ソルダペースト中において、酸素を取り込みソルダペーストの保存安定性を高める作用をする。また、リフロー工程では、雰囲気中の酸素を捕捉し、ハンダ粉末の酸化を防いで濡れ広がり性の低下を抑えることができる。一方、防錆剤は、ソルダペースト中においてキレート剤様の作用をし、ハンダ粉末表面の金属とキレート錯体を形成してハンダ粉末表面を保護する。これにより、ハンダ合金中の亜鉛がフラックスの活性剤などと反応することによる粘度の増大を抑制し、ソルダペーストの保存安定性の低下が防止される。リフロー中においては、雰囲気中の酸素による酸化を防止する効果がある。酸化防止剤及び防錆剤は、両方を組合せて用いることにより相乗的に作用して効果を飛躍的に増進する。
【0025】
酸化防止剤としてフラックスに用いられる有機化合物は、高分子フェノール化合物、リン化合物、硫黄化合物に分類することができる。また、防錆剤として用いられる有機化合物は、窒素化合物及び硫黄化合物に大別することができ、窒素化合物にはトリアゾール化合物、イミダゾール化合物、グアニジン化合物などが、硫黄化合物にはチアゾール化合物、チウラム化合物、ジチオカルバミン酸塩などが含まれる。これらの酸化防止剤、防錆剤はそれぞれ単独で使用しても併用してもよい。
【0026】
酸化防止剤として用いられる高分子フェノール化合物には、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどが挙げられる。リン化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイトなどが挙げられる。また、硫黄化合物としては、前述の含硫黄有機化合物の説明において例示したジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3′−チオジプロピオネート、ジラウリルスルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾールなどが挙げられる。
【0027】
このような酸化防止剤は、それぞれ単独で用いてもよいが、2種類以上のものを併用すると更に好ましい。特に、高分子フェノール化合物とリン化合物、または、高分子フェノール化合物と硫黄化合物を組合せて用いることにより、大きな相乗効果が発揮される。酸化防止剤の配合割合は、フラックス全体の0.5〜20重量%が適切であり、さらに好ましくは1〜10重量%である。複数種の酸化防止剤を組み合わせて用いる場合は、総量を上記の範囲内とするのがよい。
【0028】
防錆剤として用いられる窒素化合物としては、ベンゾトリアゾール、メチル−ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール化合物;イミダゾール、メチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなどのイミダゾール化合物;1,3−ジフェニルグアニジンなどのグアニジン化合物などが挙げられる。また、硫黄化合物としては、前述の含硫黄有機化合物の説明において例示した2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドなどのチアゾール化合物;テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドなどのチウラム化合物;N,N′−ジフェニルチオ尿素などのチオウレア化合物;及びジチオカルバミン酸塩などが挙げられる。
【0029】
このような防錆剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。防錆剤の配合割合は、フラックス全体の0.1〜10重量%が適切であり、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。
【0030】
但し、上述の酸化防止剤及び防錆剤の合計量はフラックス全体の1〜30重量%とするのが適切である。配合量が不足すると、酸化防止効果及び保存安定化効果が顕著でなく、過剰であると、ハンダ金属粒子の保護が強固であるため、活性力が阻害され濡れ広がり性が低下する恐れがある。
【0031】
本発明のソルダペーストは、常法に従って、上記のフラックス構成成分を均一に混合してフラックスを調製し、更にハンダ合金粉末と混合することによって得られる。フラックスの調製において、必要に応じて適宜フラックス構成成分を加熱して溶解することにより混合が容易になる。なお、防錆剤の一部を用いてハンダ合金粉末の粒子表面をあらかじめコーティング処理すると、防錆剤の効果をより高めることができる。
【0032】
本発明のソルダペーストは、常法に従って、半導体デバイス等の電子部品や電子モジュール、プリント配線基板などの製造及び組立においてなされるリフローハンダ付け用のソルダペーストとして特に有効に用いることができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、下記実施例に制限されるものではない。
【0034】
(実施例1〜7、比較例1〜3)
[フラックスの調製]
表1及び表2に示す配合割合(重量%)に従って、以下に示す各成分をフラックスの原料として配合して容器に仕込み、加熱溶解した後に冷却して、実施例1〜7及び比較例1〜3のフラックスを調製した。
【0035】
ベース樹脂:ガムロジン
溶剤:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル
活性剤:ジエチルアミン臭化水素酸塩、ステアリン酸
チキソ剤:水添ひまし油
酸化防止剤
A:ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
B:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
C:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
D:ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート(含硫黄有機化合物)
防錆剤
A:メチル−ベンゾトリアゾール
B:1,3−ジフェニルグアニジン
C:2−メルカプトベンゾチアゾール(含硫黄有機化合物)
D:ジベンゾチアジルジスルフィド(含硫黄有機化合物)
[ソルダペーストの調製]
フラックスとして上記で調製したフラックスを用い、ハンダ粉末として粒径20〜40μmの錫−亜鉛共晶合金(Sn91wt%−Zn9wt%)粉末又は錫−亜鉛−ビスマス合金(Sn89wt%−Zn8wt%−Bi3wt%)粉末を用いて、表1及び表2に従って、ハンダ粉末90重量部及びフラックス10重量部を混練機で撹拌して混合し、実施例1〜7及び比較例1〜3のソルダペーストを調製した。
【0036】
[ソルダペーストの評価]
このようにして調製した実施例1〜7及び比較例1〜3に係る10種のソルダペーストについて、下記のような評価試験を行なった。
【0037】
(1) 広がり率評価
JIS Z 3197に準拠して、ソルダペーストを用いた試験片のハンダ付けにおけるハンダの広がり率を測定した。試験片には、通常の銅板及びパラジウムメッキ板を使用した。
【0038】
(2) 保存安定性評価
ソルダペーストを冷蔵庫(0〜10℃)に3ヶ月間保存し、保存前後の粘度の測定により粘度変化を調べた。粘度測定は、スパイラル型粘度計を使用して、25℃、10rpm の条件で行った。
【0039】
得られた評価結果を、表1及び表2に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003735543
Figure 0003735543
【表2】
Figure 0003735543
Figure 0003735543
表2に示される含硫黄有機化合物を配合しないソルダペーストでは、銅板に対する広がり率とパラジウムメッキ板に対する広がり率との差が大きいのに比べて、表1に示される含硫黄有機化合物(酸化防止剤D、防錆剤C,D)を配合したソルダペーストでは、銅板に対する広がり率とパラジウムメッキ板に対する広がり率との差が小さい。従って、含硫黄有機化合物の使用によりパラジウムメッキに対する濡れ性が改善されるということが判る。
【0041】
また、含硫黄有機化合物による濡れ性の改善効果は、酸化防止剤及び防錆剤の両方をフラックスに適正量配合した場合により有効に発揮させることができることが実施例4と比較例1との比較によってわかる。尚、フラックスの保存安定性は、酸化防止剤及び防錆剤の両方を配合した時に効果的に発揮されることが、実施例1〜6及び比較例3と実施例7及び比較例1〜2との比較からわかる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、亜鉛及び錫を含有するハンダ合金の粉末を使用したソルダペーストの金メッキやパラジウムメッキ処理を施した部材に対する濡れ性が、銅板等に対する濡れ性と同程度まで改善されるため、種々の部材に対して等しく良好な濡れ性を発揮し、しかも保存安定性に優れたソルダペーストを提供することができる。

Claims (1)

  1. 銅板の一部に金メッキ又はパラジウムメッキが施された部材のハンダ付けに用いられるソルダーペーストであって、
    銀、銅、ビスマス、インジウム及びニッケルからなる群より選択される少なくとも1種の金属と錫と亜鉛とからなるハンダ合金又は錫と亜鉛とからなるハンダ合金の粉末とフラックスとを含有し、
    記フラックスは、ベース樹脂、活性剤、チキソ剤、溶剤、前記フラックス全体の0.5〜20重量%の酸化防止剤、及び、前記フラックス全体の0.1〜10重量%の防錆剤からなり、前記酸化防止剤及び前記防錆剤の少なくとも一方が、−S−又はS=で表されるニ価の硫黄を含有する含硫黄有機化合物を前記フラックス全体の0.1重量%以上の割合で含むことを特徴とするソルダーペースト。
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