JP6296663B2 - フラックス組成物、ソルダペースト組成物および電子回路基板 - Google Patents

フラックス組成物、ソルダペースト組成物および電子回路基板 Download PDF

Info

Publication number
JP6296663B2
JP6296663B2 JP2015237597A JP2015237597A JP6296663B2 JP 6296663 B2 JP6296663 B2 JP 6296663B2 JP 2015237597 A JP2015237597 A JP 2015237597A JP 2015237597 A JP2015237597 A JP 2015237597A JP 6296663 B2 JP6296663 B2 JP 6296663B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antioxidant
solder
flux
composition
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015237597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017100181A (ja
Inventor
敦史 堀
敦史 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tamura Corp
Original Assignee
Tamura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tamura Corp filed Critical Tamura Corp
Priority to JP2015237597A priority Critical patent/JP6296663B2/ja
Publication of JP2017100181A publication Critical patent/JP2017100181A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6296663B2 publication Critical patent/JP6296663B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Description

本発明は、プリント配線板やシリコンウエハといった基板上に形成された電極と電子部品等とをはんだ付けする際に使用されるフラックス組成物、ソルダペースト組成物、はんだ接合体および電子回路基板に関する。
従来、電子部品を基板に実装する際に使用されるソルダペースト組成物には、はんだ合金粉末や基板上の金属酸化物の除去や、はんだ合金粉末の表面張力の低下による濡れ性の向上を目的としてフラックス組成物が配合される。
このフラックス組成物は、基板上への電子部品の実装後、フラックス残渣としてはんだ接合部やその近傍、例えば基板上や電子部品の端子・リードフレーム等に付着したまま残ることとなる。ここでフラックス残渣はその性質上、亀裂が発生し易いという問題がある。そしてフラックス残渣に亀裂が生じると、この亀裂を通して水分が電子回路基板の回路部分に浸透して回路をショートさせたり、その回路の金属を腐食させたりするという問題が生じる。
また上記問題を解決するため、フラックス残渣の亀裂発生を抑制するようなフラックス組成物も種々開発されているが、このようなフラックス組成物であっても、例えばこれを用いて電子部品を搭載した電子回路基板が−40℃から120℃、150℃といった寒暖の差が激しい環境下に置かれる場合、その激しい冷熱衝撃によりフラックス残渣に亀裂が発生してしまうという問題がある。
このような問題を解決する方法として、例えばフラックス組成物に異なる酸価のアクリル樹脂を配合することによりフラックス残渣の耐亀裂性を向上する方法(特許文献1参照)や、フラックス組成物に長鎖アルキル(メタ)アクリレートを含むモノマー成分を重合させて得られる熱可塑性アクリル樹脂を配合することによりフラックス残渣の耐亀裂性能等を向上させる方法(特許文献2参照)等が開示されている。
しかし上記のような寒暖の差が激しい環境下に置かれるフラックス残渣は熱劣化し易く、これがフラックス残渣の亀裂発生およびその進展に影響を及ぼす虞がある。この熱劣化を防止するためにフラックス組成物には酸化防止剤が使用されることが多いものの、従来の酸化防止剤では上述のような寒暖の差が激しい環境における熱劣化防止は十分とはいえなかった。また耐熱劣化性向上のために酸化防止剤の配合量を増やすと、フラックス組成物やソルダペースト組成物の耐亀裂性効果や溶融性、濡れ性等の他の性能に影響を及ぼす虞があった。
特開2014−124657号公報 特開2012−200785号公報
本発明は上記課題を解決するものであり、特にその使用時に−40℃から120℃や150℃といった寒暖の差が激しく冷熱衝撃の大きい環境下に置かれる電子回路基板に用いられた場合であっても、フラックス残渣の熱劣化を抑制することにより亀裂発生およびその進展の抑制効果を奏し、更に溶融性、濡れ性等の性能を阻害することのないフラックス組成物、ソルダペースト組成物、はんだ接合体および電子回路基板に関する。
(1)本発明のフラックス組成物は、(A)ロジン樹脂と、(B)アクリル樹脂と、(C)活性剤と、(D)チクソ剤と、(E)酸化防止剤と、(F)溶剤とを含み、前記酸化防止剤(E)として、(E−1)フェノール系酸化防止剤と、(E−2)トリアゾール系酸化防止剤および(E−3)リン系酸化防止剤の少なくとも一方を含むことをその特徴とする。
(2)上記(1)に記載の構成にあって、前記(E−1)フェノール系酸化防止剤は部分ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることをその特徴とする。
(3)本発明のソルダペースト組成物は、上記(1)または(2)に記載のフラックス組成物と、はんだ合金粉末とを含むことをその特徴とする。
(4)本発明のはんだ接合体は、上記(3)に記載のソルダペースト組成物を用いて形成されたことをその特徴とする。
(5)本発明の電子回路基板は、上記(4)に記載のはんだ接合体を有することをその特徴とする。
本発明のフラックス組成物およびソルダペースト組成物は、特にその使用時に−40℃から120℃や150℃といった寒暖の差が激しく冷熱衝撃の大きい環境下に置かれる電子回路基板に用いられた場合であっても、フラックス残渣の熱劣化を抑制することにより亀裂発生およびその進展の抑制効果を奏し、更に良好な溶融性、濡れ性等の性能を発揮することができる。
またこのようなソルダペースト組成物を用いて形成されたはんだ接合体を有する電子回路基板は、例えば自動車のエンジンルーム内といった寒暖の差が激しく冷熱衝撃が大きい過酷な環境下においても十分な信頼性を保つことができる。
本実施形態に係る電子回路基板の断面を示した概略図。 実施例および比較例の各ソルダペースト組成物をリフローした際の温度プロファイルを示した図。
本発明のフラックス組成物、ソルダペースト組成物、はんだ接合体および電子回路基板の一実施形態を以下に詳述する。
1.フラックス組成物
本実施形態のフラックス組成物は、(A)ロジン樹脂と、(B)アクリル樹脂と、(C)活性剤と、(D)チクソ剤と、(E)酸化防止剤と、(F)溶剤とを含む。
(A)ロジン樹脂
前記ロジン樹脂(A)としては、例えばトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン;ロジンを重合化、水添化、不均一化、アクリル化、マレイン化、エステル化若しくはフェノール付加反応等を行ったロジン誘導体;これらロジンまたはロジン誘導体と不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸等)とをディールス・アルダー反応させて得られる変性ロジン樹脂等が挙げられる。これらの中でも特に変性ロジン樹脂が好ましく用いられる。
前記ロジン樹脂(A)の酸価は200mgKOH/gから350mgKOH/gであることが好ましく、その重量平均分子量は200Mwから800Mwであることが好ましい。
また前記ロジン樹脂(A)の配合量は、フラックス組成物全量に対して5重量%から50重量%であることが好ましく、10重量%から20重量%であることが更に好ましい。
(B)アクリル樹脂
本実施形態のフラックス組成物に用いられるアクリル樹脂(B)は、(メタ)アクリレートを主成分とするモノマーを重合することにより得られる。
また前記アクリル樹脂(B)としてはメタクリル酸と炭素数2以上のアルキル基を有するモノマーとを含むモノマー類を重合したアクリル樹脂(B−1)が好ましく用いられ、その中でも特にメタクリル酸と炭素数2から6のアルキル基を有するモノマーとを含むモノマー類を重合したアクリル樹脂、更にはメタクリル酸と炭素数2のアルキル基を有するモノマーとを含むモノマー類を重合したアクリル樹脂がより好ましく用いられる。このようなアクリル樹脂(B−1)を用いると、形成されるフラックス残渣のべたつきを抑制し、より良好な亀裂抑制効果を奏することができる。
また前記アクリル樹脂(B−1)の生成に用いられるモノマー類にはメタクリル酸と炭素数2以上のアルキル基を有するモノマー以外のモノマーを含めても良く、更には炭素数2以上のアルキル基を有するモノマーを2種以上含めても良い。当該モノマー類に炭素数2以上のアルキル基を有するモノマーを2種以上含める場合、例えば炭素数2のアルキル基を有するモノマーと炭素数4のアルキル基を有するモノマーというように、それぞれ異なる炭素数のアルキル基を有するモノマーを含めることが好ましい。この中でも特に、炭素数2のアルキル基を有するモノマーと炭素数6のアルキル基を有するモノマーの併用が好ましい。
更に前記アクリル樹脂(B−1)の生成に用いられるモノマー類は、メタクリル酸と炭素数2以上のアルキル基を有するモノマーとをそれぞれ4:96から20:80の割合で含めることが好ましい。
前記アクリル樹脂(B)の酸価は30mgKOH/gから150mgKOH/gであることが好ましく、その重量平均分子量は3,000Mwから30,000Mwであることが好ましい。
また前記アクリル樹脂(B)の配合量は、フラックス組成物全量に対して10重量%から90重量%であることが好ましく、30重量%から60重量%であることが更に好ましい。
なお、前記ロジン樹脂(A)と前記アクリル樹脂(B)の好ましい配合比率は、それぞれ1:2〜1:3である。
(C)活性剤
前記活性剤(C)としては、例えば有機アミンのハロゲン化水素塩等のアミン塩(無機酸塩や有機酸塩)、有機酸、有機酸塩、有機アミン塩等が挙げられる。これらは単独でまたは複数を組合せて使用することができる。
前記活性剤(C)の配合量は、フラックス組成物全量に対して1重量%から15重量%であることが好ましく、3重量%から10重量%であることが更に好ましい。
(D)チクソ剤
前記チクソ剤(C)としては、例えばヒマシ油、水素添加ヒマシ油、脂肪酸アマイド類、オキシ脂肪酸類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれらは単独でまたは複数を組合せて使用することができる。
前記チクソ剤(C)の配合量は、フラックス組成物全量に対して2重量%から15重量%であることが好ましく、3重量%から10重量%であることが更に好ましい。
(E)酸化防止剤
本実施形態のフラックス組成物は、酸化防止剤(E)として、(E−1)フェノール系酸化防止剤と、(E−2)トリアゾール系酸化防止剤および(E−3)リン系酸化防止剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。
前記フェノール系酸化防止剤(E−1)としては、オルト位に立体障害作用を示す置換基をもったアルキルフェノールとして知られるヒンダートフェノール系酸化防止剤が用いられ、例えばフェノール水酸基の両側のオルト位がメチル基またはt−ブチル基(3級ブチル基)で置換されていないレスヒンダードフェノール系酸化防止剤、一方のみのオルト位がメチル基で置換され、他方のオルト位はt−ブチル基で置換されている部分ヒンダードフェノール系酸化防止剤、および両側のオルト位がt−ブチル基で置換されている完全ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。これらの中でも特に、酸化防止効果、並びにフラックス組成物およびソルダペースト組成物の保存安定性の高さから、部分ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。
前記トリアゾール系酸化防止剤としては、例えばアミノトリアゾール系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系酸化防止剤、メルカプトトリアゾール系酸化防止剤等が挙げられる。これらの中でも特にアミノトリアゾール系酸化防止剤が好ましく用いられる。アミノトリアゾール系酸化防止剤としては、アミノトリアゾール骨格を有する化合物であれば特に限定されないが、その中でも3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが好ましく用いられ、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールが特に好ましく用いられる。なお、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールを主成分とした化合物もアミノトリアゾール系酸化防止剤として好ましく用いることができる。
前記リン系酸化防止剤としては、例えばトリフェニルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファエト、トリス(トリデシル)フォスファイト等が挙げられる。これらの中でも特にテトラ(C12−C15混合アルキル)−4,4′−イソプロピリデンジフェニルジホスファイトが好ましく用いられる。
本実施形態のフラックス組成物は、前記フェノール系酸化防止剤(E−1)と前記トリアゾール系酸化防止剤(E−2)および前記リン系酸化防止剤(E−3)の少なくとも一方を併用することにより、前記フェノール系酸化防止剤(E−1)がフラックス残渣の自動酸化により発生するラジカルを補足してフラックス残渣の熱劣化を防止するとともに前記トリアゾール系酸化防止剤(E−2)がはんだ接合部に含まれるはんだ合金を触媒としたフラックス残渣の酸化を抑制することができ、更には前記フェノール系酸化防止剤(E−1)のラジカル補足の過程で生成されたヒドロペルオキシドを前記リン系酸化防止剤(E−3)が分解することにより、フラックス残渣の熱劣化を相乗的に防止することができる。
このように、本実施形態のフラックス組成物は、酸化防止プロセスの異なる複数の酸化防止剤をその酸化防止効果を相乗的に発揮できるように併用することにより、例えば寒暖の差が激しい環境に置かれる電子回路基板に用いられた場合であっても、フラックス残渣の熱劣化を抑制することにより亀裂発生およびその進展の抑制効果を奏し、更に良好な溶融性、濡れ性等の性能を発揮することができる。
前記フェノール系酸化防止剤(E−1)と前記トリアゾール系酸化防止剤(E−2)および前記リン系酸化防止剤(E−3)の少なくとも一方の合計配合量は、フラックス組成物全量に対して1重量%から15重量%であることが好ましく、6重量%から10重量%であることが更に好ましい。
また前記フェノール系酸化防止剤(E−1)と前記トリアゾール系酸化防止剤(E−2)とを併用する場合の配合比率はそれぞれ1:1〜2:1であり、前記フェノール系酸化防止剤(E−1)と前記リン系酸化防止剤(E−3)(E−3)とを併用する場合の配合比率はそれぞれ1:1〜4:1であり、前記フェノール系酸化防止剤(E−1)と前記トリアゾール系酸化防止剤(E−2)と前記リン系酸化防止剤(E−3)とを併用する場合の配合比率はそれぞれ1:1:1〜4:1:1である。
なお、本実施形態のフラックス組成物には、その効果に影響を与えない範囲において他の酸化防止剤を使用することができる。その好ましい配合量は、フラックス組成物全量に対して1重量%から5重量%程度である。
(F)溶剤
前記溶剤(F)としては、例えばイソプロピルアルコール、エタノール、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、グリコールエーテル等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。またこれらは単独でまたは複数を組合せて使用することができる。
前記溶剤(F)の配合量は、フラックス組成物全量に対して20重量%から40重量%であることが好ましく、25重量%から35重量%であることが更に好ましい。
また本実施形態のフラックス組成物には、その効果に影響を与えない範囲において、前記ロジン樹脂(A)および前記アクリル樹脂(B)以外の樹脂、例えばエポキシ樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等およびこれらを天然樹脂で変性したもの等のその他の合成樹脂を含めることができる。
これらその他の樹脂の配合量はフラックス組成物全量に対して20重量%から60重量%であることが好ましく、30重量%から50重量%であることが更に好ましい。
2.ソルダペースト組成物
本実施形態のソルダペースト組成物は、上記フラックス組成物とはんだ合金粉末とを混合することにより得られる。
前記はんだ合金粉末としては、例えば錫および鉛を含む合金、錫および鉛並びに銀、ビスマスおよびインジウムの少なくとも1種を含む合金、錫および銀を含む合金、錫および銅を含む合金、錫、銀および銅を含む合金、錫およびビスマスを含む合金等を用いることができる。またこれら以外にも、例えば錫、鉛、銀、ビスマス、インジウム、銅、亜鉛、ガリウム、アンチモン、金、パラジウム、ゲルマニウム、ニッケル、クロム、アルミニウム、リン等を適宜組合せたはんだ合金粉末を使用することができる。なお、上記に挙げた元素以外であってもその組合せに使用することは可能である。
これらの中でも特に錫、銀および銅を含むはんだ合金粉末、例えば錫−鉛系はんだ合金、錫−銀系合金はんだ、錫−銀−銅系はんだ合金、錫−銀−銅−ビスマス系はんだ合金、錫−銀−銅−インジウム系はんだ合金、錫−銀−銅−ビスマス−インジウム系はんだ合金の粉末が好ましく用いられる。
前記はんだ合金粉末の配合量は、ソルダペースト組成物全量に対して65重量%から95重量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は85重量%から93重量%であり、特に好ましい配合量は89重量%から92重量%である。
前記はんだ合金粉末の配合量が65重量%未満の場合には、得られるソルダペースト組成物を用いた場合に充分なはんだ接合が形成されにくくなる傾向にある。他方前記はんだ合金粉末の含有量が95重量%を超える場合にはバインダとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックス組成物とはんだ合金粉末とを混合しにくくなる傾向にある。
本実施形態のソルダペースト組成物は上記フラックス組成物を使用することにより、寒暖の差が激しく冷熱衝撃の大きい環境下に置かれる電子回路基板に用いられた場合であっても、フラックス残渣の熱劣化を抑制することにより亀裂発生およびその進展の抑制効果を奏し、更に良好な溶融性、濡れ性等の性能を発揮することができる。
3.はんだ接合体/電子回路基板
本実施形態のはんだ接合体は、上記ソルダペースト組成物を用いて形成されることが好ましい。また当該はんだ接合体は、例えば、上記はんだ合金粉末からなるソルダボールと上記フラックス組成物とを用いて形成されてもよい。なお、はんだ接合体とは、はんだ接合部および少なくともはんだ接合部に接着するように形成されるフラックス残渣を指す。
また前記はんだ接合体およびこれを有する電子回路基板は、例えば基板上の所定の位置に電極およびソルダレジスト膜を形成し、所定のパターンを有するマスクを用いて本実施形態のソルダペースト組成物を印刷し、当該パターンに適合する電子部品を所定の位置に搭載し、これをリフローすることにより作製される。
このようにして作製された電子回路基板は、前記電極上にはんだ接合部が形成され、当該はんだ接合部は当該電極と電子部品とを電気的に接合する。
また前記基板上には、少なくともはんだ接合部に接着するようにフラックス残渣が付着している。なお当該フラックス残渣は、前記基板および前記ソルダレジスト膜の少なくとも一方と前記電子部品との間に介在してこれらを接着していることが好ましい。
このようなはんだ接合部およびフラックス残渣は本実施形態のソルダペースト組成物により形成されるため、これを有する電子回路基板が寒暖の差が激しく冷熱衝撃の大きい環境下に置かれた場合であっても、フラックス残渣の熱劣化を抑制することにより亀裂発生およびその進展の抑制効果を奏し、更に良好な溶融性、濡れ性等の性能を発揮することができる。そのため本実施形態の電子回路基板は、自動車のエンジンルーム内のような環境下においても好適に用いることができ、高い信頼性を保つことができる。
なお、特に前記フラックス残渣が前記はんだ接合部に接着し、且つ前記基板および前記ソルダレジスト膜の少なくとも一方と前記電子部品との間に介在してこれらを接着している構成、特に前記基板および前記ソルダレジスト膜の少なくとも一方、前記電子部品および前記はんだ接合部により囲まれる空間を埋めるようにこれらに接着している構成の場合、亀裂発生およびその進展の抑制効果を向上させることができる。ただし、本実施形態のはんだ接合体および電子回路基板は、フラックス残渣がこのような構成でない場合においても当然上記効果を奏することができる。また前記フラックス残渣は、基板上のこれ以外の場所や、前記電子部品の他の場所に付着するように形成されていてもよい。
なお、本実施形態の電子回路基板に実装される電子部品の種類は特に限定されないが、例えばチップコンデンサ、チップLEDといったチップ型部品を実装する際に特にその効果をより発揮することができる。
以下、図1を用いて本実施形態の電子回路基板の一例を説明する。
当該実施形態に係る電子回路基板100は、基板1、電極2、ソルダレジスト膜3、はんだ接合体4、はんだ接合部41、フラックス残渣42、電子部品5、電子部品の外部電極51および電子部品の端部52とからなる。
電極2およびソルダレジスト膜3は基板1上に形成されている。またはんだ接合部41は、電極2と外部電極51とを電気的接合するように形成されている。フラックス残渣42は、本実施形態のようにはんだ接合部41、および電子部品5の基板1側表面とこれに対向するソルダレジスト膜3表面とに接着するよう形成されていることが好ましく、更にフラックス残渣42はソルダレジスト膜3とはんだ接合部41と端部52に接着するようにも形成されていることが好ましい。
なお、特に図1のようにフラックス残渣42が電子部品5の基板1側表面とこれに対向するソルダレジスト膜3の表面との隙間を埋めるように形成されている場合、フラックス残渣42およびはんだ接合部41の亀裂発生およびその進展の抑制効果を向上することができる。
なお、本実施形態においては基板1上にソルダレジスト膜3が形成された状態で電子部品5が実装されているが、例えばセラミック基板のように基板上にソルダレジスト膜を形成しない基板上に電子部品を実装した電子回路基板であっても同様の効果を奏する。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳述する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ソルダペースト組成物の作製
表1に記載の各成分を混練し、実施例1から7、および比較例1から6に係る各フラックス組成物を得た。次いで当該各フラックス組成物11重量%とSn−3Ag−0.5Cuはんだ合金粉末89重量%とを混練し、実施例1から7、および比較例1から6に係る各ソルダペースト組成物を得た。
なお、特に記載のない限り、表1に記載の数値は重量%を意味するものとする。

Figure 0006296663
※1 荒川化学工業(株)製 水添酸変性ロジン
※2 メタクリル酸、ラウリルアクリレートおよび2−エチルヘキシルメタクリレートからなるモノマーを重合して得られたもの
※3 BASFジャパン(株)製 部分ヒンダートフェノール系酸化防止剤
※4 BASFジャパン(株)製 完全ヒンダートフェノール系酸化防止剤
※5 (株)ADEKA製 トリアゾール系酸化防止剤(3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールを主成分とする化合物)
※6 (株)ADEKA製 リン系酸化防止剤(テトラ(C12−C15混合アルキル)−4,4′−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト)
1.フラックス残渣耐亀裂性試験
0.65mmピッチのQFP(Quad Flat Package)パターンが存在する基板に、同じパターンを有する厚み150μmのメタルマスクを用いて各ソルダペースト組成物を印刷した。この印刷後10分以内に当該各基板をリフロー炉(製品名:TNP40−577PH、タムラ製作所株)製)を用いて酸素濃度4,000ppm下にて図2に示す温度プロファイルに沿って最高温度240℃でリフローを行った。
次にリフロー後の前記各基板を150℃の温度下で100時間放置後、−40℃(30分間)〜120℃(30分間)の条件に設定した冷熱衝撃試験装置(製品名:ES−76LMS、 日立アプライアンス(株)製)を用いて上記冷熱衝撃サイクルを100回繰り返す環境下に曝した後これを取りだし、各試験基板(−40℃〜120℃)を作製した。
また上記と同じ条件にてリフローした各基板を150℃の温度下で100時間放置後、−40℃(30分間)〜150℃(30分間)の条件に設定した冷熱衝撃試験装置(製品名:ES−76LMS、 日立アプライアンス(株)製)を用いて上記冷熱衝撃サイクルを100回繰り返す環境下に曝した後これを取りだし、各試験基板(−40℃〜150℃)を作製した。
そして、前記各試験基板上のQFPパターンのはんだ付け部における亀裂発生状態を目視観察し、以下の基準で評価した。その結果を表2に示す。
◎:QFP接続部の端子間を連結する亀裂の数が5未満
○:QFP接続部の端子間を連結する亀裂の数が5以上10未満
△:QFP接続部の端子間を連結する亀裂の数が10以上20未満
×:QFP接続部の端子間を連結する亀裂の数が20以上
2.粘着性試験
フラックス残渣耐亀裂性試験と同じ条件にて各ソルダペースト組成物を印刷した各基板をリフローし、これを室温まで放冷した後、各基板上に形成されたフラックス残渣を指触してその貼り付き跡を観察し、以下のように評価した。その結果を表2に示す。
○:貼りつき跡がない
△:貼り付き跡が生じる
×:指にフラックス残渣の成分が付着する
3.フラックス残渣抵抗試験
各ソルダペースト組成物について、以下に挙げる条件以外はJIS規格Z3197(フラックス残渣絶縁抵抗試験)に準拠した条件にてフラックス残渣の絶縁抵抗を測定した。
・メタルマスク厚:150μm
・はんだ溶融時の温度条件:リフロー炉(製品名:TNP40−577PH、(株)タムラ製作所製)を使用。なお、温度プロファイルは図2の通り。
・はんだ溶融時の雰囲気:酸素濃度4,000ppm
・高温高湿試験環境:85℃、95%
また当該試験にて測定した数値を以下のように評価した。その結果を表2に示す。
〇 測定開始後100時間〜500時間の間における抵抗値が全て1.0×10Ω以上
× 測定開始後100時間〜500時間の間における抵抗値の少なくともいずれかが1.0×10Ω未満

Figure 0006296663
以上、本実施例のソルダペースト組成物は、フェノール系酸化防止剤(E−1)とトリアゾール系酸化防止剤(E−2)およびリン系酸化防止剤(E−3)の少なくとも一方を併用したフラックス組成物を使用することにより、フラックス残渣の熱劣化を相乗的に抑制することにより亀裂発生およびその進展の抑制効果を奏し、更に良好な溶融性、濡れ性等の性能を発揮することができる。特にフェノール系酸化防止剤(E−1)とトリアゾール系酸化防止剤(E−2)とリン系酸化防止剤(E−3)とをそれぞれ1:1:1の配合比率で併用した実施例2は−40℃〜120℃および−40℃〜150℃のいずれの冷熱サイクル条件においても良好なフラックス残渣の亀裂抑制効果を奏することが分かる。
このように、本実施例のソルダペースト組成物を用いて形成されたはんだ接合体は寒暖の差が激しく冷熱衝撃の大きい環境下に置かれる電子回路基板に用いられた場合であっても、フラックス残渣の熱劣化を抑制することにより亀裂発生およびその進展の抑制効果を奏し、更に溶融性、良好な濡れ性等の性能を実現することができる。そのため、このような電子回路基板は特に高信頼性が要求されると共に寒暖の差が激しく冷熱衝撃が大きい環境下においても好適に用いることができる。
1 基板
2 電極
3 ソルダレジスト膜
4 はんだ接合体
41 はんだ接合部
42 フラックス残渣
5 電子部品
51 外部電極
52 端部
100 電子回路基板

Claims (5)

  1. (A)ロジン樹脂と、(B)アクリル樹脂と、(C)活性剤と、(D)チクソ剤と、(E)酸化防止剤と、(F)溶剤とを含み、
    前記酸化防止剤(E)として、(E−1)フェノール系酸化防止剤と、(E−2)トリアゾール系酸化防止剤および(E−3)リン系酸化防止剤を含み、
    前記(E−1)フェノール系酸化防止剤と前記(E−2)トリアゾール系酸化防止剤と前記(E−3)リン系酸化防止剤との配合比率は重量%でそれぞれ1:1:1〜4:1:1であることを特徴とするフラックス組成物。
  2. 前記(E−1)フェノール系酸化防止剤は部分ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする請求項1に記載のフラックス組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のフラックス組成物と、はんだ合金粉末とを含むことを特徴とするソルダペースト組成物。
  4. 請求項3に記載のソルダペースト組成物を用いて形成されたことを特徴とするはんだ接合体。
  5. 請求項4に記載のはんだ接合体を有する電子回路基板。
JP2015237597A 2015-12-04 2015-12-04 フラックス組成物、ソルダペースト組成物および電子回路基板 Active JP6296663B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015237597A JP6296663B2 (ja) 2015-12-04 2015-12-04 フラックス組成物、ソルダペースト組成物および電子回路基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015237597A JP6296663B2 (ja) 2015-12-04 2015-12-04 フラックス組成物、ソルダペースト組成物および電子回路基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017100181A JP2017100181A (ja) 2017-06-08
JP6296663B2 true JP6296663B2 (ja) 2018-03-20

Family

ID=59016275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015237597A Active JP6296663B2 (ja) 2015-12-04 2015-12-04 フラックス組成物、ソルダペースト組成物および電子回路基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6296663B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7130564B2 (ja) * 2019-01-15 2022-09-05 千住金属工業株式会社 フラックス及びソルダペースト
EP4063061B1 (en) 2018-01-16 2024-04-24 Senju Metal Industry Co., Ltd. Flux and solder paste
JP6721849B1 (ja) * 2019-05-27 2020-07-15 千住金属工業株式会社 ソルダペースト
JP6676242B1 (ja) * 2019-05-27 2020-04-08 千住金属工業株式会社 ソルダペースト

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3735543B2 (ja) * 2001-06-05 2006-01-18 株式会社東芝 ソルダペースト
JP3797990B2 (ja) * 2003-08-08 2006-07-19 株式会社東芝 熱硬化性フラックス及びはんだペースト
JP2006015348A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Nof Corp はんだ付け用フラックス組成物およびはんだペースト
EP2243592B1 (en) * 2008-02-22 2020-04-01 Harima Chemicals, Inc. Solder bonding structure and solder paste
JP5887331B2 (ja) * 2013-12-27 2016-03-16 株式会社タムラ製作所 はんだ組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017100181A (ja) 2017-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101925760B1 (ko) 납 프리 땜납 합금, 플럭스 조성물, 솔더 페이스트 조성물, 전자 회로 기판 및 전자 제어 장치
JP6755837B2 (ja) 鉛フリーはんだ合金、電子回路基板および電子制御装置
KR101142815B1 (ko) 땜납 접합 구조 및 납땜용 플럭스
JP6359499B2 (ja) 耐冷熱衝撃フラックス組成物、ソルダペースト組成物および電子回路基板
JP6230737B1 (ja) 鉛フリーはんだ合金、ソルダペースト及び電子回路基板
JP6296663B2 (ja) フラックス組成物、ソルダペースト組成物および電子回路基板
JP6275356B1 (ja) フラックス組成物、ソルダペースト組成物及び電子回路基板
JP5877822B2 (ja) 耐冷熱衝撃フラックス組成物、ソルダペースト組成物、はんだ接合部の製造方法および電子回路基板の製造方法
JP7089491B2 (ja) フラックス組成物、ソルダペースト及び電子回路基板
JP6560272B2 (ja) ソルダペースト、電子回路基板及び電子制御装置
JP6138843B2 (ja) 鉛フリーはんだ合金含有ソルダペースト組成物、はんだ接合体構造および電子回路基板
KR20210103389A (ko) 납 프리 땜납 합금, 땜납 접합용 재료, 전자 회로 실장 기판 및 전자 제어 장치
JP2018122323A (ja) フラックス組成物、ソルダペースト及び電子回路基板
JP6215633B2 (ja) ロジン含有量を低減させたはんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物
JP6133649B2 (ja) アクリル樹脂含有はんだ付け用フラックス組成物及びソルダーペースト組成物
JP6259623B2 (ja) 低酸価アクリル樹脂含有はんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物
JP6275311B1 (ja) ソルダペースト及びはんだ接合部
JP2020104169A (ja) 鉛フリーはんだ合金、はんだ接合用材料、電子回路実装基板及び電子制御装置
JP7312534B2 (ja) 微小チップ部品用はんだ組成物
JP7241795B2 (ja) 無残渣フラックス組成物及びソルダペースト
JP6916243B2 (ja) 鉛フリーはんだ合金、電子回路基板及び電子制御装置
JP2018122322A (ja) 鉛フリーはんだ合金、ソルダペースト、電子回路基板及び電子制御装置
WO2021261502A1 (ja) フラックス、ソルダペースト、電子回路実装基板及び電子制御装置
JP2013066939A (ja) はんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物
KR20210015600A (ko) 납 프리 땜납 합금, 솔더 페이스트, 전자 회로 실장 기판 및 전자 제어 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6296663

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150