JP6721849B1 - ソルダペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】温度サイクル信頼性に優れたフラックスを用いて温度サイクル信頼性、増粘抑制効果に優れたソルダペーストを提供する。【解決手段】 フラックスと、金属粉からなるソルダペーストにおいて、フラックスは、アクリル樹脂と、有機酸と、溶剤を含み、アクリル樹脂を5.0wt%以上50.0wt%以下含み、金属粉は、As:25〜300質量ppm、並びにSb:0質量ppm超3000質量ppm以下、Bi:0質量ppm超10000質量ppm以下、及びPb:0質量ppm超5100質量ppm以下の少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記数(1b)式及び数(2)式を満たすソルダペースト。275≦2As+Sb+Bi+Pb≦5300・・・(1b)0.01≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00・・・(2)【選択図】無し

Description

本発明は、フラックスと金属粉とを含むソルダペーストに関する。
一般的に、はんだ付けに用いられるフラックスは、はんだ及びはんだ付けの対象となる接合対象物の金属表面に存在する金属酸化物を化学的に除去し、両者の境界で金属元素の移動を可能にする効能を持つ。このため、フラックスを使用してはんだ付けを行うことで、はんだと接合対象物の金属表面との間に金属間化合物が形成できるようになり、強固な接合が得られる。
ソルダペーストは、はんだ合金の粉末とフラックスとを混合させて得られた複合材料である。ソルダペーストを使用したはんだ付けは、基板の電極等のはんだ付け部にソルダペーストが印刷され、ソルダペーストが印刷されたはんだ付け部に部品が搭載され、リフロー炉と称される加熱炉で基板を加熱してはんだを溶融させて、はんだ付けが行われる。
従来のフラックスでは、高分子のアクリル樹脂を含むことで、残渣に柔軟性を持たせ、温度サイクルの信頼性を確保する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年、CPU(Central Processing Unit)などのはんだ継手を有する電子デバイスは、小型化、高性能化が要求されている。これにともない、プリント基板と電子デバイスの電極の小型化が必要になる。電子デバイスは電極を介してプリント基板と接続されるため、電極の小型化に伴い両者を接続するはんだ継手も小さくなる。
電子デバイスとプリント基板をこのような微細な電極を介して接続するためには、一般にソルダペーストが使用されている。ソルダペーストは、プリント基板の電極上に印刷等によって供給される。ソルダペーストの印刷は、開口部が設けられたメタルマスクをプリント基板上に置き、スキージをメタルマスクに押し付けながら移動させ、メタルマスクの開口部からソルダペーストをプリント基板上の電極に一括塗布することにより行われる。その後、電子部品はプリント基板に印刷されたソルダペースト上に載置され、はんだ付けが完了するまではソルダペーストによって保持される。
ソルダペーストを購入した場合、通常では1回の印刷ですべてを使い切ることはないため、ソルダペーストは、印刷性能を損なわないように製造当初の適度な粘度が維持されなければならない。
しかし、近年、電極の小型化が進むにつれて、ソルダペーストの印刷面積も狭小化が進んでいることから、購入したソルダペーストを使い切るまでの時間は長期化している。ソルダペーストは、はんだ合金の粉末とフラックスを混合したものであり、保管期間が長期に渡る場合には、保管状況によってはソルダペーストの粘度が上がってしまい、購入当初の印刷性能を発揮することができないことがある。
そこで、ソルダペーストの経時変化を抑制するため、Snと、Ag、Bi、Sb、Zn、In及びCuからなる群から選択される1種又は2種以上とを含み、かつ、所定量のAsを含むはんだ合金が開示されている(例えば、特許文献2参照)。同文献には、25℃で2週間後の粘度が作製当初の粘度と比較して140%未満である結果が示されている。
特開2010−515576号公報 特開2015−98052号公報
特許文献2に記載の発明は、Sn及びAsの他に6種類の元素を選択的に含有し得るはんだ合金である。また、同文献には、As含有量が多いと溶融性が劣る結果が示されている。
ここで、特許文献2で評価されている溶融性は、溶融はんだの濡れ性に相当すると考えられる。同文献で開示されている溶融性は、溶融物の外観を顕微鏡で観察し、溶融しきれないはんだ粉末の有無により評価されている。溶融はんだの濡れ性が高ければ溶融しきれないはんだ粉末が残存し難くなるためである。
一般に、溶融はんだの濡れ性を向上させるためには高活性のフラックスを用いる必要がある。特許文献2に記載のフラックスにおいて、Asによる濡れ性の劣化が抑制されるためには、高活性のフラックスを用いればよいと考えられる。しかし、高活性のフラックスを用いるとフラックスの粘度上昇率が上がってしまう。また、特許文献2の記載を鑑みると、粘度上昇率の上昇を抑えるためにはAs含有量を増加させる必要がある。特許文献2に記載のソルダペースト(はんだペースト)が更に低い粘度上昇率と優れた濡れ性を示すためには、フラックスの活性力とAs含有量を増加しつづける必要があり、悪循環を招くことになる。
さらに、高活性のフラックスを実現するため、フラックスには活性剤が含まれるが、アクリル樹脂は、活性剤との相溶性が悪い。このため、アクリル樹脂を高活性のフラックスに適用すると、フラックス中でアクリル樹脂と活性剤が分離することで、残渣が層化する可能性があった。残渣が層化すると、温度サイクルで亀裂が発生しやすくなり、温度サイクル信頼性も低下する。
本発明は、このような課題を解決するためなされたもので、温度サイクル信頼性に優れたフラックスを用い、経時変化を抑制したソルダペーストを提供することを目的とする。
ソルダペーストの経時変化の抑制が改善される際、高い活性力を有するフラックスの使用とAs含有量の増加による悪循環を避ける必要がある。本発明者らは、はんだ粉末の合金組成に着目し、アクリル樹脂を含むフラックスの温度サイクル信頼性を阻害することなく、ソルダペーストの経時変化を抑制すべく鋭意検討を行った。
まずは、本発明者らは、はんだ合金として従来から使用されているSn単体、Sn−Cu、Sn−Ag−Cuはんだ合金を基本組成として、これにAsを含有するはんだ粉末について検討した。そして、このはんだ粉末を用いた場合にソルダペーストの経時変化を抑制する理由に着目し、As含有量を調査した。
ソルダペーストの粘度が経時的に上昇する理由は、はんだ粉末とフラックスが反応するためであると考えられる。そして、特許文献2の表1実施例4と比較例2の結果を比較すると、As含有量が100質量ppmを超えた方が粘度上昇率が低い結果を示している。これらを鑑みると、ソルダペーストの経時変化を抑制する効果(以下、適宜、「増粘抑制効果」と称する。)に着目した場合、As含有量をさらに増加させてもよいと考えた。As含有量を増加した場合、As含有量に伴い増粘抑制効果がわずかに増加するものの、As含有量が多すぎると、はんだ合金のぬれ性が悪化することが確認された。
そこで、本発明者らは、Asの他に増粘抑制効果を発揮する元素を添加する必要があることに思い至り、種々の元素を調査したところ、偶然にも、Sb、Bi及びPbがAsと同様の効果を発揮する知見を得た。この理由は定かではないが、以下のように推察される。
増粘抑制効果はフラックスとの反応を抑制することにより発揮されることから、フラックスとの反応性が低い元素として、イオン化傾向が低い元素が挙げられる。一般に、合金のイオン化は、合金組成としてのイオン化傾向、すなわち標準電極電位で考える。例えば、Snに対して貴なAgを含むSn−Ag合金はSnよりもイオン化し難い。このため、Snよりも貴な元素を含有する合金はイオン化し難いことになり、ソルダペーストの増粘抑制効果が高いと推察される。
ここで、特許文献2では、Sn、Ag、Cuの他に、Bi、Sb、Zn、及びInが等価な元素として掲げられているが、イオン化傾向としては、In及びZnはSnに対して卑な元素である。つまり、特許文献2にはSnより卑な元素を添加しても増粘抑制効果が得られることが記載されていることになる。このため、イオン化傾向に則して選定された元素を含有するはんだ合金は、特許文献2に記載のはんだ合金と比較して同等以上の増粘抑制効果が得られると考えられる。また、前述のように、As含有量が増加すると濡れ性が劣化してしまう。
本発明者らは、増粘抑制効果として知見したBi及びPbについて詳細に調査した。Bi及びPbははんだ合金の液相線温度を下げるため、はんだ合金の加熱温度が一定である場合、はんだ合金の濡れ性を向上させる。但し、含有量によっては固相線温度が著しく低下するため、液相線温度と固相線温度との温度差であるΔTが広くなりすぎる。ΔTが広くなりすぎると凝固時に偏析が生じてしまい、機械的強度等の機械的特性の低下に繋がってしまう。ΔTが広がる現象は、Bi及びPbを同時に添加した場合に顕著に表れることから、厳密な管理が必要であることも知見した。
さらに、本発明者らは、はんだ合金の濡れ性を向上させるため、Bi含有量及びPb含有量を再調査したが、これらの元素の含有量が増加するとΔTが広くなった。そこで、本発明者らは、イオン化傾向がSnに対して貴な元素であると共にはんだ合金の濡れ性を阻害しない元素としてSbを選択してSb含有量の許容範囲を定めた上で、Sbを含めたAs、Bi、Pb、及びSbの各々の含有量に関する関係を詳細に調査した結果、偶然にも、これらの元素の含有量が所定の関係式を満たす場合、フラックスにアクリル樹脂を含むことによる温度サイクル信頼性を阻害せず、濡れ性、ΔTの狭窄化も阻害せず、優れた増粘抑制効果が得られる知見を得て、本発明を完成した。
そこで、本発明は、フラックスと、金属粉からなるソルダペーストにおいて、
ラックスは、アクリル樹脂と、有機酸と、溶剤を含み、
アクリル樹脂を5.0wt%以上50.0wt%以下含み、
金属粉は、
As:25〜300質量ppm、並びにSb:0質量ppm超3000質量ppm以下、Bi:0質量ppm超10000質量ppm以下、及びPb:0質量ppm超5100質量ppm以下の少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記数(1)式及び数(2)式を満たす。
275≦2As+Sb+Bi+Pb≦5300・・・(1b)
0.01≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00・・・(2)
上記数(1)式及び数(2)式中、As、Sb、Bi、およびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
さらに、上記合金組成は下記数(2a)式を満たすことが好ましい。
0.31≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00・・・(2a)
上記数(2a)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
さらに、上記合金組成は、Ag:0〜4質量%及びCu:0〜0.9質量%の少なくとも1種を含有することが好ましい。
また、フラックスは、アクリル樹脂を5.0wt%以上50.0wt%以下、有機酸を0.2wt%以上13.0wt%以下、チキソ剤を0wt%以上10.0wt%以下含むことが好ましく、チキソ剤としてアミド系チキソ剤を0wt%以上10.0wt%以下、エステル化合物を0wt%以上8.0wt%以下含み、アミド系チキソ剤とエステル化合物の合計が10.0wt%以下であることが好ましい。
フラックスは、さらにロジンを0wt%以上45.0wt%以下含むことが好ましく、ロジンの含有量が0wt%超である場合、1種のロジンまたは2種以上のロジンと、1種のアクリル樹脂または2種以上のアクリル樹脂の合計の含有量が35.0wt%以上60.0wt%以下であり、1種のロジンまたは2種以上のロジンの合計の含有量と、1種のアクリル樹脂または2種以上のアクリル樹脂の合計の含有量との比率が0.1以上9.0以下であることが好ましい。
さらに、アクリル樹脂とロジン以外の他の樹脂を0wt%以上10.0wt%以下、アミンを0wt%以上20.0wt%以下、アミンハロゲン化水素酸塩を0wt%以上2.0wt%以下、有機ハロゲン化合物を0wt%以上5.0wt%以下、酸化防止剤を0wt%以上5.0wt%以下含むことが好ましい。
アクリル樹脂を含むフラックスは、残渣に柔軟性を持たせ、残渣が割れることを抑制でき、温度サイクル信頼性に優れる効果が得られる。また、アクリル樹脂を含むフラックスと、上述した合金組成の金属粉を含むソルダペーストでは、フラックス残渣の温度サイクル信頼性に加えて、ソルダペーストの増粘抑制効果に対して十分な効果が得られる。
<本実施の形態のフラックスの一例>
本実施の形態のフラックスは、アクリル樹脂と、有機酸と、溶剤を含む。本実施の形態のフラックスはアクリル樹脂を5.0wt%以上50.0wt%以下含む。アクリル樹脂は、はんだ付けで想定される温度域での耐熱性を有し、加熱後に硬化したフラックス残渣中に残存することで、フラックス残渣が軟残渣となる。これにより、温度の変化があってもフラックス残渣が割れることが抑制され、温度サイクル信頼性が向上する。アクリル樹脂の含有量が5.0wt%未満であると、温度サイクル信頼性が低下する。
アクリル樹脂は、アクリル酸、アクリル酸とアルコールの反応物であるアクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸とアルコールの反応物であるメタクリル酸エステルをモノマーとして、アクリル酸の重合体、アクリル酸エステルの重合体、アクリル酸とアクリル酸エステルの重合体等が挙げられる。また、メタクリル酸の重合体、メタクリル酸エステルの重合体、メタクリル酸とメタクリル酸エステルの重合体等が挙げられる。さらに、アクリル酸とメタクリル酸の重合体、アクリル酸とメタクリル酸エステルの重合体、メタクリル酸とアクリル酸エステルの重合体、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの重合体、アクリル酸とメタクリル酸とアクリル酸エステルの重合体、アクリル酸とメタクリル酸とメタクリル酸エステルの重合体、アクリル酸とメタクリル酸とアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの重合体、アクリル酸とアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの重合体、メタクリル酸とアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの重合体等が挙げられる。アクリル酸エステルとして、例えばアクリル酸ブチルエステルが挙げられ、アクリル酸ブチルエステルをモノマーとしたアクリル樹脂としては、アクリル酸ブチルエステルの重合体、アクリル酸ブチルエステル以外のアクリル酸エステルとアクリル酸ブチルエステルの重合体、アクリル酸とアクリル酸ブチルエステルの重合体、アクリル酸とアクリル酸ブチルエステル以外のアクリル酸エステルとアクリル酸ブチルエステルの重合体等が挙げられる。また、メタクリル酸エステルとして、例えばメタクリル酸ブチルエステルが挙げられ、メタクリル酸ブチルエステルをモノマーとしたアクリル樹脂としては、メタクリル酸ブチルエステルの重合体、メタクリル酸ブチルエステル以外のメタクリル酸エステルとメタクリル酸ブチルエステルの重合体、メタクリル酸とメタクリル酸ブチルエステルの重合体、メタクリル酸とメタクリル酸ブチルエステル以外のメタクリル酸エステルとメタクリル酸ブチルエステルの重合体等が挙げられる。さらに、アクリル酸とメタクリル酸ブチルエステルの重合体、アクリル酸とメタクリル酸ブチルエステル以外のメタクリル酸エステルとメタクリル酸ブチルエステルの重合体、メタクリル酸とアクリル酸ブチルエステルの重合体、メタクリル酸とアクリル酸ブチルエステル以外のアクリル酸エステルとアクリル酸ブチルエステルの重合体、アクリル酸ブチルエステルとメタクリル酸ブチルエステルの重合体、アクリル酸ブチルエステル以外のアクリル酸エステルとメタクリル酸ブチルエステルの重合体、アクリル酸ブチルエステルとメタクリル酸ブチルエステル以外のメタクリル酸エステルの重合体等が挙げられる。重合反応は、ランダム共重合でもブロック共重合等でも良い。また、上述したアルコールは、炭素鎖が直鎖状である炭素数が1〜24のアルコール、あるいは、炭素鎖が分岐状である炭素数が3〜24のアルコールであり、上述したアルコールとしては、炭素数1のメタノール、炭素数2のエタノール、炭素数3の1−プロパノール、炭素数3の2−プロパノール、炭素数3のエチレングリコールモノメチルエーテル、炭素数4の1−ブタノール、炭素数4の2−ブタノール、炭素数4のイソブタノール、炭素数6の1−ヘキサノール、炭素数6のジエチレングリコールモノエチルエーテル、炭素数7のベンジルアルコール、炭素数8の1−オクタノール、炭素数8の2−エチルヘキサノール、炭素数8のフェニルグリコール、炭素数9の1−デカノール、炭素数12のラウリルアルコール、炭素数16のセチルアルコール、炭素数18のステアリルアルコール、炭素数18のオレイルアルコール、炭素数22のベヘニルアルコール等が挙げられる。
アクリル樹脂の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が5000〜30000であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)が6000〜15000であることがより好ましい。
このようなアクリル樹脂としては、ポリ2−エチルヘキシルアクリレート(Mw=8300)、分子量が異なるポリ2−エチルヘキシルアクリレート(Mw=11700)、ポリラウリルメタクリレート(Mw=10080)等が挙げられる。また、アクリル樹脂としては、上述したアクリル樹脂と他の樹脂の重合体でも良く、例えば、上述した各アクリル樹脂とポリエチレンの共重合体でも良い。このようなアクリル・ポリエチレン共重合樹脂としてポリ2−エチルヘキシルアクリレート−ポリエチレン(Mw=12300)等が挙げられる。
また、本実施の形態のフラックスは、ロジンを0wt%以上45.0wt%以下含む。ロジンを含む場合、1種のロジンまたは2種以上のロジンと、1種のアクリル樹脂または2種以上のアクリル樹脂の合計の含有量は、35.0wt%以上60.0wt%以下である。また、ロジンを含む場合、1種のロジンまたは2種以上のロジンの合計の含有量と、1種のアクリル樹脂または2種以上のアクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は、0.1以上9.0以下である。
本実施の形態のフラックスは、アクリル樹脂とロジン以外の他の樹脂を含んでも良く、他の樹脂を0wt%以上10.0wt%以下含む。
本実施の形態のフラックスは、さらに、有機酸、アミン、ハロゲンを含んでも良く、有機酸を0wt%以上15.0wt%以下、より好ましくは、有機酸を0.2wt%以上13.0wt%以下、アミンを0wt%以上20.0wt%以下、より好ましくは、アミンを0wt%以上5.0wt%以下、ハロゲンとしてアミンハロゲン化水素酸塩を0wt%以上2.0wt%以下、有機ハロゲン化合物を0wt%以上5.0wt%以下含む。
本実施の形態のフラックスは、チキソ剤を含んでも良く、チキソ剤を0wt%以上10.0wt%以下含む。チキソ剤としてはアミド系チキソ剤を含んでも良く、アミド系チキソ剤を0wt%以上10.0wt%以下、より好ましくは、アミド系チキソ剤を0wt%以上6.0wt%以下含む。また、チキソ剤としてはエステル化合物を含んでも良く、エステル化合物を0wt%以上8.0wt%以下、より好ましくは、エステル化合物を0wt%以上4.0wt%以下含む。さらに、チキソ剤としてはソルビトール系チキソ剤を含んでも良く、ソルビトール系チキソ剤を0wt%以上10.0wt%以下、より好ましくは、ソルビトール系チキソ剤を0wt%以上6.0wt%以下含む。複数のチキソ剤の合計の含有量は、10.0wt%以下である。
本実施の形態のフラックスは、さらに、酸化防止剤を含んでも良く、酸化防止剤を0wt%以上5.0wt%以下含む。本実施の形態のフラックスは、残部が溶剤である。
ロジンとしては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン及びトール油ロジン等の原料ロジン、並びに該原料ロジンから得られる誘導体が挙げられる。該誘導体としては、例えば、精製ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、酸変性ロジン、フェノール変性ロジン及びα,β不飽和カルボン酸変性物(アクリル化ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン等)、並びに該重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びに該α,β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
他の樹脂としては、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、変性キシレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンポリプロピレン共重合物、及びポリエチレンポリ酢酸ビニル共重合物から選択される少なくとも一種以上の樹脂をさらに含むことができる。変性テルペン樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂等を使用することができる。変性テルペンフェノール樹脂としては、水添テルペンフェノール樹脂等を使用することができる。変性スチレン樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等を使用することができる。変性キシレン樹脂としては、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、フェノール変性レゾール型キシレン樹脂、ポリオール変性キシレン樹脂、ポリオキシエチレン付加キシレン樹脂等を使用することができる。
有機酸としては、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、エイコサン二酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、サリチル酸、ジグリコール酸、ジピコリン酸、ジブチルアニリンジグリコール酸、スベリン酸、セバシン酸、チオグリコール酸、テレフタル酸、ドデカン二酸、パラヒドロキシフェニル酢酸、ピコリン酸、フェニルコハク酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、ラウリン酸、安息香酸、酒石酸、イソシアヌル酸トリス(2−カルボキシエチル)、グリシン、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジエチルグルタル酸、2−キノリンカルボン酸、3−ヒドロキシ安息香酸、リンゴ酸、p−アニス酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
また、有機酸としては、モノカルボン酸の反応物で2量体であるダイマー酸、ダイマー酸に水素を添加した水添ダイマー酸、モノカルボン酸の反応物で3量体であるトリマー酸、トリマー酸に水素を添加した水添トリマー酸が挙げられる。
ダイマー酸、トリマー酸は、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とメタクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とメタクリル酸の反応物であるトリマー酸、オレイン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸の反応物であるトリマー酸、リノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノレン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とオレイン酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とオレイン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とオレイン酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とオレイン酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、オレイン酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、上述した各ダイマー酸の水添物である水添ダイマー酸、上述した各トリマー酸の水添物である水添トリマー酸等が挙げられる。例えば、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸は、炭素数が36の2量体である。また、オレイン酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸は、炭素数が54の3量体である。
アミンとしては、モノエタノールアミン、ジフェニルグアニジン、エチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−ウンデシルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−エチル−4′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、エポキシ−イミダゾールアダクト、2−メチルベンゾイミダゾール、2−オクチルベンゾイミダゾール、2−ペンチルベンゾイミダゾール、2−(1−エチルペンチル)ベンゾイミダゾール、2−ノニルベンゾイミダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール]、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−tert−オクチル−6′−tert−ブチル−4′−メチル−2,2′−メチレンビスフェノール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2′−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1−(1′,2′−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−(2,3−ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1−[(2−エチルヘキシルアミノ)メチル]ベンゾトリアゾール、2,6−ビス[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]−4−メチルフェノール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−フェニルテトラゾール等が挙げられる。
有機ハロゲン化合物としては、trans−2,3−ジブロモ−1,4−ブテンジオール、トリアリルイソシアヌレート6臭化物、1−ブロモ−2−ブタノール、1−ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩は、アミンとハロゲン化水素を反応させた化合物であり、アニリン塩化水素、アニリン臭化水素等が挙げられる。アミンハロゲン化水素酸塩のアミンとしては、上述したアミンを用いることができ、エチルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられ、ハロゲン化水素としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素の水素化物(塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素)が挙げられる。また、アミンハロゲン化水素酸塩に代えて、あるいはアミンハロゲン化水素酸塩と合わせてホウフッ化物を含んでも良く、ホウフッ化物としてホウフッ化水素酸等が挙げられる。
溶剤としては、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、テルピネオール類等が挙げられる。アルコール系溶剤としてはイソプロピルアルコール、1,2−ブタンジオール、イソボルニルシクロヘキサノール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,2′−オキシビス(メチレン)ビス(2−エチル−1,3−プロパンジオール)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、ビス[2,2,2−トリス(ヒドロキシメチル)エチル]エーテル、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エリトリトール、トレイトール、グアヤコールグリセロールエーテル、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール等が挙げられる。グリコールエーテル系溶剤としては、ヘキシルジグリコール、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。チキソ剤としては、アミド系チキソ剤、エステル化合物、ソルビトール系チキソ剤等が挙げられる。アミド系チキソ剤としては、モノアマイド系チキソ剤、ビスアマイド系チキソ剤、ポリアマイド系チキソ剤が挙げられ、具体的には、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド、飽和脂肪酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、不飽和脂肪酸アマイド、p−トルエンメタンアマイド、芳香族アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、飽和脂肪酸ビスアマイド、メチレンビスオレイン酸アマイド、不飽和脂肪酸ビスアマイド、m−キシリレンビスステアリン酸アマイド、芳香族ビスアマイド、飽和脂肪酸ポリアマイド、不飽和脂肪酸ポリアマイド、芳香族ポリアマイド、置換アマイド、メチロールステアリン酸アマイド、メチロールアマイド、脂肪酸エステルアマイド等が挙げられる。エステル化合物としては例えばヒマシ硬化油等が挙げられる。ソルビトール系チキソ剤としては、ジベンジリデン−D−ソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール等が挙げられる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
<本実施の形態のソルダペーストの一例>
本実施の形態のソルダペーストは、上述したフラックスと、金属粉を含む。金属粉は、Sn単体のはんだの粉体、または、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Bi系、Sn-In系等、あるいは、これらの合金にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、P、Pb等を添加したはんだ合金の粉体で構成される。
はんだ合金は、As:25質量ppm以上300質量ppm以下、並びにSb:0質量ppm超3000質量ppm以下、Bi:0質量ppm超10000質量ppm以下、及びPb:0質量ppm超5100質量ppm以下の少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有することが好ましい。はんだ合金は、Ag:0質量%以上4質量%以下及びCu:0質量%以上0.9質量%以下の少なくとも1種を更に含有していてもよい。
Asは、ソルダペーストの粘度の経時変化を抑制することができる元素である。Asは、フラックスとの反応性が低く、またSnに対して貴な元素であるために増粘抑制効果を発揮することができると推察される。As含有量の下限は、例えば25質量ppm以上であり、好ましくは50質量ppm以上であり、より好ましくは100質量ppm以上である。一方、Asが多すぎるとはんだ合金の濡れ性が劣化する。As含有量の上限は、例えば300質量ppm以下であり、好ましくは250質量ppm以下であり、より好ましくは200質量ppm以下である。
Sbは、フラックスとの反応性が低く増粘抑制効果を示す元素である。はんだ合金がSbを含有する場合、Sb含有量の下限は、例えば0質量ppm超であり、好ましくは25質量ppm以上であり、より好ましくは50質量ppm以上であり、さらに好ましくは100質量ppm以上であり、特に好ましくは300質量ppm以上である。一方、Sb含有量が多すぎると、濡れ性が劣化するため、適度な含有量にする必要がある。Sb含有量の上限は、例えば3000質量ppm以下であり、好ましくは1150質量ppm以下であり、より好ましくは500質量ppm以下である。
Bi及びPbは、Sbと同様に、フラックスとの反応性が低く増粘抑制効果を示す元素である。また、Bi及びPbは、はんだ合金の液相線温度を下げるとともに溶融はんだの粘性を低減させるため、Asによる濡れ性の劣化を抑えることができる元素である。
Sb、Bi及びPbの少なくとも1元素が存在すれば、Asによる濡れ性の劣化を抑えることができる。はんだ合金がBiを含有する場合、Bi含有量の下限は、例えば0質量ppm超であり、好ましくは25質量ppm以上であり、より好ましくは50質量ppm以上であり、さらに好ましくは75質量ppm以上であり、特に好ましくは100質量ppm以上であり、最も好ましくは250質量ppm以上である。はんだ合金がPbを含有する場合、Pb含有量の下限は0質量ppm超であり、好ましくは25質量ppm以上であり、より好ましくは50質量ppm以上であり、さらに好ましくは75質量ppm以上であり、特に好ましくは100質量ppm以上であり、最も好ましくは250質量ppm以上である。
一方、BiやPbの元素の含有量が多すぎると、固相線温度が著しく低下するため、液相線温度と固相線温度との温度差であるΔTが広くなりすぎる。ΔTが広すぎると、溶融はんだの凝固過程において、BiやPbの含有量が少ない高融点の結晶相が析出するために液相のBiやPbが濃縮される。その後、さらに溶融はんだの温度が低下すると、BiやPbの濃度が高い低融点の結晶相が偏析してしまう。このため、はんだ合金の機械的強度等が劣化し、信頼性が劣ることになる。特に、Bi濃度が高い結晶相は硬くて脆いため、はんだ合金中で偏析すると信頼性が著しく低下する。
このような観点から、はんだ合金がBiを含有する場合、Bi含有量の上限は、例えば10000質量ppm以下であり、好ましくは1000質量ppm以下であり、より好ましくは600質量ppm以下であり、さらに好ましくは500質量ppm以下である。はんだ合金がPbを含有する場合、Pb含有量の上限は、例えば5100質量ppm以下であり、好ましくは5000質量ppm以下であり、より好ましくは1000質量ppm以下であり、さらに好ましくは850質量ppm以下であり、特に好ましくは500質量ppm以下である。
はんだ合金は、下記の数(1)式を満たすことが好ましい。
275≦2As+Sb+Bi+Pb・・・(1)
上記の数(1)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
As、Sb、Bi及びPbは、いずれも増粘抑制効果を示す元素である。これらの合計が275質量ppm以上であることが好ましい。数(1)式中、As含有量を2倍にしたのは、AsがSbやBiやPbと比較して増粘抑制効果が高いためである。
数(1)式の下限は、好ましくは350以上であり、より好ましくは1200以上である。一方、(1)の上限は、増粘抑制効果の観点では特に限定されることはないが、ΔTを適した範囲にする観点から、好ましくは25200以下であり、より好ましくは10200以下であり、さらに好ましくは5300以下であり、特に好ましくは3800以下である。
上記好ましい態様の中から上限及び下限を適宜選択したものが、下記の数(1a)式及び数(1b)式である。
275≦2As+Sb+Bi+Pb≦25200・・・(1a)
275≦2As+Sb+Bi+Pb≦5300・・・(1b)
上記の数(1a)及び数(1b)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
はんだ合金は、下記の数(2)式を満たすことが好ましい。
0.01≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00・・・(2)
上記の数(2)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
As及びSbは含有量が多いとはんだ合金の濡れ性が劣化する。一方、Bi及びPbは、Asを含有することによる濡れ性の劣化を抑制するが、含有量が多すぎるとΔTが上昇してしまう。特に、Bi及びPbを同時に含有する合金組成では、ΔTが上昇しやすい。これらを鑑みると、Bi及びPbの含有量を増加させて過度に濡れ性を向上させようとするとΔTが広がってしまう。一方、AsやSbの含有量を増加させて増粘抑制効果を向上させようとすると濡れ性が劣化してしまう。そこで、As及びSbのグループ、Bi及びPbのグループに分け、両グループの合計量が適正な所定の範囲内である場合に、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び濡れ性のすべてが同時に満たされるのである。
数(2)式が0.01未満であると、Bi及びPbの含有量の合計がAs及びPbの含有量の合計と比較して相対的に多くなるため、ΔTが広がってしまう。数(2)式の下限は、好ましくは0.02以上であり、より好ましくは0.41以上であり、さらに好ましくは0.90以上であり、特に好ましくは1.00以上であり、最も好ましくは1.40以上である。一方、数(2)式が10.00を超えると、As及びSbの含有量の合計がBi及びPbの含有量の合計より相対的に多くなるため、濡れ性が劣化してしまう。(2)の上限は、好ましくは5.33以下であり、より好ましくは4.50以下であり、さらに好ましくは2.67以下であり、特に好ましくは2.30以下である。
なお、数(2)式の分母は「Bi+Pb」であり、これらを含有しないと数(2)式が成立しない。そのため、はんだ合金は、Bi及びPbの少なくとも1種を含有することが好ましい。Bi及びPbを含有しない合金組成は、前述のように、濡れ性が劣る。
上記好ましい態様の中から上限及び下限を適宜選択したものが、下記の数(2a)式である。
0.31≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00・・・(2a)
上記の数(2a)式中、As、Sb、Bi及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
Agは、結晶界面にAg3Snを形成してはんだ合金の信頼性を向上させることができる任意元素である。また、Agはイオン化傾向がSnに対して貴な元素であり、As、Pb、及びBiと共存することによりこれらの増粘抑制効果を助長する。Ag含有量は好ましくは0質量%以上4質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上3.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以上3.0質量%以下である。
Cuは、はんだ継手の接合強度を向上させることができる任意元素である。また、Cuはイオン化傾向がSnに対して貴な元素であり、As、Pb、及びBiと共存することによりこれらの増粘抑制効果を助長する。Cu含有量は好ましくは0質量%以上0.9質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.2質量%以上0.7質量%以下である。
はんだ合金の残部はSnであることが好ましい。はんだ合金は、前述の元素の他に不可避的不純物を含有してもよい。不可避的不純物を含有する場合であっても、前述の効果に影響することはない。Inは、含有量が多すぎるとΔTが広がるため、1000質量ppm以下であれば前述の効果に影響することはない。
<本実施の形態のフラックス及びソルダペーストの作用効果例>
アクリル樹脂は、はんだ付けで想定される温度域での耐熱性を有し、加熱後に硬化したフラックス残渣中に残存することで、フラックス残渣が軟残渣となる。これにより、アクリル樹脂を含むフラックス、及び、このフラックスを用いたソルダペーストでは、温度の変化があってもフラックス残渣が割れることが抑制され、温度サイクル信頼性が向上する。
また、ソルダペーストとしては、As、Sb、Bi及びPbを、上述した本発明で規定された範囲内で含有するはんだ合金を用いることが好ましい。さらに、As、Sb、Bi及びPbを、上述した本発明で規定された範囲内で含有するはんだ合金は、上述した数(1)式を満たすことが好ましく、数(1a)式及び数(1b)式を満たすことがより好ましい。また、As、Sb、Bi及びPbを、上述した本発明で規定された範囲内で含有するはんだ合金は、上述した数(2)式を満たすことが好ましく、数(2a)式を満たすことがより好ましい。このようなはんだ合金と、上述したアクリル樹脂を含むフラックスを用いたソルダペーストでは、ソルダペーストの増粘を抑制できる。
以下の表1、表2、表3及び表4に示す組成で実施例と比較例のフラックスを調合し、このフラックスを使用してソルダペーストを調合して、フラックスの温度サイクル信頼性について検証した。なお、表1、表2、表3及び表4における組成率は、フラックスの全量を100とした場合のwt(重量)%である。また、各表において、アクリル樹脂Aは、ポリ2−エチルヘキシルアクリレート(Mw=8300)、アクリル樹脂Bは、分子量が異なるポリ2−エチルヘキシルアクリレート(Mw=11700)、アクリル樹脂Cは、ポリラウリルメタクリレート(Mw=10080)、アクリル樹脂Dは、ポリ2−エチルヘキシルアクリレート−ポリエチレン(Mw=12300)である。
<温度サイクル信頼性の評価>
(1)検証方法
温度サイクル信頼性の評価は、実施例、比較例のフラックスをCu板上に塗布し、Cu板上に残渣を形成した。このCu板上に形成された残渣を、−30℃と+110℃でそれぞれ30分ずつ保持する処理を繰り返す試験を500サイクル行った際の残渣の割れの有無を目視で評価した。
(2)判定基準
〇:残渣に亀裂の発生が見られなかった
×:残渣に亀裂の発生が見られた
<総合評価>
〇:温度サイクル信頼性の評価が〇であった
×:温度サイクル信頼性の評価が×であった
Figure 0006721849
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実施例1〜実施例5は、有機酸、ロジン、アクリル樹脂、アミン、ハロゲン、酸化防止剤、チキソ剤及び溶剤を含み、それらの含有量を本発明で規定される範囲内で変えたものである。
実施例1では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂A(ポリ2−エチルヘキシルアクリレート(Mw=8300))を、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、アクリル樹脂B(ポリ2−エチルヘキシルアクリレート(Mw=11700))を、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、アクリル樹脂C(ポリラウリルメタクリレート(Mw=10080))を、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、アクリル樹脂D(ポリ2−エチルヘキシルアクリレート−ポリエチレン(Mw=12300))を、本発明で規定される範囲内で5.0wt%含む。アクリル樹脂の合計の含有量は20.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。
また、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%、アクリル酸変性水添ロジンを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%含む。ロジンの合計の含有量は20.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は40.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。
さらに、有機酸としてコハク酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、アジピン酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%含む。有機酸の合計の含有量は6.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。
また、アミンとして2−フェニル−4−メチルイミダゾールを、本発明で規定される範囲内で3.0wt%含む。さらに、アミンハロゲン化水素酸塩としてジフェニルグアニジン・HBrを、本発明で規定された範囲内で1.0wt%含み、有機ハロゲン化合物としてtrans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオールを、本発明で規定される範囲内で1.0wt%含み、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を、本発明で規定された範囲内で3.0wt%含む。
また、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で2.0wt%、ビスアマイドを、本発明で規定される範囲内で2.0wt%含む。アミド系チキソ剤の合計の含有量は4.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。
さらに、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で39.0wt%含む。
実施例1では、有機酸、ロジン、アクリル樹脂、アミン、ハロゲン、酸化防止剤、チキソ剤及び溶剤を、本発明で規定される範囲内の含有量で含み、アクリル樹脂については、分子量、組成が異なるアクリル樹脂を、本発明で規定される範囲内の含有量で複合添加することで、残渣に亀裂の発生が見られず、温度サイクル信頼性が上述した判定基準を満たし、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例2では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で20.0wt%含む。アクリル樹脂以外の組成は、実施例1と同じであり、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%、アクリル酸変性水添ロジンを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%含む。ロジンの合計の含有量は20.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は40.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。
さらに、有機酸としてコハク酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、アジピン酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%含む。有機酸の合計の含有量は6.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。
また、アミンとして2−フェニル−4−メチルイミダゾールを、本発明で規定される範囲内で3.0wt%含む。さらに、アミンハロゲン化水素酸塩としてジフェニルグアニジン・HBrを、本発明で規定された範囲内で1.0wt%含み、有機ハロゲン化合物としてtrans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオールを、本発明で規定される範囲内で1.0wt%含み、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を、本発明で規定された範囲内で3.0wt%含む。
また、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で2.0wt%、ビスアマイドを、本発明で規定される範囲内で2.0wt%含む。アミド系チキソ剤の合計の含有量は4.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。
さらに、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で39.0wt%含む。
実施例3では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Bを、本発明で規定される範囲内で20.0wt%含む。アクリル樹脂以外の組成は、実施例1、実施例2と同じである。実施例4では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Cを、本発明で規定される範囲内で20.0wt%含む。アクリル樹脂以外の組成は、実施例1〜実施例3と同じである。実施例5では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Dを、本発明で規定される範囲内で20.0wt%含む。アクリル樹脂以外の組成は、実施例1〜実施例4と同じである。
実施例2〜実施例5では、有機酸、ロジン、アクリル樹脂、アミン、ハロゲン、酸化防止剤、チキソ剤及び溶剤を、本発明で規定される範囲内の含有量で含み、アクリル樹脂については、分子量、組成が異なるアクリル樹脂を、本発明で規定される範囲内の含有量で単独添加することでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例6〜実施例10は、チキソ剤の種類、含有量を変えたもので、実施例6では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例7では、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてビスアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含む。チキソ剤以外の組成は、実施例6と同じであり、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例8では、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてモノアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含む。チキソ剤以外の組成は、実施例6及び実施例7と同じである。
実施例9では、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で2.0wt%、ビスアマイドを、本発明で規定される範囲内で2.0wt%、モノアマイドを、本発明で規定される範囲内で2.0wt%含む。アミド系チキソ剤の合計の含有量は6.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。チキソ剤以外の組成は、実施例6〜実施例8と同じである。
実施例10では、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で1.0wt%、ビスアマイドを、本発明で規定される範囲内で1.0wt%、モノアマイドを、本発明で規定される範囲内で1.0wt%含む。アミド系チキソ剤の合計の含有量は3.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。また、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%含む。チキソ剤以外の組成は、実施例6〜実施例9と同じである。
実施例11は、実施例10に対して溶剤の種類の変えたもので、溶剤としてヘキシルジグリコールを、本発明で規定される範囲内で41.0wt%含む。溶剤以外の組成は、実施例10と同じである。
実施例6〜実施例10では、組成が異なるチキソ剤を、本発明で規定される範囲内の含有量で単独または複合添加することでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。実施例11では、組成が異なる溶剤を、本発明で規定される範囲内の含有量で単独添加することでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例12〜実施例14は、アクリル樹脂の含有量を変えたもので、実施例12では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で増やして50.0wt%含み、ロジンを含まない。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は、ロジンを含まないため0.00で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、アジピン酸を10.0wt%含む。有機酸の合計の含有量は本発明で規定される範囲内である。さらに、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で31.0wt%含む。
実施例12では、アクリル樹脂の含有量を本発明で規定される範囲内で増やすことで、ロジンを含まなくても、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例13では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で増やして45.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で減らして5.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は0.11で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、アジピン酸を10.0wt%含む。有機酸の合計の含有量は本発明で規定される範囲内である。さらに、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で31.0wt%含む。
実施例13では、アクリル樹脂の含有量を本発明で規定される範囲内で増やすことで、ロジンの含有量を本発明で規定される範囲内で減らしても、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例14では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で減らして5.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で増やして45.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は9.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、水添ダイマー酸を10.0wt%含む。有機酸の合計の含有量は本発明で規定される範囲内である。さらに、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で31.0wt%含む。
実施例14では、アクリル樹脂の含有量を本発明で規定される範囲内で減らしても、ロジンを本発明で規定される範囲内で増やすことでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例15〜実施例17は、アクリル樹脂の種類を変えたもので、実施例15では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Bを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例16では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Cを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例17では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Dを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例15〜実施例17では、分子量、組成が異なるアクリル樹脂を、本発明で規定される範囲内の含有量で単独添加することでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例18は、アクリル樹脂を複合添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%、アクリル樹脂Bを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、アクリル樹脂Cを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、アクリル樹脂Dを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%含む。アクリル樹脂の合計の含有量は25.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。また、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例18では、分子量、組成が異なるアクリル樹脂を、本発明で規定される範囲内の含有量で複合添加することでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例19〜実施例21は、アクリル樹脂の種類を変えて、さらに他の樹脂を含有したもので、実施例19では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Bを、本発明で規定される範囲内で15.0wt%含む。また、他の樹脂としてポリエチレン樹脂を、本発明で規定される範囲内で10.0wt%含む、アクリル樹脂と他の樹脂の合計の含有量は本発明で規定される範囲内である。さらに、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は40.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。なお、アクリル樹脂と他の樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.67で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例20では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Cを、本発明で規定される範囲内で15.0wt%含む。また、他の樹脂としてポリエチレン樹脂を、本発明で規定される範囲内で10.0wt%含む、アクリル樹脂と他の樹脂の合計の含有量は本発明で規定される範囲内である。さらに、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は40.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。なお、アクリル樹脂と他の樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.67で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例21では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Dを、本発明で規定される範囲内で15.0wt%含む。また、他の樹脂としてポリエチレン樹脂を、本発明で規定される範囲内で10.0wt%含む、アクリル樹脂と他の樹脂の合計の含有量は本発明で規定される範囲内である。さらに、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は40.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。なお、アクリル樹脂と他の樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.67で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例19〜実施例21では、分子量、組成が異なるアクリル樹脂を、本発明で規定される範囲内の含有量で単独添加し、他の樹脂としてポリエチレン樹脂を、本発明で規定される範囲内ですることでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例22は、アクリル樹脂を複合添加し、さらに他の樹脂を含有したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、アクリル樹脂Bを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、アクリル樹脂Cを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、アクリル樹脂Dを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%含む。アクリル樹脂の合計の含有量は20wt%で、本発明で規定される範囲内である。また、他の樹脂としてポリエチレン樹脂を、本発明で規定される範囲内で5.0wt%含む、アクリル樹脂と他の樹脂の合計の含有量は本発明で規定される範囲内である。さらに、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は45.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。なお、アクリル樹脂と他の樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.25で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例22では、分子量、組成が異なるアクリル樹脂を、本発明で規定される範囲内の含有量で複合添加し、他の樹脂としてポリエチレン樹脂を、本発明で規定される範囲内ですることでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例23、実施例24は、チキソ剤であるアミド系チキソ剤の含有量を増やしたもので、実施例23では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で8.5wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で38.5wt%含む。
実施例24では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で37.0wt%含む。
実施例23〜実施例24では、アミド系チキソ剤の含有量を、本発明で規定される範囲内で増やすことでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例25〜実施例27は、有機酸の種類を変えたもので、実施例25では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてコハク酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例26では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてアジピン酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例27では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸として水添ダイマー酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例28は、有機酸を複合添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてコハク酸を、本発明で規定される範囲内で1.0wt%、グルタル酸を、本発明で規定される範囲内で1.0wt%、水添ダイマー酸を、本発明で規定される範囲内で1.0wt%含む。2種以上の有機酸の合計量も、本発明で規定される範囲内である。さらに、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例29は、有機酸の含有量を変えたもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で2.0wt%、水添ダイマー酸を、本発明で規定される範囲内で8.0wt%含む。2種以上の有機酸の合計量も、本発明で規定される範囲内である。さらに、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で34.0wt%含む。
実施例25〜実施例29では、本発明で規定される範囲内の含有量で有機酸の種類を変える、複数種類の有機酸を組み合わせる、有機酸の含有量を変えることでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例30は、ロジンを複合添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。また、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%、アクリル酸変性水添ロジンを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、水添ロジンを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、不均化ロジンを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%含む。ロジンの合計の含有量は、本発明で規定される範囲内であり、アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例30では、本発明で規定される範囲内の含有量で複数種類のロジンを組み合わせることでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例31は、アミンを添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、アミンとして2−フェニルイミダゾールを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で36.0wt%含む。
実施例32は、アミンの種類を変えたもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、アミンとして2−フェニル−4−メチルイミダゾールを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で36.0wt%含む。
実施例31〜実施例32では、本発明で規定される範囲内でアミンを含むことでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例33は、ハロゲンを添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、アミンハロゲン化水素酸塩としてジフェニルグアニジン・HBrを、本発明で規定された範囲内で2.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で39.0wt%含む。
実施例34は、ハロゲンの種類を変えたもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、有機ハロゲン化合物としてtrans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオールを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で36.0wt%含む。
実施例33〜実施例34では、本発明で規定される範囲内の含有量でハロゲンを含むことでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例35は、酸化防止剤を添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を、本発明で規定された範囲内で5.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で36.0wt%含む。
実施例35では、本発明で規定された範囲内の含有量で酸化防止剤を含むことでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例36は、アミン、ハロゲン、酸化防止剤を添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてコハク酸を、本発明で規定される範囲内で0.2wt%、アミンとして2−フェニルイミダゾールを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、アミンハロゲン化水素酸塩としてジフェニルグアニジン・HBrを、本発明で規定される範囲内で1.0wt%、有機ハロゲン化合物としてtrans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオールを、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を、本発明で規定された範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で31.8wt%含む。
実施例36では、本発明で規定される範囲内の含有量でアミン、ハロゲン、酸化防止剤を含むことでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例37、実施例38は、アクリル樹脂及びロジンの含有量を変えたもので、実施例37は、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は35.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は2.5で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で56.0wt%含む。
実施例38は、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で30.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で30.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は60.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で31.0wt%含む。
実施例37、実施例38では、本発明で規定される範囲内でアクリル樹脂及びロジンの含有量を変えることでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例39〜実施例56は、さらにチキソ剤としてエステル化合物を含むもので、実施例39では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてコハク酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例40では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてアジピン酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例41では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸として水添ダイマー酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例42は、有機酸を複合添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてコハク酸を、本発明で規定される範囲内で1.0wt%、グルタル酸を、本発明で規定される範囲内で1.0wt%、水添ダイマー酸を、本発明で規定される範囲内で1.0wt%含む。2種以上の有機酸の合計量も、本発明で規定される範囲内である。さらに、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例43は、有機酸の添加量を変えたもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で2.0wt%、水添ダイマー酸を、本発明で規定される範囲内で8.0wt%含む。2種以上の有機酸の合計量も、本発明で規定される範囲内である。さらに、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で34.0wt%含む。
実施例39〜実施例43では、有機酸を、本発明で想定される範囲内の含有量で含み、チキソ剤としてさらにエステル化合物を、本発明で規定される範囲内の含有量で含むことでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例44は、アミンを添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、アミンとして2−フェニルイミダゾールを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で36.0wt%含む。
実施例45は、アミンの種類を変えたもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、アミンとして2−フェニル−4−メチルイミダゾールを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で36.0wt%含む。
実施例44、実施例45では、本発明で規定される範囲内の含有量でアミンを含み、チキソ剤としてさらにエステル化合物を、本発明で規定される範囲内の含有量で含むことでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例46は、ハロゲンを添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、アミンハロゲン化水素酸塩としてジフェニルグアニジン・HBrを、本発明で規定された範囲内で2.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で39.0wt%含む。
実施例47は、ハロゲンの種類を変えたもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、有機ハロゲン化合物としてtrans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオールを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で36.0wt%含む。
実施例46、実施例47では、本発明で規定される範囲内の含有量でハロゲンを含み、チキソ剤としてさらにエステル化合物を、本発明で規定される範囲内の含有量で含むことでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例48は、酸化防止剤を添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を、本発明で規定された範囲内で5.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で36.0wt%含む。
実施例48では、本発明で規定される範囲内の含有量で酸化防止剤を含み、チキソ剤としてさらにエステル化合物を、本発明で規定される範囲内の含有量で含むことでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例49は、アミン、ハロゲン、酸化防止剤を添加したもので、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてコハク酸を、本発明で規定される範囲内で0.2wt%、アミンとして2−フェニルイミダゾールを、本発明で規定される範囲内で5.0wt%、アミンハロゲン化水素酸塩としてジフェニルグアニジン・HBrを、本発明で規定された範囲内で1.0wt%、有機ハロゲン化合物としてtrans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオールを、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を、本発明で規定された範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で31.8wt%含む。
実施例49では、本発明で規定される範囲内の含有量でアミン、ハロゲン、酸化防止剤を含み、チキソ剤としてさらにエステル化合物を、本発明で規定される範囲内の含有量で含むことでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例50、実施例51は、アクリル樹脂及びロジンの含有量を変えたもので、実施例50は、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は35.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は2.5で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で56.0wt%含む。
実施例51は、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で30.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で30.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は60.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で4.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で2.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で31.0wt%含む。
実施例50、実施例51では、チキソ剤としてさらにエステル化合物を、本発明で規定される範囲内の含有量で含み、アクリル樹脂及びロジンの含有量を、本発明で規定される範囲内で変えることでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
実施例52では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で0.5wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で40.5wt%含む。
実施例53では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で1.5wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で4.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.5wt%含む。
実施例54では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で2.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で4.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
実施例55では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で2.6wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で4.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で40.4wt%含む。
実施例56では、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で2.8wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定された範囲内で3.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.2wt%含む。
実施例57は、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で8.3wt%含み、チキソ剤であるエステル化合物を含まず、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で38.7wt%含む。
実施例58は、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で0.2wt%含み、チキソ剤であるエステル化合物を含まず、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で46.8wt%含む。
実施例59は、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で0.6wt%含み、チキソ剤であるエステル化合物を含まず、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で46.4wt%含む。
実施例60は、アクリル樹脂としてアクリル樹脂Aを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含み、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で25.0wt%含む。アクリル樹脂とロジンの合計の含有量は50.0wt%で、本発明で規定される範囲内である。ロジンの合計の含有量と、アクリル樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は1.0で、本発明で規定される範囲内である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるエステル化合物としてヒマシ硬化油を、本発明で規定される範囲内で5.0wt%含み、アミド系チキソ剤を含まず、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で42.0wt%含む。
実施例52〜実施例60では、アミド系チキソ剤とエステル化合物の含有量を、本発明で規定される範囲内で変えることでも、温度サイクル信頼性に対して十分な効果が得られた。
これに対し、比較例1は、アクリル樹脂を含まず、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲外で50.0wt%含む。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
比較例2は、アクリル樹脂を含まず、ロジンとして重合ロジンを、本発明で規定される範囲内で20.0wt%、アクリル酸変性水添ロジンを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%、水添ロジンを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%、不均化ロジンを、本発明で規定される範囲内で10.0wt%含む。ロジンの合計の含有量は、本発明で規定される範囲外である。また、有機酸としてグルタル酸を、本発明で規定される範囲内で3.0wt%、チキソ剤であるアミド系チキソ剤としてポリアマイドを、本発明で規定される範囲内で6.0wt%含み、残部を溶剤としてテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、本発明で規定された範囲内で41.0wt%含む。
アクリル樹脂を含まない比較例1、比較例2では、温度サイクル信頼性に対して効果が得られなかった。
<ソルダペーストの増粘抑制効果の評価>
上述した実施例1のフラックスと、以下の表5〜表10に示す組成のはんだ合金を使用して調合したソルダペーストの増粘抑制効果についても検証した。表1に示す実施例1のフラックスと、表5〜表10に示す合金組成からなりJIS Z 3284−1:2014における粉末サイズの分類において記号4を満たすサイズ(粒度分布)のはんだ粉末とを混合してソルダペーストを作製した。フラックスとはんだ粉末との質量比は、フラックス:はんだ粉末=11:89である。
(1)検証方法
得られたソルダペーストについて、JIS Z 3284−3:2014の「4.2 粘度特性試験」に記載された方法に従って、回転粘度計(PCU−205、株式会社マルコム製)を用い、回転数:10rpm、測定温度:25℃にて、粘度を12時間測定し続けた。そして、初期粘度(撹拌30分後の粘度)と12時間後の粘度とを比較し、以下の基準に基づいて増粘抑制効果の評価を行った。
(2)判定基準
〇:13時間後の粘度≦初期粘度×1.2:経時での粘度上昇が小さく良好
×:13時間後の粘度>初期粘度×1.2:経時での粘度上昇が大きく不良
Figure 0006721849
Figure 0006721849
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Figure 0006721849
Figure 0006721849
表1に示す実施例1のフラックスと、上記の数(1)式及び数(2)式を満たす表5〜表10に示す実施例1A〜108Aのはんだ合金を使用したソルダペーストでは、フラックス残渣の温度サイクル信頼性に加えて、いずれの合金組成においても本発明の要件をすべて満たすため、ソルダペーストの増粘抑制効果に対して十分な効果が得られた。なお、フラックスと混合する前の実施例1A〜108Aのはんだ粉末について、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、型番:EXSTAR DSC7020を用い、サンプル量:約30mg、昇温速度:15℃/minにてDSC測定を行い、固相線温度及び液相線温度を得て、得られた液相線温度から固相線温度を引いてΔTを求めたところ、いずれの実施例もΔTが10℃以下であり、ΔTが適した範囲であった。
これに対して、表1に示す実施例1のフラックスと、表5〜表10に示す比較例1A、3A、5A、7A、9A及び11Aのはんだ合金を使用したソルダペーストでは、はんだ合金がAsを含有しないため、増粘抑制効果が発揮されなかった。
表1に示す実施例1のフラックスと、表5〜表10に示す比較例2A、4A、6A、8A、10A及び12Aのはんだ合金を使用したソルダペーストでは、(1)式が下限未満であるため、増粘抑制効果が発揮されなかった。
次に、表1〜表4に示す実施例の中で、有機酸、ロジン、アクリル樹脂、アミン、ハロゲン、酸化防止剤、チキソ剤及び溶剤を含み、実施例1に対してそれらの含有量を本発明で規定される範囲内で変えた実施例2〜実施例5と、以下の表11に示す組成のはんだ合金を使用して調合したソルダペーストの増粘抑制効果についても検証した。
表11において、上述した表5〜表10における実施例1Aを実施例A1、実施例2Aを実施例A2、実施例15Aを実施例A3、実施例18Aを実施例A4とし、比較例1Aを比較例A1、比較例2Aを比較例A2とした。また、実施例19Aを実施例B1.実施例20Aを実施例B2,実施例33Aを実施例B3、実施例36Aを実施例B4とし、比較例3Aを比較例B1、比較例4Aを比較例B2とした。更に、実施例73Aを実施例C1.実施例74Aを実施例C2,実施例86Aを実施例C3、実施例87Aを実施例C4、実施例90を実施例C5とし、比較例9Aを比較例C1、比較例10Aを比較例C2とした。
Figure 0006721849
表1に示す実施例1のフラックスのみならず、表1に示す実施例2〜実施例5のフラックス、さらには、表1〜表4に示す各実施例のフラックスと、上記の数(1)式及び数(2)式を満たす表11に示す各実施例のはんだ合金を使用したソルダペーストでは、フラックス残渣の温度サイクル信頼性に加えて、ソルダペーストの増粘抑制効果に対して十分な効果が得られた。
これに対して、表1〜表4に示す各実施例のフラックスと、表11に示す比較例A1、B1、C1のはんだ合金を使用したソルダペーストでは、はんだ合金がAsを含有しないため、増粘抑制効果が発揮されなかった。
表1〜表4に示す各実施例のフラックスと、表11に示す比較例A2、B2、C2のはんだ合金を使用したソルダペーストでは、(1)式が下限未満であるため、増粘抑制効果が発揮されなかった。
以上のことから、アクリル樹脂を5.0wt%以上50.0wt%以下、有機酸を0.2wt%以上13.0wt%以下、有機酸を0.2wt%以上13.0wt%以下、チキソ剤を0wt%以上10.0wt%以下含み、チキソ剤としてアミド系チキソ剤を0wt%以上10.0wt%以下、エステル化合物を0wt%以上8.0wt%以下含み、アミド系チキソ剤とエステル化合物の合計の含有量が10.0wt%以下であり、残部が溶剤である本発明に係るフラックスは、熱負荷の大きい条件下でも良好な温度サイクル信頼性が得られた。
また、本発明に係るフラックスは、ロジンを0wt%以上45.0wt%以下含み、ロジンの含有量が0wt%超である場合、1種のロジンまたは2種以上のロジンと、1種のアクリル樹脂または2種以上のアクリル樹脂の合計の含有量が35.0wt%以上60.0wt%以下であり、1種のロジンまたは2種以上のロジンの合計の含有量と、1種のアクリル樹脂または2種以上のアクリル樹脂の合計の含有量との比率が0.1以上9.0以下であることでも、アクリル樹脂を含むことによる温度サイクル信頼性の向上性が阻害されず、これらに対して十分な効果が得られた。
これらの効果は、他の樹脂、アミン、ハロゲン(アミンハロゲン化水素酸塩、有機ハロゲン化合物)、酸化防止剤を本発明で規定される範囲内で含むことでも阻害されなかった。
さらに、このフラックスと、As:25質量ppm以上300質量ppm以下、並びにSb:0質量ppm超3000質量ppm以下、Bi:0質量ppm超10000質量ppm以下、及びPb:0質量ppm超5100質量ppm以下の少なくとも1種、及びAg:0質量%以上4質量%以下、Cu:0質量%以上0.9質量%以下並びに残部がSnからなり、かつ、上記の数(1)式及び数(2)式を満たすはんだ合金を用いたソルダペーストでは、アクリル樹脂を含むことによる温度サイクル信頼性の向上性が阻害されず、増粘抑制効果に対して十分な効果が得られた。

Claims (9)

  1. フラックスと、金属粉からなるソルダペーストにおいて、
    前記フラックスは、アクリル樹脂と、有機酸と、溶剤を含み、
    アクリル樹脂を5.0wt%以上50.0wt%以下含み、
    金属粉は、
    As:25〜300質量ppm、並びにSb:0質量ppm超3000質量ppm以下、Bi:0質量ppm超10000質量ppm以下、及びPb:0質量ppm超5100質量ppm以下の少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記数(1b)式及び数(2)式を満たすソルダペースト。
    275≦2As+Sb+Bi+Pb≦5300・・・(1b)
    0.01≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00・・・(2)
    上記数(1b)式及び数(2)式中、As、Sb、Bi、およびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
  2. 前記フラックスは、前記有機酸を0.2wt%以上13.0wt%以下、チキソ剤を0wt%以上10.0wt%以下含む
    請求項1に記載のソルダペースト。
  3. 前記チキソ剤としてアミド系チキソ剤を0wt%以上10.0wt%以下、エステル化合物を0wt%以上8.0wt%以下含み、アミド系チキソ剤とエステル化合物の合計が10.0wt%以下である
    請求項2に記載のソルダペースト。
  4. 更に、前記合金組成は下記数(2a)式を満たす、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のソルダペースト。
    0.31≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00・・・(2a)
    上記数(2a)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
  5. 更に、前記合金組成は、Ag:0〜4質量%及びCu:0〜0.9質量%の少なくとも1種を含有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のソルダペースト。
  6. 前記フラックスは、さらにロジンを0wt%以上45.0wt%以下含む
    請求項1〜5の何れか1項に記載のソルダペースト。
  7. 前記ロジンの含有量が0wt%超である場合、1種の前記ロジンまたは2種以上の前記ロジンと、1種の前記アクリル樹脂または2種以上の前記アクリル樹脂の合計の含有量が35.0wt%以上60.0wt%以下であり、1種の前記ロジンまたは2種以上の前記ロジンの合計の含有量と、1種の前記アクリル樹脂または2種以上の前記アクリル樹脂の合計の含有量との比率が0.1以上9.0以下である
    請求項6に記載のソルダペースト。
  8. さらに、前記アクリル樹脂と前記ロジン以外の他の樹脂を0wt%以上10.0wt%以下、
    アミンを0wt%以上20.0wt%以下、
    アミンハロゲン化水素酸塩を0wt%以上2.0wt%以下、
    有機ハロゲン化合物を0wt%以上5.0wt%以下、
    酸化防止剤を0wt%以上5.0wt%以下含む
    請求項6または請求項7に記載のソルダペースト。
  9. 前記アクリル樹脂とロジン以外の他の樹脂を0wt%以上10.0wt%以下、
    アミンを0wt%以上20.0wt%以下、
    アミンハロゲン化水素酸塩を0wt%以上2.0wt%以下、
    有機ハロゲン化合物を0wt%以上5.0wt%以下、
    酸化防止剤を0wt%以上5.0wt%以下含む
    請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のソルダペースト。
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