JP6730832B2 - フラックス組成物、はんだ組成物および電子回路基板 - Google Patents

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Description

本発明は、フラックス組成物、はんだ組成物および電子回路基板に関する。
従来、電子部品を基板に実装する際に使用されるソルダペースト等のはんだ組成物には、はんだ合金粉末や基板上の金属酸化物の除去、並びにはんだ合金の表面張力の低下による濡れ性の向上を目的としてフラックス組成物が配合される。
当該フラックス組成物は、基板上への電子部品の実装時にはんだ接合部やその近傍、例えば基板上や電子部品の端子・リードフレーム等に付着し、フラックス残渣として実装後も基板上に残存する。残存したフラックス残渣は基板の腐食、マイグレーション等の原因となるため、洗浄してこれを取り除く方法が多く用いられてきた。
しかしフラックス残渣の洗浄除去にはフロンや有機溶剤を多量に使用するため、環境面において多くの問題を抱えている。
この問題を解決する方法として、従来のロジン樹脂等に変えてエポキシ樹脂を用いたフラックス組成物が提案されている(特許文献1参照)。エポキシ樹脂を用いたフラックス組成物は、フラックス残渣として電子基板上に残存しても基板の腐食やマイグレーション等を引き起こし難く、またはんだ接合部を補強し、絶縁性にも優れるというメリットがある。
しかしながら、エポキシ樹脂はフラックス組成物に用いる活性剤の種類によってはこれと反応し易いという特性を有する。そのため、これらを混合した段階から両者の反応が始まり、フラックス組成物のシェルフライフの悪化、またはそのTgの低下を引き起こす虞がある。またシェルフライフが悪化したりTgが低下したフラックス組成物ははんだ付け時にはんだ接合不良を起こしたり、形成されるフラックス残渣の信頼性を阻害する虞がある。
特開2015−47615号公報
本発明は、使用する活性剤を選ぶことなく良好なシェルフライフを得ることができ、更に良好な粘度とはんだ溶融性を得ることのできるフラックス組成物、はんだ組成物および電子回路基板を提供することをその目的とする。
(1)本発明のフラックス組成物は、(A)熱硬化性樹脂と、(B)活性剤とを含み、前記熱硬化性樹脂(A)はマレイミド骨格を有するマレイミド化合物(A−1)を含むことをその特徴とする。
(2)上記(1)に記載の構成にあって、前記マレイミド化合物(A−1)は、末端または側鎖に複数のマレイミド基を有することをその特徴とする。
(3)上記(1)または(2)に記載の構成にあって、前記マレイミド化合物(A−1)としては、下記一般式(1)および(2)で表されるマレイミド化合物の少なくとも一方を含むことをその特徴とする。
(式中、Yは炭素数36または54の重合脂肪酸から誘導されるダイマージアミン残基または脂肪族ジアミン残基を表し、Zは四塩基酸ニ無水物と1級アミンの反応からなるイミド化合物残基を表し、Pは0から10の整数を表す。)
(式中、RからRは水酸基、メチル基またはエチル基のいずれかを表すが置換基がない場合も含み、Xは介在する有機基がない、若しくはC、H、Oからなる任意の有機基を表す。)
(4)上記(1)から(3)のいずれか1に記載の構成にあって、本発明のフラックス組成物は更に(C)硬化剤を含むことをその特徴とする。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1に記載の構成にあって、前記硬化剤(C)は、イミダゾール化合物、イミダゾール塩類、過酸化物類、メラミンおよびアミン類から選ばれる少なくとも1種であることをその特徴とする。
(6)本発明のはんだ組成物は、上記(1)から(5)のいずれか1に記載のフラックス組成物と、はんだ合金粉末とを含むことをその特徴とする。
(7)上記(6)の構成にあって、本発明のはんだ組成物は、前記はんだ合金粉末の溶融時における粘度が10Pa・s以下であり、且つ300℃におけるその粘度が100Pa・s以上であることをその特徴とする。
(8)本発明の電子回路基板は、上記(6)または(7)に記載のはんだ組成物を用いて形成されるはんだ接合体を有することをその特徴とする。
本発明のフラックス組成物およびはんだ組成物は使用する活性剤を選ぶことなく良好なシェルフライフを得ることができ、更に良好な粘度とはんだ溶融性を得ることができることから、信頼性の高い電子回路基板を提供することができる。
本実施形態に係る電子回路基板の断面を示した概略図。 実施例および比較例のはんだ組成物に係るはんだ溶融性試験における加熱プロファイル条件を示したグラフ。 実施例1および比較例2のフラックス組成物に係るレオメーター試験において測定した粘度を示したグラフ。
本発明のフラックス組成物、はんだ組成物および電子回路基板の一実施形態を以下に詳述する。
1.フラックス組成物
本実施形態に係るフラックス組成物は、(A)熱硬化性樹脂と、(B)活性剤とを含む。
(A)熱硬化性樹脂
本実施形態のフラックス組成物に使用する熱硬化性樹脂(A)としては、(A−1)マレイミド骨格を有するマレイミド化合物が好ましく用いられる。当該マレイミド化合物(A−1)としては、末端または側鎖に複数のマレイミド基を有する化合物が好ましく用いられる。このようなマレイミド化合物(A−1)は耐熱性、絶縁性、耐湿性および低誘電特性に優れ、また活性剤(B)と反応し難いことから、本実施形態のフラックス組成物ははんだ付け時のはんだ接合不良が起こり難く、またこれを用いて形成されるフラックス残渣は基板の腐食等を引き起こし難く、且つ良好な耐熱性、絶縁性および耐湿性を実現できる。
前記マレイミド化合物(A−1)としては例えば多官能脂肪族マレイミド化合物や多官能芳香族マレイミド化合物が好ましく用いられる。また当該多官能脂肪族化合物としては、下記一般式(1)で表されるマレイミド化合物(A−1)が好ましく用いられる。
(式中、Yは炭素数36または54の重合脂肪酸から誘導されるダイマージアミン残基または脂肪族ジアミン残基を表し、Zは四塩基酸ニ無水物と1級アミンの反応からなるイミド化合物残基を表し、Pは0から10の整数を表す。)
前記一般式(1)で表されるマレイミド化合物(A−1)は、例えば炭素数36または54のダイマー酸から誘導されたジアミンとマレイン酸無水物とを反応させてビスマレアミド酸を得、これを脱水閉環することにより得られる。
前記一般式(1)で表されるマレイミド化合物(A−1)としては、例えば2−[8−(3−ヘキシル−2,6−ジオクチルシクロヘキシル)オクチル] ピロメリティックジイミドオリゴマーが挙げられる。市販品としては例えばBMI−689、BMI−1500、BMI−1700、BMI−3000、 BMI−5000(いずれもDesigner Molecules Inc.製)が好ましく用いられる。
また前記多官能芳香族マレイミド化合物としては、下記一般式(2)で表されるマレイミド化合物(A−1)が好ましく用いられる。
(式中、RからRは水酸基、メチル基またはエチル基のいずれかを表すが置換基がない場合も含み、Xは介在する有機基がない、若しくはC、H、Oからなる任意の有機基を表す。)
前記一般式(2)で表されるマレイミド化合物(A−1)は、例えば芳香族ジアミンと無水マレイン酸の脱水イミド化により得られる。
前記一般式(2)で表されるマレイミド化合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4、4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド等が挙げられる。なお市販品としては例えばBMI、BMI−70、BMI−80(いずれもケイ・アイ化成(株)製)が挙げられる。
なお前記マレイミド化合物(A−1)としては、特にビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミドが好ましく用いられる。
また前記マレイミド化合物(A−1)は1種を単独でまたは複数種を組合せて使用することができるが、前記多官能芳香族マレイミド化合物を用いる場合、多官能脂肪族マレイミド化合物と併用することがより好ましい。
前記マレイミド化合物(A−1)の配合量は、前記熱硬化性樹脂(A)全量に対して10重量%から100重量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は20重量%から90重量%であり、特に好ましくは30重量%から80重量%である。
なお前記多官能芳香族マレイミド化合物と多官能脂肪族マレイミド化合物とを併用する場合、その配合比率は5:95から95:5(多官能芳香族マレイミド化合物:多官能脂肪族マレイミド化合物)である。
また前記熱硬化性樹脂(A)としては、本実施形態のフラックス組成物の効果を阻害しない範囲において、前記マレイミド化合物(A−1)以外に例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂等の他の熱硬化性樹脂を用いることもできる。
なお、前記熱硬化性樹脂(A)の配合量は、本実施形態に係るフラックス組成物の固形分全量に対して5重量%から95重量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は20重量%から90重量%であり、特に好ましくは30重量%から80重量%である。
(B)活性剤
前記活性剤(B)としては、例えば有機アミンのハロゲン化水素塩等のアミン塩(無機酸塩や有機酸塩)、有機酸、有機酸塩、有機アミン塩を配合することができる。更に具体的には、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩、酸塩、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。これらの中でも特にアジピン酸が好ましく用いられる。またこれらは1種を単独で、または複数種を組合せて使用することができる。
本実施形態のフラックス組成物は、主たる前記熱硬化性樹脂(A)として前記マレイミド化合物(A−1)を含むことにより、当該熱硬化性樹脂(A)と活性剤(B)との反応を抑制することで良好なシェルフライフを実現できると共に、当該反応の抑制により、前記活性剤(B)の活性力を高い状態で保つことができる。そのため、前記活性剤(B)の種類を選ぶことなく良好なはんだ溶融性および粘度を保つことができる。
また良好なフラックス組成物の粘度を実現できることから、無溶剤であってもフラックス組成物として使用することが可能となる。
前記活性剤(B)の配合量は、フラックス組成物の固形分全量に対して3重量%から50重量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は5重量%から30重量%であり、特に好ましくは8重量%から20重量%である。
(C)硬化剤
本実施形態のフラックス組成物には、更に(C)硬化剤を配合することができる。当該硬化剤(C)を併用することにより、形成されるフラックス残渣の硬度および弾性率を高めることができる。
前記硬化剤(C)としては、例えばイミダゾール化合物、イミダゾール化合物、過酸化物類、メラミンおよびアミン類が挙げられる。これらの中でも特にイミダゾール化合物が好ましく用いられる。またこれらは1種を単独で、または複数種を組合せて使用することができる。
前記イミダゾール化合物としては、例えばイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
前記イミダゾール塩類としては、例えばイミダゾール化合物の塩酸塩、イソシアヌール酸付加物および多価カルボン酸付加物等が挙げられる。
前記過酸化物類としては、例えばケトンパーオキサイド類、ジアシルキルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類等の有機過酸化物が挙げられる。
前記メラミンとしては、メラミン、メラミン誘導体等が挙げられる。
前記アミン類としては、例えばジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等が挙げられる。
前記硬化剤(C)としては、前記熱硬化性樹脂(A)の熱硬化を促進するものであれば上記以外のものであってもいずれも使用することができる。
前記硬化剤(C)の配合量は、フラックス組成物の固形分全量に対して0.5重量%から50重量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は1重量%から30重量%であり、特に好ましくは3重量%から10重量%である。
なお、本実施形態のフラックス組成物は、その構成により、前記硬化剤(C)を上記範囲内で配合した場合であっても組成物中の成分の反応およびその進行を抑制し得るため、良好な粘度を保つことができる。
(D)チクソ剤
本実施形態のフラックス組成物には、更に(D)チクソ剤を配合することができる。当該チクソ剤(D)としては、例えばヒマシ油、水素添加ヒマシ油、脂肪酸アマイド類、オキシ脂肪酸類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれらは1種を単独で、または複数種を組合せて使用することができる。
前記チクソ剤(D)の配合量は、フラックス組成物の固形分全量に対して0.1重量%から10重量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は0.5重量%から5重量%であり、特に好ましくは1重量%から3重量%である。
(E)酸化防止剤
本実施形態のフラックス組成物には、更に(E)酸化防止剤を配合することができる。当該酸化防止剤(E)としては、例えばヒンダードフェノール化合物(セミヒンダード系化合物を含む)、フェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリマー型酸化防止剤、トリアゾール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄化合物(ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリルスルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルへキシル)チウラムジスルフィド、N,N’−ジフェニルチオ尿素、ジチオカルバミン酸亜鉛塩、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、ブチルキサントゲン酸亜鉛等)等が挙げられる。これらは1種を単独で、または複数種を組合せて使用することができる。
前記酸化防止剤(E)の配合量は、フラックス組成物の固形分全量に対して0.01重量%から10重量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は0.1重量%から8重量%であり、特に好ましくは1重量%から5重量%である。
(F)溶剤
本実施形態のフラックス組成物には、更に(F)溶剤を配合することができる。当該溶剤(F)としては、例えばイソプロピルアルコール、エタノール、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、グリコールエーテル等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。またこれらは1種を単独で、または複数種を組合せて使用することができる。
前記溶剤(F)の配合量は、フラックス組成物全量に対して0重量%から90重量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は10重量%から80重量%であり、特に好ましくは20重量%から50重量%である。
また本実施形態のフラックス組成物には、その他の樹脂、並びにハロゲン、つや消し剤および消泡剤等の添加剤を加えてもよい。
これらの配合量は、フラックス組成物の固形分全量に対して0.1重量%から10重量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は0.5重量%から5重量%であり、特に好ましくは1重量%から3重量%である。
2.はんだ組成物
本実施形態のはんだ組成物は、上記フラックス組成物を用いてはんだ付けをするものであり、例えばヤニ入り糸状はんだやフラックス組成物とはんだ合金からなる合金粉末とを混合することにより得られるソルダペースト組成物等が挙げられる。なお本実施形態のはんだ組成物は上記フラックス組成物とはんだ合金とを混合している必要はなく、例えばはんだ合金からなるソルダボールを用いたものであってもよい。
本実施形態のはんだ組成物に用いられるはんだ合金としては、例えば錫および鉛を含む合金、錫および鉛並びに銀、ビスマスおよびインジウムの少なくとも1種を含む合金、錫および銀を含む合金、錫および銅を含む合金、錫、銀および銅を含む合金、錫およびビスマスを含む合金等を用いることができる。またこれら以外にも、例えば錫、鉛、銀、ビスマス、インジウム、銅、亜鉛、ガリウム、アンチモン、金、パラジウム、ゲルマニウム、ニッケル、クロム、アルミニウム、リン等を適宜組合せたはんだ合金を使用することができる。なお、上記に挙げた元素以外であってもその組合せに使用することは可能である。
これらの中でも特に錫、銀および銅を含むはんだ合金、例えば錫−鉛系はんだ合金、錫−銀系合金はんだ、錫−銀−銅系はんだ合金、錫−銀−銅−ビスマス系はんだ合金、錫−銀−銅−インジウム系はんだ合金、錫−銀−銅−ビスマス−インジウム系はんだ合金が好ましく用いられる。これらの中でも特に、Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金、Sn−58Bi等が好ましく用いられる。
本実施形態のはんだ組成物としてソルダペースト組成物を使用する場合、前記はんだ合金からなる粉末(はんだ合金粉末)の配合量は、ソルダペースト組成物全量に対して65重量%から95重量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は80重量%から93重量%であり、特に好ましい配合量は85重量%から92重量%である。
前記はんだ合金粉末の配合量が65重量%未満の場合には、得られるソルダペースト組成物を用いた場合に充分なはんだ接合が形成されにくくなる傾向にある。他方前記はんだ合金粉末の含有量が95重量%を超える場合にはバインダとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックス組成物とはんだ合金粉末とを混合しにくくなる傾向にある。
本実施形態のはんだ組成物は、前記はんだ合金粉末の溶融時における粘度が10Pa・s以下であり、且つ300℃におけるその粘度が100Pa・s以上であることが好ましい。
この粘度の測定方法としては、例えばレオメーターを用い、本実施形態のはんだ組成物をレオメーターの付属容器に入れて行うことができる。その測定条件は、例えば室温から300℃まで5℃/minの昇温条件にて加熱し、ギャップ0.50mm、周波数1Hzである。
即ち、本実施形態のはんだ組成物は、先に例示したような、これに用いられるはんだ合金粉末の溶融温度における粘度が10Pa・s以下であることが好ましい。前記はんだ合金粉末として例えばSn−3Ag−0.5Cuはんだ合金を用いる場合、当該はんだ合金粉末の溶融時(溶融温度:約217℃から約220℃)における粘度が10Pa・s以下であり、300℃の粘度が100Pa・s以上であることが好ましい。また前記はんだ合金粉末として例えばSn−58Biはんだ合金を用いる場合、当該はんだ合金粉末の溶融時(約138℃)における粘度が10Pa・s以下であり、300℃の粘度が100Pa・s以上であることが好ましい。
本実施形態のはんだ組成物は上記フラックス組成物を使用することにより、良好なシェルフライフを実現できると共に、良好なはんだ溶融性および粘度を保つことができる。
3.はんだ接合体/電子回路基板
以下、本実施形態のはんだ組成物を用いて形成されるはんだ接合体とこれを有する電子回路基板の一例を説明する。
当該はんだ接合体は上記ソルダペースト組成物を用いて、例えば所定の位置に電極およびソルダレジスト膜を形成した基板に所定のパターンを有するマスクを用いて上記ソルダペースト組成物を印刷し、当該パターンに適合する電子部品を所定の位置に搭載し、これをリフローすることにより形成されてもよく、また上記はんだ合金からなるソルダボールと上記フラックス組成物とを用いて形成されてもよい。
なお、当該はんだ接合体とははんだ接合部および少なくともはんだ接合部に接着するように基板上に形成されるフラックス残渣を指す。
このようにして作製された電子回路基板は、前記電極上にはんだ接合部が形成され、当該はんだ接合部は当該電極と電子部品とを電気的に接合する。また前記基板上には、少なくともはんだ接合部に接着するようにフラックス残渣が付着している。そして当該フラックス残渣は本実施形態のフラックス組成物により形成されるため、耐熱性、絶縁性、耐湿性および低誘電特性に優れる。また前記マレイミド化合物(A−1)と活性剤(B)とは反応し難いことからフラックス組成物がはんだ付け時のはんだ接合不良を起こし難く、更に形成されたフラックス残渣は基板の腐食等を引き起こし難く、且つ良好な耐熱性、絶縁性および耐湿性を実現できる。
なお、本実施形態の電子回路基板に実装される電子部品の種類は特に限定されないが、例えばチップコンデンサ、チップLEDといったチップ型部品、BGA等のパッケージ部品、特に小型化された電子部品を実装する際に特にその効果をより発揮することができる。
以下、図1を用いて本実施形態の電子回路基板の一例を説明する。
本実施形態の電子回路基板100は、基板1、電極2、ソルダレジスト膜3、はんだ接合体4、はんだ接合部41、フラックス残渣42、電子部品5、電子部品の外部電極51および電子部品の端部52とからなる。
電極2およびソルダレジスト膜3は基板1上に形成されている。またはんだ接合部41は、電極2と外部電極51とを電気的接合するように形成されている。フラックス残渣42は、本実施形態のようにはんだ接合部41、および電子部品5の基板1側表面とこれに対向するソルダレジスト膜3表面とに接着し、特に電子部品5の基板1側表面とこれに対向するソルダレジスト膜3の表面との隙間を埋めるように形成されていることが好ましい。またフラックス残渣42はソルダレジスト膜3とはんだ接合部41と端部52に接着するようにも形成されていることが好ましい。
なお、本実施形態においては基板1上にソルダレジスト膜3が形成された状態で電子部品5が実装されているが、例えばセラミック基板のように基板上にソルダレジスト膜を形成しない基板上に電子部品を実装した電子回路基板であってもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳述する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ソルダペースト組成物の作製
はんだ組成物としてソルダペースト組成物を用いることとし、表1に記載の各成分を混練し、実施例1から5、および比較例1から3に係る各フラックス組成物を得た。次いで当該各フラックス組成物10重量%とSn−3Ag−0.5Cuはんだ合金粉末90重量%とを混練し、実施例1から5、および比較例1から3に係る各ソルダペースト組成物を得た。
なお、特に記載のない限り、表1に記載の数値は重量%を意味するものとする。
※1 ケイ・アイ化成(株)製 芳香族ビスマレイミド化合物
※2 ケイ・アイ化成(株)製 芳香族ビスマレイミド化合物
※3 Designer Molecules Inc.製 脂肪族ビスマレイミド化合物
※4 Designer Molecules Inc.製 脂肪族ビスマレイミド化合物
※5 DIC(株)製 ビスフェノールF型エポキシ樹脂
※6 DIC(株)製 2官能ナフタレン型エポキシ樹脂
※7 東亜合成(株)製 イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート
※8 岡村製油(株)製 エイコサン二酸
※9 四国化成(株)製 2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール
※10 新日本理化(株)ジベンジリデンソルビトール
※11 BASFジャパン(株)製 ヒンダードフェノール系酸化防止剤
1.ガラス転移温度
厚み100μmの銅フィルムを準備し、これに各フラックス組成物をその厚みが100〜200μmとなるようにアプリケーターを用いて印刷した。印刷後の各銅フィルムについて、印刷された各フラックス組成物が十分に硬化する加熱条件(180℃の温度下で3時間)にて加熱し、各銅フィルム上に硬化膜を形成した。次いで得られた各硬化膜を各銅フィルムより剥離し、縦40mm×横5mmの大きさにカットした。そしてThermal Mechanical Analysis(以降、TMAという。)を用い、昇温速度10℃/min、温度範囲30〜300℃の条件下にて、各硬化膜のガラス転移温度を測定し、120℃以上のものを○、120℃未満のものを×として評価した。その結果を表2に表す。なおガラス転移温度はTMAにて得られたデータを基準として計算した。
2.はんだ溶融性
Cu基板(50mm×50mm×0.3mmt)上にメタルマスク(厚み:0.15mmt、開口直径:6.5mm)を用いて各ソルダペースト組成物を印刷した。次いで印刷した各基板を高温観察装置(製品名:SMT Scope、山陽精工(株)製)を用いて図2に表す加熱プロファイル条件にてリフローし各試験基板を得た。
各試験基板上の状態について以下の基準に基づき評価した。その結果を表2に表す。
A:溶融したはんだが印刷した径以上に広がっている
B:はんだ合金は全て溶融し凝集したが、はんだの広がりは印刷した径より小さい
C:溶融したはんだの一部に凝集しない弾きがある、またはその一部に未凝集の部分がある
D:溶融したはんだが一切凝集していない、または一切濡れ広がっていない
3.粘度
各ソルダペースト組成物を容器に入れ、これを25℃の温度下で2〜3時間放置した。その後各容器の蓋をあけ、中の各ソルダペースト組成物をスパチュラを用いて空気の混入を避けるようにして1〜2分間かき混ぜた。次いで当該容器を粘度計(商品名:PCU105、(株)マルコム製)に入れ、回転速度10rpmにて25℃の温度下にて約3分間攪拌した。その後回転を停止させ、温度が一定になるまで待った後、温度を調節した上で回転速度10rpmにて3分間攪拌し、その粘度を測定した。その結果を表2に表す。
4.10℃シェルフライフ
各ソルダペースト組成物について、混練後の粘度を測定した。次いで各ソルダペースト組成物を容器に入れて10℃の温度下にて30日間放置し、放置後の各ソルダペースト組成物について粘度を測定した。放置前の粘度と放置後の粘度について、以下の式を用いて変化率を計算し、その変化率が±20%以内のものを○、±20%超のものを×とした。その結果を表2に表す。なおこれらの粘度は上記粘度試験と同じ条件にて測定した。
(放置後の粘度−放置前の粘度)/放置前の粘度×100
5.−10℃シェルフライフ
容器に入れた各ソルダペースト組成物を−10℃の温度下にて放置する以外は上記10℃シェルフライフ試験と同じ条件にて粘度を測定および評価した。その結果を表2に表す。
6.レオメーター試験
レオメーター(商品名:HAKKEMARSIII、Thermo Fisher Scientific,Inc.製)を用い、その付属容器に各フラックス組成物を入れ、これらについて粘度上昇が開始した温度と180℃における粘度を測定した。その結果を表2に表す。また実施例1および比較例2について測定した粘度のグラフを図3に表す。なお、粘度の測定条件は室温から300℃まで5℃/minの昇温条件にて加熱し、ギャップ0.50mm、周波数1Hzとした。また上記の粘度上昇が開始した温度とは、大幅な粘度低下を伴わず1,000Pa・sを超えた際の、その粘度の上昇開始温度を指す。
以上、本実施例のフラックス組成物およびはんだ組成物(ソルダペースト組成物)は、使用する活性剤を選ぶことなく、10℃および−10℃の温度下で放置した場合であっても良好なシェルフライフを得ることができ、更に良好な粘度とはんだ溶融性を得ることができる。
また本実施例のフラックス組成物は、上述の条件下における180℃での粘度が0.1〜10Pa・sと低く、また大幅に上昇する温度が160℃以上と高い。そのため、これを用いたはんだ組成物についても良好な粘度を実現することができる。
従ってこのようなはんだ組成物を用いて電子部品をはんだ付けされた電子回路基板は、高い信頼性が要求される用途においても好適に用いることができる。
1 基板
2 電極
3 ソルダレジスト膜
4 はんだ接合体
41 はんだ接合部
42 フラックス残渣
5 電子部品
51 外部電極
52 端部
100 電子回路基板

Claims (6)

  1. (A)熱硬化性樹脂と、(B)活性剤とを含み、
    前記熱硬化性樹脂(A)はマレイミド骨格を有するマレイミド化合物(A−1)を含むフラックス組成物と、
    はんだ合金粉末とを含むはんだ組成物であって、
    前記はんだ合金粉末の溶融時における粘度が10Pa・s以下であり、且つ300℃におけるその粘度が100Pa・s以上であることを特徴とするはんだ組成物。
  2. 前記マレイミド化合物(A−1)は、末端または側鎖に複数のマレイミド基を有することを特徴とする請求項1に記載のはんだ組成物。
  3. 前記マレイミド化合物(A−1)として、下記一般式(1)および(2)で表されるマレイミド化合物の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のはんだ組成物。
    (式中、Yは炭素数36または54の重合脂肪酸から誘導されるダイマージアミン残基または脂肪族ジアミン残基を表し、
    Zは四塩基酸ニ無水物と1級アミンの反応からなるイミド化合物残基を表し、
    Pは0から10の整数を表す。)
    (式中、RからRは水酸基、メチル基またはエチル基のいずれかを表すが置換基がない場合も含み、
    Xは介在する有機基がない、若しくはC、H、Oからなる任意の有機基を表す。)
  4. 前記フラックス組成物は更に(C)硬化剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のはんだ組成物。
  5. 前記硬化剤(C)は、イミダゾール化合物、イミダゾール塩類、過酸化物類、メラミンおよびアミン類から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載のはんだ組成物。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のはんだ組成物を用いて形成されるはんだ接合体を有することを特徴とする電子回路基板。
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