JP3733193B2 - 磁気カードリーダ - Google Patents

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仁志 佐藤
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株式会社ニューロン
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気カード上に記録された信号の読み出しを行なう磁気カードリーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動式磁気カード記録再生装置の主原理は複数のローラの間に磁気カードを通過させ、その間に、磁気カードに微少な一定間隔で磁気を記録あるいは記録された磁気信号を、磁気ヘッドにより読み出す装置である。
【0003】
この種の磁気カード記録再生装置においては、磁気ヘッドで信号を読み込んでいる間は、磁気カードは厳密に一定速度で動かされなければならない。挿入磁気カードの長さが長手方向のローラ間隔とほぼ等しいときには、磁気カードには何の抵抗もかからず、例えば、磁気カードを挟み込むように配置された一対のローラにより、一定速度で動かされる。
【0004】
しかしながら、磁気カード記録再生装置を小型にするため、あるいは付加装置に磁気カードを送るためには、磁気カードの長さよりも短い間隔で長手方向にローラを配置する場合が多い。この場合には、磁気カードの信号を記録している最中に、磁気カードが搬送されて、次のローラにぶつかる事になる。次のローラにぶつかれば、その圧力によって磁気カードの速度が微妙に変化するので、記録された信号は不規則となり、磁気カード品質の劣化につながる。
【0005】
これを解消するために、従来、第一、第二、第三の駆動ローラと、各駆動ローラに対応する第一、第二、第三の押えローラとを備え、第二の駆動ローラ、第二の押えローラ間に磁気カードが進入した場合に、レバーを使って、第一、または第三の押えローラを、対応する駆動ローラから離し、磁気カードが次のローラにぶつからないようにした磁気カードリーダが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の技術では、銀行等に用いられる磁気カードのように厚みが0.76mm程度のカードではそれ程問題にならないが、プリペイドカードのように厚みが0.2mm程度になると、レバー装置の製造誤差等により十分にその理想機能を果たすことができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上述した従来技術が有する課題を解消し、非常に薄い磁気カードにも対応が可能な磁気カードリーダを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、第一、第二、第三の駆動ローラと、各駆動ローラに対応する第一、第二、第三の押えローラとを有し、駆動ローラと押えローラ間に磁気カードを挟んで搬送し、第二の押えローラの近傍には、磁気カードの磁気情報を読み取る磁気ヘッドを備えた磁気カードリーダにおいて、第一の支点を中心に揺動し一端側には前記第一の押えローラを支持する第一のレバーと、第二の支点を中心に揺動し一端側には前記第二、第三の押えローラを支持する第二のレバーと、第一のレバーの他端側と第二のレバーの他端側の間に設けられる調節具と、第二のレバーを付勢して第二の駆動ローラとこれに対応する第二の押えローラ間に所定のカード挟持圧を付与する手段とを備えたものである。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、第二の駆動ローラ、第二の押えローラ間に磁気カード、或いは磁気カードと同等の厚みを有するテストカードを挟み込み、この挟み込んだ位置を基準とするように、第一の調節具を介して、テストカードと第一の押えローラ間の間隔を零または微少距離だけ離すように調節する。
【0010】
このようにすれば、磁気カードが、第二の駆動ローラと第二の押えローラ間に進入したとき、この磁気カードにはほかの押えローラが押圧することはなく、第二の駆動ローラと第二の押えローラとの間の送り力のみによってこの磁気カードは搬送されることになる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、第一の支点を中心に揺動し一端側には前記第一の押えローラを支持する第一のレバーと、第二の支点を中心に揺動し一端側には前記第二、第三の押えローラを支持する第二のレバーと、第一のレバーの他端側と第二のレバーの他端側との間に設けられる第一の調節具と、第二のレバーの一端側の先端と固定部との間に設けられる第二の調節具と、第二のレバーを付勢して第二の駆動ローラとこれに対応する第二の押えローラ間に所定のカード挟持圧を付与する手段とを備えたものである。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、第一の調節具を調節する前に、まず、第二の調節具を調節して、第二の押えローラを第二の駆動ローラに圧接させる。このように調節しておいてから第一の調節具を介して上記のように第一の駆動ローラと第一の押えローラとの間の間隙を調節する。これによれば、例えば厚みが0.2mmよりも薄いカード用に使用することも可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を添付図面を参照して説明する。尚、この磁気カードリーダにあっては、磁気カードリーダ筐体、その他の図示を省略し、磁気カードの搬送機構部のみを重点に示している。
【0014】
図1において、1は第一の駆動ローラ、2は第二の駆動ローラ、3は第三の駆動ローラを示している。これら各駆動ローラ1,2,3には、プーリ4,5,6が設けられ、これらプーリ4,5,6にはベルト7,8が掛けられ、中央のプーリ5にはベルト9を介して駆動モータ10が連結されている。この駆動モータ10により各駆動ローラ1,2,3は同期して回転される。
【0015】
各駆動ローラ1,2,3は、第一の押えローラ11、第二の押えローラ12、第三の押えローラ13とそれぞれ対になっており、磁気カード15は、これら駆動ローラと前記の押えローラ間に挟まれて搬送される。
【0016】
第一の押えローラ11は、第一のレバー21の一端21aにピン22を介して支持され、この第一のレバー21は第一の支点23を中心に図中反時計方向に揺動自在に形成されている。第二、第三の押えローラ12,13は、第二のレバー24の一端24aにそれぞれピン25,26を介して支持され、この第二のレバー24は第二の支点27を中心に図中時計方向に揺動自在に形成されている。
【0017】
また、第一のレバー21の他端21bには、ねじで構成される第一の調節具31が設けられ、この第一の調節具31の先端31aは、第二のレバー24の他端24bに当接自在に形成されている。更に、第二のレバー24の一端24aの先端には、ねじで構成される第二の調節具32が設けられ、この第二の調節具32の先端32aは、固定部33に当接自在に形成されている。
【0018】
第二のレバー24の一端24aと固定部34との間には、当該第二のレバー24を第二の支点27回りに反時計方向に付勢するばね35が設けられ、このばね35は、第二の駆動ローラ2とこれに対応する第二の押えローラ12間に所定のカード挟持圧を付与している。
【0019】
図1は、磁気カード15が挿入されない状態を示し、対になっている駆動ローラ、および押えローラの間隙は例えばほぼ零に設定されている。
【0020】
図2に示すように、第一の駆動ローラ1と第一の押えローラ11との間に磁気カード15が進入すると、この磁気カード15の厚さt分だけ、第一の押えローラ11は押し下げられ、この第一の押えローラ11を支持する第一のレバー21は第一の支点23を中心にして図中反時計方向に回転する。この第一のレバー21が回転すると、第一の調節具31を介して、第二のレバー24は第二の支点27を中心にして図中時計方向に回転する。この時には、梃子の原理に従って、第二の駆動ローラ2と第二の押えローラ12との間隙Wは大きくなる。この間隙Wの大きさはレバーの長さ、支点の距離等により自由に設定できるが、この時の間隙Wは、磁気カード15の厚さtの2分の1程度が望ましい。
【0021】
つぎに、磁気カード15が搬送されて、図3に示すように、第二の駆動ローラ2と第二の押えローラ12との間に進入すると、前述した間隙Wは磁気カード15の厚みtと等しくなる。この時には、第三の駆動ローラ3と第三の押えローラ13との間の間隙は、磁気カード15の厚みtよりも大きくなり、第一の調節具31と第一のレバー21との接触が断たれることから、第一の駆動ローラ1と第一の押えローラ11との間の間隙も、磁気カード15の厚みtよりも大きくなるので、磁気カード15はほかのローラに押圧されることはなく、第二の駆動ローラ2と第二の押えローラ12との間の送り力によってのみ搬送される。
【0022】
尚、符号51は磁気ヘッドであり、この磁気ヘッド51は、第二の駆動ローラ2と第二の押えローラ12との間の送り力のみによって磁気カード15の搬送を開始した時点から磁気カード15に対する磁気記録(以下、「磁気情報の読み出し」を含むものとする。)を開始する。符号52、53、54は磁気記録を行うための位置決め用タイミング発生機構である。
【0023】
この実施の形態によれば、磁気ヘッド51の近傍にあるただ一対のローラ2,12により磁気カード15を搬送しながら磁気記録が行われるので、ローラ間の受け渡しに起因する力の影響をうけずにほぼ正確な磁気記録が行われる。
【0024】
この時の磁気記録は、磁気カード15が第二の駆動ローラ2と第二の押えローラ12との間を飛び出す寸前に完了し、磁気カード15がここを飛び出すと、図4に示すように、第二のレバー24はばね35のばね力により回転し、今度は第三の押えローラ13が磁気カード15に接触して、第三の駆動ローラ3と第三の押えローラ13との間の送り力によって磁気カード15が搬送される。此の時点で、磁気カード15は次のステップに送られるか、或いは駆動ローラ1,2,3が逆回転されて、元の方向に逆転搬送される。図4の状態における第二の駆動ローラ2と第二の押えローラ12との間の間隙Wは、磁気カード15の逆転搬送を考慮すると、磁気カード15の厚さtの2分の1程度が望ましい。
【0025】
従来の磁気カードリーダにおいては、銀行等に用いられる磁気カードのように厚みが0.76mm程度のカード用に使用される磁気カードリーダと、プリペイドカードのように厚みが0.2mm程度の薄いカード用に使用される磁気カードリーダとは区別して使用されている。例えば、厚いカード用の磁気カードリーダに薄いカードを使用した場合には、この薄い磁気カード15が搬送されて、図3に示すように、第二の駆動ローラ2と第二の押えローラ12との間に進入しても、磁気カードが薄すぎるために、第一の駆動ローラ1と第一の押えローラ11との間の間隙が、磁気カード15の厚みtよりも大きくならず、第一の押えローラ11が磁気カードに接触し搬送の抵抗になって正確な磁気記録ができなくなる。
【0026】
この実施の形態によれば、磁気カード15の厚さtに対応させて、第一の駆動ローラ1と第一の押えローラ11との間の間隙が以下のように設定される。
【0027】
まず、図3に示すように、第二の駆動ローラ2と第二の押えローラ12との間に磁気カード15、或いはこの磁気カード15と同等の厚さtを有するテストカードが挟み込まれる。例えば、テストカードが挟み込まれると、第二のレバー24は第二の支点27を中心にして図中時計方向に回転し、第一のレバー21は第一の支点23を中心にして図中反時計方向に回転する。
【0028】
この状態において、第一の調節具31が調節される。具体的には第一の調節具31を構成するねじの先端31aの突出量が調節されて、第一の押えローラ13がテストカードの表面から微少距離だけ離れるように、或いは第一の押えローラ13とテストカードとの間隔W1が零になるように設定される。
【0029】
このように調節すれば、磁気カード15の搬送に際し、この磁気カード15が第二の駆動ローラ2と第二の押えローラ12との間に進入すると、第三の駆動ローラ3と第三の押えローラ13との間の間隙は、当然に磁気カード15の厚みtよりも大きくなり、第一の駆動ローラ1と第一の押えローラ11との間の間隙も、磁気カード15の厚みtよりも大きく、或いは等しくなるので、磁気カード15はほかのローラに押圧されることはなく、第二の駆動ローラ2と第二の押えローラ12との間の送り力によってのみ搬送される。
【0030】
この実施の形態によれば、磁気カードのように厚みが0.76mm程度のカード用に使用する場合には、第一の調節具31を調節することにより、第一の駆動ローラ1と第一の押えローラ11との間の間隙W2が大きくなるよう調節する一方で、プリペイドカードのように厚みが0.2mm程度の薄いカード用に使用する場合には、第一の調節具31を調節することにより、第一の駆動ローラ1と第一の押えローラ11との間の間隙W2が小さくなるよう調節することができる。
【0031】
このように調節することにより、厚いカードを使用しても、薄いカードを使用しても、正確な磁気記録が可能になるので、この磁気カードリーダは、厚いカード用、または薄いカード用に兼用が可能になる。尚、このような間隙W2の調節は、本機構の最終組立において行なうことが望ましい。
【0032】
厚みが0.2mmよりも薄いカード用に使用する場合には、第一の調節具31を調節する前に、図1を参照し、まず、第二の調節具32を構成するねじの先端32aの突出量を減少させて、第二の押えローラ12を第二の駆動ローラ2に圧接させる。このように調節しておいてから第一の調節具31を介して上記のように第一の駆動ローラ1と第一の押えローラ11との間の間隙W2を調節する。
【0033】
この実施の形態によれば、現状存在する厚みが0.76mm程度のカード用、0.2mm程度のカード用のみならず、厚みが0.2mmよりも薄い磁気カードにも適用が可能であり、その汎用性は極めて高いものである。
【0034】
従来技術では磁気カードの厚みが薄くなると、それに合わせて動く軸部分の加工精度を上げる必要があり、従って磁気カードリーダの製造コストが高額になる欠点があったが、本発明によれば、特に各部分の高価な加工精度を必要とせず、従来の加工精度で十分であり、従って、薄い磁気カード用の磁気カードリーダを安価に製造することができるし、従来から存在する多少のガタは第一の調節具31の一回の調節のみで吸収することができる。きわめて薄い磁気カードの搬送速度を正確に保つことができるとともに、薄いカード用の磁気カードリーダを低コストで普及させることができる等の効果を奏する。
【0035】
以上、一実施の形態に基づいて、本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでないことは明らかである。例えば、磁気カードリーダに限定されず、電動式磁気カード記録再生装置全般に適用される。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、量産コストの低減、製品検査の簡易化、信頼性の向上、厚い磁気カードとの兼用化による量産効果の向上等が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気カードリーダの搬送機構部を示す正面図である。
【図2】本発明による磁気カードリーダの搬送機構部を示す正面図である。
【図3】本発明による磁気カードリーダの搬送機構部を示す正面図である。
【図4】本発明による磁気カードリーダの搬送機構部を示す正面図である。
【符号の説明】
1,2,3 駆動ローラ
4,5,6 プーリ
7,8 ベルト
10 駆動モータ
11,12,13 押えローラ
21 第一のレバー
23 第一の支点
24 第二のレバー
27 第二の支点
31 第一の調節具
32 第二の調節具

Claims (2)

  1. 第一、第二、第三の駆動ローラと、各駆動ローラに対応する第一、第二、第三の押えローラとを有し、駆動ローラと押えローラ間に磁気カードを挟んで搬送し、第二の押えローラの近傍には、磁気カードの磁気情報を読み取る磁気ヘッドを備えた磁気カードリーダにおいて、
    第一の支点を中心に揺動し一端側には前記第一の押えローラを支持する第一のレバーと、第二の支点を中心に揺動し一端側には前記第二、第三の押えローラを支持する第二のレバーと、第一のレバーの他端側と第二のレバーの他端側の間に設けられる調節具と、第二のレバーを付勢して第二の駆動ローラとこれに対応する第二の押えローラ間に所定のカード挟持圧を付与する手段とを備えたことを特徴とする磁気カードリーダ。
  2. 第一、第二、第三の駆動ローラと、各駆動ローラに対応する第一、第二、第三の押えローラとを有し、駆動ローラと押えローラ間に磁気カードを挟んで搬送し、第二の押えローラの近傍には、磁気カードの磁気情報を読み取る磁気ヘッドを備えた磁気カードリーダにおいて、
    第一の支点を中心に揺動し一端側には前記第一の押えローラを支持する第一のレバーと、第二の支点を中心に揺動し一端側には前記第二、第三の押えローラを支持する第二のレバーと、第一のレバーの他端側と第二のレバーの他端側との間に設けられる第一の調節具と、第二のレバーの一端側の先端と固定部との間に設けられる第二の調節具と、第二のレバーを付勢して第二の駆動ローラとこれに対応する第二の押えローラ間に所定のカード挟持圧を付与する手段とを備えたことを特徴とする磁気カードリーダ。
JP02097397A 1997-01-20 1997-01-20 磁気カードリーダ Expired - Lifetime JP3733193B2 (ja)

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EP1271396B1 (de) * 2001-06-22 2005-05-25 ddm hopt + schuler GmbH & Co. KG. Kartenleser mit an Schwenkarmen gelagerten Transportrollen

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