JP3731593B2 - 透過型スクリーン用部材の製造方法、透過型スクリーン用部材、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ - Google Patents

透過型スクリーン用部材の製造方法、透過型スクリーン用部材、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ Download PDF

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Description

本発明は、透過型スクリーン用部材の製造方法、透過型スクリーン用部材、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタに関するものである。
近年、リア型プロジェクタは、ホームシアター用モニター、大画面テレビ等に好適なディスプレイとして、需要が高まりつつある。
リア型プロジェクタに用いられる透過型スクリーンには、レンチキュラレンズが一般的に用いられている。しかしながら、このようなリア型プロジェクタでは、左右の視野角が大きいが上下の視野角が小さい(視野角に偏りがある)という問題があった。
このような問題を解決する目的で、レンチキュラレンズに代えてマイクロレンズ(マイクロレンズアレイシート)を用い、さらに、マイクロレンズアレイシートの光の出射面側に設けられたブラックマトリックスと、マイクロレンズアレイシートの光の出射面側の全面に設けられた光拡散層とを有する透過型スクリーンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この透過型スクリーンでは、マトリックス状に配列されたマイクロレンズによって水平視野角および垂直視野角が制御され、また拡散層によって光が拡散するので、視野角を大きくすることができる。
しかしながら、このような透過型スクリーンでは、拡散層に入射した光(光子)が高い頻度で拡散材に衝突することから、拡散層に入射した光(光子)は、拡散層で反射することにより、裏面側(入射面側)に戻り易くなり、また、前記拡散材への衝突等による、消光の度合いが大きくなる。このため、このような透過型スクリーンでは光利用効率が低いという問題があった。また、このような透過型スクリーンでは、光拡散層のうち、ブラックマトリックス上(ブラックマトリックスの光の出射面側)に設けられた部位においても、高い頻度で光の拡散がおこるため、ブラックマトリックスが設けられているにも関わらず、表示される画像において十分なコントラストが得られない場合があった。
特開2003−177476号公報(特許請求の範囲、図4〜図7)
本発明の目的は、視野角特性、光利用効率に優れた透過型スクリーンを提供すること、前記透過型スクリーンを構成する透過型スクリーン用部材を容易かつ確実に提供することが可能な製造方法を提供すること、また、前記透過型スクリーンを備えたリア型プロジェクタを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法は、入射した光を集光する複数個のレンズ部を有するレンズ基板と、
前記レンズ部より光の出射側に形成され、前記レンズ部を透過した光の光路上に開口部を有する遮光層と、
前記レンズ部を透過した光を拡散させる機能を有する光拡散部とを備えた透過型スクリーン用部材の製造方法であって、
前記レンズ部は、マイクロレンズであり、
複数個の前記マイクロレンズは、前記レンズ基板の主面側から平面視したときに、ランダムな位置関係となるように形成されたものであり、
前記レンズ部が形成されている側の面とは反対側の面に前記遮光層が形成された前記レンズ基板に対し、前記遮光層が形成された側の面に、ネガ型のフォトポリマーを含む第2の材料を付与し、第2の層を形成する工程と、
前記レンズ基板のレンズ部が形成された面側から光を入射させ、前記レンズ部により集光された光を、前記第2の層に照射することにより、前記第2の層を露光する工程と、
前記第2の層のうち、前記集光された光により露光された部位が残存するように現像処理し、前記光拡散部を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、視野角特性、光利用効率に優れた透過型スクリーンを、容易かつ確実に提供することができる。また、これにより、投影される画像において、モアレが発生するのをより効果的に防止することができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法は、入射した光を集光する複数個のレンズ部を有するレンズ基板と、
前記レンズ部より光の出射側に形成され、前記レンズ部を透過した光の光路上に開口部を有する遮光層と、
前記レンズ部を透過した光を拡散させる機能を有する光拡散部とを備えた透過型スクリーン用部材の製造方法であって、
前記レンズ部は、マイクロレンズであり、
複数個の前記マイクロレンズは、前記レンズ基板の主面側から平面視したときに、ランダムな位置関係となるように形成されたものであり、
前記レンズ基板の前記レンズ部が形成されている側の面とは反対側の面に、ポジ型のフォトポリマーを含む第1の材料を付与し、第1の層を形成する工程と、
前記レンズ基板のレンズ部が形成された面側から光を入射させ、前記レンズ部により集光された光を、前記第1の層に照射することにより、前記第1の層を露光する工程と、
前記第1の層のうち、前記集光された光により露光された部位を除去するように現像処理し、前記開口部を有する前記遮光層を形成する工程と、
前記レンズ基板の前記遮光層が形成された側の面に、ネガ型のフォトポリマーを含む第2の材料を付与し、第2の層を形成する工程と、
前記レンズ基板のレンズ部が形成された面側から光を入射させ、前記レンズ部により集光された光を、前記第2の層に照射することにより、前記第2の層を露光する工程と、
前記第2の層のうち、前記集光された光により露光された部位が残存するように現像処理し、前記光拡散部を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、視野角特性、光利用効率に優れた透過型スクリーンを、容易かつ確実に提供することができる。また、これにより、投影される画像において、モアレが発生するのをより効果的に防止することができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、前記レンズ部は、前記遮光層よりも光の出射側で焦点を結ぶように設計されたものであることが好ましい。
これにより、透過型スクリーンの光利用効率をさらに優れたものとすることができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、前記開口部に対応する部分が光の出射側に突出する突出部となるように、前記光拡散部を形成することが好ましい。
これにより、透過型スクリーンの光利用効率をさらに優れたものとすることができるとともに、投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、透過型スクリーン用部材を平面視したときの、前記レンズ部が形成されている有効領域において前記突出部が占める面積の割合が5〜99%であることが好ましい。
これにより、透過型スクリーンの光利用効率をさらに優れたものとすることができる。また、投影される画像のコントラストをさらに優れたものとすることができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、前記遮光層の各開口部に対応する複数個の前記光拡散部を、これらが互いに独立するように形成することが好ましい。
これにより、透過型スクリーンの光利用効率をさらに優れたものとすることができるとともに、投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、透過型スクリーン用部材を平面視したときの、前記レンズ部が形成されている有効領域において前記光拡散部が占める面積の割合が5〜99%であることが好ましい。
これにより、透過型スクリーンの視野角特性、光利用効率を、さらに優れたものとすることができるとともに、投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、透過型スクリーン用部材の主面に垂直な方向での、前記光拡散部の長さが2〜450μmであることが好ましい。
これにより、透過型スクリーンの光利用効率をさらに優れたものとすることができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、前記レンズ部の焦点が、透過型スクリーン用部材の主面に垂直な方向での、前記光拡散部のほぼ中央部であることが好ましい。
これにより、透過型スクリーンの光利用効率をさらに優れたものとすることができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、前記レンズ部に対応する形状の凹部を有する凹部付き基板を用いて、前記レンズ基板を製造することが好ましい。
これにより、所望の大きさ、形状のレンズ部が、所望のパターンで配置されたレンズ基板を、容易かつ確実に得ることができる。その結果、透過型スクリーンの生産性が向上するとともに、得られる透過型スクリーンは、安定した特性を有し、信頼性の高いものとなる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、前記レンズ基板を光の入射面側から平面視したときの、前記レンズ部が形成されている有効領域において、前記レンズ部が占める面積の割合が90%以上であることが好ましい。
これにより、透過型スクリーンの光利用効率を、さらに優れたものとすることができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、複数個の前記マイクロレンズは、互いに曲率半径がほぼ等しいものであることが好ましい。
これにより、開口部を有する遮光層および光拡散部を容易に形成することができる。その結果、透過型スクリーン用部材の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、前記マイクロレンズの直径は10〜500μmであることが好ましい。
これにより、透過型スクリーン用部材の生産性を十分に高いものとしつつ、投影される画像において十分な解像度を得ることができる。
本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法では、前記開口部の直径は、9〜500μmであることが好ましい。
これにより、投影される画像のコントラストのさらなる向上を図りつつ、十分な光透過性(光利用効率)を得ることができる。
本発明の透過型スクリーン用部材は、本発明の方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、視野角特性、光利用効率に優れた透過型スクリーンを提供することができる。
本発明の透過型スクリーンは、本発明の透過型スクリーン用部材を備えたことを特徴とする。
これにより、視野角特性、光利用効率に優れた透過型スクリーンを提供することができる。
本発明の透過型スクリーンは、光の出射側にフレネルレンズが形成されたフレネルレンズ部と、
前記フレネルレンズ部の光の出射側に配置された本発明の透過型スクリーン用部材とを備えたことを特徴とする。
これにより、視野角特性、光利用効率に優れた透過型スクリーンを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーン用部材を備えたことを特徴とする。
これにより、視野角特性、光利用効率に優れたリア型プロジェクタを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーンを備えたことを特徴とする。
これにより、視野角特性、光利用効率に優れたリア型プロジェクタを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、投射光学ユニットと、導光ミラーとを備えたことが好ましい。
これにより、視野角特性、光利用効率に優れたリア型プロジェクタを提供することができる。
本発明によれば、視野角特性、光利用効率に優れた透過型スクリーンを提供することができる。また、前記透過型スクリーンを構成する透過型スクリーン用部材を容易かつ確実に提供することが可能な製造方法を提供することができる。また、前記透過型スクリーンを備えたリア型プロジェクタを提供することができる。
以下、本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法、透過型スクリーン用部材、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の透過型スクリーン用部材および透過型スクリーンの構成について説明する。
図1は、本発明の透過型スクリーン用部材の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図、図2は、図1に示す透過型スクリーン用部材が備えるマイクロレンズ基板の平面図、図3は、図1に示す透過型スクリーン用部材を備えた本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、図3中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。
透過型スクリーン用部材1は、後述する透過型スクリーン10を構成する部材であり、図1に示すように、入射光を集光する機能を有するマイクロレンズ基板(レンズ基板)3と、遮光性を有する材料で構成されたブラックマトリックス(遮光層)4と、入射光を乱反射させることにより拡散させる機能を有する光拡散部5とを有している。
マイクロレンズ基板3は、樹脂層31と、樹脂層31の入射側の表面に形成された多数のマイクロレンズ(レンズ部)32を有している。
樹脂層31は、主として樹脂材料で構成され、所定の屈折率を有する透明な材料で構成されている。
各マイクロレンズ32は、入射側に突出した凸レンズとして形成されており、焦点fがブラックマトリックス(遮光層)4よりも出射側に位置するように設計されている。すなわち、マイクロレンズ基板3に対して、ほぼ垂直な方向から入射した平行光La(後述するフレネルレンズ部2からの平行光La)は、マイクロレンズ基板3の各マイクロレンズ32によって集光され、ブラックマトリックス(遮光層)4よりも出射側で焦点fを結ぶ。このように、ブラックマトリックス(遮光層)4よりも光の出射側でマイクロレンズ32が焦点を結ぶことにより、光の利用効率を特に優れたものとすることができる。より詳しく説明すると、マイクロレンズ32から出射された光が、後述する光拡散部5で集光することにより、あたかも、ブラックマトリックス4よりも光の出射側の光拡散部5に光源があるかのように作用させ、マイクロレンズ32で集光された光(光子)が、再び光の入射側に戻ってくるのを効果的に防止しつつ、光拡散部5に入射した光を出射側に、効率よく拡散させることができる。その結果、光の利用効率を特に優れたものとすることができるとともに、透過型スクリーン10(透過型スクリーン用部材1)の視野角特性も優れたものとなる。
このマイクロレンズ32の焦点は、ブラックマトリックス4(ブラックマトリックス4の光の出射側の面)よりも1〜250μm出射側にあるのが好ましく、2〜50μm出射側にあるのがより好ましい。焦点の位置が前記範囲よりも入射側である場合には、光拡散部5に含まれる拡散材51の種類や含有量によっては、光拡散部5から入射側に戻る光の量が多くなり、十分な光利用効率が得られなくなる可能性がある。また、焦点fの位置が前記範囲よりも出射側である場合には、後述する光拡散部5の高さh等によっては、光拡散部5による光の拡散が不十分となり、視野角特性を向上させる効果が十分に得られない可能性がある。
マイクロレンズ32の直径は、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ32の直径が前記範囲内の値であると、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を保持しつつ、透過型スクリーン用部材1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。なお、マイクロレンズ基板3においては、隣接するマイクロレンズ32−マイクロレンズ32間のピッチは、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。
また、透過型スクリーン用部材1を構成する複数個のマイクロレンズ32の曲率半径が、互いにほぼ等しいものであるのが好ましく、透過型スクリーン用部材1を構成するほぼ全てのマイクロレンズの曲率半径が、互いにほぼ等しいものであるのがより好ましい。これにより、後述するような方法(本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法)で、ブラックマトリックス4および光拡散部5を、より容易かつ確実に形成することができる。
また、マイクロレンズ32の配列方式は、図2に示すように、光学的にランダムな配列(透過型スクリーン用部材1(マイクロレンズ基板3)の主面側から平面視したときに、各マイクロレンズ32が互いにランダムな位置関係となるように配されたもの)である。マイクロレンズ32をランダムに配列することにより、液晶等のライトバルブやフレネルレンズとの干渉をより効果的に防止することができ、モアレの発生をほぼ完全に無くすことが可能になる。これにより、表示品質の良い優れた透過型スクリーン10を得ることができる。
また、マイクロレンズ基板3を光の入射面側(図2で示した方向)から平面視したときの、マイクロレンズ32が形成されている有効領域において、マイクロレンズ(レンズ部)32が占める面積(投影面積)の割合は、90%以上であるのが好ましく、96%以上であるのがより好ましい。マイクロレンズ32が占める面積の割合が90%以上であると、マイクロレンズ32以外を通過(透過)する直進光をより少なくすることができ、光利用効率をさらに向上させることができる。
上述したように、マイクロレンズ基板3の出射側表面には、ブラックマトリックス4と光拡散部5が形成されている。
ブラックマトリックス4は、遮光性を有する材料で構成され、層状に形成されたものである。このようなブラックマトリックス4を有することにより、当該ブラックマトリックス4に、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収させることができ、スクリーンに投影される画像を、コントラストに優れたものとすることができる。
このようなブラックマトリックス4は、各マイクロレンズ32を透過した光の光路上に開口部41を有している。これにより、各マイクロレンズ32で集光された光を、ブラックマトリックス4の開口部41を通過させて、光拡散部5に入射させることができる。
開口部41の大きさは、特に限定されないが、その直径が、9〜500μmであるのが好ましく、9〜450μmであるのがより好ましく、20〜90μmであるのがさらに好ましい。開口部41の直径がこのような範囲の大きさであると、各マイクロレンズ32を透過した光を、後述する光拡散部5に効率よく入射させることができるとともに、スクリーンに投影される画像を、よりコントラストに優れたものとすることができる。
光拡散部5は、入射した光(入射光)を乱反射させることにより拡散させる機能を有するものである。このような光拡散部5を有することにより、視野角特性を優れたものとすることができる。また、光拡散部5は、ブラックマトリックス4より光の出射側に形成された領域を有するものである。このような構成であることにより、光拡散部5に入射した光を、出射側(光の入射側とは反対側の方向)に効率よく向かわせることができ、透過型スクリーン10の視野角特性を特に優れたものにすることができる(スクリーンに投影される画像を好適に視認することができる視野角を特に大きいものとすることができる)。本実施形態では、光拡散部5は、光透過性に優れた実質的に透明な材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等)中に、拡散材51が分散した構成になっている。拡散材51としては、例えば、微粒子状(ビーズ状)のシリカ、ガラス、樹脂等を用いることができる。拡散材51の平均粒径は、特に限定されないが、1〜50μmであるのが好ましく、2〜10μmであるのがより好ましい。
そして、光拡散部5は、少なくともブラックマトリックス4の開口部41に対応する部分に設けられ、この開口部41に対応する部分が出射側に突出した凸状の突出部として形成されている。このように、光拡散部5が突出部を有するものであると、光の利用効率を特に優れたものとすることができる。より詳しく説明すると、光拡散部が、ブラックマトリックスより光の出射側に均一な厚さで形成されたものである場合には、光拡散部内において、光(光子)と拡散材とが衝突する確率(頻度)が高くなることにより消光が起こり易く、また、光拡散部内に入射した光(光子)が、再び入射側に戻る可能性も高くなるため、光の利用効率が低くなるのに対し、開口部41に対応する部分に光拡散部5が突出部を有するものであると、光拡散部5内に入射した光(光子)が拡散材51と過剰に衝突することにより消光が著しくなったり、マイクロレンズ32で集光された光(光子)が、再び光の入射側に戻ってくるのを効果的に防止しつつ、光拡散部5に入射した光を出射側に拡散させることができる。その結果、透過型スクリーン10(透過型スクリーン用部材1)の視野角特性も優れたものとすることができる。また、このような突出部を有する場合、隣接する突出部−突出部間に、光拡散部5の高さが比較的低い領域、または、光拡散部5が形成されていない領域を有するものとすることができる(図示の構成では、隣接する突出部−突出部間に光拡散部5が形成されていない領域を有する)。これにより、ブラックマトリックス(遮光層)4の機能をより効果的に発揮させることができ、スクリーンに投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。なお、ブラックマトリックスより光の出射側に、均一な厚さの光拡散部を有するものとした場合においても、光拡散部の高さ(厚さ)を小さくする(例えば、1μm以下)ことにより前述した問題の発生を防止することも考えられるが、このような場合、光拡散部内に入射した光を十分に拡散させるのが困難となる。
透過型スクリーン用部材1を平面視したときの、マイクロレンズ32が形成されている有効領域において、前記突出部が占める面積(投影面積)の割合は、5〜99%であるのが好ましく、5〜95%であるのがより好ましく、30〜70%であるのがさらに好ましい。突出部が占める面積の割合が前記範囲内の値であると、透過型スクリーンの光利用効率を、さらに優れたものとすることができる。また、投影される画像のコントラストをさらに優れたものとすることができる。これに対し、突出部が占める面積の割合が前記下限値未満であると、光拡散部5に入射した光を十分に拡散させるのが困難となり、十分な視野角特性を得るのが困難になる可能性がある。また、突出部が占める面積の割合が前記上限値を超えると、光拡散部5(突出部)内部での消光が発生し易くなり、光の利用効率が低下する。また、突出部が占める面積の割合が前記上限値を超えると、光の利用効率が低下するとともに、光の出射側から平面視したときの、ブラックマトリックス4の表面(開口部41以外の領域)のうち、光拡散部5(突出部)で覆われている領域の占める割合が大きくなるため、スクリーンに投影される画像のコントラストが低下する傾向を示す。このように、開口部41の面積と、各開口部41に対応するように形成された突出部の投影面積とは、ほぼ等しいものである(ブラックマトリック4を覆う部分の面積が少ない)のが好ましい。より具体的には、透過型スクリーン用部材1を(図2で示した方向から)平面視したときの、マイクロレンズ32が形成されている有効領域において、開口部41が占める面積(投影面積)の割合をA[%]、前記突出部が占める面積(投影面積)の割合をB[%]としたとき、0.2≦A/B≦1.55の関係を満足するのが好ましく、0.5≦A/B≦1.2の関係を満足するのがより好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。また、後述するような方法(本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法)によれば、このような条件を満足する透過型スクリーン用部材1を比較的容易に得ることができる。
そして、図示の構成では、複数個の光拡散部5が設けられている。すなわち、複数個の光拡散部5が、ブラックマトリックス4の各開口部41に対応するように、互いに独立して設けられている(各開口部41に対応するように選択的に設けられている)。このように、複数個の光拡散部5が互いに独立して設けられていると、光の利用効率を特に優れたものとすることができるとともに、スクリーンに投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。より詳しく説明すると、複数個の光拡散部5が互いに独立して設けられていると、光拡散部5内に入射した光(光子)が拡散材51と過剰に衝突することにより消光が著しくなったり、マイクロレンズ32で集光された光(光子)が、再び光の入射側に戻ってくるのをより効果的に防止しつつ、光拡散部5に入射した光を出射側に拡散させることができる。その結果、光の利用効率を特に優れたものとすることができるとともに、透過型スクリーン10(透過型スクリーン用部材1)の視野角特性を優れたものとすることができる。また、複数個の光拡散部5が互いに独立して設けられていると、隣接する光拡散部5−光拡散部5間に、ブラックマトリックス4が、光拡散部5に被覆されていない領域を有するものとなる。これにより、ブラックマトリックス(遮光層)4の機能をより効果的に発揮させることができ、スクリーンに投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
透過型スクリーン用部材1を平面視したときの、マイクロレンズ32が形成されている有効領域において、光拡散部5が占める面積の割合は、5〜99%であるのが好ましく、5〜95%であるのがより好ましく、30〜70%であるのがさらに好ましい。光拡散部5が占める面積(投影面積)の割合が前記範囲内の値であると、透過型スクリーンの視野角特性、光利用効率を、さらに優れたものとすることができるとともに、投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。これに対し、光拡散部5が占める面積の割合が前記下限値未満であると、光拡散部5に入射した光を十分に拡散させるのが困難となり、十分な視野角特性を得るのが困難になる可能性がある。また、光拡散部5が占める面積の割合が前記上限値を超えると、光拡散部5内部での消光が発生し易くなり、光の利用効率が低下する。また、光拡散部5が占める面積の割合が前記上限値を超えると、光の利用効率が低下するとともに、光の出射側から平面視したときの、ブラックマトリックス4の表面のうち、光拡散部5で覆われている領域の占める割合が大きくなるため、スクリーンに投影される画像のコントラストが低下する傾向を示す。このように、開口部41の面積と、各開口部41に対応するように形成された光拡散部5の投影面積とは、ほぼ等しいものである(ブラックマトリック4を覆う部分の面積が少ない)のが好ましい。より具体的には、透過型スクリーン用部材1を(図2で示した方向から)平面視したときの、マイクロレンズ32が形成されている有効領域において、開口部41が占める面積(投影面積)の割合をA[%]、光拡散部5が占める面積(投影面積)の割合をC[%]としたとき、0.2≦A/C≦1.5の関係を満足するのが好ましく、0.5≦A/C≦1.2の関係を満足するのがより好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。また、後述するような方法(本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法)によれば、このような条件を満足する透過型スクリーン用部材1を比較的容易に得ることができる。
前述したように、本実施形態においては、マイクロレンズ32の焦点fは、ブラックマトリックス4よりも出射側に位置するように設計されているが、マイクロレンズ32の焦点fは、透過型スクリーン用部材1の主面に垂直な方向での、光拡散部5のほぼ中央部であるのが好ましい。これにより、光拡散部5内に入射した光を、適度な頻度で拡散材51に衝突させることができるため、光拡散部5内に入射した光が、消光するのをより効果的に防止しつつ、前記光を効率よく拡散させることができる。したがって、透過型スクリーン用部材1(透過型スクリーン10)の光利用効率を、さらに優れたものとすることができる。また、光拡散部5で反射した光は、光拡散部5の周囲に拡散するので、より広い視野角を得ることができる。
光拡散部5(突出部)の頂部は、各マイクロレンズの光軸に対応しているのが好ましい。これにより、マイクロレンズ32で集光された光が、光拡散部5によってほぼ等方的に拡散し、良好な視野角特性を得ることができる。
また、光拡散部5の高さ(透過型スクリーン用部材1の主面に垂直な方向での長さ)hは、2〜450μmであるのが好ましく、2〜250μmであるのがより好ましく、5〜50μmであるのがさらに好ましい。これにより、光拡散部5で反射した光が入射側に戻ることによる消光が確実に防止され、高い光利用効率を得ることができる。
次に、上述したような透過型スクリーン用部材1を備えた透過型スクリーン10について説明する。
図3に示すように、透過型スクリーン10は、フレネルレンズ部2と、前述した透過型スクリーン用部材1とを備えている。フレネルレンズ部2は、光(画像光)の入射側に設置されており、フレネルレンズ部2を透過した光が、透過型スクリーン用部材1に入射する構成になっている。
フレネルレンズ部2は、出射側表面に、ほぼ同心円状に形成されたプリズム形状のフレネルレンズ21を有している。このフレネルレンズ部2は、投射レンズ(図示せず)からの画像光を屈折させ、透過型スクリーン用部材1の主面の垂直方向に平行な平行光Laにするものである。
以上のように構成された透過型スクリーン10では、投射レンズからの映像光が、フレネルレンズ部2によって屈折し、平行光Laとなる。そして、この平行光Laは、マイクロレンズ基板3の各マイクロレンズ32によって集光され、ブラックマトリックス4の各開口部41を通過して、光拡散部5に入射する。光拡散部5に入射した光は、当該光拡散部5のほぼ中央部で焦点fを結ぶとともに拡散し、観察者に平面画像として観測される。
次に、前述した透過型スクリーン用部材1の製造方法の一例について説明する。
図4は、マイクロレンズ基板の製造に用いるマイクロレンズ用凹部付き基板(凹部付き基板)を示す模式的な縦断面図、図5は、図4に示すマイクロレンズ用凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。図6〜図8は、図1に示す透過型スクリーン用部材の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図6〜図8中の下側を「(光の)入射側」、上側を「(光の)出射側」と言う。
まず、本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法の説明に先立ち、マイクロレンズ基板の製造に用いることのできるマイクロレンズ用凹部付き基板の構成およびその製造方法について説明する。
図4に示すように、マイクロレンズ用凹部付き基板6は、ランダムに配された複数個の凹部(マイクロレンズ用凹部)61を有している。
そして、このようなマイクロレンズ用凹部付き基板6を用いることにより、前述したような、マイクロレンズ32がランダムに配されたマイクロレンズ基板3を得ることができる。
本明細書中において「光学的にランダム」とは、モアレ等の光学的干渉の発生が十分に防止・抑制される程度に、マイクロレンズの配置が不規則で、乱れていることを意味する。
次に、マイクロレンズ用凹部付き基板の製造方法について、図5を参照しながら説明する。なお、実際には基板上に多数のマイクロレンズ用凹部を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
まず、マイクロレンズ用凹部付き基板6を製造するに際し、基板7を用意する。
この基板7は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基板7は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
基板7の材料としてはソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられるが、中でも、ソーダガラス、結晶性ガラス(例えば、ネオセラム等)、無アルカリガラスが好ましい。ソーダガラス、結晶性ガラス、無アルカリガラスは、加工が容易であるとともに、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
<A1>図5(a)に示すように、用意した基板7の表面に、マスク8を形成する(マスク形成工程)。また、これとともに、基板7の裏面(マスク8を形成する面と反対側の面)に裏面保護膜89を形成する。もちろん、マスク8および裏面保護膜89は同時に形成することもできる。
マスク8は、レーザ光の照射等により、後述する初期孔81を形成することができるとともに、後述するエッチング工程におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、マスク8は、エッチングレートが、基板7と略等しいか、または、基板7に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、このマスク8を構成する材料としては、例えばCr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。また、マスク8を、Cr/Auや酸化Cr/Crのように異なる材料からなる複数の層の積層構造としてもよい。
マスク8の形成方法は特に限定されないが、マスク8をCr、Au等の金属材料(合金を含む)や金属酸化物(例えば酸化Cr)から構成する場合、マスク8は、例えば、蒸着法やスパッタリング法等により、好適に形成することができる。また、マスク8をシリコンから構成する場合、マスク8は、例えば、スパッタリング法やCVD法等により、好適に形成することができる。
マスク8が主として酸化CrまたはCrで構成されるものである場合、後述する初期孔形成工程において初期孔81を容易に形成することができるとともに、後述するエッチング工程においては基板7をより確実に保護することができる。また、マスク8が主として酸化CrまたはCrで構成されたものであると、例えば、後述するエッチング工程において、エッチング液として一水素二フッ化アンモンを用いることができる。一水素二フッ化アンモンは毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響をより確実に防止することができる。
マスク8の厚さは、マスク8を構成する材料によっても異なるが、0.01〜2.0μm程度が好ましく、0.03〜0.2μm程度がより好ましい。厚さが前記下限値未満であると、後述する初期孔形成工程において形成される初期孔81の形状が歪んでしまう可能性がある。また、後述するエッチング工程でウェットエッチングを施す際に、基板7のマスクした部分を十分に保護できない可能性がある。一方、上限値を超えると、後述する初期孔形成工程において、貫通する初期孔81を形成するのが困難になるほか、マスク8の構成材料等によっては、マスク8の内部応力によりマスク8が剥がれ易くなる場合がある。
裏面保護膜89は、次工程以降で基板7の裏面を保護するためのものである。この裏面保護膜89により、基板7の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護膜89は、例えば、マスク8と同様の材料で構成されている。このため、裏面保護膜89は、マスク8の形成と同時に、マスク8と同様に設けることができる。
<A2>次に、図5(b)に示すように、マスク8に、後述するエッチングの際のマスク開口となる、複数個の初期孔81をランダムに形成する(初期孔形成工程)。
初期孔81は、いかなる方法で形成されるものであってもよいが、物理的方法またはレーザ光の照射により形成されるのが好ましい。これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板を生産性良く製造することができる。特に、大面積のマイクロレンズ用凹部付き基板にも簡単に凹部を形成することができる。
初期孔81を形成する物理的方法としては、例えば、ショットブラスト、サンドブラスト等のブラスト処理、エッチング、プレス、ドットプリンタ、タッピング、ラビング等の方法が挙げられる。ブラスト処理により初期孔81を形成する場合、比較的大きい面積(マイクロレンズ32を形成すべき領域の面積)の基板7でも、より短時間で効率良く、初期孔81を形成することができる。
また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、使用するレーザ光の種類は、特に限定されないが、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。また、各レーザのSHG、THG、FHG等の波長を使っても良い。レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、形成される初期孔81の大きさや、隣接する初期孔81同士の間隔等を容易かつ精確に制御することができる。また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、その照射条件を制御することにより、後述するような初期凹部71を形成することなく初期孔81のみを形成したり、初期孔81とともに、形状、大きさ、深さのバラツキの小さい初期凹部71を、容易かつ確実に形成することができる。
形成された初期孔81は、マスク8の全面に亘って偏りなく形成されているのが好ましい。また、形成された初期孔81は、後述する工程<A3>でウェットエッチングを施した際に、基板7の表面の平らな面がなくなり、ほぼ隙間なく凹部61が形成される程度に、小さい孔がある程度の間隔で配されているのが好ましい。
具体的には、例えば、形成された初期孔81の平面視での形状は、略円形であり、その平均径(直径)は、2〜10μmであるのが好ましい。また、初期孔81は、マスク8上に1,000〜1,000,000個/cmの割合で形成されているのが好ましく、10,000〜500,000個/cmの割合で形成されているのがより好ましい。なお、初期孔81の形状は、略円形に限定されないことは言うまでもない。
また、マスク8に初期孔81を形成するとき、図5(b)に示すように、マスク8だけでなく基板7の表面の一部も同時に除去し、初期凹部71を形成してもよい。これにより、後述するエッチング工程でエッチングを施す際に、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。また、この初期凹部71の深さの調整により、凹部61の深さ(レンズの最大厚さ)を調整することもできる。初期凹部71の深さは、特に限定されないが、5μm以下とするのが好ましく、0.1〜0.5μm程度とするのがより好ましい。なお、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、初期孔81とともに形成される複数個の初期凹部71について、深さのバラツキをより確実に小さくすることができる。これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板6を構成する各凹部61の深さのバラツキも小さくなり、最終的に得られるマイクロレンズ基板3の各マイクロレンズ32の大きさ、形状のバラツキも小さくなる。その結果、各マイクロレンズ32の直径、焦点距離、レンズ厚さのバラツキを特に小さくさせることができ、後述する工程において、ブラックマトリックス4の開口部41や光拡散部5を好適に形成することができる。
また、形成されたマスク8に対して物理的方法またはレーザ光の照射で初期孔81を形成するだけでなく、例えば、基板7にマスク8を形成する際に、予め基板7上に所定パターンで異物を配しておき、その上にマスク8を形成することでマスク8に積極的に欠陥を形成し、当該欠陥を初期孔81としてもよい。
このように、物理的な方法またはレーザ光の照射でマスク8に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってマスクに開口部を形成する場合に比べて、簡単かつ安価にマスク8に開口部(初期孔81)をランダムに形成することができる。また、物理的な方法またはレーザ光の照射によれば、大きな基板に対する処理も容易に行うことができる。
<A3>次に、図5(c)に示すように、初期孔81が形成されたマスク8を用いて基板7にエッチングを施し、基板7上に多数の凹部61をランダムに形成する(エッチング工程)。
エッチングの方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
初期孔81が形成されたマスク8で被覆された基板7に対して、エッチング(ウェットエッチング)を施すことにより、図5(c)に示すように、基板7は、マスク8が存在しない部分より食刻され、基板7上に多数の凹部61が形成される。上述したように、マスク8に形成された初期孔81がランダムなものであるため、形成される凹部61は、基板7の表面にランダムに配置されたものとなる。
また、本実施形態では、工程<A2>でマスク8に初期孔81を形成した際に、基板7の表面に初期凹部71を形成している。これにより、エッチングの際、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。
また、ウェットエッチング法を用いると、凹部61を好適に形成できる。そして、エッチング液として、例えば、フッ酸(フッ化水素)を含むエッチング液(フッ酸系エッチング液)を用いると、基板7をより選択的に食刻することができ、凹部61を好適に形成することができる。
マスク8が主としてCrで構成されたものである場合、フッ酸系エッチング液としては、フッ化アンモン溶液(一水素二フッ化アンモニウム溶液)が特に好適である。フッ化アンモン溶液(4wt%以下)は毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響を防止することができる。また、エッチング液として、フッ化アンモン溶液を用いる場合、該エッチング液中には、例えば、過酸化水素が含まれていてもよい。これにより、エッチングスピードをより速くすることができる。
また、ウェットエッチングによれば、ドライエッチングに比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基板に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価にマイクロレンズ用凹部付き基板6を提供することができる。
<A4>次に、図5(d)に示すように、マスク8を除去する(マスク除去工程)。また、この際、マスク8の除去とともに、裏面保護膜89も除去する。
マスク8が主としてCrで構成されたものである場合、マスク8の除去は、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む混合物を用いたエッチングにより行うことができる。
以上により、図5(d)および図4に示すように、基板7上に多数の凹部61がランダムに形成されたマイクロレンズ用凹部付き基板6が得られる。
凹部61は、比較的緻密に形成されているのが好ましい。具体的には、マイクロレンズ用凹部付き基板6を平面視したときに、凹部61が形成されている有効領域において、凹部61が占める面積の割合が90%以上であるのが好ましく、96%以上であるのがより好ましい。これにより、前述したようなマイクロレンズ基板3を好適に得ることができる。
基板7上にランダムな凹部61を形成する方法は、特に限定されないが、上述したような方法(物理的方法またはレーザ光の照射によりマスク8に初期孔81を形成し、その後、そのマスク8を用いてエッチングを行うことにより、基板7上に凹部61を形成する方法)により形成した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、物理的な方法またはレーザ光の照射によりマスク8に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってマスクに開口部を形成する場合に比べて簡単かつ安価にマスク8に所定パターンで開口部(初期孔81)を形成することができる。これにより生産性が向上し、安価にマイクロレンズ用凹部付き基板6を提供することができる。
また、上述したような方法によれば、大型の基板に対する処理も容易に行うことができる。大型の基板を製造する場合に、従来のように複数の基板を貼り合わせる必要がなくなり、貼り合わせの継ぎ目をなくすことができる。これにより高品質の大型マイクロレンズ用凹部付き基板(マイクロレンズ基板)を簡便な方法で安価に製造することができる。
さらに、工程<A4>でマスク8を除去した後、基板7上に新しいマスクを形成し、マスク形成−初期孔形成−ウェットエッチング−マスク除去の一連の工程を繰り返して行ってもよい。これにより、凹部61が緻密に形成されたマイクロレンズ用凹部付き基板6を得ることができる。
次に、本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法の一例として、上述したマイクロレンズ用凹部付き基板6を用いて、透過型スクリーン用部材1を製造する方法について説明する。
<B1>まず、図6(a)に示すように、マイクロレンズ用凹部付き基板6の凹部61が形成された側の面に、未重合(未硬化)の樹脂33を付与する。本実施形態では、本工程において、マイクロレンズ用凹部付き基板6の凹部61が形成されていない領域に、スペーサー9を配しておき、樹脂33を平板11で押圧する構成になっている。これにより、形成されるマイクロレンズ基板3の厚さをより確実に制御することができ、最終的に得られる透過型スクリーン用部材1での、マイクロレンズ32の焦点の位置を、より確実に制御することができる
本実施形態のように、スペーサー9を用いる場合、スペーサー9の形状は特に限定されないが、略球状、略円柱状であるのが好ましい。スペーサー9がこのような形状のものである場合、その直径は、10〜300μmであるのが好ましく、30〜200μmであるのがより好ましく、30〜170μmであるのがさらに好ましい。
なお、樹脂33の付与、平板11での押圧に先立ち、マイクロレンズ用凹部付き基板6の凹部61が形成されている側の面や、平板11の樹脂33を押圧する側の面に離型剤を塗布しておいてもよい。これにより、後述する工程において、マイクロレンズ用凹部付き基板6や平板11から、マイクロレンズ基板3を容易かつ確実に分離(剥離)することができる。
<B2>次に、樹脂33を硬化(重合)させ、その後、平板11を取り除く(図6(b)参照)。これにより、樹脂層31と、凹部61に充填された樹脂で構成され、凸レンズとして機能するマイクロレンズ32とを備えたマイクロレンズ基板3が得られる。
樹脂33を硬化(重合)させる方法は、特に限定されず、例えば、紫外線等の光の照射、電子線の照射、加熱等の方法が挙げられる。
<B3>次に、上記のようにして作製されたマイクロレンズ基板3の出射側表面に、ブラックマトリックス4を形成する。
まず、図6(c)に示すように、マイクロレンズ基板3の出射側表面に、ポジ型のフォトポリマーを含み、遮光性を有する第1の材料を付与し、第1の層42を形成する。マイクロレンズ基板3表面への第1の材料の付与方法としては、例えば、ディップコート、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法等を用いることができる。第1の材料は、遮光性を有する樹脂(フォトポリマー)で構成されたものであってもよいし、(遮光性の低い)樹脂材料に、遮光性の材料が分散または溶解したものであってもよい。第1の材料の付与後(第1の層42の形成後)、必要に応じて、例えば、プレベーク処理等の熱処理を施してもよい。
<B4>次に、図7(d)に示すように、マイクロレンズ基板3に、入射側表面に対して垂直方向の露光用光Lbを照射する。照射された露光用光Lbは各マイクロレンズ32を通過することによって集光する。これにより、マイクロレンズ32の焦点f近傍の(集光された光が入射した部位の)第1の層42が露光され、それ以外の部分の第1の層42は露光されないか、または露光量が少なくなり、焦点f近傍の第1の層42(ポジ型のフォトポリマー)のみが感光する。
その後、現像を行う。ここで、この第1の層42はポジ型のフォトポリマーを含むものであるので、感光した焦点f近傍の第1の層42が現像により溶解、除去される。その結果、図7(e)に示すように、マイクロレンズ32の光軸Lに対応する部分に開口部41が形成されたブラックマトリックス4が形成される。現像の方法は、第1の材料の組成(第1の層の構成材料)等により異なるが、例えば、KOH水溶液等のアルカリ性溶液を用いて行うことができる。
また、現像後、必要に応じて、例えば、ポストベーク処理等の熱処理を施してもよい。
<B5>次に、このようにして形成されたブラックマトリックス4の開口部41に対応する部分に、光拡散部5を形成する。
まず、図7(f)に示すように、ブラックマトリックス4が形成された側の面に、第2の材料を付与し、第2の層53を形成する。第2の材料は、少なくとも、ネガ型のフォトポリマーを含むものであり、本実施形態では、フォトポリマー52中に拡散材51が分散されたものである。第2の材料の付与方法としては、例えば、ディップコート、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法等を用いることができる。
ネガ型のフォトポリマー52としては、例えば、CSP−SO25(フジフイルムアーチ株式会社製)等を用いることができる。
また、拡散材51としては、例えば、微粒子状(ビーズ状)のシリカ、ガラス、樹脂等を用いることができる。拡散材51の平均粒径は、特に限定されないが、1〜50μmであるのが好ましく、2〜10μmであるのがより好ましい。第2の材料の付与後(第2の層53の形成後)、必要に応じて、例えば、プレベーク処理等の熱処理を施してもよい。
<B6>次に、図8(g)に示すように、マイクロレンズ基板3に、入射側表面に対して垂直方向の露光用光Lcを照射する。照射された露光用光Lcは各マイクロレンズ32を通過することによって集光し、各マイクロレンズ32の光軸Lに対応する位置で焦点fを結ぶ。これにより、この焦点f近傍の第2の層53が露光され、それ以外の部分の第2の層53は露光されないか、または露光量が少なくなり、焦点f近傍の第2の層53(フォトポリマー52)のみが感光する。
その後、現像を行う。ここで、フォトポリマー52はネガ型であるので、感光した焦点f近傍以外のフォトポリマー52が現像によって溶解、除去される。その結果、図8(h)に示すように、マイクロレンズ32の光軸Lに対応する部分、すなわちブラックマトリックス4の開口部41に対応した部分に光拡散部5が形成される。
このように、本発明では、レンズ部(マイクロレンズ)により集光された光を、ネガ型のフォトポリマーを含む材料で構成された第2の層に照射し、前記集光された光により露光された部位が残存するように現像処理することにより、光拡散部を形成する点に特徴を有する。これにより、視野角特性、光利用効率に優れた透過型スクリーン(透過型スクリーン用部材)を、容易かつ確実に得ることができる。より詳しく説明すると、レンズ部により集光された光を用いて露光を行うことにより、遮光層(ブラックマトリックス)の開口部に対応する部位に、選択的に光拡散層を形成することができる。その結果、得られる透過型スクリーン(透過型スクリーン用部材)において、光拡散部内での消光等を効果的に防止しつつ、レンズ部で集光された光を出射側に、効率よく拡散させることができ、視野角特性、光利用効率を優れたものとすることができる。また、本発明によれば、図示の構成のように、開口部41に対応する部分が光の出射側に突出する突出部となるように、光拡散部5を容易かつ確実に形成することができる。また、本発明によれば、図示の構成のように、複数個の光拡散部5が互いに独立するように、各開口部41に対応する部位に、容易かつ確実に形成することができる。
なお、現像後、必要に応じて、例えば、ポストベーク処理等の熱処理を施してもよい。
また、マイクロレンズ基板3に露光用光を照射する際、例えば、露光用光の光源とマイクロレンズ基板3との位置関係を経時的に変化させてもよい。すなわち、露光用光を照射しつつ、光源とマイクロレンズ基板3とを相対的に移動させてもよい。これにより、例えば、形成すべき光拡散部5が比較的大きい場合であっても、効率よく光拡散部5を形成することができる。
<B7>その後、マイクロレンズ用凹部付き基板6を取り外すことにより、透過型スクリーン用部材1が得られる(図8(i)参照)。このように、マイクロレンズ用凹部付き基板6を取り外すことにより、マイクロレンズ用凹部付き基板6を、透過型スクリーン用部材1の製造に繰り返し使用することができ、製造コスト面や製造される透過型スクリーン用部材1の品質の安定性の面から好ましい。
なお、マイクロレンズ用凹部付き基板6は、必ずしも取り外さなくてもよい。言い換えると、透過型スクリーン10は、マイクロレンズ用凹部付き基板6を備えたものであってもよい。
以上、説明したように、本実施形態の製造方法では、ブラックマトリックスと光拡散部とを、フォトポリマーにマイクロレンズによって集光させた露光用光を照射することによって形成するので、開口部41を有するブラックマトリックス(遮光層)4および光拡散部5を効率よく形成することができるとともに、開口部41および光拡散部5を優れた位置精度で選択的に形成する(設ける)ことができる。したがって、得られる透過型スクリーン用部材1(透過型スクリーン10)は、視野角特性、光利用効率に優れたものとなる。また、上記のような方法によれば、隣接する突出部−突出部間に光拡散部5の高さが比較的低い領域または光拡散部5が形成されていない領域(隣接する光拡散部5−光拡散部5間に光拡散部5が形成されていない領域)を設けることができる。これにより、ブラックマトリックス(遮光層)4の機能をより効果的に発揮させることができ、スクリーンに投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ基板3の各マイクロレンズ32が、ほぼ等しい曲率半径を有している場合、各マイクロレンズ32によって集光された光は、ほぼ同一面上で焦点を結ぶ。したがって、露光用光をマイクロレンズの入射側表面に一様に照射することにより、ブラックマトリックス(遮光層)の開口部、および光拡散部をほぼ同一の寸法で形成することができる。
以下、前記透過型スクリーンを用いたリア型プロジェクタについて説明する。
図9は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン10とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、その透過型スクリーン10として、上述した視野角特性、光利用効率に優れた透過型スクリーン10を用いているので、表示品質の良い優れたリア型プロジェクタとなる。
また、特に、前述した透過型スクリーン用部材1では、マイクロレンズ32がランダム(光学的にランダム)に配されているので、リア型プロジェクタ300では、モアレ等の問題が極めて発生し難い。
以上、本発明の透過型スクリーン用部材の製造方法、透過型スクリーン用部材、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、透過型スクリーン用部材、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ(レンズ部)32がブラックマトリックス(遮光層)4より光の出射側で焦点を結ぶものとして説明したが、レンズ部の焦点は、例えば、遮光層より光の入射側であってもよい(図10参照)。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ基板(レンズ基板)3として、マイクロレンズ用凹部付き基板6を用いて製造されたものを用いるものとして説明したが、レンズ基板としては、いかなるもの(いかなる方法で製造されたもの)を用いてもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ用凹部付き基板の製造方法の初期孔形成工程において、初期孔81とともに、基板7に初期凹部71を形成するものとして説明したが、このような初期凹部71は形成されなくてもよい。初期孔81の形成条件(例えば、レーザのエネルギー強度、ビーム径、照射時間等)を適宜調整することにより、所望の形状の初期凹部71を形成したり、初期凹部71が形成されないように初期孔81のみを選択的に形成することができる。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ用凹部付き基板6を、マイクロレンズ基板3に密着させた状態で、ブラックマトリックス(遮光層)4、光拡散部5を形成するものとして説明したが、ブラックマトリックス(遮光層)4、光拡散部5は、例えば、マイクロレンズ基板3からマイクロレンズ用凹部付き基板6を取り外した状態で形成されるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズは、平面視したときの形状が略円形であるものとして説明したが、マイクロレンズの形状はこのようなものに限定されない。
また、前述した実施形態では、透過型スクリーンが、透過型スクリーン用部材とフレネルレンズとを備えるものとして説明したが、本発明の透過型スクリーンは、必ずしも、フレネルレンズを備えたものでなくてもよい。例えば、本発明の透過型スクリーンは、実質的に、本発明の透過型スクリーン用部材のみで構成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、光拡散部全体が突出部として形成されたもの、すなわち、光拡散部が実質的に突出部のみで構成されているものとして説明したが、光拡散部は、突出部以外の領域を有するものであってもよい(図10参照)。
また、前述した実施形態では、光拡散部5の形成後に、マイクロレンズ用凹部付き基板6を取り外すものとして説明したが、マイクロレンズ用凹部付き基板6は、ブラックマトリックス4や光拡散部5の形成前に取り除かれるものであってもよいし、マイクロレンズ基板3から取り除かれずに、透過型スクリーン10に内蔵されるものであってもよい。
(実施例1)
以下のように、マイクロレンズ用の凹部を備えたマイクロレンズ用凹部付き基板を製造し、このマイクロレンズ用凹部付き基板を用いてマイクロレンズ基板を製造した。
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、厚さ0.03μmのCr膜を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、Cr膜のマスクおよび裏面保護膜を形成した。
次に、マスクに対してレーザ加工を行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成した。
なお、レーザ加工は、YAGレーザを用いて、エネルギー強度1mW、ビーム径3μm、照射時間60×10−9秒という条件で行った。
これにより、マスクの上記範囲全面に亘って、ランダムなパターンで初期孔が形成された。初期孔の平均径は5μmであり、初期孔の形成密度は40,000個/cmであった。
また、この際、ソーダガラス基板の表面に深さ0.1μmの凹部および変質層も形成した。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の凹部を形成した。形成された多数の凹部は、互いにほぼ同一の曲率半径(35μm)を有するものであった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は5時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
これにより、ソーダガラス基板上に、マイクロレンズ用の多数の凹部がランダムに形成されたウエハー状のマイクロレンズ用凹部付き基板を得た。得られた凹部付き基板を平面視したときに、凹部が形成されている有効領域において、凹部が占める面積の割合が97%であった。また、マイクロレンズ用凹部付き基板の任意の近接した2点間(凹部−凹部間)の距離を多数とり、それらから標準偏差を求めた。このようにして求められた標準偏差は、それらの平均の35%であった。
次に、上記のようにして得られたマイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成された側の面に、離型剤(GF−6110)を付与し、さらに、未重合(未硬化)の紫外線硬化性樹脂(V−2403(新日鐵化学株式会社製))を付与した。この際、前記面のマイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成されていない領域(非有効レンズ領域)に、略球形状のスペーサー(直径150μm)を配しておいた。
次に、無アルカリガラスで構成された平板で、前記紫外線硬化性樹脂を押圧した。この際、平板と紫外線硬化性樹脂との間に、空気が侵入しないようにした。また、平板としては、紫外線硬化性樹脂を押圧する側の面に離型剤(GF−6110)が塗布されたものを用いた。
その後、平板上から、10000mJ/cmの紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、マイクロレンズ基板を得た。得られたマイクロレンズ基板(硬化後の樹脂)の屈折率は、1.5であった。また、得られたマイクロレンズ基板の樹脂層の厚さは40μm、マイクロレンズの曲率半径は35μm、マイクロレンズの直径は70μmであった。また、得られたマイクロレンズ基板を平面視したときに、マイクロレンズが形成されている有効領域において、マイクロレンズが占める面積(投影面積)の割合は97%であった。
次に、平板を取り除いた。
次に、マイクロレンズ基板の出射側(マイクロレンズが形成されている面とは反対側の面)表面に、遮光性材料(カーボンブラック)と、ポジ型のフォトポリマー(PC405G:JSR株式会社製)とを含む第1の材料を、ロールコーターにより付与することにより、第1の層を形成した。第1の材料中における遮光性材料の含有量は、20wt%であった。
次に、90℃×30分のプレベーク処理を施した。
次に、マイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成されている側の面とは反対側の面から、80mJ/cmの平行光としての紫外線を照射した。これにより、照射した紫外線は、各マイクロレンズで集光され、各マイクロレンズの焦点f近傍の第1の層(フォトポリマー)を選択的に露光した。
その後、0.5wt%のKOH水溶液を用いて、40秒の現像処理を施した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行い、さらに、200℃×30分のポストベーク処理を施した。これにより、各マイクロレンズに対応した開口部を有するブラックマトリックスが形成された。形成されたブラックマトリックスの厚さは2μm、開口部の直径は45μmであった。
その後、ブラックマトリックスが形成された側の面に、光拡散材(直径5μmのシリカビーズ)と、ネガ型のフォトポリマー(CSP−SO25(フジフイルムアーチ株式会社製))とを含む第2の材料を、ロールコーターにより付与することにより、第2の層を形成した。形成された第2の層の厚さは、10μmであった。第2の材料中における光拡散材の含有量は、25wt%であった。
次に、90℃×30分のプレベーク処理を施した。
次に、マイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成されている側の面とは反対側の面から、100mJ/cmの平行光としての紫外線を照射した。これにより、照射した紫外線は、各マイクロレンズで集光され、各マイクロレンズの焦点f近傍の第2の層(フォトポリマー)を選択的に露光した。
その後、現像液としてCD−2000(フジフイルムアーチ株式会社製)を用いて、40秒の現像処理を施した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行い、さらに、200℃×30分のポストベーク処理を施した。これにより、各開口部に対応する領域に凸状の光拡散部が形成された。形成された光拡散部の高さは5μmであった。なお、形成された光拡散部は、その全体が突出部となっており、この突出部の頂部より低い部位に平坦な部位(その表面が、マイクロレンズ基板の出射面と平行になる部位)を有するものではなかった。
その後、マイクロレンズ用凹部付き基板を取り外すことにより、透過型スクリーン用部材を得た。
このようにして得られた透過型スクリーン用部材では、マイクロレンズが形成されている側の面から平行光を入射したときの、マイクロレンズの焦点は、ブラックマトリックスの出射側の面より3μmだけ出射側の部位であった。また、透過型スクリーン用部材を平面視したときの、マイクロレンズが形成されている有効領域において、突出部として形成された光拡散部が占める面積(投影面積)の割合は、70%であった。また、透過型スクリーン用部材を平面視したときの、マイクロレンズが形成されている有効領域において、開口部が占める面積(投影面積)の割合は、50%であった。
以上のようにして製造された透過型スクリーン用部材と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、図3に示すような透過型スクリーンを得た。
(実施例2)
マスクおよび裏面保護膜を、酸化Cr膜として形成した以外は、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを製造した。なお、マスク、裏面保護膜は、スパッタリング法を用いて形成した。酸化Cr膜の厚さは0.03μmであった。
(実施例3)
マスクおよび裏面保護膜を、Cr/酸化Crの積層体(Crの外表面側に酸化Crが積層された積層体)として形成した以外は、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを製造した。なお、マスク、裏面保護膜は、スパッタリング法を用いて形成した。Cr層の厚さは0.02μm、酸化Cr層の厚さは0.02μmであった。
(実施例4)
マスクおよび裏面保護膜を、酸化Cr/Crの積層体(酸化Crの外表面側にCrが積層された積層体)として形成した以外は、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを製造した。なお、マスク、裏面保護膜は、スパッタリング法を用いて形成した。酸化Cr層の厚さは0.02μm、Cr層の厚さは0.02μmであった。
(比較例1)
前記実施例1において製造したマイクロレンズ用凹部付き基板を用いて、前記と同様の方法でマイクロレンズ基板を作製した。
次に、紫外線硬化性樹脂の押圧に用いた平板を取り除き、露出したマイクロレンズ基板の表面に、遮光性材料としてのカーボンブラックが、PC−403(JSR株式会社)中に分散した組成物をロールコーターにより付与し、その後、90℃×30分の熱処理を施すことにより、前記組成物を硬化させ、遮光性の被膜(遮光性被膜)を形成した。
その後、フォトリソグラフィ法を用いた(マイクロレンズ基板の遮光性被膜が形成された側の面から所定パターンの光を照射することによる)マスクの形成、エッチングを施し、その後、200℃×60分の熱処理を施し、前記組成物を硬化することにより、前記被膜の各マイクロレンズに対応する部位に開口部を有するブラックマトリックスを形成した。形成されたブラックマトリックスの厚さは2μm、開口部の直径は45μmであった。
次に、ブラックマトリックスが形成された側の面の全体に、拡散材(直径5μmのシリカビーズ)がCSP−S025中に分散した組成物をロールコーターにより付与し、その後、200℃×60分の熱処理を施すことにより、前記組成物を硬化させ、層状の光拡散部を形成した。形成された光拡散部(光拡散層)の厚さは6μmであった。
その後、マイクロレンズ用凹部付き基板を取り外すことにより、透過型スクリーン用部材を得た。
以上のようにして製造された透過型スクリーン用部材と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、透過型スクリーンを得た。
(比較例2)
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、厚さ0.03μmのCr膜を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、Cr膜のマスクおよび裏面保護膜を形成した。
次に、マスクに対してレーザ加工を行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の直線状の溝(孔)を、互いに平行になるように形成した。隣接する溝−溝間のピッチは、70μmであった。
なお、レーザ加工は、YAGレーザを用いて、エネルギー強度1mW、ビーム径3μm、照射時間60×10−9秒という条件で行った。次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に溝状の凹部を形成した。形成された凹部は、互いにほぼ同一の曲率半径(35μm)を有するものであった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は5時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
これにより、ソーダガラス基板上に、レンチキュラレンズ用の多数の凹部(溝部)が形成されたウエハー状のレンチキュラレンズ用凹部付き基板を得た。
次に、上記のようにして得られたレンチキュラレンズ用凹部付き基板の凹部が形成された側の面に、離型剤(GF−6110)を付与し、さらに、未重合(未硬化)の紫外線硬化性樹脂(V−2403(新日鐵化学株式会社製))を付与した。この際、前記面のレンチキュラレンズ用凹部付き基板の凹部が形成されていない領域に、略球形状のスペーサー(直径30μm)を配しておいた。
次に、無アルカリガラスで構成された平板で、前記紫外線硬化性樹脂を押圧した。この際、平板と紫外線硬化性樹脂との間に、空気が侵入しないようにした。また、平板としては、紫外線硬化性樹脂を押圧する側の面に離型剤(GF−6110)が塗布されたものを用いた。
その後、平板上から、10000mJ/cmの紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、レンチキュラレンズ基板を得た。得られたレンチキュラレンズ基板(硬化後の樹脂)の屈折率は、1.5であった。また、得られたレンチキュラレンズ基板の樹脂層の厚さは150μm、レンチキュラレンズの曲率半径は35μmであった。
次に、紫外線硬化性樹脂の押圧に用いた平板を取り除き、露出したレンチキュラレンズ基板の表面(レンチキュラレンズが形成されている側の面)に、遮光性材料としてのカーボンブラックが、PC−403(JSR株式会社)中に分散した組成物をロールコーターにより付与し、その後、200℃×60分の熱処理を施すことにより、前記組成物を硬化させ、遮光性の被膜(遮光性被膜)を形成した。
その後、フォトリソグラフィ法を用いた(レンチキュラレンズ基板の遮光性被膜が形成された側の面から所定パターンの光を照射することによる)マスクの形成、エッチングを施すことにより、前記被膜の各レンチキュラレンズに対応する部位に開口部を有するブラックストライプ(遮光層)を形成した。形成されたブラックストライプの厚さは2μm、開口部の幅は35μmであった。
次に、ブラックストライプが形成された側の面の全体に、拡散材(直径5μmのシリカビーズ)がCSP−SO25(フジフイルムアーチ株式会社製)中に分散した組成物をロールコーターにより付与し、その後、200℃×60分の熱処理を施すことにより、前記組成物を硬化させ、層状の光拡散部を形成した。形成された光拡散部(光拡散層)の厚さは40μmであった。
その後、レンチキュラレンズ用凹部付き基板を取り外すことにより、透過型スクリーン用部材を得た。
以上のようにして製造された透過型スクリーン用部材と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、透過型スクリーンを得た。
[透過型スクリーンの評価]
前記実施例1〜4および比較例1、2で作製された透過型スクリーンについて、光利用効率を測定した。光利用効率の測定は、積分球を使った分光光度計で、スクリーン無しの光量に対し、各実施例、各比較例のスクリーンを透過した光の量での比率を測定するという条件で行った。
その結果、実施例1〜4の透過型スクリーンでは、いずれも、70%という優れた光利用効率が得られた。これに対して、比較例1の透過型スクリーンでは55%、比較例2の透過型スクリーンでは52%の光利用効率しか得られなかった。
[リア型プロジェクタの作製および評価]
前記実施例1〜4および比較例1、2の透過型スクリーンを用いて、図9に示すようなリア型プロジェクタを、それぞれ作製した。
得られたリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた状態で、垂直方向および水平方向での視野角の測定を行った。
視野角の測定は、変角光度計(ゴニオフォトメータ)で、5度間隔で測定するという条件で行った。
その結果、実施例1で得られた透過型スクリーンを備えたリア型プロジェクタでは、垂直方向の視野角(光量が半分になる角度)が22°、水平方向の視野角が22°と、優れた視野角特性を有することが確認された。また、このリア型プロジェクタでは、明るい画像が表示され、モアレの発生は認められなかった。また、実施例2〜4で得られた透過型スクリーンを備えたリア型プロジェクタについても同様の結果が得られた。
これに対し、各比較例の透過型スクリーンを備えたリア型プロジェクタでは、満足な特性が得られなかった。
すなわち、比較例1で得られた透過型スクリーンを備えたリア型プロジェクタでは、垂直方向の視野角が18°、水平方向の視野角が18°であり、比較例2で得られた透過型スクリーンを備えたリア型プロジェクタでは、垂直方向の視野角が8°、水平方向の視野角が23°と、視野角特性に劣っていた。また、比較例1、2のリア型プロジェクタでは、本発明(実施例1〜4)のリア型プロジェクタに比べ、透過型スクリーンに投影された画像が暗かった。
本発明の透過型スクリーン用部材の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図1に示す透過型スクリーン用部材が備えるマイクロレンズ基板の平面図である。 図1に示す透過型スクリーン用部材を備えた本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 マイクロレンズ基板の製造に用いるマイクロレンズ用凹部付き基板を示す模式的な縦断面図である。 図4に示すマイクロレンズ用凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。 図1に示す透過型スクリーン用部材の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示す透過型スクリーン用部材の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示す透過型スクリーン用部材の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 本発明の透過型スクリーンを適用したリア型プロジェクタを模式的に示す図である。 本発明の透過型スクリーン用部材、透過型スクリーンの他の実施形態を示す模式的な縦断面図である。
符号の説明
1……透過型スクリーン用部材 2……フレネルレンズ部 21……フレネルレンズ 3……マイクロレンズ基板(レンズ基板) 31……樹脂層 32……マイクロレンズ(レンズ部) 33……樹脂 4……ブラックマトリックス(遮光層) 41……開口部 42……第1の層 5……光拡散部 51……拡散材 52……フォトポリマー 53……第2の層 6……マイクロレンズ用凹部付き基板 61……凹部 7……基板 71……初期凹部 8……マスク 81……初期孔 89……裏面保護膜 9……スペーサー 10……透過型スクリーン 11……平板 300……リア型プロジェクタ 310……投写光学ユニット 320……導光ミラー 340……筐体

Claims (20)

  1. 入射した光を集光する複数個のレンズ部を有するレンズ基板と、
    前記レンズ部より光の出射側に形成され、前記レンズ部を透過した光の光路上に開口部を有する遮光層と、
    前記レンズ部を透過した光を拡散させる機能を有する光拡散部とを備えた透過型スクリーン用部材の製造方法であって、
    前記レンズ部は、マイクロレンズであり、
    複数個の前記マイクロレンズは、前記レンズ基板の主面側から平面視したときに、ランダムな位置関係となるように形成されたものであり、
    前記レンズ部が形成されている側の面とは反対側の面に前記遮光層が形成された前記レンズ基板に対し、前記遮光層が形成された側の面に、ネガ型のフォトポリマーを含む第2の材料を付与し、第2の層を形成する工程と、
    前記レンズ基板のレンズ部が形成された面側から光を入射させ、前記レンズ部により集光された光を、前記第2の層に照射することにより、前記第2の層を露光する工程と、
    前記第2の層のうち、前記集光された光により露光された部位が残存するように現像処理し、前記光拡散部を形成する工程とを有することを特徴とする透過型スクリーン用部材の製造方法。
  2. 入射した光を集光する複数個のレンズ部を有するレンズ基板と、
    前記レンズ部より光の出射側に形成され、前記レンズ部を透過した光の光路上に開口部を有する遮光層と、
    前記レンズ部を透過した光を拡散させる機能を有する光拡散部とを備えた透過型スクリーン用部材の製造方法であって、
    前記レンズ部は、マイクロレンズであり、
    複数個の前記マイクロレンズは、前記レンズ基板の主面側から平面視したときに、ランダムな位置関係となるように形成されたものであり、
    前記レンズ基板の前記レンズ部が形成されている側の面とは反対側の面に、ポジ型のフォトポリマーを含む第1の材料を付与し、第1の層を形成する工程と、
    前記レンズ基板のレンズ部が形成された面側から光を入射させ、前記レンズ部により集光された光を、前記第1の層に照射することにより、前記第1の層を露光する工程と、
    前記第1の層のうち、前記集光された光により露光された部位を除去するように現像処理し、前記開口部を有する前記遮光層を形成する工程と、
    前記レンズ基板の前記遮光層が形成された側の面に、ネガ型のフォトポリマーを含む第2の材料を付与し、第2の層を形成する工程と、
    前記レンズ基板のレンズ部が形成された面側から光を入射させ、前記レンズ部により集光された光を、前記第2の層に照射することにより、前記第2の層を露光する工程と、
    前記第2の層のうち、前記集光された光により露光された部位が残存するように現像処理し、前記光拡散部を形成する工程とを有することを特徴とする透過型スクリーン用部材の製造方法。
  3. 前記レンズ部は、前記遮光層よりも光の出射側で焦点を結ぶように設計されたものである請求項1または2に記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  4. 前記開口部に対応する部分が光の出射側に突出する突出部となるように、前記光拡散部を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  5. 透過型スクリーン用部材を平面視したときの、前記レンズ部が形成されている有効領域において前記突出部が占める面積の割合が5〜99%である請求項4に記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  6. 前記遮光層の各開口部に対応する複数個の前記光拡散部を、これらが互いに独立するように形成する請求項1ないし5のいずれかに記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  7. 透過型スクリーン用部材を平面視したときの、前記レンズ部が形成されている有効領域において前記光拡散部が占める面積の割合が5〜99%である請求項1ないし6のいずれかに記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  8. 透過型スクリーン用部材の主面に垂直な方向での、前記光拡散部の長さが2〜450μmである請求項1ないし7のいずれかに記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  9. 前記レンズ部の焦点が、透過型スクリーン用部材の主面に垂直な方向での、前記光拡散部のほぼ中央部である請求項1ないし8のいずれかに記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  10. 前記レンズ部に対応する形状の凹部を有する凹部付き基板を用いて、前記レンズ基板を製造する請求項1ないし9のいずれかに記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  11. 前記レンズ基板を光の入射面側から平面視したときの、前記レンズ部が形成されている有効領域において、前記レンズ部が占める面積の割合が90%以上である請求項1ないし10のいずれかに記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  12. 複数個の前記マイクロレンズは、互いに曲率半径がほぼ等しいものである請求項1ないし11のいずれかに記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  13. 前記マイクロレンズの直径は10〜500μmである請求項1ないし12のいずれかに記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  14. 前記開口部の直径は、9〜500μmである請求項1ないし13のいずれかに記載の透過型スクリーン用部材の製造方法。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とする透過型スクリーン用部材。
  16. 請求項15に記載の透過型スクリーン用部材を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  17. 光の出射側にフレネルレンズが形成されたフレネルレンズ部と、
    前記フレネルレンズ部の光の出射側に配置された請求項15に記載の透過型スクリーン用部材とを備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  18. 請求項15に記載の透過型スクリーン用部材を備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
  19. 請求項16または17に記載の透過型スクリーンを備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
  20. 投射光学ユニットと、導光ミラーとを備えた請求項18または19に記載のリア型プロジェクタ。
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