JP5003069B2 - レンズ基板形成用型の製造方法 - Google Patents

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本発明は、レンズ基板形成用型の製造方法に関するものである。
スクリーン上に画像を投影する表示装置が知られている。このような表示装置としては、ホームシアター用モニター、大画面テレビ等に適用されるリア型プロジェクションTVが知られており、近年、その需要が高まりつつある。
近年、リア型プロジェクションTVは、ホームシアター用モニター、大画面テレビ等に好適なディスプレイとして、需要が高まりつつある。
リア型プロジェクションTVに用いられる透過型スクリーンには、レンチキュラレンズ等のレンズ部を備えたレンズ基板(レンズシート)が一般的に用いられている。
リア型プロジェクションTVに用いられる透過型スクリーンにおいては、表示画像のコントラストを向上させる目的で、レンズ基板のレンズ部による集光部以外の部位に、遮光部(ブラックマトリックス)を設けることがある。
このような遮光部の形成方法としては、例えば、レンズシートの平坦な表面に着色剤を含む感光性硬化型樹脂層からなる第1層を形成する工程と、第1の層上に、着色剤の含有量が第1層よりも少ない感光性硬化型樹脂層からなる第2層、および透光性基材を、この順に形成する工程と、レンズ部側から露光することにより、レンズ部による集光部にあたる箇所の少なくとも第1層をパターン状に硬化させる工程と、透光性基材側から全面露光することにより、透光性基材との界面近傍の第2層の全面を硬化させる工程と、レンズシートから、第2層およびレンズ部による集光部にあたる箇所がパターン状に硬化した第1層が重合接着した透光性基材を剥離することにより、レンズシートの平坦な表面では、レンズ部による集光部にあたる箇所の第1層を除去して光透過部(開口部)を形成し、レンズ部による非集光部にあたる箇所には第1層を残し、着色剤を含む感光性硬化型樹脂層からなる遮光部を形成する工程とを有する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなレンズの集光を利用してブラックマトリックスを形成する場合、レンズの焦点位置とブラックマトリックスの位置とを合わせる必要がある。
ところで、このようなレンズ基板は、一般に、多数の凹部を有する凹部付き基板を用いて製造される。この凹部付き基板の製造方法としては、所定パターンの開口を有するマスクを用いたエッチングにより製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、このような方法で得られた凹部付き基板では、半球面レンズしか形成することができず、また、マイクロレンズのように曲率半径が小さいレンズでは、球面収差が大きく、集光位置が明確でないため、レンズの焦点位置とブラックマトリックスの位置とを合わせるのが困難であった。また、集光されたように見える位置に合わせた場合、一応開口部が形成されるが、上記収差により、集光されていない光または既に集光されて拡散している光等が存在し、この光はこの開口部から外部に出ていくことができず、光の利用効率や視野角特性等の特性が低下するといった問題があった。
特開2002−258410号公報 特開平9−101401号公報
本発明の目的は、光の利用効率および視野角特性に優れたレンズ基板を形成することが可能なレンズ基板形成用型を提供すること、当該レンズ基板形成用型を効率良く製造することができる製造方法を提供すること、また、光の利用効率に優れたレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクションTVを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のレンズ基板形成用型の製造方法は、多数の凸レンズを有するレンズ基板の形成に用いるレンズ基板形成用型を製造する方法であって、
多数の球面形状の凹部を有する凹部付き部材を用意する凹部付き部材準備工程と、
前記凹部付き部材を型として用い、前記凹部付き部材の前記凹部の形状に対応する多数の球面形状の球面凸部を有する球面凸部付き部材を形成する球面凸部付き部材形成工程と、
前記球面凸部の一部を除去することにより、非球面形状の非球面凸部を形成し、非球面凸部付き部材を形成する非球面凸部付き部材形成工程と、
前記非球面凸部付き部材の前記非球面凸部が形成された側の表面に、導電膜を形成する工程と、
電鋳法により、前記導電膜の表面に、金属を電着させ、レンズ基板形成用型を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、光の利用効率および視野角特性に優れたレンズ基板を形成することが可能なレンズ基板形成用型を提供することができる。
本発明のレンズ基板形成用型の製造方法では、前記非球面凸部付き部材形成工程において、レーザ光の照射により前記凸部の一部を除去することが好ましい。
これにより、非球面形状の凸部を有する非球面凸部付き部材を容易に形成できるとともに、この非球面凸部付き部材を型として用いることにより、非球面形状の凹部を有するレンズ基板形成用型を容易に形成することができる。
本発明のレンズ基板形成用型の製造方法では、前記非球面凸部付き部材形成工程において、イオンビームの照射により前記凸部の一部を除去することが好ましい。
これにより、非球面形状の凸部を有する非球面凸部付き部材を容易に形成できるとともに、この非球面凸部付き部材を型として用いることにより、非球面形状の凹部を有するレンズ基板形成用型を容易に形成することができる。
本発明のレンズ基板形成用型の製造方法では、前記非球面凸部は、その断面の形状を下記式(I)で表したとき、A≧0.1で少なくともA≠0の関係を満足することが好ましい。
Figure 0005003069
これにより、球面収差を小さいものとすることができ、最終的に得られるレンズ基板は、視野角特性および光の利用効率に優れたものとなる。
以下、本発明のレンズ基板形成用型の製造方法、レンズ基板形成用型、レンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクションTVについて、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明において、「基板」とは、実質的に可撓性を有さない、比較的肉厚の大きいものから、シート状のものや、フィルム状のもの等の含む概念のことを指す。
本発明のレンズ基板の用途は、特に限定されないが、以下の説明では、レンズ基板を、主に、透過型スクリーン、リア型プロジェクションTVを構成する部材として用いるものとして説明する。
《レンズ基板および透過型スクリーン》
まず、本発明のレンズ基板形成用型の製造方法、レンズ基板形成用型の説明に先立ち、本発明のレンズ基板(凸レンズ基板)および透過型スクリーンの構成について説明する。
図1は、本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図、図2は、図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の平面図、図3は、図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)を備えた、本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、図3中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。また、本発明においては、特に断りのない限り、「(光の)入射側」、「(光の)出射側」とは、それぞれ、画像光(映像光)を得るための光の「入射側」、「出射側」のことを指し、外光等の「入射側」、「出射側」のことを指すものではない。
マイクロレンズ基板(レンズ基板)1は、後述する透過型スクリーン10を構成する部材であり、図1に示すように、所定のパターンで配列された複数個のマイクロレンズ(凸レンズ)21を備えた基板本体2と、遮光性を有する材料で構成されたブラックマトリックス(遮光膜)3とを備えている。
基板本体2は、後述する本発明のレンズ基板形成用型を用いて製造されたものであり、通常、透明性を有する材料で構成される。
基板本体2の構成材料は、特に限定されないが、主として樹脂材料で構成され、所定の屈折率を有する透明な材料で構成されている。
基板本体2を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
基板本体2の構成材料(固化した状態の材料)は、一般に、各種気体(マイクロレンズ基板1が用いられる雰囲気)より大きな絶対屈折率を有するものであるが、絶対屈折率の具体的な値は、1.4〜1.58であるのが好ましく、1.5〜1.56であるのがより好ましい。基板本体2の構成材料の絶対屈折率が前記範囲内の値であると、光(入射光)の利用効率を特に優れたものとしつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
マイクロレンズ基板1は、光の入射する面側に凸面を有する凸レンズとしてのマイクロレンズ21を複数個備えている。
マイクロレンズ21は、非球面形状を有している。マイクロレンズ21の形状が非球面形状であることにより、球面収差を小さいものとすることができ、マイクロレンズ基板1は、視野角特性および光の利用効率に優れたものとなる。
特に本実施形態では、マイクロレンズ21が、その断面の形状を下記式(I)で表したとき、A≧0.1で少なくともA≠0の関係を満足するのが好ましい。
Figure 0005003069
このような関係を満足することにより、球面収差を特に小さいものとすることができ、マイクロレンズ基板1の視野角特性および光の利用効率を特に優れたものとすることができる。
また、このとき、マイクロレンズ21の近軸曲率半径Rが下記式(II)であることに着目する。球面収差の補正負担の大部分を2次項(2次係数A)に負わせ、円錐定数A≧0.1の下で、基準球面の曲率半径R、非球面係数Aを適宜選択することにより、マイクロレンズ21の球面収差を制御し、光の集光状態を考慮し、マイクロレンズ21の形状を選択することができる。
Figure 0005003069
また、本実施形態において、マイクロレンズ(凸レンズ)21は、マイクロレンズ基板1を平面視した際の縦幅(鉛直方向の幅)が横幅(水平方向の幅)よりも小さい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。マイクロレンズ21がこのような形状を有することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
平面視したときのマイクロレンズ21の短軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、長軸方向(横方向)の長さをL[μm]としたとき、0.10≦L/L≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.50≦L/L≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.60≦L/L≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
平面視したときのマイクロレンズ21の短軸方向の長さ(マイクロレンズ21の縦幅)は、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。
また、平面視したときのマイクロレンズ21の長軸方向の長さ(マイクロレンズ21の横幅)は、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、75〜150μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。
また、マイクロレンズ21の中心部付近の曲率半径は、5〜250μmであるのが好ましく、15〜150μmであるのがより好ましく、25〜50μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の中心部付近の曲率半径が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。なお、マイクロレンズ21は、短軸方向についての曲率半径と、長軸方向の曲率半径が異なるものであってもよいが、このような場合、長軸方向の曲率半径が上記の範囲内の値であるのが好ましい。
また、マイクロレンズ21の高さは、5〜250μmであるのが好ましく、15〜150μmであるのがより好ましく、25〜100μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の高さが前記範囲内の値であると、光の利用効率および視野角特性を、特に優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ21の高さをH[μm]、マイクロレンズ21の短軸方向の長さをS[μm]としたとき、0.9≦S/H≦2.5の関係を満足するのが好ましく、1.0≦S/H≦1.8の関係を満足するのがより好ましく、1.2≦S/H≦1.6の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、これら複数個のマイクロレンズ21は、千鳥状(千鳥格子状)に配列している。このようにマイクロレンズ21が配列することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。これに対し、例えば、マイクロレンズが正方格子状等に配列したものであると、マイクロレンズ21の大きさ等によっては、モアレ等の不都合の発生を十分に防止することが困難となる場合がある。また、マイクロレンズをランダムに配した場合、マイクロレンズ21の大きさ等によっては、マイクロレンズが形成されている有効領域におけるマイクロレンズの占有率を十分に高めるのが困難となり、マイクロレンズ基板の光の透過率(光の利用効率)を十分に高めるのが困難となり、得られる画像が暗いものとなる可能性がある。
上記のように、本実施形態において、マイクロレンズ21は、マイクロレンズ基板1を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数のマイクロレンズ21で構成される第1の行25と、それに隣接する第2の行26とが、縦方向(マイクロレンズ21の短軸方向)に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止するとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
なお、マイクロレンズ21の配列方式は、上記のようなものに限定されず、例えば、正方格子状の配列であっても、光学的にランダムな配列(マイクロレンズ基板1の主面側から平面視したときに、各マイクロレンズ21が互いにランダムな位置関係となるように配されたもの)であってもよい。
また、マイクロレンズ基板1を光の入射面側(図2で示した方向)から平面視したときの、マイクロレンズ21が形成されている有効領域において、マイクロレンズ21の占有率は、90%以上であるのが好ましく、96%以上であるのがより好ましく、97〜99.5%であるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の占有率が前記範囲内の値であると、光利用効率をさらに向上させることができ、投影させる画像の輝度、コントラストを特に優れたものとすることができる。なお、マイクロレンズ21の占有率は、平面視したときのマイクロレンズ21の中心(頂部の中心)212と、当該マイクロレンズ21に隣接する、マイクロレンズ21が形成されていない部位の中心部とを結ぶ線分において、マイクロレンズ21が形成されている部位の長さL[μm]と、前記線分の長さL[μm]との比率(L/L×100[%])として求めることができる(図2参照)。
上記のように、マイクロレンズの形状や配列方式等を厳密に規定することにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止しつつ、視野角特性等を特に優れたものとすることができる。特に、マイクロレンズの形状や配列方式等を上記のように厳密に規定することにより、上記のような形状、配列方式のマイクロレンズを有することによる効果と、後に詳述するようなブラックマトリックス3を有することによる効果とが相乗的に作用し合い、特に優れた効果(例えば、特に優れた視野角特性、光利用効率等)が得られる。
また、各マイクロレンズ21は、後述するような方法を用いて形成されており、焦点fが、後述するブラックマトリックス(遮光膜)3に設けられた開口部(非遮光部)31の近傍に位置するように設計されている。すなわち、マイクロレンズ基板1に対して、ほぼ垂直な方向から入射した平行光La(後述するフレネルレンズ部6からの平行光La)は、マイクロレンズ基板1の各マイクロレンズ21によって集光され、ブラックマトリックス3の開口部31近傍で焦点fを結ぶ。このように、ブラックマトリックス3の開口部31の近傍でマイクロレンズ21が焦点を結ぶことにより、光の利用効率を特に優れたものとすることができる。その結果、マイクロレンズ基板を透過した光により形成される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
また、基板本体2の光の出射側の面には、ブラックマトリックス3が設けられている。ブラックマトリックス3は、遮光性を有する材料で構成され、膜状に形成されたものである。このようなブラックマトリックス3を有することにより、当該ブラックマトリックス3に、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収させることができ、スクリーンに投影される画像を、コントラストに優れたものとすることができる。特に、前述したようなレンズ面側遮光部4を有するとともに、ブラックマトリックス3を有することにより、マイクロレンズ基板1による画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
このようなブラックマトリックス3は、各マイクロレンズ21を透過した光の光路上に開口部31を有している。これにより、各マイクロレンズ21で集光された光を、効率良く、ブラックマトリックス3の開口部31を通過させることができる。その結果、マイクロレンズ基板1の光利用効率を高いものとすることができる。
開口部31は、ブラックマトリックス3の開口部31以外の部位で外光の反射を効果的に防止しつつ、画像形成用の光がブラックマトリックス3により吸収、反射されるのを十分に防止するような大きさで設けられている。なお、本発明において、「開口部」とは、遮光性を有する遮光膜において、光が透過することができる部位を指し、実質的に着色されていない材料(光透過性を有する材料)で充填されているような部位等も含む概念である。
ブラックマトリックス3の開口部31は、いかなる形状のものであってもよいが、平面視したときの形状が略円形であるのが好ましい。開口部31が略円形である場合、開口部31の大きさは、特に限定されないが、その直径が、5〜80μmであるのが好ましく、15〜60μmであるのがより好ましく、20〜50μmであるのがさらに好ましい。これにより、スクリーンに投影される画像を、よりコントラストに優れたものとすることができる。
また、ブラックマトリックス3の厚さ(平均厚さ)は、0.3〜8μmであるのが好ましく、0.6〜5μmであるのがより好ましく、0.8〜1.5μmであるのがさらに好ましい。ブラックマトリックス3の厚さが前記範囲内の値であると、ブラックマトリックス3の不本意な剥離、クラック等をより確実に防止しつつ、ブラックマトリックス3としての機能(すなわち、画像のコントラストを向上させる機能)をより効果的に発揮させることができ、例えば、マイクロレンズ基板1を備えた透過型スクリーン10において、投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
また、平面視したときの開口部31のブラックマトリックス3に対する面積比(開口率)は、60〜97%であるのが好ましく、70〜95%であるのがより好ましく、75〜90%であるのがさらに好ましい。開口率が前記範囲内の値であると、外光(例えば、光の入射側とは反対側から不本意に入射した外光等)が、出射側に反射するのを十分に低く抑えることができ、光の利用効率を特に優れたものとしつつ、映り込みを防止して、得られる画像のコントラストを特に優れたものとすることができるとともに、マイクロレンズ基板1の視野角特性を特に優れたものとすることができる。これに対し、開口率が前記下限値未満であると、光の利用効率、視野角特性を十分に優れたものとするのが困難となる可能性がある。また、開口率が前記上限値を越えると、外光反射を十分に低く抑えることが困難となり、映り込みを防止して、得られる画像のコントラストを十分に優れたものとするのが困難となる可能性がある。
本発明のマイクロレンズ基板(レンズ基板)は、後に詳述するような本発明のレンズ基板形成用型を用いて製造されたものであるため、光の利用効率に優れている。マイクロレンズ基板1の光の利用効率(マイクロレンズ基板1の入射面側から入射する光の光量に対する、出射面側から出射する光の光量の割合)は、60%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、80〜95%であるのがさらに好ましい。
次に、上述したようなマイクロレンズ基板1を備えた透過型スクリーン10について説明する。
図3に示すように、透過型スクリーン10は、フレネルレンズ部5と、前述したマイクロレンズ基板1とを備えている。フレネルレンズ部5は、光(画像光)の入射側に設置されており、フレネルレンズ部5を透過した光が、マイクロレンズ基板1に入射する構成になっている。
フレネルレンズ部5は、出射側表面に、ほぼ同心円状に形成されたプリズム形状のフレネルレンズ51を有している。このフレネルレンズ部5は、投射レンズ(図示せず)からの画像光を屈折させ、マイクロレンズ基板1の主面の垂直方向に平行な平行光Laにするものである。
以上のように構成された透過型スクリーン10では、投射レンズからの映像光が、フレネルレンズ部5によって屈折し、平行光Laとなる。そして、この平行光Laは、マイクロレンズ基板1のマイクロレンズ21が形成された面側から入射し、各マイクロレンズ21によって集光し、焦点を結んだ後に拡散する。開口部31を通過した光は、拡散し、観察者に平面画像として観測される。
《レンズ基板形成用型の製造方法》
次に、前述したマイクロレンズ基板1を製造するのに用いるレンズ基板形成用型の製造方法について説明する。
図4は、レンズ基板形成用型の製造に用いる凹部付き部材を示す模式的な縦断面図、図5は、図4に示す凹部付き部材の形成工程を示す模式的な模式図、図6、図7は、非球面凸部付き部材の形成工程を示す模式図、図8は、レンズ基板形成用型の形成工程を示す模式図、図9は、本発明のレンズ基板形成用型を示す模式的な縦断面図である。
なお、以下に説明する製造工程においては、実際には基板上に多数の凹部、凸部、マイクロレンズ等を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
[凹部付き部材準備工程]
まず、レンズ基板形成用型の製造に用いる凹部付き部材の準備工程の説明に先立ち、凹部付き部材の構成について説明する。
凹部付き部材6は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、たわみを生じ難く、傷つき難い材料で構成されたものであるのが好ましい。凹部付き部材6の構成材料としては、例えば、各種ガラス材料、各種樹脂材料等が挙げられる。ガラス材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられ、また、樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。この中でも、凹部付き部材6の構成材料としては、ガラス材料が好ましく、ソーダガラス、結晶性ガラス(例えば、ネオセラム等)、無アルカリガラスがより好ましい。このような材料は、一般に、形状の安定性に優れている。また、ソーダガラス、結晶性ガラス、無アルカリガラスは、加工が容易であるとともに、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
凹部付き部材6は、マイクロレンズ21の配列方式に対応する方式(転写された位置関係)で配列した、球面形状の複数個の凹部61を備えている。
より詳しく説明すると、本実施形態において、凹部61は、凹部付き部材6を平面視した際の縦幅(鉛直方向の幅)が横幅(水平方向の幅)よりも小さい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。凹部61がこのような形状を有することにより、得られるレンズ基板形成用型K1を、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができるマイクロレンズ基板1の製造により好適に用いることができる。
また、平面視したときの凹部61の短軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、長軸方向(横方向)の長さをL[μm]としたとき、0.10≦L/L≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.50≦L/L≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.60≦L/L≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
また、平面視したときの凹部61の短軸方向の長さは、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。凹部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性、およびマイクロレンズ基板1により投影される画像のコントラスト、輝度を特に優れたものとしつつ、投影される画像において十分な解像度を得ることができる。また、凹部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1を用いた際に、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。
また、平面視したときの凹部61の長軸方向の長さは、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、75〜150μmであるのがさらに好ましい。凹部61の長軸方向の長さが前記範囲内の値であると、得られるレンズ基板形成用型K1を用いて製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性、およびマイクロレンズ基板1により投影される画像のコントラスト、輝度を特に優れたものとしつつ、投影される画像において十分な解像度を得ることができる。また、凹部61の長軸方向の長さが前記範囲内の値であると、得られるレンズ基板形成用型K1によって製造されるマイクロレンズ基板1を用いた際に、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができるとともに、マイクロレンズ基板1(凹部付き部材6)の生産性をさらに高めることができる。
また、凹部61は球面形状を有しており、その曲率半径は、5〜250μmであるのが好ましく、15〜150μmであるのがより好ましく、25〜50μmであるのがさらに好ましい。凹部61の曲率半径が前記範囲内の値であると、得られるレンズ基板形成用型K1を用いて製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。なお、凹部61は、短軸方向についての曲率半径と、長軸方向の曲率半径が異なるものであってもよいが、このような場合、長軸方向の曲率半径が上記の範囲内の値であるのが好ましい。
また、凹部61の深さは、5〜250μmであるのが好ましく、15〜150μmであるのがより好ましく、25〜100μmであるのがさらに好ましい。凹部61の深さが前記範囲内の値であると、得られるレンズ基板形成用型K1を用いて製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性を、特に優れたものとすることができる。
また、これら複数個の凹部61は、千鳥状(千鳥格子状)に配列している。このように凹部61が配列することにより、得られるレンズ基板形成用型K1を用いて製造されるマイクロレンズ基板1を使用した際に、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。これに対し、例えば、凹部が正方格子状等に配列したものであると、凹部の大きさ等によっては、モアレ等の不都合の発生を十分に防止することが困難となる。また、凹部をランダムに配した場合、凹部の大きさ等によっては、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率を十分に高めるのが困難となり、マイクロレンズ基板の光の透過率(光の利用効率)を十分に高めるのが困難となり、得られる画像が暗いものとなる可能性がある。
また、上記のように、凹部61は、凹部付き部材6を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数の凹部61で構成される第1の行と、それに隣接する第2の行とが、縦方向(凹部61の短軸方向)に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、製造されるマイクロレンズ基板1を用いた際に、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止することができるとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
次に、凹部付き部材の製造方法(凹部付き部材準備工程)について、図5を参照しながら説明する。なお、実際には基板上に多数の凹部(レンズ形成用凹部)を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
<A1>まず、凹部付き部材6を製造するに際し、基板60を用意する。
この基板60は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基板60は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
<A2>用意した基板60の表面に、多数個の初期孔(開口部)81を有するマスク8を形成するとともに、基板60の裏面(マスク8が形成される面と反対側の面)に裏面保護膜89を形成する(マスキング工程、図5(a)、図5(b)参照)。
特に、本実施形態では、まず、図5(a)に示すように、用意した基板60の裏面に裏面保護膜89を形成するとともに、基板60の表面にマスク形成用膜80を形成し(マスク形成用膜形成工程)、その後、図5(b)に示すように、マスク形成用膜80に初期孔81を形成すること(初期孔形成工程)によりマスク8を得る。マスク形成用膜80および裏面保護膜89は同時に形成することもできる。
マスク形成用膜80は、レーザ光の照射等により、後述する初期孔81を形成することができるとともに、後述するエッチング工程におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、マスク形成用膜80(マスク8)は、エッチングレートが、基板60と略等しいか、または、基板60に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、マスク形成用膜80(マスク8)を構成する材料としては、例えばBr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。
また、マスク形成用膜80(マスク8)は、例えば、実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、異なる複数の層を有する積層体等であってもよい。
上記のように、マスク形成用膜80(マスク8)の構成は、特に限定されるものではないが、主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体であるのが好ましい。このような構成のマスク形成用膜80は、後述するようなレーザ光の照射等により、所望の形状の開口部を容易かつ確実に形成することができるものであり、また、このような構成のマスク形成用膜80を用いて得られるマスク8は、様々な組成のエッチング液に対して優れた安定性を有している(後述するエッチング工程において基板60をより確実に保護することができる)。また、基板60がガラス材料で構成されたものであり、かつマスク形成用膜80(マスク8)が上記のような構成のものであると、例えば、後述するエッチング工程において、エッチング液として一水素二フッ化アンモニウムを含む液体を好適に用いることができる。一水素二フッ化アンモニウムは毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響をより確実に防止することができる。また、上記のような構成のマスク形成用膜80(マスク8)は、マスクの内部応力を効率良く緩和することができ、基板60との密着性(特に、エッチング工程における密着性)に特に優れている。このようなことから、上記のような構成のマスク形成用膜80(マスク8)を用いることにより、所望の形状の凹部61を容易かつ確実に形成することができる。
マスク形成用膜80の形成方法は特に限定されないが、マスク形成用膜80(マスク8)をクロム(Br)、金(Au)等の金属材料(合金を含む)や金属酸化物(例えば酸化クロム)、またはこれらの複合材料(例えば、金属材料で構成された金属層と、金属酸化物で構成された金属酸化物層とを有する積層体等)で構成されたものとする場合、マスク形成用膜80は、例えば、蒸着法やスパッタリング法等により、好適に形成することができる。また、マスク形成用膜80(マスク8)をシリコンで構成されたものとする場合、マスク形成用膜80は、例えば、スパッタリング法やBVD法等により、好適に形成することができる。
マスク形成用膜80(マスク8)の厚さは、マスク形成用膜80(マスク8)を構成する材料によっても異なるが、0.01〜2.0μm程度が好ましく、0.01〜0.3μm程度がより好ましい。厚さが前記下限値未満であると、マスク形成用膜80の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程(開口部形成工程)において形成される初期孔81の形状が歪んでしまう可能性がある。また、後述するエッチング工程でウェットエッチングを施す際に、基板60のマスクした部分を十分に保護できない可能性がある。一方、上限値を超えると、マスク形成用膜80の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程において、貫通する初期孔81を形成するのが困難になるほか、マスク形成用膜80(マスク8)の内部応力によりマスク形成用膜80(マスク8)が剥がれ易くなる場合がある。
裏面保護膜89は、次工程以降で基板60の裏面を保護するためのものである。この裏面保護膜89により、基板60の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護膜89は、例えば、マスク形成用膜80(マスク8)と同様の構成を有している。このため、裏面保護膜89は、マスク形成用膜80の形成と同時に、マスク形成用膜80と同様に設けることができる。
<A3>次に、図5(b)に示すように、マスク形成用膜80に、複数個の初期孔(開口部)81を形成し、マスク8を得る(初期孔形成工程)。本工程で形成される初期孔81は、後述するエッチングの際のマスク開口として機能するものである。
初期孔81の形成方法は、特に限定されないが、レーザ光の照射による方法であるのが好ましい。これにより、所望のパターンに配列した所望の形状の初期孔81を容易かつ精確に形成することができる。その結果、凹部61の形状、配列方式等をより確実に制御することができる。また、初期孔81をレーザの照射により形成することにより、凹部付き部材を生産性良く製造することができる。特に、大面積の基板にも簡単に凹部を形成することができる。また、レーザ光の照射でマスク形成用膜80に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってレジスト膜に開口部を形成する場合に比べて、簡単かつ安価に開口部(初期孔81)を形成することができる。
また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、使用するレーザ光の種類は、特に限定されないが、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。また、各レーザのSHG、THG、FHG等の波長を使ってもよい。
本工程で形成する初期孔81は、その形状、大きさは特に限定されないが、略円形で、その直径が、0.5〜30μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜5μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の直径が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61を確実に形成することができる。ただし、初期孔81が、略楕円形のように扁平形状のものである場合、短軸方向の長さを、直径の値として代用することができる。すなわち、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の幅(短軸方向の長さ)は、特に限定されないが、0.8〜30μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜5μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の幅が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61を確実に形成することができる。
また、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の長さ(長軸方向の長さ)は、0.5〜30μmであるのが好ましく、1.0〜15μmであるのがより好ましく、1.5〜10μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の長さが前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61をより確実に形成することができる。
<A4>次に、図5(c)に示すように、初期孔81が形成されたマスク8を用いて基板60にエッチングを施し、基板60上に多数の凹部61を形成する(エッチング工程)。
エッチングの方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
初期孔81が形成されたマスク8で被覆された基板60に対して、エッチング(ウェットエッチング)を施すことにより、図5(c)に示すように、基板60は、マスク8が存在しない部分(マスク8の初期孔81に対応する部位)より食刻され、基板60上に多数の凹部61が形成される。上述したように、マスク8に形成された初期孔81が千鳥状(千鳥格子状)の配置であるため、形成される凹部61は、基板60の表面に千鳥状(千鳥格子状)に配置されたものとなる。
また、ウェットエッチング法を用いると、凹部61を好適に形成できる。そして、エッチング液として、例えば、一水素二フッ化アンモニウムを含むエッチング液を用いると、基板60をより選択的に食刻することができ、凹部61を好適に形成することができる。
マスク8(マスク形成用膜80)が主としてクロム、酸化クロムで構成されたものである場合、フッ酸系エッチング液としては、一水素二フッ化アンモニウムを含む液体が特に好適である。一水素二フッ化アンモニウム溶液は毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響を防止することができる。また、エッチング液として、一水素二フッ化アンモニウムを用いる場合、該エッチング液中には、例えば、過酸化水素および/または硫酸が含まれていてもよい。これにより、エッチングスピートをより速くすることができる。
また、ウェットエッチングによれば、ドライエッチングに比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基板に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き部材6を提供することができる。
<A5>次に、図5(d)に示すように、マスク8を除去する(マスク除去工程)。また、この際、マスク8の除去とともに、裏面保護膜89も除去する。
マスク8が、前述したような主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体である場合、マスク8の除去は、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む混合物を用いたエッチングにより好適に行うことができる。
また、例えば、凹部付き部材6の凹部61が設けられている面側に、離型処理を施してもよい。これにより、後に詳述するレンズ基板形成用型K1の製造方法において、凸部付き部材4’が有する凸部41’にカケ等の欠陥が生じるのを十分に防止しつつ、凹部付き部材6を容易に取り外すことができる。離型処理としては、例えば、アルキルポリシロキサン等のシリコーン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の離型性を有する物質で構成される被膜の形成、ヘキサメチルジシラザン([(CHSi]NH)等のシリル化剤による表面処理、フッ素系ガスによる表面処理等が挙げられる。
以上のようにして、図4に示すように、基板60上に多数の凹部61が千鳥状に形成された凹部付き部材6が得られる。
基板60上に千鳥状に配された複数個の凹部61を形成する方法は、特に限定されるものではないが、上述したような方法(レーザ光の照射によりマスク形成用膜80に初期孔81を形成してマスク8を得、その後、そのマスク8を用いてエッチングを行うことにより、基板60上に凹部61を形成する方法)により形成した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、レーザ光の照射によりマスク形成用膜80に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によって開口部を形成する場合に比べて簡単かつ安価に、所定パターンで開口部(初期孔81)を有するマスクを得ることができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き部材6を提供することができる。
また、上述したような方法によれば、大型の基板に対する処理も容易に行うことができる。大型の基板(凹部付き部材、レンズ基板)を製造する場合に、従来のように複数の基板を貼り合わせる必要がなくなり、貼り合わせの継ぎ目をなくすことができる。これにより高品質で大型の基板(凹部付き部材、レンズ基板)を簡便な方法で安価に製造することができる。
また、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、形成される初期孔81の形状、大きさ、配列等を、容易かつ確実に管理することができる。
[凸部付き部材形成工程]
次に、上記のような凹部付き部材6を用いて、多数の球面形状の凸部を有する凸部付き部材を形成する工程(凸部付き部材形成工程)について説明する。
凸部付き部材4’は、前述した凹部付き部材6を型として用いて形成される(凸部付き部材形成工程)。
具体的には、凸部付き部材4’は、以下のようにして形成される。
<B1>まず、図6(a)に示すように、凹部付き部材6の凹部61が形成された側の面に、流動性を有する状態の樹脂材料40(例えば、軟化状態の樹脂材料40、未重合(未硬化)の樹脂材料40)を付与し、樹脂材料40を平板9で押圧する。
このように、凹部付き部材4’を形成する材料として、樹脂材料を用いることにより、後述する非球面凸部付き部材形成工程において、凸部41’の表面付近の一部を容易に除去することができる。
樹脂材料40としては、前述したマイクロレンズ基板1を構成する樹脂材料と同様のものを用いることができる。
なお、平板9は、樹脂材料40を押圧する側の面に、前述したような離型処理が施されたものであってもよい。これにより、後述する工程において、平板9を効率良く凸部付き部材4’の表面から取り除くことができる。
<B2>次に、樹脂材料40を固化(ただし、硬化(重合)を含む)させ、その後、凹部付き部材6および平板9を取り除く(図6(b)参照)。これにより、球面形状の凸部41’を備えた凸部付き部材4’が得られる。
樹脂材料40の固化を硬化(重合)により行う場合、その方法としては、例えば、紫外線等の光の照射、電子線の照射、加熱等の方法が挙げられる。
[非球面凸部付き部材形成工程]
次に、上記のような凸部付き部材4’の凸部41’の一部を除去することにより、非球面形状の凸部(非球面凸部)41を有する非球面凸部付き部材4を形成する(非球面凸部付き部材形成工程)。
このように本発明は、上記のようにして形成した球面形状の凸部の一部を除去することにより、非球面形状の凸部(非球面凸部)を形成する点に特徴を有している。これにより、非球面形状の凸部を有する非球面凸部付き部材を容易に形成できるとともに、この非球面凸部付き部材を型として用いることにより、非球面形状の凹部を有するレンズ基板形成用型K1を容易に形成することができる。そして、このようにして形成されたレンズ基板形成用型K1を用いてレンズ基板を製造することにより、得られるレンズ基板のレンズの球面収差を小さいものとすることができ、その結果、光の利用効率および視野角特性に優れたレンズ基板を提供することができる。
凸部41’の表面付近の一部を除去する方法としては、特に限定されないが、本実施形態では、レーザ光の照射によって除去する場合について説明する。
<B3>まず、図7(c)に示すように、凸部41’に対して、レーザ光Lを照射することにより、凸部41’の表面付近の一部を除去する。このようにレーザ光を用いて除去することにより、より容易に凸部41’を非球面形状の非球面凸部41とすることができる。また、一般に切削等で凸部41’の一部を除去した場合、除去した部位やその近傍に角張った部位が生じてしまうが、レーザ光を用いた場合には、レーザ光照射の熱により、角張った部位が除去され、非球面凸部41の表面形状を滑らかにすることができる。その結果、最終的に得られるマイクロレンズ基板1において、輝度むらや色むら等の発生を効果的に防止することができる。また、レーザ光を用いた場合、レーザ光のパワー密度、照射時間、照射回数(ショット数)等を適宜調整することにより、所望の形状の非球面凸部41を容易に形成することができる。
特に、前述したようなマイクロレンズ21の形状を形成する場合、図7(c)に示すように、凸部41’の中心部近傍を除いた部位の一部にレーザ光Lbを照射することにより、前述したようなマイクロレンズ21の形状を形成することができる。
本実施形態のように、凸部41’の中心部近傍を除いた部位の一部を除去する場合、例えば、リング状に開口部が形成されたマスクを介して凸部41’にレーザ光を照射することにより行うことができる。
使用するレーザ光の種類としては、特に限定されないが、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。
以上のようにして、前述したマイクロレンズ基板1と同様の表面形状を有する非球面凸部付き部材4が得られる(図7(d)参照)。
なお、非球面凸部付き部材4の非球面凸部41が設けられている面側に、離型処理を施してもよい。これにより、後に詳述するレンズ基板形成用型形成工程において、レンズ基板形成用型K1が有する凹部K11にカケ等の欠陥が生じるのを十分に防止しつつ、非球面凸部付き部材4を容易に取り外すことができる。離型処理としては、例えば、アルキルポリシロキサン等のシリコーン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の離型性を有する物質で構成される被膜の形成、ヘキサメチルジシラザン([(CHSi]NH)等のシリル化剤による表面処理、フッ素系ガスによる表面処理等が挙げられる。
なお、上記説明では、レーザ光を用いて凸部41’の一部を除去するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、イオンビームを照射して凸部41’の一部を除去してもよい。イオンビームを用いた場合においても、前述したレーザ光を用いた場合と、同様の効果を得ることができる。また、イオンビームを用いた場合、凸部41’の一部を除去した後に、凸部41’側の面に対して熱処理を施してもよい。これにより、角張った部位が除去され、非球面凸部41の表面形状をより滑らかにすることができる。
[レンズ基板形成用型形成工程]
次に、上記のような非球面凸部付き部材4を用いて、多数の非球面形状の凹部を有するレンズ基板形成用型K1を形成する工程(レンズ基板形成用型形成工程)について説明する。
レンズ基板形成用型K1は、前述した非球面凸部付き部材4を型として用いて形成される。
具体的には、レンズ基板形成用型K1は、以下のようにして得ることができる。
<C1>まず、非球面凸部付き部材4の非球面凸部41が形成された側の表面に、導電膜(図示せず)を形成する。
導電膜を構成する材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、例えば、ニッケル、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛等およびそれらの合金等が挙げられる。
導電膜の形成は、例えば、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の気相成膜法、電解めっき、無電解めっき等の湿式めっき法等により行うことができる。なお、湿式めっき法による導電膜の形成は、予め、非球面凸部41が設けられた側の表面に、パラジウム等の粒子を付着させてから行うことができる。
<C2>次に、図8(a)に示すように、電鋳法により、導電膜の表面に、金属(電鋳金属)を電着させ、レンズ基板形成用型K1を形成する。このような電鋳法を用いることにより、非球面凸部付き部材4の表面形状を精密に転写することができる。
電鋳金属としては、例えば、ニッケル、銅、鉄、銀、金等およびそれらの合金等が挙げられる。
その後、非球面凸部付き部材4を取り除くことにより、多数の非球面形状の非球面凹部K11を備えたレンズ基板形成用型K1(本発明のレンズ基板形成用型)が得られる(図8(b)、図9参照)。このようにして得られたレンズ基板形成用型K1は、前述したような非球面凸部付き部材4と対応する形状を有していることから、このレンズ基板形成用型K1を用いて得られるマイクロレンズ基板1は、光の利用効率や視野角特性等の特性に優れたものとなる。
《マイクロレンズ基板の製造》
次に、上述したレンズ基板形成用型K1を用いて、マイクロレンズ基板1を製造する方法について説明する。
図10、図11は、図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図10、図11中の下側を「(光の)入射側」、上側を「(光の)出射側」と言う。
<D1>まず、図10(a)に示すように、レンズ基板形成用型K1の非球面凹部K11が形成された側の面に、流動性を有する状態の樹脂材料23(例えば、軟化状態の樹脂材料23、未重合(未硬化)の樹脂材料23)を付与し、樹脂材料23を平板9”で押圧する。特に、本実施形態では、レンズ基板形成用型K1と、平板9”との間に、スペーサー20を配した状態で、樹脂材料23を押圧する。これにより、形成されるマイクロレンズ基板1の厚さをより確実に制御することができ、最終的に得られるマイクロレンズ基板1での、マイクロレンズ21の焦点の位置をより確実に制御することができ、色ムラ等の不都合の発生をより効果的に防止することができる。
スペーサー20は、樹脂材料23(固化後の樹脂材料23)と同程度の屈折率を有する材料で構成されている。このような材料で構成されたスペーサー20を用いることにより、レンズ基板形成用型K1の非球面凹部K11が形成された部位にスペーサー20が配された場合であっても、スペーサー20が得られるマイクロレンズ基板1の光学特性に悪影響を及ぼすのを効果的に防止することができる。これにより、レンズ基板形成用型K1の主面(凹部が形成された面側)の有効領域のほぼ全体にわたって、比較的多くのスペーサー20を配することが可能となり、結果として、レンズ基板形成用型K1、平板9”のたわみ等による影響を効果的に排除し、得られるマイクロレンズ基板1の厚さをより確実に制御することができる。
上述したように、スペーサー20は、樹脂材料23(固化後の樹脂材料23)と同程度の屈折率を有する材料で構成されているが、より具体的には、スペーサー20の構成材料の絶対屈折率と固化後の樹脂材料23の絶対屈折率との差の絶対値が、0.20以下であるのが好ましく、0.10以下であるのがより好ましく、0.02以下であるのがさらに好ましく、固化後の樹脂材料23とスペーサー20とが同一の材料で構成されたものであるのが最も好ましい。
スペーサー20の形状は、特に限定されないが、略球状、略円柱状であるのが好ましい。スペーサー20がこのような形状のものである場合、その直径は、10〜300μmであるのが好ましく、30〜200μmであるのがより好ましく、30〜170μmであるのがさらに好ましい。
なお、上記のようにスペーサー20を用いる場合、樹脂材料23を固化する際に、レンズ基板形成用型K1と平板9”との間にスペーサー20が配されていればよく、スペーサー20を供給するタイミングは特に限定されない。例えば、レンズ基板形成用型K1の非球面凹部K11が形成された側の面に、付与する樹脂として予めスペーサー20が分散された樹脂材料23を用いてもよいし、レンズ基板形成用型K1上にスペーサー20を配した状態で樹脂材料23を付与してもよいし、樹脂材料23の供給後にスペーサー20を付与してもよい。
また、平板9”は、樹脂材料23を押圧する側の面に、前述したような離型処理が施されたものであってもよい。これにより、後述する工程において、平板9”を効率良く基板本体2の表面から取り除くことができる。
<D2>次に、樹脂材料23を固化(ただし、硬化(重合)を含む)させ、その後、平板9”を取り除く(図10(b)参照)。これにより、非球面凹部K11に充填された樹脂で構成されたマイクロレンズ21(特に、上述したような形状、配列等の条件を満足するマイクロレンズ21)を備えた基板本体2が得られる。
樹脂材料23の固化を硬化(重合)により行う場合、その方法としては、例えば、紫外線等の光の照射、電子線の照射、加熱等の方法が挙げられる。
<D3>次に、図10(c)に示すように、基板本体2の出射側表面に、有色のブラックマトリックス形成用材料(遮光膜形成用材料)を付与し、ブラックマトリックス形成用材料で構成された膜32を形成する(遮光膜形成用材料付与工程)。
基板本体2表面へのブラックマトリックス形成用材料の付与方法は、特に限定されないが、例えば、ディップコート、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の気相成膜法、電解めっき、無電解めっき等の湿式めっき法等を適用することができる。特に、ブラックマトリックス3を、主としてクロムで構成された層と、主として酸化クロムで構成された層とを有する積層体として形成する場合、膜32は、気相成膜法により形成するのが好ましい。また、ブラックマトリックス3を、顔料または染料を含む材料で構成されたもの(特に、顔料、染料に加えて、樹脂材料を含む材料で構成されたもの)として形成する場合、塗布法により形成するのが好ましい。これにより、均一な厚さの膜32を、容易に形成することができる。
また、ブラックマトリックス3を、顔料または染料を含む材料で構成されたものとして形成する場合、ブラックマトリックス形成用材料は、顔料、染料に加えて、樹脂材料および液性媒体(例えば、溶媒、分散媒として機能する液体)を含むものであるのが好ましい。これにより、均一な厚さの膜32を、容易かつ確実に形成することができるとともに、形成される膜32(ブラックマトリックス3)の基板本体2に対する密着性を特に優れたものとすることができる。また、ブラックマトリックス形成用材料が、顔料、染料に加えて、樹脂材料および液性媒体を含む材料で構成されたものであると、後に詳述する開口部形成工程において、膜32の所定の部位を、容易かつ確実に除去することができ、所望の形状の開口部31を有するブラックマトリックス3をより確実に形成することができる。
なお、本工程では、後の工程に際して、ブラックマトリックス形成用材料を構成する成分の一部を除去するための処理を施してもよい。例えば、ブラックマトリックス形成用材料が、例えば、液性媒体を含む材料で構成される場合、ブラックマトリックス形成用材料で構成された膜32から、液性媒体を除去するための処理(例えば、加熱処理、減圧処理等)を施してもよい。
本工程で形成される膜32の厚さは、通常、また、ブラックマトリックス3の厚さと実質的に同一である。したがって、膜32の厚さ(平均厚さ)は、0.3〜8.0μmであるのが好ましく、0.8〜7.0μmであるのがより好ましく、1.4〜6.0μmであるのがさらに好ましい。
<D4>次に、図11(d)に示すように、基板本体2を、レンズ基板形成用型K1から取り外す。このように、レンズ基板形成用型K1を基板本体2から取り外すことにより、取り外されたレンズ基板形成用型K1を、基板本体2(マイクロレンズ基板1)の製造に繰り返し使用することができ、製造コスト面や製造される基板本体2(マイクロレンズ基板1)の品質の安定性を高める上で有利である。
<D5>次に、図11(e)に示すように、基板本体2に、入射側表面に対して垂直方向のレーザ光Lbを照射する。照射されたレーザ光Lbはマイクロレンズ21に入射することにより屈折し、集光する。そして、集光されることにより高エネルギになったレーザ光が照射された部位の膜(遮光膜形成用材料で構成された膜)32が除去され、開口部31が形成される(図11(f)参照)。これにより、ブラックマトリックス(遮光膜)3を有するマイクロレンズ基板1が得られる。
このように、本実施形態では、遮光膜形成用材料で構成された膜の一部を、集光されたレーザ光のエネルギにより除去し、開口部31を形成する。このように、マイクロレンズで集光した光(特に、周波数、位相の揃ったレーザ光)を利用することにより、有色の遮光膜形成用材料で構成された膜の所定の部位のみを選択的に除去することができる。言い換えると、開口部の形成に、マイクロレンズにより集光されたレーザ光を用いることにより、エネルギ密度の高い光を特定の部位のみに選択的に与えることができ、遮光膜形成用材料で構成された膜の開口部を形成すべき部位に選択的に除去し、それ以外の部位に悪影響が及ぶのを効果的に防止することができる。また、本実施形態によれば、工程数が少なく、簡便な方法で、所望の部位に所望の形状の開口部を有する遮光膜を確実に形成することができる。その結果、マイクロレンズ基板を用いて得られる画像を、光の利用効率に優れたものとするとともに、コントラストに優れたものとすることができる。
また、レーザ光は、一般に、周波数、位相が揃った光であるため、遮光膜形成用材料で構成された膜、マイクロレンズ基板の構成材料に応じて、レーザ光の種類を選択することにより、容易に、基板本体や遮光膜形成用材料で構成された膜の残存させるべき部位に対する悪影響の発生を、より確実に防止することができる。
本工程で用いるレーザ光の種類は、特に限定されないが、例えば、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。また、各レーザのSHG、THG、FHG等の波長を使っても良い。
なお、上記のような遮光膜形成用材料の付与、レーザ光の照射の一連の処理を、繰り返し行ってもよい。これにより、遮光膜(ブラックマトリックス)をより厚いものとして形成することができ、コントラストの更なる向上を図ることができる。
《リア型プロジェクションTV》
次に、前述した透過型スクリーンを用いたリア型プロジェクションTVについて説明する。
図12は、本発明のリア型プロジェクションTVの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクションTV300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン10とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクションTV300は、上記のような透過型スクリーン10を備えているので、コントラストに優れるとともに輝点の発生が抑制された、優れた画像を表示することができる。また、視野角特性、光利用効率等にも優れている。
また、特に、前述したマイクロレンズ基板1では、楕円形状のマイクロレンズ21が千鳥状(千鳥格子状)に配されているので、リア型プロジェクションTV300では、モアレ等の問題が特に発生し難い。
以上、本発明について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、レンズ基板形成用型、レンズ基板(マイクロレンズ基板)、透過型スクリーン、リア型プロジェクションTVを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成を追加してもよい。例えば、レンズ基板は、その表面付近に、所定の濃度で着色された着色部を有するものであってもよい。これにより、表示される画像のコントラストをさらに優れたものとすることができる。
また、レンズ基板形成用型およびレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法においては、任意の工程を追加してもよい。
また、レンズ基板形成用型およびレンズ基板の製造方法における各工程の順序は、前述したようなものに限定されず、必要に応じて、その順序を変更してもよい。
また、前述した実施形態では、凹部付き部材、レンズ基板形成用型の表面に組成物を付与するものとして説明したが、例えば、平板の表面(または平板上に載置された基材フィルム)に組成物を付与し、これを凹部付き部材、レンズ基板形成用型で押圧することにより、凸部付き部材、マイクロレンズ基板を製造してもよい。
また、前述した実施形態では、レンズ基板がマイクロレンズを備えるマイクロレンズ基板であるものとして説明したが、本発明において、レンズ基板は、例えば、レンチキュラレンズ基板等であってもよい。
また、前述した実施形態では、透過型スクリーンが、マイクロレンズ基板とフレネルレンズ部とを備えるものとして説明したが、本発明の透過型スクリーンは、必ずしも、フレネルレンズ部を備えたものでなくてもよい。例えば、本発明の透過型スクリーンは、実質的に、本発明のマイクロレンズ基板のみで構成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、レンズ基板は、透過型スクリーン、リア型プロジェクションTVを構成する部材であるものとして説明したが、本発明のレンズ基板の用途は、前記のようなものに限定されず、いかなるものであってもよい。例えば、本発明のレンズ基板は、拡散板、ブラックマトリックススクリーン、投射型表示装置(フロントプロジェクタ)のスクリーン(フロントプロジェクションスクリーン)、投射型表示装置(フロントプロジェクタ)の液晶ライトバルブの構成部材、レーザプリンタ要LED光源の集光素子、液晶パネル要バックライトの構成部材等に適用されるものであってもよい。
(実施例1)
[凹部付き部材準備工程]
以下のように、凹部を備えた凹部付き部材を製造した。
まず、基板として、横1.2m×縦0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板(絶対屈折率n:1.50)を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、クロム/酸化クロムの積層体(クロムの外表面側に酸化クロムが積層された積層体)を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、クロム/酸化クロムの積層体で構成されたのマスク形成用膜および裏面保護膜を形成した。クロム層の厚さは0.03μm、酸化クロム層の厚さは0.01μmであった。
次に、マスク形成用膜に対してレーザ加工を行い、マスク形成用膜の中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成し、マスクとした。
なお、レーザ加工は、エキシマレーザを用いて、エネルギ密度1.2J/cm、加工点でのビーム直径2μm、走査速度0.1m/秒という条件で行った。
これにより、マスク形成用膜の上記範囲全面に亘って、略円形の初期孔が、千鳥状に配されたパターンで形成された。初期孔の直径は2μmであった。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の平面視したときの形状が扁平形状(略楕円形状)の凹部(マイクロレンズ形成用凹部)を形成した。形成された凹部は、球面をなすものであり、その短軸方向の長さ(ピッチ)は75μm、長軸方向の長さは100μm、曲率半径は50μm、深さは50μmであった。また、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率は98%であった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は2.0時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
次に、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
その後、基板の凹部が形成されている面側に、ヘキサメチルジシラザンによる気相表面処理(シリル化処理)を行い、離型処理を施した。
これにより、ソーダガラス基板上に、多数の球面形状の凹部が千鳥状に配列された凹部付き部材を得た。
[凸部付き部材形成工程]
次に、凹部付き部材の凹部が形成された側の面に、未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))を付与した。
次に、ソーダガラスで構成された平板で、前記アクリル系樹脂を押圧した。この際、平板とアクリル系樹脂との間に、空気が侵入しないようにした。また、平板としては、アクリル系樹脂を押圧する側の面に、ヘキサメチルジシラザンによる気相表面処理(離型処理)が施されたものを用いた。
その後、120℃に加熱することにより、アクリル系樹脂を硬化させ、多数個の球面形状の凸部を備えた凸部付き部材を得た。凸部の短軸方向の長さ(ピッチ)は75μm、長軸方向の長さは100μm、曲率半径は50μm、高さは50μmであった。また、凸部が形成されている有効領域における凸部の占有率は98%であった。
次に、凹部付き部材および平板を取り除いた。
[非球面凸部付き部材形成工程]
次に、凸部付き部材の凸部に対して、レーザ光を照射することにより、凸部の一部を除去し、非球面形状の凸部を形成した。なお、照射したレーザ光は、内径26μm、外径70μmのリング状のもので、リングの中心と凸部を平面視した際の中心とが一致するように照射した。また、レーザ光のエネルギ密度を、1.2J/cmとし、1つの凸レンズに対するレーザ光のショット数を2ショットとした。
これにより、非球面形状の非球面凸部を有する非球面凸部付き部材を得た。
形成された非球面凹部の断面の形状を、前述した式(I)で表した場合、非球面凸部付き部材に形成された凸部の基準球面の曲率半径Rは、50μm、円錐係数Aは、1.0、非球面係数Aは、0.32、非球面係数Aは、0.40であった。
その後、非球面凸部が形成されている面側に、ヘキサメチルジシラザンによる気相表面処理(シリル化処理)を行い、離型処理を施した。
[レンズ基板形成用型形成工程]
次に、非球面凸部付き部材の非球面凸部が形成されている側の表面に、パラジウム粉末を付着させた。
次に、無電解めっきにより、非球面凸部付き部材の非球面凸部が形成されている側の表面にNi−Pで構成された導電膜を形成した。
次に、電鋳法により、導電膜上にNiを電着させ、レンズ基板形成用型を形成した。
その後、非球面凸部付き部材を除去し、非球面形状の非球面凹部を有するレンズ基板形成用型を得た。形成された凹部の短軸方向の長さ(ピッチ)は75μm、長軸方向の長さは100μm、曲率半径は50μm、深さは50μmであった。また、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率は98%であった。また、凹部は、上記非球面凸部付き部材の非球面凸部と対応する形状を有するものであった。
[マイクロレンズ基板形成工程]
次に、非球面凸部付き部材および平板を取り除いた。
次に、レンズ基板形成用型の凹部が形成された側の面に、未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))を付与した。
次に、ソーダガラスで構成された平板で、前記アクリル系樹脂を押圧した。この際、平板とアクリル系樹脂との間に、空気が侵入しないようにした。また、平板としては、アクリル系樹脂を押圧する側の面に、ヘキサメチルジシラザンによる気相表面処理(離型処理)が施されたものを用いた。
その後、120℃に加熱することにより、アクリル系樹脂を硬化させ、多数個の非球面形状のマイクロレンズを備えた基板本体を得た。マイクロレンズの短軸方向の長さ(ピッチ)は75μm、長軸方向の長さは100μm、曲率半径は50μm、高さは50μmであった。また、マイクロレンズが形成されている有効領域における凸部の占有率は98%であった。また、マイクロレンズは、上記非球面凸部付き部材の非球面凸部と同様の形状を有するものであった。
次に、平板を取り除いた。
次に、基板の出射側(マイクロレンズが形成されている面とは反対側の面)表面に、黒色顔料を含む有色の遮光膜形成用材料を、ロールコーターにより付与した(遮光膜形成用材料付与工程)。遮光膜形成用材料としては、10wt%の黒色顔料と、20wt%のダンマル樹脂と、70wt%のキシレン(液性媒体)とを含む混合物を用いた。
その後、基板に付与された遮光膜形成用材料からキシレンを除去することにより、基板の出射側の全面を被覆する膜を形成した。形成された膜の平均厚さは、5μmであった。
次に、レンズ基板形成用型を、遮光膜形成用材料が付与された基板本体から取り外した。
次に、基板本体のマイクロレンズが形成されている側の面から、基板本体の入射側表面に対して垂直方向のレーザ光を照射した(開口部形成工程)。これにより、レーザ光は、マイクロレンズにより集光され、前記膜のうち、マイクロレンズの集光部付近のみが選択的に除去され、基板本体上に、多数個の開口部を有するブラックマトリックスが被覆されたマイクロレンズ基板が得られた。開口部は、扁平形状(略楕円形状)であり、その短軸方向の長さ(直径)が23μm、長軸方向の長さが30μmであった。また、形成されたブラックマトリックスの厚さは5μmであった。
以上のようにして製造されたマイクロレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、図3に示すような透過型スクリーンを得た。
(実施例2〜5)
非球面凸部付き部材形成工程において、レーザ光の照射条件を表1に示すように変更し、これにより、基準球面の曲率半径、円錐係数、非球面係数を表1に示すような値とした以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(実施例6)
非球面凸部付き部材形成工程において、レーザ光の代わりにイオンビームを照射した以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。なお、イオンビームの照射は、イオンビーム照射装置を用いて、前記実施例1でレーザ光を照射した部位に対して、装置の真空チャンバ内の圧力:5×10−3Pa、イオン加速電圧:200Vの条件で行った。
(比較例)
前述した実施例1で得られた凹部付き部材をレンズ基板形成用型として用いて基板本体を作製した以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
前記各実施例および比較例について、非球面凸部付き部材形成工程におけるレーザ光の照射条件、非球面凸部に関する基準球面の曲率半径、円錐係数、非球面係数、製造されたマイクロレンズ基板が有するマイクロレンズの基準球面の曲率半径、円錐係数、非球面係数等を表1にまとめて示す。
Figure 0005003069
[画像の輝度(光の利用効率)の評価]
前記各実施例および比較例の透過型スクリーンについて、画像の輝度(光の利用効率)の評価を行った。
画像の輝度(光の利用効率)の評価は、A(=300)[cd/m]の白色光を入射させた際、透過型スクリーンの光の出射面側で測定される光の輝度B[cd/m]の比率(B/A)を求めることにより行った。B/Aの値が大きいほど、光の利用効率が優れているといえる。
[リア型プロジェクションTVの作製]
前記各実施例および比較例の透過型スクリーンを用いて、図12に示すようなリア型プロジェクションTVを、それぞれ作製した。
[視野角特性の評価]
前記各実施例および比較例のリア型プロジェクションTVの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた状態で、鉛直方向(上下方向)および水平方向(左右方向)での視野角の測定を行い、α角(1/2ゲイン)、β角(1/3ゲイン)、γ角(1/10ゲイン)を求めた。
視野角の測定は、変角光度計(ゴニオフォトメータ)で、1度間隔で測定するという条件で行った。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 0005003069
表2から明らかなように、本発明では、いずれも、光の利用効率に優れるとともに、視野角特性にも優れていた。これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。
本発明のマイクロレンズ基板(レンズ基板)の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すマイクロレンズ基板の平面図である。 図1に示すマイクロレンズ基板(レンズ基板)を備えた、本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 レンズ基板形成用型の製造に用いる凹部付き部材を示す模式的な縦断面図である。 図4に示す凹部付き部材の形成工程を示す模式的な模式図である。 非球面凸部付き部材の形成工程を示す模式図である。 非球面凸部付き部材の形成工程を示す模式図である。 レンズ基板形成用型の形成工程を示す模式図である。 本発明のレンズ基板形成用型を示す模式的な縦断面図である。 本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造工程を模式的に示した断面図である。 本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造工程を模式的に示した断面図である。 本発明のリア型プロジェクションTVの構成を模式的に示す図である。
符号の説明
1…マイクロレンズ基板(レンズ基板) 2…基板本体 20…スペーサー 21…マイクロレンズ(凸レンズ) 212…中心 23…樹脂材料 25…第1の行 26…第2の行 3…ブラックマトリックス(遮光膜) 31…開口部 32…膜(遮光膜形成用材料で構成された膜) 4…非球面凸部付き部材 40…樹脂材料 41…非球面凸部 4’…凸部付き部材 41’…凸部(球面凸部) 5…フレネルレンズ部 51…フレネルレンズ 6…凹部付き部材(マイクロレンズ形成用凹部付き部材) 61…凹部 60…基板 8…マスク 81…初期孔(開口部) 89…裏面保護膜 80…マスク形成用膜 9、9”…平板 K1…レンズ基板形成用型 K11…凹部(非球面凹部) 10…透過型スクリーン 300…リア型プロジェクションTV 310…投写光学ユニット 320…導光ミラー 340…筐体

Claims (4)

  1. 多数の凸レンズを有するレンズ基板の形成に用いるレンズ基板形成用型を製造する方法であって、
    多数の球面形状の凹部を有する凹部付き部材を用意する凹部付き部材準備工程と、
    前記凹部付き部材を型として用い、前記凹部付き部材の前記凹部の形状に対応する多数の球面形状の球面凸部を有する球面凸部付き部材を形成する球面凸部付き部材形成工程と、
    前記球面凸部の一部を除去することにより、非球面形状の非球面凸部を形成し、非球面凸部付き部材を形成する非球面凸部付き部材形成工程と、
    前記非球面凸部付き部材の前記非球面凸部が形成された側の表面に、導電膜を形成する工程と、
    電鋳法により、前記導電膜の表面に、金属を電着させ、レンズ基板形成用型を形成する工程とを有することを特徴とするレンズ基板形成用型の製造方法。
  2. 前記非球面凸部付き部材形成工程において、レーザ光の照射により前記凸部の一部を除去する請求項1に記載のレンズ基板形成用型の製造方法。
  3. 前記非球面凸部付き部材形成工程において、イオンビームの照射により前記凸部の一部を除去する請求項1に記載のレンズ基板形成用型の製造方法。
  4. 前記非球面凸部は、その断面の形状を下記式(I)で表したとき、A≧0.1で少なくともA≠0の関係を満足する請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ基板形成用型の製造方法。
    Figure 0005003069
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