JP4650131B2 - レンズ基板およびリア型プロジェクタ - Google Patents

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本発明は、レンズ基板およびリア型プロジェクタに関するものである。
近年、リア型プロジェクタは、ホームシアター用モニター、大画面テレビ等に好適なディスプレイとして、需要が高まりつつある。
リア型プロジェクタに用いられる透過型スクリーンでは、視野角特性を向上させる目的で、凸レンズとしてのマイクロレンズを備えるマイクロレンズ基板が用いられている。しかしながら、このようなマイクロレンズ基板を用いただけでは、光が必要以上に拡散してしまい、投影される画像において十分な輝度を得るのが困難となり、また、スクリーン上の各部位での明るさが大きく異なるものになってしまう。したがって、通常、透過型スクリーンにおいては、フレネルレンズ基板を用いて、光源からの光を一旦平行光にした後、この平行光を、マイクロレンズ基板で拡散させるような構成になっていた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような構成では、透過型スクリーンを構成する部材が多くなってしまい、装置の小型化、薄型化に不利である。また、上記のように、複数のレンズ基板を有するため、これらを確実に平行に配置するのが困難で、スクリーンに対して正面の位置での画像の輝度を十分に高めるのが困難になるとともに、各方向についての視野角特性のばらつきが大きくなり、好適な画像を投影することができなくなる。
特開2004−45588号公報
本発明の目的は、光学特性に優れたレンズ基板を提供すること、当該レンズ基板を備えたリア型プロジェクタを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のレンズ基板は、多数のレンズ部を有するレンズ基板であって、
レンズ基板の一方の主面側に、マイクロレンズとしての多数の凹レンズを有し、他方の主面側にフレネルレンズを有することを特徴する。
これにより、光学特性に優れたレンズ基板を提供することができる。
本発明のレンズ基板では、前記凹レンズの曲率半径は、5〜300μmであることが好ましい。
これにより、視野角特性を十分に優れたものとしつつ、投影される映像の輝度を特に高いものとすることができる。
本発明のレンズ基板では、前記凹レンズは、レンズ基板を平面視したときの縦幅が横幅よりも小さい扁平形状を有するものであることが好ましい。
これにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止することができる。
本発明のレンズ基板では、前記レンズ基板の厚さは、0.5〜5mmであることが好ましい。
これにより、レンズ基板の光学特性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板では、前記凹レンズの表面付近に着色部を有することが好ましい。
これにより、コントラストに優れた画像を得ることができる。
本発明のレンズ基板では、前記着色部の濃度は、Y値(D65/2°視野)で20〜85%であることが好ましい。
これにより、光の利用効率に優れるとともに、レンズ基板を透過した光により形成される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板では、前記着色部の平均厚さは、0.1〜50μmであることが好ましい。
これにより、光の入射側から入射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。その結果、レンズ基板を透過した光により形成される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板では、前記着色部は、前記凹レンズが設けられた側の面に、着色剤を付与することにより形成されたものであることが好ましい。
これにより、着色部は、各部位での厚さのばらつきが小さいものとなる。その結果、投射される画像において、色ムラ等の不都合が発生するのを効果的に防止することができる。
本発明のレンズ基板では、前記着色剤の付与は、前記着色剤を含む着色液を用いて行われることが好ましい。
これにより、着色部は、各部位での厚さのばらつきがより小さいものとなる。
本発明のレンズ基板では、前記着色液は、前記着色剤と、ベンジルアルコールとを含むものであることが好ましい。
これにより、着色部は、各部位での厚さのばらつきがさらに小さいものとなる。
本発明のレンズ基板では、前記フレネルレンズが設けられた面側から光を入射して用いるレンズ基板であって、
前記凹レンズが設けられた面側に、遮光部を有することが好ましい。
これにより、コントラストに優れた画像を得ることができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明のレンズ基板を備えたことを特徴とする。
これにより、光学特性に優れたリア型プロジェクタを提供することができる。
以下、本発明のレンズ基板およびリア型プロジェクタについて、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明において、「基板」とは、実質的に可撓性を有さない、比較的肉厚の大きい板状のものから、フィルム状(シート状)のもの等を含む概念のことを指す。
本発明のレンズ基板の用途は、特に限定されないが、本実施形態では、レンズ基板を、主に、リア型プロジェクタを構成する部材として用いるものとして説明する。
以下、本発明のレンズ基板の好適な実施形態について説明する。
まず、本実施形態のレンズ基板の構成について説明する。
図1は、本発明のレンズ基板を示す模式的な縦断面図、図2は、図1に示すレンズ基板のマイクロレンズが設けられた面側からの平面図である。なお、以下の説明では、図1中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。また、本発明においては、特に断りのない限り、「(光の)入射側」、「(光の)出射側」とは、それぞれ、画像光(映像光)を得るための光の「入射側」、「出射側」のことを指し、外光等の「入射側」、「出射側」のことを指すものではない。また、本明細書で参照する各図は、マイクロレンズ、着色部等、構成の一部を強調して示したものであり、実際の寸法を反映するものではない。
レンズ基板1は、後述するリア型プロジェクタ300を構成する部材であり、一方の面(第1の主面)側に、凹レンズとしての多数個のマイクロレンズ11を有し、他の面(第2の主面)側に、フレネルレンズ12を有している。すなわち、レンズ基板1は、マイクロレンズ基板とフレネルレンズ基板とが一体化したような構成を有している。そして、レンズ基板1の光の入射側(すなわち、マイクロレンズ11の光の入射側)には、着色部(外光吸収部)13が設けられており、それ以外の部位が、非着色部14となっている。着色部13については、後に詳述する。
レンズ基板1は、通常、主として透明性を有する材料で構成される。
レンズ基板1の構成材料は、特に限定されないが、通常、レンズ基板1は、主として樹脂材料やガラス材料(いずれも、通常、光の屈折率が空気よりも大きい)で構成され、所定の屈折率を有する透明な材料で構成されている。
レンズ基板1の具体的な構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等の各種樹脂材料や、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。中でも、透明性、加工性等の観点から、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル系樹脂が好ましく、特にアクリル系樹脂がより好ましい。アクリル系樹脂は、優れた透明性を有し、かつ、耐熱性、耐光性、加工性、成形した際の寸法精度、機械的強度等にも優れ、また、最適な屈折率を有している。また、レンズ基板1を構成する材料としてアクリル系樹脂を用いた場合、例えば、後述するようなレンズ基板の製造方法において、簡易な設備で、より容易にレンズ基板を製造することができる。また、組成物の選択の自由度が増すとともに、レンズ基板を製造する際に用いる装置等の部材に対する悪影響の発生をより効果的に防止することができる。
アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸またはその誘導体(例えば、アクリル酸エステル)を構成モノマーとしたアクリル樹脂、メタクリル酸またはその誘導体(例えば、メタクリル酸エステル)を構成モノマーとしたメタクリル樹脂の他に、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等の(メタ)アクリル酸またはその誘導体を構成モノマーとして含む共重合体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
レンズ基板1を構成する材料(固化した状態の材料)は、一般に、各種気体(レンズ基板1が用いられる雰囲気)より大きな絶対屈折率を有するものであるが、絶対屈折率の具体的な値は、1.45以上であるのが好ましく、1.46〜1.75であるのがより好ましく、1.47〜1.60であるのがさらに好ましく、1.48〜1.55であるのがもっとも好ましい。レンズ基板1の構成材料の絶対屈折率が前記範囲内の値であると、光(入射光)の利用効率を特に優れたものとしつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、本実施形態では、レンズ基板1は、基材(レンズ基板用基材)15と、エネルギ線の照射で硬化することにより形成された硬化部16とを有している。
基材15は、通常、主として、上述したような材料で構成されたものであるが、それ以外の成分を含むものであってもよい。
また、硬化部16は、後述するエネルギ線の照射で硬化することにより形成されたものである。前述した材料の中でも、エネルギ線(例えば、紫外線)の照射により好適に硬化し得る材料としては、例えば、アクリル系樹脂等が挙げられる。
レンズ基板1は、光の入射側に設けられ、着色剤を含む材料で構成された着色部13と、着色部13よりも光の出射側に設けられ、実質的に着色剤を含まない材料で構成された非着色部14とを有している。
着色部13は、入射側から入射した光を十分に透過することができるとともに、外光(例えば、光の出射側等から不本意に入射した外光等)が、出射側に反射するのを防止する機能を有する。このような着色部13を、非着色部14とともに有することにより、コントラストに優れた画像を得ることができる。
特に、本実施形態では、着色部13が、光の入射側に設けられた凹レンズとしてのマイクロレンズ11の表面付近に設けられている。これにより、外光のレンズ界面での反射を低減させることができ、コントラストを向上させることができる。
着色部13の厚さは、特に限定されないが、0.1〜50μmであるのが好ましく、0.2〜20μmであるのがより好ましく、0.3〜10μmであるのがさらに好ましい。着色部13の厚さが前記範囲内の値であると、光の入射側から入射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板1に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。その結果、レンズ基板1を透過した光により形成される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。これに対し、着色部13の厚さが前記下限値未満であると、外光(光の入射側とは反対側から入射する外光)の反射を十分に防止することが困難となり、画像のコントラストを向上させるという効果が十分に得られない可能性がある。また、着色部13の厚さが前記上限値を超えると、入射光の透過率が低下し、得られる画像において十分な輝度が得られず、結果として、画像のコントラストが不十分となる可能性がある。
着色部13は、例えば、後述するような方法により形成することができる。
着色部13の色は、特に限定されないが、例えば、青色を基調とし、赤色あるいは茶色あるいは黄色を混色した着色剤を用いて形成されるものであり、外観としては無彩色で黒色であり、光源の光の三原色のバランスを制御する特定の波長の光を選択的に吸収または透過するものであるのが好ましい。これにより、外光の反射を防止し、レンズ基板1を透過した光により形成される画像の色調を正確に表現し、さらに色座標が広く(色調の表現の幅が十分に広く)、より深い黒を表現できることで、結果的にコントラストを特に優れたものとすることができる。
着色部13を構成する着色剤としては、例えば、各種染料、各種顔料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
着色部13の濃度は、特に限定されないが、Y値(D65/2°視野)で20〜85%であるのが好ましく、30〜80%であるのがより好ましく、35〜70%であるのがさらに好ましい。着色部22の濃度が前記範囲内の値であると、レンズ基板を透過した光により形成される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。これに対し、着色部22の濃度が前記下限値未満であると、入射光の透過率が低下し、得られる画像において十分な輝度が得られず、結果として、画像のコントラストが不十分となる可能性がある。また、着色部22の濃度が前記上限値を超えると、外光(光の入射側とは反対側から入射する外光)の反射を十分に防止することが困難となり、明室において光源を全消灯させた際の、黒表示の正面輝度の増加量(黒輝度)が大きくなるため、画像のコントラストを向上させるという効果が十分に得られない可能性がある。なお、Y値(D65/2°視野)とは、D65、2°視野条件で色度を測定した時のY値の値で、透過率に相当するものである。また、D65、2°視野条件とは、色温度:6504Kである光源の元、50cmの距離の場合、直径1.7cmの範囲となる角度で測定することをいう。
上述したように、レンズ基板1は、光の入射側に、多数個のマイクロレンズ11を備えている。
このように、レンズ基板がマイクロレンズを備えるものであることにより、レンズ基板を、リア型プロジェクタ等に適用した場合における、視野角特性を特に優れたものとする(上下および左右方向の視野角特性をいずれも特に優れたものとする)ことができる。
また、マイクロレンズ11は、凹レンズとして設けられている。凹レンズの周縁部に入射する光は、ケラレやすく、レンズ面に直進的に入る光の強度分布が高くなる効果がある。また、外光はレンズ面に対して鋭角に入射する光となるが、ケラレ易いため、反射光として戻り難く、外光の映り込みが少なくなるという効果がある。また、凹レンズとなるために、転写用の型は、凸型となり、突起部がなくなるので型寿命が延び低コスト化できるという効果がある。
また、本実施形態において、マイクロレンズ11は、レンズ基板1を平面視した際の横幅が縦幅よりも大きい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。マイクロレンズ11がこのような形状を有することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
平面視したときのマイクロレンズ11の短軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、長軸方向(横方向)の長さをL[μm]としたとき、0.10≦L/L≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.50≦L/L≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.60≦L/L≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
平面視したときのマイクロレンズ11の短軸方向の長さは、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ11の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、レンズ基板1の生産性をさらに高めることができる。
また、平面視したときのマイクロレンズ11の長軸方向の長さは、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、75〜150μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ11の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、レンズ基板1の生産性をさらに高めることができる。
また、マイクロレンズ11の短軸方向についての曲率半径(以下、単に「マイクロレンズ11の曲率半径」とも言う)は、5〜250μmであるのが好ましく、15〜150μmであるのがより好ましく、25〜50μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ11の曲率半径が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ11の短軸方向についての焦点距離(以下、単に「マイクロレンズ11の焦点距離」とも言う)は、特に限定されないが、20〜400μmであるのが好ましく、30〜200μmであるのがより好ましく、40〜70μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ11の焦点距離が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
また、これら複数個のマイクロレンズ11は、千鳥格子状に配列している。このようにマイクロレンズ11が配列することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。これに対し、例えば、マイクロレンズが正方格子状等に配列したものであると、モアレ等の不都合の発生を十分に防止することが困難となる。また、マイクロレンズをランダムに配した場合、マイクロレンズが形成されている有効領域におけるマイクロレンズの占有率を十分に高めるのが困難となり、レンズ基板の光の透過率(光の利用効率)を十分に高めるのが困難となり、得られる画像が暗いものとなる。
上記のように、マイクロレンズ11は、レンズ基板1を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数のマイクロレンズ11で構成される第1の列17と、それに隣接する第2の列18とが、縦方向に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止するとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
上記のように、マイクロレンズの形状や配列方式、占有率等を厳密に規定することにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、レンズ基板1を光の入射面側(図2で示した方向)から平面視したときの、マイクロレンズ11が形成されている有効領域において、マイクロレンズ11の占有率は、90%以上であるのが好ましく、96%以上であるのがより好ましく、97〜99.5%であるのがさらに好ましい。マイクロレンズ11の占有率が90%以上であると、マイクロレンズ11以外を通過する直進光をより少なくすることができ、光利用効率をさらに向上させることができる。なお、マイクロレンズ11の占有率は、平面視したときのマイクロレンズ11の中心(頂部の中心)111と、当該マイクロレンズ11に隣接する、マイクロレンズ11が形成されていない部位の中心部とを結ぶ線分において、マイクロレンズ11が形成されている部位の長さL[μm]と、前記線分の長さL[μm]との比率(L/L×100[%])として求めることができる(図2参照)。
本発明では、各マイクロレンズは、入射側に開口した凹レンズとして形成されている。したがって、レンズ基板に入射した光は、マイクロレンズにより、拡散される。このように、マイクロレンズにより拡散された光は、そのまま、レンズ基板から出射してしまうと過度に拡散されたものとなってしまい、投影される画像において十分な輝度を得るのが困難となり、また、投影される画像は、各部位での明るさが大きく異なるものになってしまう。このような問題を解決する目的で、レンズ基板1の光の出射面側には、フレネルレンズが設けられている。このようなフレネルレンズを有することにより、マイクロレンズにより過度に拡散された光を適度に収束させ、光の出射側の各部位での明るさのばらつきを緩和することができる。また、マイクロレンズとフレネルレンズとが、同一基板の反対の面側に設けられることにより、例えば、後述するようなリア型プロジェクタにおいて、レンズ基板を透過型スクリーンとして用いることができる。すなわち、透過型スクリーンを1枚のレンズ基板で構成されたものとすることができる。また、マイクロレンズとフレネルレンズとを同一基板上に有することにより、リア型プロジェクタのような装置の構成部材を少なくすることができ、装置の小型化、薄型化に寄与することができる。また、マイクロレンズとフレネルレンズとが同一基板上に設けられているため、装置内(リア型プロジェクタ内)でのマイクロレンズとフレネルレンズとの位置合わせ等も不要となり、容易かつ確実に、画像の輝度を十分に高いものとすることができるとともに、各方向についての視野角特性のばらつきを十分に小さいものとすることができる。
また、本発明では、凹レンズとしてもマイクロレンズを有している。これにより、従来の凸レンズとしてのマイクロレンズを備えるレンズ基板では得られなかった、外部からの入射角度が高い外光を正面から見えにくくするという効果が得られる。
特に、本実施形態では、光の入射側に凹レンズとしてのマイクロレンズ11を有しており、光の出射側にフレネルレンズ12を有している。このような構成であることにより、正面の輝度分布をより均一にするという効果が得られる。
フレネルレンズ12は、ほぼ同心円状に形成されたプリズム形状をなすものである。
フレネルレンズ12のピッチは、特に限定されないが、50〜200μmであるのが好ましく、60〜180μmであるのがより好ましい。これにより、解像度を向上させることができ、かつ、マイクロレンズ11とフレネルレンズ12とのピッチ干渉によるモアレ現象をより効果的に防止することができる。
また、図1中Xで示すフレネルレンズ12の高さ、すなわち、フレネルレンズ12の底部から縁部までの高さは、特に限定されるものではないが、50〜200μmであるのが好ましく、60〜180μmであるのがより好ましい。これにより、フレネルレンズとしての特性が向上する。
また、フレネルレンズ12のHaze(くもり度:Td/Tt、Td:拡散光線透過率、Tt:全光線透過率)が、例えば50〜89%になるようにすることが望ましい。
レンズ基板1の光の利用効率(レンズ基板1の入射面側から入射する光の光量に対する、出射面側から出射する光の光量の割合)は、60%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、80〜99%であるのがさらに好ましい。
ところで、レンズ基板の構成材料として拡散剤を含むことにより、視野角特性の向上を図ることができるが、その反面、光の利用効率や得られる画像のコントラストが低下する。したがって、レンズ基板1は、その構成材料として拡散材を含むものであってもよいが、拡散材の含有率が30wt%以下であるのが好ましく、10wt%以下であるのがより好ましく、拡散剤を含まないものであるのがさらに好ましい。このような構成であっても、上記のような構成によれば、十分に視野角特性を優れたものとすることができる。すなわち、上記のような構成によれば、視野角特性とともに、光の利用効率、画像のコントラスト等を、同時に優れたものとすることができる。
上記のようなレンズ基板1の厚さは、0.5〜5mmであるのが好ましく、1〜4mmであるのがより好ましく、2〜3mmであるのがさらに好ましい。レンズ基板1の厚さが前記範囲内の値であると、光の利用効率および視野角特性を、特に優れたものとすることができる。なお、レンズ基板1の厚さとは、マイクロレンズ11の周縁部からフレネルレンズ12の頂部までの厚さのことを指す。
上記のようなレンズ基板1は、いかなる用途のものであってもよいが、後述するようなリア型プロジェクタを構成するものであるのが好ましい。より詳しくは、レンズ基板1は、リア型プロジェクタにおいて、透過型スクリーンとして機能するものであるのが好ましい。これにより、リア型プロジェクタの構成部材を少なくすることができ、装置の小型化、薄型化に寄与することができる。また、レンズ基板1は、マイクロレンズ11とフレネルレンズ12とを同一基板上に有するものであるため、リア型プロジェクタ内でのマイクロレンズとフレネルレンズとの位置合わせ等も不要となり、容易かつ確実に、画像の輝度を十分に高いものとすることができるとともに、各方向についての視野角特性のばらつきを十分に小さいものとすることができる。
なお、後述するようなリア型プロジェクタの透過型スクリーンは、実質的にレンズ基板のみで構成されるものであってもよいし、レンズ基板に加え、他の部材(例えば、レンズ基板の表面を保護する保護層、保護板等)を備えるものであってもよい
次に、上述したレンズ基板の製造方法について説明するが、それに先立ち、レンズ基板の製造に好適に用いることができる第1の型としてのマイクロレンズ形成用型、および、その製造方法について説明する。
図3は、レンズ基板の製造に用いるマイクロレンズ形成用型(第1の型)を示す模式的な縦断面図、図4、図5は、図3に示すマイクロレンズ形成用型の製造方法を示す模式的な縦断面図、図6は、マイクロレンズ形成用型(第1の型)を形成するのに用いる凹部付き基板を模式的に示す縦断面図である。なお、マイクロレンズ形成用型の製造においては、実際には基板上に多数の凹部(型形成用凹部)を有する凹部付き基板を用いて、多数の凸部(マイクロレンズ形成用凸部)を形成し、レンズ基板の製造においては、実際には基板上に多数のマイクロレンズ(凹レンズ)を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
本実施形態では、マイクロレンズ形成用型(第1の型)6として、後に詳述するエネルギ線を透過し得る材料で構成されたものを用いる。このような材料としては、例えば、各種樹脂材料や、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等のガラス材料等が挙げられる。中でも、マイクロレンズ形成用型6の構成材料としては、樹脂材料が好ましい。このような材料を用いることにより、容易に、マイクロレンズ形成用型を形成することができる。
マイクロレンズ形成用型6は、レンズ基板1を構成するマイクロレンズ11の表面形状に対応する形状を有し、かつ、マイクロレンズ11の配列方式に対応する方式で配列した、複数個の凸部(マイクロレンズ形成用凸部)61を備えており、これらの凸部61は、通常、マイクロレンズ11と、実質的に同一の(マイクロレンズが凹部であるのに対し凸部であり、かつ、転写された形状、位置関係である以外は同一の)形状(寸法)、配列方式を有している。
より詳しく説明すると、本実施形態において、凸部(マイクロレンズ形成用凸部)61は、マイクロレンズ形成用型6を平面視した際の横幅が縦幅よりも大きい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。凸部61がこのような形状を有することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができるレンズ基板1の製造に好適に用いることができる。
また、平面視したときの凸部61の短軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、長軸方向(縦方向)の長さをL[μm]としたとき、0.1≦L/L≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.5≦L/L≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.6≦L/L≦0.8の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
また、平面視したときの凸部61の短軸方向の長さは、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。凸部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、レンズ基板1(マイクロレンズ形成用型6)の生産性をさらに高めることができる。
また、平面視したときの凸部61の長軸方向の長さは、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、75〜150μmであるのがさらに好ましい。凸部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、レンズ基板1(マイクロレンズ形成用型6)の生産性をさらに高めることができる。
また、凸部61の短軸方向についての曲率半径(以下、単に「凸部61の曲率半径」とも言う)は、5〜250μmであるのが好ましく、15〜150μmであるのがより好ましく、25〜50μmであるのがさらに好ましい。凸部61の曲率半径が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
また、凸部61の高さは、7〜375μmであるのが好ましく、22〜225μmであるのがより好ましく、37〜75μmであるのがさらに好ましい。凸部61の深さが前記範囲内の値であると、レンズ基板1における光の利用効率および視野角特性を、特に優れたものとすることができる。
また、凸部61の高さをD[μm]、凸部61の短軸方向の長さをS[μm]としたとき、0.02≦S/D≦50の関係を満足するのが好ましく、0.1≦S/D≦1.40の関係を満足するのがより好ましく、0.5≦S/D≦1.0の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、これら複数個の凸部61は、千鳥格子状に配列している。このように凸部61が配列することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。これに対し、例えば、凸部が正方格子状等に配列したものであると、モアレ等の不都合の発生を十分に防止することが困難となる。また、凸部をランダムに配した場合、凸部が形成されている有効領域における凸部の占有率を十分に高めるのが困難となり、レンズ基板の光の透過率(光の利用効率)を十分に高めるのが困難となり、得られる画像が暗いものとなる。
また、上記のように、凸部61は、マイクロレンズ形成用型6を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数の凸部61で構成される第1の列と、それに隣接する第2の列とが、縦方向に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止するとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
なお、上記の説明では、凸部61が、レンズ基板1を構成するマイクロレンズ11と、実質的に同一の形状(寸法)、配列方式を有しているものとして説明したが、例えば、レンズ基板1の構成材料が収縮し易いものである場合(レンズ基板1を構成する樹脂材料(組成物3)が固化等により収縮する場合)、その収縮率等を考慮し、レンズ基板1を構成するマイクロレンズ11とマイクロレンズ形成用型6を構成する凸部61とについて、これらの間で、形状(寸法)、占有率等が異なるようにしてもよい。
次に、マイクロレンズ形成用型の製造方法について、図4〜図6を参照しながら説明する。なお、実際には基板上に多数のマイクロレンズ形成用の凸部を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
前述したようなマイクロレンズ形成用型6は、図6に示すような、マイクロレンズ形成用型6の凸部に対応した形状の凹部51を有する凹部付き基板5を用いて製造する。
まず、凹部付き基板5の製造方法について説明する。
まず、凹部付き基板5を製造するに際し、基板7を用意する。
基板7を構成する材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等のガラス材料等が挙げられる。中でも、基板7の構成材料としては、ソーダガラス、結晶性ガラス(例えば、ネオセラム等)、無アルカリガラスが好ましい。このような材料は、各種エネルギ線に対する安定性が特に優れているとともに、たわみを生じ難く、傷つき難い。また、加工が容易で、かつ、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
また、この基板7は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基板7は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
<A1>用意した基板7の表面に、多数個の初期孔(開口部)81を有するマスク8を形成するとともに、基板7の裏面(マスク8が形成される面と反対側の面)に裏面保護膜89を形成する(マスキング工程、図4(a)、図4(b)参照)。
特に、本実施形態では、まず、図4(a)に示すように、用意した基板7の裏面に裏面保護膜89を形成するとともに、基板7の表面にマスク形成用膜4を形成し(マスク形成用膜形成工程)、その後、図4(b)に示すように、マスク形成用膜4に初期孔81を形成すること(初期孔形成工程)によりマスク8を得る。マスク形成用膜4および裏面保護膜89は同時に形成することもできる。
マスク形成用膜4は、レーザ光の照射等により、後述する初期孔81を形成することができるとともに、後述するエッチング工程におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、マスク形成用膜4(マスク8)は、エッチングレートが、基板7と略等しいか、または、基板7に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、マスク形成用膜4(マスク8)を構成する材料としては、例えばCr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。
また、マスク形成用膜4(マスク8)は、例えば、実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、異なる複数の層を有する積層体等であってもよい。
上記のように、マスク形成用膜4(マスク8)の構成は、特に限定されるものではないが、主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体であるのが好ましい。このような構成のマスク形成用膜4は、後述するようなレーザ光の照射等により、所望の形状の開口部を容易かつ確実に形成することができるものであり、また、このような構成のマスク形成用膜4を用いて得られるマスク8は、様々な組成のエッチング液に対して優れた安定性を有している(後述するエッチング工程において基板7をより確実に保護することができる)。また、マスク形成用膜4(マスク8)のが上記のような構成のものであると、例えば、後述するエッチング工程において、エッチング液として一水素二フッ化アンモニウムを含む液体を好適に用いることができる。一水素二フッ化アンモニウムは毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響をより確実に防止することができる。また、上記のような構成のマスク形成用膜4(マスク8)は、マスクの内部応力を効率良く緩和することができ、基板7との密着性(特に、エッチング工程における密着性)に特に優れている。このようなことから、上記のような構成のマスク形成用膜4(マスク8)を用いることにより、所望の形状の凹部51を容易かつ確実に形成することができる。
マスク形成用膜4の形成方法は特に限定されないが、マスク形成用膜4(マスク8)をクロム(Cr)、金(Au)等の金属材料(合金を含む)や金属酸化物(例えば酸化クロム)で構成されたものとする場合、マスク形成用膜4は、例えば、蒸着法やスパッタリング法等により、好適に形成することができる。また、マスク形成用膜4(マスク8)をシリコンで構成されたものとする場合、マスク形成用膜4は、例えば、スパッタリング法やCVD法等により、好適に形成することができる。
マスク形成用膜4(マスク8)の厚さは、マスク形成用膜4(マスク8)を構成する材料によっても異なるが、0.001〜2.0μm程度が好ましく、0.003〜0.2μm程度がより好ましい。厚さが前記下限値未満であると、マスク形成用膜4の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程(開口部形成工程)において形成される初期孔81の形状が歪んでしまう可能性がある。また、後述するエッチング工程でウェットエッチングを施す際に、基板7のマスクした部分を十分に保護できない可能性がある。一方、上限値を超えると、マスク形成用膜4の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程において、貫通する初期孔81を形成するのが困難になるほか、マスク形成用膜4(マスク8)の内部応力によりマスク形成用膜4(マスク8)が剥がれ易くなる場合がある。
裏面保護膜89は、次工程以降で基板7の裏面を保護するためのものである。この裏面保護膜89により、基板7の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護膜89は、例えば、マスク形成用膜4(マスク8)と同様の構成を有している。このため、裏面保護膜89は、マスク形成用膜4の形成と同時に、マスク形成用膜4と同様に設けることができる。
次に、図4(b)に示すように、マスク形成用膜4に、複数個の初期孔(開口部)81を形成し、マスク8を得る(初期孔形成工程)。本工程で形成される初期孔81は、後述するエッチングの際のマスク開口として機能するものである。
初期孔81の形成方法は、特に限定されないが、レーザ光の照射による方法であるのが好ましい。これにより、所望のパターンに配列した所望の形状の初期孔81を容易かつ精確に形成することができる。その結果、凹部51の形状、配列方式等をより確実に制御することができる。また、初期孔81をレーザの照射により形成することにより、マイクロレンズ形成用型を生産性良く製造することができる。特に、大面積の基板にも簡単に凹部を形成することができる。また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、その照射条件を制御することにより、後述するような初期凹部71を形成することなく初期孔81のみを形成したり、初期孔81とともに、形状、大きさ、深さのばらつきの小さい初期凹部71を、容易かつ確実に形成することができる。また、レーザ光の照射でマスク形成用膜4に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってレジスト膜に開口部を形成する場合に比べて、簡単かつ安価に開口部(初期孔81)を形成することができる。
また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、使用するレーザ光の種類は、特に限定されないが、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。また、各レーザのSHG、THG、FHG等の波長を使っても良い。
マスク形成用膜4に初期孔81を形成するとき、図4(b)に示すように、マスク形成用膜4だけでなく基板7の表面の一部も同時に除去し、初期凹部71を形成してもよい。これにより、後述するエッチング工程でエッチングを施す際に、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。また、この初期凹部71の深さの調整により、凹部51の深さ(レンズの最大厚さ)を調整することもできる。初期凹部71の深さは、特に限定されないが、5μm以下とするのが好ましく、0.1〜0.5μm程度とするのがより好ましい。なお、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、初期孔81とともに形成される複数個の初期凹部71について、深さのばらつきをより確実に小さくすることができる。これにより、マイクロレンズ形成用型6を構成する各凹部51の深さのばらつきも小さくなり、最終的に得られるレンズ基板1の各マイクロレンズ11の大きさ、形状のばらつきも小さくなる。その結果、各マイクロレンズ11の直径、焦点距離、レンズ厚さのばらつきを特に小さくさせることができる。
本工程で形成する初期孔81は、その形状、大きさは特に限定されないが、略円形で、その直径が、0.8〜20μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜4μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の直径が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部51を確実に形成することができる。ただし、初期孔81が、略楕円形のように扁平形状のものである場合、短軸方向の長さを、直径の値として代用することができる。すなわち、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の幅(短軸方向の長さ)は、特に限定されないが、0.8〜20μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜4μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の幅が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部51を確実に形成することができる。
また、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の長さ(長軸方向の長さ)は、0.9〜30μmであるのが好ましく、1.5〜15μmであるのがより好ましく、2.0〜6μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の長さが前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部51をより確実に形成することができる。
また、マスク形成用膜4に対してレーザ光の照射で初期孔81を形成するだけでなく、例えば、基板7にマスク形成用膜4を形成する際に、予め基板7上に所定パターンで異物を配しておき、その上にマスク形成用膜4を形成することでマスク形成用膜4に積極的に欠陥を形成し、当該欠陥を初期孔81としてもよい。
<A2>次に、図4(c)に示すように、初期孔81が形成されたマスク8を用いて基板7にエッチングを施し、基板7上に多数の凹部51を形成する(エッチング工程)。
エッチングの方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
初期孔81が形成されたマスク8で被覆された基板7に対して、エッチング(ウェットエッチング)を施すことにより、図4(c)に示すように、基板7は、マスク8が存在しない部分より食刻され、基板7上に多数の凹部51が形成される。上述したように、マスク8に形成された初期孔81が千鳥状(千鳥格子状)の配置であるため、形成される凹部51は、基板7の表面に千鳥状(千鳥格子状)に配置されたものとなる。
また、本実施形態では、前記工程<A1>でマスク形成用膜4に初期孔81を形成した際(マスク8を形成した際)に、基板7の表面に初期凹部71を形成している。これにより、エッチングの際、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。
また、ウェットエッチング法を用いると、凹部51を好適に形成できる。そして、エッチング液として、例えば、一水素二フッ化アンモニウムを含むエッチング液を用いると、基板7をより選択的に食刻することができ、凹部51を好適に形成することができる。
マスク8(マスク形成用膜4)が主としてクロムで構成されたものである場合、フッ酸系エッチング液としては、一水素二フッ化アンモニウムを含む液体が特に好適である。一水素二フッ化アンモニウム溶液は毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響を防止することができる。また、エッチング液として、一水素二フッ化アンモニウムを用いる場合、該エッチング液中には、例えば、過酸化水素が含まれていてもよい。これにより、エッチングスピートをより速くすることができる。
また、ウェットエッチングによれば、ドライエッチングに比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基板に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価にマイクロレンズ形成用型6を提供することができる。
<A3>次に、図4(d)に示すように、マスク8を除去する(マスク除去工程)。また、この際、マスク8の除去とともに、裏面保護膜89も除去することにより、凹部付き基板5が得られる。
マスク8が、前述したような主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体である場合、マスク8の除去は、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む混合物を用いたエッチングにより行うことができる。
また、例えば、マイクロレンズ形成用型6の凹部51が設けられている面側に、離型処理を施してもよい。これにより、後に詳述するレンズ基板1の製造方法において、レンズ基板1が有するマイクロレンズ11にカケ等の欠陥が生じるのを十分に防止しつつ、マイクロレンズ形成用型6を容易に取り外すことができる。離型処理としては、アルキルポリシロキサン等のシリコーン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の離型性を有する物質で構成される被膜の形成、ヘキサメチルジシラザン([(CHSi]NH)等のシリル化剤による表面処理、フッ素系ガスによる表面処理等が挙げられる。
以上により、図4(d)および図6に示すように、基板7上に多数の凹部51が千鳥状に形成された凹部付き基板5が得られる。
基板7上に千鳥状に配された複数個の凹部51を形成する方法は、特に限定されないが、上述したような方法(レーザ光の照射によりマスク形成用膜4に初期孔81を形成してマスク8を得、その後、そのマスク8を用いてエッチングを行うことにより、基板7上に凹部51を形成する方法)により形成した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、レーザ光の照射によりマスク形成用膜4に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によって開口部を形成する場合に比べて簡単かつ安価に、所定パターンで開口部(初期孔81)を有するマスクを得ることができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き基板5を提供することができる。
また、上述したような方法によれば、大型の基板に対する処理も容易に行うことができる。大型の基板を製造する場合に、従来のように複数の基板を貼り合わせる必要がなくなり、貼り合わせの継ぎ目をなくすことができる。これにより高品質で大型の凹部付き基板(マイクロレンズ形成用型)を簡便な方法で安価に製造することができる。
また、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、形成される初期孔81の形状、大きさ、配列等を、容易かつ確実に管理することができる。
次に、上述した凹部付き基板5を用いて、マイクロレンズ形成用型6を製造する方法について説明する。
<A’1>まず、図5(e)に示すように、上記のようにして得られた凹部付き基板5の凹部51が形成された側の面に、流動性を有する状態の樹脂材料62(例えば、軟化状態の樹脂材料62、未重合(未硬化)の樹脂材料62)を付与する。
なお、樹脂材料62の付与に先立ち、凹部付き基板5の凹部51が形成されている側の面に離型処理を施しておいてもよい。これにより、後述する工程において、凹部付き基板5から、マイクロレンズ形成用型を容易かつ確実に分離(剥離)することができる。
<A’2>次に、樹脂材料62を平板等で押圧した後、樹脂材料62を固化(ただし、硬化(重合)を含む)させる。これにより、凹部51に充填された樹脂で構成された凸部61を備えたマイクロレンズ形成用型6が形成される。
<A’3>次に、凹部付き基板5を取り除く。これにより、図3に示すような、マイクロレンズ形成用型6が得られる。
次に、上述したマイクロレンズ形成用型6を用いて、レンズ基板1を製造する方法について説明する。
図7、図8は、図1に示すレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図7、図7中の下側を「(光の)入射側」、上側を「(光の)出射側」と言う。
<B1>まず、図7(a)に示すように、マイクロレンズ形成用型6の凸部61が形成された側の面に、流動性を有する状態の組成物3(未重合(未硬化)の組成物3)を付与する。この組成物3は、通常、主として、後に詳述するエネルギ線により硬化し得る材料で構成されたものである。
なお、本工程においては、組成物3としてスペーサー19を含むものを用いてもよい。これにより、後述する工程においてマイクロレンズ形成用型6上の組成物3を基材15で押圧する際に、組成物3で構成された層の不本意な厚さのばらつきが生じるのを防止することができ、最終的に得られるレンズ基板1での、マイクロレンズ11の焦点の位置をより確実に制御することができ、色ムラ等の不都合の発生をより効果的に防止することができる。
本実施形態のように、スペーサー19を用いる場合、スペーサー19の形状は特に限定されないが、略球状、略円柱状であるのが好ましい。スペーサー19がこのような形状のものである場合、その直径は、10〜300μmであるのが好ましく、30〜200μmであるのがより好ましく、30〜170μmであるのがさらに好ましい。
なお、組成物3の付与に先立ち、マイクロレンズ形成用型6の凸部61が形成されている側の面に離型処理を施しておいてもよい。これにより、後述する工程において、マイクロレンズ形成用型6から、レンズ基板1(より正確には、レンズ基板1製造中筐体としての基板2)を容易かつ確実に分離(剥離)することができる。
<B2>次に、図7(b)に示すように、組成物3上に基材15を設置し、この基材15上に、組成物3を付与し、さらに、組成物3(基材15上に供給された組成物3)の表面に、フレネルレンズ12に対応する表面形状を有するフレネルレンズ形成用型(第2の型)9を設置する。そして、組成物3上に設置したフレネルレンズ形成用型9により、組成物3を押圧する(組成物押圧工程)。これにより、組成物3を、基材15、マイクロレンズ形成用型6、およびフレネルレンズ形成用型9と確実に密着させることができる。その結果、後述する工程(エネルギ線照射工程)において、基材15と、組成物3の硬化物で構成される硬化部16とを確実に接合することができ、これらの密着性を特に優れたものとすることができるとともに、マイクロレンズ形成用型6、およびフレネルレンズ形成用型9の表面形状が忠実に転写された硬化部16を、確実に形成することができる。
基材15は、通常、上述したような材料(レンズ基板1の材料)で構成されたものである。また、基材15としては、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基材15は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。また、基材15は、可撓性を有するものであっても、実質的に可撓性を結う差異ないものであってもよい。
基材15の厚さは、特に限定されないが、0.5〜5mmであるのが好ましく、1〜4mmであるのがより好ましく、2〜3mmであるのがさらに好ましい。
また、組成物押圧工程においては、例えば、押圧手段を用いて、フレネルレンズ形成用型9のほぼ全面(組成物3に接触するのとは反対の面側の全面)を、押圧してもよい。これにより、組成物3に加えられる圧力をより均一なものとすることができ、その結果、最終的に得られるレンズ基板1において、厚さの不本意なばらつきが発生するのをより効果的に防止することができる。また、押圧手段を用いることにより、容易かつ確実に、比較的大きな圧力で、基材15、フレネルレンズ形成用型9により組成物3を押圧することができる。その結果、レンズ基板1の厚さをより薄いものとすることができる。その結果、レンズ基板1の設計上、レンズの焦点距離を短くすることができ、光学特性の観点から有利である。また、レンズ基板を備える透過型スクリーン(リア型プロジェクタ)の薄型化を図る上でも有利である。
上記のような押圧手段としては、いかなるものを用いてもよいが、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、亜鉛、錫、銀、金、鉛、マグネシウム、チタン、ジルコニア、タングステン、モリブデン、コバルト等の他、ステンレス、42ニッケル−鉄合金、真鍮、ジュラルミン等の金属材料で構成されたものを用いるのが好ましい。このような材料は、高硬度であり、かつ、形状の安定性にも優れているため、基材15を所望の圧力(特に、比較的高い圧力)で好適に押圧することができる。また、上記のような材料は、一般に、後述するようなエネルギ線の反射効率にも優れている。このため、押圧手段が上記のような材料で構成されたものであると、後に詳述する工程(エネルギ線照射工程)において、組成物3の硬化に、エネルギ線のエネルギをより効率良く利用することができる。また、押圧手段は、例えば、その表面付近に、各種樹脂材料(ポリパラキシリレン等を含む)、ダイヤモンド、ダイヤモンド様炭素等の炭素系材料等で構成された被膜を有するものであってもよい。
フレネルレンズ形成用型9は、いかなる材料で構成されたものであってもよく、例えば、前述した押圧手段の構成材料として例示したような材料で構成されたものであってもよいし、マイクロレンズ形成用型6の構成材料として例示したような材料で構成されたものであってもよい。フレネルレンズ形成用型9が前述した押圧手段の構成材料として例示したような材料で構成されたものであると、組成物3、基材15を所望の圧力(特に、比較的高い圧力)で好適に押圧することができる。また、上記のような材料は、一般に、後述するようなエネルギ線の反射効率にも優れているため、エネルギ線照射工程において、組成物3の硬化に、エネルギ線のエネルギをより効率良く利用することができる。フレネルレンズ形成用型9が前述したマイクロレンズ形成用型6の構成材料として例示したような材料で構成されたものであると、例えば、エネルギ線照射工程において、フレネルレンズ形成用型9側から、エネルギ線を好適に照射することができる。言い換えると、フレネルレンズ形成用型9を第1の型として用い、マイクロレンズ形成用型6を第2の型として用いることができる。
なお、フレネルレンズ形成用型9の組成物3と接触する面側には、離型処理が施されていてもよい。これにより、レンズ基板1の製造において、形成されるフレネルレンズ12にカケ等の欠陥が生じるのを十分に防止しつつ、フレネルレンズ形成用型9を容易に取り外すことができる。
また、本工程においては、基材15とフレネルレンズ形成用型9との間に、上述したのと同様なスペーサーを配しておいてもよい。
<B3>次に、図7(c)に示すように、マイクロレンズ形成用型6を介して、組成物3にエネルギ線(図中、Eで示す。)を照射する。言い換えると、組成物3に対して、型としてのマイクロレンズ形成用型6と接触する面側からエネルギ線を照射する。これにより、組成物3が硬化し、硬化部16が形成され、基板2(着色部13を有していない以外は、レンズ基板1と同様の部材)が得られる(図7(d)参照)。このように、マイクロレンズ形成用型6を介して、組成物3にエネルギ線を照射することにより、フレネルレンズ形成用型(第2の型)9により組成物3を好適に押圧した状態で(例えば、上述したような押圧手段によりフレネルレンズ形成用型9を押圧し、当該フレネルレンズ形成用型9により組成物3を押圧した状態で)、エネルギ線の照射を行うことができる。その結果、最終的に得られるレンズ基板1において、基材15と硬化部16との間に気泡が侵入したり、厚さの不本意なばらつきが発生するのをより効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られるレンズ基板を、信頼性が高く、光学特性に優れたものとすることができる。
また、製造されるレンズ基板は、凹レンズとしてのマイクロレンズを有するものなので、マイクロレンズ形成用型6を介して、組成物3にエネルギ線を照射すると、レンズの効果によってエネルギ線が拡散し、より効率よく組成物3を硬化させることができる。これに対して、凸レンズを形成しようとする場合には、レンズの効果(集光する性質)によって、硬化しにくい部分が生じてしまい、レンズ基板の生産性が低下する。
また、組成物3に対して、第1の型としてのマイクロレンズ形成用型6と接触する面側からエネルギ線を照射することにより、基材15の組成物3と接触する面とは反対の面側を、前述したような、エネルギ線の反射率の高い材料(金属材料)で構成された第2の型としてのフレネルレンズ形成用型9により組成物3を押圧した状態(または、エネルギ線の反射率の高い材料(金属材料)で構成された押圧手段により、フレネルレンズ形成用型9を介して組成物3を押圧した状態)で、エネルギ線を照射することができる。これにより、エネルギ線の利用効率を特に優れたものとすることができる。すなわち、マイクロレンズ形成用型6側から照射されたエネルギ線は、組成物3に吸収され、組成物3の硬化に利用されるが、照射されたエネルギ線の一部は、通常、組成物3の硬化に利用されることなく透過してしまう。しかしながら、上述したような材料で構成されたフレネルレンズ形成用型9(または押圧手段)を用いることにより、組成物3中を透過してしまったエネルギ線を、反射させることができ、この反射したエネルギ線を再び組成物3に照射することができる。その結果、エネルギ線が組成物3に対して硬化反応に必要な活性化エネルギを与える可能性が高くなり、したがって、組成物3の硬化反応をより効率良く進行させることができる。
なお、組成物3は、入射したエネルギ線を拡散させる機能を有する拡散材を含むものであってもよい。これにより、組成物3を効率良く硬化させることができる。拡散材としては、例えば、ポリスチレンビーズ、ガラスビーズ、有機架橋ポリマー等を用いることができる。拡散材が、上記のような材料で構成されたものであると、レンズ基板1の視野角特性を特に優れたものとすることができる。ここで拡散材は、組成物3全体に含まれるものであってもよいし、一部にのみ含まれるものであってもよい。拡散材の量は特に限定するものではないが、視野角特性と光の利用効率との両立の観点から、Haze(くもり度:Td/Tt、Td:拡散光線透過率、Tt:全光線透過率)が、例えば30〜99%になるようにすることが望ましい。
本工程で用いるエネルギ線としては、例えば、紫外線、電子線等が挙げられるが、この中でも紫外線が好ましい。エネルギ線として紫外線を用いた場合、例えば、簡易な設備で、より容易にレンズ基板1を製造することができる。また、組成物3の選択の自由度が増すとともに、レンズ基板1を製造する際に用いる装置等の部材に対する悪影響の発生をより効果的に防止することができる。また、エネルギ線の照射に際しては、加熱を行ってもよい。これにより、組成物3の硬化を促進することができる。
<B4>次に、図8(e)に示すように、マイクロレンズ形成用型6を、基板2から取り外す(型除去工程)。このように、マイクロレンズ形成用型6を基板2から取り外すことにより、取り外されたマイクロレンズ形成用型6を、基板2(レンズ基板1)の製造に繰り返し使用することができ、製造コスト面や製造される基板2(レンズ基板1)の品質の安定性を高める上で有利である。
<B5>その後、図8(f)に示すように、マイクロレンズ形成用型6から取り外された基板2に対して着色液を付与することにより、着色部13を形成し、それ以外の部位を非着色部14とする(着色部形成工程)。これにより、着色部13を有するレンズ基板1が得られる。
着色液は、いかなるものであってもよいが、本実施形態では、着色剤とベンジルアルコールとを含むものである。このような着色液を用いることにより、基板2の着色を容易かつ確実に行うことができる。特に、アクリル系樹脂のように、従来の着色方法では着色が困難であった材料で構成された基板に対しても、容易かつ確実に着色を施すことができる。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
すなわち、ベンジルアルコールを含む着色液を用いることにより、着色液中のベンジルアルコールが基板中に深く侵入、拡散し、基板を構成する分子の結合(分子間結合)を緩め、着色剤が侵入するための空間を確保する。そして、ベンジルアルコールにより確保された空間に着色剤が容易に、深く入りこむことにより、前記空間(着色剤のための座席(着色座席)に例えることができる)に着色剤が保持され、基板が着色され、また容易に脱離しない。
また、上記のような着色液を用いることにより、均一な濃度の着色部を容易かつ確実に形成することができる。特に、着色に供される基板(ワーク)が、その表面にマイクロレンズのような微細な構造を有するもの(二次元方向への凹凸の周期がいずれも小さいもの)、また、着色されるべき領域が大面積のものであっても、ベンジルアルコールが樹脂の分子の結合そのものを緩めることができるため、均一な濃度で(透過率のムラなく)着色部を形成することができる。
なお、ここで、アクリル系樹脂に対して、ベンジルアルコールは特に前述の着色座席を確保する働きが強い。このために着色剤をより効率的に基板に取りこむことが可能となる。
着色液の付与方法としては、例えば、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター、捺染等の各種塗布法や、基板2を着色液中に浸漬するディッピング等の方法が挙げられるが、中でも、ディッピング(特に、浸染)が好ましい。これにより、容易かつ確実に着色部13(特に、均一な濃度の着色部13)を形成することができる。また、特に、着色液の付与を浸染により行う場合、着色液が付与される基板2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。これは、ベンジルアルコールと浸染に用いることができる染料が溶液中に十二分に存在しているため、ベンジルアルコールが十分に着色座席を確保し、着色が容易に、且つ、大面積においても均一に行うことができるためである。
着色液を付与する工程は、着色液および/または基板2を、60〜100℃とした状態で行うのが好ましい。これにより、大面積でも均一にベンジルアルコールの着色座席の確保を促進させ、さらには着色速度を上げ、効率良く着色部13を形成することができる。
また、着色液を付与する工程は、例えば、雰囲気圧を高めた状態(加圧した状態)で行ってもよい。これにより、着色液の基板内部への侵入を促進することができ、結果として、着色部13を短時間で効率良く形成することができる。
なお、着色液の付与は、必要に応じて(例えば、形成すべき着色部13の濃度を濃くしたい場合等においては)、複数回繰り返し行ってもよい。
また、着色液の付与後、必要に応じて、加熱、冷却等の熱処理、光照射、雰囲気の加圧、減圧等の処理を施してもよい。これにより、着色部13の定着(安定化)を促進することができる。
以下、本工程で用いる着色液についてより詳細に説明する。
着色液中におけるベンジルアルコールの含有率は、特に限定されないが、0.01〜10.0wt%であるのが好ましく、0.05〜8.0wt%であるのがより好ましく、0.1〜5.0wt%であるのがさらに好ましい。ベンジルアルコールの含有率が上記範囲内の値であると、着色部13を形成すべき基板2に対する悪影響の発生(例えば、基板2の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に好適な着色部13を形成することができる。
着色液中に含まれる着色剤は、各種染料、各種顔料等、いかなるものであってもよいが、染料であるのが好ましく、分散染料および/またはカチオン系染料であるのがより好ましく、分散染料であるのがさらに好ましい。これにより、着色部を形成すべき基板に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部を形成することができる。特に、着色液が付与される基板2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。これは、上記のような着色剤が、アクリル系樹脂等が有するエステル基(エステル結合)を染着座席とするために、より着色しやすいためであると考えられる。
また、着色液は、さらに界面活性剤を含むものであるのが好ましい。これにより、着色剤をベンジルアルコールの存在下においても、安定的に、均一に分散させることができ、着色液が付与される基板2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。界面活性剤としては、例えば、非イオン系(ノニオン系)、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン系(ノニオン系)界面活性剤としては、例えば、エーテル系界面活性剤、エステル系界面活性剤、エーテルエステル系界面活性剤、含窒素系界面活性剤等が挙げられ、より具体的には、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げられる。また、アニオン系界面活性剤としては、例えば、各種ロジン、各種カルボン酸塩、各種硫酸エステル塩、各種スルホン酸塩、各種リン酸エステル塩等が挙げられ、より具体的には、ガムロジン、重合ロジン、不均一化ロジン、マレイン化ロジン、フマール化ロジン、マレイン化ロジンペンタエステル、マレイン化ロジングリセリンエステル、トリステアリン酸塩(例えば、アルミニウム塩等の金属塩等)、ジステアリン酸塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等の金属塩等)、ステアリン酸塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、リノレン酸塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、オクタン酸塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等の金属塩等)、オレイン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等の金属塩等)、パルミチン酸塩(例えば、亜鉛塩等の金属塩等)、ナフテン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、レジン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、ポリアクリル酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、ポリメタクリル酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、ポリマレイン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、セルロース、ドデシルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、アルキルスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)等が挙げられる。また、カチオン系界面活性剤としては、例えば、1級アンモニウム塩、2級アンモニウム塩、3級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩等の各種アンモニウム塩等が挙げられ、より具体的には、(モノ)アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、テトラアルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン、スルホベタイン等の各種ベタイン、各種アミノカルボン酸、各種リン酸エステル塩等が挙げられる。
<B6>その後、図8(g)に示すように、フレネルレンズ形成用型9からレンズ基板1を取り外す。このように、フレネルレンズ形成用型9を取り外すことにより、取り外されたフレネルレンズ形成用型9を、レンズ基板1の製造に繰り返し使用することができ、製造コスト面や製造されるレンズ基板1の品質の安定性を高める上で有利である。
[リア型プロジェクタ]
以下、前記レンズ基板(透過型スクリーン)を備えたリア型プロジェクタについて説明する。
図9は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、レンズ基板1(透過型スクリーンとしてのレンズ基板1)とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、上記のようなレンズ基板1(透過型スクリーンとしてのレンズ基板1)を備えているので、信頼性の高い画像を得ることができる。さらに、本実施形態では、上記のような構成を有しているので、視野角特性、光利用効率等も特に優れたものとなる。
また、特に、前述したレンズ基板1では、楕円形状のマイクロレンズ11が千鳥状(千鳥格子状)に配されているので、リア型プロジェクタ300では、モアレ等の問題が特に発生し難い。
なお、上記の説明では、レンズ基板を、マイクロレンズの形成された面側が光の入射側に配されるように設置するものとして説明したが、レンズ基板の設置方向は、この逆であってもよい。すなわち、光の入射側にフレネルレンズが配され、光の出射側にマイクロレンズが配されるようにレンズ基板を設置してもよい。これにより、例えば、以下のような効果が得られる。すなわち、図1に示すようなレンズ基板1(凹レンズとしてのマイクロレンズ11を備えたレンズ基板1)を、マイクロレンズ11が光の出射側に配されるように設置することにより、外光をより透過させることができ、映り込みをより効果的に防止できる。また、凹レンズの出射側にブラックマトリックスを形成する構造を作れるとう利点がある。
また、光の入射側にフレネルレンズが配され、光の出射側にマイクロレンズが配されるようにレンズ基板を設置した場合において、凹レンズとしてのマイクロレンズ11の表面付近に、前述したような着色部13が形成されていると、図10に示すように、光の出射側から不本意に入射した外光のうち、着色部13で吸収されずに反射したものが再度、同一のマイクロレンズ11内の着色部13に入射されるため、より効果的に外光の反射を防止することができる。その結果、コントラストに特に優れた画像を得ることができる。
また、光の入射側にフレネルレンズが配され、光の出射側にマイクロレンズが配されるようにレンズ基板を設置する場合、図11に示すように、レンズ基板1は、レンズ基板1の光の出射側、すなわち、マイクロレンズが設けられた面側に、ブラックマトリックス(遮光部)10を有していてもよい。この場合、ブラックマトリックス10は、遮光性を有する材料で構成され、層状に形成されたものである。このようなブラックマトリックス10を有することにより、当該ブラックマトリックス10に、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収させることができ、スクリーンに投影される画像を、さらにコントラストに優れたものとすることができる。特に、前述したような着色部13を有するとともに、ブラックマトリックス10を有することにより、レンズ基板1による画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
なお、ブラックマトリックス10は、図示の構成のように、透明な基板100上に形成した状態で、設けられたものであってもよいし、レンズ基板1に直接形成することにより設けられたものであってもよい。
以上、本発明について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、レンズ基板、リア型プロジェクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、本発明のレンズ基板は、前述したような方法により得られたものに限定されない。すなわち、前述したような方法以外の方法により、形成されたレンズ基板を用いてもよい。例えば、前述した凹部付き基板と、フレネルレンズとを貼り合わせることにより得られたものを用いてもよい。
また、マイクロレンズ形成用型の製造に用いる凹部付き基板の製造方法は、前述したような方法に限定されない。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ形成用型側の組成物と、フレネルレンズ形成用型側の組成物との間に、基材を配した状態で、エネルギ線硬化処理を行い、基材の両面側に硬化部を有するレンズ基板を得るものとして説明したが、基材は、必ずしも用いなくてもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ形成用型の表面に組成物を付与するものとして説明したが、例えば、フレネルレンズ形成用型(第2の型)の表面に樹脂を付与し、これをマイクロレンズ形成用型(第1の型)で押圧することにより、レンズ基板を製造してもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ形成用型(第1の型)上に供給された組成物を押圧し、その後、エネルギ線の照射を行うものとして説明したが、組成物の押圧は行わなくてもよい。例えば、第1の型(マイクロレンズ形成用型)と第2の型(フレネルレンズ形成用型)とを所定距離だけ離間するように保持した状態で、これらの間の空隙に組成物を供給(充填)し、その後、エネルギ線の照射を行ってもよい。
また、前述した実施形態では、着色部は、基板のマイクロレンズ形成用型と接触していた面側に着色剤を含む着色液を付与することにより形成するものとして説明したが、着色部の形成方法はこのような方法に限定されない。例えば、マイクロレンズ形成用型側に供給される組成物として着色剤を含む材料で構成されたものを用いることにより着色部を形成してもよい。これにより、マイクロレンズ側の硬化部は着色剤を含む材料で構成され、かつ、基材およびフレネルレンズ側の硬化部は着色剤を実質的に含まない材料で構成されたものとすることができる。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ形成用型の製造に用いられる凹部付き基板の製造方法の初期孔形成工程において、初期孔81とともに、基板7に初期凹部71を形成するものとして説明したが、このような初期凹部71は形成されなくてもよい。初期孔81の形成条件(例えば、レーザのエネルギ強度、ビーム径、照射時間等)を適宜調整することにより、所望の形状の初期凹部71を形成したり、初期凹部71が形成されないように初期孔81のみを選択的に形成することができる。
また、前述した実施形態では、レンズ基板の製造において、マイクロレンズ形成用型を除去するものとして、マイクロレンズ形成用型は必ずしも除去しなくてもよい。言い換えると、マイクロレンズ形成用型は、レンズ基板の一部を構成するものであってもよい。
[リア型プロジェクタの作製]
(実施例1)
以下のように、マイクロレンズ形成用の凸部を備えたマイクロレンズ形成用型(第1の型)を製造した。
まず、基板として、横1.2m×縦0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板(絶対屈折率n:1.50)を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、クロム/酸化クロムの積層体(クロムの外表面側に酸化クロムが積層された積層体)を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、クロム/酸化クロムの積層体で構成されたのマスク形成用膜および裏面保護膜を形成した。クロム層の厚さは0.03μm、酸化クロム層の厚さは0.01μmであった。
次に、マスク形成用膜に対してレーザ加工を行い、マスク形成用膜の中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成し、マスクを得た。
なお、レーザ加工は、エキシマレーザを用いて、エネルギ強度1mW、ビーム径3μm、走査速度0.1m/秒という条件で行った。
これにより、マスクの上記範囲全面に亘って、所定の長さを有する初期孔が、千鳥状に配されたパターンで形成された。初期孔の平均幅は2μmであり、平均長さは2μmであった。
また、この際、ソーダガラス基板の表面に深さ50Åの凹部および変質層も形成した。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の平面視したときの形状が扁平形状(略楕円形状)の凹部(マイクロレンズ形成用凹部)を形成した。形成された多数の凹部は、互いにほぼ同一の形状を有していた。形成された凹部の短軸方向の長さ(ピッチ)は54μm、長軸方向の長さは72μm、曲率半径は36μm、深さは36μmであった。また、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率は100%であった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は2.0時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
次に、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
その後、基板の凹部が形成されている面側に、ヘキサメチルジシラザンによる気相表面処理(シリル化処理)を行い、離型処理部を形成した。
これにより、図6に示すような、ソーダガラス基板上に、多数の凹部が千鳥状に配列された凹部付き基板を得た。得られた凹部付き基板を平面視したときに、凹部が形成されている有効領域において、凹部が占める面積の割合が97%であった。
次に、凹部付き基板の凹部が形成された側の面に、未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))を付与した。
次に、アクリル系樹脂を平板により押圧した後、紫外線を照射し、アクリル系樹脂を硬化させた。
その後、凹部付き基板を取り外し、マイクロレンズ形成用型を得た。
得られたマイクロレンズ形成用型の凸部が形成されている面側に、ヘキサメチルジシラザンによる気相表面処理(シリル化処理)を行い、離型処理部を形成した。
次に、マイクロレンズ形成用型の凸部が形成された側の面に、未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))と、硬化した(重合済)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))で構成されたスペーサー(直径:10μm)との混合物で構成された組成物を付与した。
次に、マイクロレンズ形成用型上の組成物の表面に、硬化した(重合済)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))で構成された基材(平板状部材)を設置した。基材の厚さは、2mmであった。
その後、基材上に、未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))で構成された組成物を付与した。
次に、基材上に付与された組成物の表面に、硬化した(重合済)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))で構成され、フレネルレンズに対応する表面形状を有する、ソーダガラス製のフレネルレンズ形成用型(第2の型)を設置した。
その後、押圧手段によりフレネルレンズ形成用型を押圧し、このフレネルレンズ形成用型により、組成物、基板を押圧した。押圧手段としては、基材を押圧する押圧部が、平坦でステンレス鋼で構成されたものを用いた。
その後、押圧手段による押圧を行いつつ、組成物に対してマイクロレンズ形成用型側からエネルギ線としての紫外線を照射することにより、組成物を硬化させた。これにより、基材の両面側に、組成物が硬化することにより形成された硬化部が接合してなる基板が得られた。
次に、得られた基板から、マイクロレンズ形成用型を取り外した。
その後、マイクロレンズ形成用型から取り外された基板のマイクロレンズが形成された面側に、90℃の着色液を付与することにより、着色部を形成した。着色液としては、分散染料(Blue(双葉産業製)):2重量部、分散染料(Red(双葉産業製)):0.1重量部、分散染料(Yellow(双葉産業製)):0.05重量部、ベンジルアルコール:10重量部、界面活性剤:2重量部、純水:1000重量部の混合物を用いた。また、基板と着色液とは、20分間接触させた。なお、形成された着色部の濃度は、Y値(D65/2°視野)で55%であった。
その後、フレネルレンズ形成用型を取り外し、図1に示すような、透過型スクリーンとして機能するレンズ基板を得た。
このようにして得られた透過型スクリーンを用いて、図9に示すようなリア型プロジェクタを作製した。なお、光の入射側にマイクロレンズが配されるようにレンズ基板(透過型スクリーンとして機能するレンズ基板)を設置した。
(実施例2、3)
マイクロレンズ形成用型の製造における初期孔の形成条件、エッチング条件を調節するとともに、レンズ基板の製造に用いる組成物の構成材料、エネルギ線の種類等を表1に示すようにし、着色液の温度、濃度、付与時間等を調整し、着色部の濃度、着色部の平均厚さを表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にしてレンズ基板(透過型スクリーンとして機能するレンズ基板)、リア型プロジェクタを製造した。
(実施例4)
光の出射側にマイクロレンズが配されるようにレンズ基板(透過型スクリーンとして機能するレンズ基板)を設置した以外は、前記実施例1と同様にしてレンズ基板(透過型スクリーンとして機能するレンズ基板)、リア型プロジェクタを製造した。
(実施例5)
光の出射側にマイクロレンズが配されるようにレンズ基板(透過型スクリーンとして機能するレンズ基板)を設置した以外は、前記実施例2と同様にしてレンズ基板(透過型スクリーンとして機能するレンズ基板)、リア型プロジェクタを製造した。
(実施例6)
光の出射側にマイクロレンズが配されるようにレンズ基板(透過型スクリーンとして機能するレンズ基板)を設置した以外は、前記実施例3と同様にしてレンズ基板(透過型スクリーンとして機能するレンズ基板)、リア型プロジェクタを製造した。
(実施例7)
実施例4と同様にしてレンズ基板を製造し、以下のようにして、レンズ基板のマイクロレンズが設けられた側にブラックマトリックスを設けた以外は、前記実施例4と同様にしてリア型プロジェクタを製造した。
まず、厚さ3mmのガラス基板を用意した。
次に、ガラス基板表面に、遮光性材料(カーボンブラック)が添加されたポジ型のフォトポリマー(PC405G:JSR株式会社製)を、ロールコーターにより付与した。フォトポリマー中における遮光性材料の含有量は、20wt%であった。
次に、90℃×30分のプレベーク処理を施した。
次に、遮光材料が塗布された面が光の出射側となるように、前記ガラス基板を前記レンズ基板のマイクロレンズが形成されている側と接合した。
次に、レンズ基板のフレネルレンズ側から、80mJ/cmの平行光としての紫外線を照射した。これにより、照射した紫外線は、各マイクロレンズで集光され、各マイクロレンズの焦点(ブラックマトリックスの厚さ方向の中心付近)近傍のフォトポリマーを選択的に露光した。
その後、0.5wt%のKOH水溶液を用いて、40秒の現像処理を施した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行い、さらに、200℃×30分のポストベーク処理を施した。これにより、各マイクロレンズに対応した開口部を有するブラックマトリックスが形成された。形成されたブラックマトリックスの厚さは2μm、開口部の直径は45μmであった。
(比較例1)
マイクロレンズ形成用型として、銅で構成され、前記実施例1で用いたのと同様の形状を有するものを用意した。
次に、マイクロレンズ形成用型上の組成物の表面に、硬化した(重合済)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))で構成された基材(平板状部材)を設置した。基材の厚さは、2mmであった。その後、押圧手段により基材を押圧し、この基材により、前記組成物を押圧した。押圧手段としては、基材を押圧する押圧部が、平坦でステンレス鋼で構成されたものを用いた。
その後、押圧手段による押圧を解除し、組成物に対して基材側からエネルギ線としての紫外線を照射することにより、組成物を硬化させた。これにより、組成物が硬化することにより形成された硬化部が、基材に接合してなる基板が得られた。
次に、得られた基板から、マイクロレンズ形成用型を取り外した。
その後、マイクロレンズ形成用型から取り外された基板のマイクロレンズが形成された面側に、着色部を形成することにより、一方の面側に多数個のマイクロレンズを備えたマイクロレンズ基板を得た。なお、着色部の形成は、前記実施例1と同様の条件で行った。
一方、フレネルレンズ形成用型として、銅で構成され、前記実施例1で用いたのと同様の形状を有するものを用意した。
次に、フレネルレンズ形成用型上の組成物の表面に、硬化した(重合済)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))で構成された基材(平板状部材)を設置した。基材の厚さは、2mmであった。その後、押圧手段により基材を押圧し、この基材により、前記組成物を押圧した。押圧手段としては、基材を押圧する押圧部が、平坦でステンレス鋼で構成されたものを用いた。
その後、押圧手段による押圧を解除し、組成物に対して基材側からエネルギ線としての紫外線を照射することにより、組成物を硬化させた。これにより、組成物が硬化することにより形成された硬化部が、基材に接合してなる基板が得られた。
次に、得られた基板から、フレネルレンズ形成用型を取り外すことにより、フレネルレンズ基板を得た。
その後、上記のようにして得られたマイクロレンズ基板とフレネルレンズ基板とを用いて、透過型スクリーンを組み立てた。このとき、マイクロレンズ基板のマイクロレンズが設けられた面側が、フレネルレンズ基板に対向するように組み立てた。
このようにして得られた透過型スクリーンを用いて、図9に示すようなリア型プロジェクタを作製した。なお、透過型スクリーンは、光の入射側にフレネルレンズ基板が設置され、フレネルレンズ基板を透過した光(平行光)がマイクロレンズ基板に入射するように、設置した。
(比較例2)
実施例1で得られた凹部付き基板をマイクロレンズ形成用型として用いた以外は、前記実施例1と同様にしてリア型プロジェクタを製造した。すなわち、凸レンズとしてのマイクロレンズを備えたレンズ基板を有するリア型プロジェクタを製造した。
前記各実施例および各比較例について、レンズ基板(マイクロレンズを備えたレンズ基板)の製造条件、レンズ基板(マイクロレンズを備えたレンズ基板)の構成等を表1にまとめて示す。なお、表中、メタクリル樹脂を「PMMA」で示した。また、エネルギ線の照射方向については、マイクロレンズ形成用型側からの照射を「正」、それとは反対側からの照射を「逆」として示した。また、表1中、比較例2のマイクロレンズ形成用型については、凹部についての値を示した。
Figure 0004650131
[光の利用効率の評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタについて、光の利用効率の評価を行った。
光の利用効率の評価は、A(=300)[cd/m]の白色光を入射させた際、透過型スクリーンの光の出射面側で測定される光の輝度B[cd/m]の比率(B/A)を求めることにより行った。B/Aの値が大きいほど、光の利用効率が優れているといえる。なお、実施例1〜3および比較例2については、マイクロレンズが設けられた面側から光を入射させた際の光の利用効率を求め、実施例4〜7および比較例1については、フレネルレンズ基板が設置された面側から光を入射させた際の光の利用効率を求めた。
[コントラストの評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタについて、コントラストの評価を行った。
コントラスト(CNT)として、暗室において413lxの全白光が入射した時の白表示の正面輝度(白輝度)LW[cd/m]と、明室において光源を全消灯した時の黒表示の正面輝度の増加量(黒輝度増加量)LB[cd/m]との比LW/LBを求めた。なお、黒輝度増加量は、暗室の黒表示の輝度に対する増加量をいう。また、明室での測定は、外光照度が約185lxの環境下で行った。暗室での測定は、外光照度が0.1lx以下の環境下で行った。
[視野角の測定]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーン(レンズ基板)にサンプル画像を表示させた状態で、鉛直方向および水平方向での視野角の測定を行った。
視野角の測定は、変角光度計(ゴニオフォトメータ)で、1度間隔で測定するという条件で行った。
[回折光、モアレ、色ムラの評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーン(レンズ基板)にサンプル画像を表示させた。表示された画像について、回折光、モアレ、色ムラの発生状況を以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:回折光、モアレ、色ムラが全く認められない。
○:回折光、モアレ、色ムラがほとんど認められない。
△:回折光、モアレ、色ムラのうち少なくとも一つがわずかに認められる。
×:回折光、モアレ、色ムラのうち少なくとも一つが顕著に認められる。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 0004650131
表2から明らかなように、本発明では、いずれも、光の利用効率に優れるとともに、優れたコントラストが得られた。また、本発明では、視野角特性にも優れ、回折光、モアレ、色ムラのない優れた画像を表示することができた。すなわち、本発明では、優れた画像を安定的に表示することができた。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。
本発明のレンズ基板を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板のマイクロレンズが設けられた面側からの平面図である。 レンズ基板の製造に用いるマイクロレンズ形成用型(第1の型)を示す模式的な縦断面図である。 図3に示すマイクロレンズ形成用型の製造方法を示す模式的な縦断面図である。 図3に示すマイクロレンズ形成用型の製造方法を示す模式的な縦断面図である。 マイクロレンズ形成用型の製造に用いる凹部付き基板を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 本発明のレンズ基板を適用したリア型プロジェクタを模式的に示す図である。 マイクロレンズを部分的に拡大して示した縦断面図である。 本発明のレンズ基板の他の実施形態を示す模式的な縦断面図である。
符号の説明
1…レンズ基板 11…マイクロレンズ 111…中心 12…フレネルレンズ 13…着色部 14…非着色部 15…基材(レンズ基板用基材) 16…硬化部 17…第1の列 18…第2の列 19…スペーサー 2…基板 3…組成物 4…マスク形成用膜 5…凹部付き基板 51…凹部 6…マイクロレンズ形成用型(第1の型) 61…凸部(マイクロレンズ形成用凸部) 62…樹脂材料 7…基板 71…初期凹部 8…マスク 81…初期孔(開口部) 89…裏面保護膜 9…フレネルレンズ形成用型(第2の型) 10…ブラックマトリックス 300…リア型プロジェクタ 310…投写光学ユニット 320…導光ミラー 340…筐体

Claims (12)

  1. 多数のレンズ部を有するレンズ基板であって、
    レンズ基板の一方の主面側に、マイクロレンズとしての多数の凹レンズを有し、他方の主面側にフレネルレンズを有することを特徴するレンズ基板。
  2. 前記凹レンズの曲率半径は、5〜300μmである請求項1に記載のレンズ基板。
  3. 前記凹レンズは、レンズ基板を平面視したときの縦幅が横幅よりも小さい扁平形状を有するものである請求項1または2に記載のレンズ基板。
  4. 前記レンズ基板の厚さは、0.5〜5mmである請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ基板。
  5. 前記凹レンズの表面付近に着色部を有する請求項1ないし4のいずれかに記載のレンズ基板。
  6. 前記着色部の濃度は、Y値(D65/2°視野)で20〜85%である請求項5に記載のレンズ基板。
  7. 前記着色部の平均厚さは、0.1〜50μmである請求項5または6に記載のレンズ基板。
  8. 前記着色部は、前記凹レンズが設けられた側の面に、着色剤を付与することにより形成されたものである請求項5ないし7のいずれかに記載のレンズ基板。
  9. 前記着色剤の付与は、前記着色剤を含む着色液を用いて行われる請求項8に記載のレンズ基板。
  10. 前記着色液は、前記着色剤と、ベンジルアルコールとを含むものである請求項9に記載のレンズ基板。
  11. 前記フレネルレンズが設けられた面側から光を入射して用いるレンズ基板であって、
    前記凹レンズが設けられた面側に、遮光部を有する請求項1ないし10のいずれかに記載のレンズ基板。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載のレンズ基板を備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
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