JP2007187759A - マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ - Google Patents

マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】光の利用効率、視野角特性に優れるとともに、コントラストに優れた画像が得られるマイクロレンズ基板を提供すること、また、このようなマイクロレンズ基板を効率良く製造することが可能なマイクロレンズ基板の製造方法を提供すること、また、このようなマイクロレンズ基板を備えた透過型スクリーン、リア型プロジェクタを提供すること。
【解決手段】本発明のマイクロレンズ基板の製造方法は、基板本体の出射面側に感光性樹脂層を形成する工程と、感光性樹脂層のマイクロレンズの集光部に対応する部位を露光し、硬化部を形成すると、感光性樹脂層の感光性樹脂の未硬化の部位を除去する工程と、基板本体の出射面に、気相成膜法により、金属系材料層を形成する形成工程と、硬化部上に付与された前記金属系材料を、硬化部とともに除去し、開口部を形成する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタに関するものである。
近年、リア型プロジェクタは、ホームシアター用モニター、大画面テレビ等に好適なディスプレイとして、需要が高まりつつある。
リア型プロジェクタに用いられる透過型スクリーンには、レンチキュラレンズ等のレンズ部を備えたレンズ基板(レンズシート)が一般的に用いられている。
リア型プロジェクタに用いられる透過型スクリーンにおいては、表示画像のコントラストを向上させる目的で、レンズ基板のレンズ部による集光部以外の部位に、遮光部を設けることがある。
このような遮光部は、例えば、特許文献1に記載されているような方法により形成されていた。すなわち、遮光部は、例えば、レンズシートの平坦な表面に着色剤を含む感光性硬化型樹脂層からなる第1層を形成する工程と、第1の層上に、着色剤の含有量が第1層よりも少ない感光性硬化型樹脂層からなる第2層、および透光性基材を、この順に形成する工程と、レンズ部側から露光することにより、レンズ部による集光部にあたる箇所の少なくとも第1層をパターン状に硬化させる工程と、透光性基材側から全面露光することにより、透光性基材との界面近傍の第2層の全面を硬化させる工程と、レンズシートから、第2層およびレンズ部による集光部にあたる箇所がパターン状に硬化した第1層が重合接着した透光性基材を剥離することにより、レンズシートの平坦な表面では、レンズ部による集光部にあたる箇所の第1層を除去し、レンズ部による非集光部にあたる箇所には第1層を残し、着色剤を含む感光性硬化型樹脂層からなる遮光層を形成する工程とを有する方法により、形成されていた。
しかしながら、従来の方法では、遮光層を薄く形成するのが困難で、このため、レンズにより屈折した光の一部が、遮光層の開口部において、遮光層の壁面(厚さ方向の内面)に入射することにより吸収されてしまうという、いわゆる、ケラレという現象が生じてしまい、その結果、視野角特性や光の利用効率を著しく低下させてしまうという問題点があった。また、このようなレンズ基板(レンズシート)において、遮光性層(遮光膜)を設けなかった場合には、例えば、黒表示の場合において、深い黒色を表示することができないため、得られる画像のコントラストは著しく低いものとなってしまう。また、レンチキュラレンズを備えたレンズ基板(レンズシート)では、左右の視野角が大きいが上下の視野角が小さい(視野角に偏りがある)という問題があった。
特開2004−361875号公報
本発明の目的は、光の利用効率、視野角特性に優れるとともに、コントラストに優れた画像が得られるマイクロレンズ基板を提供すること、また、このようなマイクロレンズ基板を効率良く製造することが可能なマイクロレンズ基板の製造方法を提供すること、また、このようなマイクロレンズ基板を備えた透過型スクリーン、リア型プロジェクタを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のマイクロレンズ基板の製造方法は、多数のマイクロレンズを有する基板本体と、開口部を有する遮光層とを備えたマイクロレンズ基板を製造する方法であって、
前記基板本体を準備する基板本体準備工程と、
前記基板本体の前記マイクロレンズが設けられた側とは反対の面側に、未硬化の感光性樹脂材料を付与し、感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、
前記基板本体の前記マイクロレンズが設けられた側から光を照射し、前記感光性樹脂層の前記マイクロレンズの集光部に対応する部位を露光し、硬化部を形成する露光工程と、
前記感光性樹脂層の前記感光性樹脂の未硬化の部位を除去する未硬化樹脂除去工程と、
前記基板本体の前記マイクロレンズが設けられた側とは反対の面に、気相成膜法により、金属元素を含む金属系材料を付与し、金属系材料層を形成する金属系材料層形成工程と、
前記硬化部上に付与された前記金属系材料を、前記硬化部とともに除去し、前記開口部を形成する開口部形成工程とを有することを特徴とする。
これにより、光の利用効率、視野角特性に優れるとともに、コントラストに優れた画像が得られるマイクロレンズ基板を効率良く製造することが可能なマイクロレンズ基板の製造方法を提供することができる。
本発明のマイクロレンズ基板の製造方法では、前記金属系材料層の平均厚さは、1.0μm以下であることが好ましい。
これにより、マイクロレンズにより屈折した光の一部が、遮光層の開口部において、遮光層の壁面(厚さ方向の内面)に入射することにより吸収されてしまうという、いわゆる、ケラレという現象が生じるのをより効果的に防止することができる。
本発明のマイクロレンズ基板の製造方法では、前記金属系材料層の表面に、外光の反射を防止する反射防止処理を施すことが好ましい。
これにより、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収させることができ、スクリーンに投影される画像を、コントラストに優れたものとすることができる。
本発明のマイクロレンズ基板の製造方法では、前記反射防止処理は、有色の材料で構成された反射防止層を前記金属系材料層上に形成することにより行うことが好ましい。
これにより、容易に反射防止層を形成することができる。
本発明のマイクロレンズ基板の製造方法では、前記反射防止層は、前記開口部に向かって、厚さが漸減するよう構成されていることが好ましい。
これにより、開口部の周縁部における遮光層の厚さを比較的薄いものとすることができ、その結果、ケラレの発生をより確実に防止することができる。
本発明のマイクロレンズ基板は、本発明の方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、光の利用効率、視野角特性に優れるとともに、コントラストに優れた画像が得られるマイクロレンズ基板を提供することができる。
本発明の透過型スクリーンは、本発明のマイクロレンズ基板を備えたことを特徴とする。
これにより、光の利用効率、視野角特性に優れるとともに、コントラストに優れた画像が得られる透過型スクリーンを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーンを備えたことを特徴とする。
これにより、光の利用効率、視野角特性に優れるとともに、コントラストに優れた画像が得られるリア型プロジェクタを提供することができる。
以下、本発明のマイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明において、「基板」とは、実質的に可撓性を有さない、比較的肉厚の大きいものから、シート状のものや、フィルム状のもの等の含む概念のことを指す。
本発明のレンズ基板の用途は、特に限定されないが、本実施形態では、レンズ基板を、主に、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する部材として用いるものとして説明する。
まず、本発明のマイクロレンズ基板の製造方法の説明に先立ち、本発明のマイクロレンズ基板および透過型スクリーンの構成について説明する。
図1は、本発明のマイクロレンズ基板の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図、図2は、図1に示すマイクロレンズ基板の平面図、図3は、図1に示すマイクロレンズ基板を備えた、本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、図3中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。また、本発明においては、特に断りのない限り、「(光の)入射側」、「(光の)出射側」とは、それぞれ、画像光(映像光)を得るための光の「入射側」、「出射側」のことを指し、外光等の「入射側」、「出射側」のことを指すものではない。
マイクロレンズ基板1は、後述する透過型スクリーン10を構成する部材であり、図1に示すように、所定のパターンで配列された複数個のマイクロレンズ(凸レンズ)21を備えた基板本体2と、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収する機能を有するブラックマトリックス(遮光層)3とを備えている。
基板本体2は、通常、透明性を有する材料で構成される。
基板本体2の構成材料は、特に限定されないが、主として樹脂材料で構成され、所定の屈折率を有する透明な材料で構成されている。
基板本体2の具体的な構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
基板本体2の構成材料(固化した状態の材料)は、一般に、各種気体(マイクロレンズ基板1が用いられる雰囲気)より大きな絶対屈折率を有するものであるが、絶対屈折率の具体的な値は、1.35〜1.9であるのが好ましく、1.40〜1.75であるのがより好ましい。基板本体2の構成材料の絶対屈折率が前記範囲内の値であると、光(入射光)の利用効率を特に優れたものとしつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
マイクロレンズ基板1は、光の入射する面側に凸面を有する凸レンズとしてのマイクロレンズ21を複数個備えている。
マイクロレンズ21は、いかなる形状を有するものであってもよいが、本実施形態において、マイクロレンズ21は、マイクロレンズ基板1を平面視した際の縦幅(鉛直方向の幅)が横幅(水平方向の幅)よりも小さい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。マイクロレンズ21がこのような形状を有することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
平面視したときのマイクロレンズ21の短軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、長軸方向(横方向)の長さをL[μm]としたとき、0.10≦L/L≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.50≦L/L≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.60≦L/L≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
平面視したときのマイクロレンズ21の短軸方向の長さ(マイクロレンズ21の縦幅)は、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。
また、平面視したときのマイクロレンズ21の長軸方向の長さ(マイクロレンズ21の横幅)は、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、70〜150μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。
また、マイクロレンズ21の曲率半径は、7.5〜375μmであるのが好ましく、22.5〜225μmであるのがより好ましく、35〜150μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の曲率半径が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。なお、マイクロレンズ21は、短軸方向についての曲率半径と、長軸方向の曲率半径が異なるものであってもよいが、このような場合、長軸方向の曲率半径が上記の範囲内の値であるのが好ましい。
また、マイクロレンズ21の高さは、7.5〜375μmであるのが好ましく、22.5〜225μmであるのがより好ましく、35〜125μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の高さが前記範囲内の値であると、光の利用効率および視野角特性を、特に優れたものとすることができる。
上記のように、マイクロレンズ21は、マイクロレンズ基板1を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数のマイクロレンズ21で構成される第1の行25と、それに隣接する第2の行26とが、横方向に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止するとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
上記のように、マイクロレンズの形状や配列方式、占有率等を厳密に規定することにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、各マイクロレンズ21は、入射側に突出した凸レンズとして形成されており、焦点fが、後述するブラックマトリックス3に設けられた開口部(非遮光部)33の近傍に位置するように設計されている。すなわち、マイクロレンズ基板1に対して、ほぼ垂直な方向から入射した平行光La(後述するフレネルレンズ部5からの平行光La)は、マイクロレンズ基板1の各マイクロレンズ21によって集光され、ブラックマトリックス3の開口部33近傍で焦点fを結ぶ。このように、ブラックマトリックス3の開口部33の近傍でマイクロレンズ21が焦点を結ぶことにより、光の利用効率を特に優れたものとすることができる。また、開口部33の近傍でマイクロレンズ21が焦点を結ぶことにより、開口部33の面積を小さくすることができる。すなわち、マイクロレンズ基板1を平面視したときの、ブラックマトリックス3(開口部33以外の領域)で覆われた面積の割合を大きくすることができる。その結果、マイクロレンズ基板を透過した光により形成される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ基板1を光の入射面側(図2で示した方向)から平面視したときの、マイクロレンズ21が形成されている有効領域において、マイクロレンズ21の占有率は、90%以上であるのが好ましく、96%以上であるのがより好ましく、97〜99.5%であるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の占有率が90%以上であると、マイクロレンズ21以外を通過する直進光をより少なくすることができ、光利用効率をさらに向上させることができる。なお、マイクロレンズ21の占有率は、平面視したときのマイクロレンズ21の中心(頂部の中心)211と、当該マイクロレンズ21に隣接する、マイクロレンズ21が形成されていない部位の中心部とを結ぶ線分において、マイクロレンズ21が形成されている部位の長さL[μm]と、前記線分の長さL[μm]との比率(L/L×100[%])として求めることができる(図2参照)。
また、基板本体2の光の出射側の面側には、開口部33を有するブラックマトリックス3が設けられている。
本実施形態では、ブラックマトリックス3は、金属系材料層31と、反射防止層32とで構成されている。
金属系材料層31は、後述するように気相成膜法により形成されたものであり、主として金属原子を含む金属系材料で構成されたものである。
金属系材料層31を構成する金属系材料としては、例えば、Cr、Ti、Ni、Ag等の金属、CrO、TiO、NiO、AgO等の金属酸化物等が挙げられる。
金属系材料層31は、比較的薄い層状に形成されたものである。
金属系材料層31の平均厚さは、1.0μm以下であるのが好ましく、0.03〜0.2μmであるのがより好ましい。金属系材料層31の平均厚さがこのような範囲のものであると、マイクロレンズ21により屈折した光の一部が、ブラックマトリックス3の開口部33において、ブラックマトリックス3の壁面(厚さ方向の内面)に入射することにより吸収されてしまうという、いわゆる、ケラレという現象が生じるのをより効果的に防止することができる。
なお、金属系材料層31は、複数種の材料で構成されたものであってもよく、例えば、主としてクロムで構成された層と、主として酸化クロムで構成された層とを有する積層体であってもよい。金属系材料層31がこのような構成を有するものであると、ブラックマトリックス3(金属系材料層31)の耐久性を特に優れたものとすることができる。
反射防止層32は、有色の材料で構成されており、外光の反射を防止する機能を有している。言い換えると、反射防止層32は、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収する機能を有している。このような反射防止層32を有することにより、ブラックマトリックス3に、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収させることができ、スクリーンに投影される画像を、コントラストに優れたものとすることができる。
反射防止層32を構成する有色の材料としては、例えば、各種顔料、各種染料等が上げられる。また、必要に応じて、樹脂材料を含んでいてもよい。
この反射防止層32は、図1に示すように、開口部33に向かってその厚さが漸減するよう構成されている。このように反射防止層32の厚さが開口部33に向かって漸減するものであると、開口部33の周縁部におけるブラックマトリックス3の厚さを比較的薄いものとすることができ、その結果、ケラレの発生をより確実に防止することができる。
また、ブラックマトリックス3は、各マイクロレンズ21を透過した光の光路上に開口部33を有している。これにより、各マイクロレンズ21で集光された光を、効率良く、ブラックマトリックス3の開口部33を通過させることができる。その結果、マイクロレンズ基板1の光利用効率を高いものとすることができる。特に、本発明のマイクロレンズ基板は、後述するような本発明の方法により得られたものであるから、開口部の周縁部におけるブラックマトリックスの厚さが比較的薄いものとなっており、ケラレ等の発生が防止され、視野角特性や光の利用効率に特に優れたものとなる。
ブラックマトリックス3の開口部33は、いかなる形状のものであってもよいが、平面視したときの形状が略円形であるのが好ましい。開口部31が略円形である場合、開口部31の大きさは、特に限定されないが、その直径が、5〜80μmであるのが好ましく、5〜50μmであるのがより好ましく、10〜40μmであるのがさらに好ましい。これにより、スクリーンに投影される画像を、よりコントラストに優れたものとすることができる。
本発明のマイクロレンズ基板は、後に詳述するような方法で製造されたものであるため、光の利用効率に優れている。マイクロレンズ基板1の光の利用効率(マイクロレンズ基板1の入射面側から入射する光の光量に対する、出射面側から出射する光の光量の割合)は、60%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、80〜95%であるのがさらに好ましい。
次に、上述したようなマイクロレンズ基板1を備えた透過型スクリーン10について説明する。
図3に示すように、透過型スクリーン10は、フレネルレンズ部5と、前述したマイクロレンズ基板1とを備えている。フレネルレンズ部5は、光(画像光)の入射側に設置されており、フレネルレンズ部5を透過した光が、マイクロレンズ基板1に入射する構成になっている。
フレネルレンズ部5は、出射側表面に、ほぼ同心円状に形成されたプリズム形状のフレネルレンズ51を有している。このフレネルレンズ部5は、投射レンズ(図示せず)からの画像光を屈折させ、マイクロレンズ基板1の主面の垂直方向に平行な平行光Laにするものである。
以上のように構成された透過型スクリーン10では、投射レンズからの映像光が、フレネルレンズ部5によって屈折し、平行光Laとなる。そして、この平行光Laは、マイクロレンズ基板1のブラックマトリックス3が設けられた面側とは反対の面側からに入射し、各マイクロレンズ21によって集光し、焦点を結んだ後に拡散する。このとき、マイクロレンズ基板1に入射した光は、十分な透過率でマイクロレンズ基板1を透過する。開口部33を通過した光は、拡散し、観察者に平面画像として観測される。
以下、上述したマイクロレンズ基板、および、その製造方法について説明するが、それに先立ち、上述したマイクロレンズ基板の製造に好適に用いることができる凹部付き部材(マイクロレンズ形成用凹部付き部材)、および、その製造方法について説明する。
図4は、マイクロレンズ基板の製造に用いる凹部付き部材を示す模式的な縦断面図、図5は、図4に示す凹部付き部材の製造方法を示す模式的な縦断面図である。図6、図7、図8は、図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図6〜図8中の下側を「(光の)入射側」、図6〜図8中の上側を「(光の)出射側」と言う。
また、凹部付き部材の製造においては、実際には基板上に多数の凹部(マイクロレンズ用凹部)を形成し、マイクロレンズ基板(基板本体)の製造においては、実際には多数の凸部(凸レンズ)を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
まず、マイクロレンズ基板の製造方法の説明に先立ち、マイクロレンズ基板の製造に用いる凹部付き部材(マイクロレンズ形成用凹部付き部材)の構成およびその製造方法について説明する。
凹部付き部材(マイクロレンズ形成用凹部付き部材)6は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、たわみを生じ難く、傷つき難い材料で構成されたものであるのが好ましい。凹部付き部材6の構成材料としては、例えば、各種ガラス材料、各種樹脂材料等が挙げられる。ガラス材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられ、また、樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。この中でも、凹部付き部材6の構成材料としては、ガラス材料が好ましく、ソーダガラス、結晶性ガラス(例えば、ネオセラム等)、無アルカリガラスがより好ましい。このような材料は、一般に、形状の安定性に優れている。このため、凹部付き部材6が有する凹部61の形状の安定性(信頼性)や、当該凹部61を用いて形成されるマイクロレンズ21の寸法精度等を特に優れたものとすることができ、レンズ基板としての光学特性を特に信頼性の高いものとすることができる。また、ガラス材料は、一般に、形状の安定性に優れているため、後に詳述するマイクロレンズ基板1の製造方法において、製造された基板本体2の取り扱い性が向上する。また、ソーダガラス、結晶性ガラス、無アルカリガラスは、加工が容易であるとともに、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
凹部付き部材(マイクロレンズ形成用凹部付き部材)6は、マイクロレンズ21の配列方式に対応する方式(転写された位置関係)で配列した、複数個の凹部(マイクロレンズ形成用凹部)61を備えている。そして、これらの凹部61は、マイクロレンズ21が凸部であるのに対し凹部である以外は、マイクロレンズ21に対応する形状(転写された形状である以外は実質的に同一の形状)、寸法を有している。
より詳しく説明すると、本実施形態において、凹部(マイクロレンズ形成用凹部)61は、凹部付き部材6を平面視した際の縦幅(鉛直方向の幅)が横幅(水平方向の幅)よりも小さい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。凹部61がこのような形状を有することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができるマイクロレンズ基板1の製造に好適に用いることができる。
また、平面視したときの凹部61の短軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、長軸方向(横方向)の長さをL[μm]としたとき、0.10≦L/L≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.50≦L/L≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.60≦L/L≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
また、平面視したときの凹部61の短軸方向の長さは、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。凹部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性、およびマイクロレンズ基板1により投影される画像のコントラスト、輝度を特に優れたものとしつつ、投影される画像において十分な解像度を得ることができる。また、凹部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1を用いた際に、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができるとともに、マイクロレンズ基板1(凹部付き部材6)の生産性をさらに高めることができる。
また、平面視したときの凹部61の長軸方向の長さは、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、70〜150μmであるのがさらに好ましい。凹部61の長軸方向の長さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性、およびマイクロレンズ基板1により投影される画像のコントラスト、輝度を特に優れたものとしつつ、投影される画像において十分な解像度を得ることができる。また、凹部61の長軸方向の長さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1を用いた際に、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができるとともに、マイクロレンズ基板1(凹部付き部材6)の生産性をさらに高めることができる。
また、凹部61の曲率半径は、7.5〜375μmであるのが好ましく、22.5〜225μmであるのがより好ましく、35〜150μmであるのがさらに好ましい。凹部61の曲率半径が前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。なお、凹部61は、短軸方向についての曲率半径と、長軸方向の曲率半径が異なるものであってもよいが、このような場合、長軸方向の曲率半径が上記の範囲内の値であるのが好ましい。
また、凹部61の深さは、7.5〜375μmであるのが好ましく、22.5〜225μmであるのがより好ましく、35〜125μmであるのがさらに好ましい。凹部61の深さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性を、特に優れたものとすることができる。
また、これら複数個の凹部61は、千鳥状(千鳥格子状)に配列している。このように凹部61が配列することにより、製造されるマイクロレンズ基板1を用いた際に、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。これに対し、例えば、凹部が正方格子状等に配列したものであると、凹部(マイクロレンズ)の大きさ等によっては、モアレ等の不都合の発生を十分に防止することが困難となる。また、凹部をランダムに配した場合、凹部(マイクロレンズ)の大きさ等によっては、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率を十分に高めるのが困難となり、マイクロレンズ基板の光の透過率(光の利用効率)を十分に高めるのが困難となり、得られる画像が暗いものとなる可能性がある。
また、上記のように、凹部61は、凹部付き部材6を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数の凹部61で構成される第1の行と、それに隣接する第2の行とが、縦方向に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、製造されるマイクロレンズ基板1を用いた際に、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止することができるとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
なお、上記の説明では、凹部61が、凹と凸の関係である以外は、マイクロレンズ21と、実質的に同一の形状(寸法)、配列方式を有しているものとして説明したが、例えば、基板本体2の構成材料が収縮し易いものである場合(基板本体2を構成する組成物が固化等により収縮する場合)、その収縮率等を考慮し、マイクロレンズ21と凹部61とについて、これらの間で、形状(寸法)、占有率等が異なるようにしてもよい。
次に、凹部付き部材の製造方法について、図5を参照しながら説明する。なお、実際には基板上に多数の凹部(マイクロレンズ形成用凹部)を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
まず、凹部付き部材6を製造するに際し、基板7を用意する。
この基板7は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基板7は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
<A1>用意した基板7の表面に、多数個の初期孔(開口部)81を有するマスク8を形成するとともに、基板7の裏面(マスク8が形成される面と反対側の面)に裏面保護膜89を形成する(マスキング工程、図5(a)、図5(b)参照)。
特に、本実施形態では、まず、図5(a)に示すように、用意した基板7の裏面に裏面保護膜89を形成するとともに、基板7の表面にマスク形成用膜80を形成し(マスク形成用膜形成工程)、その後、図5(b)に示すように、マスク形成用膜80に初期孔81を形成すること(初期孔形成工程)によりマスク8を得る。マスク形成用膜80および裏面保護膜89は同時に形成することもできる。
マスク形成用膜80は、レーザ光の照射等により、後述する初期孔81を形成することができるとともに、後述するエッチング工程におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、マスク形成用膜80(マスク8)は、エッチングレートが、基板7と略等しいか、または、基板7に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、マスク形成用膜80(マスク8)を構成する材料としては、例えばCr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。
また、マスク形成用膜80(マスク8)は、例えば、実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、異なる複数の層を有する積層体等であってもよい。
上記のように、マスク形成用膜80(マスク8)の構成は、特に限定されるものではないが、主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体であるのが好ましい。このような構成のマスク形成用膜80は、後述するようなレーザ光の照射等により、所望の形状の開口部を容易かつ確実に形成することができるものであり、また、このような構成のマスク形成用膜80を用いて得られるマスク8は、様々な組成のエッチング液に対して優れた安定性を有している(後述するエッチング工程において基板7をより確実に保護することができる)。また、基板7がガラスで構成されたものであり、かつマスク形成用膜80(マスク8)が上記のような構成のものであると、例えば、後述するエッチング工程において、エッチング液として一水素二フッ化アンモニウムを含む液体を好適に用いることができる。一水素二フッ化アンモニウムは毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響をより確実に防止することができる。また、上記のような構成のマスク形成用膜80(マスク8)は、マスクの内部応力を効率良く緩和することができ、基板7との密着性(特に、エッチング工程における密着性)に特に優れている。このようなことから、上記のような構成のマスク形成用膜80(マスク8)を用いることにより、所望の形状の凹部61を容易かつ確実に形成することができる。
マスク形成用膜80の形成方法は特に限定されないが、マスク形成用膜80(マスク8)をクロム(Cr)、金(Au)等の金属材料(合金を含む)や金属酸化物(例えば酸化クロム)、またはこれらの複合材料(例えば、金属材料で構成された金属層と、金属酸化物で構成された金属酸化物層とを有する積層体等)で構成されたものとする場合、マスク形成用膜80は、例えば、蒸着法やスパッタリング法等により、好適に形成することができる。また、マスク形成用膜80(マスク8)をシリコンで構成されたものとする場合、マスク形成用膜80は、例えば、スパッタリング法やCVD法等により、好適に形成することができる。
マスク形成用膜80(マスク8)の厚さは、マスク形成用膜80(マスク8)を構成する材料によっても異なるが、0.01〜2.0μm程度が好ましく、0.01〜0.3μm程度がより好ましい。厚さが前記下限値未満であると、マスク形成用膜80の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程(開口部形成工程)において形成される初期孔81の形状が歪んでしまう可能性がある。また、後述するエッチング工程でウェットエッチングを施す際に、基板7のマスクした部分を十分に保護できない可能性がある。一方、上限値を超えると、マスク形成用膜80の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程において、貫通する初期孔81を形成するのが困難になるほか、マスク形成用膜80(マスク8)の内部応力によりマスク形成用膜80(マスク8)が剥がれ易くなる場合がある。
裏面保護膜89は、次工程以降で基板7の裏面を保護するためのものである。この裏面保護膜89により、基板7の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護膜89は、例えば、マスク形成用膜80(マスク8)と同様の構成を有している。このため、裏面保護膜89は、マスク形成用膜80の形成と同時に、マスク形成用膜80と同様に設けることができる。なお、裏面保護膜89は、形成しなくてもよい。
次に、図5(b)に示すように、マスク形成用膜80に、複数個の初期孔(開口部)81を形成し、マスク8を得る(初期孔形成工程)。本工程で形成される初期孔81は、後述するエッチングの際のマスク開口として機能するものである。
初期孔81の形成方法は、特に限定されないが、レーザ光の照射による方法であるのが好ましい。これにより、所望のパターンに配列した所望の形状の初期孔81を容易かつ精確に形成することができる。その結果、凹部61の形状、配列方式等をより確実に制御することができる。また、初期孔81をレーザの照射により形成することにより、凹部付き部材を生産性良く製造することができる。特に、大面積の基板にも簡単に凹部を形成することができる。また、レーザ光の照射でマスク形成用膜80に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってレジスト膜に開口部を形成する場合に比べて、簡単かつ安価に開口部(初期孔81)を形成することができる。
また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、使用するレーザ光の種類は、特に限定されないが、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。また、各レーザのSHG、THG、FHG等の波長を使っても良い。
本工程で形成する初期孔81は、その形状、大きさは特に限定されないが、略円形で、その直径が、0.5〜30μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜5μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の直径が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61を確実に形成することができる。ただし、初期孔81が、略楕円形のように扁平形状のものである場合、短軸方向の長さを、直径の値として代用することができる。すなわち、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の幅(短軸方向の長さ)は、特に限定されないが、0.8〜30μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜5μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の幅が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61を確実に形成することができる。
また、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の長さ(長軸方向の長さ)は、0.5〜30μmであるのが好ましく、1.0〜15μmであるのがより好ましく、1.5〜10μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の長さが前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61をより確実に形成することができる。
<A2>次に、図5(c)に示すように、初期孔81が形成されたマスク8を用いて基板7にエッチングを施し、基板7上に多数の凹部61を形成する(エッチング工程)。
エッチングの方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
初期孔81が形成されたマスク8で被覆された基板7に対して、エッチング(ウェットエッチング)を施すことにより、図5(c)に示すように、基板7は、マスク8が存在しない部分(マスク8の初期孔81に対応する部位)より食刻され、基板7上に多数の凹部61が形成される。上述したように、マスク8に形成された初期孔81が千鳥状(千鳥格子状)の配置であるため、形成される凹部61は、基板7の表面に千鳥状(千鳥格子状)に配置されたものとなる。
また、ウェットエッチング法を用いると、凹部61を好適に形成できる。そして、エッチング液として、例えば、一水素二フッ化アンモニウムを含むエッチング液を用いると、基板7をより選択的に食刻することができ、凹部61を好適に形成することができる。
マスク8(マスク形成用膜80)が主としてクロム、酸化クロムで構成されたものである場合、フッ酸系エッチング液としては、一水素二フッ化アンモニウムを含む液体が特に好適である。一水素二フッ化アンモニウム溶液は毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響を防止することができる。また、エッチング液として、一水素二フッ化アンモニウムを用いる場合、該エッチング液中には、例えば、過酸化水素および/または硫酸が含まれていてもよい。これにより、エッチングスピートをより速くすることができる。
また、ウェットエッチングによれば、ドライエッチングに比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基板に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き部材6を提供することができる。
<A3>次に、図5(d)に示すように、マスク8を除去する(マスク除去工程)。また、この際、マスク8の除去とともに、裏面保護膜89も除去することにより、凹部付き部材6が得られる。
マスク8が、前述したような主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体である場合、マスク8の除去は、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む混合物を用いたエッチングにより好適に行うことができる。
また、例えば、凹部付き部材6の凹部61が設けられている面側に、離型処理を施してもよい。これにより、後に詳述するマイクロレンズ基板1の製造方法において、基板本体2が有するマイクロレンズ21にカケ等の欠陥が生じるのを十分に防止しつつ、凹部付き部材6を容易に取り外すことができ、結果として、最終的なマイクロレンズ基板1において、マイクロレンズ21の欠陥を防止することができる。離型処理としては、アルキルポリシロキサン等のシリコーン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の離型性を有する物質で構成される被膜の形成、ヘキサメチルジシラザン([(CHSi]NH)等のシリル化剤による表面処理、フッ素系ガスによる表面処理等が挙げられる。
以上により、図5(d)および図4に示すように、基板7上に多数の凹部61が千鳥状に形成された凹部付き部材6が得られる。
基板7上に千鳥状に配された複数個の凹部61を形成する方法は、特に限定されるものではないが、上述したような方法(レーザ光の照射によりマスク形成用膜80に初期孔81を形成してマスク8を得、その後、そのマスク8を用いてエッチングを行うことにより、基板7上に凹部61を形成する方法)により形成した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、レーザ光の照射によりマスク形成用膜80に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によって開口部を形成する場合に比べて簡単かつ安価に、所定パターンで開口部(初期孔81)を有するマスクを得ることができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き部材6を提供することができる。
また、上述したような方法によれば、大型の基板に対する処理も容易に行うことができる。大型の基板(凹部付き部材、レンズ基板)を製造する場合に、従来のように複数の基板を貼り合わせる必要がなくなり、貼り合わせの継ぎ目をなくすことができる。これにより高品質で大型の基板(凹部付き部材、レンズ基板)を簡便な方法で安価に製造することができる。
また、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、形成される初期孔81の形状、大きさ、配列等を、容易かつ確実に管理することができる。
次に、上述した凹部付き部材6を用いて、マイクロレンズ基板1を製造する方法について説明する。
<B1>まず、図6(a)に示すように、凹部付き部材6の凹部61が形成された側の面に、流動性を有する状態の組成物23(例えば、軟化状態の樹脂材料、未重合(未硬化)の樹脂材料)を付与し、その上に、基材フィルム24を載せ、この基材フィルム24を介して、組成物23を平板(押圧部材)11で押圧する(押圧工程)。
基材フィルム24は、組成物23(固化後の組成物23)と同程度の屈折率を有する材料で構成されているのが好ましく、より具体的には、基材フィルム24の構成材料の絶対屈折率と固化後の組成物23の絶対屈折率との差の絶対値が、0.20以下であるのが好ましく、0.10以下であるのがより好ましく、0.02以下であるのがさらに好ましい。基材フィルム24は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、ポリエチレンテレフタレートで構成されたものであるのが好ましい。また、基材フィルム24は、比較的厚いものを用いてもよいし、実質的に可撓性を有さないものを用いてもよい。
なお、平板11による押圧は、例えば、凹部付き部材6と、基材フィルム24との間に、スペーサーを配した状態で、行ってもよい。これにより、形成される基板本体2の厚さをより確実に制御することができる。また、スペーサーを用いる場合、組成物23を固化する際に、凹部付き部材6と基材フィルム24との間にスペーサーが配されていればよく、スペーサーを供給するタイミングは特に限定されない。例えば、凹部付き部材6の凹部61が形成された側の面に、付与する樹脂として予めスペーサーが分散された組成物23を用いてもよいし、凹部付き部材6上にスペーサーを配した状態で組成物23を付与してもよいし、組成物23の供給後にスペーサーを付与してもよい。
スペーサーを用いる場合、当該スペーサーは、固化後の組成物23と同程度の屈折率を有する材料で構成されているのが好ましく、より具体的には、スペーサーの構成材料の絶対屈折率と固化後の組成物23の絶対屈折率との差の絶対値が、0.20以下であるのが好ましく、0.10以下であるのがより好ましく、0.02以下であるのがさらに好ましく、固化後の組成物23とスペーサーとが同一の材料で構成されたものであるのが最も好ましい。
スペーサーの形状は、特に限定されないが、略球状、略円柱状であるのが好ましい。スペーサーがこのような形状のものである場合、その直径は、10〜300μmであるのが好ましく、30〜200μmであるのがより好ましく、30〜170μmであるのがさらに好ましい。
<B2>次に、組成物23を固化(ただし、硬化(重合)を含む)させ、マイクロレンズ21を備えた基板本体2を得る(固化工程。図6(b)参照)。
組成物23の固化を硬化(重合)により行う場合、その方法としては、例えば、紫外線等の光の照射、電子線の照射、加熱等の方法が挙げられる。
なおここで、必要に応じて組成物23および/または基材フィルム24の中には、光源からの入射光を拡散させるために、あらかじめ拡散材として例えばポリスチレンビーズ、ガラスビーズ、有機架橋ポリマーなどを混ぜても良い。ここで拡散材は組成物23および/または基材フィルム24全体に混入しても良いし、一部にのみ混入しても良い。
<B3>次に、形成された基板本体2から、凹部付き部材6および平板11を取り除く(押圧部材・凹部付き部材除去工程。図6(c)参照)。本工程で除去された凹部付き部材6および平板11は、マイクロレンズ基板1の製造に繰り返し使用することができる。これにより、製造されるマイクロレンズ基板1の品質の安定性を高めることができるとともに、製造コスト面でも有利となる。
<B4>次に、得られた基板本体2上に、未硬化の感光性樹脂材料(フォトレジスト)を付与し、フォトレジスト層(感光性樹脂層)4を形成する(感光性樹脂層形成工程)。
本実施形態では、フォトレジストとしては、ネガ型のフォトレジストを用いる。
フォトレジスト層4の平均厚さは、0.5〜10μm程度であるのが好ましく、2〜5μm程度であるのがより好ましい。
なお、形成されたフォトレジスト層に対して、必要に応じて、例えば、プレベーク処理等の熱処理を施してもよい。
<B5>次に、図7(e)に示すように、基板本体2に光(露光用光)Lbを照射する(露光工程)。
照射された光(露光用光)Lbはマイクロレンズ21に入射することにより屈折し、集光する。そして、集光されることにより、光度(光束)の大きくなった光が照射された部位のフォトレジスト層4が露光され、それ以外の部分のフォトレジスト層4は露光されないか、または露光量が少なくなり、光度(光束)の大きくなった光が照射された部位のフォトレジスト層4(フォトレジスト)のみが感光する。これにより、露光された部位が硬化し、硬化部41が形成される。
<B6>次に、光Lbを照射した後、現像を行い、フォトレジスト層4の未硬化の部位を除去する。ここで、このフォトレジスト層4はネガ型のフォトレジストで構成されたものであるので、集光された光が照射された部位以外の部位(未硬化のフォトレジスト)が現像により溶解、除去され、図7(f)に示すように、硬化部41のみが残る。なお、現像の方法は、フォトレジストの組成等により異なるが、例えば、KOH水溶液等のアルカリ性溶液を用いて行うことができる。
<B7>次に、基板本体2の前述した硬化部41を有する面(基板本体2の出射面)に対し、気相成膜法により、金属元素を含む金属系材料を付与し、金属系材料層31を形成する(金属系材料層形成工程)。
気相成膜法としては、例えば、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。
<B8>次に、図8(h)に示すように、硬化部41を除去するとともに、硬化部41上の金属系材料層31を除去する(開口部形成工程)。
この硬化部41の除去は、例えば、リフトオフ法による現像によって行うことができる。
ところで、従来の方法では、遮光層を薄く形成するのが困難で、このため、レンズにより屈折した光の一部が、遮光層の開口部において、遮光層の壁面(厚さ方向の内面)に入射することにより吸収されてしまうという、いわゆる、ケラレという現象が生じてしまい、その結果、視野角特性や光の利用効率を著しく低下させてしまうという問題点があった。
これに対して、本発明では、気相成膜法により形成された金属系材料層に、開口部を形成するのに、マイクロレンズの集光と感光性樹脂材料の性質とを利用することにより、金属系材料で構成された層の所定の部位のみを選択的に除去することができるとともに、形成される遮光層(ブラックマトリックス)の厚さ(開口部付近の厚さ)を比較的薄いものとすることができる。その結果、ケラレ等の問題を解決することができ、光の利用効率、視野角特性に優れるとともに、コントラストに優れた画像が得られるマイクロレンズ基板を効率良く得ることができる。
<B9>次に、開口部33が形成された金属系材料層31上に親水性材料を付与する。
親水性材料は、親水性を有するものである。本明細書中において、親水性材料とは、水に対する溶解度が小さい液体(例えば、25℃における水100gに対する溶解度が10g以下の液体)に対する親和性よりも、水に対する親和性の方が高い材料のことを指すが、具体的には、当該材料で構成した表面が平滑な膜(例えば、表面粗さRaが10μm以下の膜)に対する水の接触角が30°以下となるものであるのが好ましく、20°以下となるものであるのがさらに好ましい。
金属系材料層31を構成する金属系材料は、通常、水に対する親和性が低いため、このような親水性材料を開口部33が形成された金属系材料層31上に付与した場合、親水性材料は、金属系材料層31で被覆されていない基板本体2の表面、すなわち、開口部33内に侵入し、親水性部9を形成する(図8(i)参照)。
なお、親水性材料は、開口部33付近に選択的に付与するものであってもよいし、金属系材料層31表面のほぼ全体に付与するものであってもよい。このような場合であっても、金属系材料層31と親水性材料との親和性が低いものであるため、親水性材料は、第1の膜2との接触を避けるように(基板本体2に接触するように)、開口部33内に集まり、親水性部9は、開口部33内に選択的に形成される。
親水性材料の付与方法(親水性部9の形成方法)としては、例えば、ディップコート、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の気相成膜法、電解めっき、無電解めっき等の湿式めっき法等を適用することができる。
親水性材料としては、例えば、水性インク、ゲルインク、顔料インク等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、第1の膜2の構成材料としては、水性インクが好ましい。このような材料は、金属系材料層31の構成材料、後述する反射防止層32の構成材料との親和性が特に低いものであるため、本工程において、容易かつ確実により好適な形状の親水性部9を形成することができるとともに、後述する反射防止層形成工程において、容易かつ確実により好適な形状の反射防止層32を形成することができる。
親水性部4の厚さ(高さ)は、特に限定されないが、1〜100μmであるのが好ましく、2〜50μmであるのがより好ましく、3〜10μmであるのがさらに好ましい。親水性部9の厚さ(高さ)が前記範囲内の値であると、後の反射防止層形成工程において、好適な形状の反射防止層32をより確実に形成することができる。
<B10>次に、金属系材料層31の表面に、有色で親油性の反射防止層形成材料を付与する。
反射防止層形成材料は、親油性を有するものであるため、親水性を有する材料で構成された親水性部9上ではなく、金属系材料層31の表面に(開口部33を除く部分の表面)に、選択的に反射防止層32が形成される(図8(j)参照)。
このように、親水性部9との親和性の違いを利用して反射防止層32を形成することにより、反射防止層32は、図8(h)に示すように、開口部33に向かって、厚さが漸減するように形成されたものとなる。これにより、開口部33の周縁部におけるブラックマトリックス3の厚さを比較的薄いものとすることができ、その結果、ケラレの発生をより確実に防止することができる。
反射防止層形成材料としては、有色のものであれば良く、例えば、有色の成分(例えば、各種顔料、各種染料等)と、実質的に無色(透明)の成分(例えば、樹脂材料)とを含むものであってもよい。また、反射防止層形成材料は、溶媒、分散媒等の液状媒体を含むものであってもよい。これにより、反射防止層形成材料の流動性を好適に調節することができ、均一な厚さの反射防止層32を、容易かつ確実に形成することができる。
反射防止層32は、反射防止層形成材料を付与することにより形成することができる。なお、第2の材料の付与後、必要に応じて加熱処理、冷却処理、減圧処理等の処理を施してもよい。反射防止層32の形成方法(反射防止層形成材料の付与方法)としては、例えば、ディップコート、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の気相成膜法、電解めっき、無電解めっき等の湿式めっき法等を適用することができる。
<B11>次に、図8(k)に示すように、親水性部9を除去する(親水性部除去工程)。これにより、開口部33を有し、金属系材料層31と反射防止層32とで構成されたブラックマトリックス3が形成されるとともに、マイクロレンズ基板1が得られる。このように、親水性部9を除去することにより、マイクロレンズ基板1の光の透過性を特に優れたものとすることができ、光の利用効率を特に優れたものとすることができる。
親水性部9の除去は、例えば、水性の液体(例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒等)による洗浄や、加熱処理等により行うことができる。
以下、前記透過型スクリーンを用いたリア型プロジェクタについて説明する。
図9は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン10とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、上記のような透過型スクリーン10を備えているので、コントラストに優れた画像を得ることができる。さらに、本実施形態では、上記のような構成を有しているので、視野角特性、光利用効率等も特に優れたものとなる。
また、特に、前述したマイクロレンズ基板1では、楕円形状のマイクロレンズ21が千鳥状(千鳥格子状)に配されているので、リア型プロジェクタ300では、モアレ等の問題が特に発生し難い。
以上、本発明について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、マイクロレンズ基板、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、マイクロレンズ基板の製造方法においては、任意の工程を追加してもよい。
また、前述した実施形態では、遮光層(ブラックマトリックス)が、金属系材料層と反射防止層とで構成されたものとして説明したが、反射防止層はなくてもよく、遮光層は、金属系材料層のみで構成されたものであってもよい。この場合、例えば、金属系材料層を構成する金属系材料として、有色の材料を用いることにより、金属系材料層自体に反射防止機能を付与してもよい。
また、前述した実施形態では、凹部付き部材の表面に樹脂材料等の組成物を付与するものとして説明したが、例えば、平板の表面に組成物を付与し、これを凹部付き部材で押圧することにより、レンズ基板を製造してもよい。
また、前述した実施形態では、レンズ基板の製造において、凹部付き部材を除去するものとして、凹部付き部材は必ずしも除去しなくてもよい。言い換えると、凹部付き部材は、レンズ基板の一部を構成するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、開口部の形成を、基板本体から凹部付き部材を取り除いた後に行うものとして説明したが、開口部の形成は、凹部付き部材を取り除く前に行ってもよい。
また、前述した実施形態では、透過型スクリーンが、マイクロレンズ基板とフレネルレンズとを備えるものとして説明したが、本発明の透過型スクリーンは、必ずしも、フレネルレンズを備えたものでなくてもよい。例えば、本発明の透過型スクリーンは、実質的に、本発明のレンズ基板のみで構成されたものであってもよい。
また、本発明のレンズ基板、透過型スクリーンは、基板本体を透過した光を拡散させる機能を有する拡散部、拡散板を有するものであってもよい。このような構成であると、例えば、透過型スクリーン、リア型プロジェクタの視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、前述した実施形態では、レンズ基板(マイクロレンズ基板)は、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する部材であるものとして説明したが、本発明のレンズ基板の用途は、前記のようなものに限定されず、いかなるものであってもよい。例えば、本発明のレンズ基板は、拡散板、ブラックマトリックススクリーン、投射型表示装置(フロントプロジェクタ)のスクリーン(フロントプロジェクションスクリーン)、投射型表示装置(フロントプロジェクタ)の液晶ライトバルブの構成部材等に適用されるものであってもよい。
[マイクロレンズ基板および透過型スクリーンの作製]
(実施例1)
以下のように、マイクロレンズ形成用の凹部を備えた凹部付き部材を製造した。
まず、基板として、横1.2m×縦0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板(絶対屈折率n:1.50)を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、クロム/酸化クロムの積層体(クロムの外表面側に酸化クロムが積層された積層体)を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、クロム/酸化クロムの積層体で構成されたのマスクおよび裏面保護膜を形成した。クロム層の厚さは0.03μm、酸化クロム層の厚さは0.01μmであった。
次に、マスクに対してレーザ加工を行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成した。
なお、レーザ加工は、YAGレーザを用いて、エネルギ強度1mW、ビーム径3μm、走査速度0.1m/秒という条件で行った。
これにより、マスクの上記範囲全面に亘って、所定の長さを有する初期孔が、千鳥状に配されたパターンで形成された。初期孔の平均幅は2μmであり、平均長さは2μmであった。
また、この際、ソーダガラス基板の表面に深さ50Åの凹部および変質層も形成した。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の平面視したときの形状が扁平形状(略楕円形状)の凹部(マイクロレンズ形成用凹部)を形成した。形成された多数の凹部は、互いにほぼ同一の形状を有していた。形成された凹部の短軸方向の長さ(ピッチ)は56μm、長軸方向の長さは64μm、曲率半径は36μm、深さは36μmであった。また、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率は100%であった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は2.0時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
次に、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
その後、基板の凹部が形成されている面側に、ヘキサメチルジシラザンによる気相表面処理(シリル化処理)を行い、離型処理部を形成した。
これにより、図2に示すような、ソーダガラス基板上に、マイクロレンズ形成用の多数の凹部が千鳥状に配列された凹部付き部材を得た。得られた凹部付き部材を平面視したときに、凹部が形成されている有効領域において、凹部が占める面積の割合が97%であった。
次に、凹部付き部材の凹部が形成された側の面に、未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))で構成された組成物を付与し、その上に、ポリエチレンテレフタレート(PET)で構成された基材フィルム(厚さ:50μm)を載せた。基材フィルムを構成するポリエチレンテレフタレートの屈折率(絶対屈折率n)は、1.550であった。
次に、ソーダガラスで構成された平板で、基材フィルムを介して、前記組成物を押圧した。この際、基材フィルムと組成物との間に、空気が侵入しないようにした。
その後、平板で押圧した状態で、組成物に紫外線を照射することにより、組成物を完全に硬化させ、基板本体を得た。得られた基板本体(硬化後の組成物)の屈折率nは、1.557であった。また、得られた基板本体の樹脂層(マイクロレンズを除く部分)の厚さは50μmであった。また、扁平形状(略楕円形状)のマイクロレンズは、その短軸方向の長さ(直径)が56μm、長軸方向の長さが64μm、曲率半径が36μm、高さが36μmであった。また、マイクロレンズが形成されている有効領域におけるマイクロレンズの占有率は100%であった。
次に、基板本体から、平板、凹部付き部材を取り外した。
次に、基板本体の出射側(マイクロレンズが形成されている面とは反対側の面)表面に、フォトレジスト(感光性樹脂材料)を、ロールコーターにより付与し、感光性樹脂層を形成した(感光性樹脂層形成工程)。なお、フォトレジストとしては、東京応化社製の商品名「CFPRシリーズ」を用いた。また、形成した感光性樹脂層の平均厚さは、3μmであった。
次に、基板本体のマイクロレンズが形成されている側の面から、基板本体の入射側の面から、80mJ/cmの平行光としての紫外線を照射した(露光工程)。これにより、照射した紫外線は、各マイクロレンズで集光され、各マイクロレンズの焦点f近傍の感光性樹脂材料を選択的に露光し、硬化部を形成した。
次に、現像処理を施し、硬化部(フォトレジスト層の露光された部位)以外の部位を除去した(未硬化樹脂除去工程)。
次に、基板本体の、硬化部が形成されている側の表面に、クロム(Cr)/酸化クロム(CrO)の積層体(クロムの外表面側に酸化クロムが積層された積層体)で構成される金属系材料層を、スパッタリング法により形成した(金属系材料層形成工程)。この金属系材料層を構成するクロム層の厚さは、0.015μm、酸化クロム層の厚さは、0.045μmであった。
次に、リフトオフ法により、硬化部を除去するとともに、硬化部上の金属系材料層(金属系材料)を除去し、開口部を形成した(開口部形成工程)。
次に、開口部が形成された金属系材料層上に、親水性材料を刷毛塗りにより付与した。親水性材料としては、水性インクを用いた。
これにより、親水性材料は、金属系材料層で被覆されていない基板本体の表面、すなわち、金属系材料層の開口部内に侵入した。
次に、金属系材料層の表面に、有色で親油性の反射防止層形成材料をスピンコートにより付与し、金属系材料層上(開口部を除く部分の表面上)に反射防止層を形成した。反射防止層形成材料としては、凸版インクを用いた。これにより、ブラックマトリックスが形成された。なお、形成された反射防止層は、図1に示すように開口部に向かって、厚さが漸減するものであった。
次に、水洗により、親水性部を除去し、図1、図2に示すようなマイクロレンズ基板を得た。
以上のようにして製造されたマイクロレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、図3に示すような透過型スクリーンを得た。
(実施例2〜4)
凹部付き部材を形成する際のレーザ光の照射条件(形成される初期孔の形状、初期凹部の深さ)、エッチング液への浸漬時間を変更することにより、凹部付き部材の凹部の形状、配列パターンを変更し、これにより、マイクロレンズ基板に形成されるマイクロレンズの形状、配列パターン等を表1に示すようにし、金属系材料層形成工程において金属系材料層の構成等を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(実施例5)
反射防止層を形成せずに、開口部を形成した金属系材料層をブラックマトリックスとした以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例)
まず、前記実施例1と同様にして、基板本体を製造した。
次に、平板および凹部付き部材から取り外された状態の基板本体の、出射側(マイクロレンズが形成されている面とは反対側の面)表面に、着色剤を含む感光性硬化型樹脂で構成された第1層を形成した。第1層の形成は、以下のようにして行った。まず、基板本体の出射側の全面に、ジアリルイソフタレートプレポリマー:14.63重量部と、ジペンタエリスリトール・カプロラクトンのアクリル変性エステル化合物(KAYARAD DPCA−20:日本化薬社製)8.78重量部と、3官能アクリルオリゴマー(SR9012:日本化薬社製):0.98重量部と、カーボンブラック:10.16重量部と、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(イルガキュア907:1.63重量部と、2,4−ジエチルチオキサントン:0.33重量部と、疎水性シリカR974:1.13重量部と、メチルエチルケトン:31.19重量部と、トルエン:31.19重量部との混合物を、ロールコーターにより付与し、その後、基板本体に付与された混合物からメチルエチルケトンおよびトルエンを除去した。その後、さらに、形成された着色感光性硬化型樹脂層の乾燥面に、低密度ポリエチレンフィルム(厚さ30μm)を接触させて、ラミネーターを介して常温下で圧着を行い、着色感光性硬化型樹脂層(第1層)を形成した。形成された第1層の平均厚さは、10μmであった。
一方、透光性基材フィルムとして、ポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社製)を準備し、その表面に、ポリエステル(バイロンGK130:東洋紡績社製):67.33重量部と、ペンタエリスリトールトリアクリレート(アロニックスM−305:東亜合成社製):6.73重量部と、2官能変性エポキシアクリレート(エベクリル3708:ダイセル・ユーシービー社製):6.73重量部と、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(イルガキュア907:チバスペシャルティケミカルズ社製):1.12重量部、2,4−ジエチルチオキサントン(KAYACUREDETX−S:日本化薬社製):0.22重量部と、メチルエチルケトン:2.68重量部と、トルエン:2.68重量部との混合物を、マイクログラビアコーターにより付与し、その後、メチルエチルケトンおよびトルエンを除去した。これにより、厚さ2μmの感光性硬化型樹脂層(第2層)を有する透光性基材フィルムと得た。
次に、着色感光性硬化型樹脂層(第1層)が形成された基板本体の表面に積層した低密度ポリエチレンフィルムを剥離しながら、感光性硬化型樹脂層(第2層)を有する透光性基材フィルムと、互いの感光性硬化型樹脂層同士を接触するよう常温下でラミネートをインラインで行うことにより、2層の感光性硬化型樹脂層(第1層および第2層)を積層した。形成された第2層中における着色剤の含有率は、第1層中における着色剤の含有率よりも低いものであった。
次に、基板本体のマイクロレンズが形成されている側の面から、活性線露光照射装置(TL502:東芝ライテック社製)を用いて、10mJ/cmの露光を行った。次いで、50℃、0.2m/分、2kgf/cmの条件下で、ラミネートを行い、基板本体に加圧処理を施した。
その後、基板本体の透光性基材フィルム側から、上記活性線露光照射装置を用いて1mJ/cmの全面露光を行った。さらに、再度、25℃、0.2m/分、2kgf/cmの条件下でラミネートを行い、基板本体に加圧処理を施した。
その後、基板本体から、室温下で透光性基材フィルムを剥離し、マイクロレンズ基板を得た。透光性基材フィルムを剥離する際、マイクロレンズ側からの露光によるマイクロレンズの集光部分にあたる箇所の感光性硬化型樹脂層(第1層および第2層)は全て透光性基材フィルムと重合接着して剥離されたが、それとともに、集光部分の周辺も剥離されてしまった。
また、上記のようにして得られたマイクロレンズ基板を用いて、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを製造した。
前記各実施例および各比較例について、製造されたマイクロレンズ基板が有するマイクロレンズの形状、配列パターン、ブラックマトリックスの構成等を表1にまとめて示す。
Figure 2007187759
[光の利用効率の評価]
前記各実施例および比較例の透過型スクリーンについて、光の利用効率の評価を行った。
光の利用効率の評価は、A(=300)[cd/m]の白色光を入射させた際、透過型スクリーンの光の出射面側で測定される光の輝度B[cd/m]の比率(B/A)を求めることにより行った。B/Aの値が大きいほど、光の利用効率が優れているといえる。
[リア型プロジェクタの作製]
前記各実施例および各比較例の透過型スクリーンを用いて、図9に示すようなリア型プロジェクタを、それぞれ作製した。
[コントラストの評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタについて、コントラストの評価を行った。
コントラスト(CNT)として、暗室において413lxの全白光が入射した時の白表示の正面輝度(白輝度)LW[cd/m]と、明室において光源を全消灯した時の黒表示の正面輝度の増加量(黒輝度増加量)LB[cd/m]との比LW/LBを求めた。なお、黒輝度増加量は、暗室の黒表示の輝度に対する増加量をいう。また、明室での測定は、外光照度が約185lxの環境下で行った。暗室での測定は、外光照度が0.1lx以下の環境下で行った。
[視野角の測定]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた状態で、鉛直方向および水平方向での視野角の測定を行った。
視野角の測定は、変角光度計(ゴニオフォトメータ)で、1度間隔で測定するという条件で行った。
[回折光、モアレ、色ムラの評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた。表示された画像について、回折光、モアレ、色ムラの発生状況を以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:回折光、モアレ、色ムラが全く認められない。
○:回折光、モアレ、色ムラがほとんど認められない。
△:回折光、モアレ、色ムラのうち少なくとも一つがわずかに認められる。
×:回折光、モアレ、色ムラのうち少なくとも一つが顕著に認められる。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2007187759
表2から明らかなように、本発明では、いずれも、光の利用効率に優れるとともに、優れたコントラストが得られ、また、視野角特性にも優れていた。また、本発明では、回折光、モアレ、色ムラのない優れた画像を表示することができた。すなわち、本発明では、優れた画像を安定的に表示することができた。これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。
本発明のマイクロレンズ基板の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すマイクロレンズ基板の平面図である。 図1に示すマイクロレンズ基板を備えた、本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 マイクロレンズ基板の製造に用いる凹部付き部材を示す模式的な縦断面図である。 図4に示す凹部付き部材の製造方法を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 本発明の透過型スクリーンを適用したリア型プロジェクタを模式的に示す図である。
符号の説明
1…マイクロレンズ基板 2…基板本体 21…マイクロレンズ 23…組成物 24…基材フィルム 25…第1の行 26…第2の行 3…ブラックマトリックス(遮光膜) 31…金属系材料層 32…反射防止層 33…開口部 4…感光性樹脂層(フォトレジスト層) 41…硬化部 5…フレネルレンズ部 51…フレネルレンズ 6…凹部付き部材(マイクロレンズ形成用凹部付き部材) 61…凹部(マイクロレンズ形成用凹部) 7…基板 8…マスク 80…マスク形成用膜 81…初期孔(開口部) 89…裏面保護膜 9…親水性部 11…平板 10…透過型スクリーン 211…中心 300…リア型プロジェクタ 310…投写光学ユニット 320…導光ミラー 340…筐体

Claims (8)

  1. 多数のマイクロレンズを有する基板本体と、開口部を有する遮光層とを備えたマイクロレンズ基板を製造する方法であって、
    前記基板本体を準備する基板本体準備工程と、
    前記基板本体の前記マイクロレンズが設けられた側とは反対の面側に、未硬化の感光性樹脂材料を付与し、感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、
    前記基板本体の前記マイクロレンズが設けられた側から光を照射し、前記感光性樹脂層の前記マイクロレンズの集光部に対応する部位を露光し、硬化部を形成する露光工程と、
    前記感光性樹脂層の前記感光性樹脂の未硬化の部位を除去する未硬化樹脂除去工程と、
    前記基板本体の前記マイクロレンズが設けられた側とは反対の面に、気相成膜法により、金属元素を含む金属系材料を付与し、金属系材料層を形成する金属系材料層形成工程と、
    前記硬化部上に付与された前記金属系材料を、前記硬化部とともに除去し、前記開口部を形成する開口部形成工程とを有することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
  2. 前記金属系材料層の平均厚さは、1.0μm以下である請求項1に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  3. 前記金属系材料層の表面に、外光の反射を防止する反射防止処理を施す請求項1または2に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  4. 前記反射防止処理は、有色の材料で構成された反射防止層を前記金属系材料層上に形成することにより行う請求項1ないし3のいずれかに記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  5. 前記反射防止層は、前記開口部に向かって、厚さが漸減するよう構成されている請求項4に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の方法を用いて製造されたことを特徴とするマイクロレンズ基板。
  7. 請求項6に記載のマイクロレンズ基板を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  8. 請求項7に記載の透過型スクリーンを備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
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